JP2007147360A - 表面抵抗率測定装置及び表面抵抗率測定方法 - Google Patents

表面抵抗率測定装置及び表面抵抗率測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007147360A
JP2007147360A JP2005340094A JP2005340094A JP2007147360A JP 2007147360 A JP2007147360 A JP 2007147360A JP 2005340094 A JP2005340094 A JP 2005340094A JP 2005340094 A JP2005340094 A JP 2005340094A JP 2007147360 A JP2007147360 A JP 2007147360A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
measuring
surface electrode
resistivity
pair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005340094A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Ichizawa
信行 一澤
Tetsuki Suzuki
哲樹 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2005340094A priority Critical patent/JP2007147360A/ja
Publication of JP2007147360A publication Critical patent/JP2007147360A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、精度良く表面抵抗率を測定可能な表面抵抗率測定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】測定対象となる測定部材としての測定対象フィルム14の膜厚と同一の間隔となるように表面電極30及び表面電極32の間隔を調整し、表面電極30及び表面電極32に所定電圧値の電圧を印加したときに表面電極30と表面電極32との間に流れる電流の電流値と、表面電極30及び表面電極32に印加した電圧の電圧値と、表面電極30と表面電極32との間隔と、に基づいて、表面抵抗率を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面抵抗率測定装置及び表面抵抗率測定方法に係り、特に、体積抵抗率が所定値以上の高抵抗率の測定対象部材の表面抵抗率を測定する表面抵抗測定装置及び表面抵抗測定方法に関する。
シート状の測定対象部材の表面抵抗を測定する方法として、測定対象部材の表面に電極(プローブともいう)を押し当てて、測定対象部材表面を流れる電流を検出した検出結果に基づいて表面抵抗率を測定する方法が知られている。
このような表面抵抗率の測定方法としては例えば、予め定められた所定間隔毎に配列された電極間の抵抗を測定する方法や、特許文献1に示すようにJIS K6911に準拠した方法により表面抵抗を測定する方法が知られている。
特許文献1に示す技術では、円盤形状の主電極と、この主電極を取り囲んで配置されたリング電極と、これらの主電極及びリング電極に対向して配置された対向電極を備えている。この主電極及びリング電極と対向電極との間に測定対象となる測定対象部材を挟持した状態において、主電極とリング電極との間に直流電圧を印加したときに測定対象部材の表面を流れる電流を測定した結果に基づいて、表面抵抗を測定している。
このように、特許文献1の技術では、測定対象部材の下に電極(ガード電極という)を置くことによって、測定対象部材の厚み方向に回り込んだ電流をグランドに流すことで、測定対象部材表面を流れる電流のみを測定することができるように構成されている。
特開2000−88900号公報
しかし、従来、測定対象部材の同一面側に当接される電極の間隔は、測定対象部材の厚みの2倍以上であることが好ましいとされており、また従来技術では、一対の電極の間隔は一定であることから、測定対象部材の厚みが薄くなるほど、電流のほとんどが測定対象部材表面に当接された電極間よりも、測定対象部材を介して該電極に対向して設けられたガード電極側に流れてしまい、表面抵抗率の測定精度が低下すると言う問題があった。また、測定対象部材の厚みが薄くなるほど、測定対象部材の厚み方向に形成される電位勾配が、測定対象部材の表面に形成される電位勾配に比べて大きくなり、一対の電極に電圧を印加したときに電極間に流れる電流の測定値にノイズが含まれやすくなり、表面抵抗率の測定精度が低下するという問題があった。
このような現象は、測定対象部材としての測定対象部材の厚みが薄いほど、また測定対象部材の体積抵抗率が高いほど発生しやすかった。また、膜厚の異なる測定対象部材を一定の電極間隔で測定する事になり、測定条件が異なることも測定精度低下になっていた。
また、ガード電極に変えて、絶縁部材を使用することで表面方向の電流値を安定化して測定する方法もあるが、これは電場が膜厚深さまで均一になり、表面方向の抵抗ではあるが、厳密には表面に平行な方向の体積抵抗であり、表面抵抗の指標としては問題がある。
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、精度良く表面抵抗率を測定可能な表面抵抗率測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の表面抵抗測定装置は、一対の表面電極と、裏面電極と、によって挟持されたシート状の測定対象部材の表面抵抗率を測定する表面抵抗率測定装置であって、前記一対の表面電極の間隔を調整する調整手段と、前記測定対象部材の膜厚を取得する取得手段と、前記一対の表面電極の間隔が前記取得手段によって取得された膜厚に略等しい間隔となるように前記調整手段を制御する間隔調整手段と、前記間隔調整手段によって前記測定対象部材の膜厚に略等しい間隔となるように間隔を調整された前記一対の表面電極に所定電圧値の電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段によって前記一対の表面電極に電圧が印加されたときに前記一対の表面電極間に流れる電流の電流値を測定する電流値測定手段と、前記電流値測定手段による測定結果と、前記電圧印加手段によって前記一対の表面電極に印加した電圧の前記所定電圧値と、前記間隔調整手段によって表面電極の間隔が調整された前記一対の表面電極の間隔と、に基づいて、前記測定対象部材の表面抵抗率を測定する測定手段と、を備えている。
