JP2007138726A - 車両用電子制御装置及び表示装置 - Google Patents

車両用電子制御装置及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フリーズフレームデータのデータ値破壊による、故障時の車両情報等の誤認識を防止することができる車両用電子制御装置及び表示装置を提供する。
【解決手段】EEPROM14に記憶されているフリーズフレームデータのデータ値が破壊された場合、CPU11は、データ値破壊されたと判定したフリーズフレームデータについて、普段使用しないビットをオンにしたり、通常では取りえない値を代入してダイアグツール2に送信する。これにより、ダイアグツール2はデータ値が破壊されていることを認識でき、データ値破壊されたデータについてエラーメッセージを表示したり、データ値破壊されたデータについて表示の色を変えて表示したりするので、故障解析者がデータ値破壊されたデータを誤認識することを防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダイアグ処理機能を備えた車両用電子制御装置及び車両用電子制御装置からのフリーズフレームデータを表示する表示装置に関する。
車両の電子制御装置(以下、ECUという)は、車両の制御機構との間で信号のやり取りを行って車両の電子制御を行うものであり、例えば、エンジン制御ECUには車両に装備されているセンサ群で検出された、車速、エンジン回転数、空気流入量等の情報が入力され、エンジン制御ECUはこれらの情報に基づいて所定の演算処理を行い、その演算結果(例えば、燃料噴射量やバイパス空気量などを制御するための信号)を車両に装備された、電動スロットルやインジェクター等の制御機構へ送出し、燃料の噴射量や流入空気量の制御などを行っている。
このようなECUは、ECU内の各部の異常検出を行わないと、走行上の不具合を引き起こす可能性があり、場合によっては走行不能となることもあるため、各ECUに自己診断機能を備えることにより、信頼性の向上が図られている。すなわち、各ECUはCPUやセンサ類の動作状態を適当な周期で自動的にチェックし、故障時には異常ランプを点灯したり、その故障内容が修理業者に分かるように異常コード(DTC)を記憶したりするダイアグノーシス(以下、ダイアグという)処理を行っている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−20935号公報
そして、従来の異常診断システムにおいては、車両内において、異常が発生した場合、その異常事象を判別し、異常発生時の前後における主要なデータ(例えば、エンジン冷却水温、車速、エンジン回転数、油温等の車両の挙動を表すデータ)を異常診断データ、すなわち、フリーズフレームデータとして記憶手段に記憶している。
一方、車両用電子制御装置には、外部装置であるダイアグツールが接続可能となっており、車両データ記憶手段に記憶されたフリーズフレームデータを読み出して表示し、故障解析等に利用できるようになっている。
このような異常診断システムにおいて、フリーズフレームデータは通常、バッテリ電圧により電源が常時供給されるスタンバイRAM(バックアップRAMともいう。)に記憶しており、スタンバイRAMを搭載しないマイコンを用いる場合には、記憶媒体としてスタンバイRAMに代えてマイコン外付けの不揮発性メモリを使用している。
この記憶媒体に記憶されたフリーズフレームデータのデータ値が破壊されると、ダイアグ発生の原因解析が困難になるので、ミラーチェック、チェックサム、三箇所書込みによる多数決処理等のデータ誤り検出手法を用いてデータ値破壊を検出するようにしている。
ミラーチェックは、メモリ上の記憶域について二重化し、一方の記憶データが他方の記憶データのビットを反転した値を持つようにしておき、その関係が保持されているか否かをチェックするものである。チェックサムは、メモリ内のデータの所定箇所を16進で加算してチェックサムを演算し、求めたチェックサムを、データ入力時に演算したチェックサムデータと比較し、不一致の場合、データが破壊されていると判断するものである。また、三箇所書込みは、同一データをメモリ内の三箇所に同時に書込み、読み出し時にデータの相異があった場合には、一致している二箇所のデータを採用するものである。
そして、従来の異常診断システムにおいては、フリーズフレームデータのデータ値の破壊が検出された場合、データ値破壊されたフリーズフレームデータにフェールセーフ値を代入する処理を行っている。
