JP7302297B2 - 材料特性予測装置、材料特性予測方法、及び材料特性予測プログラム - Google Patents

材料特性予測装置、材料特性予測方法、及び材料特性予測プログラム Download PDF

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Description

本件は、材料特性予測装置、材料特性予測方法、及び材料特性予測プログラムに関する。
通常、構造が類似する化合物(分子)どうしは、特性(性質)も類似することが期待される。この「類似する化合物は類似する性質を持つ」という類似性質原則は、化合物の性質を予測して、所定の性質を持つ化合物を設計する場合や、化合物のデータベースをスクリーニングして、所定の性質を持つ化合物を探索する場合などにおいて広く用いられている。
類似性質原則を用いると、例えば、既存の化合物を問い合わせ化合物として、データベースから探索された類似化合物(当該問い合わせ化合物と構造が類似する化合物)は、その機能(特性、物性)が問い合わせ化合物と同様であると予測できる。また、新規の化合物を問い合わせ化合物とする場合には、当該問い合わせ化合物と構造が類似する化合物をデータベースから探索することにより、新規化学物質の特性値を予測することもできる。
ここで、構造が互いに類似する化合物の探索は、例えば、化合物どうしにおける構造の類似度を評価し、構造の類似度が高い化合物を類似する化合物として特定することにより行うことができる。
化合物どうしにおける構造の類似度を評価する手法としては、様々な手法が提案されているが、例えば、フィンガープリント法が広く用いられている。フィンガープリント法では、例えば、問い合わせ化合物における部分構造が、比較対象の化合物に含まれているか否かを、0又は1で表して類似度を評価する。
また、構造の類似度を評価する手法として、化合物間において共通する部分構造の探索を、コンフリクトグラフの最大独立集合問題をイジングモデルの式で表してアニーリングマシン等で解くことにより行う手法も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
さらに、化合物の構造をグラフ化して扱う場合などにおいて、グラフの各頂点(化合物における各原子に相当)に、頂点どうしの接続情報(例えば、原子どうしの結合情報など)を加味してラベルを付す技術も知られている(例えば、非特許文献2参照)。
これらの従来技術においては、化合物の構造の情報のみに基づいて、問い合わせ化合物(対象材料)の特性値を予測するため、予測しようとする特性によっては予測の精度が悪くなってしまう場合があった。また、これらの従来技術では、予測する特性ごとに化合物の類似度を算出することができず、所望の特性に着目して類似する化合物を探索することができないという問題があった。
Maritza Hernandez, Arman Zaribafiyan, Maliheh Aramon, Mohammad Naghibi "A Novel Graph-based Approach for Determining Molecular Similarity". arXiv:1601.06693(https://arxiv.org/pdf/1601.06693.pdf) Shervashidze, N.; Schweitzer, P.; Jan van Leeuwen, E.; Mehlhorn, K.; Borgwardt, K. M. Weisfeiler-Lehman Graph Kernels. J. Mach. Learn. Res. 2011, 2539-2561.
一つの側面では、本件は、対象材料の特性の特性値を、当該特性に応じて高精度に予測できる材料特性予測装置、材料特性予測方法、及び材料特性予測プログラムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段の一つの実施態様は、以下の通りである。
すなわち、一つの実施態様では、材料特性予測装置は、対象材料の特性の特性値を予測する材料特性予測装置であって、対象材料と特性の特性値が第1の値である第1材料との、特性に係る類似度を求めることにより対象材料の特性値を予測する特性予測部を備える。
また、一つの実施態様では、材料特性予測方法は、対象材料の特性の特性値を予測する材料特性予測方法であって、対象材料と特性の特性値が第1の値である第1材料との、特性に係る類似度を求めることにより対象材料の特性値を予測する特性予測工程を含む。
さらに、一つの実施態様では、材料特性予測プログラムは、対象材料の特性の特性値を予測する材料特性予測プログラムであって、対象材料と特性の特性値が第1の値である第1材料との、特性に係る類似度を求めることにより対象材料の特性値を予測する特性予測処理を、コンピュータに行わせる。
一つの側面では、本件は、対象材料の特性の特性値を、当該特性に応じて高精度に予測できる結合構造探索装置、結合構造探索方法、及び結合構造探索プログラムを提供できる。
図1は、酢酸及び酢酸メチルをグラフ化する様子の一例を示す図である。 図2は、分子A及びBにおける同じ元素どうしを組み合わせてコンフリクトグラフのノードをする場合の組み合わせの一例を示す図である。 図3は、コンフリクトグラフにおけるエッジ作成のルールの一例を示す図である。 図4は、分子Aと分子Bにおけるコンフリクトグラフの一例を示す図である。 図5は、グラフにおける最大独立集合の一例を示す図である。 図6は、分子Aと分子Bとにおける最大の共通部分構造を、コンフリクトグラフの最大独立集合を求める(最大独立集合問題を解く)ことにより求める場合における流れの一例を示す図である。 図7は、ノードの数が6個のグラフにおける最大独立集合を探索する手法の一例を説明するための説明図である。 図8は、ノードの数が6個のグラフにおける最大独立集合を探索する手法の一例を説明するための説明図である。 図9は、コンフリクトグラフにおける最大独立集合の一例を示す図である。 図10は、Weisfeiler-Lehman手続を行い、ノード原子に対しWLラベルを付す際の流れの一例を示す模式図である。 図11は、本件で開示する材料特性予測装置の構成例を表す図である。 図12は、本件で開示する材料特性予測装置の他の構成例を表す図である。 図13は、本件で開示する材料特性予測装置の他の構成例を表す図である。 図14は、本件で開示する材料特性予測装置の一実施形態としての機能構成例を示す図である。 図15は、本件で開示する材料特性予測装置の他の実施形態としての機能構成例を示す図である。 図16は、本件で開示する技術の一例を用いて、特性に係る類似度を求めることにより、対象材料の特性値を予測する際のフローチャートの例である。 図17Aは、N-メチルアセトアミドの分子構造の一例を示す図である。 図17Bは、図17Aに示した分子構造を、ノード原子のラベルを原子の種類(元素)としてグラフ化した場合の一例を示す図である。 図17Cは、本件で開示する技術の一例におけるWLラベルを付した、N-メチルアセトアミドの分子構造の一例を示す図である。 図18は、本件で開示する技術の一例を用いて、特性に係る類似度を求めるためのパラメータを更新する際のフローチャートの例である。 図19は、本件で開示する技術の一例を用いて、特性に係る類似度を求めるためのパラメータを更新する際のフローチャートの他の例である。 図20は、焼き鈍し法に用いる最適化装置(制御部)の機能構成の一例を示す図である。 図21は、遷移制御部の回路レベルの一例を示すブロック図である。 図22は、遷移制御部の動作フローの一例を示す図である。 図23は、表2に示した結果に基づいて、類似度と特性に係る特性値(非誘電率)とをプロットし、それらのプロットを線形近似した近似直線を引いたグラフの一例を示す図である。 図24は、比誘電率が近くない材料間の類似度が、従来技術においては高く算出され、本実施形態では低く算出される例における、分子構造及びグラフ化した分子構造の一例を示す図である。 図25は、比誘電率が近い材料間の類似度が、従来技術においては低く算出され、本実施形態では高く算出される例における、分子構造及びグラフ化した分子構造の一例を示す図である。 図26は、本件で開示する技術の一実施形態及び従来技術における、類似度と特性値の関係の一例を示す図である。
(材料特性予測装置)
本件で開示する材料特性予測装置は、対象材料の特性の特性値を予測する装置である。本件で開示する材料特性予測装置は、特性予測部を有し、更に必要に応じてその他の部(手段)を有する。
まず、本件で開示する技術の詳細を説明する前に、従来技術における材料どうしの類似度の算出手法について説明する。ここでは、従来技術における材料どうしの類似度の算出手法の一例として、コンフリクトグラフの最大独立集合問題を解くことにより、比較する材料どうしにおいて共通する部分構造を探索して類似度を算出する手法について説明する。
コンフリクトグラフの最大独立集合問題を解くことにより、化合物どうしの構造の類似度を算出する際には、化合物をグラフ化して扱う。ここで、化合物をグラフ化するとは、例えば、化合物における原子の種類(元素)の情報と各原子の結合状態の情報とを用いて、化合物の構造を表すことを意味する。
化合物の構造は、例えば、MOL形式や、SDF(Structure Data File)形式の表現を用いて表すことができる。通常、SDF形式とは、MOL形式で表現された複数の化合物の構造情報を、一つのファイルにまとめたものを意味する。また、SDF形式のファイルにおいては、MOL形式の構造情報の他に、化合物ごとの付加情報(例えば、カタログ番号、CAS番号、分子量など)を扱うことが可能である。これらの化合物の構造は、例えば、「原子1(の名称)、原子2(の名称)、原子1の元素の情報、原子2の元素の情報、原子1と原子2の結合次数」を1つの行とするCSV(Comma-Separated Value)形式としてグラフ化できる。
以下では、コンフリクトグラフの作成方法について、酢酸(CHCOOH)と酢酸メチル(CHCOOCH)とにおけるコンフリクトグラフを作成する場合を例として説明する。
まず、酢酸(以下では、「分子A」と称することがある)と酢酸メチル(以下では、「分子B」と称することがある)をグラフ化すると、図1のようになる。図1においては、酢酸を形成する原子をA1、A2、A3、及びA5で示し、酢酸メチルを形成する原子をB1からB5で示している。また、図1では、A1、A2、B1、B2、及びB4は炭素を示し、A3、A5、B3、及びB5は酸素を示すとともに、単結合を細い実線で、二重結合を太い実線で示している。なお、図1に示す例においては、水素以外の原子を選択してグラフ化しているが、化合物をグラフ化する際には、水素も含めて全ての原子を選択してグラフ化してもよい。
次に、グラフ化した分子A及びBにおける頂点(原子)どうしを組み合わせて、コンフリクトグラフの頂点(ノード)を作成する。このとき、例えば、図2に示すように、分子A及びBにおける同じ元素どうしを組み合わせてコンフリクトグラフのノードとすることが好ましい。図2に示す例においては、炭素を表すA1、A2、B1、B2、及びB4どうしの組み合わせ、並びに、酸素を表すA3、A5、B3、及びB5どうしの組み合わせをコンフリクトグラフのノードとする。このように、同じ元素どうしの組み合わせをノードとすることにより、最大独立集合に含まれ得るノードでコンフリクトグラフを作成することができるため、ノードの数を抑制でき、最大独立集合問題を解くために必要とされる計算機のビットの数を少なくできる。
図2の例では、分子Aの炭素と分子Bの炭素との組み合わせにより6個、分子Aの酸素と分子Bの酸素との組み合わせにより4個のノードを作成するため、グラフ化した分子A及びBから作成されるコンフリクトグラフにおけるノードの数は10個となる。
続いて、コンフリクトグラフにおけるエッジ(枝、辺)を作成する。このとき、2つのノードを比較して、ノードどうしが異なる状況(例えば、原子番号、結合の有無、結合次数など)にある原子で構成される場合は、その2つのノードの間にエッジを作成する。一方、2つのノードを比較して、ノードどうしが同じ状況にある原子で構成される場合は、その2つのノードの間にはエッジを作成しない。
ここで、図3を参照して、コンフリクトグラフにおけるエッジ作成のルールについて説明する。
まず、図3に示す例において、ノード〔A1B1〕とノード〔A2B2〕との間にエッジを作成するか否かについて説明する。図3におけるグラフ化した分子Aの構造からわかるように、ノード〔A1B1〕に含まれる分子Aの炭素A1と、ノード〔A2B2〕に含まれる分子Aの炭素A2は、互いに結合(単結合)している。同様に、ノード〔A1B1〕に含まれる分子Bの炭素B1と、ノード〔A2B2〕に含まれる分子Bの炭素B2は、互いに結合(単結合)している。すなわち、炭素A1と炭素A2の結合の状況と、炭素B1と炭素B2の結合の状況は互いに同一になっている。
このように、図3の例においては、分子Aにおける炭素A1と炭素A2の状況と、分子Bにおける炭素B1と炭素B2の状況が互いに同一となっており、ノード〔A1B1〕とノード〔A2B2〕は、互いに同一の状況の原子で構成されるノードどうしとなる。このため、図3に示す例では、ノード〔A1B1〕とノード〔A2B2〕との間には、エッジを作成しない。
