JP2007138620A - 堤体の川表側の高水敷の地盤表面に設けられる補強構造、およびこの補強構造を構築する構築工法 - Google Patents

堤体の川表側の高水敷の地盤表面に設けられる補強構造、およびこの補強構造を構築する構築工法 Download PDF

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Abstract

【課題】土質材料の流出(洗掘)の生じにくい補強構造を提供する。
【解決手段】堤体100の川表側の高水敷300の地盤表面300Aに敷設される、難透水性の土質材料からなる土質材料層10と、この土質材料層10の土質材料が水流により流されるのを阻止するシートであって、少なくともその下方が土質材料層10中に埋設された状態となっている複数の遮水シート20と、を有しており、遮水シート20は、平面視した場合に土質材料層10を区分けするように埋設されている補強構造1を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、土質材料の流出(洗掘)を防止する技術、すなわち、堤体の川表側の高水敷の地盤表面に設けられる補強構造、およびこの補強構造を構築する構築工法に関する。
河川区域には、河川の氾濫を防止することを主目的として河川堤防が形成されている。河川の氾濫は、河川堤防が決壊することで発生する。河川堤防は、洪水時の降雨および河川水が堤体の基礎地盤に大量に浸透し、漏水が発生することを一因として決壊する。すなわち、基礎地盤中に浸透した大量の降雨および河川水は、基礎地盤中の土粒子を移動させ、これらの土粒子とともに降雨および河川水が堤体の川裏の基礎地盤などから噴出し、地中に水みちとなる空洞を形成する。この水みちが拡大すると地中の空洞が大きくなり、堤体の法面にゆるみやすべりを発生させる。この堤体に生じたゆるみやすべりが堤体を崩壊させ、河川堤防の決壊へと進展することがある。
このため、河川堤防の安全性を確保するには、堤体の基礎地盤への水の浸透を抑制するようにすることが重要である。
堤体の基礎地盤への水の浸透を抑制する方法の1つに、堤体の川表側に設けられる高水敷などの地盤表面の透水性を低下させることで、河川水などの水が基礎地盤に浸透することを抑制する方法がある。この方法はブランケット工法と呼ばれるものであり、図8に示すように、透水層200からなる高水敷300の地盤表面300Aを土質材料などの難透水性の被覆材料からなる土質材料層(ブランケット)10で被覆する工法である。
被覆材料として使用する土質材料としては、透水係数10−5cm/sec以下のオーダーの材料を使用することができる。この工法により、堤体100の川表近辺の地盤への水400の浸透を抑制することができ、ひいては堤体100の基礎地盤への水400の浸透を抑制することができることとなる。
しかしながら、高水敷300の地盤表面300Aに敷設した土質材料が高水位時の水流により洗掘され、流出してしまうことがあった。このような土質材料の流出は、基礎地盤への水の浸透を抑制する効果を低下させることとなる。
そこで本発明は、このような堤体の川表側の高水敷の地盤表面に設けられる土質材料の流出(洗掘)の生じにくい補強構造、およびこの補強構造を構築する構築工法を提供することをその課題とする。
上述の課題を解決するための本発明は、以下のようなものである。
すなわち、本発明は、堤体の川表側の高水敷の地盤表面に設けられる補強構造であって、前記地盤表面に敷設される、難透水性の土質材料からなる土質材料層と、前記土質材料層の土質材料が水流により流されるのを阻止するシートであって、少なくともその下方が前記土質材料層中に埋設された状態となっている複数のシートと、を有しており、前記シートは、平面視した場合に前記土質材料層を区分けするように埋設されている、補強構造を提供する。
このような土質材料層の土質材料が水流により流されるのを阻止するシートを有する補強構造によれば、堤体の川表側の高水敷の地盤表面に敷設される土質材料の流出を阻止することができるので、土質材料層により高水敷の地盤への水の浸透を抑制し続けることができる。
