JP2007145800A - ニトロ化合物の製造方法及びその製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高温高圧水(温度300℃、圧力20MPa以上)を反応媒体とする反応系において、有機基質とニトロ化剤の反応により有機ニトロ化合物を合成することを特徴とする有機ニトロ化合物の製造方法、及びその製造装置。
【効果】大量の硝酸等の無機酸を必要としない、操作上の危険性、耐酸設備、発熱反応の制御、廃酸、排水の浄化処理等の問題がない有機ニトロ化合物の新しい生産技術を提供できる。
【選択図】図2
Description
(1)高温高圧水を反応媒体とする反応系を用いて、有機基質とニトロ化剤の反応により有機ニトロ化合物を合成することを特徴とする有機ニトロ化合物の製造方法。
(2)反応媒体が、300℃以上、20MPa以上の高温高圧水である前記(1)に記載の有機ニトロ化合物の製造方法。
(3)反応媒体が、亜臨界水ないし超臨界水である前記(1)に記載の有機ニトロ化合物の製造方法。
(4)有機基質から、1段の反応プロセスで有機ニトロ化合物を合成する前記(1)に記載の有機ニトロ化合物の製造方法。
(5)有機基質から、連続プロセスで有機ニトロ化合物を合成する前記(1)に記載の有機ニトロ化合物の製造方法。
(6)有機基質が、脂肪族化合物、芳香族化合物、又は複素環式化合物である前記(1)に記載の有機ニトロ化合物の製造方法。
(7)有機基質が、脂肪族炭化水素、脂肪族アルコール、芳香族炭化水素、多環式芳香族化合物、又は含窒素芳香族である前記(6)に記載の有機ニトロ化合物の製造方法。
(8)ニトロ化剤が、硝酸、硝酸アンモニウム、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、又は硝酸カルシウムである前記(1)に記載の有機ニトロ化合物の製造方法。
(9)反応系の組成、温度、圧力、及び/又は時間を調整して、目的化合物の選択率、転換率、及び/又は収率を制御する前記(1)に記載の有機ニトロ化合物の製造方法。
(10)高温高圧水を反応媒体とする反応系を用いて有機ニトロ化合物を合成するための装置であって、反応器と、高温高圧水供給手段、有機基質供給手段、ニトロ化剤供給手段と、これらの各手段から、高温高圧水、有機基質、及びニトロ化剤を上記反応器に供給するための高温高圧流路とを具備し、上記反応器内において、有機基質とニトロ化剤から高温高圧水を反応媒体とする反応系を用いて有機ニトロ化合物を合成するようにしたことを特徴とする有機ニトロ化合物の製造装置。
(11)反応媒体が、温度300℃以上、圧力20MPa以上の高温高圧水である前記(10)に記載の有機ニトロ化合物の製造装置。
(12)反応媒体が、亜臨界水ないし超臨界水である前記(10)に記載の有機ニトロ化合物の製造装置。
(13)連続操作手段を具備した連続製造装置である前記(10)に記載の有機ニトロ化合物の製造装置。
本発明は、高温高圧水を反応媒体とする反応系を用いて、有機基質とニトロ化剤の反応により有機ニトロ化合物を合成する有機ニトロ化合物の製造方法、及びその製造装置の点に特徴を有するものである。本発明は、有機ニトロ化合物を、一段の反応により、連続して、操作上の危険性がなく合成すること、医薬、農薬、染料、繊維、プラスチック等の有機工業製品の製造における原料又は中間体として有用な有機ニトロ化合物を安全に製造すること、が可能な新規な反応プロセスを提供するものである。
(1)高温高圧水の反応場に、有機基質とニトロ化剤を高速で圧入することによって、短時間で、しかも一段階で有機ニトロ化合物を製造することができる。
(2)製造工程での操作上の危険性、耐酸設備、発熱反応の制御等に問題を生じないニトロ化合物の製造方法、及びその製造装置を提供することができる。
(3)有機溶媒、反応触媒等の反応介在物が必要でないため、生成物に不純物が混入する恐れが少ない。