本発明の表面抵抗率測定装置は、一対の表面電極と、裏面電極と、によって挟持されたシート状の測定対象部材の表面抵抗率を測定する。
取得手段は、測定対象部材の膜厚を、取得する。取得手段の一例には、膜厚を示す情報を装置本体に入力するためのキーボードやタッチパネル等の入力手段や、外部装置から膜厚を示す情報を所得するための通信手段等がある。取得手段が測定対象部材の膜厚を取得すると、間隔調整手段は、取得手段によって取得された膜厚に略等しい間隔となるように、一対の表面電極の間隔を調整するための調整手段を制御する。この間隔調整手段によって測定対象部材の膜厚に略等しい間隔となるように一対の表面電極の間隔が調整されると、電圧印加手段は、一対の表面電極に所定電圧値の電圧を印加する。電流値測定手段は、電圧印加手段によって一対の表面電極に所定電圧値の電圧が印加されたときに一対の表面電極間に流れる電流の電流値を測定する。測定手段は、電流値測定手段による電流値測定結果と、一対の表面電極に印加された電圧の所定電圧値と、間隔を調整された一対の表面電極の間隔と、に基づいて、測定対象部材の表面抵抗率を測定する。
このように、本発明の表面抵抗率測定装置は、測定対象となる測定対象部材の膜厚に略等しい間隔となるように一対の表面電極の間隔を調整し、間隔が調整された一対の表面電極に所定電圧値の電圧を印加したときに一対の表面電極間に流れた電流値と、一対の表面電極の間隔と、印加した電圧の電圧値と、に基づいて表面抵抗率を測定するので、測定対象部材の厚みが薄く、また測定対象部材の体積抵抗率が高い場合であっても、表面抵抗率の測定時に、測定対象部材の厚み方向に形成される電位勾配が、測定対象部材の表面に形成される電位勾配に比べて大きくなることを抑制することができ、精度良く且つ安定して表面抵抗率を求めることができる。
また、本発明の表面抵抗率測定装置では、測定対象部材の厚みが薄く、また測定対象部材の体積抵抗率が高い場合であっても、表面抵抗測定時に、測定対象部材の厚み方向に形成される電位勾配が、測定対象部材の表面に形成される電位勾配に比べて大きくなることを抑制することができ、精度良く表面抵抗率を求めることができることから、特に、体積抵抗率が1011Ω・cm以上であり、且つ膜厚が200μm以下の測定対象部材の表面抵抗率の測定に好適に用いることができる。
また、本発明の取得手段は、測定対象となる測定対象部材の膜厚を測定するための膜厚測定手段を含むことができる。膜厚測定手段によって測定された膜厚に基づいて、一対の表面電極の間隔を調整することにより、精度良く表面抵抗率を求めることができる。
また、本発明の表面抵抗率測定装置は、測定手段による表面抵抗率の測定結果を表面抵抗率測定装置本体の外部へ出力するための出力手段を更に備えることができる。出力手段としては、測定手段による表面抵抗率の測定結果を表示するための表示手段や、表面抵抗率の測定結果を印刷するための印刷手段や、表面抵抗率の測定結果を装置外部へ送信するための通信手段等がある。
このように、出力手段を更に備えることによって、表面抵抗率の測定結果を装置本体外部へ容易に出力することができる。
なお、本発明の表面抵抗率測定方法によって、精度良く表面抵抗率を測定することができる。具体的には、一対の表面電極と、裏面電極と、によって挟持されたシート状の測定対象部材の表面抵抗率を測定する表面抵抗率測定方法であって、前記測定対象部材の膜厚を取得し、前記取得した膜厚に略等しい間隔となるように前記一対の表面電極の間隔を調整し、間隔を調整された前記一対の表面電極に所定電圧値の電圧を印加したときに前記一対の表面電極間に流れる電流の電流値を測定し、調整した前記一対の表面電極の間隔と、前記一対の表面電極間に印加した電圧の前記所定電圧値と、前記測定した電流値と、に基づいて、前記測定対象部材の表面抵抗率を測定する。
本発明の抵抗率測定装置によれば、測定対象となる測定対象部材の膜厚に略等しい間隔となるように一対の表面電極の間隔を調整し、間隔が調整された一対の表面電極に所定電圧値の電圧を印加したときに一対の表面電極間に流れた電流値と、一対の表面電極の間隔と、印加した電圧の電圧値と、に基づいて表面抵抗率を測定するので、測定対象部材の厚みが薄く、また測定対象部材の体積抵抗率が高い場合であっても、精度良く且つ安定して表面抵抗率を求めることができる、という効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態の表面抵抗率測定装置10は、測定対象フィルム14の表面抵抗を測定するための表面抵抗率測定部12、ガイド基板16、測定対象フィルム14の膜厚を測定するための膜厚測定部18、電圧印加部20、入力部24、出力部26、及び制御部28を含んで構成されている。
上記入力部24、出力部26、電圧印加部20、及び膜厚測定部18は、制御部28に信号授受可能に接続されている。
なお、表面抵抗率測定装置10は、本発明の表面抵抗率測定装置に相当し、測定対象フィルム14が、測定対象部材に相当し、電圧印加部20が、本発明の電圧印加手段に相当し、ガイド基板16が裏面電極に相当する。
表面抵抗率測定部12は、一対の表面電極32を含んで構成されている。一対の表面電極32は、ガイド基板16に所定距離を介して設けられており、一対の表面電極30及び電極32のガイド基板16の表面に対向する対向面各々は、ガイド基板16面に対して略平行となるように設けられている。また、表面電極30のガイド基板16の表面に対向する対向面が、該対向面を延長した平面上に、表面電極32のガイド基板16の表面に対向する対向面が配置されるように設けられている。また、表面電極30及び表面電極32は、表面電極30及び表面電極32の互いに対向する面が平行となるように設けられている。
