JP2007143060A - 音響振動板及び音響振動板製造方法 - Google Patents

音響振動板及び音響振動板製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱可塑性エラストマーの優れた機能を用い、成形方向による弾性率、伸びの相違を改善した。
【解決手段】本発明の音響振動板は、熱可塑性エラストマーを用いたエッジ9は、ゴム粒子径が一定で小さく均一に分散しているソフトセグメントを有し、ハードセグメントであるオレフィン樹脂量が少なくても加工性を有するポリオレフィン系エラストマーを材料として用い、射出成形における薄肉成形によって材料の物性が異方性を生じないような配向となる半径方向及び円周方向の伸び率が同等22の形状とするものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、スピーカ振動板の動きを制御するために外周に固着されたスピーカエッジを有する音響振動板及び音響振動板製造方法に関するものである。
一般にコーン型のスピーカでは、振動板の周囲にゴム弾性体によって成形されたエッジが固着されている。エッジは振動板が振動を連続的に伝達している状態で前後の振動伝達に影響を及ぼし合わないように制動することが必要であり、高い制振性が要求される。これと同時にエッジは振動板の動きに追随できるリニアリティ、つまり高柔軟性も重要である。
これらを実現するために多種の材料が使用されているが、最も代表的なものは加硫ゴムである。加硫ゴムは柔軟で制振性に優れ、耐熱性、防水性もよく、エッジに適した素材である。
一方、この加硫ゴムに変わるため、シート成形(特許文献1参照)や射出成形(特許文献2参照)をすることができる熱可塑性エラストマーを用いたエッジも多く開発されている。
特開2003-78998号公報 特開平7-1318882号公報
しかしながら、最近では環境問題対策も重視される傾向にあり、加硫ゴムをエッジの材料として用いた場合には、残留硫黄分の除去や材料のリサイクルは不可能であるため、環境問題対策に対応することができないという不都合があった。
また、成形工程においては加硫時間が10分以上と長く、金型の汚染度も激しいため、製造エネルギーが高いものとなる。また、量産においては、数量を求めるため金型面数が多くなり、薄く精度の高い成形品のうちにばらつきが発生するという不都合があった。
また、特許文献1、2に記載の熱可塑性エラストマーをエッジの材料として用いた技術では、現実的にはこれら熱可塑性エラストマー材料は加硫ゴムに比べて制振性や柔軟性が劣るため、音質的に評価が低く、多くは使用されていない。
一般的にエラストマーは常温では加硫ゴムの性質を有するが、高温では可塑性変形が可能となり、汎用成形ができるため、必ずゴム成分(ソフトセグメント)と樹脂成分(ハードセグメント)の組み合わせから構成されており、前者が後者に分散した形態をとるものである。高温で流動可能な状態では、ハードセグメントが流動体として働き、冷却された金型にハードセグメントが外周方向から中心部に向かって逆放射状に入っていくことによりエッジの成形が行われる。
その際、冷却固化が最初に起こるエッジの成形物の表面には、溶解したハードセグメントが流動方向に移動するため、粒子の異方性による配向を示す表層ができる。このため、外周方向から中心部に向かって逆放射状に顕著な配向が現れることから、エッジの成形物全体として不均一な構成となる。従って、成形後のエッジの配向が現れる外周方向から中心部に向かう成形物の流動方向である逆放射状の方向には伸びがないため柔軟性が乏しくなる。
一方では、配向が現れない非流動方向である円周方向に伸びを示すため柔軟性の高い状態ができる。そのため、成形厚みの比較的厚い品物では、下流ゴムに近い性質を有することができるが、スピーカ用のエッジに求められるように、厚みが0.5mm以下の薄い成形品ではその音響効果が表れる物性に大きな影響を受けることになる。