次に、図3に示す例において、ノード〔A1B4〕とノード〔A2B2〕との間にエッジを作成するか否かについて説明する。図3におけるグラフ化した分子Aの構造からわかるように、ノード〔A1B4〕に含まれる分子Aの炭素A1と、ノード〔A2B2〕に含まれる分子Aの炭素A2は、互いに結合(単結合)している。一方、グラフ化した分子Bの構造からわかるように、ノード〔A1B4〕に含まれる分子Bの炭素B4と、ノード〔A2B2〕に含まれる分子Bの炭素B2は、間に酸素B3を挟んでおり、直接は結合していない。すなわち、炭素A1と炭素A2の結合の状況と、炭素B4と炭素B2の結合の状況は互いに異なっている。
つまり、図3の例においては、分子Aにおける炭素A1と炭素A2の状況と、分子Bにおける炭素B4と炭素B2の状況が互いに異なっており、ノード〔A1B4〕とノード〔A2B2〕は、互いに異なる状況の原子で構成されるノードどうしとなる。このため、図3に示す例では、ノード〔A1B4〕とノード〔A2B2〕との間に、エッジを作成する。
このように、コンフリクトグラフは、ノードどうしが異なる状況にある原子で構成される場合は、そのノードの間にエッジを作成し、同じ状況にある原子で構成される場合は、そのノードの間にはエッジを作成しないというルールに基づいて作成することができる。
図4は、分子Aと分子Bにおけるコンフリクトグラフの一例を示す図である。図4に示すように、例えば、ノード〔A2B2〕とノード〔A5B5〕においては、分子Aにおける炭素A2と酸素A5の結合の状況と、分子Bにおける炭素B2と炭素B5の結合の状況は互いに同一になっている。このため、ノード〔A2B2〕とノード〔A5B5〕は、互いに同一の状況にある原子で構成されるノードとなるため、ノード〔A2B2〕とノード〔A5B5〕との間には、エッジを作成していない。
ここで、コンフリクトグラフのエッジは、例えば、構造の類似度を算出する2つの化合物の化学構造データに基づいて作成することができる。例えば、SDF形式のファイルを用いて化合物の化学構造データを入力する場合、SDF形式のファイルに含まれる情報に基づいて、コンピュータ等の計算機を用いて計算を行うことで、コンフリクトグラフのエッジを作成(特定)することができる。
次に、非特許文献1に記載されているような従来技術の一例における、作成したコンフリクトグラフの最大独立集合問題を解く方法について説明する。
コンフリクトグラフにおける最大独立集合(Maximum Independent Set;MIS)とは、コンフリクトグラフを構成するノードの集合のうち、ノード間にエッジが存在しないノードが最も多く含まれる集合を意味する。言い換えると、コンフリクトグラフにおける最大独立集合とは、互いのノードの間にエッジが存在しないノードで形成される集合のうち、最大の大きさ(ノード数)を有する集合を意味する。
図5は、グラフにおける最大独立集合の一例を示す図である。図5では、集合に含まれるノードには「1」の符号を、集合に含まれないノードには「0」の符号を付し、ノード間にエッジが存在する箇所は実線で当該ノードどうしを結び、エッジが存在しない箇所は点線で当該ノードどうしを結んでいる。なお、ここでは、図5に示すように、説明の簡略化のため、ノードの数が6個のグラフを例として説明する。
図5に示す例においては、ノード間にエッジが存在しないノードで構成される集合のうち、ノードの数が最大となる集合は3つあり、これらの集合のノード数は3である。すなわち、図5に示す例では、グラフにおける最大独立集合は、一点鎖線で囲んだ3つの集合となる。
ここで、上述したように、コンフリクトグラフは、ノードどうしが異なる状況にある原子で構成される場合は、そのノードの間にエッジを作成し、同じ状況にある原子で構成される場合は、そのノードの間にはエッジを作成しないというルールに基づいて作成される。このため、コンフリクトグラフにおいて、ノード間にエッジが存在しないノードで構成される集合のうち、ノードの数が最大となる集合である最大独立集合を求めることは、2つの分子間において共通する部分構造のうち、最大のものを求めることと同義となる。言い換えると、コンフリクトグラフにおける最大独立集合を求めることにより、2つの分子における最も大きな共通の部分構造を特定することができる。
つまり、2つの分子をグラフ化して、グラフ化した分子の構造に基づいてコンフリクトグラフを作成し、コンフリクトグラフにおける最大独立集合を求めることにより、当該2つの分子における最大の共通部分構造を求めることができる。
図6には、分子A(酢酸)と分子B(酢酸メチル)とにおける最大の共通部分構造を、コンフリクトグラフの最大独立集合を求める(最大独立集合問題を解く)ことにより求める場合における流れの一例を示す。図6に示すように、分子Aと分子Bをそれぞれグラフ化し、同じ元素どうしを組み合わせてノードとし、ノードを構成する原子の状況に応じてエッジを形成してコンフリクトグラフを作成する。そして、作成したコンフリクトグラフにおける最大独立集合を求めることにより、分子Aと分子Bにおける最大の共通部分構造を求めることができる。
ここで、コンフリクトグラフの最大独立集合を求める(探索する)ための具体的な方法の一例について説明する。
コンフリクトグラフの最大独立集合の探索は、例えば、最小化することが最大独立集合の探索をすることを意味するハミルトニアンを用いることにより行うことができる。より具体的には、例えば、下記の式(1)に示すハミルトニアン(H)を用いることにより行うことができる。
Figure 0007302297000001
ここで、上記式(1)において、nは、コンフリクトグラフにおけるノードの数であり、biは、i番目の前記ノードに対するバイアスを表す数値である。
さらに、wijは、i番目のノードとj番目のノードとの間にエッジが存在するときは、0ではない正の数であり、i番目のノードとj番目のノードとの間にエッジが存在しないときは、0である。
また、xiは、i番目のノードが0又は1であることを表すバイナリ変数であり、xjは、j番目のノードが0又は1であることを表すバイナリ変数である。
なお、α及びβは、正の数である。
上記式(1)で表されるハミルトニアンと最大独立集合の探索との関係について、更に詳細に説明する。上記式(1)は、Quadratic Unconstrained Binary Optimization(QUBO)形式のイジングモデル式を表すハミルトニアンである。
上記式(1)において、xiは、1である場合、i番目のノードが最大独立集合の候補となる集合に含まれることを意味し、0である場合、i番目のノードが最大独立集合の候補となる集合に含まれないことを意味する。同様に、上記式(1)において、xは、1である場合、j番目のノードが最大独立集合の候補となる集合に含まれることを意味し、0である場合、j番目のノードが最大独立集合の候補となる集合に含まれないことを意味する。
このため、上記式(1)について、状態を1とした(ビットを1にした)ノード間にはエッジが存在しないという制約の下で、できるだけ多くのノードの状態が1となる組み合わせを探索することにより、最大独立集合を探索することができる。
ここで、上記式(1)における各項について説明する。
上記式(1)における右辺の一項目(係数が-αの項)は、xiが1となるiが多いほど(最大独立集合の候補となる集合に含まれるノードの数が多いほど)、値が小さくなる項である。なお、上記式(1)における右辺の一項目において値が小さくなるとは、大きな負の数になることを意味する。つまり、上記式(1)においては、右辺の一項目の作用により、多くのノードのビットが1となると、ハミルトニアン(H)の値が小さくなる。
上記式(1)における右辺の二項目(係数がβの項)は、ビットが1になっているノード間にエッジが存在する場合(wijが0ではない正の数である場合)に、値が大きくなるペナルティーの項である。言い換えると、上記式(1)における右辺の二項目は、ビットが1になっているノード間においてエッジが存在する箇所がない場合には0となり、それ以外の場合には正の数となる。つまり、上記式(1)においては、右辺の二項目の作用により、ビットが1になっているノード間にエッジが存在すると、ハミルトニアン(H)の値が大きくなる。
上記式(1)は、上述したように、多くのノードのビットが1となると値が小さくなるとともに、ビットが1になっているノード間にエッジが存在すると値が大きくなるため、上記式(1)を最小化することが最大独立集合の探索をすることを意味するといえる。
ここで、上記式(1)で表されるハミルトニアンと最大独立集合の探索との関係について、図面を参照しながら例を用いて説明する。
ノードの数が6個のグラフにおいて、図7に示す例のように各ノードにビットを設定する場合を考える。図7の例では、図5と同様に、ノード間にエッジが存在する箇所は実線で当該ノードどうしを結び、エッジが存在しない箇所は点線で当該ノードどうしを結んでいる。
図7の例について、上記式(1)におけるbiを1とし、i番目のノードとj番目のノードとの間にエッジが存在するときのwijを1とすると、上記式(1)は次のようになる。
Figure 0007302297000002
このように、図7の例では、ビットが1になっているノード間においてエッジが存在する箇所がない場合(独立集合として矛盾がない場合)には右辺の二項目は0となり、一項目の値が、そのままハミルトニアンの値となる。
次に、図8に示す例のように各ノードにビットを設定する場合を考える。図7の例と同様に、上記式(1)におけるbiを1とし、i番目のノードとj番目のノードとの間にエッジが存在するときのwijを1とすると、上記式(1)は次のようになる。
Figure 0007302297000003
このように、図8の例では、ビットが1になっているノード間においてエッジが存在する箇所があるため、右辺の二項目は0とはならず、ハミルトニアンの値は、右辺の2つの項の和となる。ここで、図7及び8に示した例では、例えば、α>5βとすると、-3α<-4α+5βとなるため、図8の例におけるハミルトニアンの値よりも、図7の例におけるハミルトニアンの値の方が小さくなっている。図7の例は、最大独立集合として矛盾のないノードの集合であり、上記式(1)のハミルトニアンの値が小さくなるノードの組み合わせを探索することにより、最大独立集合を探索できることがわかる。
次に、非特許文献1に記載されているような従来技術の一例における、探索した最大独立集合に基づいて、分子どうしの構造の類似度を算出する方法について説明する。
分子どうしの構造の類似度は、例えば、下記の式(2)を用いて算出することができる。
Figure 0007302297000004
ここで、上記式(2)において、S(G,G)は、グラフ化した第一の分子(例えば、分子A)とグラフ化した第二の分子(例えば、分子B)との類似度を表し、0~1で表され、1に近づく程、類似度が高いことを意味する
また、Vは、グラフ化した第一の分子におけるノード原子の総数を表し、V は、グラフ化した第一の分子におけるノード原子の内、コンフリクトグラフの最大独立集合に含まれるノード原子の数を表す。なお、ノード原子とは、グラフ化した分子における頂点の原子を意味する。
さらに、Vは、グラフ化した第二の分子におけるノード原子の総数を表し、V は、グラフ化した第二の分子におけるノード原子の内、コンフリクトグラフの最大独立集合に含まれるノード原子の数を表す。
δは、0~1の数である。
また、上記式(2)において、max{A,B}は、AとBのうち、値が大きい方を選択することを意味し、min{A,B}は、AとBのうち、値が小さい方を選択することを意味する。
ここで、図1等と同様に、酢酸(分子A)と酢酸メチル(分子B)を例として、類似度の算出方法について説明する。
図9に示したコンフリクトグラフにおいて、最大独立集合は、ノード〔A1B1〕、ノード〔A2B2〕、ノード〔A3B3〕、及びノード〔A5B5〕の4つのノードで構成される。つまり、図9の例においては、|V|は4となり、|V |は4となり、|V|は5となり、|V |は4となる。また、この例において、δを0.5として、第一の分子と第二の分子の平均を取る(均等に扱う)こととすると、上記式(2)は次のようになる。
Figure 0007302297000005
このように、図9の例においては、上記式(2)に基づいて、分子どうしの構造の類似度は0.9と算出される。
以上、説明したように、非特許文献1に記載されているような従来技術の一例においては、上記式(1)及び式(2)を用いて、化合物(分子)どうしの構造の類似度を算出する。
しかしながら、このような従来技術においては、化合物の構造の情報のみに基づいて、類似度を算出している。このため、このような従来技術を用いて算出された構造の類似度に基づいて、化合物の特性(物性)の特性値を予測しようとすると、予測する特性によっては予測の精度が悪くなってしまう場合があった。より具体的には、例えば、化合物の比誘電率は、化合物の分極率などに影響される特性であり、化合物の単純な構造の情報のみに基づいて精度良く算出することが難しい場合がある。
さらに、上述したような従来技術では、予測する特性ごとに化合物の類似度を算出することができず、所望の特性に着目して類似する化合物を探索することができないという問題があった。より具体的には、従来技術では、化合物の構造の情報のみに基づいて類似度を算出するため、例えば、沸点を予測する場合と熱伝導率を予測する場合とにおいて、類似度が高い(特性値が近い)と評価される化合物は同一の化合物となる。しかし、実際には、沸点が近い化合物どうしの熱伝導率が近いとは限らない。