表面電極30及び表面電極32の形状は、矩形状であっても正方形状、であってもよく、測定対象フィルム14上に接触された状態で電圧を印加可能な形状であればよいが、電場形成が一応にできると言う観点から、電極間が平行になる正方形状であることが好ましい。
表面抵抗率測定部12には、長尺方向がガイド基板16の板面方向に対して平行となるように2本のスライドシャフト34及びスライドシャフト36が設けられている。スライドシャフト34及びスライドシャフト36は、各々一端が支持部材38に軸支され、他端が支持部材40に軸支されている。表面電極30の基部44は、スライドシャフト34に挿通され、表面電極32の基部46は、スライドシャフト36に挿通されている。このため、表面電極30及び表面電極32各々は、互いに離間する方向または近接する方向へと摺動自在に支持されている。
支持部材40は、制御部28に信号授受可能に接続された駆動モータ48に接続された駆動ギア40A及びモータギア40Bを含んで構成されている。また、支持部材38は、従動ギア38A及び従動ギア38Bを含んで構成されている。従動ギア38Aは、駆動ギア40Aの駆動に従動可能に設けられている。また、従動ギア38Bは、モータギア38Aの駆動に従動可能に設けられている。
駆動ギア40A及び従動ギア38Aには、ベルト50が巻回されている。駆動ギア40A及び従動ギア38Aに巻回されたベルト50の互いに対向する領域の一方(ベルト領域50B)には、表面電極30の基部44が取付けられ、他方(ベルト領域50A)には、表面電極32の基部46が取付けられている。
このため、対向するベルト領域50A及びベルト領域50Bが駆動ギア40Aの駆動によって互いに反対方向に移動されることによって、表面電極30と表面電極32とは、互いに離間する方向または近接する方向へと移動に構成されている。
具体的には、制御部28の制御によって駆動モータ48が駆動され、駆動ギア40Aが制御部28から入力された信号に応じた所定方向且つ信号に応じた所定量回転駆動されると、表面電極30及び表面電極32は、スライドシャフト34及びスライドシャフト36の長尺方向に沿って互いに近接する方向または離間する方向へと移動される。
表面32の表面電極30との対向面には、表面電極30と表面電極32との間隔を測定するためのギャップセンサ54が設けられている。ギャップセンサ54は、制御部28に信号授受可能に接続され、投光部と受光部を備えた光電センサである。ギャップセンサ54では、投光部から照射された光が対向する表面電極の対向面に反射して受光部によって受光されると、この受光位置に応じた電気信号を制御部28へ出力する。制御部28ではギャップセンサ54から入力された信号に基づいて、表面電極30と表面電極32との間隔を測定することができる。
なお、ギャップセンサ54としては、このような光電センサに限らず、レーザ変位計、超音波センサ、反射光量センサ等の物体までの距離を測定可能なセンサであればどのような形態であってもよく、非接触方式または接触方式のセンサを用いることが可能である。なお、ギャップセンサ54として、表面電極32と表面電極30との間隔を測定するために表面電極32または表面電極30の、表面電極32と表面電極30との対向面に接触されることにより間隔を測定する接触方式のセンサを用いる場合には、表面電極32または表面電極30に接触される面を、絶縁性の部材によって予め被覆するようにし、間隔測定結果から該被覆膜の膜厚を減算することで、表面電極32と表面電極30との間隔を測定するようにすればよい。
また、支持部材40は、ガイド基板16の板面に対して直交する方向に延び且つ表面抵抗率測定部12の図示を省略する筐体に支持されたスライドシャフト52に挿通されている。一方、支持部材38は、スライドシャフト42に挿通されている。スライドシャフト42は、スライドシャフト52に長尺方向が平行となるように対向して設けられ、ガイド基板16の板面に対して直交する方向に延び且つ表面抵抗率測定部12の図示を省略する筐体に支持されている。
このため、スライドシャフト34及びスライドシャフト36各々によって支持された表面電極30及び表面電極32は、ガイド基板16面に対して近接する方向または離間する方向に摺動自在に構成されている。
具体的には、駆動モータ48がモータギア40Bを駆動すると、モータギア40Bによる駆動及びモータギア40Bに従動する従動ギア38Bの駆動によって、支持部材40及び支持部材38がガイド基板16面に近接する方向または離間する方向に摺動されることで、表面電極30及び表面電極32は、ガイド基板16面に近接する方向または離間する方向に移動される。
表面電極32のガイド基板16との対向面には、表面電極32のガイド基板16へ近接する方向へ加える荷重を測定すると共に、表面電極32及び表面電極30がガイド基板16上に載置された測定対象フィルム14表面に当接されたことを検知するための圧力センサ56が設けられている。圧力センサ56は、制御部28に信号授受可能に接続されている。
支持部材40及び支持部材38が、駆動モータ48の駆動によって、ガイド基板16へ近接する方向へと摺動されるに伴い、支持部材40及び支持部材38に支持されたスライドシャフト34及びスライドシャフト36に支持された表面電極30及び表面電極32各々のガイド基板16との対向面各々が、ガイド基板16上に載置された測定対象フィルム14の表面に当接されると、表面電極30及び表面電極32が測定対象フィルム14表面に当接されたことを示すと共に、測定対象フィルム14表面方向への荷重を示す信号が制御部28へ出力される。
制御部28では、圧力センサ56から入力される信号に基づいて、所定の荷重で表面電極30及び表面電極32が測定対象フィルム14表面に当接されるように、モータギア40Bを駆動制御することで、所定の荷重で表面電極30及び表面電極32が測定対象フィルム14表面に当接されるように制御することができる。