エッジは一般的にリング状の形状であって、振動方向である放射状及び逆放射状の方向には伸びやすくするためロール形状をしている。しかし、成形加工上で成形後のエッジが伸びてほしい振動方向である逆放射状の方向へ樹脂流動が起こる。このため、現実的には、成形物の流動方向への結晶性が高くなり、エッジに要求される形状と逆の物性が現れることになる。つまり、熱可塑性エラストマーの場合には半径方向の振動方向に伸びが少なく、十分なゴムの機能を生かせていないことが問題である。
本発明は、熱可塑性エラストマーの優れた機能を用い、成形方向による弾性率、伸びの相違を改善したスピーカ用エッジを有する音響振動板及び音響振動板製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の音響振動板は、熱可塑性エラストマーを用いたエッジは、ゴム粒子径が1〜10ミクロンで均一に分散しているソフトセグメントを有し、ハードセグメントにオレフィン樹脂からなる加工性を有するポリオレフィン系エラストマーを材料として用い、射出成形における薄肉成形によって材料の物性が異方性を生じないような配向となる形状とするものである。
これにより、ゴム粒子径が小さく均一に分散しているソフトセグメントを持ち、ハードセグメントであるオレフィン樹脂量が少なくても加工性が優れているオレフィン系エラストマーをエッジに用いることで、成形物の成形固化の際に、成形物の表層に集まるハードセグメント部の樹脂成分の割合を減らし、かつ成形物の流動性を確保した材料構成で成形することができる。
また、本発明の音響振動板製造方法は、ゴム粒子径が一定で小さく均一に分散しているソフトセグメントを用い、ハードセグメントであるオレフィン樹脂量を少なくしても加工性のあるポリオレフィン系エラストマーを熱可塑性エラストマーのエッジの注入用材料として充填するステップと、射出成形の際の材料を注入するためのゲート位置を、エッジの円周方向とするステップと、射出成形を行うステップと、射出成形における薄肉成形によって材料の物性が異方性を生じないような配向となるエッジの形状とするステップとを含むものである。
これにより、ゴム粒子径が小さく均一に分散しているソフトセグメントを持ち、ハードセグメントであるオレフィン樹脂量が少なくても加工性が優れているオレフィン系エラストマーを熱可塑性エラストマーのエッジの注入用材料として充填し、射出成形の際の材料を注入するためのゲート位置をエッジの円周方向とした後に射出成形を行うことで、射出成形における薄肉成形によって材料の物性が異方性を生じないような配向となるエッジの形状とするので、成形物の成形固化の際に、成形物の表層に集まるハードセグメント部の樹脂成分の割合を減らし、かつ成形物の流動性を確保することができる。
本発明によれば、熱可塑性エラストマーの優れた機能を用い、成形方向による成形物の弾性率、伸びの相違を改善したスピーカ用エッジを提供することができるという効果が得られる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、スピーカ振動部分の説明図である。図1のようにスピーカ振動部分を備えてスピーカユニットが構成される。
図1において、スピーカ振動板となるコーン1は、動きやすくするために薄く整形でき、軽くて丈夫であることが必要であり、しかも周波数特性の山谷や過渡特性を減らすために、内部損失と呼ばれる適度の損失を与えるようなものでなければならない。
センターキャップ2は、コーン1が半径方向に変形するのを防止することと鉄粉や塵埃が空隙に入ることを防ぐために設けられる。センターキャップ2は、中心付近に孔3を開け、その孔3には目の粗い布4が貼ってある。孔3は、コーン1の振動によって圧縮伸張される空気を逃がす働きをする。
目の粗い布4は、空気の流通を妨げないで防塵の役目を果たす。ボイスコイル5は、ポール6の周囲にそって上下駆動してコーン1を振動させる。ダンパー7は、ボイスコイル5を正しくポール6の周囲に保持する。矢紙8はコーン1のエッジ9をフレーム10に固定する。
ここで、コーン1の周囲にゴム弾性体によって成形されたエッジ9が固着されている。エッジ9はコーン1が振動を連続的に伝達している状態で前後の振動伝達に影響を及ぼし合わないように制動することが必要であり、高い制振性が要求される。これと同時にエッジ9はコーン1の動きに追随できるリニアリティ、つまり高柔軟性も要求される。
