JP2007152380A - 圧延装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】板材Xを厚さ方向に圧延する一対の作業ロール11,12と、上記板材Xの先端部を上記作業ロール間Gに導くガイド2と、該ガイド2の内部に形成された圧延油用流路3を介して圧延油Z1を上記作業ロール間Gに供給する圧延油供給手段9とを備える圧延装置であって、上記ガイド2の内部に上記圧延油用流路3と別途形成される温度調整油用流路4と、上記圧延油Z1と温度が異なる温度調整油Z2を上記温度調整油用流路4を介して上記作業ロール12に掛けることによって上記作業ロール12のクラウン量を制御する温度調整油供給手段とを備える。
【選択図】図1
Description
圧延装置のなかには、各作業ロールに対して複数の中間ロールを接触して設置し、中間ロールの回転を作業ロールに伝達することによって圧延処理を行う圧延装置がある(非特許文献1)。このような圧延装置においては、各作業ロールに対して、作業ロールよりも大径の中間ロールが複数接触して設置されているため、上述のクーラントを作業ロール間に供給するための十分なスペースが確保できない場合がある。
このため、圧延油を作業ロール間に供給するための十分なスペースが確保できない場合には、作業ロール間に板材の先端部を導くために設置されているガイドの内部にクーラント用の流路を形成し、この流路を介して作業ロール間にクーラントを供給している(例えば、非特許文献1第15頁参照)。
芝共ニュース(43号),1966年発行,p.6〜p.22,「300mm逆転式十段冷間圧延機(通称Xミル)の構造と圧延試験結果」
また、例えば、作業ロールの冷却及び潤滑等を目的とするクーラントの温度や流量を調整することによってクラウン量を制御することも考えられる。しかしながら、作業ロールの冷却及び潤滑等の目的を達成できる範囲におけるクーラントの温度や流量の調整可能範囲は極めて小さく、作業ロールのクラウン量を十分な範囲で変化させることができない。
このため、本発明の圧延装置によれば、温度調整油を作業ロールに掛けるためのヘッダーを別途設置する必要がなく、さらに圧延油の温度や流量を変化させることなく温度調整油の温度や流量を調整することができる。つまり、圧延油の温度や流量と、温度調整油の温度や流量とを独立して各々制御することができるため、圧延油の温度や流量を変化させることなく作業ロールのクラウン量を十分な範囲で変化させることが可能となる。
したがって、本発明の圧延装置によれば、作業ロールのクラウン量の制御性を向上させることが可能となる。
この図に示すように、本実施形態の圧延装置Sは、一対の作業ロール11,12と、控ロール13,14,15,16と、ガイド2とを備えている。
具体的には、図1に示すように、上下に配置された作業ロール11,12のうち、上方に設置される作業ロール11が矢印の方向(図1において右回転)に回転され、下方に設置される作業ロール12が矢印の方向(図1において左回転)に回転され、これらの作業ロール11と作業ロール12との間(以下、作業ロール間Gと称する)において板材Xを厚さ方向に圧延する。
具体的には、作業ロール11に対して控ロール13,14が接触して設置され、作業ロール12に対して控ロール15,16が接触して設置されている。
そして、控ロール13,14,15,16が不図示のモータ等によって回転されることによって、その回転が作業ロール11,12に伝わり、作業ロール11,12が回転される。
そして、圧延油用流路3と温度調整油用流路4との間には、断熱材5が設置されている。また、本実施形態の圧延装置Sの下側ガイド21においては、圧延油用流路3が温度調整油用流路4よりも短く形成されている。
図2は、下側ガイド21の上部側の平面図である。この図に示すように、圧延油用流路3は、下側ガイド21の上部側の内部が中空とされ、その中空部に圧延油Z1の流れ方向に沿って延在する仕切り板31が複数設置されることによって形成されている。なお、各仕切り板31は、支持部32によって下側ガイド本体に支持されている。
また、下側ガイド21の端部近傍には、下側ガイド21の内部に圧延油Z1を供給するための供給口210が2つ形成されており、この供給口210の各々に対して圧延油供給配管6が接続されている。
なお、仕切り板31は、図2に示すように、供給口210の近傍までしか設置されておらず、仕切り板31によって仕切られた各流路33は供給口210の近傍において開放され連通している。このため、供給口210を介して供給された圧延油Z1は、全ての流路33に流れ込むことが可能とされている。また、供給口210が形成される下側ガイド21の端部とは逆側の端部には、開口部34が形成されている。そして、供給口210を介して流路33に流れ込んだ圧延油Z1は、開口部34から外部へ流れ出る。