表面電極30及び表面電極32は、各々電圧印加部20に電気的に接続されている。電圧印加部20から制御部28から入力された電圧値を示す信号が入力されると、電圧印加部20は、制御部28から入力された信号に応じた電圧値の電圧を表面電極30及び表面電極32に印加する。表面電極32と電圧印加部20との間には、測定対象フィルム14表面に当接された表面電極30及び表面電極32に電圧が印加されたときに表面電極30と表面電極32との間に流れる電流の電流値を測定するための電流測定部58が設けられている。電流測定部58は、制御部28に信号授受可能に接続されており、電流値測定結果を制御部28に出力可能に構成されている。
ガイド基板16は、導体によって構成された裏面電極16Aと導電性部材16Bとによって構成されている。ガイド基板16は、表面電極30及び表面電極32に対向可能な領域に対応する領域は、裏面電極16Aによって構成され、膜厚測定部18に対向する領域は、導電性部材16Bによって構成されている。
電圧印加部20から表面電極32へ電圧を印加する信号線と、裏面電極16Aとは、信号線によって接続されており、表面電極32と、裏面電極16Aを等電位とすることが可能に構成されている。このため、表面電極32と表面電極30とに電圧が印加されたときに、測定対象フィルム14の厚み方向の抵抗値を含めず、該表面電極32と表面電極30との間に流れる電流の電流値を、精度良く測定可能に構成されている。
膜厚測定部18は、ガイド基板16上に載置された測定対象フィルム14の膜厚を測定する。膜厚測定部18としては、マイクロメータ、ダイヤルゲージ、リニアゲージ、超音波式膜厚測定器、及び渦電流式膜厚測定器等を用いることができる。
なお、本実施の形態では、表面抵抗率測定装置10は、膜厚測定部18を備えるものとして説明するが、膜厚測定部18を別体として設けるようにしてもよい。この場合には、ガイド基板16を、裏面電極16Aのみによって構成するようにすればよい。
入力部24は、表面抵抗の測定対象となる測定対象フィルム14の膜厚を示す情報や、各種情報を取得する。入力部24としては、各種情報を表面抵抗率測定装置10に入力するときにユーザによって操作されるためのキーボードやタッチパネル等の操作部、及び外部装置に無線や有線でネットワーク等の通信網を介して接続することによって外部装置から各種情報を取得するための通信ポート等の通信部等がある。
出力部26は、表面抵抗率測定装置10によって測定された表面抵抗率を示す情報を含む各種情報を、表面抵抗率測定装置10外部へ出力する。出力部26の一例には、LCDやCRT等の表示装置、プリンタ等の印刷装置、及び外部装置に無線や有線でネットワーク等の通信網を介して接続することによって外部装置へ各種情報を送信するための通信装置等がある。
次に、制御部28で実行される処理を説明する。
なお、図2に示す処理ルーチンが実行される前に、ガイド基板16上に測定対象となる測定対象フィルム14が載置されるとともに、ガイド基板16と表面抵抗率測定部12によって挟持された状態にあるものとして説明する。
制御部28では、図示を省略する電源スイッチがユーザによって操作されることにより、表面抵抗率測定装置10の装置各部に電力が供給された後に、入力部24から表面抵抗測定指示を示す指示信号が入力されると、図2に示す処理ルーチンが実行されてステップ100へ進む。
ステップ100では、膜厚測定部18に膜厚測定指示信号を出力する。膜厚測定指示信号が入力されると、膜厚測定部18は、ガイド基板16上に載置された測定対象フィルム14の膜厚を測定し、測定結果を制御部28へ出力する。
なお、本実施の形態では、表面抵抗率測定装置10が膜厚測定部18を備え、膜厚測定部18によって測定対象フィルム14の膜厚測定を行うものとして説明するが、入力部24から測定対象となる測定対象フィルム14の膜厚を示す情報を入力するようにしてもよい。この場合には、表面抵抗率測定装置10による測定対象フィルム14の表面抵抗測定前に、該測定対象フィルム14の膜厚を、外部装置によって測定し、測定結果がユーザによって入力部24を介して入力されるようにすればよい。
次のステップ102では、上記ステップ100の処理によって膜厚測定部18によって測定された、測定対象となる測定対象フィルム14の膜厚測定結果を読み取る。
次のステップ104では、表面電極30及び表面電極32の間隔調整指示を示す信号を駆動モータ48に出力する。
ステップ104の処理によって、表面電極30及び表面電極32の間隔調整指示を示す信号が入力されると、駆動モータ48は、駆動ギア40Aを駆動する。駆動ギア40Aが駆動されると、駆動ギア40Aと従動ギア38Aの駆動によって、ベルト50の対向するベルト領域50A及びベルト領域50Bが互いに反対方向に移動され、この移動に伴い表面電極30及び表面電極32が、互いに離間する方向または近接する方向へと移動する。
次のステップ106では、上記ステップ102で読み取った膜厚測定結果と同一の間隔となるように表面電極30及び表面電極32の間隔が調整されたか否かを判別し、否定されると上記ステップ104に戻り、肯定されるとステップ108へ進む。
上記ステップ106の判断は、ギャップセンサ54からの入力信号に基づいて算出した表面電極30及び表面電極32との間隔が、上記ステップ102で読み取った膜厚測定結果と等しいか否かを判別することによって判断可能である。
上記ステップ100乃至ステップ106の処理が実行されることによって、測定対象となる測定対象フィルム14の膜厚と同一間隔となるように、表面電極30と表面電極32との間隔が調整される。
次のステップ108では、表面電極30及び表面電極32の、ガイド基板16との対向面が、ガイド基板16上に載置された測定対象フィルム14の載置方向へ近接される方向へ移動されるように、表面電極30及び表面電極32のガイド基板16への近接方向移動指示を示す信号を駆動モータ48に出力する。
駆動モータ48は、近接方向移動指示を示す信号が入力されると、モータギア40Bを駆動し、モータギア40B及び従動ギア38Bの駆動によって、支持部材40及び支持部材38がガイド基板16面に近接する方向に摺動されて、表面電極30及び表面電極32の、ガイド基板16面に近接する方向への移動が開始される。
