JP2007147854A - ネガ型感光性平版印刷版 - Google Patents

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Abstract

【課題】経時での感度や溶出性が低下することなく保存安定性が良好で、耐刷性にも優れたネガ型感光性平版印刷版を提供する。
【解決手段】アルミニウム支持体上に、ラジカル発生剤と重合性化合物とを含有する光重合性感光層、及びIVa〜VIa族の元素を含む化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含有する層を有することを特徴とするネガ型感光性平版印刷版。
【選択図】 なし。

Description

本発明はネガ型感光性平版印刷版に関する。詳細には、近赤外レーザー光を用いた走査露光方式により製版される、高感度で、かつ、保存安定性に優れた光重合性平版印刷版に関する。
従来から広く用いられているネガタイプの感光性平版印刷版は、アルミニウム支持体に塗布された感光性塗膜(感光層)を有する。この塗膜は、露光された部分は硬化し、露光されなかった部分は現像処理で溶出される。硬化した部分が画像部として残り印刷時にインキを受理し、一方、溶出した部分は親水性のアルミニウム表面が露出し印刷時に水(湿し水)を受理することによって印刷がなされる。
近年、画像形成技術の進歩に伴い、可視光に対して高感度を示す感光性平版印刷版が求められるようになってきた。例えば、アルゴンレーザー、ヘリウム・ネオンレーザー、赤色LED等を用いた出力機に対応した感光性平版印刷版の研究も活発に行われている。
更に、半導体レーザーの著しい進歩によって700〜1300nmの近赤外レーザー光源を容易に利用できるようになったことに伴い、該レーザー光に対応する感光性平版印刷版が注目されている。
光重合を利用し、かつ近赤外レーザーに対応した感光性平版印刷版としては、例えば、特開平6−59450号公報、特開平5−216227号公報、特開平5−247110号公報、特開平5−265204号公報、特開平6−33217号公報にはカチオン染料とボレート錯体を組み合わせたもの、特開平9−34110号公報、特開平9−134009号公報等には光熱変換物質とオニウム塩を組み合わせたもの等が報告されている。これらの光重合性組成物は、酸素による重合禁止作用が顕著なため、通常、光重合性組成物層の上に、特開昭47−469号公報、特開平5−173320公報等に記載の酸素遮断性の保護層が設けられる。酸素遮断性を得るために保護層としては、酸素バリア性が高く、取り扱いの容易さと水への溶解によって容易に取り除くことが出来るという利点からポリビニルアルコールが一般的に用いられてきている。しかし、係る酸素バリア性の保護層の導入は感光層中で熱架橋反応が進行する結果、経時により現像時の非画像部の溶出性が低下するという問題があった。特開2002−139843号、特開2003―233172号、特開2004−125876号公報等には保護層や中間層を調整することにより酸素透過性を制御する方法が記載されているが、いずれの方法も経時で感度が低下することなく溶出性の低下を抑制するには十分とは言えなかった。
特開2001−272787号公報(特許文献1)には、シリケート皮膜、ラジカルによる付加反応を起こり得る官能基を有するシリコーン化合物を含む中間層を用いる方法が開示されているが、経時で溶出性が低下するという問題があった。また、特開2004−252283号公報(特許文献2)にはカルボン酸基を有する分子量3000以下の化合物を含有する中間層を用いる方法が開示されている。しかし、係る版は経時で耐刷性が低下するという問題があった。一方、特開2000−218953号公報(特許文献3)にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、亜鉛、フッ素からなる群から選ばれる元素を含む耐酸性皮膜の中間層を用いる方法が、開示されているが、経時での溶出性の低下が起こるという問題があった。特開2001−290271号公報(特許文献4)には、ビニル基置換フェニル基を有する重合体と、ビニル基置換フェニル基を2個以上有するモノマーを用いる感光層を用いることによって、酸素による重合禁止作用を受けることが少なく、耐刷力にも優れた感光性平版印刷版が得られることが開示されているが、感度が不十分であった。更に、特開2005―92040号公報(特許文献5)には、上記のビニル基置換フェニル基を有する重合体と、ビニル基置換フェニル基を2個以上含有するモノマーを用いる感光層の上に、ポリビニルアルコールを30〜90質量%含有する保護層を設けて酸素透過性を制御する方法が開示されている。しかし、この方法も従来の方法に比べて改善効果が見られるとは言え、未だ十分なものとは言えなかった。従って、経時で感度が低下することなく溶出性の低下を抑制する為の更なる改良が望まれていた。
特開2001−272787号公報 特開2004−252283号公報 特開2000−218953号公報 特開2001−290271号公報 特開2005―92040号公報
従って、本発明の目的は、経時での感度や溶出性が低下することなく保存安定性が良好で、耐刷性にも優れたネガ型感光性平版印刷版を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1)アルミニウム支持体上に、ラジカル発生剤と重合性化合物とを含有する光重合性感光層、及びIVa〜VIa族の元素を含む化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含有する層を有することを特徴とするネガ型感光性平版印刷版。
2)IVa〜VIa族の元素を含む化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含有する層が光重合性感光層の上に設けられる保護層である上記1に記載のネガ型感光性平版印刷版。
本発明のアルミニウム支持体上に、ラジカル発生剤と重合性化合物とを含有する光重合性感光層(以下単に光重合性感光層と書く)、及びIVa〜VIa族の元素を含む化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含有する層を有するネガ型感光性平版印刷版は優れた保存性と耐刷性を示す。
本発明のネガ型平版印刷版の最も好ましい形態の一つは、光重合性感光層の上に上記IVa〜VIa族の元素を含む化合物を含有する層を保護層として設けたネガ型平版印刷版である。また、別の好ましい形態はIVa〜VIa族の元素を含む層が光重合性感光層を兼ねた感光層単層のネガ型平版印刷版であり、これにより保護層を塗布する工程を用いること無く優れた保存性と耐刷性を有するネガ型平版印刷版が得られる。
