JP2007139343A - 竪型焼成炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価な固体燃料を使用し、簡単な構造のもとで、効率よくかつ均一に燃焼が行なえる竪型焼成炉を提供することを目的とする。
【解決手段】上部で接続された内筒部2及び外筒部3と炉床6により囲まれて形成された環状の予熱空間16には外部から原料を予熱空間に落下供給する原料供給管19が設けられ、予熱空間16は燃焼室15に連通するように半径方向内方に開放され、炉床6の中央部に形成された落下口6Aの縁部からは縦筒状の炉本体9が下方に延びて設けられ、落下口6Aから落下して炉本体9内で焼成された原料を製品として取り出すための取出口14が炉本体の下部に形成されている竪型焼成炉において、燃料供給口が炉蓋1に複数形成され、各燃料供給口に固体燃料の供給のための燃料供給管5がそれぞれ設けられ、各燃料供給管5は個別に燃料供給量が調整可能となっている。
【選択図】図1
【解決手段】上部で接続された内筒部2及び外筒部3と炉床6により囲まれて形成された環状の予熱空間16には外部から原料を予熱空間に落下供給する原料供給管19が設けられ、予熱空間16は燃焼室15に連通するように半径方向内方に開放され、炉床6の中央部に形成された落下口6Aの縁部からは縦筒状の炉本体9が下方に延びて設けられ、落下口6Aから落下して炉本体9内で焼成された原料を製品として取り出すための取出口14が炉本体の下部に形成されている竪型焼成炉において、燃料供給口が炉蓋1に複数形成され、各燃料供給口に固体燃料の供給のための燃料供給管5がそれぞれ設けられ、各燃料供給管5は個別に燃料供給量が調整可能となっている。
【選択図】図1
Description
本発明は、粉粒塊状の固体燃料を使用して、粒塊状の石灰石、ドロマイト、マグネサイト、鉄鉱石あるいは造粒された原料(以下、「原料」という)を高温下で加熱焼成するための竪型焼成炉に関する。
この種の竪型焼成炉としては特許文献1において開示されている竪型焼成炉が知られている。この公知の焼成炉は、鉛直軸線を中心として回転する環板状の回転炉床を炉蓋の下方に設け、外部から焼成されるべき原料を供給するための原料供給管を通して該回転炉床上の予熱空間に落下供給して原料の一次堆積層を形成する。該一次堆積層は原料供給管側の上部自由表面と燃焼室に面する下部自由表面とを安息角をもって形成する。炉蓋の中央位置には、気体あるいは液体燃料を燃焼するバーナが設けられ、燃焼室で燃焼ガスを生成する。上記炉蓋の直下で回転炉床の中央空間部に形成される燃焼室に対面する上記一次堆積層の下部自由表面に対する燃焼室の高温の炎・燃焼ガスからの放射伝熱および上記一次堆積層を上方に貫流し上部自由表面へ流出する燃焼ガスからの対流伝熱によって上記原料を加熱して50〜60%程度の焼成(半焼成)を達成し、炉の周囲に配置した複数のプッシャーの作用で上記回転炉床の中央部に形成された落下口から上記半焼成の原料を落下させて、上記炉床に連続して下方に延びるように設けられた筒状の炉本体の下部空間に上記半焼成原料の二次堆積層を形成させここで完全なる焼成を行っている。
この特許文献1では、炉蓋中央に設けられたバーナから噴射される気体又は液体燃料に加え、燃料として、必要に応じ固体燃料を補助的に使用できるようになっており、そのために炉蓋には固体燃料供給口が設けられている。この固体燃料供給口は、炉蓋の中心から離れた偏心位置に設けられていて、回転せる炉本体内に固体燃料が落下したときに、この炉本体の回転に伴い該炉本体内の二次堆積層の表面上に、周方向に均一に供給されるようになっている。