また、エッジ9は熱可塑性エラストマーを用いたエッジであり、この場合、射出成形における成形物の成形固化の際に、成形物の表層に集まるハードセグメント部の樹脂成分の割合が増加しないようにして、成形物の流動性を確保する物性が要求される。
図2は、射出成形エラストマーによるエッジ例のゲート位置を示す図である。図2は、コーン1の周囲に固着されるエッジの一部破断図であり、エッジを成形するための金型におけるエッジに対応する位置を示している。
まず、ゴム粒子径が一定で小さく均一に分散しているソフトセグメントを用い、ハードセグメントであるオレフィン樹脂量を少なくしても加工性のあるポリオレフィン系エラストマーを熱可塑性エラストマーのエッジの注入用材料として注入器に充填してあるものとする。
図2において、射出成形の際の材料を注入するためのゲート11の位置を、エッジの円周方向の金型の位置とする。これにより、エッジの円周方向に向けて材料を注入することができる。ここで、ゲート11の数は1〜3点とする。また、13に示すように、エッジの厚みは0.2〜0.35mmの薄肉成形の場合である。
ゲート11からエッジの円周方向に向けて金型の中に材料を注入することにより、スピーカ振動板となるコーンの外周に設けられるエッジが成形される。このとき、図2において、エッジでは外周部の円周方向に設けられたゲート11から外周方向に材料が流れ込むため、材料の流動方向並びに配向方向が振動方向である半径方向に向かない。従って、材料の物性の流形分布が揃うため、材料の配向が均一方向となることはない。このため、材料の物性が異方性を生じないような形状とすることができる。
図3は、射出成形エラストマーによるエッジ例の形状を示す図であり、図3Aは平面図、図3Bは側面図である。
図3Aにおいて、材料の物性の流形分布が揃うことにより、22で示すように、エッジの形状は半径方向の振動方向と円周方向の非振動方向の伸び率が等しいものとなる。また、このため、21で示すように、エッジの外周部に成形後の不要な捨て部を設けないようにすることができる。
図2に示したように、エッジの射出成形のための金型はエッジの円周方向のゲート11から注入された材料はリング状に圧力を均一化された後に、材料は厚み0.2〜0.35mmのロール形状を有したエッジ形状に流入する。ここで、図3に示したように、エッジの外周部に成形後の不要な捨て部及び絞り込みための食いきり部を設けていない。
このような制限からエッジ形状がリング状で、薄肉なため、射出時に材料が半径方向の振動方向にパッキングされていくと同時に、材料の流動方向は必ず、ロール形状の全域にわたって円周方向となる。
以下に、エッジ材料の硬度に対するF0(共振周波数)の評価を示す。
以下の評価は上述した金型を用いてエッジの射出成形を行い、成形されたエッジに適合する振動板を接着剤で張り合わせ、F0を測定して柔らかさの判断基準とした。
ここで、F0の測定は、エッジ外周でふさがれる孔のあいた密閉箱内に最低共振周波数の低いスピーカユニットを配置し、エッジを張り付けた振動板を止め、スピーカに低周波数からスイープ信号を加え、エッジ付き振動板を振動させ、共振する周波数を測定した。
また、薄肉成形エッジの半径方向を示す流動方向(MD(machine direction))と円周方向を示す非流動方向(TD(・・・(*フルスペルを記入して下さい)direction))の伸び率を測定するため、例えば0.3mm厚みで100mm角の金型を用いて成形品を作成し測定を行った。
材料の観察は以下のように行った。まず、成形品から電子顕微鏡による観察のためにミクロトームで薄い片を切り出し、この薄い片を染色後、透過型電子顕微鏡でゴムの形状および分散状態を観察した。
以下に、具体的な実施例と比較例を示す。
使用材料はすべて公表値で、JIS A50度の硬度をもつ材料を比較した。上述したゴム粒子径が一定で小さく均一に分散しているソフトセグメントを有し、ハードセグメントであるオレフィン樹脂量が少なくても加工性を有する、いわゆる動的架橋タイプの熱可塑性オレフィン系エラストマーとして実施例のエクセリンク1500B(JSR製)、比較例として動的架橋タイプのミラストマー5030B(三井化学製)、スチレン系エラストマーのレオストマーL−1050N(リケンテクノス製)を用いた。