上記のように、従来の異常診断システムにおいては、エンジン制御に用いる制御データを含む、メモリに記憶されたデータの異常診断処理として、フリーズフレームデータの異常診断処理を行っているので、フリーズフレームデータであることは特に区別せずにデータのデータ値破壊を検出した場合、フェールセーフ値を代入する処理を行っていた。よって、フリーズフレームデータにおいて、一部のデータがデータ値破壊されたと判定された場合、通常のエンジン制御に用いる制御データの破壊を検出した場合と同様に、異常時の車両情報とは異なる値(例えば、破壊されたデータ値がとりうる標準的な値であるフェールセーフ値)が代入されてしまうため、ダイアグツールに誤った情報が表示され、ダイアグ発生の原因解析時に誤った情報を解析者に与えてしまう、という問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、フリーズフレームデータのデータ値破壊による、故障時の車両情報等の誤認識を防止することができる車両用電子制御装置及び表示装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明に係る車両用電子制御装置(1)は、
車両の異常状態が検出された場合の状態に関連するパラメータをフリーズデータとして記憶手段に記憶する制御手段を備えた車両用電子制御装置であって、
外部装置にフリーズデータを送信する際に、記憶手段に記憶しているフリーズデータのデータ値に異常があると判断した場合、上記制御手段が、データ値に異常があることを外部装置に通知することを特徴とする。
また、本発明に係る車両用電子制御装置(2)は、車両用電子制御装置(1)において、
上記制御手段が、フリーズデータの同一のデータ値について複数記憶し、当該記憶した複数のデータ値を比較することによってデータ値の異常を判断するものであり、
記憶手段に記憶しているフリーズデータのデータ値に異常があると判断した場合、少なくとも異常があると判断したデータ値については、記憶していた複数のデータを外部装置に送信することを特徴とする。
さらに、本発明に係る表示装置(1)は、
車両に記憶された状態データを外部に表示する表示手段を備えた表示装置において、
車両に記憶された状態データのデータ値に異常があると判断した場合、上記表示手段が、異常があると判断したデータ値の表示形態を、通常時の表示形態とは異なる形態にすることを特徴とする。
また、本発明に係る表示装置(2)は、表示装置(1)において、
車両に記憶された状態データのデータ値に異常があると判断した場合、異常があると判断されたデータ値について車両に記憶されていた複数のデータ値を、同時に表示することを特徴とする。
さらに、本発明に係る表示装置(3)は、表示装置(1)において、
車両に記憶された状態データはデータ値に連続性があるデータであり、
車両に記憶された状態データのデータ値に異常があると判断した場合、異常があると判断されたデータ値と当該異常があると判断されたデータ値の前後のデータ値とを、同時表示することを特徴とする。
本発明に係る車両用電子制御装置(1)、(2)によれば、記憶手段に記憶しているフリーズデータのデータ値に異常があると判断された場合、例えば、異常と判定したフリーズデータについて普段使用しないビットをオンにしたり、通常では取りえない値を代入したり、所定のキーナンバーを代入したり、あるいは、ミラー反転値と実データを共にダイアグツール等の外部装置に送信することにより、データ値に異常があることを外部装置に通知することができる。
また、本発明に係る表示装置(1)、(2)によれば、車両に記憶された状態データのデータ値に異常があると判断された場合、異常があると判断したデータ値の表示形態を、通常時の表示形態とは異なる形態、例えば、異常があると判断したデータ値にエラーメッセージを表示したり、異常があると判断したデータ値の表示の色を変えたり、ミラー反転値と実データを共に表示したりするので、故障解析者が異常があるデータ値を誤認識することを防止することができる。
また、本発明に係る表示装置(3)によれば、車両に記憶された状態データのデータ値に異常があると判断された場合、異常があると判断されたデータ値と当該異常があると判断されたデータ値の前後のデータ値とが同時表示されるので、故障解析者はデータに異常があるか否かを容易に判断することができる。
以下、本発明の車両用電子制御装置をエンジン制御ECUに適用した実施例について、図面を用いて説明する。
図1はエンジン制御ECUに表示装置としてのダイアグツールを接続したシステム構成を示す図であり、エンジン制御ECU1はCPU11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)14、入出力部15等から構成され、これらの各部がバス16により接続されている。
CPU11はバス16を介してエンジン制御ECU1のハードウェア各部を制御するとともに、ROM12に記憶されたプログラムに基づいて各種のプログラムを実行し、ROM12はエンジン制御プログラムや異常診断プログラムとともに、フリーズフレームデータのデータ値の破壊判定プログラムを記憶している。