二次堆積層が形成される上記炉本体内には、中央部にデイフューザ及びエジェクタが配置されている。デイフューザは縦筒状をなし上方に向けテーパ状に拡径された内径の貫通した送気孔が形成されており、該デイフューザの下部開口に、外部からの燃焼用の空気を噴出するエジェクタが臨んでいる。上記炉床から炉本体に落下した半焼成の原料の上記二次堆積層は上記デイフューザの外周に形成され該デイフューザの上端近傍にまで達している。上記二次堆積層は、デイフューザの上端外周にて燃焼室に面する上部自由表面とデイフューザの下端の内側でエジェクタの周囲に下部自由表面とを安息角をもって形成する。かかるデイフューザ及びエジェクタによると、空気がエジェクタからデイフューザの送気口に向け噴出されると、デイフューザの周囲に形成された上記二次堆積層のエジェクタの周囲部分に形成された下部自由表面の領域が低圧となるため、デイフューザの上端外周に形成された二次堆積層の上部自由表面から該二次堆積層内に燃焼室内の燃焼ガスの一部が吸引され下部自由表面に向かって貫流する。したがって、この二次堆積層は上記貫流する燃焼ガスにより完全に焼成されて製品となる。製品は炉本体の底部の取出口から落下して取り出されるが、その際、取出口から炉本体内に流入する空気及びエジェクタを介して、該エジェクタ内を流れる空気により冷却される。
特許第3623016号
このような特許文献1の焼成炉にあっては、燃焼を燃焼室内で均一に行なうために気体あるいは液体の燃料を用いており、燃料費が高くなる。補助的に固体燃料を用いて、その分、燃料費を抑制できるが、あくまで補助的であり、気体あるいは液体燃料を主燃料としている以上、大幅な燃料費の削減とはならない。また、固体燃料供給口は炉蓋中心から偏心した位置にあり、炉本体の回転により周方向に均一に固体燃料を供給しようとしているが、何らかの原因で二次堆積層表面が不均一となっていると、これを修正できず、この二次堆積層の上には、固体燃料が不均一に堆積される。
さらには、炉床体内での燃焼を効率よく行なうために、デイフューザ等を設けることとしているので、炉内の構造が複雑となり、ひいては設備費が嵩む。
本発明は、このような事情に鑑み、安価な固体燃料を使用し、簡単な構造のもとで、効率よくかつ均一に燃焼が行なえる竪型焼成炉を提供することを目的とする。
本発明に係る竪型焼成炉は、鉛直軸線まわりに回転し中央部に原料の落下口が形成された環状の炉床と該炉床の上方位置に固定して配された炉蓋とを有し、該炉蓋の周囲には上記落下口より大径の外径をもち該炉蓋に連続して設けられた内筒部と該内筒部に上部で接続される外筒部が設けられ、該外筒部が内筒部よりも下方に長く延びて形成され、上記炉蓋には直下に形成される燃焼室に外部から燃料を供給する燃料供給口が設けられ、上記炉床と外筒部の下端との間には外部に対し気密なシール装置が設けられて炉床の炉蓋に対する相対回転を許容しており、上部で接続された内筒部及び外筒部と上記炉床により囲まれて形成された環状の予熱空間には外部から原料を該予熱空間に落下供給する原料供給管が設けられ、該予熱空間は上記燃焼室に連通するように半径方向内方に開放され、上記炉床の中央部に形成された上記落下口の縁部からは縦筒状の炉本体が下方に延びて設けられ、上記予熱空間内の原料が燃焼室に面する側から落下するようになっており、上記落下口から落下して該炉本体内で焼成された原料を製品として取り出すための取出口が炉本体の下部に形成されている。
かかる竪型焼成炉において、本発明では、燃料供給口は炉蓋に複数形成され、各燃料供給口に固体燃料の供給のための燃料供給管がそれぞれ設けられ、各燃料供給管は個別に燃料供給量が調整可能となっていることを特徴としている。
炉蓋に複数設けられた燃料供給管からは、炉内で広い範囲に固体燃料が落下供給される。固体燃料は、粉状のものと、粒状あるいは塊状のものとが混在しており、前者は燃焼室内に飛散してここで燃焼し、予熱空間の原料をその堆積層表面から加熱し、後者は炉本体内そして炉床上の原料堆積層表面に落下し、原料と共に落下そして降下しながら燃焼して該原料を加熱する。
