JP2007153767A - 化学構造の類似度を算出し化合物の安全性を評価する方法及びこれを用いた医薬品安全性情報システム - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に医薬品の催奇形性を含む医薬品の安全性に関する情報が、文書情報に限定されず、化学物質の化学構造情報を相互に関連づけることによってユーザーの情報提供と収集を機能させる化学構造の類似度を定量的に評価するためのアルゴリズムの提供。
【解決手段】催奇形性既知の医薬品分子Xと催奇形性未知の一般化学物質分子Yの結合行列をそれぞれ作成するステップと、原子コード配列及び隣接原子情報配列の比較ステップと、分子Y中の原子の番号の入れ替えをするステップと、最初に戻って再処理するステップとから構成されることにより、分子Yと予めDB中に格納されている全ての分子Xについて類似度算出を行い、類似度の高い順に分子Yに関する医薬品安全性評価をスコア化して提供する。
【選択図】図6
【解決手段】催奇形性既知の医薬品分子Xと催奇形性未知の一般化学物質分子Yの結合行列をそれぞれ作成するステップと、原子コード配列及び隣接原子情報配列の比較ステップと、分子Y中の原子の番号の入れ替えをするステップと、最初に戻って再処理するステップとから構成されることにより、分子Yと予めDB中に格納されている全ての分子Xについて類似度算出を行い、類似度の高い順に分子Yに関する医薬品安全性評価をスコア化して提供する。
【選択図】図6
Description
本発明は、医薬品安全性情報コミュニティを構築するための統合データベースシステムの改良に関し、特にヒトの妊娠に関わる薬物催奇形性に関して、医薬品基本情報、症例情報及び化学構造情報の3つのDB(データベース)を格納した、インターネットを介して双方向・成長型の統合DB及び情報検索に用いる化学構造類似度算出のアルゴリズムに関する。
胎児に奇形を作る作用(teratogenicity)は、催奇形性あるいは催奇形と言われ、ヒトの妊娠にとって重要な問題の一つである。生物における発生・分化の過程では、薬物などの生体外異物に対する反応性が定常時と異なっており、種々の予期せぬ反応が誘起される可能性が大きいため、これをヒトで予測することが特に重要である。実際、遺伝子や蛋白質などの生体高分子と結合し変異を起こさせる物質が、ヒトに対して癌や胎児奇形を発現させることが多いことが知られている。特に、妊娠初期の胎児は薬物感受性が高いため、医薬品の研究開発担当者や薬物治療担当者にとって、薬物の変異原性、発癌性および催奇形性に関する情報の必要性は非常に高いが、これらの情報を共有できる統合DBシステムは我が国においては未だ充分整備されていない。
我が国では、過去半世紀の間に急速に少子高齢化が進んでいる。合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)は2004年で1.29と報告され、その減少化傾向が止まらず(非特許文献1)、65歳以上の人口比率も2005年3月に19.8%となりその増加は今も加速している(非特許文献2)。特に、少子化問題は深刻で、経済、社会保障、労働市場などへの大きな影響が懸念されている。
このような社会状況を受けて少子化対策が社会的な要請となっており、対策の一つとして出生率の向上が望まれるが、一方でサリドマイド児(アザラシ肢症)の誕生(非特許文献3、4)に見られるように薬物の有害作用による深刻な薬害問題も発生しており、その予測・予防を目的とした医薬品安全性情報の収集とその有効利用が極めて重要である。新生児のヒトで先天異常が発生する確率は新生児の約3〜4%と報告されている(非特許文献5)。そのうち、明らかに環境因子が原因と考えられるものは10%未満であり、さらに医薬品や環境化学物質などによるものは1%程度と推定されている。しかし、1960年代初頭に明らかになった前記サリドマイド禍以来、一般的には、どの薬にも催奇形性があると思い込む傾向があり、薬物による先天異常が過大に恐れられる傾向にある。図1は、本発明者らが1996年11月から1997年3月の間に、150人の初産婦に対して妊娠と薬に関する意識についてアンケート調査を行った結果である。54%の妊婦が、妊娠に気づかず薬を服用したと答え、そのうち95%が生まれてくる子供に対する薬の有害作用を心配していた。現在もなお、単に「妊娠に気づかず薬を服用してしまった」として夫婦ともに強く中絶を希望するケースが多い。
このような妊婦の不安を解消し、無用な生命の中断を防ぐ意味でも、妊婦への適切な情報提供と指導が望まれる。諸外国の状況を見ると、米国では薬物催奇形性情報サイト「TERIS」(Teratogen Information System、ワシントン大学)がある(非特許文献6)。これは、ヒトおよび動物に対する医薬品や化学物質の催奇形性に関する報告をまとめ、文書情報DBとしてオンラインまたはCD−ROMを介して有料で公開している。カナダでは「Motherisk Program」(トロント子供病院)と称するプログラムが知られている(非特許文献7)。これは、妊婦および医療関係者に対して、胎児に及ぼす化学物質、医薬品、感染、疾病あるいは放射線の影響に関する文書情報をもとに、専属カウンセラーが無料電話相談形式で情報提供・収集を行っているが、データは電子化されておらず未公開である。そのほか米国の「OTIS」(Organization of Teratology Information ervices)(非特許文献8)、豪州の「Mothersafe」、欧州の「ENTIS」(European Network of Teratology Information Services)、イスラエルの「ITIS」(Israel Teratogen Information Service)等においても、それぞれ薬物催奇形性に関する情報提供サービスシステムが構築されている。