このように、従来技術においては、予測する特性に応じて類似する化合物を探索することはできなかった。
そこで、本発明者は、化合物などの対象材料の特性の特性値を、当該特性に応じて高精度に予測できる結合構造探索装置等について鋭意検討を重ね、本件で開示する技術を想到した。すなわち、本発明者は、対象材料の特性の特性値を予測する際に、対象材料と特性の特性値が第1の値である第1材料との、特性に係る類似度を求めることにより対象材料の特性値を予測することで、対象材料の特性値を高精度に予測できることを見出した。
以下では、本件で開示する技術の一例について説明する。
<対象材料、第1材料>
本件で開示する技術の一例において、対象材料とは、特性値を予測する対象となる材料を意味する。また、対象材料としては、例えば、予測する特性の特性値が未知のものとすることができる。
対象材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、分子であってもよいし、分子でなくてもよい。分子以外の対象材料としては、例えば、無機結晶などが挙げられる。
また、コンフリクトグラフにおける最大独立集合問題を解くことにより特性値を予測する場合、対象材料としては、グラフ化可能な材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本件で開示する技術の一例において、第1材料とは、対象材料における予測する特性の特性値が、第1の値である材料を意味する。ここで、第1の値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、既に既知となっている特性値を用いることができる。言い換えると、第1材料としては、例えば、対象材料における予測する特性の特性値が、特定されている(既知である)材料とすることができる。
第1材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、対象材料と同様のものとすることができる。
ここで、本件で開示する技術の一例においては、対象材料の化学構造データは、多数の対象材料の化学構造データ群(データベース)として入力されることが好ましい。言い換えると、本件で開示する技術の一例としての材料特性予測装置が、多数の対象材料の化学構造データ群を有することが好ましい。同様に、本件で開示する技術の一例としての材料特性予測装置が、多数の第1材料の化学構造データ群を有することが好ましい。
対象材料及び第1材料の化学構造データ群の形式(データ構造)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述したSDF形式などが挙げられる。本件で開示する技術の一例においては、例えば、第1材料の化学構造データ群に含まれる対象材料の特性に関する情報に基づいて、特性に係る類似度を求めることができる。
本件で開示する技術の一例においては、例えば、対象材料の化合物名や慣用名などを受け付けて、対象材料の化学構造データ群と照合することにより、対象材料の構造を特定してもよい。また、本件で開示する技術の一例においては、例えば、対象材料の化学構造データを直接入力することにより、対象材料の構造を特定してもよい。
また、本件で開示する技術の一例においては、必要に応じて、対象材料の化学構造データベースを、新たな化学構造データを追加することにより更新(アップデート)してもよい。同様に、本件で開示する技術の一例においては、必要に応じて、第1材料の化学構造データベースを、新たな化学構造データを追加することにより更新(アップデート)してもよい。
<材料の特性>
本件で開示する技術の一例を用いて予測する対象材料の特性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、比誘電率、沸点、融点、熱伝導率、比熱、粘度、蒸気圧、蒸発潜熱、引火点などが挙げられる。また、第1材料において、特定の物質に対する活性(例えば、結合性、反応性など)が既知である場合には、本件で開示する技術の一例を用いて、このような活性を予測してもよい。
<特性に係る類似度>
本件で開示する技術の一例では、特性に係る類似度を求める。例えば、本件で開示する技術の一例としての材料特性予測装置は、対象材料と第1材料との、特性に係る類似度を求めることにより対象材料の特性値を予測する特性予測部を備える。
以下では、本件で開示する技術における、特性に係る類似度を求める手法の一例について説明する。なお、本件で開示する技術の一例としての材料特性予測装置における、特性に係る類似度の算出や対象材料の特性値の予測は、例えば、材料特性予測装置が有する特性予測部により行うことができる。
本件で開示する技術の一例においては、例えば、上記式(1)及び式(2)を用いて対象材料と第1材料との類似度を求める際に、上記式(1)及び式(2)におけるパラメータを、予測する対象材料の特性値の予測精度が高くなるように最適化する。
本件で開示する技術の一例においては、例えば、上述した従来技術と同様に、式(1)を用いて、対象材料及び第1材料の分子構造に基づく最大独立集合の探索をすることにより特性に係る類似度を求めることができる。
Figure 0007302297000006
ただし、上記式(1)において、Hは、Hを最小化することが最大独立集合の探索をすることを意味するハミルトニアンである。
nは、グラフ化した対象材料及び第1材料のコンフリクトグラフにおけるノードの数として理解されるものである。
また、コンフリクトグラフは、グラフ化した対象材料を構成する各ノード原子と、グラフ化した第1材料を構成する各ノード原子との組合せをノードとし、複数あるノードどうしを比較して互いに同一でないノード間にはエッジを作成し、複数あるノードどうしを比較して互いに同一であるノード間にはエッジを作成しないというルールに基づき作成されるグラフとして理解されるものである。
iは、i番目のノードに対するバイアスを表す数値である。
ijは、i番目のノードとj番目のノードとの間にエッジが存在するときは、0ではない正の数であり、i番目のノードとj番目のノードとの間にエッジが存在しないときは、0である。
iは、i番目のノードが0又は1であることを表すバイナリ変数であり、xjは、j番目のノードが0又は1であることを表すバイナリ変数である。
なお、α及びβは、正の数である。
ここで、本件で開示する技術の一例においては、「複数あるノードどうしを比較して互いに同一である」とは、複数あるノードどうしを比較したときに、これらのノードが互いに同一の状況(結合状況)にあるノード原子で構成されることを意味する。同様に、本件で開示する技術の一例においては、「複数あるノードどうしを比較して互いに同一でない」とは、複数あるノードどうしを比較したときに、これらのノードが互いに異なる状況(結合状況)にあるノード原子で構成されることを意味する。
本件で開示する技術の一例において、上記式(1)を用いて最大独立集合の探索を行う場合、グラフ化した対象材料及び第1材料のコンフリクトグラフを作成することは必須ではなく、少なくとも上記式(1)を最小化できればよい。言い換えると、本件で開示する技術の一例においては、対象材料及び第1材料のコンフリクトグラフにおける最大独立集合の探索を、最小化することが最大独立集合の探索をすることを意味するハミルトニアンにおける組み合わせ最適化問題に置き換えて解く。ここで、上記式(1)のようにQUBO形式のイジングモデル式で表されるハミルトニアンの最小化は、アニーリングマシンなどを用いて焼き鈍し法(アニーリング)を行うことにより、短時間で実行することができる。
このため、本件で開示する技術は、一つの側面では、上記式(1)を用いることで、アニーリングマシンなどを用いた焼き鈍し法により最大独立集合を探索することができるため、より短時間で対象材料の特性値を予測することができる。言い換えると、本件で開示する技術は、一つの側面では、焼き鈍し法により上記式(1)におけるハミルトニアン(H)の最小化をすることにより最大独立集合の探索をすることにより、より短時間で対象材料の特性値を予測することができる。なお、焼き鈍し法の詳細については後述する。
また、本件で開示する技術の一例においては、例えば、上述した従来技術と同様に、式(2)を用いて、探索された最大独立集合について特性に係る類似度を求めることができる。
Figure 0007302297000007
ただし、上記式(2)において、Gは、グラフ化した対象材料を表し、Gは、グラフ化した第1材料を表し、S(G,G)は、グラフ化した対象材料とグラフ化した第1材料との類似度を表し、0~1で表され、1に近づく程、類似度が高いことを意味する。
また、Vは、グラフ化した対象材料におけるノード原子の総数を表し、V は、グラフ化した対象材料におけるノード原子の内、コンフリクトグラフの最大独立集合に含まれるノード原子の数を表す。
は、グラフ化した第1材料におけるノード原子の総数を表し、V は、グラフ化した第1材料におけるノード原子の内、コンフリクトグラフの最大独立集合に含まれるノード原子の数を表す。
なお、δは、0~1の数である。
本件で開示する技術は、一つの側面では、上記式(2)を用いて、探索された最大独立集合について特性に係る類似度を求めることにより、上記式(1)により探索された最大独立集合に基づいて、対象材料と第1材料との特性に係る類似度を求めることができる。
次に、本件で開示する技術の一例として、上記式(1)を用いて特性に係る類似度を求める際に、グラフ化した対象材料及び第1材料におけるノード原子に、ノード原子どうしの接続情報を加味してラベルを付す場合について説明する。なお、ノード原子とは、上述したように、グラフ化した対象材料及び第1材料における頂点の原子を意味する。
ノード原子どうしの接続情報を加味してラベルを付す方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非特許文献2などで開示されている、Weisfeiler-Lehman手続により行うことができる。
Weisfeiler-Lehman手続とは、例えば、グラフ化した対象材料及び第1材料におけるノード原子に付すラベルを、そのノード原子が接続(結合)している原子ノードのラベルを考慮してリラベリングする(ラベルを振り直す)手続を意味する。なお、以下では、Weisfeiler-Lehman手続を行うことによりノード原子に付したラベルを「WLラベル」と称することがある。
つまり、ノード原子に対しWeisfeiler-Lehman手続によるWLラベルを付すことにより、ノード原子のラベルに、当該ノード原子の周囲に存在するノード原子の情報を取り込むことができる。これにより、本件で開示する技術は、一つの側面では、式(1)を用いて特性に係る類似度を求める際に、ノード原子に対しWLラベルを付すことにより、当該ノード原子の状況を考慮したラベルを付すことができる。より具体的には、例えば、第1材料における特性値と、対象材料と第1材料の類似度との相関が高くなるように、各ノード原子にWLラベルを付して特性に係る類似度を求めることで、対象材料の特性値をより高精度に予測できる。
また、本件で開示する技術の一例において、ノード原子に対してWeisfeiler-Lehman手続を行う回数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1回であってもよいし、複数回であってもよい。Weisfeiler-Lehman手続においては、リラベリングを行う毎に、より遠くのノード原子の情報をリラベリングしたノード原子に取り込むことができる。
図10は、Weisfeiler-Lehman手続を行い、ノード原子に対しWLラベルを付す際の流れの一例を示す模式図である。図10に示す例においては、グラフ化したメトキシ酢酸(CHOCHCOOH)について、Weisfeiler-Lehman手続を行ってWLラベルを付す場合に関して説明する。
図10の左部に示す、水素以外の原子を選択してグラフ化したメトキシ酢酸の構造においては、各ノード原子には、当該ノード原子の種類(元素)をラベルとして付している。このグラフ化したメトキシ酢酸の構造に対して、Weisfeiler-Lehman手続によりリラベリングを1回行うことでWLラベルを付した状態を、図10の中央部に示す。図10の中央部の上側に示す例において、例えば、カルボキシ基における炭素に付されるWLラベルは〔C,COO〕となっている。この〔C,COO〕というWLラベルは、当該WLラベルが付されたノード原子が、一つの炭素原子と2つの酸素原子と結合している炭素原子であることを意味するラベルである。
また、図10の中央部の下側には、図10の中央部の上側に示すWLラベルを、WLラベルの内容の種類ごとに書き換えたものを示す。例えば、図10の中央部の上側で〔O,C〕というWLラベルが付されているノード原子のWLラベルを、図10の中央部の下側においては、〔O1〕というWLラベルに書き換えている。このように、WLラベルを書き換えることにより、WLラベルの表記を簡素化することができる。