また、下側ガイド21の幅W1は、作業ロール11,12の幅と略等しく設定されており、これによって、圧延油用流路3を介して供給される圧延油Z1が作業ロール間G全体に供給されるようになっている。
なお、実際には、圧延油用流路3が温度調整油用流路4よりも短く形成されている。つまり、図1に示すように下側ガイド21の上部側が下側ガイド21の下部側よりも短くなっている。このため、圧延油用流路3から排出された圧延油Z1は、下側ガイド21の下部側の上面211を伝って作業ロール間Gに供給される。下側ガイド21は、図1に示すように、作業ロール間Gに近づくにつれて板材Xに近くなるように傾斜している。このため、下側ガイド21の上部側を下側ガイド21の下部側よりも短くすることによって、下側ガイド21全体の高さを低く抑えられる。したがって、下側ガイド21と板材Xとが干渉することを抑止することができる。
図3は、下側ガイド21の下部側の平面図である。この図に示すように、温度調整油用流路4は、下側ガイド21の下部側の内部が中空とされ、その中空部に温度調整油Z2の流れ方向に沿って延在する仕切り板41が複数設置されることによって形成されている。なお、各仕切り板41は、支持部42によって下側ガイド本体に支持されている。
なお、温度調整油用流路4においては、各仕切り板41が下側ガイド21の端から端まで延在されている。このため、各流路43a〜43jが独立された流路とされている。そして、各流路43a〜43jの一方の端部には、各流路43a〜43jに対応した供給口430が形成されており、これらの供給口430の各々に対して図1に示すように温度調整油供給配管7が接続されている。また、各流路43a〜43jの他方の端部には、各流路43a〜43jに対応した排出口431が形成されている。そして、供給口430を介して流路43a〜43jに流れ込んだ温度調整油Z2は、排出口431から外部に流れ出る。
なお、上述のように下側ガイド21の幅W2は、作業ロール11,12の幅と略等しく設定されている。このため、作業ロール12全体に温度調整油Z2を掛けることが可能となっている。
なお、温度調整油用流路4は、仕切り板41によって10本の細かい流路43a〜43jに分割され、これらの流路43a〜43jが作業ロール12の幅方向に配列されている。このため各流路43a〜43jを流れる温度調整油用流路4の温度や流量を調整することによって、作業ロール12の局所に温度や流量の異なる温度調整油Z2を掛けることができる。そして、本実施形態の圧延装置Sにおいては、このように作業ロール12の局所に温度や流量の異なる温度調整油Z2を掛けることができるよう、各温度調整油供給配管7の各々に対してバルブ71とヒータ72とが設置されている(図4参照)。
なお、下側ガイド21の圧延油用流路3に接続される圧延油供給配管6と上側ガイド22の圧延油用流路3に接続される圧延油供給配管6とには、圧延油供給部9(圧延油供給手段)を介して温度及び流量が一定の圧延油Z1が供給される。
この制御システム10は、圧延油Z1と温度の異なる温度調整油Z2を温度調整油用流路4を介して作業ロール12に掛けることによって作業ロール12のクラウン量(ロールの中央部と端部との直径差)を制御するものであり、この図に示すように、検出部20(形状データ取得部)と制御装置30(制御手段)とを備えて構成されている。
検出部20は、作業ロール11,12によって圧延された板材XであるシートYの形状を示すデータを取得するものであり、シートYの送出先に配置されている。この検出部20としては、例えば、レーザ干渉計やカメラを用いることができる。
制御装置30は、検出部20の検出結果(シートYの形状を示すデータ)に基づいて温度調整油Z2の温度あるいは/及び流量を制御するものである。
具体的には、制御装置30は、検出部20の検出結果に基づいて各温度調整油供給配管7に設置されたバルブ71とヒータ72とを各々制御する。そして、温度調整油供給配管7が1つずつ温度調整油用流路4の各流路43a〜43jに対して接続されている。このため、本実施形態の圧延装置Sにおいては、各流路43a〜43jを流れる温度調整油Z2の温度あるいは/及び流量を独立して制御することが可能となっている。
ここで、本実施形態の圧延装置Sにおいては、シートYの形状を示すデータを検出部20において取得する。そして、制御装置30がこの検出部20のシートYの形状を示すデータからシートYの形状を算出する。
このようにして、流路43e及び流路43fを介して加温された温度調整油Z2が作業ロール12に掛けられることによって作業ロール12の中央部のみに温度調整油Z2が掛けられることとなり、クラウン量が大きくなる。
