JP2007152209A - 遠心分離機用ロータおよび遠心分離機 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速遠心分離において風切り音による騒音を低減するとともに、一般の遠心分離とヘマトクリット値測定のための遠心分離を同時に高速で行うことができるようにした遠心分離機用ロータおよび遠心分離機を提供する。
【解決手段】ロータ4をロータ本体8とボス9とで構成し、ロータ本体8の上下面を上カバー10と下カバー11とで覆う。ロータ本体8にチューブ20が装着される複数のチューブ孔15と、ヘマトクリック値測定用毛細管23が装着される複数の毛細管用溝24が形成されている。上カバー10は、カバー本体50とつまみ51とからなり、付勢手段52によってカバー本体50をロータ本体8の上面に押し付けている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、遠心分離機用ロータおよびこれを用いた遠心分離機に関し、特に一般の遠心分離とヘマトクリット値測定のための遠心分離を選択的にまたは同時に行うことができる遠心分離機用ロータに関するものである。
遠心分離機による血液、尿、生化学的サンプル(以下、これらを総称して呼ぶ場合は液体試料という)の遠心分離(通常の遠心分離)は、一般に3000rpmで10分程度行われる。
一方、遠心分離機による血液のヘマトクリット値測定のための遠心分離は、通常12000rpmで5分程度行われる。なお、ヘマトクリット値の測定に必要な血液量は、通常の遠心分離に比べてきわめて微量(50μl程度)であるため、採血には外径が2mm程度の毛細管が用いられる。
遠心分離機に用いられるロータのうち、特に一般の遠心分離と、血液のヘマトクリット値測定のための遠心分離を可能にしたロータとしては、例えば特許文献1〜4に開示されたものが知られている。
前記特許文献1に記載されているヘマトクリット沈澱管式兼用遠心分離機回転盤は、盤面上に形成されたヘマトクリット値測定用の毛細管を収容する複数の溝と、血液を収容した沈澱管を収容する複数の孔とを備え、血液のヘマトクリット値の測定時には毛細管を前記溝に装着し、通常の血液の遠心分離時には沈澱管を前記孔に装着するようにしている。
特許文献2に記載されている遠心力沈降機用回転盤は、取着用軸管の外周に沈澱管の掛孔を有する回転盤の周縁部上面に周壁を設け、この周壁の内側に表面に多数条の毛細管用溝が放射状に形成されたヘマトクリット用回転盤を任意に取り出し得るように内装し、通常の血液の遠心分離時にはヘマトクリット用回転盤を回転盤から取り外して血液を収容した沈降管を回転盤の掛孔に装着し、血液のヘマトクリット値の測定時にはヘマトクリット用回転盤を回転盤に内装し、血液を収容した毛細管を毛細管用溝に装着するようにしている。
特許文献3の第1図〜第4図に示されている遠心分離機用ロータは、ロータ軸の軸線に対して傾斜した複数の沈澱管用孔が同心円状に形成されているとともに、上面に複数の毛細管用溝が放射状に形成されたロータ本体と、このロータ本体の底面側に回動可能に取付けられ前記沈澱管用孔を選択的に覆う風防板とを備え、この風防板に前記沈澱管用孔に連通し得る複数の孔を設け、通常の血液の遠心分離時には血液を収容した沈澱管をロータ本体の沈澱管用孔と風防板の孔に差し込み、血液のヘマトクリット値の測定時にはヘマトクリット値測定用の毛細管を毛細管用溝に装着し、風防板を回動させて沈澱管用孔の下端側開口部を覆うようにしている。
特許文献4に記載されている実験室用血液分離及びヘマトクリット調製遠心器は、駆動モータの出力軸に取付けられケーシング内に配設されるロータを備えている。このロータは、ボウル形本体とヘッドとからなり、ヘッドの中間に設けた円錐台形状のウエブに血液試料管を収納する複数のソケットを設け、ヘッドの上面に細い管状のヘマトクリットを収容する複数のスロットを放射状に設け、ボウル形本体によってヘッドの底部を覆っている。