これに対し、わが国では同様のシステムは構築されておらず、薬物の胎児への危険度を評価するために必要な、身近で便利な情報サービスが不足している。この情報不足が医療関係者による適切な助言を妨げ、妊婦の不安を助長する要因の一つとなっている。前記サリドマイド薬害を教訓として、1963年旧厚生省により医薬品の製造(輸入)承認申請に際し動物による催奇形性試験が義務づけられ、1989年には毒性試験のガイドラインも定められた。これにより医薬品の研究開発において生殖・発生毒性に関する試験が必ず実施されるが、試験の結果、開発が中断された薬物に関する情報は広く有効に利用されることなく各製薬企業の研究所に眠っているのが実状である。
また、2000年12月の「医薬品、医療用具の市販後調査の基準(GPMSP)」改正により、従来の「市販後調査」に加えて、2001年10月1日から新たに「市販直後調査」が義務付けられ、特に新薬発売後6ヶ月間の医薬品の副作用・感染症報告が強化された。しかしながら、未だ、臨床現場から催奇形性情報を含めた医薬品安全性情報が効率的に収集・提供され、医薬品開発にフィードバックされているとは言い難い状況である。
前記サリドマイド[α-(N-Phthalimido)glutarimide](フタル酸イミドと結合した光学活性グルタミン酸誘導体)は、1957年旧西独で副作用の全くない鎮静催眠薬として発売され、妊娠初期の抗つわり薬としても使用されたが、その催奇形性のために4年後に市場撤退を余儀なくされたことは有名である(非特許文献9、10)。しかし、その一方で、最近、ハンセン氏病、HIV、癌、ベーチェット病、あるいはクローン病などの難病に有効であるとして注目され、再び治療薬として使われ始めている(非特許文献10)。サリドマイドの催奇形性発現機構については、未だ明らかにされていないが、腫瘍壊死因子αの産生に対する修飾作用が報告され、その構造活性相関に関する研究も行われている(非特許文献11)。また、サリドマイドの化学構造の一部であるフタル酸、あるいはフタル酸エステル(プラスチック可塑剤として周知)が体内で内分泌撹乱物質として働くことが証明され、近年、生殖発生への影響が議論の的となっている(非特許文献12)。従って、この様なあらゆる催奇形性化合物の情報を収集し、最新の情報化学的手法を用いて解析すれば、生殖発生毒性の予測が可能ではないかと考えられるが、この分野の研究については限られた報告しか見当たらない(非特許文献13)。
近年、創薬の流れが変わりつつあり、新薬開発には、コンビナトリアル合成やハイスループットスクリーニング等のロボットを使ったラボラトリーオートメーション技術と情報化学的解析技術が導入されている。しかし、国内製薬企業18社が1996年から5年間に探索合成した422、653個の化合物のうち、前臨床試験まで進んだのは238個であったという報告もある(非特許文献14)。本発明者らの調査によると、前臨床試験で約13%の化合物に遺伝子毒性(Ames試験と小核試験において陽性)が認められたと言う事が判明している。続いて前記238個の中で臨床試験が開始されたのは162個で、最終的に医薬品として承認されたものはわずか63個であったという。このうち上市されたものは35個の化合物に過ぎず、新薬開発の成功率は実に12、076分の1という低率であることから、今後の開発効率の向上が望まれている。
薬物による催奇形性は、頻度は低いが薬物治療において決して起こしてはならない副作用である。そこで、有用な催奇形性化合物情報DBがあれば、催奇形性のある化学物質、あるいはその疑いのある分子については、予め候補化合物ライブラリーから除外することが可能である。また、催奇形性化合物情報DBを利用して、定量的構造活性相関等の手法を用いてデータマイニングの過程で疑いのある化学物質を予測し、除外することができる。さらに、生殖・発生毒性関連の様々な試験結果や臨床症例を新たな催奇形性毒性情報としてDBに加えることにより、DBは更に成長していくことになる。このように、創薬の現場においても、「先知恵」としての催奇形性情報は極めて重要な意味を持つ。催奇形性に関する毒性・副作用情報がドラッグデザインの中に組み込まれることによってはじめて、効率的な新薬開発がなされ、一般市民・妊婦にとっても安全な医薬品が誕生することになる。
厚生労働省大臣官房統計情報部平成16年人口動態統計月報 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai04/index.htm 総務省統計局人口推計月報 http://www.stat.go.jp/data/jinsui/tsuki/index.htm W.G.McBride,Lancet,278,1358(1961). W.Lenz,Lancet,279,271(1962). R.L.Brent,Pediatr Rev,22,153(2002). TERIShttp://depts.washington.edu/~terisweb/teris/ Motherisk http://www.motherisk.org/ OTIS http://www.otispregnancy.org/ Y.Hashimoto,Farumashia,39,315(2003). S.J.Matthews,C.McCoy,Clin.Ther.,25,342(2003). Y.Hashimoto,Bioorg.Med.Chem.,10,461(2002). C.A.Harris and J.P.Sumpter,Hand Book of Environmental Chemistry,3(Pt.L),ed.by M.Metzler,Springer,Berlin,Germany(2001),p.169 C.Hansch,B.R.Telzer,L.Zhang,Crit.Rev.Toxicol.,25,67(1995) 製薬協DATABOOK2002 http://www.jpma.or.jp/data/index_data.html 藤原崇,岸理絵子,大山真由美,木原勝,山内あい子,中馬寛,第3回CBI学会大会要旨集,292(2002).