次のステップ110では、所定荷重で表面電極30及び表面電極32が測定対象フィルム14上に当接されたか否かを判別し、否定されると上記ステップ108へ戻り、肯定されるとステップ112へ進む。
ステップ110の判断は、圧力センサ56から入力される、測定対象フィルム14表面方向への荷重を示す信号に基づいて判別することができる。また、上記ステップ110における所定荷重は、測定対象となる測定対象フィルム14への表面抵抗を測定する条件としてユーザにより任意に設定可能である。
この所定荷重を示す情報は、本処理ルーチンの実行前にユーザによる入力部24の操作指示によって入力されるようにし、入力部24から入力された所定荷重を示す情報を、制御部28内の図示を省略するメモリに記憶するようにし、ステップ110の判断時に該メモリから読み取るようにすればよい。
このようにすれば、任意の荷重で表面電極30及び表面電極32を、ガイド基板16上に載置された測定対象フィルム14上に接触させることができる。
次のステップ112では、測定対象フィルム14の膜厚と同一間隔となるように調整され、且つ所定荷重で測定対象フィルム14表面に当接された表面電極30及び表面電極32に、所定の電圧値の電圧を印加するための電圧印加指示を電圧印加部20に出力する。
電圧印加指示が入力されると、電圧印加部20では、制御部28から入力された電圧値の電圧を表面電極30及び表面電極32に出力する。
この電圧印加部20に入力される電圧値は、表面抵抗を測定する条件としてユーザにより任意に設定可能である。この電圧値は、例えば、本処理ルーチンの実行前にユーザによる入力部24の操作指示によって入力されるようにし、入力部24から入力された電圧値を示す情報を、制御部28内の図示を省略するメモリに記憶するようにし、ステップ112の処理時に該メモリから読み取って電圧印加部20に出力するようにすればよい。
次のステップ114では、電流測定部58によって測定された電流値を読み取ることによって、表面電極30及び表面電極32に電圧を印加したときに表面電極30及び表面電極32に流れた電流の電流値を読み取る。
次のステップ116では、表面電極30と表面電極32との間隔と、上記ステップ114で読み取った電流値と、上記ステップ112で表面電極30及び表面電極32に印加した電圧の電圧値と、に基づいて、表面抵抗測定対象となる測定対象フィルム14の表面抵抗率を算出する。
表面抵抗の算出は、下記式に基づいて算出することができる。
表面電極30及び表面電極32の長さをl(互いに平行であり同じ長さとした場合)、電極間の間隔dとした場合、表面抵抗補正係数(RCF)は、l/dで与えられる。
印加電圧をV、測定電流をiとすれば、表面抵抗率ρsは、以下の式(1)で与えられる。
[式]
ρs=RCF×V/i 式(1)
次のステップ118では、上記ステップ116で算出した表面抵抗率を出力部26に出力し、表面電極30及び表面電極32を測定対象フィルム14へ当接された状態から離間された位置へと移動するように、駆動モーラ48を制御した後に、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本発明の表面抵抗率測定装置10によれば、測定対象となる測定部材としての測定対象フィルム14の膜厚と同一の間隔となるように表面電極30及び表面電極32の間隔を調整し、表面電極30及び表面電極32に所定電圧値の電圧を印加したときに表面電極30と表面電極32との間に流れる電流の電流値と、表面電極30及び表面電極32に印加した電圧の電圧値と、表面電極30と表面電極32との間隔と、に基づいて、表面抵抗率を算出する。
このため、膜厚が所定値以下の薄膜であり、且つ体積抵抗率が所定値以上の高抵抗率であるような測定対象部材に表面抵抗率を測定するときに、測定対象部材の表面方向の電位勾配を体積方向すなわち膜厚方向への電位勾配より大きく且つ膜厚によらず一定にすることができ、表面抵抗率の測定結果に体積抵抗率の成分が含まれることを抑制し、一定にすることができる。
従って、精度良く測定対象部材の表面抵抗率を測定することができる。
また、本発明の表面抵抗率測定装置10は、表面抵抗率の測定においては、従来技術のような、測定対象部材としての測定対象フィルム14に対して同一面側に当接される表面電極間の距離が固定であり、測定対象フィルム14の厚みが薄くなるほど、測定対象フィルム14の厚み方向に形成される電位勾配が測定対象フィルム14の表面に当接された電極間に形成される電位勾配に比べて大きくなり、同一面側に当接された電極間に流れる電流の測定値にノイズが含まれやすくなる点を、改善することができる。
このため、本発明の表面抵抗率測定装置10は、測定対象となる測定対象フィルム14の体積抵抗率が1011Ω・cm以上の高抵抗率であり、また膜厚が200μm以下、好ましくは150μm以下の測定対象部材の表面抵抗測定における測定を効果的に精度良く行うことができる。
なお、本実施の形態では、測定対象部材の膜厚と同一の間隔となるように、表面電極30及び表面電極32の間隔を調整する場合を説明したが、誤差の範囲であるとの観点から、膜厚に対して±10%の範囲内であれば良く、±5%の範囲内であることが更に好ましい。
また、本実施の形態では、測定対象部材の膜厚を1点のみ測定した測定結果を、測定対象部材の膜厚であるものとして説明したが、測定対象部材の膜厚が均一ではない場合も考えられることから、測定対象部材について複数地点の膜厚を測定した測定結果の平均値を測定対象部材の膜厚とするようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、表面電極30及び表面電極32は、ピン状である場合を説明したが、JIS K6911に準拠された2重リング方式に示されるようなリング状であってもよい。このような場合には、表面電極30及び表面電極32として、所定の径を有する円柱状電極と、この円柱状電極を所定間隔あけて囲むように設けられた円筒状のリング状電極と、を備えるようにすればよい。表面電極30及び表面電極32がこのような2重リングとして設けられる場合には、内側に設けられた円柱状電極の外表面と、外側に設けられた円筒状リング状電極の内表面との間隔を、測定対象フィルム14の膜厚と同一となるように調整するようにすればよい。