図10の右部には、図10の中央部の下側に示す構造に対して、更にWeisfeiler-Lehman手続を行い、2回目のリラベリングにおけるWLラベルを付した状態を示す。図10の右部に示す例において、例えば、〔O1,C3〕というWLラベルは、当該WLラベルが付されたノード原子が、C3というノード原子と結合するO1というノード原子であることを意味するラベルである。
なお、図10の例では、WLラベルの表記を書き換える際やWeisfeiler-Lehman手続を複数回行う際に、前の状態の情報が失われる場合について説明したが、本件で開示する技術は、これに限られるものではない。すなわち、本件で開示する技術の一例においては、リラベリングを複数回行う際に、前の状態の情報(リラベリングする前のWLラベルの情報)が、リラベリング後のWLラベルに含まれるようにしてもよい。
ここで、本件で開示する技術の一例においては、WLラベルが、ノード原子における一のノード原子において、当該一のノード原子の情報と、当該一のノード原子が結合する結合ノード原子の情報とに由来するものであることが好ましい。言い換えると、本件で開示する技術の一例においては、Weisfeiler-Lehman手続を1回行うことによりWLラベルをノード原子に付すことが好ましい。
こうすることにより、本件で開示する技術は、一つの側面では、各ノード原子のWLラベルに、当該ノード原子が結合するノード原子の情報を取り込むことができるため、当該ノード原子の周囲の状況を適切に考慮してWLラベルを付すことができる。
また、本件で開示する技術の一例において、WLラベルに含まれる情報としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。WLラベルに含まれる情報としては、例えば、上述した例のようにノード原子の種類(元素)としてもよいし、予測する特性の発現に対する寄与値としてもよい。
ここで、本件で開示する技術の一例において、予測する特性の発現に対する寄与値(ΔB)は、上記式(1)において、i番目ノードを構成するノード原子に付されたWLラベルの情報に含まれる評価指数(B)の値の算定基準となる数値を意味する。
本件で開示する技術の一例において、予測する特性の発現に対する寄与値ΔBは、例えば、対象材料及び第1材料におけるノード原子の種類(元素)毎に算出する。言い換えると、本件で開示する技術の一例では、評価指数Biが、対象材料及び第1材料におけるノード原子の種類(元素)毎に算出した、特性の発現に対する寄与値ΔBの合計を意味する。
また、予測する特性の発現に対する寄与値ΔBは、例えば、特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数が大きくなるような数値を選択することが好ましい。寄与値ΔBを、特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数が大きくなるような数値とする具体的な手法については後述する。
また、本件で開示する技術の一例においては、上記式(1)を用いて特性に係る類似度を求める際に、ノード原子を、WLラベルの情報に基づき特性の発現に対する評価指数Bに応じて選択することが好ましい。言い換えると、本件で開示する技術の一例においては、コンフリクトグラフにおける最大独立集合に含まれ得るノードを、評価指数Bに応じて選択することが好ましい。
こうすることにより、本件で開示する技術は、一つの側面では、特性の発現に寄与している類似度の算出に用いるべきノード原子を適切に選択して、対象材料の特性値をより高精度に予測することができる。
評価指数Bに応じたノード原子の選択は、例えば、評価指数Bが閾値を超えたノード原子を選択することにより行うことができる。言い換えると、本件で開示する技術の一例においては、式(1)を用いて特性に係る類似度を求める際に、ノード原子を、評価指数Bが閾値を超えたときに選択することができる。
なお、ここで、評価指数Bに対する閾値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数が大きくなるような数値とすることが好ましい。言い換えると、本件で開示する技術の一例では、式(1)において、i番目のノードを構成するノード原子に付されたWLラベルの情報に含まれる評価指数Bの閾値を、特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数が大きくなるような数値とすることが好ましい。評価指数Bの閾値を、特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数が大きくなるような数値とする具体的な手法については後述する。
ここで、本件で開示する技術の一例においては、上述した手法などにより選択したノード原子を用いて、コンフリクトグラフのノードを作成してもよい。こうすることにより、本件で開示する技術は、一つの側面では、コンフリクトグラフのノードの数を少なくすることができるため、最大独立集合の探索に必要とされる計算機のビット数を削減することができる。
また、本件で開示する技術の一例においては、対象材料及び第1材料におけるノード原子の全ての組み合わせを含むコンフリクトグラフを作成し、上述した手法などにより選択したノード原子を含むノードが、最大独立集合に含まれ得るようにしてもよい。言い換えると、本件で開示する技術の一例においては、上述した手法などにより選択したノード原子を含むノードを対象として、最大独立集合の探索を行うようにしてもよい。
本件で開示する技術の一例において、上述した手法などにより選択したノード原子を含むノードを対象として、最大独立集合の探索を行う手法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
選択されたノード原子を含むノードを対象とした最大独立集合の探索は、例えば、上記式(1)におけるbiを、i番目のノードを構成するノード原子に付されたWLラベルの情報に含まれる評価指数Bの大きさに対応した数値とすることにより行うことができる。ここで、上記式(1)におけるbiを評価指数Bの大きさに対応した数値とすることは、例えば、上記式(1)におけるbiの数値と評価指数Bの数値との大小関係を対応させることにより行うことができる。具体的には、例えば、評価指数Bの数値が大きいノードにおけるbiの数値を大きくし、評価指数Bの数値が小さいノードにおけるbiの数値を小さくすることにより行うことができる。
こうすることにより、本件で開示する技術は、一つの側面では、特性の発現に寄与していると考えられる評価指数Bが大きいノード原子を有するノードが含まれるように、最大独立集合の探索を行うことができる。これにより、本件で開示する技術は、一つの側面では、特性の発現に寄与している原子を適切に考慮して、特性に係る類似度を求めることができるため、対象材料の特性値をより高精度に予測することができる。
ここで、選択されたノード原子を含むノードを対象とした最大独立集合の探索は、より具体的には、例えば、上記式(1)におけるbiを、以下の条件に従って定めることで行うことができる。
[条件]
i番目のノードを構成するノード原子に付されたWLラベルの情報に含まれる評価指数Bが閾値を超えたときに、正の数とし、i番目のノードを構成するノード原子に付されたWLラベルの情報に含まれる評価指数Bが閾値以下のときに、負の数とする。
上記式(1)において、biが正の数(0より大きい数)である場合は、上記式(1)における右辺の一項目(係数が-αの項)は、i番目のノードが独立集合に含まれるとき(i番目のノードのビットが1となるとき)に値が小さくなる。つまり、上記式(1)において、biが正の数である場合は、右辺の一項目の作用により、i番目のノードが独立集合に含まれると、ハミルトニアン(H)の値が小さくなる。これは、i番目のノードが含まれるように最大独立集合を探索することに対応する。
一方、上記式(1)において、biが負の数(0より小さい数)である場合は、上記式(1)における右辺の一項目は、i番目のノードが独立集合に含まれるとき(i番目のノードのビットが1となるとき)に値が大きくなる。つまり、上記式(1)において、biが負の数である場合は、右辺の一項目の作用により、i番目のノードが独立集合に含まれると、ハミルトニアン(H)の値が大きくなる。これは、i番目のノードが含まれないように最大独立集合を探索することに対応する。
このように、評価指数Bの閾値に基づいて、上記式(1)におけるbiの正負を変化させることにより、特性の発現に寄与していると考えられる評価指数Bが閾値を超えるノード原子を有するノードが含まれるように、最大独立集合の探索を行うことができる。これにより、本件で開示する技術は、一つの側面では、特性の発現に寄与している原子をより適切に考慮して、特性に係る類似度を求めることができるため、対象材料の特性値をより高精度に予測することができる。
なお、上記式(1)におけるbiが正の数である場合の数値の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1とすることができる。同様に、上記式(1)におけるbiが負の数である場合の数値の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、-1とすることができる。
上述した説明では、本件で開示する技術の一例として、ノード原子の種類(元素)毎の寄与値ΔB、評価指数Bの閾値、特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数が大きくなるように選択することについては記載した。しかしながら、本件で開示する技術は、これらの形態に限られるものではなく、その他のパラメータなどを、特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数が大きくなるように選択する(更新する)形態であってもよい。
具体的には、本件で開示する技術の一例においては、一度求めた特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数が大きくなるように、以下の<A>から<D>のパラメータ、及び<E>の類似度評価式Sの数式自体の少なくともいずれかの更新をすることが好ましい。
<A> 上記式(1)において、i番目のノードを構成するノード原子に付されたWLラベルの情報に含まれる評価指数Bの値の算定基準となる、ノード原子の種類(元素)毎の寄与値ΔBの数値
<B> 上記式(1)において、i番目のノードを構成するノード原子に付されたWLラベルの情報に含まれる評価指数Bの閾値
<C> 上記式(1)におけるbiの数値
<D> 上記式(1)におけるwijの数値
<E> 上記式(2)で表される類似度評価式S
すなわち、本件で開示する技術の一例においては、求めた特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数が大きくなるように、上記<A>から<E>の少なくともいずれかの更新をし、特性に係る類似度を求め直すことが好ましい。こうすることにより、本件で開示する技術は、一つの側面では、特性に係る類似度を算出するためのパラメータを最適化することができ、対象材料の特性値をより高精度に予測することができる。
ここで、上記<E>の上記式(2)で表される類似度評価式Sを更新する場合について説明する。上記<E>の類似度評価式Sの更新については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、複数の類似度評価式Sの中から類似度の算出に用いる式を選択すること、類似度評価式Sにおけるδの数値を更新することなどが挙げられる。
本件で開示する技術の一例においては、求めた特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数が大きくなるように、例えば、複数の類似度評価式Sの中から下記の式を選択して、上記式(2)で表される類似度評価式Sの更新を行ってもよい。
Figure 0007302297000008
ここで、上記の式において、Mは、対象材料の分子量を示し、Mは、第1材料の分子量を示し、δ+δ+δ=1となっている。
例えば、対象材料における沸点を予測する際において、沸点の予測に分子量が大きく影響する場合に、上記式(2)で表される類似度評価式Sを上記の式に更新することにより、沸点の予測精度を向上させることができると考えられる。
さらに、上記の式のδ、δ、及びδを、求めた特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数が大きくなるように更新することで、沸点の予測精度をより向上させることができる。沸点の予測に分子量が大きく影響する場合には、上記の式のδ、δ、及びδを更新して最適化すると、δが、δ及びδよりも大きな値となると考えられる。
また、上記<A>から<E>のパラメータの少なくともいずれかの更新を行う手法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、機械学習を利用することができる。具体的な機械学習の手法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、遺伝的アルゴリズムを用いることが好ましい。
遺伝的アルゴリズムとは、データ(解の候補)を遺伝子で表現した「個体」を複数用意し、適応度の高い個体を優先的に選択して、交叉(組み換え)・突然変異などの操作を繰り返しながら解を探索する手法である。