本発明において、複数の燃料供給管はそれぞれ個別に燃料供給量が調整可能になっており、炉本体内の堆積層表面の温度を複数位置で計測することにより、その温度に応じて、対応する燃料供給管からの燃料供給量をそれぞれ加減調整して、複数位置での温度を均一となるようにする。
このような本発明において、各燃料供給管は、例えば、各燃料供給管が燃料分配装置に接続されていて、該燃料分配装置は可動な分配口を有し、該分配口が順次各燃料供給管に燃料を分配する位置へ移動可能となっているようにすることもできる。上記燃料分配装置の分配口が、それぞれの燃料供給管への分配時間を適宜調整することにより、各燃料供給管での供給量を制御できる。
本発明では、上記燃料分配装置を設ける代わりに、それぞれスクリューフィーダが接続されていて、各スクリューフィーダが個別に燃料供給量の調整を可能とすることができる。
本発明では、燃焼室内のガスを攪拌するための空気を上記燃料供給管の出口部から固体燃料の落下と共に噴出するようになっていることとするとよい。送気管から噴出される空気が、各燃料供給管から落下された固体燃料のうち粉状成分が燃焼室内に飛散する際、この粉状成分を攪拌して該粉状成分の燃焼室内での燃焼を均一とする。
本発明において、各燃料供給管は該燃料供給管の出口部に噴出空気により駆動されて回転し、燃料の噴出域を拡大する旋回羽根が設けられていることが好ましい。これによって固体燃料の粉状成分の燃焼室での飛散がさらに均一化される。
本発明は、以上のように、固体燃料のみを燃料として用いることとしたので、燃料費がきわめて低減され、しかも固体燃料であっても、その微粉状のものを燃焼室で燃焼させ、粗粒状のものを炉床上の一次堆積層の原料上に分散させそして炉本体の二次堆積層の原料粒に混合させて燃焼するのでその燃焼そして伝達がきわめて効率よく、さらには、上記固体燃料を複数の固体燃料供給管から、個々に調整しつつ供給することとしたので燃焼すなわち焼成が均一化されて、無駄な燃料を消費したり、ムラのある焼成をしたりすることがなくなる。
以下、添付図面にもとづき本発明の実施の形態を説明する。
図1において、符号1は耐熱材から成る炉蓋であり、該炉蓋1の外周には内筒部2が連続して設けられ、該内筒部2の外側に外筒部3が設けられている。内筒部2と外筒部3は上部にて接続部4により接続されており、外筒部3は内筒部2よりも下方に延びている。
上記炉蓋1には複数個の固体燃料供給管5が下向きに設けられあり、各固体燃料供給管には粉粒状固体燃料が送入される。該固体燃料供給管5については、再度後述する。
上記炉蓋1の下方には耐熱材から成る環板状の炉床6が回転自在に設けられている。該炉床6は図示しない外部の駆動装置により鉛直な中心線7まわりに回転される。該炉床6の外周縁と上記外筒部3の下端との間には、両者の間を気密とするシール装置8、例えば公知の水シールが設けられており、該シール装置8により、外部に対して気密を維持しつつ炉床6の回転が許容される。該炉床6の中央部には落下口6Aが形成されており、該落下口6Aの周縁から下方に縦筒状の炉本体9が連続して設けられている。本実施形態の場合、該炉本体9は下部に向け末つぼまり状となっている。該炉本体9の内部下方位置には、外部から炉内へ冷却空気を送入する送気管10が設けられている。該送気管10は炉本体9の下端近傍位置で、炉本体9の回転を許容するように回転継手11を介して設けられた底管12から管内へ進入し上方に向け開口し、この開口には、炉本体9内の原料の進入を阻止する傘部材13が設けられている。上記底管12の下部には取出口14が設けられている。
上記炉蓋1の直下には燃焼室15が形成され、これを取り囲むようにして内筒部2、外筒部3、接続部4そして炉床6によって環状の予熱空間16が形成され、該予熱空間16はその半径内方にて上記燃焼室15に向け開放されている。該予熱空間16には外方から半径方向に延びるロッド状のプッシャー16Aが外筒部3を貫通して設けられ、炉の半径方向(ロッドの長手方向)に適宜往復動するようになっている。