具体的には、円筒状リング状電極の径を可変となるように構成すると共に、この円筒状リング状電極の径を可変となるように調整するための調整機構を駆動するための駆動機構を、制御部28に信号授受可能となるように接続し、制御部28の制御によって円筒状リング状電極の径を調整することにより、円筒状リング状電極の内表面と円柱状電極の外表面との間隔を、測定対象となる測定部材の膜厚と略同一となるように調整すればよい。
このように構成すれば、JIS K6911に準拠された方式を用いた場合においても、電極間の距離を測定対象となる測定対象部材の膜厚と同一となるように調整することができ、精度良く表面抵抗率を測定することができる。
なお、本実施の形態では、一対の表面電極30及び表面電極32間の間隔を、ギャップセンサ54によって測定された間隔測定結果に基づいて調整する場合を説明したが、図3に示すように、予め測定対象となる測定対象部材の膜厚と略等しくなるように径の異なる複数種のワイヤを予め用意し、表面電極30及び表面電極32間に測定された膜厚に略等しいワイヤ33を選択して表面電極30及び表面電極32間に挟持させることによって調整するようにしてもよい。
この場合には、表面電極30及び表面電極32のワイヤ33を挟持する位置に対応する領域30A及び領域32A各々を、予め絶縁性の材料によって構成する、または絶縁性の薄膜によって予め被覆するようにすればよい。
また、本実施の形態では、一対の表面電極30及び表面電極32間の間隔を、ギャップセンサ54によって測定された間隔測定結果に基づいて調整する場合を説明したが、予め測定対象となる測定対象部材の膜厚に対応して、異なる膜厚の絶縁性部材を複数用意し、表面電極30及び表面電極32の表面に設けるようにしてもよい。
このような場合には、図4に示すように、立方体の表面電極30の1つの面に、この面を構成する少なくとも1辺を含む領域30B以外の領域を覆うように所定の厚みの板状の絶縁性部材35を設けるようにする。図5(A)に示すように、表面電極30と表面電極32とを絶縁性部材35を挟持するように配置すると、絶縁性部材35の厚みに応じた間隔となるように、表面電極30と表面電極32との間隔が調整される。
また、図4に示すように、立方体の表面電極32の一つの面に、この面を構成する少なくとも一辺を含む領域32B以外の領域を覆うように、絶縁性部材35とは厚みの異なる絶縁性の板状の絶縁性部材37を設けるようにする。図5(B)に示すように、表面電極30と表面電極32とを絶縁性部材37を挟持するように配置すると、絶縁性部材37の厚みに応じた間隔となるように、表面電極30と表面電極32との間隔が調整される。
この表面電極30と表面電極32との間に挟持する絶縁性部材の厚みを調整するためには、例えば、表面電極30を、回転軸30Cを中心軸として回転可能に設けると共に、表面電極32を、回転軸32Cを中心軸として回転可能に設け、これらの回転軸30C及び回転軸32C各々を、図示を省略するギアを介して駆動モータ48に接続するようにすればよい。そして、制御部28では、回転軸30C及び回転軸32C各々の回転量に対応して、表面電極30と表面電極32との間に挟持される絶縁性部材の厚みを予め記憶し、駆動モータ48を駆動することによって、膜厚測定部18で測定された膜厚測定結果と同一の絶縁性部材を介して表面電極30及び表面電極32が当接されるように制御するようにすればよい。
以下に、本発明の表面抵抗率測定装置10を用いて、測定対象部材として、膜厚の異なる2種類の測定対象部材(サンプルA、サンプルB)について、電極の間隔を変化させて表面抵抗率を測定した試験例を示す。
[試験例]
<測定対象部材>
・ サンプルA(富士ゼロックス(株)製 ColorDocuTech60用中間転写ベルト)
:体積抵抗率1.26×1012Ω・cm、膜厚83.9μm
・ サンプルB(富士ゼロックス(株)製 DocuCentreC6550I用中間転写ベルト)
:体積抵抗率1.37×1011Ω・cm、膜厚81.2μm
なお、上記体積抵抗率は、22℃55%RHの環境下において、微小電流計(アドバンテスト社製R8340A)に図6に示す三菱化学社製URプローブ100を接続し、円柱状電極102と、円柱状電極の外側を所定間隔隔てて囲むリング状電極104と、の電極間に電圧100Vを印加してから10sec後の電流の電流値を測定し、下記式(2)により算出した。
[式]
ρv=R×RCF(V)×(1/t) 式(2)
なお、上記式(2)中、ρvは、体積抵抗率(Ω・cm)を示し、tは、測定対象となる中間転写ベルトの膜厚を示し、Rは抵抗(印加電圧の電圧値/電流値測定結果)を示している。また、RCF(V)は、体積抵抗率計算係数を示している。
なお、上記式(2)中、RCF(V)は、微小電流計固有の値であり、本試験例で用いた三菱化学社製URプローブ100では、2.011であった。
また、測定対象部材の膜厚は、FISCHER社製フィッシャースコープMMSを用いて測定した値である。本試験例では、上記図2に示す処理ルーチン実行時には、膜厚測定結果を入力部24から入力された膜厚測定結果を示す情報に基づいて読み取った。
(実施試験例1)
シート状の、2種類の測定対象部材としてのサンプルA及びサンプルBについて、本発明の表面抵抗率測定部12において、表面電極30と表面電極32との間隔を、サンプルA及びサンプルB各々の膜厚と略同一の80μmとなるように調整して本発明の表面抵抗率測定装置10により表面抵抗率を5回測定し、表面抵抗率の常用対数値の平均値と、5回測定値の表面抵抗率の常用対数値のばらつきを求めた。
なお、表面抵抗率は、下記式に基づいて算出した。
表面抵抗率測定装置の表面電極30及び32の長さを5cmとして、印加電圧は100Vとした。測定は、電極間に流れる電流を測定した。測定電流値I及びサンプル膜厚dから、表面抵抗率ρsは、
[式]
ρs = 100(v)×5(cm)/(d(cm)×I(A)) 式(3)として計算した。
また、表面抵抗率の常用対数値は、ρsの常用対数値、つまりLog(ρs)として算出した。
結果を表1に示す。
(比較試験例1)
