JP2007139658A - アレルゲン検出方法及びアレルゲン検出装置 - Google Patents

アレルゲン検出方法及びアレルゲン検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】専門的知識を有さない人でも、簡単に取り扱え、且つ定性的な判断とともに、定量をも行うことができる検出装置、及び検出方法を提供する。
【解決手段】アレルゲンを装置内部に取り入れるアレルゲン受容部と、前記アレルゲン受容部の下流側に設けられた複数の検出部と、前記アレルゲン受容部と、それぞれの検出部とを、並列で連通する複数の流路と、が一枚の基板上に設けられ、前記検出部の内部には、前記抗原と特異的に反応する抗体と、標準抗原と、が含まれ、前記検出部に導入されるアレルゲン量が所定量未満である場合には、抗原と抗体との反応により目視で確認できる凝集体が形成され、所定量以上である場合には、抗原と抗体との反応により目視で確認できる凝集体が形成されないように、前記標準抗原の量と前記抗体の量とが規制されていることを特徴とするアレルゲン検出装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、ラテックス凝集法又はイムノクロマトグラフ法を利用した、簡単かつ迅速に被検物質の検出が可能な、免疫反応を利用したアレルゲン検出方法及びアレルゲン検出装置(チップ)に関する。
ダニの糞・死骸、犬や猫のふけ、花粉等の微小浮遊物質は、アレルギー症状を発症させる原因物質(アレルゲン)として、人体に大きな影響を与えているが、人体と接触するアレルゲン総量と、アレルギー症状の発症程度との間には、正の相関関係があることが知られている。よって、アレルギー症状の発症を防ぐためには、アレルゲンとの接触を避けることが効果的である。
このような中、スギ花粉の場合、いわゆる花粉情報として花粉の飛散状況がニュース等で報道されている。しかし、アレルギー患者が接触するアレルゲン量は、患者各人の生活環境によって大きく異なり、またスギ花粉以外のアレルゲン情報をアレルギー患者が知る手段がない。このため、アレルギー患者自身が、簡便且つ迅速に生活環境下におけるアレルゲン量を検出できる手段が求められている。
近年、アレルゲンを検出する手段として、アレルゲン(抗原)と、該アレルゲンと特異的に反応(結合)する物質(抗体)との反応、すなわち抗原抗体反応(免疫学的反応)を利用した検出方法が提案されている。具体的には、ラジオアイソトープ、酵素、蛍光色素、発光試薬等の標識物質を付した抗体と、アレルゲンと、を免疫反応させて、その後アレルゲン量に対応した標識物質量を検出する方法である。
この方法により、アレルゲン量を正確に検出することは可能であるが、上記方法では、標識物質を検出するための装置が大型且つ高コストとなるとともに、この手段を使用するためには専門的な知識を必要とするため、アレルギー患者自身が使用することが難しいという問題がある。
このような中、より簡便に免疫学的検査が行うために、ラテックス凝集法による免疫測定法が提案されている。以下に、ラテックス凝集法の原理を、図17を用いて説明する。
アレルゲン(抗原)101を測定する場合、抗原101に特異的に結合する抗体、もしくはその抗原結合部位を有するフラグメント102を、ラテックス粒子等の不溶性担体105に固定し(抗体感作ラテックス103)、この中に抗原101を混合する。すると、図17に示すように、抗原101と、抗体感作ラテックス103に含まれる抗体102とが抗原抗体反応し、抗原101と抗体感作ラテックス103とが凝集して、ラテックス凝集体104が生じる。この凝集体104の有無や大きさを確認することにより、抗原101の存在を定性的、定量的に検出できる。
また、図18に示すように、抗体108と、標準抗原106を担持させた抗原感作ラテックス107中の抗原及び外部環境からの抗原とを抗原抗体反応させて、凝集体109の大きさ、量等を測定することにより、抗原106の有無の定性的判断及び定量を行うこともできる。
上述したラテックス凝集法は広く使用されているが、検出対象とする抗原が過剰に含まれている場合には、凝集反応が起こらなくなるため、測定を行う際に、抗原を含む液を好適な濃度範囲とするために希釈を一回または複数回行う必要があり、測定のための操作が煩雑となるという問題がある。よって、専門的知識を有しない一般のアレルギー患者が使用することが難しい。また、希釈の程度にムラが生じること等により、測定精度が低下するという問題がある。さらに、アレルゲンが存在する(陽性)、存在しない(陰性)といった定性的な判断は、凝集の有無を目視により判断することができるが、アレルゲンの量を定量する場合、高価で大きい分析装置を用いる必要があるという問題がある。
また、迅速かつ簡便に免疫学的検査を行う他の方法としては、イムノクロマトグラフ法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−33526号公報
イムノクロマトグラフ法に用いる装置を、図19に示す。この装置は、図19に示すように、吸水性基板114上に測定対象物質(抗原)と結合し得る抗体を固定化した判定部113と、上記測定対象物質と結合しうる標識抗体を水系の溶媒との接触により基板から脱離しうるように含有させた反応部112、被検液を吸収させる試料滴下部111からなる。
図20に示すように、試料滴下部111から測定対象物質(抗原)102が水系の溶媒とともに滴下されると、溶媒とともに抗原102が反応部112に移動する。そして、抗原102は、反応部112の標識抗体103と結合し、標識抗体−抗原複合体120が形成される。次いで、標識抗体−抗原複合体120が判定部113に移動し、前記複合体120と固定化抗体121が結合して、固定化抗体−抗原−標識抗体複合体122が形成される。そして、この複合体122の大きさや量を測定する。
ここで、標識抗体103に用いる標識材料としては、着色色素、コロイド金粒子、酵素、蛍光物質、高分子重合体粒子等が用いられる。
この方法は、操作が簡単であり、反応時間も数分から30分ぐらいと短く、特別な装置が不要でキットがあればどこでも検査が行えるという利点がある。しかし、陽性・陰性といった定性的な判定は目視にて行うことができるが、アレルゲン量の定量を行うためには、高価で大きい分析装置を必要とするという問題がある。よって、この方法は、アレルギー患者自身の使用には適さない。
その他にも、ガラス等の基板上に微細な流路を形成したチップ上で、試料(抗原、抗体)を極微量で反応させる、μTAS(micro total analysis system)と称する技術が提案されている。特に生体内分子間の免疫反応等の特異的相互作用反応を用いて、測定対象物質(抗原)の分析を行うバイオセンサチップが注目を集めている。この技術を用いた測定装置は、例えば特許文献2に提案されている。
特開2001−165939号公報
特許文献2に係る技術は、従来必要としていたポンプに変えて、重力を送液駆動力とする技術である。この技術によると、装置の小型化、低コスト化できるとされる。また、試薬量を約75μl程度と小さくでき、反応時間を数分程度と短くできる。しかし、チップ自体の大きさは小さいにもかかわらず、熱レンズ等の分析装置は非常に大きく且つ高額であるため、研究レベルでの使用はできるものの、アレルギー患者自身が使用することが難しいという問題がある。