本発明のIVa〜VIa族の元素を含む化合物とはIVa〜VIa族の元素を単一種または複数種含む化合物を指す。好ましい元素としてはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、タンタルが挙げられる。これらの化合物は塩類、酸、塩基、無機及び有機のキレート化合物、酸化物、高分子化合物置換基及び塩などの様々な化合物が用いられる。特に好ましい化合物は酸化物及び、層中に添加することによって酸化物を形成し得る化合物である。また、上記酸化物は一部がIVa〜VIa族以外の元素の酸化物と複合した化合物(以下、複合酸化物)を形成していても良い。
本発明者は、保護層や感光層中に形成された上記酸化物または/及び複合酸化物の微粒子が、何らかの触媒作用によって保存時には熱架橋反応の進行を抑制すること、また、製版時には光架橋反応を促進することによって、経時での感度や溶出性が低下することなく保存安定性が良好で、耐刷性にも優れた平版印刷版が得られたのでは無いかと推測している。
本発明の好ましい酸化物及び複合酸化物として、例えば、二酸化チタンTiO、チタン酸ジルコニウムZrTiO、チタン酸ストロンチウムSrTiO、チタン酸バリウムBaTiO、メタチタン酸マグネシウムMgTiO、酸化ジルコニウムZrO、ケイ酸ジルコニウムZrSiO、酸化ハフニウムHfO、五酸化バナジウムV、五酸化ニオブNb、ニオブ酸ストロンチウムSrNb、タンタル酸Ta・nHO、タンタル酸カリウムKTa19・12HO、タンタル酸ストロンチウム、SrTa、三酸化タングステン、三酸化タングステンWO、タングステン酸ストロンチウムSrWO、タングステン酸ジルコニウムZr(WO)などの酸化物及び上記酸化物がリン酸、ケイ酸、炭酸等の酸化物と複合した複合酸化物が挙げられる。これらの酸化物及び/または複合酸化物は通常、固体微粒子であるため、保護コロイドや界面活性剤等を用いて適当な粒子サイズに分散させた状態で層中に添加して層中に均一に分布させることが好ましい。本発明の効果を発現させる為には、添加後の好ましい粒子サイズは1nm〜500nmの間であり、より好ましくは5nm〜100nmの間である。
層中に添加することにより酸化物または/及び複合酸化物を形成し得る化合物の例として、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の水溶性バインダーを有する保護層中に添加して塗布、乾燥して脱水縮合することにより酸化物微粒子を形成するような化合物を用いることが出来る。そのような化合物の例としてチタン塩化合物、ジルコニウム塩化合物、オキシジルコニウム塩化合物、オキシハフニウム塩化合物、オキシバナジウム塩化合物、オキシニオブ塩化合物、タンタル塩化合物、モリブデン酸化合物、リンモリブデン酸化合物、タングステン酸化合物、リンタングステン酸化合物等を挙げることが出来る。上記化合物の好ましい例として、フッ化チタンカリウムKTiF、フッ化チタンアンモニウム(NHTiF オキシ塩化ジルコジウムZrOCl・8HO、フッ化ジルコンカリウムKZrF、オキシ三塩化バナジウムVOCl、オキシ塩化ハフニウムHFOCl・8HO、オキシ塩化ニオブNbOCl、リンモリブデン酸ナトリウムNaPO・12MoO・nHO、オキシ二塩化タングステンWOCl、リンタングステン酸アンモニウム(NH)PO・12WO・3HO等が挙げられる。また、これらの化合物の添加に際して、ケイ酸、リン酸、炭酸、ホウ酸及びそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩を添加することが出来る。
層中に添加することにより酸化物または/及び複合酸化物を形成し得る化合物の別の例として、アルコキシチタン化合物、アルコキシジルコニウム化合物、アルコキシハフニウム化合物等のアルコキシ化合物を重合性感光層中に添加して塗布乾燥した後、空気中の水分との反応により加水分解し酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコニウム、酸化ハフニウム等の酸化物微粒子を形成することが出来る。上記化合物の好ましい例として、オレイン酸チタンTi(C1733COO)、テトラ−n−ブトキシチタン Ti(OC)、ナフテン酸チタンTi(C2n−1COO)4、テトライソプロポキシチタンTi(OC)、テトラメトキシチタンTi(OCH)、ステアリン酸ジルコニウムZrO(C1835)、テトラキスアセチルアセトナトハフニウムHf(C等が挙げられる。
本発明のIVa〜VIa族の元素を含む化合物の含有量は、添加する化合物の種類や形態、本発明の平版印刷版の構成等により異なるが、平版印刷版の塗工層の全固形分質量部に対して、0.1〜10質量%の範囲で用いることが好ましい。
本発明に関わる赤外線レーザーに感光するネガ型感光性平版印刷版において用いられるラジカル発生剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)芳香族オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(e)ケトオキシムエステル化合物、(f)アジニウム化合物、(g)活性エステル化合物、(h)メタロセン化合物、(i)トリハロアルキル置換化合物および(j)有機ホウ素化合物等が挙げられる。これらのラジカル発生剤の中でも特に好ましいものは、(i)トリハロアルキル置換化合物と(j)有機ホウ素化合物である。
ラジカル発生剤としての(a)芳香族ケトン類の好ましい例としては、ベンゾフェノン骨格あるいはチオキサントン骨格を有する化合物、特公昭47−6416号記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326号記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664号記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号記載のジアルコキシベンゾフェノン、特公昭60−26403号、特開昭62−81345号記載のベンゾインエーテル類、特開平2−211452号記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号記載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号記載のアシルホスフィン、特公昭63−61950号記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号記載のクマリン類を挙げることができる。
また、ラジカル発生剤の別の例である(b)芳香族オニウム塩としては、N、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、TeまたはIの芳香族オニウム塩が含まれる。このような芳香族オニウム塩は、特公昭52−14277号、特公昭52−14278号、特公昭52−14279号等に示されている化合物を挙げることができる。