実公昭38−16982号公報 実公昭46−27172号公報 特公昭58−22254号公報 特開昭49−65557号公報
しかしながら、前記特許文献1〜3に記載されている遠心分離機回転盤は、いずれも分離管と毛細管を選択的に装着して使用する構成を採っているため、血液の遠心分離とヘマトクリット値測定のための遠心分離とを同時に行うことができず、処理に要する時間が長くなるという問題があった。
また、特許文献2,3に記載されている回転盤は、いずれも血液分離用回転盤(底板)と、ヘマトクリット測定用回転盤(毛細管保持板)とを備え、ヘマトクリット値測定時にヘマトクリット測定用回転盤を血液分離用回転盤に装着する必要があるので、部品点数が増加するばかりか、操作時において、取付け、取外し作業が煩わしいという問題があった。
また、特許文献3の第1図〜第4図に示されている遠心分離機用ロータにおいては、ヘマトクリット用ロータとして使用するときに、ロータの外周からロータの底面に指を回してロータ本体の底面側に設けている風防板を指先で回動させて沈澱管用孔の下端側開口部を閉じ、通常の遠心分離用ロータとして使用するときには風防板を回動させて風防板の孔を沈澱管用孔と一致させ、これらの孔に沈澱管を差し込み装着する必要がある。このため、風防板による沈澱管用孔の開閉操作が煩わしく、さらには風防板によって沈澱管用孔を閉め忘れたまま遠心分離を行うと、騒音が発生するという問題もあった。すなわち、沈澱管用孔が開いたままであると、孔の開口縁によって空気を切るため風切り音による騒音が発生し、回転数が高くなればなるほど、またロータの上面に凸凹があればあるほど大きな騒音となり、しかも渦の発生によって空気抵抗が増大するためロータの回転数が低下してしまう。
一方、特許文献4に記載されている実験室用血液分離およびヘマトクリット調製遠心器は、血液試料管が装着されるソケットと細い管からなるヘマトクリットが装着されるスロットを高さ方向にずらし、試料管とヘマトクリットが互いに干渉しないようにしているために、一般の遠心分離とヘマトクリット値測定のための遠心分離を同時に行うことができるとしている。しかしながら、この遠心器は、ロータの上部を覆う蓋またはカバーを全く備えていないため、血液分離とヘマトクリット値測定を高速で同時に行うと、液体試料管の頭部が凹凸形状を形成することから風切り音による騒音が大きく、作業環境への影響が大きいという問題があった。
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、高速遠心分離において風切り音による騒音を低減するとともに、一般の遠心分離とヘマトクリット値測定のための遠心分離を同時に行うことができるようにした遠心分離機用ロータおよび遠心分離機を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係る遠心分離機用ロータは、駆動モータの出力軸に取付けられるロータ本体と、このロータ本体の下側を覆う下カバーと、前記ロータ本体の上側を覆う上カバーとを備え、前記ロータ本体は、回転軸心に対して軸線が内側に傾斜し上下に貫通する複数のチューブ孔が同心円状に設けられるとともに、上面にヘマトクリット値測定用毛細管を収容する多数条の毛細管用溝が放射状に形成され、前記下カバーは、前記各チューブ孔の下部を覆う覆い部を有し、前記上カバーは、前記チューブ孔と前記毛細管用溝を覆いかつ前記ロータ本体の上面を押圧するカバー本体と、このカバー本体に一体的に接続されたつまみとで構成され、前記カバー本体には前記ロータ本体の上面から離間し前記チューブ孔の上部を覆う膨出部が設けられているものである。