上述したように、アレルギー症状の発症を予防または症状を抑えるためには、専門知識を有していないアレルギー患者自身が、生活環境下での空気中のアレルゲン量(濃度)を測定できることが望まれている。本発明は上記に鑑みなされたものであって、専門的知識を有さない人でも簡単に取り扱え、且つ定性的な判断とともに、定量をも行うことができる検出方法、及び該方法に適した低コストな検出装置(検出チップ)を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための検出方法に係る第1の態様の本発明は、アレルゲン含有液を、標準抗原と、前記アレルゲンと特異的に反応する抗体がラテックスに固定された抗体感作ラテックスと、を含む検出部内に導入し、前記標準抗原と前記アレルゲンとを、前記抗体感作ラテックス中の抗体に対して反応させて、ラテックス凝集体の有無によってアレルゲンを検出するアレルゲン検出方法であって、前記検出部に導入されるアレルゲン含有液中のアレルゲン量が所定量未満である場合には、抗原抗体反応によるラテックス凝集体が目視にて観察され、前記検出部に導入されるアレルゲン含有液中のアレルゲン量が所定量以上である場合には、ラテックス凝集体が目視にて観察されないように、前記標準抗原の量と、前記抗体感作ラテックス中の抗体量とを規定することを特徴とする。
上記課題を解決するための検出方法に係る第2の態様の本発明は、アレルゲン含有液を、前記アレルゲンと特異的に反応する抗体と、標準抗原がラテックスに固定された抗原感作ラテックスと、を含む検出部内に導入し、抗原感作ラテックス中の前記標準抗原と前記アレルゲンとを、前記抗体に対して反応させて、ラテックス凝集体の有無によってアレルゲンを検出するアレルゲン検出方法であって、前記検出部に導入されるアレルゲン含有液中のアレルゲン量が所定量未満である場合には、抗原抗体反応によるラテックス凝集体が目視にて観察され、前記検出部に導入されるアレルゲン含有液中のアレルゲン量が所定量以上である場合には、ラテックス凝集体が目視にて観察されないように、前記標準抗原の量と、前記抗体感作ラテックス中の抗体量とを規定することを特徴とする。
上記課題を解決するための検出方法に係る第3の態様の本発明は、アレルゲン含有液を、標準抗原に着色されたラテックスが付加された抗原感作ラテックスが充填され、且つ前記アレルゲンと特異的に反応する抗体が固定された検出部内に導入し、前記抗原感作ラテックス中の標準抗原と前記アレルゲンとを、前記抗体に対して反応させ、抗原感作ラテックス−固定化抗体複合体を形成させ、該抗原感作ラテックス−固定化抗体複合体のラテックスの呈色に基づいてアレルゲン量を検出するアレルゲン検出方法であって、前記検出部に導入されるアレルゲン含有液中のアレルゲン量が所定量未満である場合には、抗原抗体反応によるラテックスによる呈色が目視にて観察され、前記検出部に導入されるアレルゲン含有液中のアレルゲン量が所定量以上である場合には、ラテックスによる呈色が目視にて観察されないように、前記標準抗原の量と、前記抗体感作ラテックス中の抗体量とを規定することを特徴とする。
上記第1の態様の本発明に係るアレルゲン検出方法では、検出部に予め、標準抗原と、該標準抗原と凝集しうる量の抗体感作ラテックスとを充填している。導入されたアレルゲン含有液中のアレルゲンの量が過剰であれば、図1に示すように、抗原(アレルゲン+標準抗原)が過剰に存在するために、抗体のアレルゲンと結合できる部位が、フリーなアレルゲンと結合するので、凝集反応がほとんど生じない。よって、目視にて凝集がないと判断でき、この場合を陽性(アレルゲン多)と判定する。他方、アレルゲン受容部から得られるアレルゲンの量が所定量未満であれば、図17に示すようにラテックス凝集体を目視にて確認することにより、陰性(アレルゲン少)と判定する。よって、この方法によると、専門的知識を有しないアレルギー患者自身が、アレルゲンの量が所定の量以上であるか否かを容易に目視にて検出できる。
また、標準抗原と抗体感作ラテックスの量は、例えば抗体量を一定にし、アレルゲン量を変化させて凝集反応を確認し、図21に示す最適領域内となり、アレルゲンが所定の量以上検出部に導入された場合には、図21に示す抗原過剰領域となるように規定する。また、アレルゲン量を一定にし、抗体量を変化させて確認する方法により設定してもよい。
なお、抗体感作ラテックス中の抗体と標準抗原とが凝集しうる量は、抗原・抗体の種類によって大きく影響を受けるため、使用する標準抗原・抗体感作ラテックスを、どちらか一方の量を変化させながら実験を行い、凝集の度合いを確認した後に検出を行う必要がある。
上記検出方法の原理及び効果は、抗体感作ラテックスを用いた方法(第2の態様の本発明)、イムノクロマトグラフ法を用いる方法(第3の態様の本発明)においても同様である。
上記方法において、前記ラテックスの色が、前記検出部材料の色とは異なるとすることができる。
この構成によると、目視で凝集体の大きさをより容易に確認できる。
上記方法において、前記検出部は、充填された標準抗原及び抗体の量が異なる複数からなり、それぞれの検出部に対して同時並行的にアレルゲンの検出を行うとすることができる。
この構成によると、各検出部における凝集の有無を目視にて確認することにより、アレルゲンの有無という定性的な判断だけではなく、アレルゲン量を定量することができるとともに、希釈を行わなくとも検出を行うことが可能となる。
上記方法において、検出対象とするアレルゲンの最大量をXとするとき、前記検出部の一つには前記Xに対応する量の標準抗原及び抗体が設けられており、前記検出部の他の一つには、前記Xよりも多い量の標準抗原及び抗体が充填されている構成とすることができる。
本発明では、凝集体を目視で確認できない場合を陽性と判断するため、全ての検出部で凝集体が確認されない場合、陽性か検出失敗かの判断が難しいという難点がある。しかし、この構成によると、最も抗原・抗体を多く含む検出部においては、ラテックス凝集体が目視にて確認されるため、該検出部での凝集体が確認できれば、検出成功と判断できる。これにより、専門的知識を有さないアレルギー患者自身がアレルゲン量を容易に検出できる。また、該検出部での凝集体が確認できれば、検出が終了しているため、これを検出終了シグナルとしても利用できる。
上記課題を解決するための検出装置に係る本発明は、アレルゲンを装置内部に取り入れるアレルゲン受容部と、前記アレルゲン受容部の下流側に設けられた複数の検出部と、前記アレルゲン受容部と、それぞれの検出部とを、並列で連通する複数の流路と、が一枚の基板上に設けられ、前記検出部の内部には、前記抗原と特異的に反応する抗体と、標準抗原と、が含まれることを特徴とするアレルゲン検出装置である。
上記構成の装置を用いると、上記検出方法を容易に実現できる。また、この装置は、大きさが10×20mm〜150×300mm程度と小型にできるので、アレルギー患者自身が家庭レベルで検出を行うことに適している。
具体的には、アレルゲン検出装置内の検出部にはアレルゲンと該アレルゲンと凝集体を形成しうる抗体があらかじめ充填されているため、使用者はアレルゲン受容部にアレルゲンを注入し(外部から取り入れ)、送液操作を行うだけで上記本発明の方法を実施でき、アレルゲンと予め充填されたアレルゲンが競合的に反応するので、凝集体の有無にてアレルゲンの検出ができる。
上記装置において、前記複数の流路が、前記アレルゲン受容部の下流側に直結した直結流路の下流側末端に接続された分岐流路であるとすることができる。
アレルゲン受容部で抽出されたアレルゲン濃度は均一でない可能性が高いため、アレルゲン受容部から各検出部に送られるアレルゲン量にバラツキが生じて、検出精度が低下するおそれがある。しかし、アレルゲン受容部から流れ出る流路を1本の直結流路とすると、この流路でアレルゲン濃度が均一となるため、分岐後、各検出部に均一な濃度のアレルゲンが流れ込み、検出精度を高めることができる。
上記方法において、前記検出部に導入されるアレルゲン量が所定量未満である場合には、抗原と抗体との反応により生じる凝集体が目視で確認できるように規定されている構成とすることができる。