厚生労働省大臣官房統計情報部平成16年人口動態統計月報 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai04/index.htm 総務省統計局人口推計月報 http://www.stat.go.jp/data/jinsui/tsuki/index.htm W.G.McBride,Lancet,278,1358(1961). W.Lenz,Lancet,279,271(1962). R.L.Brent,Pediatr Rev,22,153(2002). TERIShttp://depts.washington.edu/~terisweb/teris/ Motherisk http://www.motherisk.org/ OTIS http://www.otispregnancy.org/ Y.Hashimoto,Farumashia,39,315(2003). S.J.Matthews,C.McCoy,Clin.Ther.,25,342(2003). Y.Hashimoto,Bioorg.Med.Chem.,10,461(2002). C.A.Harris and J.P.Sumpter,Hand Book of Environmental Chemistry,3(Pt.L),ed.by M.Metzler,Springer,Berlin,Germany(2001),p.169 C.Hansch,B.R.Telzer,L.Zhang,Crit.Rev.Toxicol.,25,67(1995) 製薬協DATABOOK2002 http://www.jpma.or.jp/data/index_data.html 藤原崇,岸理絵子,大山真由美,木原勝,山内あい子,中馬寛,第3回CBI学会大会要旨集,292(2002).
医薬品に関する催奇形性情報及び情報にアクセスする方法として、公的なものから私的なものまで含めてWebサイトが提案され、運用もされている。しかし前記した米国の薬物催奇形性情報サイト「TERIS」、カナダの「Motherisk」等の代表的なプログラムにおいてさえも、文書情報は提供するものの、化学物質の化学構造情報は含まれず、化学構造式からの催奇形性予測システムもない。また、医薬品基本情報や症例情報に関する蓄積情報の複合検索機能やクライアントからの情報登録システムもない。
この様な現状に鑑み、本発明らは既に、創薬研究者や医療関係者のみならず妊婦を含む一般人等の参加と利用を可能にする情報コミュニティの場を提供することにより、情報科学的裏付けに基づいた医薬品の研究開発と根拠に基づく医療の実践、および国民の健康保持に資することを目的として、図2、図3及び図4に示すように、薬物催奇形性情報に関する階層化構造を持つ高度な情報提供・収集システムとして双方向成長型医薬品安全性情報コミュニティ統合システムの研究と整備を進めてきた。
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、前記した薬物催奇形性情報に関する現状における人々の不安と不便さを解消することを目的とし、妊婦、医療関係者、医薬品の研究開発者・技術者のみならず一般市民も、容易に医薬品の安全性、有害性、副作用などの情報を取得し、かつ提供することのできる知的共有基盤として双方向成長型医薬品安全性情報コミュニティ統合システムを構築するにあたり、催奇形性を含む医薬品の安全性に関する情報が、単に文書情報のみに限定されることなく、各情報が提供する医薬品の化学構造情報を相互に関連づけることによってユーザーの情報提供と収集を機能させるための化学構造の類似度を定量的に評価するためのアルゴリズムを提供することにある。
課題を解決するための第1の発明は、化学構造の類似度を算出するアルゴリズムであって,予め医薬品安全性情報データベースに登録されている催奇形性既知の医薬品分子Xと、検索対象として入力する催奇形性が未知の一般化学物質分子Yとの化学構造の類似度を定量的に算出するために、予め前記分子Xを構成する水素原子以外の全ての原子を骨格原子と置換基原子に分けてデータベース(以下、「DB」という。)に格納されており、且つその分子構造が構成原子の原子番号、座標及び結合原子間情報としてコンピュータ上に与えられていることを前提として、次の4つの処理ステップ、
(処理1)分子Xと分子Yの結合行列をそれぞれ作成するステップと、
(処理2)原子コード配列及び隣接原子情報配列の比較ステップと、
(処理3)分子Y中の原子の番号の入れ替えをするステップと、
(処理4)処理1に戻って再処理するステップと、