また、本発明に係る遠心分離機用ロータは、前記つまみが前記カバー本体に対して上下動自在でロータ本体に着脱可能に取付けられ、前記つまみと前記カバー本体との間には前記カバー本体を前記ロータ本体の上面に押し付ける付勢手段が設けられているものである。
また、本発明に係る遠心分離機用ロータは、前記つまみはが下方に開放する筒状体に形成され下端に円周方向に等間隔おいて形成された複数の逆J字状のスロットを有し、前記ロータ本体が中央に設けられたボスと、このボスに設けられ前記各スロットにそれぞれ係入する複数の係止ピンとを含み、前記ボスが前記駆動モータの出力軸が嵌合する内側円筒部と、前記ロータ本体が嵌合する外側円筒部と、これら両円筒部間に形成され前記つまみが遊挿される環状溝とを有し、前記各係止ピンが前記環状溝を横断して両端部が前記内側円筒部と前記外側円筒部に設けたピン用孔によって支持され、前記ロータ本体が前記外側円筒部に嵌合されることにより当該円筒部のピン用孔を塞ぐものである。
さらに、本発明に係る遠心分離機は、上記遠心分離機用ロータを備えているものである。
本発明に係る遠心分離機用ロータにおいては、上カバーと下カバーとでロータ本体の上側と下側を覆っているので、高速回転時における風防効果および渦防止効果が高く騒音が軽減された低騒音型のロータを提供することができる。したがって、血液の通常の遠心分離であっても高速遠心分離が可能であり、通常の遠心分離とヘマトクリット値測定のための高速遠心分離を同時に行うことができ、処理時間を短縮することができる。
上カバーは、ロータ本体の上面を押圧し毛細管が毛細管用溝から飛び出すのを防止する。上カバーの膨出部は、チューブ孔に装着されるチューブの上端部を覆い、上カバーの上方に突出するのを防止する。
また、本発明においては、付勢手段によって上カバーをロータ本体の上面に押し付けているので、遠心分離時にカバー本体が振動したりせず、騒音の発生を防止する。
また、本発明においては、つまみを係止する一対の係止ピンをボスの内側円筒部と外側円筒部によって両端支持しているので、係止ピンを安定した状態で支持でき、片持支持した場合に比べてカバー本体に対する付勢手段の押圧力を大きくすることができる。
外側円筒部のピン用孔をロータ本体によって覆っているので、遠心力によって係止ピンがピン用孔から抜け出すのを確実に防止することができる。
さらに、本発明においては、前記遠心分離機用ロータを備えているので、高速遠心分離が可能な遠心分離機を提供することができる。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る遠心分離機の要部の断面図、図2はロータ本体の平面図、図3は図2のIII −III 線断面図、図4は図2のIV−IV線拡大断面図、図5はボスの係止ピンと逆J字状スロットを示す図、図6は上カバーのカバー本体の平面図、図7は同カバー本体の断面図、図8は下カバーの平面図、図9は同下カバーの断面図である。図1において、2は駆動モータ、3は駆動モータ2の出力軸、4に出力軸3に取付けられた遠心分離機用ロータ(以下、ロータと略称する)、5は駆動モータ2とロータ4を収容する鍋型のケーシングで、これらによって通常の血液分離と血液のヘマトクリット値測定を可能にした遠心分離機1を構成している。
図1〜図4において、前記ロータ4は、ロータ本体8と、このロータ本体8を保持するボス9と、ロータ本体8の上面側を覆う上カバー10と、同じくロータ本体8の下面側を覆う下カバー11とで構成されている。
前記ロータ本体8は、円板状に形成されて前記ボス9が嵌合する中心孔13を有し、上面14の半径方向中間部には8個のチューブ孔15が円周方向に等間隔おいて同心円状に形成されている。これらのチューブ孔15は、ロータ本体8の上面14と下面16に開口する貫通孔であって、ロータ本体8の回転軸線17(図1)に対して軸線18が内側に略45°の角度で傾斜するように形成されており、血液等の液体試料19を収容したチューブ20がアルミニウム製の容器21を介して装着される。容器21は、予めチューブ孔15に挿入固定されており、下端部をロータ本体8の下方に突出させている。