本発明の感光層は、光重合性のネガ型感光性平版印刷版を与えるものであり、ラジカル発生剤と重合性化合物を少なくとも含有する。重合性化合物としては、重合性のモノマー、オリゴマー、あるいはポリマーの少なくとも1種を含有する。
本発明に関わる感光性平版印刷版に用いることが好ましいラジカル発生剤の他の例である(c)有機過酸化物としては分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、例えば、3,3′,4,4′−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸化エステル系が好ましい。
本発明に関わり用いることが好ましいラジカル発生剤の他の例である(d)ヘキサアリールビイミダゾールとしては、特公昭45−37377号、特公昭44−86516号記載のロフィンダイマー類、例えば2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−トリフルオロメチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
本発明に関わる感光性平版印刷版に用いることが好ましいラジカル発生剤の他の例である(e)ケトオキシムエステルとしては、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
ラジカル発生剤の他の例である(g)活性エステル化合物の例としては特公昭62−6223号記載のイミドスルホナート化合物、特公昭63−14340号、特開昭59−174831号記載の活性スルホナート類を挙げることができる。
ラジカル発生剤の他の例である(h)メタロセン化合物の例としては、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−4705号記載のチタノセン化合物ならびに、特開平1−304453号、特開平1−152109号記載の鉄−アレーン錯体を挙げることができる。
本発明に係わるネガ型赤外線レーザー感光性平版印刷版に使用する特に好ましいラジカル発生剤の他の例として(i)トリハロアルキル置換化合物が挙げられる。ここで言うトリハロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物としてs−トリアジン誘導体およびオキサジアゾール誘導体が挙げられ、或いは、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環或いは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
トリハロアルキル置換した含窒素複素環化合物やトリハロアルキルスルホニル化合物の特に好ましい例を以下に示す。
Figure 2007147854
Figure 2007147854
上述したようなラジカル発生剤の含有量は、バインダー樹脂に対して、1〜100質量%の範囲が好ましく、更には1〜40質量%の範囲で含まれることが好ましい。
本発明に係わるネガ型赤外線レーザー感光性平版印刷版に使用する特に好ましいラジカル発生剤として(j)有機ホウ素化合物が挙げられ、下記一般式で示される有機ホウ素アニオンを有する化合物を用いることが好ましい。
Figure 2007147854
式中において、R、R、RおよびRは各々同じであっても異なっていても良く、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらの内で、R、R、RおよびRの内の一つがアルキル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に好ましい。
上記の有機ホウ素アニオンは、これと塩を形成するカチオンが同時に存在する。この場合のカチオンとしては、アルカリ金属イオンおよびオニウムイオンが挙げられる。オニウム塩としては、アンモニウム、スルホニウム、 ヨードニウムおよびホスホニウム化合物が挙げられる。アルカリ金属イオンおよびオニウム化合物と有機ホウ素アニオンとの塩を用いる場合には、別に増感色素を添加することで色素が吸収する光の波長範囲での感光性を付与することが行われる。
本発明に係わるネガ型感光性平版印刷版に用いる好ましい様態の一つとして、有機ホウ素塩をこれを赤外光において増感する色素とともに含む感光性平版印刷版であり、この場合の有機ホウ素塩は赤外光の波長領域に感光性を示さず、増感色素の添加によって初めてこうした波長領域の光に感光性を示すものである。
この場合の有機ホウ素塩としては、先に示した一般式で表される有機ホウ素アニオンを含む塩であり、塩を形成するカチオンとしてはアルカリ金属イオンおよびオニウム化合物が好ましく使用される。特に好ましい例は、有機ホウ素アニオンとのオニウム塩として、テトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙げられる。特に好ましい有機ホウ素塩の例を下記に示す。
Figure 2007147854
Figure 2007147854
感光性平版印刷版上に形成される感光体組成中に於ける有機ホウ素塩の割合については好ましい範囲が存在し、感光性組成物トータル100質量部において該有機ホウ素塩は0.1質量部から50質量部の範囲で含まれていることが好ましい。
本発明に関わるネガ型の赤外線レーザー感光性平版印刷版に用いることが好ましい増感色素については、カチオン性色素、アニオン性色素および電荷を有しない中性の色素としてメロシアニン、クマリン、キサンテン、チオキサンテン、アゾ色素等が使用できる。これらの内で特に好ましい例は、カチオン色素としてのシアニン、カルボシアニン、へミシアニン、メチン、ポリメチン、トリアリールメタン、インドリン、アジン、チアジン、キサンテン、オキサジン、アクリジン、ローダミンおよびアザメチン色素から選ばれる色素である。これらのカチオン性色素との組み合わせに於いては特に高感度でかつ保存性に優れるために好ましく使用される。上記の増感色素の内で、特に本発明に関わる750nm以上の赤外光の波長領域の光に感光性を持たせる系に於いては、増感色素としてこうした波長領域に吸収を有することが必要であり、こうした目的で使用される特に好ましい例を下記に示す。
Figure 2007147854
Figure 2007147854
上記のような増感色素とラジカル発生剤との量的な比率に於いて好ましい範囲が存在する。増感色素 質量部に対してラジカル発生剤は0.01質量部から100質量部の範囲で用いることが好ましく、更に好ましくはラジカル発生剤を0.1質量部から50質量部の範囲で使用することが好ましい。