上記炉蓋1の上方位置には、焼成されるべき原料、例えば、石灰石、ドロマイト、マグネサイトのような鉱物あるいは各種の無機物質を混合・成形して作ったペレット等を予め貯留しておく貯留装置17が配設されている。本実施形態の場合には、貯留装置17は、上部貯留装置17Aと下部貯留装置17Bとを有しており、両者は気密供給機構たるロータリバルブ18を介して接続されている。上記ロータリバルブ18は、本実施形態の場合、四つの室に区分されていて、該ロータリーバルブ18が回転することにより上方に位置する室で上部貯留装置17Aから原料Sを受け、該ロータリバルブ18の回転に伴い上記室が下方に位置したときに該原料Sを下部貯留装置17Bに落下せしめるようになっており、かくして、下部貯留装置17Bは外気から遮断された状態で、上部貯留装置17Aからの原料を受ける。
上記予熱空間16の上壁を形成する接続部4には、上記下部貯留装置17Bから原料を上記予熱空間16内へ落下供給する複数の原料供給管19と、予熱空間16の上部から排ガスを導き出す排ガス導管20とが接続されている。
炉蓋1に取りつけられた既出の複数の固体燃料供給管5は、それらの上端側が一つの燃料分配装置21に接続されている。この分配装置21は、一つの槽22内に分配口23Aを有する回転分配体23を配している。槽22は上部にスクリューコンベア24そしてロータリバルブ24Aを経て外部から乾燥固体燃料(粉状、粒状、塊状固体燃料を含む)の供給を受ける受部22Aを有し、下部には各固体燃料供給管5が接続されている漏斗状の導入部22Bを有している。上記回転分配体23は、上部が開口23Aとなっていて上記受部22Aからの固体燃料を受け、下部に斜め下方に向け延出するシュート状の分配口23Bから該固体燃料を滑落するようになっている。該回転分配体23は、その上方に設けられたモータ25により回転されるようになっていて、回転と共に、各固体燃料供給管5へ上記分配口23Bからの固体燃料を順次供給する。上記回転分配体23は、複数の固体燃料供給管5のそれぞれに対し、供給時間を加減するように回転速度が制御される。この制御は、例えば、各固体燃料供給管5の下端出口近傍での燃焼室温度、各固体燃料供給管5の直下位置での炉内の堆積層表面温度等を検出センサ(図示せず)で検出しその信号を受け、これらの検出値が各位置で均一化するように行なわれる。上記各固体燃料供給管5には、燃焼用の空気が供給され、この空気が燃料と共に燃焼室15に吹き出されることが好ましい。その場合、上記検出値によって燃料供給量と共にこの空気吹出量も制御するとよい。上記固体燃料供給管5へ供給される空気は、排ガス等の熱を回収して昇温されていることが望ましい。
かかる構成の本実施形態装置では、原料は次の要領で焼成される。
ロータリバルブ18にて外部からの空気の流入が阻止されながら、原料Sは上部貯留装置17Aから落下し下部貯留装置17Bに貯留される。
下部貯留装置17B内の原料は原料供給管19を経て落下して予熱空間16の底面を形成する炉床6上に原料の一次堆積層を形成する。この一次堆積層は安息角をもって原料供給管19側に上部自由表面26を、そして燃焼室15側に下部自由表面27を形成する。
固体燃料供給管5から燃焼室15内に送入された乾燥固体燃料、例えば、粒径1〜20mmの範囲の固体燃料のうち微粉状のものは固体燃料供給管5を通じて燃焼室15に送入され燃焼する。その際、固体燃料供給管5からの吹出し空気により、微粉状燃料が均一に飛散して、該燃焼室15内での燃焼が均一に行なわれる。上記微粉状燃料の中での未燃物は、燃料ガスに随伴されて予熱空間16中の原料の一次堆積層中に運び込まれ、該層空隙内で燃焼する。