から構成されることにより、前記分子Yと予めDB中に格納されている全ての分子Xについて類似度算出を行い、類似度の高い順に前記分子Yに関する医薬品安全性評価をスコア化して提供することを特徴とする。
(処理1)分子Xと分子Yの結合行列をそれぞれ作成するステップと、
(処理2)原子コード配列及び隣接原子情報配列の比較ステップと、
(処理3)分子Y中の原子の番号の入れ替えをするステップと、
(処理4)処理1に戻って再処理するステップと、
から構成されることにより、前記分子Yと予めDB中に格納されている全ての分子Xについて類似度算出を行い、類似度の高い順に前記分子Yに関する医薬品安全性評価をスコア化して提供することを特徴とする。
第2の発明は、前記類似度算出アルゴリズムによる催奇形性評価のプロセスが、催奇形性DBより分子Xを抽出し、結合行列を作成し、原子コード配列AXと隣接情報配列BXを作成し、一方、分子Yを入力し、結合行列を作成し、原子コード配列AYと隣接情報配列BYを作成することにより、得られた配列AXとAY、配列BXとBYの類似度を算出するステップにおいて、配列AXとAY、配列BXとBYが一致する場合は分子Xと分子Yが一致するものとして採用し、不一致の場合は、可能なすべての原子の番号の入れ替えを行って構造類似度の最大値を採用するプロセスから構成されることを特徴とする。
第3の発明は、前記医薬品安全性情報データベースが、少なくとも医薬品基本情報と、症例情報と、化学構造情報とを備え、更に機能として薬剤名検索機能と、症例登録機能と、化学構造の検索機能と、化学構造の類似度を算出し催奇形性情報を含む医薬品安全性情報を提供する機能と、インターネットを介して双方向での入・出力によりDBが成長していく機能、とを備えた双方向成長型医薬品安全性情報コミュニティ統合システムであって、検索対象とする医薬品に関する安全性情報を得るためにコンピュータに入力される医薬品固有の情報と、統合システムのDBに有る医薬品の情報との構造類似度を算出して、前記検索対象の安全性未知の一般化学物質に最もふさわしい情報を提供するための,前記医薬品に関する安全性情報を定量的に評価するアルゴリズムが、請求項1又は2記載の方法であることを特徴とする。
第4の発明は、医薬品安全性情報が、妊娠前または妊娠中に使用又は使用される可能性のある医薬品に関わる催奇形性情報であることを特徴とする請求項3記載の双方向成長型医薬品安全性情報コミュニティ統合システムである。
第5の発明は、化学構造情報が、化学構造の類似度算出機能により提供される催奇形性の予測情報であることを特徴とする請求項3又は4記載の双方向成長型医薬品安全性情報コミュニティ統合システムである。
第6の発明は、医薬品基本情報DBには少なくとも医薬品の商品名、一般名、添付文書情報、薬剤胎児危険度、文献情報、及び物性値が格納され、臨床症例情報DBには少なくとも各医療機関、各組織もしくは各人により登録される症例情報が格納され、化学構造DBには類似構造の一覧表示が格納され、各DB間はCAS番号でリンクすることにより構造選択を可能とした構成からなることを特徴とする請求項3ないし5記載の双方向成長型医薬品安全性情報コミュニティ統合システムである。
医薬品安全性情報コミュニティ統合システムにおいて、医薬品の催奇形性に関する定量的評価を機能させるアルゴリズムを備えることにより、次のような効果が期待される。すなわち、(1)原著論文を含む薬物催奇形性に関して単に文書情報を羅列提供するのではなく、定量的評価に基づく的確で分かりやすい形での情報の提供が可能となり、医療関係者による根拠に基づいた医療の実践や妊娠に際しての医薬品に関する人々の不安解消に寄与できる。(2)各化学物質の化学構造式と催奇形性の種類や程度との関係を、構造活性相関等の情報として解析でき、情報化学的予測に基づいた医薬品の効率的な研究開発の推進に役立つ。(3)新規症例の追加登録によりDBの自己成長が促進され、医薬品の催奇形性に関する薬剤疫学的研究の効率化に繋げるための、より重みのある情報のフィードバックが可能となる。(4)本発明によるシステムの活用により、貴重なヒトのデータから薬物の有害作用を予測することや、臨床データを対象とした定量的構造活性相関解析が可能なシステムへ進めることが可能となる。
すなわち医薬品は「第3相臨床試験」を経て承認された後、市販されるため、新薬は市場に出てはじめて妊婦をはじめ小児や合併症を持つ高齢者等の多くのヒトに試されることになる。従って、「第4相市販後調査」の安全性情報は極めて重要である。実際に、薬物催奇形性情報に加えて、薬物の母乳移行性や胎盤透過性に関するヒトのデータを収集し、薬物の物理化学的性質から臨床データを情報化学的手法により解析することにより得られる有用な知見(非特許文献15)が、便利に且つ科学的に活用できるようになる。