このため、シートYの形状を平らにすることができる。
このようにして、流路43a及び流路43jを介して加温された温度調整油Z2が作業ロール12に掛けられることによって作業ロール12の端部近傍のみに温度調整油Z2が掛けられることとなり、クラウン量が小さくなる。
このため、シートYの形状を平らにすることができる。
このため、温度調整油Z2を作業ロール12に掛けるためのヘッダーを別途設置する必要がなく、さらに圧延油Z1の温度や流量を変化させることなく温度調整油Z2の温度や流量を調整することができる。つまり、圧延油Z1の温度や流量と、温度調整油Z2の温度や流量とを独立して各々制御することができるため、圧延油Z1の温度や流量を変化させることなく作業ロール12のクラウン量を十分な範囲で変化させることが可能となる。
したがって、本実施形態の圧延装置Sによれば、作業ロールのクラウン量の制御性を向上させることが可能となる。
なお、例えば、温度調整油Z2の温度を常に一定とし、流量のみで作業ロール12のクラウン量を制御することもできる。このような場合には、ヒータ72を一体化させても構わない。
このため、例えば、シートYが表面光沢を求めるようなものである場合であっても、温度調整油Z2が圧延油Z1と交じり合うことによって、表面光沢を失うことを抑止することができる。
しかしながら、多少温度調整油Z2が圧延油Z1と交じり合っても問題ない場合には、上側ガイド22にも温度調整油用流路4を形成し、作業ロール11にも温度調整油Z2を掛けられる構成としても良い。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ヒータ72の代わりに冷却装置を設置し、この冷却装置によって冷却された温度調整油Z2を作業ロール12に掛けることによって作業ロール12のクラウン量を制御しても良い。
この場合に、いずれか一方のガイドのみ温度調整油用流路を形成しても良いし、両側のガイドに温度調整油用流路を形成しても良い。
11,12……作業ロール
13,14,15,16……控ロール(ロール)
2……ガイド
3……圧延油用流路
4……温度調整油用流路
5……断熱材
9……圧延油供給部(圧延油供給手段)
10……制御システム(温度調整油供給手段)
20……検出部(形状データ取得部)
30……制御装置(制御手段)
Z1……圧延油
Z2……温度調整油
X……板材
Y……シート
G……作業ロール間
Claims (7)
- 板材を厚さ方向に圧延する一対の作業ロールと、前記板材の先端部を前記作業ロール間に導くガイドと、該ガイドの内部に形成された圧延油用流路を介して圧延油を前記作業ロール間に供給する圧延油供給手段とを備える圧延装置であって、
前記ガイドの内部に前記圧延油用流路と別途形成される温度調整油用流路と、
前記圧延油と温度が異なる温度調整油を前記温度調整油用流路を介して前記作業ロールに掛けることによって前記作業ロールのクラウン量を制御する温度調整油供給手段と
を備えることを特徴とする圧延装置。 - 前記温度調整油供給手段は、
前記作業ロールによって圧延された前記板材の形状を示すデータを取得する形状データ取得部と、
前記板材の形状を示すデータに基づいて前記温度調整油の温度あるいは/及び流量を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載の圧延装置。 - 前記温度調整油用流路が前記作業ロールの幅方向に複数に分割され、各分割領域を介して前記作業ロールに掛けられる前記温度調整油の温度あるいは/流量が独立して制御可能とされていることを特徴とする請求項1または2記載の圧延装置。
- 前記圧延油用流路と前記温度調整油用流路との間に設置される断熱材を備えることを特徴とする請求項1または2記載の圧延装置。
- 前記ガイドが前記板材の上方側と下方側とに各々設置されている場合に、前記板材の下方側に設置された前記ガイドの内部のみに前記温度調整油用流路が形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の圧延装置。
- 前記ガイドのうち、前記温度調整油用流路が形成されているガイドの内部において、上部側に前記圧延油用流路が形成され、下部側に前記温度調整油用流路が形成されていることを特徴とする請求項5記載の圧延装置。
- 各前記作業ロールに対して接触して配置されるロールを備えることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の圧延装置。
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