(4)反応時間が短いため、短時間で大量の有機ニトロ化合物を合成するのに適している。
(5)反応に選択性があり、目的とする化合物が純度良く得られる。
(6)反応媒体が水であるため、反応生成物の取り扱いが容易であり、また、反応媒体から生成物を容易に分離できる。
(7)反応媒体として水を使用し、有機溶媒、触媒等を使用しなくても良いため、製造工程から廃酸等の廃物、廃液の排出が少なく、それらの処理が不要となり、環境問題との調和が良好で、生産コストを軽減化することが可能性な有機ニトロ化合物の製造方法及びその製造装置を提供することができる。
(8)本発明の有機ニトロ化合物の合成法により、従来法に代替し得るニトロ化合物の新しい生産技術を提供できる。
本実施例では、有機基質としてトルエンを、また、ニトロ化剤として硝酸を用いて、これらの反応によりピクリン酸を製造した。反応式を化1に示す。
製造装置として、図1に示される連続式の有機ニトロ化合物の製造装置を使用した。高温高圧水による反応条件は、反応温度375℃、反応圧力40MPaの超臨界状態とした。反応管は、総体積0.105cm3、内径0.5mm、長さ50cmの管により構成した。原料のトルエン及び硝酸は、市販の特級試薬を使用し、高温高圧水には、脱イオン、脱酸素処理した純水を使用した。
高圧ポンプAで超臨界水を5ml/minで供給しつつ、目的条件である375℃/40MPaになるように、圧力は排圧弁で、温度は超臨界水供給装置と恒温装置でコントロールした。高圧ポンプBは、基質のトルエンを1ml/minで供給し、高圧ポンプCより希硝酸(3N)を2ml/minで導入した。高圧ポンプDとEを設け、それぞれを洗浄用と緊急冷却用の冷水供給ポンプとした。
本実施例で得た反応溶出液の有機溶媒部をGC−MSにより分析して、反応生成物を確認した。分析装置としては、HP5973MS&6890GC Systemを使用した。分離カラムとして、HP19091B−112 Ultra25% Phenyl Methyl Siloxane 25m 320nm 0.52nmを使用し、流速0.8ml/min、温度100〜280℃(4℃/min)の条件で分析した。その分析結果のクロマトグラムを図2に示す。これより主成分としてピクリン酸が大量に生成し、僅かにジニトロフェノールが生成していることが分かった。
基質:トルエン
ニトロ化試薬:硝酸
反応温度:376℃
反応圧力(密度):40MPa(606.4kg/m3)
反応時間:0.446秒(計算より)
流通式高温高圧水ニトロ化反応装置:実施例1で使用した装置と同じ。
反応器:外径1/16インチのインコネル625管の反応管、内径0.5mm、長さ500mm、容積は0.098cm3。
注入条件:水5ml/min、硝酸2ml/min(3N)、トルエン1ml/min。
1:保持時間2.46分にニトロベンゼン(1)のピークを観測した。そのピークはData Base Wiley275のライブラリー検索及び既知物質の分析結果より同定した。図7に、標準物質データとライブラリー検索による一致率97%のデータを示す。
基質:トルエン
ニトロ化試薬:硝酸
反応温度:300℃
反応圧力(密度):40MPa(764.4kg/m3)
反応時間:1.12秒(計算より)
流通式高温高圧水ニトロ化反応装置:実施例1で使用した装置と同じ。
反応器:外径1/16インチのインコネル625管にチタン内張の反応管、内径0.5mm 長さ1000mm、容積は0.196cm3。
注入条件:水5ml/min、硝酸2ml/min(3N)、トルエン1ml/min。
生成物の確認:GC−MS分析条件は実施例2と同じ。
ニトロベンゼン(1)、オルト(o)−ニトロトルエン(6)、メタ(m)−ニトロトルエン(7)、パラ(p)−ニトロトルエン(8)が生成された。オルト:メタ:パラの比率は約3:1:5であった。
基質:トルエン
ニトロ化試薬:硝酸
反応温度:350℃