本発明の実施形態を説明するに当たり、本発明に関わる医薬品安全性情報統合DBの構成概念を図5に、本発明のアルゴリズムを実行し化学構造類似度算出を行うフローチャートを図6に、算出結果をもとに基本情報DB上の検索へ導いてユーザーが求める情報を提供するプロセスを図11に示す。前記統合DBは医薬品の化学構造DBと医薬品基本情報DBと症例情報DBからなる。化学構造DBは、検索のために入力する一般化学物質の構造検索を可能とし、類似構造を持つ医薬品の一覧表示機能を有し、催奇形性予測の情報提供を可能とする。医薬品基本情報DBは、医薬品に関する商品情報(商品名、一般名、添付文書情報等)、FDA(米国食品医薬品局)やTGA(豪州Therapeutic Goods Administration)が提供する薬剤胎児危険度の情報、医学や薬学における研究を初めとする科学的研究成果からもたらされる文献情報、物性値等を有し、薬剤名やCAS番号等による検索を可能としている。症例情報DBは、我が国における症例情報(研究症例報告等)を登録することを可能としている。更に化学構造DBと医薬品基本情報DBおよび症例情報DBは相互にCAS番号(ケミカルアブストラクトサービスの登録番号)でリンクさせており、これにより新規な或いは未知の化学物質についても既存の医薬品との類似性を比較できるようにしている。
本発明は、このような統合DBにおいて、ユーザーが求める医薬品の安全性情報を、科学的、定量的且つ網羅的に検索し、評価し、特に催奇形性に関する情報或いは予測情報を得るためのアルゴリズムを提供する。以下に催奇形性の定量的評価算出のフローと検索プロセスを説明する。
本発明における、催奇形性の定量的評価の工程を図6に示すフローチャートによって説明すると、まず催奇形性既知の医薬品分子Xについて、催奇形性DBより抽出し、分子Xの結合行列を作成する。これを処理1とする。続いて分子Xの原子コード配列Aと隣接情報配列Bを作成する。これを処理2とする。
一方、ユーザーが催奇形性未知の一般化学物質分子Yを入力すると、分子Yの結合行列を作成する。これを処理1とする。続いて分子Yの原子コード配列Aと隣接情報配列Bを作成する。これを処理2とする。
次いで、分子Xと分子Yの前記配列AとBの一致・不一致を検定し、配列AとBが一致(YES)した場合は構造類似度を算出する。不一致(NO)の場合(類似度=ゼロ)は原子の番号付けの入れ替えを行う。この時点での入れ替えを処理3とする。入れ替えを行ったものを再度処理1工程へ戻し、前記類似度算出工程を可能なすべての入れ替えについて繰り返し,この一連の工程で得られた最大の構造類似度を分子Xと分子Yの構造類似度として採用する。以上が本発明にかかるアルゴリズの基本的概念である。こうして得られる構造類似度の情報に従って伴って提示されるCAS番号を通して、クライアントに必要な検索結果を基本情報DBから提供することができる(図11)。
次に、分子Xと分子Yの間の定量的類似度を算出するアルゴリズムを詳述する。但し、(1)分子Xは催奇形性既知医薬品のDBに格納されており、分子Yはユーザーが与えた分子と想定する。(2)分子X中のすべての原子(水素原子以外)は予め骨格原子と置換基原子の2種類に分けるものとする。(3)分子構造はコンピュータ上で構成原子の原子番号、座標および結合原子間情報として与えられるものとする。ここで骨格原子とは、図7において太線で表す化学構造を構成するものであり、置換基原子とは丸印内の化学記号で表すものである。
処理1.分子Xと分子Yの結合行列作成;計算機(コンピュータ)中に格納された分子構造情報から分子Xと分子Yのそれぞれの結合行列を作成する。図8(A)は原子の番号付けの例を、図8(B)は結合行列の例を、それぞれ示す。ただし、分子Xは骨格原子(水素原子以外)のみを対象としている。前記結合行列において、原子iと原子jが結合していれば、要素(i、j)=1であり、結合していなければ、要素(i、j)=0である。
処理2.原子コード配列および隣接原子情報配列の比較;処理1の番号付けにしたがって以下の配列A、Bを作成し、分子Xと分子Yの比較処理を行う。
(その1)原子コード配列Aを、分子Xと分子Yについてそれぞれ作成する。
(その1)原子コード配列Aを、分子Xと分子Yについてそれぞれ作成する。
の要素(8種類の整数値のセット)からなる。ただし、分子Xについては骨格原子(水素原子以外)のみを対象とする。
(その2)隣接情報配列Bを分子Xと分子Yについてそれぞれ作成する。
