JP2007148810A - 最短距離計算方法および歩行者保護用試験線作成方法およびプログラムおよび設計支援装置および記録媒体 - Google Patents

最短距離計算方法および歩行者保護用試験線作成方法およびプログラムおよび設計支援装置および記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】一定の手順で簡易に、車体上の任意の位置におけるWADを計算すること、及び/又は、WAD線を近似的に作成すること。
【解決手段】CADモデルを用いた歩行者保護用試験線作成方法であって、車両の前後軸方向に平行な複数の鉛直平面における、基準点から延びる水平方向に対して角度の異なる複数の基準線の法線が車両の外側から車体前部に外接する外接点を求め、各外接点を直線で接続すると共に各外接点のうち最も地面側の点から地面まで鉛直に引いた線を接続した近似線上で、近似線に沿った地面からの距離が所定距離となる近似点と近似点に地面側で最も近い外接点である直前点を求め、近似線に沿った直前点から地面までの距離を、所定距離から差し引いた距離分、直前点から車体の後方側に移動した車体上の点を、この断面における所定距離点と近似し、各断面における所定距離点を連ねて歩行者保護用試験線を作成することを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両の形状データから作成されたCADモデルを用いて、車体前部の任意の点から車両の前後軸方向に沿って車体の凸部に接しながら地面に到達する最短の距離を近似的に計算する最短距離計算方法、および、車両の形状データから作成されたCADモデルを用いて、車体前部に位置する点であって車両の前後軸方向に沿って車体の凸部に接しながら地面に到達する最短の距離が所定距離となる所定距離点の集合により作成される歩行者保護用試験線を近似的に作成する歩行者保護用試験線作成方法、および、これらを実現するコンピューター読み取り可能なプログラム、および、プログラムを実行する設計支援装置、および、プログラムが記憶された記録媒体、に関する。
従来、NCAP(New Car Assessment Program)と呼ばれる、公的な自動車衝突テストが世界中で行われている。日本国内においても、2004年公表の自動車アセスメント(JNCAP)から、独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)により実施される新しい試験が追加されることとなった。ヨーロッパのEuroNCAPで、PedestrianProtectionとしてすでに行われている「歩行者頭部保護性能テスト」を日本国でも実施することとしたものである。
この、「歩行者頭部保護性能テスト」では、自動車が一定の速度で歩行者をはね、歩行者の頭部が自動車のボンネット及びフロントウィンドウ等に衝突したことを想定して、大人及び子供の頭部を模擬したダミー(頭部インパクタ)を試験機からボンネット等に発射し、頭部インパクタが受ける衝撃を測定して、頭部傷害値(HIC)として評価する。
頭部インパクタを試験機から発射する車両前部のエリアを定める際の境界線として、WAD(Wrap Around Distance)が一定値となる車体上の点の集合であって、車両幅方向に延びる曲線(以下、WAD線という)が用いられる。WADとは、ボンネット等の車体前部の任意の位置から、車両の前後軸方向に沿って、車体の凸部に接しながら(凹部には接する必要が無く、その部分は直線、即ち接線で補完される)地面に至るまでの最短距離を意味する。具体的には、紐状のものを計測点から車両の前後軸方向に沿って車体外面に接しながら地面に垂らしたときの、その紐等の長さであると考えればよい。
従って、車両の設計段階で、頭部傷害値(HIC)が評価される車体上のエリアを把握し、このエリアにおける車体の弾性度等を調整する必要が生じる。このため、CADモデルを用いて、WAD線を作成できることが望ましい。
なお、上記エリアにおける車両の前後軸方向に延びる境界線については、フェンダー部に対し45度の傾きで接する点を求め、前後方向に移動させた線(側面基準線)から頭部インパクタ半径分内側を衝撃試験エリアの側端としている。
ところで、車体構成部品の形状データから、断面位置に設定された平面との交点を求めることにより、自動的に車体の断面線を求める技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3040050号
しかしながら、上記従来の技術は、車体の断面線を求めるものであって、WAD線を求めるものではない。