本件で開示する技術は、一つの側面では、上記<A>から<E>のパラメータの少なくともいずれかの更新を、遺伝的アルゴリズムにより行うことで、特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数を、より効率的に向上させることができる。
さらに、本件で開示する技術の一例においては、求めた特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数が閾値を超えたときに、対象材料における特性に係る類似度を出力することが好ましい。こうすることにより、本件で開示する技術は、一つの側面では、特性に係る類似度を算出するためのパラメータが最適化された状態における、特性に係る類似度を出力することができる。
なお、求めた特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数における閾値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.7とすることができる。
加えて、本件で開示する技術の一例においては、求めた特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数が閾値を超えたときに、対象材料における特性値を予測することが好ましい。こうすることにより、本件で開示する技術は、一つの側面では、特性に係る類似度を算出するためのパラメータが最適化された状態における特性に係る類似度を用いて、対象材料の特性値をより高精度に予測することができる。
以下、装置の構成例やフローチャートなどを用いて、本件で開示する技術の一例を更に詳細に説明する。
図11に、本件で開示する材料特性予測装置のハードウェア構成例を示す。
材料特性予測装置10においては、例えば、制御部11、メモリ12、記憶部13、表示部14、入力部15、出力部16、I/Oインターフェース部17がシステムバス18を介して接続されている。
制御部11は、演算(四則演算、比較演算、焼き鈍し法の演算等)、ハードウェア及びソフトウェアの動作制御などを行う。
制御部11としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CPU(Central Processing Unit)であってもよいし、後述する焼き鈍し法に用いる最適化装置であってもよく、これらの組み合わせでもよい。
本件で開示する材料特性予測装置における特性予測部は、例えば、制御部11により実現することができる。
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などのメモリである。RAMは、ROM及び記憶部13から読み出されたOS(Operating System)及びアプリケーションプログラムなどを記憶し、制御部11の主メモリ及びワークエリアとして機能する。
記憶部13は、各種プログラム及びデータを記憶する装置であり、例えば、ハードディスクである。記憶部13には、制御部11が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OSなどが格納される。
また、本件で開示する材料特性予測プログラムは、例えば、記憶部13に格納され、メモリ12のRAM(主メモリ)にロードされ、制御部11により実行される。
表示部14は、表示装置であり、例えば、CRTモニタ、液晶パネルなどのディスプレイ装置である。
入力部15は、各種データの入力装置であり、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス等)などである。
出力部16は、各種データの出力装置であり、例えば、プリンタなどである。
I/Oインターフェース部17は、各種の外部装置を接続するためのインターフェースである。I/Oインターフェース部17は、例えば、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、MOディスク(Magneto-Optical disk)、USBメモリ〔USB(Universal Serial Bus) flash drive〕などのデータの入出力を可能にする。
図12に、本件で開示する材料特性予測装置の他のハードウェア構成例を示す。
図12に示す例は、材料特性予測装置をクラウド型にした場合の例であり、制御部11が、記憶部13などとは独立している。図13に示す例においては、ネットワークインターフェース部19、20を介して、記憶部13などを格納するコンピュータ30と、制御部11を格納するコンピュータ40とが接続される。
ネットワークインターフェース部19、20は、インターネットを利用して、通信を行うハードウェアである。
図13に、本件で開示する材料特性予測装置の他のハードウェア構成例を示す。
図13に示す例は、結合構造探索装置をクラウド型にした場合の例であり、記憶部13が、制御部11などとは独立している。図13に示す例においては、ネットワークインターフェース部19、20を介して、制御部11等を格納するコンピュータ30と、記憶部13を格納するコンピュータ40とが接続される。
図14に、本件で開示する材料特性予測装置の一実施形態としての機能構成例を示す。
図14に示すように、材料特性予測装置10は、対象材料構造取得部51と、第1材料構造取得部52と、類似度計算部53、特性予測精度評価部54、及びパラメータ更新部55を有する特性予測部56と、を備える。
対象材料構造取得部51は、入力として特性値が未知の材料(対象材料)の化学構造データ610をSDF等のファイル形式から読み込む。
第1材料構造取得部52は、入力として特性値が既知の材料群の化学構造データ群620をSDF等のファイル形式から読み込む。
類似度計算部53では、読み込んだ化学構造データ610と化学構造データ群620の中の各構造との間でコンフリクトグラフを作成し、式(1)のハミルトニアンをアニーリング等により最小化することで最大独立集合を探索する。そして、類似度計算部53は、その結果に基づいて式(2)から類似度を算出する。
特性予測精度評価部54では、類似度と特性に係る特性値との相関係数を算出し、予測精度を評価する。
そして、算出した予測精度がより高くなるように(類似度と特性に係る特性値との相関係数が大きくなるように)、パラメータ更新部55で上記式(1)中のパラメータを更新する。
材料特性予測装置10は、類似度計算部53、特性予測精度評価部54、パラメータ更新部55の処理を繰り返し、類似度と特性に係る特性値との相関係数が閾値を超えたときに、化学構造データ610の対象材料の特性予測値611を出力する。
また、図15に示すように、対象材料構造取得部51が、特性値が既知の材料の化学構造データ510をSDF形式のファイルから読み込み、第1材料構造取得部52が、特性値が未知の材料群の化学構造データ群520をSDF形式のファイルから読み込んでもよい。この形態においては、材料特性予測装置10は、類似度計算部53、特性予測精度評価部54、パラメータ更新部55の処理を繰り返し、類似度と特性に係る特性値との相関係数が閾値を超えたときに、化学構造データ群520の特性予測値リスト521を出力する。
図16に、本件で開示する技術の一例を用いて、特性に係る類似度を求めることにより、対象材料の特性値を予測する際のフローチャートの例を示す。
まず、特性予測部56は、対象材料及び第1材料の入力を受け付ける(S101)。このとき、特性予測部56が、対象材料及び第1材料の化学構造データ群(データベース)から、対象材料と第1材料を選択するようにしてもよい。
次に、特性予測部56は、グラフ化した対象材料及び第1材料におけるノード原子に対しWeisfeiler-Lehman手続によるWLラベルを付す(S102)。
続いて、特性予測部56は、WLラベルが付された対象材料及び第1材料についてのコンフリクトグラフにおける、最大独立集合の探索を行うことが可能な上記式(1)の形式のハミルトニアンを作成する(S103)。言い換えると、S103において、特性予測部56は、WLラベルが付された対象材料及び第1材料の情報に基づいて、Hを最小化することが最大独立集合の探索をすることを意味するハミルトニアンである上記式(1)を作成する。
そして、特性予測部56は、アニーリングマシンで上記式(1)を最小化することにより最大独立集合を探索する(S104)。言い換えると、S103において、特性予測部56は、上記式(1)についての焼き鈍し法を用いた基底状態探索を実行することにより、上記式(1)の最小エネルギーを算出することで、最大独立集合を探索する。
アニーリングマシンとしては、イジングモデルで表されるエネルギー関数について基底状態探索を行なうアニーリング方式を採用するコンピュータであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。アニーリングマシンとしては、例えば、量子アニーリングマシン、半導体技術を用いた半導体アニーリングマシン、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)を用いてソフトウェアにより実行されるシミュレーテッド・アニーリング(Simulated Annealing)を行うマシンなどが挙げられる。また、アニーリングマシンとしては、例えば、デジタルアニーラ(登録商標)を用いてもよい。
次に、特性予測部56は、S104で探索した最大独立集合の探索結果に基づき、上記式(2)を用いて特性に係る類似度を算出する(S105)。
続いて、特性予測部56は、求めた特性に係る類似度と特性に係る特性値の相関係数が閾値を超えたか否かを判定する(S106)。特性予測部56は、求めた特性に係る類似度と特性に係る特性値の相関係数が閾値以下であると判定した場合は、処理をS107に移す。一方、特性予測部56は、求めた特性に係る類似度と特性に係る特性値の相関係数が閾値を超えたと判定した場合は、処理をS108に移す。
S107では、特性予測部56は、特性に係る類似度を求めるためのパラメータを、遺伝的アルゴリズムにより、特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数が大きくなるように更新する。ここで、更新するパラメータとしては、上述した<A>から<D>のパラメータ、及び<E>の類似度評価式Sの数式自体の少なくともいずれかとすることができる。
特性予測部56は、S107において、パラメータを更新すると、処理をS103に戻す。
S108では、特性予測部56は、特性に係る類似度、及び予測した対象材料の特性を出力する。結果の出力の形式としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。
図17Aから17Cに、N-メチルアセトアミドを例として、分子構造、グラフ化した分子構造、及び本件で開示する技術の一例におけるWLラベルを付した分子構造を示す。
図17Aに、N-メチルアセトアミドの分子構造の一例を示す。図17Aに示した分子構造を、ノード原子のラベルを原子の種類(元素)としてグラフ化したものを図17Bに示す。
図17Cに示す、本件で開示する技術の一例におけるWLラベルを付した分子構造においては、〔H,C〕、〔C,CHHH〕、〔C,CON〕、〔O,C〕、〔N,CHC〕、〔H,N〕のように、最近接ノード(直接つながっているノード)のラベル情報を取り込んだWLラベルが付されている。つまり、この例では、Weisfeiler-Lehman手続を1回行うことによりWLラベルをノード原子に付している。
ここで、図17Cに示す例における、( )の中の数字は、各ノード原子における評価指数Bの一例を示す数値である。この例においては、各元素の寄与値ΔBを、ΔB(H)=1、ΔB(C)=6、ΔB(O)=16、ΔB(N)=20とし、各ノード原子における評価指数Bを当該ノード原子の寄与値ΔBの合計としている。なお、各元素の寄与値ΔBは、材料に含まれる元素に基づいて適宜選択することができ、例えば、対象材料又は第1材料に硫黄(S)が含まれる場合には、寄与値ΔBの一つとして、ΔB(S)を加えてもよい。
図18に、本件で開示する技術の一例を用いて、特性に係る類似度を求めるためのパラメータを更新する際のフローチャートの例を示す。図18を用いて、特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数が大きくなるように、各ノード原子における評価指数Bに対する各元素の寄与値ΔB、及びの評価指数Biの閾値Bthを最適化する方法について説明する。
まず、特性予測部56は、初期のパラメータの値として、ΔB(H)=1、ΔB(C)=1、ΔB(O)=1、ΔB(N)=1、Bth=1を設定する(S201)。
次に、特性予測部56は、各ノード原子について、評価指数B=ΔB(H)+ΔB(C)+ΔB(O)+ΔB(N)という数式に基づいて、評価指数Bを算出する(S202)。
続いて、特性予測部56は、i番目のノードを構成するノード原子の評価指数Bが、両方とも閾値Bthを超えているか否かを判定する(S203)。S203では、特性予測部56は、i番目のノードにおける評価指数Bが閾値Bthを超えたと判定した場合は、処理をS204に移す。一方、特性予測部56は、i番目のノードにおける評価指数Bが閾値Bth以下であると判定した場合は、処理をS205に移す。