(計算例1)2つの分子X、Yについて、配列A(AX,AY)及び配列B(BX,BY)の一致が見出された場合は、(AX=AY and BX=BY for all i)であり、分子X骨格部分と分子Yの原子の番号の対応が定まり、従って分子Xの置換基に対応する分子Yの置換基が定まる。この結果、分子Xと分子Yの対応する置換基の比較(類似度算出)が可能となり、構造類似度Sを骨格類似度SKと置換基類似度SBの積として下記の計算式により算出する。
前記骨格類似度及び置換基類似度は、分子Xと分子Yの対応するi番目の原子の原子コード配列AX(i)、AY(i) (1,2,,,,,;骨格の原子数)の一致度(ベクトルの類似度:余弦係数)から骨格および置換基の類似度を以下のように算出する;
(a)骨格類似度SK
(a)骨格類似度SK
(b)置換基類似度SB
分子Xと分子Yの対応するi番目の置換基中に含まれる水素原子以外のすべての原子について、それぞれ原子コードの配列要素毎の和を算出し、それらの和を要素とする2つの配列の一致度(ベクトルの類似度:余弦係数およびTanimoto係数)から算出する;
(計算例2)2つの分子X、分子Yについて、配列A(AX,AY)及び配列B(BX,BY)が一致しなければ(AX≠AY and BX≠BY for some i)であり、(分子X、分子Yの構造類似度)=0である。
処理3.分子Y中の原子の番号の入れ替え;分子Yの2つの原子i,jの入れ替えを行う(分子Yの番号付けの変更)。原子の番号付けを入れ替える例を図9(A)と(B)に示す。ここでは図9(A)中の右上に位置する2番原子と右下の3番原子を入れ替え、図9(B)に示すように右上を3番原子に、右下を2番原子とする。そうすることによって、異なる配列A、,Bが得られ、前記段落「0028」〜「0038」の工程を行い、分子XとYの構造類似度を算出する。
処理1に戻る;分子Yの可能な全ての原子(水素原子以外)の番号の入れ替えを行い、その結果、得られた(分子X、分子Yの構造類似度)の最大の値を分子Xと分子Yの間の構造類似度とする。前記の処理を与えられた分子YとDB中に可能されているすべての分子Xについて行い、類似度を高い順に分子Xの情報を表示する。こうして得られる構造類似度の情報に従って提示されるCAS番号を通して、クライアントに必要な検索結果を基本情報DBから提供することができる(図11)。
本発明のアルゴリズムを適用した医薬品安全性情報コミュニティ統合システムを図によって説明する。図2は本発明者等が構築を進めている統合システムの概要である。統合システムは(イ)妊婦、医師、薬剤師、製薬企業、研究者等からなるユーザー群と、(ロ)医薬品基本情報を納めた「文書DB」、化学構造を納めた「化合物DB」、症例情報を納めた「症例DB」からなるDB類とからなり、前記(イ)と前記(ロ)を、例えば医薬品の一般名、CAS番号、及び化学構造式からなるキーワード類を介して統合システムを運用するシステムの全体像を示している。
発明者らは、既に、図3に示すようなインターネット上で薬物の催奇形性情報を検索でき、かつ臨床からの症例登録や、研究者による生殖・発生毒性試験情報の登録等も可能な、妊婦(一般市民)、医療関係者及び創薬研究者から成る双方向・成長型情報コミュニティの構築を提案している。双方向とは、従来の成書やCDのような一方向的な情報提供ではなく、市民、薬剤師、医師、製薬企業、大学等公共機関からの情報の送受信、情報の共用を意味している。様々なコミュニティメンバーを対象とするため、利用層に合わせた階層構造を持つ広域分散型のDBとしてシステムを管理することになる。症例、分子構造と活性などの多様な情報を安全に交換、蓄積、利用できる環境を実現するために、データ記述言語XMLとデジタル認証技術およびデータマイニング技術を活用し、情報の安全性を確保する構成にしている。
本システムにおけるもう一つの重要な特徴は、図4に示すように知識獲得・成長である。催奇形性に関する情報は、コミュニティから集積し、DBに登録される。市販医薬品の臨床症例情報については、登録される文書情報の信頼度レベルを審査するため、情報評価専門委員会による審査制度を設ける。市民からの苦情のようなものも、服薬に関する意識調査として貴重な情報となる。特に、妊娠初期に服薬したにもかかわらず異常の認められなかった症例のように、これまで収集されることのなかった無数の情報の蓄積は、妊婦の薬物治療に有益な科学的根拠を与えるものとなる。また、新規化学物質についても、本発明のアルゴリズムを利用して情報化学的手法を導入し、定量的構造活性相関・分子情報化学的解析・生物的等価性などによる化学構造類似性評価を行い、催奇形性リスクをスコア化することにより、ドラッグデザインに利用することである。このように、双方向成長型薬物催奇形性情報コミュニティでは、単にDBを拡大させるのではなく、サイエンスにおける情報(Information)から知識(Knowledge)、そして知恵(Wisdom)の獲得・成長を一般市民と共に実現することを可能としている。