本発明に関わるネガ型の赤外線レーザー感光性平版印刷版には、感光層中にエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく行われ、この具体例としては、分子内に2個以上の重合性二重結合を有する重合性化合物が挙げられる。好ましいエチレン性不飽和化合物の例としては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールグリセロールトリアクリレート、グリセロールエポキシトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能アクリル系モノマーが挙げられる。
或いは、上記の重合性化合物に代えてラジカル重合性を有するオリゴマーも好ましく使用され、アクリロイル基、メタクリロイル基を導入した各種オリゴマーとしてポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等も同様に使用されるが、これらもエチレン性不飽和化合物として同様に好ましく用いることが出来る。
或いは更に好ましいエチレン性不飽和化合物として、ビニル基が置換したフェニル基が挙げられ、分子内に2個以上のスチリル基を有する化合物を使用した場合に於いて、発生するラジカルにより生成するスチリルラジカル同士の再結合により効果的に架橋を行うため、高感度のネガ型感光材料を作製する上で極めて好ましい。特に好ましいビニルフェニル基を有する化合物は、代表的には下記一般式で表される。
Figure 2007147854
式中、Zは連結基を表し、R、R及びRは、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。Rは置換可能な基または原子を表す。mは0〜4の整数を表し、kは2以上の整数を表す。
上記一般式について更に詳細に説明する。Zの連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R)−、−C(O)−O−、−C(R10)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR及びR10は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらには置換基が結合していても良い。
上記一般式で表される化合物の中でも好ましい化合物が存在する。即ち、R及びRは水素原子でRは水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)で、kは2〜10の化合物が好ましい。以下に具体例を示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 2007147854
Figure 2007147854
Figure 2007147854
上記したようなモノマーもしくはオリゴマーの含有量は、バインダー樹脂に対して、1〜100質量%の範囲が好ましく、更に5〜50質量%の範囲が好ましい。
本発明の感光層は、重合性モノマーもしくはオリゴマーとして、上記したモノマーもしくはオリゴマーに加えて更に、ウレタン結合と重合性二重結合を有する化合物(以降、ウレタン化合物と称す)を含有するのが好ましい。ウレタン化合物を含有することによって、非画像部の溶出性が更に向上し、地汚れが改良される。
本発明に用いられるウレタン化合物は、分子内に下記構造式で示されるウレタン結合を少なくとも1個有する。また、重合性二重結合としては、アクリロイル基やメタクリロイル基等が挙げられ、これらの重合性二重結合を2個以上有するのが好ましい。更に、ウレタン結合が2〜6個でかつ重合性二重結合が4〜10個有するウレタン化合物が好ましい。
Figure 2007147854
上記したウレタン化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2007147854
Figure 2007147854
Figure 2007147854
本発明において、上記ウレタン化合物の含有量は、バインダー樹脂に対して5〜60質量%の範囲で含有するのが好ましく、特に10〜50質量%の範囲が好ましい。
本発明の感光層は、上述した成分以外にも種々の目的で他の成分を添加することも好ましく行われる。例えば、保存性を向上させる目的で、ヒンダードフェノール化合物やヒンダードアミン化合物を添加することが好ましく行われる。これらの化合物の添加量は、バインダー樹脂に対して0.1〜10質量%の範囲で使用することが好ましい。
本発明の感光層は、公知の種々の塗布方式を用いて支持体上に塗布、乾燥される。塗布方式としては、例えばロールコーティング、ディップコーティング、エアナイフコーティング、グラビアコーティング、ホッパーコーティング、ブレードコーティング、ワイヤドクターコーティングなどが挙げられる。
本発明に関わるネガ型の赤外線レーザー感光性平版印刷版において感光層に含まれる高分子結着剤としては本発明による現像液に可溶であることが好ましく、特にカルボキシル基を有するアルカリ可溶性ポリマーであることが好ましい。こうした例としては、カルボキシル基含有モノマーを共重合成分として含むポリマーが挙げられ、この場合において共重合体組成中に含まれるカルボキシル基含有モノマーの割合として、トータル組成100質量%中に於いて5質量%以上99質量%以下であることが好ましく、これ以下の割合では共重合体がアルカリ水溶液に溶解しない場合がある。
上記のカルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸2−カルボキシエチルエステル、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等のような例が挙げられる。
上記のようなカルボキシル基含有モノマーとともに共重合体を形成するためのモノマーとしては、スチレン、4−メチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カルポキシスチレン、4−アミノスチレン、クロロメチルスチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステル類、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル類、或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメタクリル酸エステルと同様の例、或いは、リン酸基を有するモノマーとしてビニルホスホン酸等、或いは、アリルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー類、或いは、ビニルスルホン酸およびその塩、アリルスルホン