このシートは、少なくともその下方が前記土質材料層中に埋設された状態となっているとともに、平面視した場合に前記土質材料層を区分けするように埋設されている。こうすれば、土質材料層の表面部分にある土質材料が水流により流されるのを阻止することができる。また、このように土質材料層を区分けするようにシートを埋設すれば、仮に土質材料が流出したとしてもその区画内での流出にとどまるし、土質材料が流された区域のみを修復すれば良いため、修復作業の負担を軽減することができる。
以上のシートは、少なくともその下方が土質材料層中に埋設されていればよく、その下端は土質材料層に埋設されていてもよいし、地盤中に埋設されていてもよい。
また、シートによる土質材料層の区分けは、どのように区分けしてもよい。例えば、平面視した場合に前記土質材料層を連続する複数の小区域に区分けするようにシートが埋設されていてもよい。この小区域の形状はどのような形状であってもよく、例えば矩形やハニカム形状の小区域を形成するようにシートが埋設されていてもよい。
このような補強構造は、高水敷全体に設けられていてもよいし、高水敷の一部のみに設けられていてもよい。補強構造を高水敷の一部のみに設ける場合は、少なくとも堤体の川表側の法尻周辺の表面に設けることが好ましい。こうすれば、洪水時の降雨および河川水が堤体の法尻周辺から堤体の基礎地盤に浸透することを効率的に抑制することができる。
前記シートとして、例えば遮水シートを使用してもよいし、メッシュ状に形成されたメッシュシートを使用してもよい。このメッシュシートのメッシュ幅は、例えば1mmから20mmとすることができる。
前記シートは、難透水性を有するシートとすることができる。例えば、前記シートの透水係数は、10−5cm/sec以下のオーダーとすることができる。
前記シートは、前記土質材料層から露出する部分を有していてもよい。
このようなシートであれば、シートの上端の位置と土質材料層の表面の位置とが面一である構成と比べて、該区域からの土質材料の流出をより阻止することができる。なお、全部のシートが土質材料層から露出する部分を有していてもよいし、そのうちの一部のシートのみが土質材料層から露出する部分を有していてもよい。
このようなシートのうち前記土質材料層から露出する部分は、折り曲げられ、前記土質材料層の表面に当接していてもよい。
このような構成とすれば、シートのうち土質材料層から露出する部分により土質材料層の表面の少なくとも一部を被覆することができるので、該区域の土質材料の流出をさらに阻止することができる。
この場合、シートの埋設されている部分の面の向きはどのような向きとされていてもよい。例えば、河川の流れる方向と略直交しているものとしてもよい。このように、シートの埋設されている部分の面が河川の流れる方向と略直交しているものとすれば、区分けされた領域のうち、比較的強い水流を受け洗掘され易い川上に位置する土質材料層の表面をシートの露出する部分により被覆することができる。
以上のような補強構造は、前記地盤中への水の浸透を防止するシートであって、前記地盤表面と前記土質材料層との間に敷設された状態となっている遮水シートをさらに有していてもよい。
このような遮水シートを有する補強構造によれば、たとえ堤体の川表側の高水敷の地盤表面に敷設される土質材料の一部が流出してしまった場合であっても、この遮水シートにより高水敷の地盤への水の浸透を抑制することができる。
この遮水シートは、高水敷の地盤表面全体に敷設されていてもよいし、地盤表面の一部のみに敷設されていてもよい。遮水シートを地盤表面の一部のみに敷設する場合は、少なくとも堤体の川表側の法尻周辺の地盤上に敷設することが好ましい。こうすれば、洪水時の降雨および河川水が堤体の法尻周辺から堤体の基礎地盤に浸透することをより抑制することができる。
以上で説明したような本発明の補強構造は、例えば、以下に示す本発明の補強構造を構築する構築工法によって構築することができる。
すなわち、本発明の補強構造を構築する構築工法は、堤体の川表側の高水敷の地盤表面に、難透水性の土質材料からなる土質材料層を敷設する過程と、前記地盤表面に敷設される土質材料が水流により流されるのを阻止する複数のシートを、少なくともその下方が前記土質材料層中に埋設されるように、かつ、平面視した場合に前記高水敷の地盤表面を区分けするように打ち込む過程と、を有している。