また、RAM13はプログラムの実行時に発生する一時的なデータを記憶し、EEPROM14は、異常が発生した際に、その異常事象を表すダイアグコードと、異常診断に用いるための異常診断データであるフリーズフレームデータとを少なくとも記憶する記憶手段である。
一方、入出力部15には、エアーフローメータ21、吸気温センサ22、スロットルセンサ23、空燃比(A/F)センサ24、ノックセンサ25、水温センサ26、回転角センサ27、O2センサ28、ブレーキセンサ29等の各種センサの信号が入力され、これらのセンサからの信号がCPU11に入力される。また、ナビゲーション装置30からの道路情報等や、触媒コンバータ31からの排気温信号等も入出力部15を介してCPU11に入力される。
また、入出力部15には、インジェクター33や点火プラグ34等の各種アクチュエータが接続されるとともに、外部装置であるダイアグツール2を車載LANを介して接続できるようになっている。
このエンジン制御ECU1は、上記の各種センサの検出信号に基づいてエンジンの運転状態に対応した燃料噴射量等を演算し、エンジンの複数の気筒それぞれに設定されるインジェクター33に対して燃料噴射指令を出力し、また、点火プラグ34に対して点火指令信号を出力して、エンジンの運転制御を実行する。
また、エンジン制御ECU1は、車両の各部位の診断を各センサ群からの検出信号に基づいて実行しており、異常発生時には、異常が発生した時点及びその後の車両データをフリーズフレームデータとしてEEPROM14に記憶する。
一方、エンジン制御ECU1による車両の各部位の診断に基づく情報を外部から読み出せるように、エンジン制御ECU1に対して入出力部15を介してダイアグツール2が接続できるようになっており、ダイアグツール2が接続された場合には、エンジン制御ECU1はダイアグツール2との間でデータ通信を行い、ダイアグツール2から要求される情報を出力する。
次に、フリーズフレームデータのデータ値破壊(データ値異常)の有無のチェック時のCPU11の動作について説明する。
なお、CPU11は、起動時にEEPROM14に記憶されているデータを読み出してRAM13に記憶するが、このとき、データ破壊の有無のチェックを実行する。また、ダイアグツール2から情報出力を要求された場合にも、データ破壊の有無のチェックを実行する。
上記のデータ破壊の有無のチェック実行時には、CPU11は、図2のフローチャートに示すデータ値破壊有無チェックプログラムを実行し、ミラーチェックやサムチェックなどのデータ誤りの検出手法を用いて、フリーズフレームデータの各データ値が破壊されているか否かを判定する(ステップ101)。
フリーズフレームデータのデータ値が破壊されていないと判定した場合、CPU11は、プログラムを終了し、フリーズフレームデータのデータ値が破壊されていると判定した場合、そのデータ値の7ビット目をONにする(ステップ102)。
すなわち、フリーズフレームデータは、通常時、1バイトデータにおいて、0〜6ビット(取り得る範囲¥00〜¥7F)を使用しているので、普段使用しないビットである、7ビット目をONすることによりデータ値が破壊されたことをダイアグツール2に認識させることができる。
一方、エンジン制御ECU1に情報出力を要求し、エンジン制御ECU1からフリーズフレームデータを受信した場合、ダイアグツール2は、図3のフローチャートに示すデータ破壊有無チェックプログラムを実行し、フリーズフレームデータの各データ値の上位ビットがONになっているか否かを判定する(ステップ201)。
データ値の上位ビットがONになっていないと判定した場合、ダイアグツール2は、そのデータ値を通常通り表示し(ステップ202)、データ値の上位ビットがONになっていると判定した場合には、エラーメッセージを表示する(ステップ203)。
これにより、データ値が破壊されていない場合には、ダイアグツール2の表示画面に図4(a)に示すように、フリーズフレームデータが通常通り表示され、例えば、車速のデータ値が破壊されていた場合には、ダイアグツール2の表示画面に図4(b)に示すように、データ値が破壊されているフリーズフレームデータに<ERROR>の表示がなされるので、故障解析者はデータが破壊されていることを容易に認識することができる。
この実施例では、フリーズフレームデータのデータ値が破壊されている場合、データ値の7ビット目をONにしてダイアグツール2にエラー表示を行わせたが、フリーズフレームデータの項目に「エラーデータ」の項目を追加し、ダイアグツール2にて各フリーズフレームデータを表示するとともに、データ値が破壊されたデータ名を表示させるようにしてもよい。なお、この際に表示するフリーズフレームデータとして、データ値が破壊されたデータ値を表示しても表示しなくてもよい。
上記の実施例では、フリーズフレームデータのデータ値が破壊されている場合、データ値の7ビット目をONにしたが、データ値に通常では取り得ない値を代入することによりダイアグツールに認識させることもでき、以下、フリーズフレームデータのデータ値が破壊されている場合、データ値に通常では取り得ない値を代入する場合の実施例について説明する。