また、ロータ本体8の上面14には、ヘマトクリット値測定用毛細管(以下、毛細管と略称する)23を収容する16条の毛細管用溝24と、同心円からなる2つの環状凹部25,26が形成されている。このため、ロータ本体8の上面14は、中心孔13と内側の環状凹部25間の環状の内側上面14aと、内側の環状凹部25と外側の環状凹部26間の環状の外側上面14bとで構成されており、これらの内側上面14aと外側上面14bに前記毛細管用溝24が隣り合うチューブ孔15間に2条ずつ位置するように放射状に形成されている。内側環状凹部25と外側環状凹部26は、上面14と毛細管23との接触面積を少なくして毛細管23内の血液への熱的影響を少なくするとともに、毛細管23を毛細管用溝24に対して装着したり毛細管用溝24から取り出したりする際に、指先がこれら凹部に挿入されることにより毛細管24の着脱操作を容易にするために設けられている。内側環状凹部25は、断面形状が逆台形状で、チューブ孔15の上端が開口している。内側環状凹部25の底部で前記チューブ孔15の上端が開口している部位には、チューブ20のロータ本体8の上方への突出寸法を小さくするために断面V字状の凹部28が形成されている。
外側環状凹部26は、ロータ本体8の外壁30に沿って形成されている。外壁30は、前記ロータ本体8の上面14より高く形成されている。また、外壁30の内周面には、環状溝31が全周にわたって形成されている。この環状溝31は、外側環状凹部26の底面から上面14までの高さと一致する溝幅と適宜な深さを有し、ゴムリング32が嵌着されている。
一方、ロータ本体8の下面16は略全面にわたって平坦面に形成されており、下カバー11を固定するための止めねじ39がねじ込まれる複数のねじ孔33と、下カバー11の外端を係止する環状溝34が形成されている。
このようなロータ本体8は、遠心力による大きな繰り返し荷重に耐えられるように、高張力アルミニウムを鍛造して形成したブロック材を切削加工することによって形成されている。
図1において、前記ボス9は、SUS304等によって下方に開放する筒状体に形成することにより、前記駆動モータ2の駆動軸3が嵌合する円筒状の本体(内側円筒部)9Aと、この本体9Aの下端側外周面に一体に突設されたフランジ9Bと、このフランジ9Bの上面に一体に突設された外側円筒部9Cとで構成されている。本体9Aは、前記ロータ本体8の中心孔13より小さな外径を有し、上面板9Dの中央にはボルト35が挿通される取付孔36が形成されている。本体9Aの駆動軸3が嵌合する中心孔37の下端開口部には、下方に向かって拡径するテーパ状孔部37aが形成されている。
前記フランジ9Bは、ロータ本体8の下面16に前記下カバー11を介して密接され、前記ねじ孔33にねじ込まれる複数個の止めねじ39によって下カバー11とともにロータ本体8に固定される。フランジ9Bの上面から本体9Aの上端までの高さは、ロータ本体8の板厚より大きく設定されている。
前記外側円筒部9Cは、前記ロータ本体8の板厚より下カバー11の板厚分だけ高い高さを有して中心孔13に嵌合される。本体9Aと外側円筒部9Cとの間には、適宜な溝幅を有する環状溝40が形成されている。また、本体9Aと外側円筒部9Cには、2本の係止ピン41が互いに軸線を一致させてボス9の半径方向に打ち込まれている。このため、各係止ピン41は、前記環状溝40を横断し両端部が前記本体9Aと外側円筒部9Cに設けたピン用孔43,44によってそれぞれ保持されている。ピン用孔43,44は、本体9Aと外側円筒部9Cの高さ方向中間部にそれぞれ設けられている。ピン用孔43は、本体9Aの外周面に設けられた不貫通孔からなり、ピン用孔44は外側円筒部9Cに貫通して設けられている。