反応圧力(密度):40MPa(671.9kg/m3)
反応時間:0.99秒(計算より)
流通式高温高圧水ニトロ化反応装置:実施例1で使用した装置に同じ。
反応器:外径1/16インチのインコネル625管にチタン内張の反応管、内径0.5mm、長さ1000mm、容積は0.196cm3。
注入条件:水5ml/min、硝酸2ml/min(3N)、トルエン1ml/min。
生成物の確認:GC−MS分析条件は実施例2と同じ。
ニトロベンゼン(1)、オルト(o)−ニトロトルエン(6)、メタ(m)−ニトロトルエン(7)、パラ(p)−ニトロトルエン(8)が生成された。そのピークはData Base Wiley275のライブラリー検索及び既知物質の分析結果より同定した(スペクトルデータ実施例2及び3を参照)。オルト:メタ:パラの比率は約2:1:6であった。
基質:トルエン
ニトロ化試薬:硝酸
反応温度:375℃
反応圧力(密度):40MPa(609.3kg/m3)
反応時間:0.90秒(計算より)
流通式高温高圧水ニトロ化反応装置:実施例1で使用した装置に同じ。
反応器:外径1/16インチのインコネル625管にチタン内張の反応管、内径0.5mm、長さ1000mm、容積は0.196cm3。
注入条件:水5ml/min、硝酸2ml/min(3N)、トルエン1ml/min。
生成物の確認:GC−MS分析条件は実施例2と同じ。
ニトロベンゼン(1)、オルト(o)−ニトロトルエン(6)、メタ(m)−ニトロトルエン(7)、パラ(p)−ニトロトルエン(8)が生成された。そのピークはData Base Wiley275のライブラリー検索及び既知物質の分析結果より同定した(スペクトルデータ実施例2及び3を参照)。オルト:メタ:パラの比率は350℃の場合とほぼ同じであった。
基質:ベンゼン
ニトロ化試薬:硝酸
反応温度:300℃
反応圧力(密度):40MPa(764.4kg/m3)
反応時間:1.12秒(計算より)
流通式高温高圧水ニトロ化反応装置:実施例1で使用した装置に同じ。
反応器:外径1/16インチのインコネル625管にチタン内張の反応管、内径0.5mm、長さ1000mm、容積は0.196cm3。
注入条件:水5ml/min、硝酸2ml/min(3N)、ベンゼン1ml/min。
生成物の確認:GC−MS分析条件は実施例2と同じ。
1:保持時間2.46分にニトロベンゼン(1)のピークを観測した。そのピークはData Base Wiley275のライブラリー検索及び既知物質の分析結果より同定した(スペクトルデータ実施例2を参照)。
7:生成されるニトロ化合物の約1/2はニトロベンゼンであった。
基質:ベンゼン
ニトロ化試薬:硝酸
反応温度:350℃
反応圧力(密度):40MPa(671.9kg/m3)
反応時間:0.99秒(計算より)
流通式高温高圧水ニトロ化反応装置:実施例1に使用した装置に同じ。
反応器:外径1/16インチのインコネル625管にチタン内張の反応管、内径0.5mm、長さ1000mm、容積は0.196cm3。
注入条件:水5ml/min、硝酸2ml/min(3N)、ベンゼン1ml/min。
生成物の確認:GC−MS分析条件は実施例2と同じ。
ニトロベンゼン(1)、オルト(o)−ジニトロベンゼン(2)、メタ(m)−ジニトロベンゼン(3)、パラ(p)−ジニトロベンゼン(4)が生成された。そのピークはData Base Wiley275のライブラリー検索及び既知物質の分析結果より同定した(スペクトルデータ実施例2及び6を参照)。オルト:メタ:パラの比率は350℃の場合とほぼ同じであった。1,3,5−トリニトロベンゼン(5)、2,4,6−トリニトロフェノール(ピクリン酸)(13)も同様に生成されるが、実施例6より多く分析された。この条件におけるニトロ化合物の生成物に占める量は約83%であり、ニトロベンゼンは生成物中の約70%に達した。
基質:ベンゼン