また、CADモデルを用いてWAD線を作成する際には、車体の複雑な凹凸に対して、車体の断面線を使用する部分と接線を使用する部分とを取捨しなければならず、作業が煩雑なものとなる可能性がある。さらに、プログラムによりこれを行なう可能性を考えると、一定の手順で簡易にWAD線を作成できることが望ましい。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、一定の手順で簡易に、車体上の任意の位置におけるWADを近似的に計算すること、及び/又は、WAD線を近似的に作成することを主たる目的とする。
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、車体前部の3次元形状をモデル化したCADモデルを用いて、車体前部の任意の点から、車両の前後軸方向に沿って、車体の凸部に接しながら地面に到達する最短の距離を、近似的に計算する、最短距離計算方法であって、任意の点を通る車両の前後軸方向に平行な鉛直平面において、地面上にあって車両前端よりも後方の任意の基準点から、水平方向に対して角度の異なる複数の基準線を設定したときに、各基準線の法線が、車両の外側から車体前部に外接する外接点を求める第1の過程と、第1の過程において求めた各外接点を直線で接続すると共に各外接点のうち最も地面側の点から地面まで鉛直に引いた線を接続した近似線上で、任意の点からの距離が最も近い点を近似点として求める第2の過程と、を有し、近似線に沿った地面から近似点までの距離を、最短の距離と近似することを特徴とするものである。
本発明の第1の態様によれば、外接点を直線で接続した近似線を作成するから、この近似線は、車体の凸部の各点を連ねると共に凹部を接線で補完する線となる。これは、すなわち、車体前部の任意の点から車両の前後軸方向に沿って車体の凸部に接しながら地面に到達する線(WADの計算基準となる線)と、同様の性質を持つものである。従って、近似線上で任意の点からの距離が最も近い近似点を求め、近似点から地面までの距離を、最短の距離、すなわちWADと近似することにより、一定の手順で簡易に、車体上の任意の位置におけるWADを計算することができる。
本発明の第2の態様は、車体前部の3次元形状をモデル化したCADモデルを用いて、車体前部の任意の点から、車両の前後軸方向に沿って、車体の凸部に接しながら地面に到達する最短の距離を、近似的に計算する、最短距離計算方法であって、任意の点を通る車両の前後軸方向に平行な鉛直平面において、地面上にあって車両前端よりも後方の任意の基準点から、水平方向に対して角度の異なる複数の基準線を設定したときに、各基準線の法線が、車両の外側から車体前部に外接する外接点を求める第1の過程と、第1の過程において求めた各外接点を直線で接続すると共に各外接点のうち最も地面側の点から地面まで鉛直に引いた線を接続した近似線上で、任意の点からの距離が最も近い点を近似点として求める第2の過程と、第1の過程において求めた外接点のうち、近似点の地面側にあって近似点に最も近い外接点である直前点を求める第3の過程と、を有し、近似線に沿った地面から直前点までの距離と、車体における前記直前点から前記任意の点までの距離と、を加えた距離を、最短の距離と近似することを特徴とするものである。
本発明の第2の態様によれば、例えば、近似点が車体の凹部にあるような場合に、より正確なWADを出力することができる。なお、外接点は、必ず車体上の点であるから、外接点の一つである直前点から車体前部の任意の点までの距離は、一意に定まる。
本発明の第3の態様は、本発明の第1又は第2の態様の最短距離計算方法を実現するコンピューター読み取り可能なプログラムである。
本発明の第4の態様は、車体前部の3次元形状をモデル化したCADモデルを用いて、車体前部に位置する点であって車両の前後軸方向に沿って車体の凸部に接しながら地面に到達する最短の距離が所定距離となる所定距離点、の集合により作成される歩行者保護用試験線を近似的に作成する、歩行者保護用試験線作成方法であって、車両の前後軸方向に平行な複数の鉛直平面における、地面上にあって車両前端よりも後方の任意の基準点から、水平方向に対して角度の異なる複数の基準線を設定したときに、各基準線の法線が、車両の外側から車体前部に外接する外接点を求める第1の過程と、第1の過程において求めた各外接点を直線で接続すると共に各外接点のうち最も地面側の点から地面まで鉛直に引いた線を接続した近似線上で、近似線に沿った地面からの距離が所定距離となる近似点を求める第2の過程と、第1の過程において求めた外接点のうち、近似点の地面側にあって近似点に最も近い外接点である直前点を求める第3の過程と、近似線に沿った直前点から地面までの距離を、所定距離から差し引いた距離分、直前点から車体の後方側に移動した車体上の点を、この断面における所定距離点と近似する第4の過程と、を有し、各断面における所定距離点を連ねて歩行者保護用試験線を作成することを特徴とするものである。