また、前記検出部に導入されるアレルゲン量が所定量以上である場合には、抗原と抗体との反応により目視で確認できる凝集体が生じないように規定されている構成とすることができる。
上記構成によると、検出部に導入されたアレルゲン量が所定量未満であれば、目視で確認できる大きさの凝集体が形成されるので、この場合をアレルゲンの量が所定量未満であると判断でき、検出部に導入されたアレルゲン量が所定量以上であれば、目視で確認できる大きさの凝集体が形成されないので、この場合をアレルゲンの量が所定量以上であると、容易に判断できる。この場合、図21において、最適範囲の上限に近い量の抗原、抗体を充填するのがよい。
また、前記複数の検出部内に含まれる抗体の量と抗原の量とが、各検出部で異なるように設定されている構成とすることができる。この構成によると、各検出部での凝集の有無により、アレルゲン量を定量することができる。
また、前記検出部、前記アレルゲン受容部及び前記流路内に、吸水性基材が設置されている構成とすることができる。
吸水性基材を用いると、毛細管現象により、ポンプ等を必要とすることなく送液を行うことができる。また、用いる吸水性基材の材料を変えることで吸水スピード、すなわち送液スピードをコントロールできるので、反応時間を調節して最適な条件で検出でき、検出感度を向上できる。
また、前記アレルゲン受容部の上流側に、緩衝液を流す送液部が設けられている構成とすることができる。
装置内に送液部を組み込むことにより、装置の小型化及び取り扱い性を向上できる。
また、前記送液部が、送液ボタンと、前記送液ボタンに取り付けられた突刺部材と、緩衝液を貯蔵するとともに、前記突刺部材により突き破れる強度の材質からなる液体タンクと、から構成されているとすることができる。
上記構成によると、送液ボタンを押すことにより、液体タンクが突刺部材(例えばニードル)により突き破られ、且つボタンを押す圧力と水圧により液を流すことができ、ポンプ等の手段を必要としないので、コストを下げることができる。
また、前記送液部が、送液ボタンと、ストッパーで仕切られた緩衝液を貯蔵する液体チャンバーと、で構成されているとすることができる。
このような構成であっても、簡便に且つ低コストで液を送ることができる。
また、前記検出部内に含まれる抗体が、ラテックスに固定されているとすることができる。
前記検出部内に含まれる標準抗原が、ラテックスに固定されているとすることができる。
凝集の有無を判断するためには、抗体もしくは標準抗原をラテックスに固定し、ラテックスの凝集の有無を確認するのがよい。ラテックスに固定しない場合には、顕微鏡観察や溶液内の吸収を顕微鏡等を用いて確認することにより、凝集の有無を判断できる。
また、前記ラテックスの量が、それぞれの検出部に同量ずつ含まれている構成とすることができる。
検出部に保持するアレルゲン・抗体の量を変化させる場合に、ラテックスの量をも変化させると、各検出部間で凝集体におけるラテックス量が変わってしまうので、低濃度を検出する場合、目視にて凝集を観察しにくくなる可能性がある。しかし、ラテックス量を同一とし、これに感作させる抗原あるいは抗体量を変化させる構成を採用すると、このような問題が生じないので、検出がより容易となる。
また、前記検出部内に含まれる抗体が、検出部表面に固定化されており、アレルゲン受容部からアレルゲン感作ラテックス、固定化抗体の順に充填されている構成とすることができる。
イムノクロマトグラフ法(本発明検出方法の第3の態様)を用いる場合、このような順序に配置することにより、免疫反応をより確実に行うことができる。
また、前記ラテックスが、前記基板の色と異なる色に着色されている構成とすることができる。
基板の色と異なる色であるラテックスを用いることで、基板(背景)との色の差をより強調でき、凝視することなく検出できる。この場合、基板の色との違いをより明瞭とするために、彩度・明度を変えた色や、補色関係にある色等を用いることが好ましい。
また、前記ラテックスが、各検出部間で色が異なるように設定されている構成とすることができる。
これにより、検出結果が色により現れるため、検出結果をわかりやすくできる。また、交通信号灯のように心理的に働きかけるような色彩を用いると(例えば、非常に多いを赤、多いを黄色、少ないを青)、アレルゲン濃度の危険性を色彩にて表すことができ、より好ましい。
また、各検出部の上部に対応する位置に透明性の検出窓が形成された蓋を備える構成とすることができる。
検出中に、装置内に異物が混入することを防止するために、蓋を設けることが好ましい。この蓋に透明性の検出窓を設けると、蓋をはずすことなく容易に目視にて凝集の有無が確認できる。また、蓋自体を透明な材質としてもよい。
また、検出対象とするアレルゲンの最大量をXとするとき、前記検出部の一つには前記Xに対応する量の標準抗原及び抗体が設けられており、前記検出部の他の一つには前記Xよりも多い量の標準抗原及び抗体が設けられている構成とすることができる。
Xよりも多い量のアレルゲンが検出部に導入された場合、全ての検出部で凝集体が目視で確認できないので、アレルゲンがX以上検出部に導入されたのか、検出が失敗に終わったのかの判断が難しい。しかし、上記構成であると、Xよりも多い量の標準抗原及び抗体が設けられている検出部においては、検出が成功であれば必ず凝集体が目視で確認できるので、上記問題が生じない。また、この検出部で凝集体が確認できれば、測定が無事に終了したことのシグナルともなる。
本発明のアレルゲン検出方法及び装置を用いれば、アレルゲンの有無及び濃度検出を、専門知識を有していない人でも簡単に目視にて測定できる。
[実施の形態1]
以下に、本発明の実施の形態1を、図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態では、花粉アレルゲンの検出を例に説明しているが、本発明は、これ以外の空気中のアレルゲン、食物アレルゲンあるいは化学物質等の、アレルゲン症状を発症させる原因となりうる物質全てに対して適用できる。
(チップ形態)
実施の形態1に係るアレルゲン検出装置は、図2に示すように、送液部17と、アレルゲン受容部14と、複数(本実施の形態では4つ)の検出部10,11,12,13と、各部を繋ぐマイクロ流路15とを備える。ここで、4つの検出部は、アレルゲン受容部14に直結したマイクロ流路15の下流側で分岐したマイクロ流路15により、アレルゲン受容部14と並列に繋がれている。
第1検出部10、第2検出部11、第3検出部12、第4検出部13には、抗体の固定化量を変えた抗体感作ラテックスが、ラテックス量を同量ずつ且つラテックスに感作させた抗体量を変化させて配置され、該抗体感作ラテックスと凝集しうる量の標準抗原が、各検出部に充填されている。
また、抗体量・抗原量は、第1検出部10が最も少なく、第4検出部13が最も多くなるように、その量を順に増加させて充填されている。そして、本実施の形態で検出対象とする抗原の最大量に対応する量の抗原・抗体が第3検出部12に充填され、第4検出部13には、第3検出部12に含まれる抗原・抗体量より多く充填されている。好ましくは、第4検出部13に含まれる抗原・抗体量を、第3検出部12に含まれる量の2倍以上とする。
アレルゲン受容部14に過剰量のアレルゲンが取り込まれた場合、第1〜第3検出部では凝集が確認できないが、第4検出部13では凝集反応が生じるので、検出の成功を判断するために用いることができる。また、第4検出部13で凝集体が確認できれば、これは検出が終了したことのシグナルとしても利用できる。