本システムの各コンポーネントは、Webサービスとして実装されており、図10に示すように、通常のWebブラウザからの利用以外に、他のクライアント・プログラムや外部プラットフォームからHTTPリクエストを用いて利用可能となっている。コアとなるWebサービスは、クライアントからのリクエストを受け付け、医薬品基本情報や症例入力、検索、化合物構造類似性検索要求を対応するサービス・モジュール(サーバー)にディスパッチする。サービス・モジュール(サーバー)からの処理結果はHTTP、XML/SOAP標準に準拠した形式で、クライアントに返却される。
本コミュニティ・システムのサーバー機能は、医薬品基本情報や症例情報を格納するデータベース・サーバーと化合物構造類似性検索を行う計算サーバー、及びクライアントからのリクエストを各サーバーへディスパッチするコアWebサービスからなる(図10参照)。
クライアントとしては、Webブラウザを用いて医薬品基本情報や文献情報、症例を入力、検索依頼するWebフォームと、化合物構造類似性検索機能を提供するスタンドアローンのクライアント・プログラムがある。化合物構造類似性検索機能はHTTPリクエストを行うスタンドアローン・プログラムとして実装することにより、GUI操作性の向上を図るとともに、全体システムのセキュリティを高めている。また本システムでは医薬品添付文書に関する最新情報を、Webを介して自動的に取得するためのWebエージェントを実装している。
クライアントとしては、Webブラウザを用いて医薬品基本情報や文献情報、症例を入力、検索依頼するWebフォームと、化合物構造類似性検索機能を提供するスタンドアローンのクライアント・プログラムがある。化合物構造類似性検索機能はHTTPリクエストを行うスタンドアローン・プログラムとして実装することにより、GUI操作性の向上を図るとともに、全体システムのセキュリティを高めている。また本システムでは医薬品添付文書に関する最新情報を、Webを介して自動的に取得するためのWebエージェントを実装している。
図11は、本医薬品安全性情報統合DBシステムにおいて、ある化学物質の化学構造と類似化学構造を持つ催奇形性医薬品を化学構造DBより検索し、症例情報DBとリンクした医薬品基本情報DBよりその医薬品の分子情報および商品情報を提示させる検索メカニズムを示している。
図12ないし図21は、本発明のシステムを用いて検索するための入力画面、検索結果を表示する画面、印刷レイアウト、及び症例登録画面等の例を示す。各表示画面について以下に説明する。図12は創薬研究者が化学構造DBを用いて、例としてサリチル酸類似分子を検索する場合の入力画面の例である。ここでは、化学構造式入力画面よりサリチル酸の化学構造式を入力している。図13は前記検索の結果を示す画面の例で、ここには検索でヒットしたアスピリンの化学構造式と催奇形性リスクのスコアが表示される。図14は医薬品基本情報DBにおける検索画面を示し、キーワードとして前記(図13)でヒットしたアスピリンのCAS番号を入力した検索画面の例である。
この基本情報DBの検索においては、CAS番号だけでなく創薬研究者が必要とする専門的で多様な事項、例えば分子一般名、分子式、分子量などをキーワードとして入力することができるだけでなく、研究報告における試験動物の種属としてラットやヒト、投与経路などや、医薬品販売名、販売会社名、医薬品一般名、薬効分類名称などもキーワードとして入力することができる。
図15は前記検索の結果を示す画面の例である。ここには検索でヒットした医薬品が分子名、分子の英語表記、分子式が表示され、さらなる詳細情報へのアクセスは「詳細」のアイコンによってリンクされている。前記詳細情報の表示画面の例を図16に示す。ここには前記検索対象の医薬品に関する分子情報、FDAやTGAの薬剤催奇形性スコアや研究報告の内容と文献等の研究者にとって必要な、詳しく専門的な情報の詳細が分類されて表示される。さらに、分子一般名をクリックすると、図17に例を示すような当該化学物質を含む市販医薬品一覧表が表示され、「詳細」アイコンによって、ここから図18に示す当該医薬品の添付文書情報へもリンクされる。