本発明の第4の態様によれば、外接点を直線で接続した近似線を作成するから、この近似線は、車体の凸部の各点を連ねると共に凹部を接線で補完する線となる。これは、すなわち、車体前部の任意の点から車両の前後軸方向に沿って車体の凸部に接しながら地面に到達する線(WADの計算基準となる線)と、同様の性質を持つものである。更に、直前点から地面までの距離を所定距離から差し引いた距離分だけ直前点から車体後方に移動した点を所定距離点(すなわち、WADが与えられた所定値となる点)とするから、例えば、近似点が車体の凹部にあるような場合に、より正確に所定距離点を求めることができる。なお、外接点は、必ず車体上の点であるから、外接点の一つである直前点から車体前部の任意の点までの距離は、一意に定まる。そして、各断面における所定距離点を連ねて歩行者保護用試験線(すなわち、WAD線)を作成するから、一定の手順で簡易に、車体上の任意の位置におけるWADを計算することができる。
本発明の第5の態様は、本発明の第4の態様の最短距離計算方法を実現するコンピューター読み取り可能なプログラムである。
本発明の第6の態様は、本発明の第3又は第5の態様のプログラムを実行する設計支援装置である。
本発明の第7の態様は、本発明の第3又は第5の態様のプログラムが記憶された記録媒体である。
本発明によれば、一定の手順で簡易に、車体上の任意の位置におけるWADを近似的に計算すること、及び/又は、WAD線を近似的に作成することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
まずは、独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)により行なわれる歩行者頭部保護性能試験(以下、単に「試験」という)の概要について説明する。この試験は、車両前部のボンネット等において複数のWAD(Wrap Around Distance)線及び車両の前後軸方向に沿った線で区画される15の細分化エリアに対して、頭部インパクタを試験機からボンネット等に発射し、頭部インパクタが受ける衝撃を頭部傷害値(HIC)として測定し、これに基づいて得点評価するものである。
図1は、試験において評価エリアの設定を行なう様子を示す図である。細分化エリアの設定に際しては、まず3つの評価エリアを設定する。評価エリアは、WAD1700線(WADが1700[mm]である車体前部の点の集合。以下同じ。)とWAD2100線と左右の側端線とで区画されるエリアI、WAD1350線とWAD1700線と左右の側端線とで区画されるエリアII、WAD1000線とWAD1350線と左右の側端線とで区画されるエリアIIIに設定される。ここで、左右の側端線は、背景技術の欄に説明した通り、フェンダー部に対し45度の傾きで接する点を前後方向に移動させた側面基準線から頭部インパクタ半径分内側の線である。そして、エリアI及びエリアIIを車両の前後軸方向に沿った線で6分割、エリアIIIを3分割して、15の細分化エリアを設定する。なお、車両のウインドシールド部分については、ウインドシールドガラス除外エリアが設けられている。また、実際には細分化エリアを更に4分割して試験を行なうのであるが、これについての説明は省略する。
WADの定義については、後述する。
頭部インパクタは、直径165[mm]、質量4.5[kg]の大人の頭部を擬したものと、同直径で質量3.5[kg]の子供の頭部を擬したものがある。これらの頭部インパクタは、セダン、SUV、1BOXに分類される車両の種類によって、上述した細分化エリアに応じた所定の衝撃速度及び衝撃角度で車体に衝突するように発射され、衝突時の衝撃が頭部傷害値(HIC)として測定される。
試験における得点評価は、まず、測定された頭部傷害値(HIC)と図2に示すスライディングスケールを用いて、頭部傷害値(HIC)を得点に換算し、エリア内の各細分化エリアにおける得点の加重平均により、各評価エリアの得点を計算する。そして、各評価エリアの得点を平均することにより、総合得点を得る。
このように、試験の基準となる評価エリアは、WAD線により区画される。従って、車両の設計段階において、車両が完成した後に試験を受ける対象となる車体上のエリアを特定し、当該エリアの衝撃吸収度等を検討することは、歩行者の頭部を保護する観点から重要である。ところが、WADの計算及びWAD線の作成には、車体の凹凸により、車体の凸部の外端線をそのまま使用する部分と、接線により凹部を補完する部分とを選択する必要があり、例えばプログラムにより実行する場合も考慮すると、一定の手順で簡易に行なうことが望まれる。
なお、EuroNCAPの場合、基準となるWAD線は、WAD1000、1250、1500、1800、2100であり、上述のものとは異なるが、WAD線を作成する必要性については同様である。その他、国内法規等、異なるWAD線を用いる試験が存在する。