図3に、本実施の形態に係るアレルゲンチップの蓋の構造を示す。各検出部上の蓋基板26には、検出部での反応結果を外部から観察するための検出窓20,21,22,23と、アレルゲン受容用孔24と、送液部17の蓋基板上には送液ボタン25とが設けられている。ここで、検出窓の材料としては、判定結果を目視できる透明性の材料を用いることが好ましい。また、検出窓を形成せず、蓋基板26自体に透明性のある材料を用いることもできる。このような材料としては、ガラスや透明性プラスチック材料を例示できる。
基板16の材料としては、光硬化性樹脂等のプラスチック材料を用いることが好ましい。基板の厚みは、好ましくは0.1mm以上とし、より好ましくは1mm〜5mmとする。
また、マイクロ流路15は深さ1〜1000μm程度、幅1〜1000μm程度であることが好ましい。また、流路の底が台形や丸まっている形状であってもよい。
アレルゲン受容部14は、直径5mm以上の穴とすることが好ましく、その深さは1〜1000μmであることが好ましい。
また、マイクロ流路、アレルゲン受容部、検出部は、金型成型、フォトリソグラフィー、ウェットエッチング等、公知の方法により形成できる。
また、各検出部10,11,12,13は、免疫反応を十分に行うことができ、且つ判定結果が充分見やすい大きさであれば、特にその大きさを限定する必要はないが、好ましくは直径5mm以上とする。
また、短時間でアレルゲンを検出するには、アレルゲンを受容する面積が大きいことが好ましいため、アレルゲン受容部14はできるだけ大きくすることが好ましいが、アレルゲン受容部14内に受容されたアレルゲンを含む液を、各検出部10,11,12,13に送液する必要があるので、アレルゲン受容部14の体積と、各検出部10,11,12,13の体積とを、適宜調節する必要がある。
各検出部に繋がるマイクロ流路15は、アレルゲン受容部14から別個並列に繋がっている構成とすることもできるが、図2に示すように、アレルゲン受容部に直結した直結流路の下流側末端で分岐している構成であることが好ましい。なぜなら、アレルゲン溶液を調製してアレルゲン受容部に導入して測定する場合には測定溶液が均一であるが、空気中のアレルゲンを測定する場合、アレルゲン受容部14内にアレルゲン濃度差が生じる可能性があり、各検出部に同量ずつのアレルゲンを送ることが難しくなる。アレルゲン受容部14直接各検出部に繋がるマイクロ流路を一本にし、その下流側末端で分岐させると、各検出部に均一な濃度のアレルゲンを送ることが可能となり、検出精度を高めることができる。
また、マイクロ流路内に、該流路と同じ形の吸収性基材を配置すると、毛細管現象により液が送られるので、送液するための手段(ポンプ等)を別途設ける必要がなく、アレルゲンを含む液を検出部に送液できる。また、用いる吸水性基材の材料を変えることにより、吸水スピードをコントロールできるので、反応時間を調節することができる。この場合、マイクロ流路の幅、深さは少し大きくしても構わない。吸収性基材としては、不織布、濾紙、ガラス繊維布、ガラスフィルター、ニトロセルロースフィルター、多孔質材料等、公知の材料を用いることができる。
吸収性基材を配置しない場合は、送液する際のマイクロ流路内の流れを良くする必要があるため、図4に示すように、検出窓30上に空気孔領域31を設け、図5に示すように、空気孔領域31に空気孔35を設ける必要ことが好ましい。
(抗体感作ラテックス)
抗体感作ラテックスは、アレルゲンを認識し、反応(固定)する材料である抗体が、ラテックス粒子等の不溶性担体表面に固定化されているものである。アレルゲン認識材料(抗体)としては、特異的にアレルゲンを認識して捕獲するものであればよく、抗原の認識フラグメント、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、またインプリンティングポリマー等の高分子合成材料や、in vitroでの生合成材料等の人工的に作製した抗体材料を使用することも可能である。
ラテックス粒子の材料としては、スチレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のビニル系モノマーの単一重合体やこれらの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の公知の材料を用いることができる。
中でも、基板(背景)との色の差をより強調でき、目視における判別をわかりやすくするために、基板の色とは異なる色のラテックス粒子を用いることが望ましい。また、各検出部間でラテックス粒子の色を異なる色にすることにより、目視で観察する際に色の種類から空気中のアレルゲン量を判別できるため、より好ましい。例えば、交通信号灯のように、心理的に働きかけるような色彩を用いることにより(例えば、‘少ない’場合は青、‘やや多い’場合には黄色、‘非常に多い’場合には赤とする)、使用者はアレルギー症状の発症の危険性を、その色により検出することが可能となる。
上記のように、ラテックス粒子の色によりアレルゲン量を確認する場合には、色の見易さ、反応性の観点から、ラテックス粒子の大きさを0.1〜1μm程度とすることが好ましい。
また、ラテックス粒子の表面に抗体を固定化させる方法としては、不溶性担体表面に抗体を物理的に吸着させる方法、官能基を有する不溶性担体表面に、化学結合法又は共有結合法により固定(感作)する方法等、公知の方法を適宜用いることができる。ラテックス粒子表面に固定する抗体量は、固定化の際に使用する抗体溶液の濃度や時間を変化させて調整できる。
(抗体感作ラテックスの充填)
検出部及びその付近のマイクロ流路の拡大図を、図6に示す。抗体感作ラテックスは、例えば5μg程度で、且つ各検出部にそれぞれ同量ずつ、検出部37内に設けた抗体感作ラテックス充填領域38に充填する。
(標準抗原の充填)
図6に示すように、抗体感作ラテックスの抗体量と該抗体と凝集しうる標準抗原を、標準抗原充填領域39に充填する。この際、各検出部においては、ラテックス量を同一とし、ラテックスに感作された抗体量を、標準抗原と凝集しうる量に規定する。ここで、検出部とは、図6に斜線で示すように、標準抗原充填領域が形成されたマイクロ流路の下流部分をも含んだものを意味する。
例えば、第1検出部10には、‘やや多い’未満のアレルゲンが導入された場合には目視で確認できる凝集体が形成され、‘やや多い’目視で凝集体の形成が確認できない量(‘やや多い’に対応した量)の標準抗原、及び抗体量が感作された抗体感作ラテックスを充填する。同様にして、第2検出部11には‘多い’場合に対応した量、第3検出部12には‘非常に多い’に対応した量を充填する。また、第4検出部13には、好ましくは第3検出部12内に充填された標準抗原・抗体量の2倍以上の標準抗原および該抗原と凝集しうる量の抗体が感作されたラテックスを充填する。
上記のように充填後、アレルゲン受容部からマイクロ流路15を介して各検出部内に緩衝液が送られた場合、目視にてラテックス凝集の有無を確認することができる。また、アレルゲン受容部14にて受容されたアレルゲンと、予め充填された抗原とが競合的に反応した結果、第1検出部10、第2検出部11、第3検出部12ですべて陽性、すなわちラテックス凝集体が確認されない場合に、第4検出部13でラテックス凝集体を確認することにより、検出の終了及び検出の成功を確認できる。
(緩衝液)
検出に用いる緩衝液としては、測定物質を失活させることがなく、かつ、抗原抗体反応を阻害しないようなイオン濃度やpHを有するものであればよく、例えば、リン酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液、グリシン緩衝液、グッド緩衝液等を用いることができる。なお、ターゲットとするアレルゲンによって緩衝液の種類や添加物等を適宜変える必要がある。例えば花粉をターゲットとする場合、花粉の外膜を壊し外膜内のアレルゲンを抽出する必要があるが、花粉の外膜は、弱塩基性の水分を吸収することで破裂することが知られているので、例えば125mM炭酸水素ナトリウム緩衝液を用いる。