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその塩、スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等のスルホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマー類、或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーとして4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライドによる4級化物、N−ビニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロビオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、またメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、その他、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート等各種モノマーを先に述べたカルボキシル基含有モノマーとともに上記の内のモノマー単独あるいはこれらの任意の組み合わせで含む共重合体を本発明におけるネガ型の感光性平版印刷版における感光層中の高分子結着剤として使用することが出来る。
上記のカルボキシル基を有する高分子結着剤の構造中にはラジカル発生剤から生じるラジカルに反応性を有する置換基を有する場合も好ましく用いられる。例えば、ポリマー側鎖に重合性二重結合を導入した場合については極めて高感度なネガ型の感光性組成物を与えることから特に好ましく用いられる。さらには、側鎖に含まれる重合性二重結合としてビニル基が置換したフェニル基を有する場合に於いては、ラジカルが付加することにより生じるビニルラジカル同士が再結合により互いに結合することから高感度のネガ型の感光材料を与えるため極めて好ましい。
以下に、側鎖にビニルフェニル基を有する高分子結着剤について説明する。側鎖にビニルフェニル基を有する重合体とは、該フェニル基が直接もしくは連結基を介して主鎖と結合したものであり、連結基としては特に限定されず、任意の基、原子またはそれらの複合した基が挙げられる。また、前記フェニル基はビニル基以外の置換可能な基もしくは原子で置換されていても良く、また、前記ビニル基はハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等で置換されていても良い。上記した側鎖にビニルフェニル基を有する重合体とは、更に詳細には、下記一般式で表される基を側鎖に有するものである。
Figure 2007147854
式中、Zは連結基を表し、R15、R16、及びR17は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R18は置換可能な基または原子を表す。nは0または1を表し、mは0〜4の整数を表し、kは1〜4の整数を表す。
上記一般式について更に詳細に説明する。Zの連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R19)−、−C(O)−O−、−C(R20)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基、及び下記構造式で表される基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR19及びR20は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
Figure 2007147854
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、更にこれらの複素環には置換基が結合していても良い。上記一般式で表される基の例を以下に示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 2007147854
Figure 2007147854
Figure 2007147854
Figure 2007147854
上記一般式で表される基の中には好ましいものが存在する。即ち、R15及びR16が水素原子でR17が水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)であるものが好ましい。更に、連結基Zとしては複素環を含むものが好ましく、kは1または2であるものが好ましい。
上記の例で示されるような側鎖にビニルフェニル基を有する高分子結着剤としては、アルカリ性水溶液に可溶性を有することが好ましく、そのためにカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として含む重合体であることが特に好ましい。この場合、共重合体組成に於ける側鎖にビニルフェニル基を有するモノマーの割合として、共重合体トータル組成100質量%中に対して5質量%以上95質量%以下であることが好ましく、10〜95質量%の範囲がより好ましく、更に20〜90質量%の範囲が好ましい。また、共重合体中に於けるカルボキシル基含有モノマーの割合は同じく5質量%以上99質量%以下であることが好ましく、更に10〜90質量%の範囲が好ましい。これ以下の割合では共重合体がアルカリ水溶液に溶解しない場合がある。
カルボキシル基を有するモノマー以外にも共重合体中に他のモノマー成分を導入して多元共重合体として合成、使用することも好ましく行うことが出来る。こうした場合に共重合体中に組み込むことが出来るモノマーとして、スチレン、4−メチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カルボキシスチレン、4−アミノスチレン、クロロメチルスチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステル類、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸−2−ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル類、或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメタクリル酸エステルと同様の例、或いは、リン酸基を有するモノマーとしてビニルホスホン酸等、或いは、アリルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー類、或いは、ビニルスルホン酸およびその塩、アリルスルホン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその塩、スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等のスルホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマー類、或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーとして4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライドによる4級化物、N−ビニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、またメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、その他、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート等各種モノマーを適宜共重合モノマーとして使用することが出来る。