このようなボス9は、本体9Aが駆動モータ2の駆動軸3に嵌合され、ボルト35が取付孔36を通って駆動軸3の先端面に形成されているねじ孔にねじ込まれることにより駆動軸3に固定されている。なお、駆動軸3には、ボス9のテーパ孔部37aに嵌合する回転伝達リング46が嵌着されている。この回転伝達リング46は、スリ割りを有するテーパ状のリングからなり、ボルト35の締め付けによってボス9が下降してテーパ孔部37aが押し付けられると、縮径方向に弾性変形して駆動軸3を緊縛し、駆動軸3とボス9とを強固に連結する。
図1、図6および図7において、前記上カバー10は、前記ロータ本体8の上面14全体を覆うカバー本体50と、このカバー本体50に一体的に接続されたつまみ51とを備え、またつまみ51にはカバー本体50をロータ本体8の上面14に押し付ける付勢手段52が装着されている。
前記カバー本体50は、板厚が1mm程度のアルミニウム板等によって円板状に形成されて中央に前記つまみ51が貫通する中心孔54を有し、またこの中心孔54の周囲の板部分は補強のために上方に膨出させることにより第1の膨出部55を形成している。また、この第1膨出部55の外側には前記ロータ本体8の内側環状凹部25の上方空間を覆う第2の膨出部56が設けられている。第1の膨出部55は、断面形状が台形状で連続した環状体を形成している。一方、第2の膨出部56は、断面形状が山形で同じく連続した環状体を形成している。そして、カバー本体50の前記第1、第2の膨出部55,56以外の板部分57,58は、同一平面を形成しており、前記ロータ本体8の各上面14a,14bにそれぞれ密接される。このため、ロータ4を高速回転させても、カバー本体50によって風切り音が殆ど発生せず、静粛に遠心分離することができる。なお、カバー本体50の外径は、前記ロータ本体8の外壁30の上端部の内径と略等しい。
前記つまみ51は、アルミニウム等によって下方に開放する円筒状に形成されることにより、円筒状のつまみ本体51Aと、このつまみ本体51Aの上側を覆う上面板51Bとを備えている。つまみ本体51Aは、前記ボス9の環状溝40に遊挿され得る板厚、内径および外径を有する円筒体からなり、前記カバー本体50の中心孔54に上下動自在に嵌挿され、止め輪60によってカバー本体50の下方への脱落を防止している。つまみ本体51Aの下端には、図5に示すように各係止ピン41に対応する2つのスロット61が円周方向に180°離間してそれぞれ形成されている。このスロット61は、図5に示すように逆J字状のスロットからなり、前記係止ピン41の外径より若干大きな溝幅を有している。
前記上面板51Bは、前記つまみ本体51Aの外径より大きな円板状に形成されており、外周には折曲部57が垂設されている。この折曲部57とつまみ本体51Aとの間には前記付勢手段52を収納する環状の収納溝58が形成されている。
前記付勢手段52は、外径が異なる大小2つの圧縮コイルばね52a,52bからなり、上端部が前記収納溝58内に収納されて上面板51Bの下面に圧接され、下端が前記つまみ本体51Aの外周に設けたばね受けプレート59に圧接されている。前記ばね受けプレート59は、つまみ本体51Aの外周に上下動自在に嵌着されており、付勢手段52によってカバー本体50の上面に押し付けられている。付勢手段52として2つの圧縮コイルばね52a,52bを用いた理由は、大きな押圧力を得るためである。ただし、圧縮コイルばねの数は2つに特定されるものではなく、所定の押圧力が得られる場合は、1つであってもよい。