そこで、本発明の第1実施例に係るWAD線作成方法を用いて、CAD(Computer−Aided Design)モデルを用いて、WAD線を作成する方法について説明する。
図3は、本発明のWAD線作成方法を実現する設計支援装置10の構成を模式的に示した図である。設計支援装置10のハード構成は、ユーザー端末30と、サーバー40とからなる。ユーザー端末30は、例えば、CPU31と、プログラムを記憶するROM32と、一時的にデータを記憶する読み書き可能なRAM33とを備える。
設計支援装置10が実行するプログラム15は、3次元形状からCADモデルを作成するモデル作成部16と、作成したCADモデルを利用するモデル利用部17と、からなり、本発明の一実施例に係るWAD線作成方法は、モデル利用部17の一部であるWAD線作成機能として実現される。なお、プログラム15は、新規なプログラムとして開発されてもよいが、既存のCADプログラムにWAD線作成方法に基づく機能を追加してもよい。
モデル作成部16では、車体デザインとして作成された3次元形状に基づいて、車体前部の3次元形状がCADモデル化される。ここで、車体前部とは、車体全体のうち、例えば、ボンネットやフロントウインドシールド、フェンダー、バンパー、ヘッドライト、等により形成される部分である。また、CADモデルとは、線や面(サーフェス)により3次元物体の形状を表したモデルをいう。このCADモデルは、例えばサーバー40に格納される。
モデル利用部17は、作成されたCADモデルを用いてユーザーの用に供するための種々の機能を有する。WAD線作成機能は、この機能の一つとして、ROM32に記憶されている。以下、このWAD線作成機能について説明する。
ここで、WADについて説明する。WADとは、車体前部の任意の位置から、車両の前後軸方向に沿って、車体の凸部に接しながら(凹部には接する必要が無く、その部分は直線、即ち接線で補完される)地面に至るまでの最短距離を意味する。具体的には、紐状のものを計測点から車両の前後軸方向に沿って車体外面に接しながら地面に垂らしたときの、その紐等の長さであると考えればよい。
ところが、このWADの測定を一般の設計支援装置上で行なった場合、車両の形状が複雑になると、直線で補完する部分と車体の外面を利用する部分とを手作業により取捨しなければならず、煩雑なものとなる。そこで、設計支援装置10では、与えられたWAD値に基づくWAD線の作成を近似的に行なう、WAD線作成機能を有する。このWAD線作成機能は、ユーザーにより対象のCADモデルが特定されると共に所望のWAD値が入力された後、図4のWAD線作成フローチャートに示す手順で、CPU31により自動的に行なわれる。
まず、CPU31は、車両の前後軸方向に平行な鉛直平面を複数設定し、これらの平面における車両前部の断面図を作成する(S100)
設定した各断面に対して(以下、S170までの処理は、全て各断面に対して行なわれる)、地面上にあって車両の前端よりも後方の基準点を設定する(S110)。基準点の設定は、例えば、車両前端から、車両全長の1/3後方の地面上の点に設定するものとした。
そして、基準点から、車両前方に向けて、水平線から角度Δθずつ変化させて垂直線に至るまで複数の基準線を設定する(S120)。角度Δθは、小さければ小さい程、本機能の精度が向上する性質のものであるが、装置の処理速度との兼ね合いで任意に定めてよい。本実施例では、例えば、2度に設定するものした。
基準線を設定すると、各基準線に対して、基準線の法線が車両の外側から車体の断面に外接する外接点を求める(S130)。外接点の求め方は、本実施例では、車体の断面において、各基準線方向で最も遠い位置にある点を外接点として求めるものとした。また、この機能は、モデル利用部17に既存の機能を利用してもよいし、新規にアルゴリズムを開発して機能を付加してもよい。
そして、外接点を直線で接続すると共に、最も地面に近い外接点から地面まで鉛直に引いた線を接続して、WADの計算基準となる線の近似線を作成する(S140)。ここで、この近似線によりWADを近似することができるのは、外接点は車体の凹部には存在しないことに基づく。従って、外接点を十分多く求めてこれを連ねると、車体の凸部に存在する点を連ね、凹部については直線で補完した線となる。すなわち、この線の持つ性質は、WADの計算基準となる線の持つ性質に他ならない。
次に、近似線上で、近似線に沿った地面からの距離が、ユーザーが入力したWAD値と等しくなる近似点を求める(S150)。
そして、近似点の一つ手前(地面側)にある外接点である直前点から地面までの近似線に沿った距離を求め(S160)、WAD値からこの距離を差し引いた差分距離を計算し、直前点から差分距離だけ車両後方側に移動した車体上の点を、WAD点(車体の断面上で、WADが与えられたWAD値となる点をいう)とする(S170)。例えば、WAD点が凹部にある場合、近似線は車体の上側を通過することとなるが、このS160及び170の処理により、WAD点を車体上の点に設定することができる。