(送液部)
送液部の構造を、図7に示す。送液部は、緩衝液タンク42と、送液ボタン25と、送液ボタンの下面に設けられたニードル41とを有する。緩衝液タンク42内に緩衝液が入っており、上から送液ボタン25を押し込むことで、ニードル41が緩衝液タンク42を突き破り、且つ上から押さえられる圧力によりタンク42内の緩衝液がマイクロ流路15内に流れ出す構造である。送液部25に含まれる緩衝液量は、全流路内が緩衝液で満たされる量を入れておく必要がある。
緩衝液タンク42の材質としては、シリコン等の高分子樹脂膜やゴム材料等の、ある程度の柔軟性、化学耐性、且つ耐久性がある材質が好ましい。緩衝液タンク内に緩衝液を充填しておき、送液部17に設置する。
ニードル41は、緩衝液タンク42を破るためのものであるが、先端は特に鋭利ではなくてもよい。また、材質は緩衝液タンク42同様に化学耐性があるものの方が好ましい。
また、送液部は図8のような構造としてもよい。具体的には、圧力がかかることで簡単に破れるような材質をストッパー47として用い、送液ボタン25を押込むことにより緩衝液チャンバー46内に圧力が増加し、ストッパー47が破れて、緩衝液が流れ出す構造である。また、上記のように簡便な送液部であるので、従来のようにポンプを繋いで送液させるよりも操作がより容易となる。
(アレルゲン受容部)
アレルゲン受容部14は、図2及び図3に示すように、蓋基板にアレルゲン受容用孔24が設けられた構造である。ここで、花粉を受容する際、アレルゲン受容部14が乾燥していると、花粉を受け入れても花粉がアレルゲン受容部から再び舞い上がってしまい、花粉を確実に取り込めないおそれがある。この問題を解消するため、予めアレルゲン受容部14を水や緩衝液等で濡らしてから使用することが好ましい。
また、図9に示すようにアレルゲン受容部用送液部49を設置し、花粉を受容する前にアレルゲン受容部14に送液を行い、アレルゲン受容部を濡らしもよい。ここで、アレルゲン受容部用送液部49の緩衝液量は、アレルゲン受容部14まで濡れる量が入っていればよい。例えば、図9に示すような2つの送液部17,49を設けたチップを使用することで、アレルゲン受容用送液部49には花粉の外膜を破るために最適な緩衝液を、花粉を受容後に流す送液部17内の緩衝液には、抗原抗体反応に最適な緩衝液を充填することが可能である。この構成を採用することにより、花粉からアレルゲンを抽出する操作とアレルゲンを検出する操作の2操作を、連続的に行うことができ、操作の煩雑さを解消でき、且つ検出するための時間を大幅に短縮できる。
(アレルゲンチップ組立)
図10は、本発明のアレルゲンチップの1実施例を示す組立前斜視図である。吸水性基材51を使用する際は、マイクロ流路用基板52のマイクロ流路内に組み入れ、チップの蓋基板50を取り付ける。また吸水性基材51を使用しない場合であれば、マイクロ流路用基板52と蓋用基板50のみを取り付ける。
(検出)
本発明したチップにより花粉を検出する際は、図11に示すアレルゲン受容部用キャップ60を外し、アレルゲン受容部14をアレルゲン受容用送液部49または水を数滴垂らし、測定したい空間内に水平に静置しておく。必要時間アレルゲン受容部14にてアレルゲン(花粉)を受容後、アレルゲン受容部用キャップ60をアレルゲン受容部14に取り付ける。
次に、送液ボタン(図示せず)を押しこみ、緩衝液をマイクロ流路−アレルゲン受容部−マイクロ流路−検出部と流すことにより、アレルゲン受容部14からのアレルゲン(抗原)と各検出部内に充填された標準抗原が競合的に抗体感作ラテックスと抗原抗体反応する。
必要時間経過後、目視にて検出窓から、各検出部のラテックス凝集の有無を確認する。
本発明では、アレルゲン受容用キャップの開閉と、送液ボタンを押す操作のみで、アレルゲンを検出可能である。上述したように、ラテックス凝集が観察された検出窓は陰性であり、ラテックス凝集が目視にて観察されなかった検出窓は陽性である。検出部内にはそれぞれ抗原抗体量を変えて充填しているため、検出窓間の陽性・陰性の境界を確認することにより、使用者は空気中のアレルゲン濃度を検出することが可能となる。このように、使用者は、従来のように希釈等の煩雑な作業を行うことなく、且つ専門知識を有していない人でも簡便にアレルゲンを検出可能である。
(判定の詳細)
例えば、図2のアレルゲンチップを用いて花粉アレルゲン飛散量を測定する。チップ内には予め第1検出部10に‘やや多い’時のアレルゲン量、第2検出部11は花粉量が‘多い’時のアレルゲン量、第3検出部12は花粉量が‘非常に多い’時のアレルゲン量の、それぞれ4分の1の量(4つの検出部が、並列にアレルゲン受容部14繋がれているため)の抗体感作ラテックスと標準抗原を充填し、第4検出部13には第3検出部の2倍以上の標準抗原、抗体感作ラテックスを充填してある。
‘少ない’〜‘やや多い’花粉量を受容した場合、第1検出部10、第2検出部11、第3検出部12、第4検出部13共に、アレルゲン量が所定量よりも少ないため、全ての検出窓でラテックス凝集体が目視で確認できる。
また、‘やや多い’〜‘多い’花粉量を受容した場合、第1検出部では、アレルゲン量が所定量以上であるので、図1に示したようにラテックス凝集が生じないため、検出窓21からはラテックス凝集体が目視で確認できない。しかし、第2検出部11、第3検出部12、第4検出部13においては、アレルゲン量が所定量未満であるので、第2検出窓21、第3検出窓22、第4検出窓23でラテックス凝集体が観察される。
同様に‘多い’〜‘非常に多い’花粉量を受容した場合、第1検出部10、第2検出部11においては、アレルゲン量が所定量以上であるので、ラテックス凝集が生じないため、第1検出窓20、第2検出窓21からラテックス凝集体が目視で確認できない。
しかし、第3検出部12、第4検出部おいては、アレルゲン量が所定量未満であるので、第3検出窓22、第4検出窓23でラテックス凝集体が目視で確認できる。
更に、‘非常に多い’花粉量を受容した場合、第1検出部10、第2検出部11、第3検出部12おいては、アレルゲン量が所定量以上であるので、ラテックス凝集が生じないため、第1検出窓20、第2検出窓21、第3検出窓22からラテックス凝集体が目視で確認できない。
この場合、第1〜第3検出窓にてラテックス凝集体が目視で確認できないので、使用者は検出結果が‘非常に多い’以上であるためラテックス凝集体が観察されなかったのか、もしくは検出失敗なのかの判定が難しいという問題がある。
しかし、上記構成では、第4検出部13に通常存在し得ない過剰量の抗原、および該抗原と凝集しうる量の抗体が感作した抗体感作ラテックスを充填している。この構成により、検出が成功していれば、必ず第4検出窓23からはラテックス凝集体が目視で確認できるので、測定の終了及び成功か否かの判断が容易となる。このように、本実施の形態に係るアレルゲンチップを用いると、アレルゲンを取り入れる操作と、送液ボタンを押す操作だけで、アレルゲンの有無だけではなく、空気中のアレルゲン濃度をある程度検出することができる。すなわち、アレルギー発症の危険性を知ることができる。
[実施の形態2]
本発明の別の実施形態としては、検出方法としてラテックス凝集法を用いずに、イムノクロマトグラフ的方法を用いる。この方法では、検出部内の定められた位置で呈色の有無を確認することにより検出を行う。ここで、実施の形態2の場合、図10に示した吸水性基材51は必ず設置しなければならない。