これらのモノマーの共重合体中に占める割合としては、先に述べた共重合体組成中に於ける化3で示す基およびカルボキシル基含有モノマーの好ましい割合が保たれている限りに於いて任意の割合で導入することが出来る。
上記のような高分子結着剤の分子量については好ましい範囲が存在し、質量平均分子量で1000から100万の範囲であることが好ましく、さらに1万から30万の範囲にあることが特に好ましい。
本発明に係わる側鎖にビニルフェニル基を有する高分子結着剤の例を下記に示す。式中、数字は共重合体トータル組成100質量%中に於ける各繰り返し単位の質量%を表す。
Figure 2007147854
Figure 2007147854
Figure 2007147854
Figure 2007147854
Figure 2007147854
本発明に関わるネガ型の赤外線レーザー感光性平版印刷版を構成する他の要素として着色剤の添加も好ましく行うことが出来る。着色剤としては露光および現像処理後に於いて画像部の視認性を高める目的で使用されるものであり、カーボンブラック、フタロシアニン系色素、トリアリールメタン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の各種の色素および顔料を使用することが出来、バインダー質量部に対して0.005質量部から0.5質量部の範囲で好ましく添加することが出来る。
本発明に関わるネガ型の赤外線レーザー感光性平版印刷版を構成する要素については上述の要素以外にも種々の目的で他の要素を追加して含有することも出来る。例えば感光性平版印刷版のブロッキングを防止する目的もしくは現像後の画像のシャープネス性を向上させる等の目的で無機物微粒子あるいは有機物微粒子を添加することも好ましく行われる。
本発明は保護層を設けることが出来る。保護層に使用できる材料としては例えば、比較的結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いることが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドなどのような水溶性ポリマーが挙げられ、これらは単独または混合して使用できる。これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いる事が、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与える。
保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、およびアセタールで置換されていても良い。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても良い。ポリビニルアルコールの具体例としては71〜100%加水分解され、重合繰り返し単位が300から2400の範囲のものをあげる事ができる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。
前記ポリビニルアルコールの保護層中における含有量は、固形分換算で、50質量%以上であることが好ましくより好ましくは70〜90質量%の範囲である。
保護層に含まれる前記ポリビニルアルコール以外の樹脂成分としては、例えば、セルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体などの水溶性高分子、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリアミド、シリコーン等の非水溶性高分子化合物などがあげられる。
通常、保護層は、画像形成時に水で除去されるため、層自体は水溶性であることが好ましく、そのため、ポリビニルアルコールと併用される樹脂も水溶性高分子を含むことが好ましい。保護層に含まれるポリビニルアルコール以外の樹脂成分のうち、50%以上が水溶性高分子であることがさらに好ましい態様である。
保護層と光重合性感光層との接着性が高いことが耐刷性の点で有利であり、この観点から、ポリビニルアルコールと併用する樹脂として、ビニルピロリドンを構造単位として含む水溶性高分子が好ましく、ポリビニルピロリドンやビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体等がその例として挙げられる。ポリビニルピロリドンを構造単位として含む水溶性高分子を用いる場合、ビニルピロリドン単位構造の保護層中に占める割合には特に制限はないが、通常5〜30質量%であり、好ましくは10〜25質量%であり、さらに好ましくは15〜20質量%の範囲である。
本発明の保護層には、ポリビニルアルコール、その他の水溶性ポリマー、各種の有機化合物、無機化合物を添加してもよい。また、光重合性組成物上に塗設するための、塗布性を改善するなどの目的で界面活性剤を添加しても良い。
本発明の保護層の厚みは、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択されるが、0.1μmから3μmの範囲が好ましい。
本発明の保護層は、公知の種々の塗布方式を用いて支持体上に塗布、乾燥される。塗布方式としては、例えばロールコーティング、ディップコーティング、エアナイフコーティング、グラビアコーティング、ホッパーコーティング、ブレードコーティング、ワイヤドクターコーティングなどが挙げられる。
本発明のアルミニウム支持体について説明する。本発明に用いられるアルミニウム板の厚みは、0.1〜0.6mm程度である。この厚みは印刷機の大きさ、印刷版の大きさおよびユーザーの希望により適宜変更することができる。以下にアルミニウム支持体の処理方法について説明する。