サンプルA及びサンプルBについて、本発明の表面抵抗率測定部12において、表面電極30と表面電極32との間隔を、160μmとなるように調整して、本発明の表面抵抗率測定装置10を用いて表面抵抗率を5回測定し、表面抵抗率の常用対数値の平均値と、5回測定値の表面抵抗率の常用対数値のばらつきを求めた。なお、表面抵抗率及び表面抵抗率の常用対数値の算出は、実施試験例1で用いた式と同一の式を用いて算出した。結果を表1に示す。
(比較試験例2)
サンプルA及びサンプルBについて、三菱化学社製URプローブ100(円柱状電極102と、円柱状電極の外側を所定間隔隔てて囲むリング状電極104と、の電極の間隔7mm)を用いて、表面抵抗率を5回測定し、表面抵抗率の常用対数値の平均値と、5回測定値の表面抵抗率の常用対数値のばらつきを求めた。なお、表面抵抗率及び表面抵抗率の常用対数値の算出は、下記式を用いて算出した。
印加電圧100V、測定電流値をI、またURプローブの表面抵抗率補正係数(RCF)は10を用いて、表面抵抗率ρsを計算した。
ρs = 10×100/I、また表面抵抗率の常用対数値算出は、ρsの常用対数(Log(ρs))として求めた。
結果を表1に示す。
Figure 2007147360

表1に示すように、表面抵抗率を測定するときに測定対象部材に当接される電極間の間隔と、測定対象部材の膜厚と、が略同一の場合(実施試験例1)には、電極間の間隔と、測定対象部材の膜厚とが測定誤差の範囲を超える範囲で異なる場合(比較試験例2)に比べて表面抵抗率の測定結果にばらつきが少ない。また、比較試験例3に示すように、電極間の間隔に比べて、測定対象部材の膜厚が所定値以上大きくなると、表面抵抗値の測定が不可能となった。
(実施試験例2)
実施試験例1で用いたサンプルBについて、22cm×15cmの大きさで用意し、一方の面についてコロトロン(タングステンワイア0.03mm、印加電圧10KV)によりコロナ放電を繰り返して、該一方の面に放電生成物を付着させた。
放電生成物は、高温高湿環境下となるほど測定対象物の表面抵抗値を低下させることから、28℃85%RHの環境下において、表面抵抗率の測定を行った。
このように一方の表面に放電生成物が付着されたサンプルBについて、本発明の表面抵抗率測定部12において、表面電極30と表面電極32との間隔を、サンプルBの膜厚と略同一の80μmとなるように調整して、放電生成物が付着された面(以下、裏面という)及び、放電生成物の非付着の面(以下、表面という)各々について、表面抵抗率を3回測定し、表面抵抗率の常用対数値の平均値と、3回測定値の表面抵抗率の常用対数値のばらつきを求めた。結果を表2、表3に示す。
なお、表面抵抗率及び表面抵抗率の常用対数値は、上記実施試験例1で用いた式(3)を用いて算出した。
(比較試験例3)
実施試験例1で用いたサンプルBについて、22cm×15cmの大きさで用意し、一方の面についてコロトロン(タングステンワイア0.03mm、印加電圧10KV)によりコロナ放電を繰り返して、該一方の面に放電生成物を付着させた。
放電生成物は、高温高湿環境下となるほど測定対象物の表面抵抗値を低下させることから、28℃85%RHの環境下において、表面抵抗率の測定を行った。
このように一方の表面に放電生成物が付着されたサンプルBについて、本発明の表面抵抗率測定部12において、表面電極30と表面電極32との間隔を、46μmとなるように調整して、放電生成物が付着された面(以下、裏面という)及び、放電生成物の非付着の面(以下、表面という)各々について、表面抵抗率を3回測定し、表面抵抗率の常用対数値の平均値と、3回測定値の表面抵抗率の常用対数値のばらつきを求めた。
なお、表面抵抗率及び表面抵抗率の常用対数値は、上記実施試験例1で用いた式(3)を用いて算出した。結果を表4、表5に示す。
Figure 2007147360

Figure 2007147360

Figure 2007147360

Figure 2007147360

実施試験例2及び比較試験例3で用いたサンプルBでは、一方の面に表面抵抗が低下されるように放電生成物が付着され、且つ表面抵抗の低下が顕著に表れやすい高温高湿下で表面抵抗を測定したことから、表面と裏面の表面抵抗は異なり、且つ裏面に比べて表面の表面抵抗が高くなるような表面抵抗率の測定結果が得られるはずである。
実際の測定結果は、表2〜表5に示されるように、サンプルBの膜厚に略等しい電極の間隔で表面抵抗及び表面抵抗率を測定した実施試験例2では、表2及び表3に示すように、裏面と表面との表面抵抗の差は1.3桁であるのに対し、サンプルBの膜厚の略半分の電極の間隔で表面抵抗及び表面抵抗率を測定した比較試験例3では、表4及び表5に示すように、裏面と表面との表面抵抗の差は0.9桁であった。これは、サンプルBの膜厚と略同一ではなく、略半分の電極の間隔で表面抵抗を測定したため、表面抵抗の測定結果に体積抵抗の成分が含まれたためと考えられる。
本発明の表面抵抗率測定装置を示す模式図である。 本発明の表面抵抗測定装置において実行される処理を示すフローチャートである。 電極の間隔の調整方法の一例を示す模式図である。 電極の間隔の調整方法の一例を示す模式図である。 電極の間隔の調整方法の一例を示す模式図であり、(A)及び(B)は各々異なる電極の間隔となるように調整するための方法を示す模式図である。 従来の電極の間隔が固定の表面抵抗測定プローブを示す模式図である。
符号の説明
10 表面抵抗率測定装置
12 表面抵抗率測定部
14 測定対象フィルム
16 ガイド基板
20 電圧印加部
28 制御部
30 表面電極
32 表面電極
48 駆動モータ
58 電流測定部

Claims (2)

  1. 一対の表面電極と、裏面電極と、によって挟持されたシート状の測定対象部材の表面抵抗率を測定する表面抵抗率測定装置であって、
    前記一対の表面電極の間隔を調整する調整手段と、
    前記測定対象部材の膜厚を取得する取得手段と、
    前記一対の表面電極の間隔が前記取得手段によって取得された膜厚に略等しい間隔となるように前記調整手段を制御する間隔調整手段と、