一般的には図20に示すように、イムノクロマトグラフ法は、いわゆるサンドイッチ法を用い、第1抗体−抗原−標識第2抗体複合体122を検出するが、本発明の場合、いわゆる競合法を用い、標識第2抗体を用いずに、抗原感作ラテックスを用いる。つまり、図12に示すように各検出部10,11,12,13の吸水性基材上に抗体固定化領域70を設け、抗原感作ラテックス充填領域71に抗原感作ラテックスを充填する形となる。アレルゲン受容部14から得られたアレルゲンと競合的に固定化抗体と反応が起こり、検出部がラテックスにより呈色していれば陰性(アレルゲン無)、呈色していなければ陽性(アレルゲン有)とみなし、陽性・陰性の境界から空気中の花粉アレルゲン濃度の検出が可能となる。
(チップ)
アレルゲンチップ自体のマイクロ流路15、送液部17、アレルゲン受容部14等の構造は実施の形態1(図2または図9)と同様である。但し、前記したようにマイクロ流路15内に必ず吸水性基材51を設置する。
(検出部)
検出部は図12に示したように、抗体を第1検出部10、第2検出部11、第3検出部12、第4検出部13内の吸水性基材上の抗体固定化領域70に固定化する。抗体固定化領域70の形状は、イムノクロマトグラフ法で通常用いられる線状や、図12のような丸型等目視で検出可能な形であればどのような形でも可能である。実施形態1のように各検出部の抗体の量は変化させておく必要がある。具体的には、抗体固定化密度は変えずに抗体の抗体固定化領域70,71,72,73の面積を各検出部間で変化させておく。つまり、抗体量が多い場合、図12に示すように抗体固定化面積は広くなる。
抗原感作ラテックスは、実施の形態1で作製した抗体感作ラテックスと同様に作製する。図12に示した標準抗原充填領域74に抗原感作ラテックスを充填しておく。
(判定)
図13に示すように、アレルゲン採取後、アレルゲン受容部14から得られたアレルゲン(抗原)73は抗原感作ラテックス74と競合的に検出部の抗体固定化領域70の固定化抗体75と反応する。予め固定化抗体75とそれと対応した抗原感作ラテックスが充填されているため、アレルゲン受容部14から得られた抗原73が抗原感作ラテックス74よりも非常に少なければ、固定化抗体−抗原感作ラテックス複合体76が多く形成され、検出窓にて検出部でのラテックスによる呈色が確認できる。また、アレルゲン受容部14から得られた抗原73が予め充填されている抗原感作ラテックス74よりも非常に多い場合、図14のように固定化抗体−抗原複合体77が多く形成され、ラテックスによる呈色は確認できない。本実施の形態では、呈色していれば陰性、呈色していなければ陽性とみなし、陰性・陽性の境界から空気中の花粉アレルゲン濃度の検出ができる。
(判定の詳細)
例えば、図2のアレルゲンチップを用いて花粉アレルゲン飛散量を測定する。チップ内には予め第1検出部10に‘やや多い’時のアレルゲン量、第2検出部11は花粉量が‘多い’時のアレルゲン量、第3検出部12は花粉量が‘非常に多い’時のアレルゲン量の4分の1量(4つの検出部が並列にアレルゲン受容部14と繋がっているため)の抗原感作ラテックスを充填し、該抗原感作ラテックスと結合し、ラテックスからの呈色が目視にて確認できる量の抗体を固定化抗体領域70に固定化し、第4検出部13には第3検出部の2倍以上抗原感作ラテックスを充填し、それに対応した抗体を固定化したチップを作製する。
‘少ない’〜‘やや多い’花粉量を受容した場合、第1検出部10、第2検出部11、第3検出部12、第4検出部13においてアレルゲン量が所定量未満であるため、全ての検出窓で固定化抗体−抗原感作ラテックス複合体76が十分に形成され、結果としてラテックスによる呈色が観察される。
また、‘やや多い’〜‘多い’花粉量を受容した場合、第1検出部においてアレルゲン量が所定量以上であるため、図14に示すように、固定化抗体−抗原感作ラテックス複合体76以上に抗原−固定化抗体複合体77が形成され、結果としてラテックスによる呈色は観察されない。しかし、第2検出部11、第3検出部12、第4検出部13においてアレルゲン量が所定量未満であるため、第2検出窓21、第3検出窓22、第4検出窓23からラテックスによる呈色が観察される。
同様に‘多い’〜‘非常に多い’花粉量を受容した場合、第1検出部10、第2検出部11内においてアレルゲン量が所定量以上であるため、固定化抗体−抗原感作ラテックス複合体76以上に抗原−固定化抗体複合体が形成され、結果として第1検出窓20、第2検出窓21からラテックスによる呈色が観察されない。しかし、第3検出部12、第4検出部13においてアレルゲン量が所定量未満であるため、第3検出窓22、第4検出窓23でラテックスによる呈色が観察される。
更に、‘非常に多い’以上の花粉量を受容した場合、第1検出部10、第2検出部11、第3検出部12においてアレルゲン量が所定量以上であるため、第1検出窓20、第2検出窓21、第3検出窓22からラテックスによる呈色が観察されない。しかし、過剰量の抗原・抗体を充填した第4検出部13を設けることにより、上記実施の形態1と同様に、第4検出部からのラテックスによる呈色を確認することにより、検出の成功を確認できる。このように、実施の形態2では検出の際に利用する原理は上記実施の形態1と異なるが、実施の形態1と同じように、使用者は4つの検出窓でのラテックスによる呈色の有無の境界でアレルゲン量を検出することが可能である。
[実施の形態3]
本発明の更に別の実施の形態としては、実施の形態1の検出部における抗体感作ラテックスと標準抗原を、乾燥抗体と抗原感作ラテックスに変えた形態である。即ち図15に示すように抗原感作ラテックスを抗原感作ラテックス充填領域81に充填し、乾燥抗体を乾燥抗体充填領域80に充填する。上記実施の形態1、2のようにチップ内に抗原が入っているものよりも、抗原感作ラテックスとしてチップ内に充填されている方が、例えばチップが破損等した際等に、アレルギー患者が抗原と接触しにくいため、より好ましい。
判定方法としては実施の形態1と同様に、ラテックス凝集体が観察された検出窓を陰性とみなし、観察されなかった検出窓を陽性とみなす。上記実施の形態1と2同様に、使用者は陽性・陰性の境界を観察することにより、アレルゲンの検出が可能となる。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明する。
実施形態1に対応する図16に示すようなアレルゲンチップを作製し、スギ花粉のアレルゲンであるcryj Iの検出を行った。
(チップ)
図16のマイクロ流路用基板52、蓋用基板50、送液部25、アレルゲン受容部用キャップ60ともに透明性の高いポリジメチルシロキサン(PDMS)で作製した。マイクロ流路15は、幅300μm、深さ50μmとした。またアレルゲン受容部14は7cm2、各検出部10,11,12,13は0.75cm2とした。
(アレルゲン量)
ダーラム法(グリースを塗布したプレパラートを水平に置き、落下した花粉の個数を顕微鏡観察により計測する方法)によると、スギ花粉飛散状況が‘非常に多い’は1日に50個/cm2以上、‘多い’は1日に30〜50個/cm2、‘やや多い’は1日に10〜30個/cm2、‘少ない’は1日に10個/cm2未満を指し、多くの花粉症患者は‘やや多い’以上の場合に発症することが知られている。つまり、スギ花粉飛散が‘少ない’場合は、発症しにくいと考えられるので、最低‘やや多い’以上のアレルゲン量を検出しなければならない。
また、花粉飛散状況の日中変動は、朝昼の10時間で、1日の飛散量の80%以上飛散することが確認されている。よって、スギ花粉アレルギー患者の多くは、夜よりも朝昼の方が発症率は高いため、朝昼のアレルゲン濃度を知ることが大切であると考えられる。朝昼の場合1時間当たり、‘非常に多い’は4個/cm2以上、‘多い’は2.4〜4個/cm2、‘やや多い’は0.8〜2.4 個/cm2、‘少ない’は0.8個/cm2未満と近似できる。