アルミニウム板は、通常、より好ましい形状に砂目立て処理される。砂目立て処理方法は、特開昭56−28893号公報に開示されているような機械的砂目立て(機械的粗面化処理)、化学的エッチング、電解グレイン等がある。更に、塩酸電解液中または硝酸電解液中で電気化学的に砂目立てする電気化学的砂目立て法(電気化学的粗面化処理、電解粗面化処理)や、アルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレイン法等の機械的砂目立て法(機械的粗面化処理)を用いることができる。これらの砂目立て法は、単独でまたは組み合わせて用いることができる。例えば、ナイロンブラシと研磨剤とによる機械的粗面化処理と、塩酸電解液または硝酸電解液による電解粗面化処理との組み合わせや、複数の電解粗面化処理の組み合わせが挙げられる。
ブラシグレイン法の場合、研磨剤として使用される粒子の平均粒径、最大粒径、使用するブラシの毛径、密度、押し込み圧力等の条件を適宜選択することによって、アルミニウム支持体表面の長い波長成分の凹部の平均深さを制御することができる。ブラシグレイン法により得られる凹部は、平均波長が3〜15μmであるのが好ましく、平均深さが0.3〜1μmであるのが好ましい。
電気化学的粗面化方法としては、塩酸電解液中または硝酸電解液中で化学的に砂目立てする電気化学的方法が好ましい。好ましい電流密度は、陽極時電気量50〜400C/dmである。更に具体的には、例えば、0.1〜50質量%の塩酸または硝酸を含む電解液中で、温度20〜100℃、時間1秒〜30分、電流密度100〜400C/dmの条件で直流または交流を用いて行われる。電解粗面化処理によれば、表面に微細な凹凸を付与することが容易であるため、感光層とアルミニウム支持体との密着性を向上させるうえでも好適である。
機械的粗面化処理の後の電気化学的粗面化処理により、平均直径約0.3〜1.5μm、平均深さ0.05〜0.4μmのクレーター状またはハニカム状のピットをアルミニウム板の表面に80〜100%の面積率で生成させることができる。なお、機械的粗面化方法を行わずに、電気化学的粗面化方法のみを行う場合には、ピットの平均深さを0.3μm未満とするのが好ましい。設けられたピットは、印刷版の非画像部の汚れにくさおよび耐刷性を向上する作用を有する。電解粗面化処理では、十分なピットを表面に設けるために必要なだけの電気量、即ち、電流と電流を流した時間との積が、重要な条件となる。より少ない電気量で十分なピットを形成できることは、省エネの観点からも望ましい。粗面化処理後の表面粗さは、JIS B0601−1994に準拠してカットオフ値0.8mm、評価長さ3.0mmで測定した算術平均粗さ(Ra)が、0.2〜0.8μmであるのが好ましい。
このように砂目立て処理されたアルミニウム板は、化学エッチング処理をされるのが好ましい。化学エッチング処理としては、酸によるエッチングやアルカリによるエッチングが知られているが、エッチング効率の点で特に優れている方法として、アルカリ溶液を用いる化学エッチング処理が挙げられる。
好適に用いられるアルカリ剤は、特に限定されないが、例えば、カセイソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウムが挙げられる。アルカリエッチング処理の条件は、Alの溶解量が0.05〜1.0g/mとなるような条件で行うのが好ましい。また、他の条件も、特に限定されないが、アルカリの濃度は1〜50質量%であるのが好ましく、5〜30質量%であるのがより好ましく、また、アルカリの温度は20〜100℃であるのが好ましく、30〜50℃であるのがより好ましい。アルカリエッチング処理は、1種の方法に限らず、複数の工程を組み合わせることができる。なお、本発明においては、機械的粗面化処理の後、電気化学的粗面化処理の前にアルカリエッチング処理を行うこともできる。この場合、Alの溶解量は、0.05〜30g/mとするのが好ましい。
アルカリエッチング処理を行った後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗いが行われる。用いられる酸としては、例えば、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸が挙げられる。特に、電解粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、好ましくは特開昭53−12739号公報に記載されているような50〜90℃の温度で15〜65質量%の硫酸と接触させる方法が挙げられる。
また、化学エッチング処理を酸性溶液で行う場合において、酸性溶液に用いられる酸は、特に限定されないが、例えば、硫酸、硝酸、塩酸が挙げられる。酸性溶液の濃度は、1〜50質量%であるのが好ましい。また、酸性溶液の温度は、20〜80℃であるのが好ましい。
以上のように処理されたアルミニウム板には、更に、陽極酸化処理が施される。陽極酸化処理はこの分野で従来行われている方法で行うことができる。具体的には、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等の単独のまたは2種以上を組み合わせた水溶液または非水溶液の中で、アルミニウム板に直流または交流を流すとアルミニウム板の表面に陽極酸化皮膜を形成することができる。
陽極酸化処理の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液濃度1〜80質量%、液温−5〜70℃、電流密度0.5〜60A/dm、電圧1〜100V、電解時間10〜200秒であるのが適当である。これらの陽極酸化処理の中でも、英国特許第1,412,768号明細書に記載されている、硫酸電解液中で高電流密度で陽極酸化処理する方法が特に好ましい。
本発明においては、陽極酸化皮膜の量は1〜10g/mであるのが好ましく、1.5〜7g/mであるのがより好ましく、2〜5g/mであるのが特に好ましい。粗面化処理の後、電気化学的粗面化処理の前にアルカリエッチング処理を行うこともできる。この場合、Alの溶解量は、0.05〜30g/mとするのが好ましい。
上記のようにして製造されたアルミニウム支持体上に感光層やあるいは保護層を塗設されて得られた感光性平版印刷版は、感光層に付与された感光域に応じてレーザー走査露光が行われ、露光された部分が架橋することでアルカリ性現像液に対する溶解性が低下することから、後述するアルカリ性現像液により未露光部を溶出することで露光画像のパターン形成が行われる。