図1、図8および図9において、前記下カバー11は、上カバー10のカバー本体50と同様に板厚が1mm程度のアルミニウム板等によって円板状に形成されており、前記ボス9の外側円筒部9Cが嵌合する中心孔66と、前記止めねじ39が挿通される4つのねじ取付孔67を有し、外周部には下方に向かって膨出し前記容器21の下部を覆う連続した環状の膨出部68が設けられている。下カバー11の前記膨出部68より内側部分、すなわち前記中心孔66と膨出部68との間の板部分69は、平板に形成されていて前記ロータ本体8の下面16に密接され、ボス9とともに止めねじ39によって固定される。下カバー11をロータ本体8の下面に固定すると、膨出部68の外端縁は前記下面16の外周寄りに形成した環状の係止溝34に挿入係止される。
このような構造からなる遠心分離機1において、血液、尿等の液体試料19を遠心分離する際には、上カバー10をロータ本体8のボス9から取外し、液体試料19を収容したチューブ20を容器21内に装着する。そして、上カバー10をボス9に再び取付け、ロータ本体8の上面14、チューブ孔15およびチューブ20を覆う。
上カバー10の取付けに際しては、つまみ51のつまみ本体51Aをボス9の環状溝40に挿入してばね受けプレート59をカバー本体50の第1の膨出部55の上面に接触させ、スロット61に係止ピン41を係入する。さらに、つまみ51を図5矢印方向に回動させながら押し下げて係止ピン41をスロット61の終端61aに移動させる。つまみ51を押し下げると、付勢手段52である2つの圧縮コイルばね52a,52bは圧縮されるため、ばね受けプレート59を介してカバー本体50を押し下げ、ロータ本体8の上面14に押し付け、つまみ51を上方に付勢する。これによって、ロータ4に対するチューブ20の装着作業が終了する。そして、駆動モータ2を駆動してロータ4を所定の回転数(例えば、3000rpm)で低速回転させることにより、液体試料19の遠心分離が行われる。
血液のヘマトクリット値測定を行うときには、上カバー10をボス9から取外し、血液を収納した毛細管23をロータ本体8の毛細管用溝24に装着する。毛細管23は、血液を毛細管現象を利用して所定量(例えば、50μl)採取した後、採取側開口端をパテ等の適宜な封止部材によって封止し、封止側端を外側にして毛細管用溝24に上方から差し込み、封止側端をゴムリング31の内周面に接触させる。そして、再び上カバー10をボス9に装着してロータ本体8の上面14をカバー本体50によって覆う。これによりロータ4に対する毛細管23の装着作業が終了し、駆動モータ2を駆動してロータ4を所定の回転数(例えば、12000rpm)で高速回転させることにより、毛細管23内の血液の高速遠心分離が行われる。
血液、尿等の液体試料19の遠心分離と、血液のヘマトクリット値測定のための遠心分離を同時に行うときには、上カバー10をロータ本体8のボス9から取外し、液体試料19を収納するチューブ20を容器21に装着し、血液を収容する毛細管23を毛細管用溝24に装着する。そして、再び上カバー10をボス9に装着してロータ本体8の上面14をカバー本体50によって覆う。これによって、ロータ4に対するチューブ20と毛細管23の装着作業が終了し、駆動モータ2を駆動してロータ4を所定の回転数(例えば、12000rpm)で高速回転させることにより、チューブ20内の液体試料19と毛細管23内の血液の高速遠心分離が行われる。なお、下カバー11は、上記したいずれの遠心分離時においてもロータ4から取り外されることがない。
このように、本発明においては上カバー10と下カバー11とを備え、血液のヘマトクリット値測定のための遠心分離はもとより液体試料19の遠心分離時においても上カバー10を用いてロータ4の上面側を覆うようにしたので、ロータ4を高速回転させてもロータ4の上面形状やチューブ20による空気の渦の発生が著しく少なく、空気抵抗および騒音を低減することができる。このため、液体試料19の遠心分離と、ヘマトクリット値測定のための遠心分離を、高速遠心分離によって同時に行うことができるようになり、遠心分離時間を大幅に短縮することができる。