また、花粉粒子1個につき、cryj Iが約6pg含有されていると報告されている。つまり、cryj I量に換算すると、‘非常に多い’は24pg/cm2以上、‘多い’は14.4〜24pg/cm2、‘やや多い’は4.8〜14.4pg/cm2、‘少ない’は4.8pg/cm2未満である。アレルゲン受容部14の面積は7cm2なので、花粉アレルゲン受容時間を20分、4つの各検出部10,11,12,13に均等にアレルゲン受容部に流れると仮定すると、非常に多い’は9.6pg以上、‘多い’は5.8〜9.6pg、‘やや多い’は1.9〜5.8pg、‘少ない’は1.9pg未満をこのアレルゲンチップで検出することにした。
第1検出部10には1.9pg、第2検出部11には5.8pg、第3検出部12には9.6pg、第4検出部13には20pgのcryj I量を含有した溶液1μlを各標準抗原充填領域に滴下し、デシケーター内で乾燥させた。
(抗体感作ラテックス)
抗体感作ラテックスの作製は、通常行われている共有結合法を用いた。平均粒径0.304 μmのカルボキシル基修飾ポリスチレンラテックスを用い、N−ヒドロキシスクシンイミド/カルボジイミド塩酸塩を用いて抗cryj I−IgGポリクローナル抗体を固定化した。IgG抗体固定化前後のIgG抗体溶液の濃度を測定しておき、固定化させる際のIgG抗体濃度を変えることで、IgG抗体の固定化量を調節した。具体的には、第1検出部:約20μg/ml(1ml)、第2検出部:約70μg/ml(1ml)、第3検出部:約120μg/ml(1ml)、第4検出部:約250μg/ml(1ml)で、それぞれ1時間固定化した。ここで、この量は予め充填する抗原と反応させた場合、ラテックスの凝集が直径約1mm程度以上になるように設定している。また、ラテックスの比重が0.01mg/mlになるように調製し、各抗体感作ラテックス充填領域に100μl滴下し、デシケーター内で乾燥させた。
(緩衝液)
抗体、抗原を充填した後、マイクロ流路用基板52と蓋用基板50を接着した。緩衝液としてはPBS緩衝液を用いた。送液部17は図11に示したタイプのものを用いた。PDMSで作製した緩衝液タンク42に緩衝液を注射器等で注入し、その注入した穴を更にPDMSで閉じ、接着後のチップ内に設置した。本アレルゲンチップの流路内の体積と同量の約60μlの緩衝液を緩衝液タンク52内に注入した。同じアレルゲンチップを4つ作製した。
(実験1)
花粉飛散量が‘やや多い’場合、アレルゲン受容孔24には7.6pgのcryj Iが受容されることになるので、7.6pgに相当するcryj I溶液をアレルゲン受容孔24に滴下した。その後、アレルゲン受容部用キャップ60を取り付け、送液ボタン25を押込みチップ内に緩衝液を満たした。10分後、第1検出窓20からはラテックス凝集体が目視観察されず陽性であったが、第2〜4検出窓21,22,23からはラテックス凝集体が目視で観察され陰性であった。つまり、花粉飛散量‘やや多い’を検出できた。
(実験2)
別のチップを用いて、花粉飛散量が‘多い’場合の23.2pgに相当するcryj I溶液をアレルゲン受容孔24に滴下した。同様に送液し、10分後、第1,第2検出窓20,21からはラテックス凝集体が目視で観察されず陽性であったが、第3, 第4検出窓22,23からはラテックス凝集体が目視で観察され陰性であった。つまり、花粉飛散量‘多い’を検出できた。
(実験3)
別のチップを用いて、花粉飛散量が‘非常に多い’場合の38.4pgに相当するcryj I溶液をアレルゲン受容孔に滴下した。同様に送液し、10分後、第1〜第3検出窓20, 21,22からはラテックス凝集体が目視で観察されず陽性であったが、第4検出窓23からはラテックス凝集体が目視で観察され陰性であった。つまり、花粉飛散量‘非常に多い’を検出できたことに相当する。第4検出窓23を設けているため、送液や反応が進行したかどうかを、第4検出窓23での凝集体の目視での確認で判定できた。
(実験4)
花粉が全く空気中に存在しない場合として、アレルゲン受容孔24にcryj Iを滴下せずにそのまま送液を行った。10分後全ての検出窓20,21,22,23からラテックス目視で凝集体が観察され、全て陰性であったので、花粉量が‘少ない’ことが検出できた。
以上のように、本発明に係るアレルゲン検出チップを用いることで、専門知識を有することなく、簡便な操作で且つ短時間で空気中の花粉量を検出・定量することが可能である。
本発明によると、アレルギー患者自身が容易に取り扱うことができ、短時間で検出・定量を行いうる、安価なアレルゲン検出チップを提供できる。さらに、本発明はアレルギー症状の原因となる物質以外に、タンパク質の検出にも応用可能であり、産業上の利用可能性は大きい。
抗原過剰状態における抗体感作ラテックスを用いた際のラテックス凝集が起こらないことを示した模式図である。 本発明によるアレルゲンチップの1例のマイクロ流路の平面図である。 本発明によるアレルゲンチップにおける蓋部位の平面図である。 本発明によるアレルゲンチップ蓋部位における検出窓の一例の平面図である。 空気孔領域の拡大図である。 本発明によるアレルゲンチップの検出部・検出部付近のマイクロ流路の拡大図である。 本発明によるアレルゲンチップ送液部の断面図である。 本発明によるアレルゲンチップ送液部の他の形態を示す断面図である。 本発明によるアレルゲンチップの1例のマイクロ流路の平面図を示す図であって、図2のアレルゲンチップにさらにアレルゲン受容部用送液部を付加したものを示す図である。 本発明による1実施の形態を示す組立前斜視図である。 本発明によるアレルゲンチップにおけるアレルゲン受容部の拡大図であって、アレルゲン受容部用キャップの取り付け部位を示す図である。 本発明によるアレルゲンチップ実施の形態2における検出部の拡大図である。 本発明によるアレルゲンチップ実施の形態2における検出方法の原理図である。 本発明による実施の形態2において、アレルゲン受容部から得られた抗原が過剰にある場合、呈色が起こらないことを示した模式図である。 本発明によるアレルゲンチップ実施の形態2における検出部・検出部付近のマイクロ流路の拡大図である。 実施例に用いたアレルゲンチップの概略図である。 抗体感作ラテックスを用いた際のラテックス凝集法の原理図である。 抗原感作ラテックスを用いた際のラテックス凝集法の原理図である。 一般的なイムノクロマトグラフ法の検査試験紙の模式図である。 一般的なイムノクロマトグラフ法の原理図である。 凝集しうる量を定める方法を示すグラフである。
符号の説明
1 抗原
2 抗体
4 抗原−抗体感作ラテックス複合体
10 第1検出部
11 第2検出部
12 第3検出部
13 第4検出部
14 アレルゲン受容部
15 マイクロ流路
16 基板
20 第1検出窓
21 第2検出窓
22 第3検出窓
23 第4検出窓
24 アレルゲン受容部用孔
25 送液ボタン
26 蓋基板
30 検出窓
31 空気孔領域
35 空気孔
37 検出部
38 抗体感作ラテックス充填領域
39 標準抗原充填領域
41 ニードル
42 緩衝液用タンク
46 緩衝液チャンバー
47 ストッパー
49 アレルゲン受容用送液部
50 蓋用基板
51 吸水性基材
52 マイクロ流路用基板
60 アレルゲン受容部用キャップ
70 抗体固定化領域
71 抗原感作ラテックス充填領域
73 アレルゲン受容部から得られたアレルゲン(抗原)
74 抗原感作ラテックス
75 固定化抗体
76 固定化抗体−抗原感作ラテックス複合体
77 抗原−固定化抗体複合体
80 乾燥抗体充填領域
81 抗原感作ラテックス充填領域
101 測定対象物質(抗原)
102 抗体(ラテックスに感作された)