なお、装置構成は図1のブロック図と同じであるので、詳細な説明は省略する。
データ破壊の有無のチェック実行時には、CPU11は、図5のフローチャートに示すデータ破壊有無チェックプログラムを実行し、フリーズフレームデータの各データ値が破壊されているか否かを判定する(ステップ301)。
フリーズフレームデータのデータ値が破壊されていないと判定した場合、CPU11は、プログラムを終了し、フリーズフレームデータのデータ値が破壊されていると判定した場合、そのデータ値に通常では取り得ない値を代入する(ステップ302)。
すなわち、フリーズフレームデータが、通常時、¥01<データN<¥FEの範囲内の値を取る場合、データ破壊時には、データNを¥00または¥FFにすることによりデータ値が破壊されたことをダイアグツールに認識させることができる(例えば、データ値がエンジン水温のデータ値である場合には、500℃や−200℃といった値にしておくことが考えられる。)。
そして、上記と同様に、エンジン制御ECU1に情報出力を要求し、エンジン制御ECU1からフリーズフレームデータを受信した場合、ダイアグツール2は、図6のフローチャートに示すデータ破壊有無チェックプログラムを実行し、フリーズフレームデータの各データ値が通常では取り得ない値であるか否かを判定する(ステップ401)。
データ値が通常では取り得ない値でないと判定した場合、ダイアグツール2は、そのデータ値を通常通り表示し(ステップ402)、データ値が通常では取り得ない値であると判定した場合には、そのデータ値をデータ破壊時の表示に切替える(ステップ403)。
これにより、データ値が破壊されていない場合には、ダイアグツール2の表示画面にデータ値が通常時の黒字で表示され、データ値が破壊されていた場合には、ダイアグツール2の表示画面にデータ値が異常時の赤字で表示されるので、故障解析者はデータが破壊されていることを容易に認識することができる。
また、ダイアグツール2にデータ値破壊されたフリーズフレームデータを認識させるために、各フリーズフレームデータに対してキーナンバーを設け、データ値破壊されたと判定したフリーズフレームデータについてキーナンバーを代入することで、ダイアグツール2に認識させることもでき、以下、各フリーズフレームデータに対してキーナンバーを設ける実施例について説明する。なお、キーナンバーとは、予め、エンジン制御ECUとダイアグツールとの間でとりきめておいた、データ値に破壊が起こっていた場合に送受信するデータ値のことである。
なお、装置構成は図1のブロック図と同じであるので、詳細な説明は省略する。
データ破壊の有無のチェック実行時には、CPU11は、図7のフローチャートに示すデータ破壊有無チェックプログラムを実行し、フリーズフレームデータの各データ値が破壊されているか否かを判定する(ステップ501)。
フリーズフレームデータのデータ値が破壊されていると判定した場合、CPU11は、図8(a)に示すように、そのデータ値をキーナンバー(¥10100001)に書き換える(ステップ502)。
一方、フリーズフレームデータのデータ値が破壊されていないと判定した場合、CPU11は、フリーズフレームデータのデータ値がキーナンバーと同値か否かを判定し(ステップ503)、キーナンバーと同値でないと判定した場合、プログラムを終了する。
また、LSB:5/256[V]の1バイト電圧値について、¥10100001(3.14453125[V])の値を取り、ステップ503でフリーズフレームデータのデータ値がキーナンバーと同値であると判定した場合、CPU11は、図8(b)に示すようにデータ値に1LSBを加算または減算することにより、通常時にキーナンバー値にならないように補正を行う(ステップ504)。
そして、上記と同様に、エンジン制御ECU1に情報出力を要求し、エンジン制御ECU1からフリーズフレームデータを受信した場合、ダイアグツール2は、図9のフローチャートに示すデータ破壊有無チェックプログラムを実行し、フリーズフレームデータの各データ値がキーナンバー値と同値であるか否かを判定する(ステップ601)。
データ値がキーナンバー値と同値でないと判定した場合、ダイアグツール2は、そのデータ値を通常通り表示し(ステップ602)、データ値がキーナンバー値と同値であると判定した場合には、そのデータ値をデータ破壊時の表示に切替えるかあるいはエラー表示を行う(ステップ603)。
また、ダイアグツール2へのフリーズフレームデータの送信時に、CPU11が、フリーズフレームデータのデータ値破壊をミラーチェックでチェック後、データ値破壊された項目について、ミラー反転値と実データを共にダイアグツール2に送信し、ミラー反転値と実データを共に受信した場合には、ダイアグツール2がミラー反転値と実データを共に表示画面に表示することにより、故障解析者にデータが破壊されていることを認識させることもできる。