S204では、特性予測部56は、上記式(1)におけるbiを1に設定する。ここで、上述したように、biを1に設定することは、上記式(1)において、i番目のノードが含まれるように最大独立集合を探索することに対応する。
S205では、特性予測部56は、上記式(1)におけるbiを-1に設定する。ここで、上述したように、biを-1に設定することは、上記式(1)において、i番目のノードが含まれないように最大独立集合を探索することに対応する。
全てのノード原子について、S202からS205までの処理を行うと、特性予測部56は、上記式(1)及び式(2)を用いて、特性に係る類似度を算出する(S206)。ここで、上記式(1)の最小化(最大独立集合の探索)は、例えば、アニーリングマシンを用いて行う。
続いて、S207では、特性予測部56は、特性に係る類似度と特性に係る特性値とをプロットしたグラフを線形近似した場合のR値(相関係数)を算出する。
次に、特性予測部56は、算出したR値が、相関係数の閾値(R th)を超えたか否かを判定する(S208)。S208において、特性予測部56は、算出したR値がR th以下であると判定すると、処理をS209に移す。また、S208において、特性予測部56は、算出したR値がR thを超えたと判定すると、パラメータが最適化されたとみなし、処理を終了する。
S209では、特性予測部56は、遺伝的アルゴリズムにより、ΔB(H)、ΔB(C)、ΔB(O)、ΔB(N)、及びBthの数値を更新すると、処理をS202に戻し、各ノード原子について、S202からS205の処理をもう一度行う。
このように、特性に係る類似度と特性に係る特性値との相関係数が、相関係数の閾値を超えるまでパラメータの更新を繰り返すことで、特性に係る類似度を算出するためのパラメータを最適化することができ、対象材料の特性値をより高精度に予測することができる。
図19に、本件で開示する技術の一例を用いて、特性に係る類似度を求めるためのパラメータを更新する際のフローチャートの他の例を示す。また、図19におけるS301からS308の処理は、図18におけるS201からS208の処理と同様であるため、説明を省略する。
S309では、特性予測部56は、遺伝的アルゴリズムにより、上記式(1)におけるwijの数値及び上記式(2)で表される類似度評価式Sの少なくともいずれかを更新すると、処理をS306に戻す。このように、本件で開示する技術の一例では、上記式(1)及び式(2)のパラメータを更新する形態であってもよい。
以下に、焼き鈍し法及びアニーリングマシンの一例について説明する。
焼き鈍し法は、乱数値や量子ビットの重ね合わせを用いて確率的に解を求める方法である。以下では最適化したい評価関数の値を最小化する問題を例に説明し、評価関数の値をエネルギーと呼ぶことにする。また、評価関数の値を最大化する場合は、評価関数の符号を変えればよい。
まず、各変数に離散値の1つを代入した初期状態からはじめ、現在の状態(変数の値の組み合わせ)から、それに近い状態(例えば、1つの変数だけ変化させた状態)を選び、その状態遷移を考える。その状態遷移に対するエネルギーの変化を計算し、その値に応じてその状態遷移を採択して状態を変化させるか、採択せずに元の状態を保つかを確率的に決める。エネルギーが下がる場合の採択確率をエネルギーが上がる場合より大きく選ぶと、平均的にはエネルギーが下がる方向に状態変化が起こり、時間の経過とともにより適切な状態へ状態遷移することが期待できる。このため、最終的には最適解又は最適値に近いエネルギーを与える近似解を得られる可能性がある。
もし、これを決定論的にエネルギーが下がる場合に採択とし、上がる場合に不採択とすれば、エネルギーの変化は時間に対して広義単調減少となるが、局所解に到達したらそれ以上変化が起こらなくなってしまう。上記のように離散最適化問題には非常に多数の局所解が存在するために、状態が、ほとんど確実にあまり最適値に近くない局所解に捕まってしまう。したがって、離散最適化問題を解く際には、その状態を採択するかどうかを確率的に決定することが重要である。
焼き鈍し法においては、状態遷移の採択(許容)確率を次のように決めれば、時刻(反復回数)無限大の極限で状態が最適解に到達することが証明されている。
以下では、焼き鈍し法を用いて最適解を求める方法について、順序を追って説明する。
(1)状態遷移に伴うエネルギー変化(エネルギー減少)値(-ΔE)に対して、その状態遷移の許容確率pを、次のいずれかの関数f( )により決める。
Figure 0007302297000009
Figure 0007302297000010
Figure 0007302297000011
ここで、Tは、温度値と呼ばれるパラメータであり、例えば、次のように変化させることができる。
(2)温度値Tを次式で表されるように反復回数tに対数的に減少させる。
Figure 0007302297000012
ここで、Tは、初期温度値であり問題に応じて、十分大きくとることが望ましい。
(1)の式で表される許容確率を用いた場合、十分な反復後に定常状態に達したとすると、各状態の占有確率は熱力学における熱平衡状態に対するボルツマン分布に従う。
そして、高い温度から徐々に下げていくとエネルギーの低い状態の占有確率が増加するため、十分温度が下がるとエネルギーの低い状態が得られると考えられる。この様子が、材料を焼き鈍したときの状態変化とよく似ているため、この方法は焼き鈍し法(または、疑似焼き鈍し法)と称される。なお、エネルギーが上がる状態遷移が確率的に起こることは、物理学における熱励起に相当する。
図20に焼き鈍し法を行う最適化装置(制御部11)の機能構成の一例を示す。ただし、下記説明では、状態遷移の候補を複数発生させる場合についても述べるが、基本的な焼き鈍し法は、遷移候補を1つずつ発生させるものである。
最適化装置100は、現在の状態S(複数の状態変数の値)を保持する状態保持部111を有する。また、最適化装置100は、複数の状態変数の値のいずれかが変化することによる現在の状態Sからの状態遷移が起こった場合における、各状態遷移のエネルギー変化値{-ΔEi}を計算するエネルギー計算部112を有する。さらに、最適化装置100は、温度値Tを制御する温度制御部113、状態変化を制御するための遷移制御部114を有する。
遷移制御部114は、温度値Tとエネルギー変化値{-ΔEi}と乱数値とに基づいて、エネルギー変化値{-ΔEi}と熱励起エネルギーとの相対関係によって複数の状態遷移のいずれかを受け入れるか否かを確率的に決定する。
ここで、遷移制御部114は、状態遷移の候補を発生する候補発生部114a、各候補に対して、そのエネルギー変化値{-ΔEi}と温度値Tとから状態遷移を許可するかどうかを確率的に決定するための可否判定部114bを有する。さらに、遷移制御部114は、可となった候補から採用される候補を決定する遷移決定部114c、及び確率変数を発生させるための乱数発生部114dを有する。
最適化装置100における、一回の反復における動作は次のようなものである。
まず、候補発生部114aは、状態保持部111に保持された現在の状態Sから次の状態への状態遷移の候補(候補番号{Ni})を1つまたは複数発生する。次に、エネルギー計算部112は、現在の状態Sと状態遷移の候補を用いて候補に挙げられた各状態遷移に対するエネルギー変化値{-ΔEi}を計算する。可否判定部114bは、温度制御部113で発生した温度値Tと乱数発生部114dで生成した確率変数(乱数値)を用い、各状態遷移のエネルギー変化値{-ΔEi}に応じて、上記(1)の式の許容確率でその状態遷移を許容する。
そして、可否判定部114bは、各状態遷移の可否{fi}を出力する。許容された状態遷移が複数ある場合には、遷移決定部114cは、乱数値を用いてランダムにそのうちの1つを選択する。そして、遷移決定部114cは、選択した状態遷移の遷移番号Nと、遷移可否fを出力する。許容された状態遷移が存在した場合、採択された状態遷移に応じて状態保持部111に記憶された状態変数の値が更新される。
初期状態から始めて、温度制御部113で温度値を下げながら上記反復を繰り返し、一定の反復回数に達する、又はエネルギーが一定の値を下回る等の終了判定条件が満たされたときに動作が終了する。最適化装置100が出力する答えは、終了時の状態である。
図21は、候補を1つずつ発生させる通常の焼き鈍し法における遷移制御部、特に可否判定部のために必要な演算部分の構成例の回路レベルのブロック図である。
遷移制御部114は、乱数発生回路114b1、セレクタ114b2、ノイズテーブル114b3、乗算器114b4、比較器114b5を有する。
セレクタ114b2は、各状態遷移の候補に対して計算されたエネルギー変化値{-ΔEi}のうち、乱数発生回路114b1が生成した乱数値である遷移番号Nに対応するものを選択して出力する。
ノイズテーブル114b3の機能については後述する。ノイズテーブル114b3として、例えば、RAM、フラッシュメモリ等のメモリを用いることができる。
乗算器114b4は、ノイズテーブル114b3が出力する値と、温度値Tとを乗算した積(前述した熱励起エネルギーに相当する)を出力する。
比較器114b5は、乗算器114b4が出力した乗算結果と、セレクタ114b2が選択したエネルギー変化値である-ΔEとを比較した比較結果を遷移可否fとして出力する。
図21に示されている遷移制御部114は、基本的に前述した機能をそのまま実装するものであるが、(1)の式で表される許容確率で状態遷移を許容するメカニズムについて、更に詳細に説明する。
許容確率pで1を、(1-p)で0を出力する回路は、2つの入力A,Bを持ち、A>Bのとき1を出力し、A<Bのとき0を出力する比較器の入力Aに許容確率pを、入力Bに区間[0,1)の値をとる一様乱数を入力することで実現することができる。したがって、この比較器の入力Aに、エネルギー変化値と温度値Tにより(1)の式を用いて計算される許容確率pの値を入力すれば、上記の機能を実現することができる。
すなわち、fを(1)の式で用いる関数、uを区間[0,1)の値をとる一様乱数とするとき、f(ΔE/T)がuより大きいとき1を出力する回路により、上記の機能を実現できる。
また、次のような変形を行っても、上記の機能と同じ機能が実現できる。
2つの数に同じ単調増加関数を作用させても大小関係は変化しない。したがって、比較器の2つの入力に同じ単調増加関数を作用させても出力は変わらない。この単調増加関数として、fの逆関数f-1を採用すると、-ΔE/Tがf-1(u)より大きいとき1を出力する回路とすることができることがわかる。さらに、温度値Tが正であることから、-ΔEがTf-1(u)より大きいとき1を出力する回路でよいことがわかる。
図21中のノイズテーブル114b3はこの逆関数f-1(u)を実現するための変換テーブルであり、区間[0,1)を離散化した入力に対して次の関数の値を出力するテーブルである。
Figure 0007302297000013
Figure 0007302297000014
遷移制御部114には、判定結果等を保持するラッチやそのタイミングを発生するステートマシン等も存在するが、図21では図示を簡単にするため省略されている。
図22は、遷移制御部114の動作フローの一例を示す図である。図22に示す動作フローは、1つの状態遷移を候補として選ぶステップ(S0001)、その状態遷移に対するエネルギー変化値と温度値と乱数値の積の比較で状態遷移の可否を決定するステップ(S0002)、状態遷移が可ならばその状態遷移を採用し、否ならば不採用とするステップ(S0003)を有する。
(材料特性予測方法)
本件で開示する材料特性予測方法は、対象材料の特性の特性値を予測する材料特性予測方法であって、対象材料と特性の特性値が第1の値である第1材料との、特性に係る類似度を求めることにより対象材料の特性値を予測する特性予測工程、を含む。
本件で開示する材料特性予測方法は、例えば、本件で開示する材料特性予測装置により行うことができる。また、本件で開示する材料特性予測方法における好適な態様は、例えば、本件で開示する材料特性予測装置における好適な態様と同様にすることができる。
(材料特性予測プログラム)
本件で開示する材料特性予測プログラムは、対象材料の特性の特性値を予測する材料特性予測プログラムであって、対象材料と特性の特性値が第1の値である第1材料との、特性に係る類似度を求めることにより対象材料の特性値を予測する特性予測処理を、コンピュータに行わせる。
本件で開示する材料特性予測プログラムは、例えば、本件で開示する材料特性予測方法コンピュータを実行させるプログラムとすることができる。また、本件で開示する材料特性予測プログラムにおける好適な態様は、例えば、本件で開示する材料特性予測装置における好適な態様と同様にすることができる。
本件で開示する材料特性予測プログラムは、使用するコンピュータシステムの構成及びオペレーティングシステムの種類・バージョンなどに応じて、公知の各種のプログラム言語を用いて作成することができる。
本件で開示する材料特性予測プログラムは、内蔵ハードディスク、外付けハードディスクなどの記録媒体に記録しておいてもよいし、CD-ROM、DVD-ROM、MOディスク、USBメモリなどの記録媒体に記録しておいてもよい。