    前記間隔調整手段によって前記測定対象部材の膜厚に略等しい間隔となるように間隔を調整された前記一対の表面電極に所定電圧値の電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記電圧印加手段によって前記一対の表面電極に電圧が印加されたときに前記一対の表面電極間に流れる電流の電流値を測定する電流値測定手段と、
    前記電流値測定手段による測定結果と、前記電圧印加手段によって前記一対の表面電極に印加した電圧の前記所定電圧値と、前記間隔調整手段によって表面電極の間隔が調整された前記一対の表面電極の間隔と、に基づいて、前記測定対象部材の表面抵抗率を測定する測定手段と、
    を備えた表面抵抗率測定装置。
  2. 一対の表面電極と、裏面電極と、によって挟持されたシート状の測定対象部材の表面抵抗率を測定する表面抵抗率測定方法であって、
    前記測定対象部材の膜厚を取得し、
    前記取得した膜厚に略等しい間隔となるように前記一対の表面電極の間隔を調整し、
    間隔を調整された前記一対の表面電極に所定電圧値の電圧を印加したときに前記一対の表面電極間に流れる電流の電流値を測定し、
    調整した前記一対の表面電極の間隔と、前記所定電圧値と、測定した前記電流値と、に基づいて、前記測定対象部材の表面抵抗率を測定する、
    表面抵抗率測定方法。
JP2005340094A 2005-11-25 2005-11-25 表面抵抗率測定装置及び表面抵抗率測定方法 Pending JP2007147360A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005340094A JP2007147360A (ja) 2005-11-25 2005-11-25 表面抵抗率測定装置及び表面抵抗率測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005340094A JP2007147360A (ja) 2005-11-25 2005-11-25 表面抵抗率測定装置及び表面抵抗率測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007147360A true JP2007147360A (ja) 2007-06-14

Family

ID=38208943

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005340094A Pending JP2007147360A (ja) 2005-11-25 2005-11-25 表面抵抗率測定装置及び表面抵抗率測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007147360A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013036768A (ja) * 2011-08-04 2013-02-21 Nissan Motor Co Ltd 電極シートの検査装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013036768A (ja) * 2011-08-04 2013-02-21 Nissan Motor Co Ltd 電極シートの検査装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6549006B2 (en) Eddy current measurements of thin-film metal coatings using a selectable calibration standard
US7550979B2 (en) System and method for measuring conductivity of fluid
JP2010524520A5 (ja)
Brinkmann et al. Primary methods for the measurement of electrolytic conductivity
JP7280956B2 (ja) 容量性高さセンシング測定値を較正するプローブシステム及び方法
EP3752790B1 (en) Metrology device with automated compensation and/or alert for orientation errors
US5416411A (en) System and method for measuring the thickness of a ferromagnetic layer
EP2754993B1 (en) Instrument and method for measuring coating thickness
JP2007147360A (ja) 表面抵抗率測定装置及び表面抵抗率測定方法
JP2007113980A (ja) 非接触式膜厚計
JP4873689B2 (ja) 表面電位計および表面電位測定方法
US3869802A (en) Gauging apparatus
JP5752001B2 (ja) タッチパネル検査装置
JPH0285770A (ja) 平行板誘電分析装置
JP4007484B2 (ja) 抵抗率測定方法及び固有抵抗率計
KR101817041B1 (ko) 연료탱크의 연료량 검출용 저항센서의 트리밍 방법
JPH10307117A (ja) 亀裂測定装置
JP4391966B2 (ja) 被測定物表面の形状測定方法及び被測定物表面の形状測定装置
Breuel et al. Experiences with novel secondary conductivity sensors within the German calibration service (DKD)
JPH0353111A (ja) 測定装置
JP2012137473A (ja) 粗さ測定装置
JP2010147436A (ja) 4探針抵抗率測定装置
KR100968896B1 (ko) 복소 전기용량 측정 장치
KR101867783B1 (ko) 연료탱크의 연료량 검출용 저항센서의 트리밍 방법
JP2007078426A (ja) 膜厚測定装置