この場合、データ値が破壊されていない場合には、ダイアグツール2の表示画面に図10(a)に示すように、フリーズフレームデータが通常通り表示され、例えば、車速のデータ値が破壊されていた場合には、ダイアグツール2の表示画面に図10(b)に示すように、データ値が破壊されているフリーズフレームデータに<ERROR>の表示なされるとともに、実データ値とミラー反転値が表示されるので、故障解析者は妥当だと判断した値を真とすることができる。
この際、ミラー反転値をそのまま表示するのではなく、ミラー反転値を反転させた値を表示して、故障解析者による実データとの比較(どちらのデータが破壊されているのか、もしくは、どちらのデータも破壊されているのかの判断)を行いやすくしてもよい。また、チェックを行うためのデータとして反転値ではなく、実データと同一の値を記憶させておいた場合には、送信されてきた複数のデータをそのまま表示させればよい。
さらに、送信するデータとして、データ値の破壊が検出されたデータ値のみ実データとミラー反転値とを送信する(正常時は、実データとミラー反転値の一方を送信する)ようにしてもよいし、正常についても実データとミラー反転値の両者を送信するようにしてもよい。
さらに、ダイアグツール2へのフリーズフレームデータの送信時に、CPU11が、フリーズフレームデータのデータ値破壊をミラーチェックでチェック後、データ値破壊された項目について、ミラー反転値と実データを共にダイアグツール2に送信し、ミラー反転値と実データを共に受信した場合には、ダイアグツール2が、データ値破壊された項目について前後時間のデータとミラー反転値及び実データを比較することで、実データ、ミラー反転値のどちらが正しいかを判定し、表示画面に表示することにより、フリーズフレームデータの誤認識を防止することもできる。
この場合、図11(a)に示すように、データ破壊がない場合には、通常通り表示されるが、データ値破壊時には、図11(b)に示すように、データ破壊により変形した部分が生じ、誤った波形のグラフが表示される。これに対し、上記のように、ダイアグツール2が、実データ、ミラー反転値を用いて2パターンのグラフを形成し、自然な波形が描ける、すなわち、図11(c)に示すように、変曲点の少ないグラフを選択して表示することにより、フリーズフレームデータの誤認識を防止することができる。
この際、上記と同様に、ミラー反転値をそのまま表示するのではなく、ミラー反転値を反転させた値を表示して、故障解析者による実データとの比較(どちらのデータが破壊されているのか、もしくは、どちらのデータも破壊されているのかの判断)を行いやすくしてもよい。また、チェックを行うためのデータとして反転値ではなく、実データと同一の値を記憶させておいた場合には、送信されてきた複数のデータをそのまま表示させればよい。
さらに、送信するデータとして、データ値の破壊が検出されたデータ値のみ実データとミラー反転値とを送信する(正常時は、実データとミラー反転値の一方を送信する)ようにしてもよいし、正常についても実データとミラー反転値の両者を送信するようにしてもよい。
また、データ値の破壊が検出されたデータ値を送信する場合に、破壊されたデータ値の前後複数の値について実データとミラー反転値との両者を送信するようにしてもよいし、破壊されたデータ値のみ実データとミラー反転値の両者を送信するようにしてもよい。
なお、以上の実施例では、エンジン制御ECU1においてデータ値が破壊されたか否かを判定したが、常時、ミラー反転値と実データを共にダイアグツール2に送信し、ダイアグツール2側でミラーチェックを行ってデータ値が破壊されたか否かを判定することもできる。
また、以上の実施例では、フリーズフレームデータをEEPROMに記憶したが、本発明はスタンバイRAM搭載のECUに適用することもできる。スタンバイRAMにフリーズフレームデータを記憶する場合、データ値が破壊されることは稀として、データ値破壊判定時は、全記憶データを消去するECUもあり、このような場合、データ値破壊判定時はダイアグコードも消去されるため、特に問題は起こらない。しかし、データ値破壊判定が行われる度、全記憶データを消去するため、スタンバイRAM搭載のECUに本発明を適用することにより消去する必要のないダイアグデータ(ダイアグコード、フリーズデータ)の消失を防ぐことが可能となる。
さらに、上記の各実施例で説明しているエンジン制御ECUからダイアグツールへのデータ破壊時のデータ送信手法と、ダイアグツールにおけるデータ表示手法とは、説明している組み合せ例以外でも、適宜組み合わせて実施してもよい。
また、以上の実施例では、故障解析者へ情報を出力する装置として、ダイアグツールを示したが、データをナビゲーション装置に送信してナビの画面に表示するようにしたり、データをセンターに送信してセンター内のディスプレイに表示するようにしてもよい。