本発明に用いられるアルカリ性現像液は、25℃におけるpHが10〜12であるのが好ましい。現像液のpHを上記範囲に調整するためのアルカリ性化合物として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、トリエチルアンモニウムハイドロキサイド等が挙げられるが、これらの内、特にアルカノールアミン類が好ましい。さらには、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール等の各種アルコール類をアルカリ性現像液中に添加することも好ましく行われる。また、各種界面活性剤の添加も好ましく行うことが出来る。こうしたアルカリ性現像液を用いて現像処理を行った後に、アラビアガム、デキストリン類等を使用して通常のガム引きが好ましく行われる。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例中の部は質量部を示す。
<Al前処理>
幅1030mm、厚み0.24mmのJIS−A1050のアルミニウムコイルをナイロンブラシと400メッシュのパミストンの水懸濁液を用いて機械粗面化し、60℃4%の水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬、水洗した後、30℃で1.1%硝酸電解液中に40A・dm、60Hzの単層交流電流を30秒間流して電解粗面化し、水洗し、50℃10%リン酸を含む溶液に20秒浸漬してデスマット、水洗し、30℃、25質量%の硫酸水溶液中で陽極酸化処理を施した後、水洗、乾燥して、アルミニウム支持体を得た。中心線表面粗さは0.58であった。
<感光性平版印刷版の作製>
上記アルミニウム支持体上に、下記の感光層塗工液1を乾燥厚みが1.2μmになるよう塗布を行い、75℃の温風にて乾燥を行った。サンプル内容を表1に示す。
<感光層塗工液1処方>
重合体(P−1;質量平均分子量約9万) 10質量部
重合性二重結合モノマー(C−5) 2質量部
ラジカル発生剤1(BC−6) 2質量部
ラジカル発生剤2(T−4) 1質量部
増感色素(S−9) 0.4質量部
ジオキサン 70質量部
シクロヘキサノン 20質量部
フッ素系界面活性剤 0.01質量部
更に上記により作製した感光層の上に下記保護層溶液を乾燥膜厚0.6μmとなるように塗布乾燥し本発明及び比較の感光性平版印刷版No.2〜No.10を作製した。
ポリビニルアルコール(クラレ社製PVA205) 7.5質量部
ポリビニルピロリドン(BASF社製VPC55 K65W) 2.5質量部
IVa〜VIa族元素を含む化合物 (表1に記載)
蒸留水 70質量部
リン酸またはリン酸3ナトリウムでpHを5.0に調整した後蒸留水を加えて100質量部とした。
Figure 2007147854
上記のようにして得られた平版印刷版サンプルについて、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
<感度評価>
上記平版印刷版サンプルを830nm半導体レーザーを搭載した外面ドラム方式プレートセッター、大日本スクリーン製造株式会社製PT−R4000を使用して、ドラム回転速度1000rpm解像度2400dpi、レーザー照射エネルギー0〜100mJ/cmの範囲で変化させ、露光後に自動現像機として大日本スクリーン製造株式会社製PS版用自動現像機PD−1310を使用し、下記現像液を使用して現像処理(現像液温度29℃15秒処理)を行い処理前の版の反射濃度の90%の反射濃度を得られる露光エネルギーの逆数の対数値を相対感度とした。
<現像液>
35%アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム
(花王(株)社製界面活性剤) 30g
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド 60g
リン酸 10g
N−エチルモノエタノールアミン 35g
EDTA2Na 1g
水で 1L
<保存性評価方法>
上記平版印刷版サンプルを、合い紙を用いずに解放状態で40℃で2週間放置するか、50℃RH80%で5日間放置した後の感度、溶出性、耐刷性の変化を調べた。
<感度変化>
フレッシュでの感度からの変化率(%)の程度によって以下の5段階で評価した。
A 感度の変化率が5%未満
B 感度の変化率が5%以上10%未満
C 感度の変化率が10%以上25%未満
D 感度の変化率が25%以上50%未満のもの
E 感度の変化率が50%以上のもの
<溶出性>
非画像部の溶出性を目視して以下の基準で評価した。
○ 非画像部が問題なく溶出しているもの
△ 僅かに塗布物の残膜の色が残っているもの
× 殆ど溶出していないもの
<耐刷性>
耐刷性の評価は、印刷機はハイデルベルグTOK(Haidelberg社製オフセッ
ト印刷機の商標)を使用し、インキはBEST ONE墨H(T&KTOKA(株)社製)、湿し水はアストロマークIII(株式会社日研化学研究所社製、湿し水)の1%水溶液を使用して印刷を行い、175lpiで2%の網点画像が欠落し印刷ができなくなった枚数で評価した。
5 25万枚以上
4 15万枚〜20万枚未満
3 10万枚〜15万枚未満
2 5万枚〜10万枚未満
1 5万枚以下
上記結果より本発明のIVa〜VIa族元素を含む化合物を含有する保護層を有する平版印刷版は、経時での感度や溶出性の低下が少なく保存性に優れていることが分かる。
実施例1のアルミニウム支持体上に、下記の感光塗工液2を乾燥厚みが1.8μmになるよう塗布を行い、75℃の温風にて乾燥を行い感光性平版印刷版No.10〜No.18を作製し、実施例1と同様にして製版、評価を行った。結果を表2に示す。
<感光層塗工液2処方>
重合体(P−1;質量平均分子量約9万) 10質量部
ウレタン化合物(U−1) 3質量部
重合性二重結合モノマー(C−5) 2質量部
ラジカル発生剤1(BC−6) 2質量部
ラジカル発生剤2(BS−1) 1質量部
増感色素(S−8) 0.4質量部
10%フタロシアニン分散液 0.5質量部
IVa〜VIa族元素を含む化合物 (表2に記載)
ジオキサン 70質量部
シクロヘキサノン 20質量部
フッ素系界面活性剤 0.01質量部
Figure 2007147854
上記結果より本発明のIVa〜VIa族元素を含む化合物を含有する光重合性感光層を有する平版印刷版は、経時での感度や溶出性の低下が少なく保存性に優れていることが分かる。

Claims (2)

  1. アルミニウム支持体上に、ラジカル発生剤と重合性化合物とを含有する光重合性感光層、及びIVa〜VIa族の元素を含む化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含有する層を有することを特徴とするネガ型感光性平版印刷版。
  2. IVa〜VIa族の元素を含む化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含有する層が光重合性感光層の上に設けられる保護層である請求項1のネガ型感光性平版印刷版。
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