また、上カバー10は、カバー本体50がロータ本体8の上面14に付勢手段52によって押し付けられているので、遠心分離時に風圧によって外周縁部が上下にばたついたりせず、安定した状態でロータ本体8を覆い、毛細管23が浮き上がって毛細管用溝24から飛び出すのを防止することができる。さらに、つまみ51を係止する係止ピン41は、ボス9の本体9Aと外側円筒部9Cとによって両端が支持されているので、付勢手段52がカバー本体50を大きな押圧力でロータ本体8に押し付けても曲がったりすることがなく、つまみ51を安定した状態で係止することができる。また、ピン用孔44は、ロータ本体8の中心孔13によって塞がれているので、係止ピン41が遠心力で抜け出すことがない。
なお、上記した実施の形態においては、2本の係止ピン41によってつまみ51を係止するようにしたが、本発明はこれに特定されるものではなく、2本以上の係止ピンを用いてもよい。
本発明に係る遠心分離機の要部の断面図である。 ロータ本体の平面図である。 図2のIII −III 線断面図である。 図2のIV−IV線拡大断面図である。 ボスの係止ピンと逆J字状スロットを示す図である。 上カバーのカバー本体の平面図である。 同カバー本体の断面図である。 下カバーの平面図である。 同下カバーの断面図である。
符号の説明
1…遠心分離機、2…駆動モータ、3…出力軸、4…遠心分離機用ロータ、5…ハウジング、8…ロータ本体、9…ボス、10…上カバー、11…下カバー、15…チューブ孔、20…チューブ、23…毛細管、24…毛細管用溝、43,44…ピン用孔、50…カバー本体、51…つまみ、41…係止ピン、61…スロット、55…第1の膨出部、56…第2の膨出部。

Claims (4)

  1. 駆動モータの出力軸に取付けられるロータ本体と、このロータ本体の下側を覆う下カバーと、前記ロータ本体の上側を覆う上カバーとを備え、
    前記ロータ本体は、回転軸心に対して軸線が内側に傾斜し上下に貫通する複数のチューブ孔が同心円状に設けられるとともに、上面にヘマトクリット値測定用毛細管を収容する多数条の毛細管用溝が放射状に形成され、
    前記下カバーは、前記各チューブ孔の下部を覆う覆い部を有し、
    前記上カバーは、前記チューブ孔と前記毛細管用溝を覆いかつ前記ロータ本体の上面を押圧するカバー本体と、このカバー本体に一体的に接続されたつまみとで構成され、前記カバー本体には前記ロータ本体の上面から離間し前記チューブ孔の上部を覆う膨出部が設けられていることを特徴とする遠心分離機用ロータ。
  2. 請求項1記載の遠心分離機用ロータにおいて、
    前記つまみは、前記カバー本体に対して上下動自在でロータ本体に着脱可能に取付けられ、前記つまみと前記カバー本体との間には前記カバー本体を前記ロータ本体の上面に押し付ける付勢手段が設けられていることを特徴とする遠心分離機用ロータ。
  3. 請求項1または2記載の遠心分離機用ロータにおいて、
    前記つまみは、下方に開放する筒状体に形成され下端に円周方向に等間隔おいて形成された複数の逆J字状のスロットを有し、
    前記ロータ本体は、中央に設けられたボスと、このボスに設けられ前記各スロットにそれぞれ係入する複数の係止ピンとを含み、
    前記ボスは、前記駆動モータの出力軸が嵌合する内側円筒部と、前記ロータ本体が嵌合する外側円筒部と、これら両円筒部間に形成され前記つまみが遊挿される環状溝とを有し、
    前記各係止ピンは、前記環状溝を横断して両端部が前記内側円筒部と前記外側円筒部に設けたピン用孔によって支持され、
    前記ロータ本体は、前記外側円筒部に嵌合されることにより当該円筒部のピン用孔を塞ぐことを特徴とする遠心分離機用ロータ。
  4. 請求項1,2,3のうちのいずれか1つに記載の遠心分離機用ロータを備えたことを特徴とする遠心分離機。
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