さらに、以上の実施例では、データを記憶するものとして、EEPROMを示しているが、これに限らずバックアップRAMに記憶してもよいし、ミラーチェックなど、データ値を複数箇所に書き込む場合に、データ値を別々の記憶装置に記憶するようにしてもよい。
また、以上の実施例では、異常検出時のフリーズフレームデータを記憶するドライブレコーダの例を示したが、車両衝突時のデータを記憶するものや、盗難検出時のデータを記憶するもののデータを表示する場合や、通常のエンジン制御などに用いているデータ(例えば、学習値)を表示する場合にも本発明を用いることができる。
さらに、以上の実施例では、本発明の車両用電子制御装置をエンジン制御ECUに適用した例について説明したが、その他の車両以外のECUにも本発明を適用することが可能である。
本発明の車両用電子制御装置を適用したエンジン制御ECUにダイアグツールを接続したシステム構成を示す図である。 ECUによるデータ値破壊の有無のチェック時の作用を示すフローチャートである。 ダイアグツールによるデータ値破壊の有無のチェック時の作用を示すフローチャートである。 エラー表示を行う場合のダイアグツールの表示画面の一例を示す図である。 他の実施例のECUによるデータ値破壊の有無のチェック時の作用を示すフローチャートである。 他の実施例のダイアグツールによるデータ値破壊の有無のチェック時の作用を示すフローチャートである。 さらに他の実施例のECUによるデータ値破壊の有無のチェック時の作用を示すフローチャートである。 キーナンバー代入時のデータ置換え状況を示す図である。 さらに他の実施例のダイアグツールによるデータ値破壊の有無のチェック時の作用を示すフローチャートである。 データ値、ミラー反転値を表示する場合のダイアグツールの表示画面の一例を示す図である。 実データ、ミラー反転値のどちらが正しいかを判定してグラフを表示する場合のダイアグツールの表示画面の一例を示す図である。
符号の説明
1 エンジン制御ECU
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 EEPROM
15 入出力部
16 バス
2 ダイアグツール

Claims (5)

  1. 車両の異常状態が検出された場合の状態に関連するパラメータをフリーズデータとして記憶手段に記憶する制御手段を備えた車両用電子制御装置であって、
    外部装置にフリーズデータを送信する際に、記憶手段に記憶しているフリーズデータのデータ値に異常があると判断した場合、上記制御手段が、データ値に異常があることを外部装置に通知することを特徴とする車両用電子制御装置。
  2. 請求項1に記載された車両用電子制御装置において、
    上記制御手段が、フリーズデータの同一のデータ値について複数記憶し、当該記憶した複数のデータ値を比較することによってデータ値の異常を判断するものであり、
    記憶手段に記憶しているフリーズデータのデータ値に異常があると判断した場合、少なくとも異常があると判断したデータ値については、記憶していた複数のデータを外部装置に送信することを特徴とする車両用電子制御装置。
  3. 車両に記憶された状態データを外部に表示する表示手段を備えた表示装置において、
    車両に記憶された状態データのデータ値に異常があると判断した場合、上記表示手段が、異常があると判断したデータ値の表示形態を、通常時の表示形態とは異なる形態にすることを特徴とする表示装置。
  4. 請求項3に記載された表示装置において、
    車両に記憶された状態データのデータ値に異常があると判断した場合、異常があると判断されたデータ値について車両に記憶されていた複数のデータ値を、同時に表示することを特徴とする表示装置。
  5. 請求項3に記載された表示装置において、
    車両に記憶された状態データはデータ値に連続性があるデータであり、
    車両に記憶された状態データのデータ値に異常があると判断した場合、異常があると判断されたデータ値と当該異常があると判断されたデータ値の前後のデータ値とを、同時表示することを特徴とする表示装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140007592A (ko) * 2012-07-09 2014-01-20 콘티넨탈 오토모티브 시스템 주식회사 제어변수 검증결과에 기초한 차량 제어 방법
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WO2024111249A1 (ja) * 2022-11-25 2024-05-30 川崎重工業株式会社 手術支援システム、手術支援ロボット、手術支援システムの制御方法およびロボットシステム

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