103 抗体感作ラテックス
104 抗原−抗体感作ラテックス凝集体
105 ラテックス
106 抗原(ラテックスに感作された)
107 抗原感作ラテックス
108 抗体
109 抗体−抗原感作ラテックス凝集体
111 試料滴下部
112 検出部
113 判定部
114 吸水性基材
120 標識抗体−抗原複合体
121 固定化抗体
122 固定化抗体−抗原−標識抗体複合体

Claims (23)

  1. アレルゲン含有液を、標準抗原と、前記アレルゲンと特異的に反応する抗体がラテックスに固定された抗体感作ラテックスと、を含む検出部内に導入し、前記標準抗原と前記アレルゲンとを、前記抗体感作ラテックス中の抗体に対して反応させて、ラテックス凝集体の有無によってアレルゲンを検出するアレルゲン検出方法であって、
    前記検出部に導入されるアレルゲン含有液中のアレルゲン量が所定量未満である場合には、抗原抗体反応によるラテックス凝集体が目視にて観察され、
    前記検出部に導入されるアレルゲン含有液中のアレルゲン量が所定量以上である場合には、ラテックス凝集体が目視にて観察されないように、前記標準抗原の量と、前記抗体感作ラテックス中の抗体量とを規定することを特徴とするアレルゲン検出方法。
  2. アレルゲン含有液を、前記アレルゲンと特異的に反応する抗体と、標準抗原がラテックスに固定された抗原感作ラテックスと、を含む検出部内に導入し、抗原感作ラテックス中の前記標準抗原と前記アレルゲンとを、前記抗体に対して反応させて、ラテックス凝集体の有無によってアレルゲンを検出するアレルゲン検出方法であって、
    前記検出部に導入されるアレルゲン含有液中のアレルゲン量が所定量未満である場合には、抗原抗体反応によるラテックス凝集体が目視にて観察され、
    前記検出部に導入されるアレルゲン含有液中のアレルゲン量が所定量以上である場合には、ラテックス凝集体が目視にて観察されないように、前記標準抗原の量と、前記抗体感作ラテックス中の抗体量とを規定することを特徴とするアレルゲン検出方法。
  3. アレルゲン含有液を、標準抗原に着色されたラテックスが付加された抗原感作ラテックスが充填され、且つ前記アレルゲンと特異的に反応する抗体が固定された検出部内に導入し、前記抗原感作ラテックス中の標準抗原と前記アレルゲンとを、前記抗体に対して反応させ、抗原感作ラテックス−固定化抗体複合体を形成させ、該抗原感作ラテックス−固定化抗体複合体のラテックスの呈色に基づいてアレルゲン量を検出するアレルゲン検出方法であって、
    前記検出部に導入されるアレルゲン含有液中のアレルゲン量が所定量未満である場合には、抗原抗体反応によるラテックスによる呈色が目視にて観察され、
    前記検出部に導入されるアレルゲン含有液中のアレルゲン量が所定量以上である場合には、ラテックスによる呈色が目視にて観察されないように、前記標準抗原の量と、前記抗体感作ラテックス中の抗体量とを規定することを特徴とするアレルゲン検出方法。
  4. 前記ラテックスの色が、前記検出部の材料の色とは異なることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のアレルゲン検出方法。
  5. 前記検出部は、充填された標準抗原及び抗体の量が異なる複数からなり、
    それぞれの検出部に対して同時並行的にアレルゲンの検出を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載のアレルゲン検出方法。
  6. 検出対象とするアレルゲンの最大量をXとするとき、前記検出部の一つには前記Xに対応する量の標準抗原及び抗体が設けられており、
    前記検出部の他の一つには、前記Xよりも多い量の標準抗原及び抗体が充填されていることを特徴とする請求項5に記載のアレルゲン検出方法。
  7. アレルゲンを装置内部に取り入れるアレルゲン受容部と、
    前記アレルゲン受容部の下流側に設けられた複数の検出部と、
    前記アレルゲン受容部と、それぞれの検出部とを、並列で連通する複数の流路と、
    が一枚の基板上に設けられ、
    前記検出部の内部には、前記抗原と特異的に反応する抗体と、標準抗原と、が含まれることを特徴とするアレルゲン検出装置。
  8. 前記複数の流路は、前記アレルゲン受容部の下流側に直結した直結流路の下流側末端に接続された分岐流路であることを特徴とする請求項7記載のアレルゲン検出装置。
  9. 前記検出部に導入されるアレルゲン量が所定量未満である場合には、抗原と抗体との反応により生じる凝集体が目視で確認できるように、前記標準抗原の量と前記抗体の量とが規制されていることを特徴とする請求項7または8に記載のアレルゲン検出装置。
  10. 前記検出部に導入されるアレルゲン量が所定量以上である場合には、抗原と抗体との反応によって目視で確認できる凝集体が生じないように、前記標準抗原の量と前記抗体の量とが規制されていることを特徴とする請求項9に記載のアレルゲン検出装置。
  11. 前記複数の検出部内に含まれる抗体の量と抗原の量とが、各検出部で異なるように設定されていることを特徴とする請求項10に記載のアレルゲン検出装置。
  12. 前記検出部、前記アレルゲン受容部及び前記流路内に、吸水性基材が設置されていることを特徴とする請求項7ないし11のいずれか記載のアレルゲン検出装置。
  13. 前記アレルゲン受容部の上流側に、緩衝液を流す送液部が設けられていることを特徴とする請求項7ないし12のいずれかに記載のアレルゲン検出装置。
  14. 前記送液部が、送液ボタンと、前記送液ボタンに取り付けられた突刺部材と、緩衝液を貯蔵するとともに、前記突刺部材により突き破れる強度の材質からなる液体タンクと、から構成されていることを特徴とする請求項13に記載のアレルゲン検出装置。
  15. 前記送液部が、送液ボタンと、ストッパーで仕切られた緩衝液を貯蔵する液体チャンバーと、で構成されていることを特徴とする請求項13に記載のアレルゲン検出装置。
  16. 前記検出部内に含まれる標準抗原が、ラテックスに固定された抗原感作ラテックスであることを特徴とする請求項7ないし15いずれかに記載のアレルゲン検出装置。
  17. 前記検出部内に含まれる抗体が、ラテックスに固定されていることを特徴とする請求項7ないし15いずれかに記載のアレルゲン検出装置。
  18. 前記ラテックスの量が、それぞれの検出部に同量ずつ含まれていることを特徴とする請求項16または17に記載のアレルゲン検出装置。
  19. 前記検出部内に含まれる抗体が、検出部表面に固定化されており、
    アレルゲン受容部から検出部に向かって、抗原感作ラテックス、固定化抗体の順に充填されていることを特徴とする請求項16に記載のアレルゲン検出装置。
  20. 前記ラテックスが、前記基板の色と異なる色であることを特徴とする請求項16ないし19のいずれかに記載のアレルゲン検出装置。
  21. 前記ラテックスが、それぞれの検出部でその色が異なるように設定されていることを特徴とする請求項20記載のアレルゲン検出装置。
  22. 各検出部の上部に対応する位置に透明の検出窓が形成された蓋を備えることを特徴とする請求項7ないし21いずれかに記載のアレルゲン検出装置。
  23. 検出対象とするアレルゲンの最大量をXとするとき、前記検出部の一つには前記Xに対応する量の標準抗原及び抗体が設けられており、
    前記検出部の他の一つには前記Xよりも多い量の標準抗原及び抗体が設けられていることを特徴とする請求項7ないし22いずれかに記載のアレルゲン検出装置。


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