上記固体燃料のうち粗粒状のものは、自重によって落下し、炉床6上の一次堆積層の表面そして炉本体9中に形成された二次堆積層28の表面28A上に分散・分布する。
上記予熱空間16における炉床6上の一次堆積層の原料は、上記燃料ガスからの放射伝熱及び固体燃料の燃焼による下部自由表面27での加熱と、燃焼室15から一次堆積層内部を貫流する燃焼ガスによる加熱とにより半焼成される。
外筒部3の周囲には、該外筒部3に案内されて炉の半径方向に往復動可能な複数個のプッシャー16Aが設置されており、その作用によって上記一次堆積層の半焼成原料を下部自由表面27の下部付近より落下口6Aに向け押し出して落下させる。炉床6は鉛直中心軸のまわりに回転し、これに伴い該炉床6上の一次堆積層も回転するが、プッシャー16Aは空間に固定された外筒部3に支持されて周方向には移動せず半径方向にのみ往復動するので、プッシャー16Aは相対的に周方向に移動する原料の一次堆積層を周方向で均等に押し出す。
回転せる炉床6上の一次堆積層で加熱され焼成をうけた半焼成の原料は、プッシャー16Aの作用により下部自由表面27側から炉床6の中央部の落下口6Aより落下し、炉本体9内で二次堆積層を形成する。炉本体9内では半焼成原料は、外部から送気管10を経て送入される空気と積極的に反応し降下中にこの空気により、完全に焼成されそして冷却される。かくして、炉本体9の下部に設けられた取出口14から焼成後の原料が製品として順次炉外へ取り出される。二次堆積層28は取出口14からの製品の取出しにより緩やかに沈降するので、二次堆積層28の表面28Aに、分散・分布された粗粒状固体は連続的に投下される粒状原料内に取り込まれ、同様に沈降する。
落下口6Aから落下する粒状の原料は高温であり、且つ燃焼室15内の燃焼炎からの熱放射により、粗粒状の固体燃料は二次堆積層28の表面28A付近で加熱され、燃料中の揮発分が存在する場合は熱分解を受けて可燃ガスを発生する。該可燃ガスは燃焼室15内で燃焼する。
上記の粗粒状固体燃料は熱分解を受けた後は固体で炭素分の多い粒状物となる。揮発分の小さいコークス、チャーの場合には殆んど可燃ガスを発生しない。上記の原料から得られる炭素分の多い粒状固体は、取出口14からの製品の取出しにより図1の炉本体9内の二次堆積層28の中を緩やかに沈降する。炉本体9の底部にある送気管10から送入される空気は、二次堆積層28を貫流して上昇する間に焼成した製品を冷却すると同時に自らは高温度に加熱され、二次堆積層の上部で層中の炭素分の多い粒状固体を燃焼する。
上記二次堆積層28内での燃焼は、この二次堆積層28の上部にある原料粒の空隙内で行なわれるので、燃焼によって発生する熱エネルギーは直接原料に伝達され、原料を加熱して焼成する。
炉本体9内の二次堆積層28中を沈降する炭素分の多い固体粒の完全燃焼に必要な空気量よりも少ない量の空気を用いて冷却する場合には、二次堆積層28内の燃焼は不完全となり、二次堆積層28から上方に流出する燃料ガス中は一酸化炭素を含有する。この一酸化炭素は燃焼室内において、図1の固体燃料供給管5から送入される空気によって完全に燃焼する。
燃焼室15内で燃焼によって発生した高温度の燃料ガスは、図1の予熱空間16内にある一次堆積層の中を上方に貫流してこの一次堆積層の原料を加熱する。その際、原料の一部は高温度になり焼成を受ける。予熱空間16を出た排ガスは複数個の排ガス導管20から排出される。
図1における複数の固体燃料供給管5の配置および鉛直線に対する角度は、図1の例に限定されるものではない。複数個の固体燃料供給管の配置の例として図2(A),(B),(C)のようにしてもよい。また、固体燃料供給管の鉛直線に対する角度は図3のように傾けてもよく、原料と空気が混合して噴射する流れに旋回を与えるような角度であってもよい。