さらに、本件で開示する材料特性予測プログラムを、上記の記録媒体に記録する場合には、必要に応じて、コンピュータシステムが有する記録媒体読取装置を通じて、これを直接又はハードディスクにインストールして使用することができる。また、コンピュータシステムから情報通信ネットワークを通じてアクセス可能な外部記憶領域(他のコンピュータなど)に本件で開示する材料特性予測プログラムを記録しておいてもよい。この場合、外部記憶領域に記録された本件で開示する材料特性予測プログラムは、必要に応じて、外部記憶領域から情報通信ネットワークを通じてこれを直接、又はハードディスクにインストールして使用することができる。
なお、本件で開示する材料特性予測プログラムは、複数の記録媒体に、任意の処理毎に分割されて記録されていてもよい。
(コンピュータが読み取り可能な記録媒体)
本件で開示するコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、本件で開示する材料特性予測プログラムを記録してなる。
本件で開示するコンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、内蔵ハードディスク、外付けハードディスク、CD-ROM、DVD-ROM、MOディスク、USBメモリなどが挙げられる。
また、本件で開示するコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、本件で開示する材料特性予測プログラムが任意の処理毎に分割されて記録された複数の記録媒体であってもよい。
<計算例>
本件で開示する材料特性予測装置の一計算例として、図16及び18に示したフローに従って、各元素の寄与値ΔB、及びの評価指数Bの閾値Bthを最適化して、特性としての比誘電率に係る類似度を算出した例について説明する。
本計算例においては、図18に示したように、初期のパラメータの値を、ΔB(H)=1、ΔB(C)=1、ΔB(O)=1、ΔB(N)=1、Bth=1とし、相関係数の閾値(R th)を0.7とした。
下記の表1に示す7個の材料について、No.0のN-メチルアセトアミドを問い合わせ材料として、類似度を算出した。
Figure 0007302297000015
ここで、表1に示す材料について、図16及び18に示したフローに従って、各元素の寄与値ΔB、及びの評価指数Bの閾値Bthを最適化したところ、相関係数の閾値(R th)が0.7を超えたときの各パラメータは、以下のようになった。
ΔB(H)=1、ΔB(C)=6、ΔB(O)=16、ΔB(N)=20、Bth=20
上記のパラメータを用いて、上記式(1)及び式(2)により算出した、特性(非誘電率)に係る類似度S1を表2に示す。
また、比較対象として、非特許文献1に記載されている従来技術を用いて、材料の構造のみに基づいた類似度S0を求めた。結果を表2に示す。
Figure 0007302297000016
ここで、表2に示した結果に基づいて、類似度と特性に係る特性値(非誘電率)とをプロットし、それらのプロットを線形近似した近似直線を引いたグラフの一例を図23に示す。
図23に示すように、本件で開示する技術の一実施形態を用いて算出した類似度S1と、非誘電率の相関係数は、0.7477となった。一方、従来技術を用いて求めた類似度S0と非誘電率の相関係数は、0.0139となった。
このことから、本件で開示する技術の一実施形態において、各元素の寄与値ΔB、及びの評価指数Biの閾値Bthを最適化することにより、特性に係る類似度を求めることができることがわかる。
また、図23に示すグラフにおける類似度S1の近似直線を用いると、例えば、最適化されたパラメータ用いた計算により、新たな対象材料の類似度S1が0.5であると求まったとすると、当該対象材料の非誘電率は、70程度となることが予測できる。
このように、本件で開示する技術の一実施形態においては、特性に係る類似度を求めることにより、対象材料の特性値を、当該特性に応じて高精度に予測できる。
図24に、比誘電率が近くない材料間の類似度が、従来技術においては高く算出され、本実施形態では低く算出される例における、分子構造及びグラフ化した分子構造の一例を示す。図24において、丸(実線又は点線)で囲まれているノード原子は、評価指数Bが閾値Bthを超えるノード原子であり、実線の丸で囲まれているノード原子は、最終的に最大独立集合として探索されたノードに含まれるノード原子である。
従来技術では、上記式(2)におけるパラメータは、V =11、V=12、V =11、V=15であり、本実施形態では、V =2、V=4、V =2、V=3である。したがって、式(2)におけるδを0.5とすると、従来技術では、S0=0.5×(11/12+11/15)=0.825となるが、本実施形態では、S1=0.5×(3/5+3/5)=0.6となる。
このように、本実施形態では、比誘電率が近くない材料間の類似度は、従来技術に比べて低く算出され、特性に係る類似度が算出されていることがわかる。
図25に、比誘電率が近い材料間の類似度が、従来技術においては低く算出され、本実施形態では高く算出される例における、分子構造及びグラフ化した分子構造の一例を示す。
従来技術では、上記式(2)におけるパラメータは、V =8、V=12、V =8、V=9であり、本実施形態では、V =4、V=5、V =4、V=5である。したがって、式(2)におけるδを0.5とすると、従来技術では、S0=0.5×(8/12+8/9)=0.7777となるが、本実施形態では、S1=0.5×(4/5+4/5)=0.8となる。
このように、本実施形態では、比誘電率が近い材料間の類似度は、従来技術に比べて高く算出され、特性に係る類似度が算出されていることがわかる。
図26は、本件で開示する技術の一実施形態及び従来技術における、類似度と特性値の関係の一例を示す図である。
図26に示すように、N-メチルアセトアミドを問い合わせ材料とした場合における、従来技術としての構造のみから算出された類似度は、比誘電率が182.4であるN-メチルホルムアミドについては、0.7777となる。同様に、N-メチルアセトアミドを問い合わせ材料とした場合における、従来技術としての構造のみから算出された類似度は、比誘電率が37.78であるN,N-ジメチルアセトアミドについては、0.825となる。
一方、N-メチルアセトアミドを問い合わせ材料とした場合における、本件で開示する技術の一例における特性に係る類似度は、N-メチルホルムアミドについては、0.8となる。同様に、N-メチルアセトアミドを問い合わせ材料とした場合における、本件で開示する技術の一例における特性に係る類似度は、N,N-ジメチルアセトアミドについては、0.6となる。
つまり、図26に示すように、従来技術としての構造のみから算出された類似度の大きさは、比誘電率の大きさと対応しておらず、この類似度を用いて比誘電率を予測することは難しいと考えられる。一方、本件で開示する技術の一例における特性に係る類似度の大きさは、比誘電率の大きさと対応しており、対象材料の特性の特性値を精度よく予測することが可能である。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
対象材料の特性の特性値を予測する材料特性予測装置であって、
前記対象材料と前記特性の前記特性値が第1の値である第1材料との、前記特性に係る類似度を求めることにより前記対象材料の前記特性値を予測する特性予測部を備えることを特徴とする材料特性予測装置。
(付記2)
前記特性予測部が、下記式(1)を用いて、前記対象材料及び前記第1材料の分子構造に基づく最大独立集合の探索をすることにより前記特性に係る前記類似度を求める、付記1に記載の材料特性予測装置。
Figure 0007302297000017
ただし、前記式(1)において、
前記Hは、当該Hを最小化することが前記最大独立集合の探索をすることを意味するハミルトニアンであり、
前記nは、グラフ化した前記対象材料及び前記第1材料のコンフリクトグラフにおけるノードの数として理解されるものであり、
前記コンフリクトグラフは、グラフ化した前記対象材料を構成する各ノード原子と、グラフ化した前記第1材料を構成する各ノード原子との組合せを前記ノードとし、複数ある前記ノードどうしを比較して互いに同一でない前記ノード間にはエッジを作成し、複数ある前記ノードどうしを比較して互いに同一である前記ノード間にはエッジを作成しないというルールに基づき作成されるグラフとして理解されるものであり、
前記biは、i番目の前記ノードに対するバイアスを表す数値であり、
前記wijは、
前記i番目の前記ノードと前記j番目の前記ノードとの間にエッジが存在するときは、0ではない正の数であり、
前記i番目の前記ノードと前記j番目の前記ノードとの間にエッジが存在しないときは、0であり、
前記xiは、i番目の前記ノードが0又は1であることを表すバイナリ変数であり、
前記xjは、j番目の前記ノードが0又は1であることを表すバイナリ変数であり、
前記α及び前記βは、正の数である。
(付記3)
前記特性予測部が、下記式(2)を用いて、探索された最大独立集合について前記特性に係る前記類似度を求める、付記2に記載の材料特性予測装置。
Figure 0007302297000018
ただし、前記式(2)において、
前記Gは、グラフ化した前記対象材料を表し、
前記Gは、グラフ化した前記第1材料を表し、
前記S(G,G)は、グラフ化した前記対象材料とグラフ化した前記第1材料との類似度を表し、0~1で表され、1に近づく程、類似度が高いことを意味し、
前記Vは、グラフ化した前記対象材料における前記ノード原子の総数を表し、
前記V は、グラフ化した前記対象材料における前記ノード原子の内、前記コンフリクトグラフの最大独立集合に含まれる前記ノード原子の数を表し、
前記Vは、グラフ化した前記第1材料における前記ノード原子の総数を表し、
前記V は、グラフ化した前記第1材料における前記ノード原子の内、前記コンフリクトグラフの最大独立集合に含まれる前記ノード原子の数を表し、
前記δは、0~1の数である。
(付記4)
前記特性予測部が、前記式(1)を用いて前記特性に係る前記類似度を求める際に、
前記ノード原子に対しWeisfeiler-Lehman手続によるWLラベルを付す、付記3に記載の材料特性予測装置。
(付記5)
前記WLラベルが、前記ノード原子に付され、前記ノード原子における一のノード原子において、当該一のノード原子の情報と、当該一のノード原子が結合する結合ノード原子の情報とに由来する、付記4に記載の材料特性予測装置。
(付記6)
前記特性予測部が、前記式(1)を用いて前記特性に係る前記類似度を求める際に、
前記ノード原子を、前記WLラベルの情報に基づき前記特性の発現に対する評価指数Bに応じて選択する、付記4から5のいずれかに記載の材料特性予測装置。
(付記7)
前記評価指数Bが、前記対象材料及び前記第1材料における前記ノード原子の種類(元素)毎に算出した、前記特性の発現に対する寄与値ΔBの合計を意味する、付記6に記載の材料特性予測装置。
(付記8)
前記特性予測部が、前記式(1)を用いて前記特性に係る前記類似度を求める際に、
前記式(1)における前記biを、
i番目の前記ノードを構成する前記ノード原子に付された前記WLラベルの情報に含まれる前記評価指数Bの大きさに対応した数値とする、付記6から7のいずれかに記載の材料特性予測装置。
(付記9)
前記特性予測部が、前記式(1)を用いて前記特性に係る前記類似度を求める際に、
前記式(1)における前記biを、
i番目の前記ノードを構成する前記ノード原子に付された前記WLラベルの情報に含まれる前記評価指数Bが閾値を超えたときに、正の数とし、
i番目の前記ノードを構成する前記ノード原子に付された前記WLラベルの情報に含まれる前記評価指数Bが閾値以下のときに、負の数とする、付記6から8のいずれかに記載の材料特性予測装置。
(付記10)
前記特性予測部が、焼き鈍し法により前記式(1)におけるハミルトニアン(H)の最小化をすることにより前記最大独立集合の探索をする、付記2から9のいずれかに記載の材料特性予測装置。
(付記11)
前記特性予測部が、求めた前記特性に係る前記類似度と前記特性に係る前記特性値との相関係数が大きくなるように、
<A> 前記式(1)において、i番目の前記ノードを構成する前記ノード原子に付された前記WLラベルの情報に含まれる前記評価指数Bの値の算定基準となる、前記ノード原子の種類(元素)毎の寄与値ΔBの数値、
<B> 前記式(1)において、i番目の前記ノードを構成する前記ノード原子に付された前記WLラベルの情報に含まれる前記評価指数Bの閾値、
<C> 前記式(1)における前記biの数値、
<D> 前記式(1)における前記wijの数値、及び、
<E> 前記式(2)で表される類似度評価式S、
の少なくともいずれかの更新をする、付記6から10のいずれかに記載の材料特性予測装置。
(付記12)
前記更新が、遺伝的アルゴリズムにより行われる、付記11に記載の材料特性予測装置。
(付記13)
前記特性予測部が、求めた前記特性に係る前記類似度と前記特性に係る前記特性値との相関係数が閾値を超えたときに、前記対象材料の前記特性に係る前記類似度を出力する、付記1から12のいずれかに記載の材料特性予測装置。
(付記14)
前記特性予測部が、求めた前記特性に係る前記類似度と前記特性に係る前記特性値との相関係数が閾値を超えたときに、前記対象材料における前記特性値を予測する、付記1から13のいずれかに記載の材料特性予測装置。