なお、シートは土質材料層の表面に対してどのような方向に打ち込んでもよく、例えば土質材料層の表面に対して略直交するように打ち込んでもよいし、斜め方向に打ち込んでもよい。
また、本発明の補強構造を構築する他の構築工法は、堤体の川表側の高水敷の地盤表面に、前記地盤中への水の浸透を防止する遮水シートを敷設する過程と、前記遮水シート上に難透水性の土質材料からなる土質材料層を敷設する過程と、前記遮水シート上に敷設される土質材料が水流により流されるのを阻止する複数のシートを、その下端が前記土質材料層中に埋設されるように、かつ、平面視した場合に前記高水敷の地盤表面を区分けするように打ち込む過程と、を有している。
本発明によれば、堤体の川表側の高水敷の地盤表面に設けられる土質材料の流出(洗掘)の生じにくい補強構造、およびこの補強構造を構築する構築工法を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図において図8と同一の符号を付した部分は、これと同じ構成である。
<第1実施形態>
以下、本実施形態の補強構造1を、図1ないし図5を参照して説明する。
本実施形態の補強構造1は、図8に示す堤体100の川表側の高水敷300の地盤表面300Aに設けられる構造である。
図1は、この補強構造1を示す断面図である。この図に示すように、補強構造1は、高水敷300の地盤表面300A全体に敷設される土質材料層10と、複数の遮水シート20、21と、を備えてなる(なお、遮水シート21は図1には図示されていない)。
土質材料層10は、難透水性の土質材料からなる層である。この土質材料層10は、本実施形態では、透水係数が10−6cm/secのオーダーの土質材料からなるものとして説明するが、これに限られず、透水係数10−5cm/sec以下のオーダーの土質材料からなる土質材料層であればよい。
また、使用される土質材料は、土質材料層10の透水係数を計算する上でその透水係数が一律であることが好ましいが、透水係数10−5cm/sec以下のオーダーの土質材料層10が形成されれば必ずしもそうである必要はなく、使用される土質材料の透水係数はすべての範囲で一律でなくてもよい。
複数の遮水シート20、21は、この土質材料層10の土質材料が水流により流されるのを阻止するシートである。本実施形態では、これらの遮水シート20、21の透水係数は10−6cm/secのオーダーであるものとして説明するが、これに限られず、透水係数10−5cm/sec以下のオーダーの遮水シートを使用してもよい。
図2は、本実施形態の補強構造1の一部を平面視した場合の図である。図中のXは川上側、Yは川下側を示す(図4、図5において同じ)。
この図に示すように、この複数の遮水シート20、21は、図1の上方から見た場合に土質材料層10を連続する複数の正方形の小区域Pに区分けするように埋設されている。具体的には、遮水シート20は、その埋設されている部分の面が河川の流れる方向と略平行となっており、遮水シート21は、その埋設されている部分の面が河川の流れる方向と略直交するようになっている。河川の流れる方向に隣り合う遮水シート20は、遮水シート21を挟み込むようにして埋設されている。
また、本実施形態の複数の遮水シート20、21は、土質材料層10から露出する部分20a、21aを有するように、土質材料層10および高水敷300の地盤中に埋設されている。また、土質材料層10から露出する部分20a、21aは、その可撓性により折り曲げられ、土質材料層10の表面に当接している。なお、本実施形態では、遮水シート20の露出する部分20aは、遮水シート21の露出する部分21aの半分程度であるものとして説明するが、これに限られず、露出する部分20a、21aの面積を適宜変更することができる。
図3は、遮水シート21の露出する部分21aと土質材料層10の表面との当接状態を示す図であり、図2の川上側のAから川下側のA’のA−A’断面図である。この図に示すように、土質材料層10から露出する部分21aは、その可撓性により川下側に折り曲げられ、土質材料層10の表面に当接している状態となっている。
なお、遮水シート20の露出する部分20aと土質材料層10の表面との当接状態も基本的には図3のようになるが、本実施形態では、遮水シート20の露出する部分20aが折り曲げられる方向は、各遮水シート20が受ける水流の方向に沿ったものとされる。すなわち、遮水シート20の露出する部分20aが川表側に折り曲げられるか川裏側に折り曲げられるかは、各遮水シート20が埋め込まれた位置によって異なっている。