固体燃料を、複数個の固体燃料供給管5のそれぞれへ連続的に所定量に制御しつつ送入するために、本発明においては図4に示される装置を用いることもできる。すなわち、各固体燃料供給管5のそれぞれに供給する固体燃料の量が他の条件によって影響されないようにするために、各固体燃料供給管5毎に設けられたスクリューフィーダ30によりそれぞれ制御しながら確実に固体燃料を制御しつつ供給するものである。図4において符号5は固体燃料供給管であり、共通の下部貯留装置17Bから専属のスクリューフィーダ30によって燃料を送入する。燃焼用空気の一部は送入口31から送入され、固体燃料供給管5内を下方に向かって移動する粉粒状固体燃料のうち微粉状のものを伴って炉蓋1から燃焼室15内へ噴出する。
上記固体燃料供給管5の出口部、すなわち燃焼室15へ臨む部分に、噴出する空気により回転駆動を受ける旋回羽根を設けておくならば、固体燃料のうちの粉状のものを広い範囲に飛散せしめるので、燃料の分布ひいては燃料ガスの均一化を図れる。
固体燃料供給管5に固体燃料と共に燃焼用空気を送入することは、図3における固体燃料供給管5の水平面に対する角度が大きくなるが故に固体燃料の滑落効果が低減する場合に、粗粒の滑落を助長する効果がある。
1 炉蓋
2 内筒部
3 外筒部
5 (固体)燃料供給管
6 炉床
6A 落下口
8 シール装置
9 炉本体
14 取出口
15 燃焼室
16 予熱空間
21 燃料分配装置
23B 分配口
30 スクリューフィーダ
2 内筒部
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30 スクリューフィーダ
Claims (5)
- 鉛直軸線まわりに回転し中央部に原料の落下口が形成された環状の炉床と該炉床の上方位置に固定して配された炉蓋とを有し、該炉蓋の周囲には上記落下口より大径の外径をもち該炉蓋に連続して設けられた内筒部と該内筒部に上部で接続される外筒部が設けられ、該外筒部が内筒部よりも下方に長く延びて形成され、上記炉蓋には直下に形成される燃焼室に外部から燃料を供給する燃料供給口が設けられ、上記炉床と外筒部の下端との間には外部に対し気密なシール装置が設けられて炉床の炉蓋に対する相対回転を許容しており、上部で接続された内筒部及び外筒部と上記炉床により囲まれて形成された環状の予熱空間には外部から原料を該予熱空間に落下供給する原料供給管が設けられ、該予熱空間は上記燃焼室に連通するように半径方向内方に開放され、上記炉床の中央部に形成された上記落下口の縁部からは縦筒状の炉本体が下方に延びて設けられ、上記予熱空間内の原料が燃焼室に面する側から落下するようになっており、上記落下口から落下して該炉本体内で焼成された原料を製品として取り出すための取出口が炉本体の下部に形成されている竪型焼成炉において、燃料供給口は炉蓋に複数形成され、各燃料供給口に固体燃料の供給のための燃料供給管がそれぞれ設けられ、各燃料供給管は個別に燃料供給量が調整可能となっていることを特徴とする竪型焼成炉。
- 各燃料供給管は燃料分配装置に接続されていて、該燃料分配装置は分配口を有し、該分配口が順次各燃料供給管に燃料を分配する位置へ移動可能となっていることとする請求項1に記載の竪型焼成炉。
- 各燃料供給管はそれぞれスクリューフィーダが接続されていて、各スクリューフィーダが個別に燃料供給量の調整を可能としていることとする請求項1に記載の竪型焼成炉。
- 各燃料供給管は該燃料供給管の出口部から固体燃料の落下を行なうと共に空気を噴出するようになっていることとする請求項1ないし請求項3のうちの一つに記載の竪型焼成炉。
- 各燃料供給管は該燃料供給管の出口部に噴出空気により駆動されて回転し、燃料の噴出域を拡大する旋回羽根が設けられていることとする請求項4に記載の竪型焼成炉。
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