WAD点を各断面について求めると、これを断面間で接続して(S180)、3次元のCADモデル上に作成されたWAD線を得る。
図5に、WAD線作成フローチャートを実行した際に、S100において設定される車体の断面の一つにおいて外接点等が設定される様子の一例を示す。
このように、本発明の第1実施例に係るWAD線作成機能では、車体の断面において、外接点を直線で接続してWADの計算基準となる線の近似線を作成するから、一定の手順で簡易に、WAD線を作成することができる。
次に、本発明の第2実施例に係るWAD計算方法について説明する。本発明の第2実施例に係るWAD計算方法を実現するためのハード構成やプログラム15の概要については、実施例1において説明したものと同一であるため、ここでは説明を省略する。
本発明の第2実施例に係るWAD計算方法も、モデル利用部17の一部であるWAD計算機能として実現される。このWAD計算機能は、ユーザーにより対象のCADモデルが特定されると共にモデル上で任意の点が特定されると、図6のWAD計算フローチャートに示す手順で、CPU31により自動的に行なわれる。
まず、CPU31は、特定された任意の点を通る鉛直平面を設定し、この平面における車両前部の断面図を作成する(S200)
設定した断面に対して、地面上にあって車両の前端よりも後方の基準点を設定する(S210)。基準点の設定は、例えば、車両前端から、車両全長の1/3後方の地面上の点に設定するものとした。
そして、基準点から、車両前方に向けて、水平線から角度Δθずつ変化させて垂直線に至るまで複数の基準線を設定する(S220)。角度Δθは、小さければ小さい程、本機能の精度が向上する性質のものであるが、装置の処理速度との兼ね合いで任意に定めてよい。本実施例では、2度に設定している。
基準線を設定すると、各基準線に対して、基準線の法線が車両の外側から車体の断面に外接する外接点を求める(S230)。外接点の求め方は、モデル利用部17に既存の機能を利用してもよいし、新規にアルゴリズムを開発して機能を付加してもよい。
そして、外接点を直線で接続すると共に、最も地面に近い外接点から地面まで鉛直に引いた線を接続して、WADの計算基準となる線の近似線を作成する(S240)。ここで、外接点を接続したものの長さでWADを近似することができるのは、外接点は車体の凹部には存在しないことに基づく。従って、外接点を十分多く求めてこれを連ねると、車体の凸部に存在する点を連ね、凹部については直線で補完した線となる。すなわち、この線の持つ性質は、WADの計算基準となる線の持つ性質に他ならない。
作成した近似線上で、特定された任意の点からの距離が最も近い近似点を求め(S250)、この近似点から地面までの近似線に沿った距離を計算し、WADとして出力する(S260)。
このように、本発明の第2実施例に係るWAD計算機能では、車体の断面において、外接点を直線で接続してWADの計算基準となる線の近似線を作成するから、一定の手順で簡易に、WADを計算することができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について一実施例を用いて説明したが、本発明はこうした一実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない領域内において、上述した一実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、第1実施例に係るWAD線作成機能や第2実施例に係るWAD計算機能は、モデル利用部17の一部としてCPU31により自動的に実現されるものとしたが、ステップ毎にユーザーの進行指示等を必要とする対話式の作成機能であってもよく、各ステップの動作をユーザーがモデル利用部17の諸機能を用いて手動で行なってもよい。
また、第2実施例に係るWAD計算方法において、特定された任意の点に最も近い近似線上の点から地面までの距離を、当該任意の点におけるWADとして計算結果を出力する機能であるものとしたが、第1実施例のWAD線作成フローチャートにおけるS170〜180の処理の如く、近似点の一つ手前(地面側)にある直前点から地面までの距離を求め、直前外接点から任意の点までの車体上の距離を、直前点から地面までの距離に加えたものを、WADとして計算してもよい。こうすれば、例えば、近似点が車体の凹部付近にあるような場合に、より正確なWADを出力することができる。
本発明は、少なくとも車両の設計支援装置に利用できる。