ニトロ化試薬:硝酸
反応温度:375℃
反応圧力(密度):40MPa(609.3kg/m3)
反応時間:0.90秒(計算より)
流通式高温高圧水ニトロ化反応装置:実施例1で使用した装置に同じ。
反応器:外径1/16インチのインコネル625管にチタン内張の反応管、内径0.5mm、長さ1000mm、容積は0.196cm3。
注入条件:水5ml/min、硝酸2ml/min(3N)、ベンゼン1ml/min。
生成物の確認:GC−MS分析条件は実施例2と同じ。
ニトロベンゼン(1)、オルト(o)−ジニトロベンゼン(2)、メタ(m)−ジニトロベンゼン(3)、パラ(p)−ジニトロベンゼン(4)が生成された。そのピークはData Base Wiley275のライブラリー検索及び既知物質の分析結果より同定した。(スペクトルデータ実施例2及び6を参照)。オルト:メタ:パラの比率は350℃の場合とほぼ同じであった。1,3,5−トリニトロベンゼン(5)、2,4,6−トリニトロフェノール(ピクリン酸)(13)も同様に生成されるが、実施例7より多く分析された。この条件におけるニトロ化合物の生成物に占める量は約91.4%であり、ニトロベンゼンは約61%であるが、2,4,6−トリニトロフェノール(ピクリン酸)は約15.5%に増大した。
基質:ピリジン
ニトロ化試薬:硝酸
反応温度:300℃
反応圧力(密度):40MPa(764.4kg/m3)
反応時間:1.12秒(計算より)
流通式高温高圧水ニトロ化反応装置:実施例1で使用した装置に同じ。
反応器:外径1/16インチのインコネル625管にチタン内張の反応管、内径0.5mm、長さ1000mm、容積は0.196cm3。
注入条件:水5ml/min、硝酸2ml/min(3N)、ピリジン1ml/min。
生成物の確認:GC−MS分析条件は実施例2と同じ。
1:保持時間2.54分に3−ニトロピリジン(15)(CAS Registry No.:002530−26−9)のピークを観測した。そのピークはData Base Wiley275のライブラリー検索及び既知物質の分析結果より同定した(図18)。
基質:ピリジン
ニトロ化試薬:硝酸
反応温度:350℃
反応圧力(密度):40MPa(671.9kg/m3)
反応時間:0.99秒(計算より)
流通式高温高圧水ニトロ化反応装置:実施例1で使用した装置と同じ。
反応器:外径1/16インチのインコネル625管にチタン内張の反応管、内径0.5mm、長さ1000mm、容積は0.196cm3。
注入条件:水5ml/min、硝酸2ml/min(3N)、ピリジン1ml/min。
生成物の確認:GC−MS分析条件は実施例2と同じ。
主なニトロ化合物は、同様に2−ニトロピリジン(14)、3−ニトロピリジン(15)が生成された。この条件におけるニトロ化合物の生成物に占める量は約33.1%であり、2−ニトロピリジン(14)は約18.7%であるが、3−ニトロピリジン(15)は約11%であった。
基質:ピリジン
ニトロ化試薬:硝酸
反応温度:375℃
反応圧力(密度):40MPa(609.3kg/m3)
反応時間:0.90秒(計算より)
流通式高温高圧水ニトロ化反応装置:実施例1で使用した装置と同じ。
反応器:外径1/16インチのインコネル625管にチタン内張の反応管、内径0.5mm、長さ1000mm、容積は0.196cm3。
注入条件:水5ml/min、硝酸2ml/min(3N)、ピリジン1ml/min。
生成物の確認:GC−MS分析条件は実施例2と同じ。
主なニトロ化合物は2−ニトロピリジン(14)、3−ニトロピリジン(15)が生成された。この条件におけるニトロ化合物の生成物に占める量は約73.9%であり、2−ニトロピリジン(14)は約45.7%であるが、3−ニトロピリジン(15)は約26.4%であった。
基質:n−ヘキサン
ニトロ化試薬:硝酸
反応温度:300℃
反応圧力(密度):40MPa(764.4kg/m3)