成形条件は全種類とも変化のないように、温度240℃、射出速度、保圧条件もほぼ等しくし、同じパック状態が得られるように調整した。厚みは図に示したように均一に0.3mmである。成形されたエッジを適合する重量が同じ振動板に接着し、F0を測定した。F0値は成形直後から樹脂の収縮により変化があり、測定値は成形後48H以降と変化のない状態とした。
表1に各材料を用いて成形したエッジのF0を示した。なお、測定したエッジのn(個数)=5とした。
表1において、上述したようにゴム粒子径が一定で小さく均一に分散しているソフトセグメントを有し、ハードセグメントであるオレフィン樹脂量が少なくても加工性を有する、いわゆる動的架橋タイプの熱可塑性オレフィン系エラストマーとして実施例のエクセリンク1500B(JSR製)では、F0は49(Hz)と最も低い値となった。
また、比較例としての動的架橋タイプのミラストマー5030B(三井化学製)では、F0は61(Hz)、スチレン系エラストマー、レオストマーL−1050N(リケンテクノス製)では、F0は61(Hz)と比較的高い値となった。
Figure 2007143060
また、表1において、各材料ともに、公表硬度が共に50°であった。従って、硬度に対するF0は実施例のエクセリンク1050Bが最も低いため、振動方向である半径方向に伸びがあり、柔らかいことがわかる。
また、これら材料のエッジの半径方向を示す流動方向(MD)、円周方向を示す非流動方向(TD)方向の伸びを測定するために、0.3mm厚、100mm角の材料からサンプルを切り出し伸びの測定を行った。
表2に各材料を用いて成形したエッジの半径方向を示す流動方向(MD)、円周方向を示す非流動方向(TD)の伸び率の測定結果を示した。
Figure 2007143060
表2において、上述したようにゴム粒子径が一定で小さく均一に分散しているソフトセグメントを有し、ハードセグメントであるオレフィン樹脂量が少なくても加工性を有する、いわゆる動的架橋タイプの熱可塑性オレフィン系エラストマーとして実施例のエクセリンク1500B(JSR製)では、エッジの半径方向を示す流動方向(MD)の伸び率が680(%)、円周方向を示す非流動方向(TD)の伸び率が700(%)と最も高い値となった。
また、比較例としての動的架橋タイプのミラストマー5030B(三井化学製)では、エッジの半径方向を示す流動方向(MD)の伸び率が390(%)、円周方向を示す非流動方向(TD)の伸び率が500(%)、スチレン系エラストマー、レオストマーL−1050N(リケンテクノス製)では、エッジの半径方向を示す流動方向(MD)の伸び率が400(%)、円周方向を示す非流動方向(TD)の伸び率が620(%)と比較的低い値となった。
このように、各材料共に、エッジの伸びは半径方向を示す流動方向(MD)と円周方向を示す非流動方向(TD)では相違があるうちで、実施例のエクセリンク1500B(JSR製)はほとんどへ変化なく大きい伸び率を示す値であるが、他の2種の比較例は方向性の違いが明確であった。つまり、2種の比較例共に、エッジの半径方向を示す流動方向(MD)の伸び率よりも円周方向を示す非流動方向(TD)の伸び率が極めて大きい伸び率を示す値である。
これらのことから、エラストマーの薄肉射出成形においては、せん断力の影響が大きく、同じ硬度でも伸びの方向性が大きく異なることがわかる。
次に実施例のエクセリンク1500B(JSR製)を用いたエッジに成形された厚み0.3mmの断面の薄い片を凍結ミクロトームで切り出し、この薄い片を染色して透過型顕微鏡で観察した。
切断面はモルフォロジーが海島の構造をもっており、材料である樹脂の流動方向に向いていることがわかった。異方性の配向を示す方向性が少なく、エッジのF0の小さいものは、ゴム成分である島部分の大きさが5μ以下で均一にそろっており、かつ海の部分であるハードセグメントの量が大変少ないことがわかった。この場合、成形されたエッジ断面が透過型電子顕微鏡写においてゴム粒子径5μ以下で均一に分散し、その面積が0.1mm四方で95%以上存在する。