(付記15)
多数の前記第1材料の化学構造データ群を有する、付記1から14のいずれかに記載の材料特性予測装置。
(付記16)
多数の前記対象材料の化学構造データ群を有する、付記1から15のいずれかに記載の材料特性予測装置。
(付記17)
対象材料の特性の特性値を予測する材料特性予測方法であって、
前記対象材料と前記特性の前記特性値が第1の値である第1材料との、前記特性に係る類似度を求めることにより前記対象材料の前記特性値を予測する特性予測工程を含むことを特徴とする材料特性予測方法。
(付記18)
対象材料の特性の特性値を予測する材料特性予測プログラムであって、
前記対象材料と前記特性の前記特性値が第1の値である第1材料との、前記特性に係る類似度を求めることにより前記対象材料の前記特性値を予測する特性予測処理を、コンピュータに行わせることを特徴とする材料特性予測プログラム。
10 材料特性予測装置
11 制御部
12 メモリ
13 記憶部
14 表示部
15 入力部
16 出力部
17 I/Oインターフェース部
18 システムバス
19 ネットワークインターフェース部
20 ネットワークインターフェース部
30 コンピュータ
40 コンピュータ
51 対象材料構造取得部
52 第1材料構造取得部
53 類似度計算部
54 特性予測精度評価部
55 パラメータ更新部55
56 特性予測部
510、610 化学構造データ
520、620 化学構造データ群

Claims (17)

  1. 対象材料の特性の特性値を予測する材料特性予測装置であって、
    前記対象材料と前記特性の前記特性値が第1の値である第1材料との、前記特性に係る類似度を求めることにより前記対象材料の前記特性値を予測する特性予測部を備え
    前記特性予測部が、下記式(1)を用いて、前記対象材料及び前記第1材料の分子構造に基づく最大独立集合の探索をすることにより前記特性に係る前記類似度を求め、
    前記特性予測部が、求めた前記特性に係る前記類似度と前記特性に係る前記特性値との相関を示す相関係数が閾値を超えたときに、前記対象材料の前記特性に係る前記類似度を出力し、
    前記特性予測部が、前記第1の値と前記類似度と前記相関とに基づいて、前記対象材料の前記特性値を予測することを特徴とする材料特性予測装置。
    Figure 0007302297000019
    ただし、前記式(1)において、
    前記Hは、当該Hを最小化することが前記最大独立集合の探索をすることを意味するハミルトニアンであり、
    前記nは、グラフ化した前記対象材料及び前記第1材料のコンフリクトグラフにおけるノードの数として理解されるものであり、
    前記コンフリクトグラフは、グラフ化した前記対象材料を構成する各ノード原子と、グラフ化した前記第1材料を構成する各ノード原子との組合せを前記ノードとし、複数ある前記ノードどうしを比較して互いに同一でない前記ノード間にはエッジを作成し、複数ある前記ノードどうしを比較して互いに同一である前記ノード間にはエッジを作成しないというルールに基づき作成されるグラフとして理解されるものであり、
    前記b i は、i番目の前記ノードに対するバイアスを表す数値であり、
    前記w ij は、
    前記i番目の前記ノードと前記j番目の前記ノードとの間にエッジが存在するときは、0ではない正の数であり、
    前記i番目の前記ノードと前記j番目の前記ノードとの間にエッジが存在しないときは、0であり、
    前記x i は、i番目の前記ノードが0又は1であることを表すバイナリ変数であり、
    前記x j は、j番目の前記ノードが0又は1であることを表すバイナリ変数であり、
    前記α及び前記βは、正の数である。
  2. 前記特性予測部が、下記式(2)を用いて、探索された最大独立集合について前記特性に係る前記類似度を求める、請求項に記載の材料特性予測装置。
    Figure 0007302297000020
    ただし、前記式(2)において、
    前記Gは、グラフ化した前記対象材料を表し、
    前記Gは、グラフ化した前記第1材料を表し、
    前記S(G,G)は、グラフ化した前記対象材料とグラフ化した前記第1材料との類似度を表し、0~1で表され、1に近づく程、類似度が高いことを意味し、
    前記Vは、グラフ化した前記対象材料における前記ノード原子の総数を表し、
    前記V は、グラフ化した前記対象材料における前記ノード原子の内、前記コンフリクトグラフの最大独立集合に含まれる前記ノード原子の数を表し、
    前記Vは、グラフ化した前記第1材料における前記ノード原子の総数を表し、
    前記V は、グラフ化した前記第1材料における前記ノード原子の内、前記コンフリクトグラフの最大独立集合に含まれる前記ノード原子の数を表し、
    前記δは、0~1の数である。
  3. 前記特性予測部が、前記式(1)を用いて前記特性に係る前記類似度を求める際に、
    前記ノード原子に対しWeisfeiler-Lehman手続によるWLラベルを付す、請求項に記載の材料特性予測装置。
  4. 前記WLラベルが、前記ノード原子に付され、前記ノード原子における一のノード原子において、当該一のノード原子の情報と、当該一のノード原子が結合する結合ノード原子の情報とに由来する、請求項に記載の材料特性予測装置。
  5. 前記特性予測部が、前記式(1)を用いて前記特性に係る前記類似度を求める際に、
    前記ノード原子を、前記WLラベルの情報に基づき前記特性の発現に対する評価指数Bに応じて選択する、請求項からのいずれかに記載の材料特性予測装置。
  6. 前記評価指数Bが、前記対象材料及び前記第1材料における前記ノード原子の種類(元素)毎に算出した、前記特性の発現に対する寄与値ΔBの合計を意味する、請求項に記載の材料特性予測装置。
  7. 前記特性予測部が、前記式(1)を用いて前記特性に係る前記類似度を求める際に、
    前記式(1)における前記biを、
    i番目の前記ノードを構成する前記ノード原子に付された前記WLラベルの情報に含まれる前記評価指数Bの大きさに対応した数値とする、請求項からのいずれかに記載の材料特性予測装置。
  8. 前記特性予測部が、前記式(1)を用いて前記特性に係る前記類似度を求める際に、
    前記式(1)における前記biを、
    i番目の前記ノードを構成する前記ノード原子に付された前記WLラベルの情報に含まれる前記評価指数Bが閾値を超えたときに、正の数とし、
    i番目の前記ノードを構成する前記ノード原子に付された前記WLラベルの情報に含まれる前記評価指数Bが閾値以下のときに、負の数とする、請求項からのいずれかに記載の材料特性予測装置。
  9. 前記特性予測部が、焼き鈍し法により前記式(1)におけるハミルトニアン(H)の最小化をすることにより前記最大独立集合の探索をする、請求項からのいずれかに記載の材料特性予測装置。
  10. 前記特性予測部が、求めた前記特性に係る前記類似度と前記特性に係る前記特性値との相関係数が大きくなるように、
    <A> 前記式(1)において、i番目の前記ノードを構成する前記ノード原子に付された前記WLラベルの情報に含まれる前記評価指数Bの値の算定基準となる、前記ノード原子の種類(元素)毎の寄与値ΔBの数値、
    <B> 前記式(1)において、i番目の前記ノードを構成する前記ノード原子に付された前記WLラベルの情報に含まれる前記評価指数Bの閾値、
    <C> 前記式(1)における前記biの数値、
    <D> 前記式(1)における前記wijの数値、及び、
    <E> 前記式(2)で表される類似度評価式S、
    の少なくともいずれかの更新をする、請求項からのいずれかに記載の材料特性予測装置。
  11. 前記更新が、遺伝的アルゴリズムにより行われる、請求項10に記載の材料特性予測装置。
  12. 前記特性予測部が、求めた前記特性に係る前記類似度と前記特性に係る前記特性値との相関係数が閾値を超えたときに、前記対象材料における前記特性値を予測する、請求項1から11のいずれかに記載の材料特性予測装置。
  13. 前記特性に係る前記類似度と前記特性に係る前記特性値との相関係数における前記閾値が、0.7である請求項1から12のいずれかに記載の材料特性予測装置。
  14. 多数の前記第1材料の化学構造データ群を有する、請求項1から13のいずれかに記載の材料特性予測装置。
  15. 多数の前記対象材料の化学構造データ群を有する、請求項1から14のいずれかに記載の材料特性予測装置。
  16. 対象材料の特性の特性値を予測する材料特性予測方法であって、
    前記対象材料と前記特性の前記特性値が第1の値である第1材料との、前記特性に係る類似度を求めることにより前記対象材料の前記特性値を予測する特性予測工程を含み、
    前記特性予測工程が、下記式(1)を用いて、前記対象材料及び前記第1材料の分子構造に基づく最大独立集合の探索をすることにより前記特性に係る前記類似度を求め、
    前記特性予測工程が、求めた前記特性に係る前記類似度と前記特性に係る前記特性値との相関を示す相関係数が閾値を超えたときに、前記対象材料の前記特性に係る前記類似度を出力し、
    前記特性予測工程が、前記第1の値と前記類似度と前記相関とに基づいて、前記対象材料の前記特性値を予測することを特徴とする材料特性予測方法。
    Figure 0007302297000021
    ただし、前記式(1)において、
    前記Hは、当該Hを最小化することが前記最大独立集合の探索をすることを意味するハミルトニアンであり、
    前記nは、グラフ化した前記対象材料及び前記第1材料のコンフリクトグラフにおけるノードの数として理解されるものであり、
    前記コンフリクトグラフは、グラフ化した前記対象材料を構成する各ノード原子と、グラフ化した前記第1材料を構成する各ノード原子との組合せを前記ノードとし、複数ある前記ノードどうしを比較して互いに同一でない前記ノード間にはエッジを作成し、複数ある前記ノードどうしを比較して互いに同一である前記ノード間にはエッジを作成しないというルールに基づき作成されるグラフとして理解されるものであり、
    前記b i は、i番目の前記ノードに対するバイアスを表す数値であり、
    前記w ij は、
    前記i番目の前記ノードと前記j番目の前記ノードとの間にエッジが存在するときは、0ではない正の数であり、
    前記i番目の前記ノードと前記j番目の前記ノードとの間にエッジが存在しないときは、0であり、
    前記x i は、i番目の前記ノードが0又は1であることを表すバイナリ変数であり、
    前記x j は、j番目の前記ノードが0又は1であることを表すバイナリ変数であり、
    前記α及び前記βは、正の数である。
  17. 対象材料の特性の特性値を予測する材料特性予測プログラムであって、
    前記対象材料と前記特性の前記特性値が第1の値である第1材料との、前記特性に係る類似度を求めることにより前記対象材料の前記特性値を予測する特性予測処理を、コンピュータに行わせ
    前記特性予測処理が、下記式(1)を用いて、前記対象材料及び前記第1材料の分子構造に基づく最大独立集合の探索をすることにより前記特性に係る前記類似度を求め、
    前記特性予測処理が、求めた前記特性に係る前記類似度と前記特性に係る前記特性値との相関を示す相関係数が閾値を超えたときに、前記対象材料の前記特性に係る前記類似度を出力し、
    前記特性予測処理が、前記第1の値と前記類似度と前記相関とに基づいて、前記対象材料の前記特性値を予測することを特徴とする材料特性予測プログラム。
    Figure 0007302297000022
    ただし、前記式(1)において、
    前記Hは、当該Hを最小化することが前記最大独立集合の探索をすることを意味するハミルトニアンであり、
    前記nは、グラフ化した前記対象材料及び前記第1材料のコンフリクトグラフにおけるノードの数として理解されるものであり、
    前記コンフリクトグラフは、グラフ化した前記対象材料を構成する各ノード原子と、グラフ化した前記第1材料を構成する各ノード原子との組合せを前記ノードとし、複数ある前記ノードどうしを比較して互いに同一でない前記ノード間にはエッジを作成し、複数ある前記ノードどうしを比較して互いに同一である前記ノード間にはエッジを作成しないというルールに基づき作成されるグラフとして理解されるものであり、
    前記b i は、i番目の前記ノードに対するバイアスを表す数値であり、
    前記w ij は、
    前記i番目の前記ノードと前記j番目の前記ノードとの間にエッジが存在するときは、0ではない正の数であり、
    前記i番目の前記ノードと前記j番目の前記ノードとの間にエッジが存在しないときは、0であり、
    前記x i は、i番目の前記ノードが0又は1であることを表すバイナリ変数であり、
    前記x j は、j番目の前記ノードが0又は1であることを表すバイナリ変数であり、
    前記α及び前記βは、正の数である。
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