反応時間:1.12秒(計算より)
流通式高温高圧水ニトロ化反応装置:実施例1で使用した装置と同じ。
反応器:外径1/16インチのインコネル625管にチタン内張の反応管、内径0.5mm、長さ1000mm、容積は0.196cm3。
注入条件:水5ml/min、硝酸2ml/min(3N)、n−ヘキサン1ml/min。
生成物の確認:GC−MS分析条件は実施例2と同じ。
1:保持時間2.11分に1−ニトロヘキサン(16)(CAS Registry No.:646−14−0)のピークを観測した。そのピークはData Base Wiley275のライブラリー検索及び既知物質の分析結果より同定した(図20)。
(1)合成条件
基質:n−ヘキサン
ニトロ化試薬:硝酸
反応温度:350℃
反応圧力(密度):40MPa(671.9kg/m3)
反応時間:0.99秒(計算より)
流通式高温高圧水ニトロ化反応装置:実施例1で使用した装置と同じ。
反応器:外径1/16インチのインコネル625管にチタン内張の反応管、内径0.5mm、長さ1000mm、容積は0.196cm3。
注入条件:水5ml/min、硝酸2ml/min(3N)、n−ヘキサン1ml/min。
生成物の確認:GC−MS分析条件は実施例2と同じ。
1:同様に、保持時間2.11分に1−ニトロヘキサン(16)(CAS Registry No.:646−14−0)のピークを観測した。そのピークはData Base Wiley275のライブラリー検索及び既知物質の分析結果より同定した(スペクトルデータ実施例12を参照)。
(1)合成条件
基質:n−ヘキサン
ニトロ化試薬:硝酸
反応温度:375℃
反応圧力(密度):40MPa(609.3kg/m3)
反応時間:0.90秒(計算より)
流通式高温高圧水ニトロ化反応装置:実施例1で使用した装置と同じ。
反応器:外径1/16インチのインコネル625管にチタン内張の反応管、内径0.5mm、長さ1000mm、容積は0.196cm3。
注入条件:水5ml/min、硝酸2ml/min(3N)、n−ヘキサン1ml/min。
生成物の確認:GC−MS分析条件は実施例2と同じ。
1:同様に、保持時間2.11分に1−ニトロヘキサン(16)(CAS Registry No.:646−14−0)のピークを観測した。そのピークはData Base Wiley275のライブラリー検索及び既知物質の分析結果より同定した(スペクトルデータ実施例12を参照)。
基質:ベンゼン
ニトロ化試薬:硝酸アンモニウム
反応温度:375℃
反応圧力(密度):40MPa(609.3kg/m3)
反応時間:0.90秒(計算より)
流通式高温高圧水ニトロ化反応装置:実施例1で使用した装置に同じ。
反応器:外径1/16インチのインコネル625管にチタン内張の反応管、内径0.5mm、長さ1000mm、容積は0.196cm3。
注入条件:水5ml/min、硝酸アンモニウム2ml/min(20重量%水溶液)、ベンゼン1ml/min。
生成物の確認:GC−MS分析条件は実施例2と同じ。
1:同様に、保持時間2.46分にニトロベンゼン(1)のピークを観測した。そのピークはData Base Wiley275のライブラリー検索及び既知物質の分析結果より同定した(スペクトルデータ実施例2を参照)。
3:この条件での全生成物中のニトロ化物は約4%で有るが、窒素源となり得ることを示している。
基質:ベンゼン
ニトロ化試薬:硝酸ナトリウム
反応温度:375℃
反応圧力(密度):40MPa(609.3kg/m3)
反応時間:0.90秒(計算より)
流通式高温高圧水ニトロ化反応装置:実施例1で使用した装置と同じ。
反応器:外径1/16インチのインコネル625管にチタン内張の反応管、内径0.5mm、長さ1000mm、容積は0.196cm3。
注入条件:水5ml/min、硝酸ナトリウム2ml/min(20重量%水溶液)、ベンゼン1ml/min。