図19及び20は、創薬研究者もしくは医療関係者の検索結果として提示される詳細情報の他の例である。薬物催奇形性に関する医薬品情報に加えて、症例および研究情報が種属(ヒト、ラットなど)、対象患者、投与時期および期間、投与経路、結果および文献について一覧表として表示・印刷される例を示している。更に図21は本システムに対して症例情報を登録するための入力画面の例を示している。
以上詳述したように、本発明のアルゴリズムを搭載した双方向成長型医薬品安全性情報コミュニティ統合システムは、医薬品の安全性情報、特に催奇形性に関わる情報を便利に且つ的確な情報を、妊婦のみならず一般人から医療関係者、創薬の研究開発者、製薬メーカーに至る幅広いユーザーに提供できるので、妊娠・出産に関わる人々の安全・安心の度合いを改善し、少子化対策の一助となるばかりでなく、ムダな医薬品の開発を抑制し、安全・安心な医薬品の提供に繋がるので、医療・医薬の産業分野における経済効果も期待できる。
Claims (6)
- 化学構造の類似度を算出する方法であって、予め医薬品安全性情報データベースに登録されている催奇形性が既知の医薬品分子Xと、検索対象として入力する催奇形性が未知の一般化学物質分子Yとの化学構造の類似度を定量的に算出するアルゴリズムが、予め前記分子Xを構成する水素原子以外の全ての原子を骨格原子と置換基原子に分けて知識データベースシステム(以下、「DB」という。)に格納されており、且つその分子構造が構成原子の原子番号、座標及び結合原子間情報としてコンピュータ上に与えられていることを前提として、次の4つの処理ステップ、
(処理1)分子Xと分子Yの結合行列をそれぞれ作成するステップと、
(処理2)原子コード配列及び隣接原子情報配列の比較ステップと、
(処理3)分子Y中の原子の番号の入れ替えをするステップと、
(処理4)処理1に戻って再処理するステップと、
から構成されることにより、前記分子Yと予めDB中に格納されている全ての分子Xについて類似度算出を行い、類似度の高い順に前記分子Yに関する医薬品安全性評価をスコア化して提供することを特徴とする化学構造の類似度を算出し,化合物の安全性を評価する方法。 - 請求項1記載の類似度算出アルゴリズムによる催奇形性評価のプロセスが、催奇形性DBより分子Xを抽出し、結合行列を作成し、原子コード配列AXと隣接情報配列BXを作成し、一方、分子Yを入力し、結合行列を作成し、原子コード配列AYと隣接情報配列BYを作成することにより、得られた配列AXとAY、配列BXとBYの類似度を算出するステップにおいて、配列AXとAY、配列BXとBYが一致する場合は分子Xと分子Yが一致するものとして採用し、不一致の場合は、可能なすべての原子の番号の入れ替えを行って構造類似度の最大値を採用するプロセスから構成されることを特徴とする請求項1記載の化学構造の類似度を算出する方法。
- 医薬品安全性情報データベースが、少なくとも医薬品基本情報と、症例情報と、化学構造情報とを備え、更に機能として薬剤名検索機能と、症例登録機能と、化学構造の検索機能と、化学構造の類似度を算出して催奇形性を含む化合物の安全性を評価し医薬品安全性情報を提供する機能と、インターネットを介して双方向での入・出力によりDBが成長していく機能、とを備えた双方向成長型医薬品安全性情報コミュニティ統合システムにおいて、検索対象とする医薬品に関する安全性情報を得るためにコンピュータに入力される医薬品固有の情報と、統合システムのDBに有る医薬品の情報との構造類似度を算出して、前記検索対象の安全性未知の一般化学物質に最も関連した情報を提供するための、前記医薬品に関する安全性情報を定量的に評価するアルゴリズムが、請求項1又は2記載の方法であることを特徴とする双方向成長型医薬品安全性情報コミュニティ統合システム。
- 医薬品安全性情報が、妊娠前または妊娠中に使用又は使用される可能性のある医薬品に関わる催奇形性情報であることを特徴とする請求項3記載の双方向成長型医薬品安全性情報コミュニティ統合システム。
- 化学構造情報が、化学構造の類似度算出機能により提供される催奇形性の予測情報であることを特徴とする請求項3又は4記載の双方向成長型医薬品安全性情報コミュニティ統合システム。
- 医薬品基本情報DBには少なくとも医薬品の商品名、一般名、添付文書情報、薬剤胎児危険度、文献情報、及び物性値が格納され、臨床症例情報DBには少なくとも各医療機関、各組織もしくは各人により登録される症例情報が格納され、化学構造DBには類似構造の一覧表示が格納され、各DB間はCAS番号でリンクすることにより構造選択を可能とした構成からなることを特徴とする請求項3ないし5記載の双方向成長型医薬品安全性情報コミュニティ統合システム。
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