歩行者頭部保護性能試験において細分化エリアの設定を行なう様子を示す図である。 スライディングスケールを表す図である。 本発明の第1実施例に係るWAD線作成方法を実現する、設計支援装置10の構成を模式的に示した図である。 本発明の第1実施例に係るWAD線作成フローチャートの一例を示す図である。 WAD線作成フローチャートを実行した際に、S100において作成される車体の断面図において外接点等が設定される様子の一例を示す図である。 本発明の第2実施例に係るWAD計算フローチャートの一例を示す図である。
符号の説明
10 設計支援装置
15 プログラム
16 モデル作成部
17 モデル利用部
30 ユーザー端末
31 CPU
32 ROM
33 RAM
40 サーバー

Claims (7)

  1. 車体前部の3次元形状をモデル化したCADモデルを用いて、車体前部の任意の点から、車両の前後軸方向に沿って、車体の凸部に接しながら地面に到達する最短の距離を、近似的に計算する、最短距離計算方法であって、
    前記任意の点を通る車両の前後軸方向に平行な鉛直平面において、地面上にあって車両前端よりも後方の任意の基準点から、水平方向に対して角度の異なる複数の基準線を設定したときに、各基準線の法線が、車両の外側から車体前部に外接する外接点を求める第1の過程と、
    前記第1の過程において求めた各外接点を直線で接続すると共に各外接点のうち最も地面側の点から地面まで鉛直に引いた線を接続した近似線上で、前記任意の点からの距離が最も近い点を近似点として求める第2の過程と、を有し、
    前記近似線に沿った地面から前記近似点までの距離を、前記最短の距離と近似する、
    ことを特徴とする最短距離推定方法。
  2. 車体前部の3次元形状をモデル化したCADモデルを用いて、車体前部の任意の点から、車両の前後軸方向に沿って、車体の凸部に接しながら地面に到達する最短の距離を、近似的に計算する、最短距離計算方法であって、
    前記任意の点を通る車両の前後軸方向に平行な鉛直平面において、地面上にあって車両前端よりも後方の任意の基準点から、水平方向に対して角度の異なる複数の基準線を設定したときに、各基準線の法線が、車両の外側から車体前部に外接する外接点を求める第1の過程と、
    前記第1の過程において求めた各外接点を直線で接続すると共に各外接点のうち最も地面側の点から地面まで鉛直に引いた線を接続した近似線上で、前記任意の点からの距離が最も近い点を近似点として求める第2の過程と、
    前記第1の過程において求めた外接点のうち、前記近似点の地面側にあって前記近似点に最も近い外接点である直前点を求める第3の過程と、を有し、
    前記近似線に沿った地面から前記直前点までの距離と、車体における前記直前点から前記任意の点までの距離と、を加えた距離を、前記最短の距離と近似する、
    ことを特徴とする最短距離推定方法。
  3. 請求項1又は2に記載の最短距離計算方法を実現するコンピューター読み取り可能なプログラム。
  4. 車体前部の3次元形状をモデル化したCADモデルを用いて、車体前部に位置する点であって車両の前後軸方向に沿って車体の凸部に接しながら地面に到達する最短の距離が所定距離となる所定距離点、の集合により作成される歩行者保護用試験線を近似的に作成する、歩行者保護用試験線作成方法であって、
    車両の前後軸方向に平行な複数の鉛直平面における、地面上にあって車両前端よりも後方の任意の基準点から、水平方向に対して角度の異なる複数の基準線を設定したときに、各基準線の法線が、車両の外側から車体前部に外接する外接点を求める第1の過程と、
    各鉛直平面において、各外接点を直線で接続すると共に該外接点のうち最も地面側の点から地面まで鉛直に引いた線を接続した近似線上で、前記近似線に沿った地面からの距離が前記所定距離となる近似点を求める第2の過程と、
    各鉛直平面において、前記外接点のうち、前記近似点の地面側にあって前記近似点に最も近い外接点である直前点を求める第3の過程と、
    各鉛直平面において、前記近似線に沿った前記直前点から地面までの距離を、前記所定距離から差し引いた距離分、前記直前点から車体の後方側に移動した車体上の点を、該断面における前記所定距離点と近似する第4の過程と、を有し、
    各鉛直平面における前記所定距離点を連ねて歩行者保護用試験線を作成する、
    ことを特徴とする、歩行者保護用試験線作成方法。
  5. 請求項4に記載の歩行者保護用試験線作成方法を実現するコンピューター読み取り可能なプログラム。
  6. 請求項3又は5に記載のプログラムを実行する設計支援装置。
  7. 請求項3又は5に記載のプログラムが記憶された記録媒体。
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