生成物の確認:GC−MS分析条件は実施例2と同じ。
1:保持時間6.59分に2−ニトロビフェニル(17)のピークを観測した。そのピークはData Base Wiley275のライブラリー検索より同定した。図24に、一致率97%のデータを示す。
基質:ベンゼン
ニトロ化試薬:亜硝酸ナトリウム
反応温度:375℃
反応圧力(密度):40MPa(609.3kg/m3)
反応時間:0.90秒(計算より)
流通式高温高圧水ニトロ化反応装置:実施例1で使用した装置と同じ。
反応器:外径1/16インチのインコネル625管にチタン内張の反応管、内径0.5mm、長さ1000mm、容積は0.196cm3。
注入条件:水5ml/min、亜硝酸ナトリウム2ml/min(20重量%水溶液)、ベンゼン1ml/min。
生成物の確認:GC−MS分析条件は実施例2と同じ。
1:保持時間6.59、7.33、及び7.45分にそれぞれ2−ニトロビフェニル(17)、3−ニトロビフェニル(18)、及び4−ニトロビフェニル(19)のピークを観測した。そのピークはData Base Wiley275のライブラリー検索より同定した(スペクトルデータ実施例16を参照)。
1:高圧ポンプ
2:背圧弁
3:天秤
4:超臨界水供給装置
5:恒温装置
6:熱電対
7:反応管
8:圧力計及び安全弁
9:接続ユニット
10:冷却装置
A:臨界水供給ポンプ
B:トルエン供給ポンプ
C:硝酸供給ポンプ
D:洗浄用水供給ポンプ
E:緊急冷却用冷水供給ポンプ
Claims (13)
- 高温高圧水を反応媒体とする反応系を用いて、有機基質とニトロ化剤の反応により有機ニトロ化合物を合成することを特徴とする有機ニトロ化合物の製造方法。
- 反応媒体が、300℃以上、20MPa以上の高温高圧水である請求項1に記載の有機ニトロ化合物の製造方法。
- 反応媒体が、亜臨界水ないし超臨界水である請求項1に記載の有機ニトロ化合物の製造方法。
- 有機基質から、1段の反応プロセスで有機ニトロ化合物を合成する請求項1に記載の有機ニトロ化合物の製造方法。
- 有機基質から、連続プロセスで有機ニトロ化合物を合成する請求項1に記載の有機ニトロ化合物の製造方法。
- 有機基質が、脂肪族化合物、芳香族化合物、又は複素環式化合物である請求項1に記載の有機ニトロ化合物の製造方法。
- 有機基質が、脂肪族炭化水素、脂肪族アルコール、芳香族炭化水素、多環式芳香族化合物、又は含窒素芳香族である請求項6に記載の有機ニトロ化合物の製造方法。
- ニトロ化剤が、硝酸、硝酸アンモニウム、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、又は硝酸カルシウムである請求項1に記載の有機ニトロ化合物の製造方法。
- 反応系の組成、温度、圧力、及び/又は時間を調整して、目的化合物の選択率、転換率、及び/又は収率を制御する請求項1に記載の有機ニトロ化合物の製造方法。
- 高温高圧水を反応媒体とする反応系を用いて有機ニトロ化合物を合成するための装置であって、反応器と、高温高圧水供給手段、有機基質供給手段、ニトロ化剤供給手段と、これらの各手段から、高温高圧水、有機基質、及びニトロ化剤を上記反応器に供給するための高温高圧流路とを具備し、上記反応器内において、有機基質とニトロ化剤から高温高圧水を反応媒体とする反応系を用いて有機ニトロ化合物を合成するようにしたことを特徴とする有機ニトロ化合物の製造装置。
- 反応媒体が、温度300℃以上、圧力20MPa以上の高温高圧水である請求項10に記載の有機ニトロ化合物の製造装置。
- 反応媒体が、亜臨界水ないし超臨界水である請求項10に記載の有機ニトロ化合物の製造装置。
- 連続操作手段を具備した連続製造装置である請求項10に記載の有機ニトロ化合物の製造装置。
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