これに対して比較例として動的架橋タイプのミラストマー5030B(三井化学製)は分離構造が不均一で粒径は揃っていないものであり、また、ハードセグメント量も多い。スチレン系エラストマーのレオストマーL−1050N(リケンテクノス製)に至っては、10μ以上の大きなゴムのドメインと数μの小さなドメインが存在し、ハードセグメント部分と合わせて3成分系になっていて、同様にハードセグメント部分は多く、樹脂が異方性の配向を示す流動方向に向いている。
上述した実施の形態から、射出成形されたエラストマーによるエッジがその効果を発揮させるためには、薄肉の成形であることから材料の構成を考慮に入れることにより、ゴム粒子径が均一に分散されるので、従来までのエラストマーエッジの概念を変化させることが可能である。これらは加圧による薄肉成形の場合に適用されるものであり、加圧による薄肉成形であれば、熱可塑性エラストマーを用いたシート成形から、真空成形、圧縮空気成形、金型成形用でも同様のことが適用される。
上述した本実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、適宜、変更しうることはいうまでもない。
スピーカ振動部分の説明図である。 射出成形エラストマーによるエッジ例のゲート位置を示す図である。 射出成形エラストマーによるエッジ例の形状を示す図であり、図3Aは平面図、図3Bは側面図である。
符号の説明
11…ゲート、12…ゲート数(1〜3点)、13…エッジ厚み(0.2〜0.35mm)、14…硬度A20の低硬度から硬度A70程度の汎用まで対応、21…エッジ外周部に食い切り捨て部をもたない、22…半径方向及び円周方向の伸び率が同等

Claims (6)

  1. スピーカに用いる射出成形された熱可塑性エラストマーを用いたエッジを有する音響振動板において、
    上記熱可塑性エラストマーを用いたエッジは、
    ゴム粒子径が1〜10ミクロンで均一に分散しているソフトセグメントを有し、
    ハードセグメントにオレフィン樹脂からなる加工性を有するポリオレフィン系エラストマーを材料として用い、
    上記射出成形における薄肉成形によって上記材料の物性が異方性を生じないような配向となる形状とする、
    ことを特徴とする音響振動板。
  2. 上記ハードセグメントが非晶性ポリオレフィンであり、
    上記ソフトセグメントがEPDM(エチレン‐プロピレンゴム)である成形時の流動性が確保されるオレフィン系熱可塑性エラストマーを、上記材料として用いる
    ことを特徴とする請求項1の音響振動板。
  3. 上記射出成形により、
    上記材料の物性の流形分布が揃うことにより、上記形状は半径方向の振動方向と円周方向の非振動方向の伸び率が等しいものとなることを特徴とする請求項2の音響振動板。
  4. 上記射出成形の際の上記材料を注入するためのゲート位置は、上記エッジの円周方向であることを特徴とする請求項3の音響振動板。
  5. 上記エッジの外周部に成形後の不要な捨て部を設けないことを特徴とする請求項4の音響振動板。
  6. スピーカに用いる射出成形された熱可塑性エラストマーを用いたエッジを有する音響振動板を製造する音響振動板製造方法において、
    ゴム粒子径が一定で小さく均一に分散しているソフトセグメントを用い、ハードセグメントであるオレフィン樹脂量を少なくしても加工性のあるポリオレフィン系エラストマーを上記熱可塑性エラストマーのエッジの注入用材料として充填するステップと、
    上記射出成形の際の上記材料を注入するためのゲート位置を、上記エッジの円周方向とするステップと、
    上記射出成形を行うステップと、
    上記射出成形における薄肉成形によって上記材料の物性が異方性を生じないような配向となるエッジの形状とするステップと、
    を含むことを特徴とする音響振動板製造方法。
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