また、本実施形態では、遮水シート20、21は土質材料層10の表面に対して略直交するように打ち込まれているものとして記載するが、これに限られず、どのような方向に打ち込んでもよい。例えば遮水シート20、21は土質材料層10の表面に対して45℃の角度を有するように打ち込んでもよい。
このような遮水シート20、21を備えた補強構造1によれば、土質材料層10の流出を阻止することができるので、土質材料層10により高水敷300および堤体100の法尻の地盤への水の浸透を抑制し続けることができる。
また、本実施形態の補強構造1の複数の遮水シート20、21は、上述のように図2の上方から見た場合に土質材料層10を小区域Pに区分けするように埋設されているので、仮に土質材料が流出したとしても、その小区域P内での流出にとどまるし、該小区域Pのみを修復すれば良いため、修復作業の負担を軽減することができる。
また、本実施形態の遮水シート20、21は、土質材料層10から露出する部分20a、21aを有しているので、遮水シートの上端の位置と土質材料層の表面の位置とが面一である構成と比べて、各小区域Pの土質材料の流出をより阻止することができる。また、これらの土質材料層10から露出する部分20a、21aにより土質材料層10の表面の少なくとも一部を被覆することができるので、各小区域Pの土質材料の流出をさらに阻止することができる。
なお、本実施形態の補強構造1の遮水シートは以上のようなものとして説明したが、これに限られず、少なくともその下方が高水敷300の土質材料層10中に埋設された状態となっており、平面視した場合に土質材料層10を区分けするように埋設されていればよい。
例えば、図4に示すように、複数の遮水シート30が、その埋設される面が河川の流れる方向と略平行となるように間隔をあけて埋設されているものとしてもよいし、図5に示すように、複数の遮水シート40が、その埋設される面が河川の流れる方向と略直交するように間隔をあけて埋設されているものとしてもよい。
遮水シートはまた、本実施形態のように、平面視した場合に土質材料層10を連続する複数の小区域Pに区分けするように埋設されていてもよい。なお、本実施形態では小区域Pは正方形であるものとして説明するが、これに限られない。小区域Pは例えば正方形以外の矩形となっていてもよいし、ハニカム形状となっていてもよい。さらに、複数の小区域Pが同一形状となっていなくてもよい。
また、遮水シートは少なくともその下方が高水敷300の土質材料層10中に埋設された状態となっていればよく、遮水シートの下端は、土質材料層10に埋設されていてもよいし、地盤中に埋設されていてもよい。
また、本実施形態の遮水シート20、21は、土質材料層10から露出する部分20a、21aを有しているものとして説明したが、遮水シート20、21の上端の位置と土質材料層10の表面の位置とが面一となっていてもよい。また、複数の遮水シートの一部のみが土質材料層10から露出する部分を有するようなものとしてもよい。例えば、遮水シートの埋設されている部分の面が河川の流れる方向と略直交している遮水シートのみが土質材料層10から露出する部分を有していてもよい。こうすれば、区分けされた領域のうち、比較的強い水流を受け洗掘され易い川上に位置する土質材料層10の表面を遮水シートの露出する部分により被覆することができる。また、本実施形態では、遮水シート20の露出する部分20aが川表側に折り曲げられるか川裏側に折り曲げられるかは、各遮水シート20が埋め込まれた位置によって異なっているものとして説明したが、これに限られず、露出する部分20aの折り曲げられる方向は一律としてもよい。
また、本実施形態では、シートとして遮水シートを使用した場合の例について説明したが、遮水シートの代わりにメッシュ状に形成されたメッシュシートを使用してもよいし、遮水シートとメッシュシートの双方を用いてもよい。なお、メッシュシートのメッシュ幅は、例えば1mmから20mmとすることができる。
また、本実施形態の補強構造1は、高水敷300の地盤表面300A全体に設けられるものとして説明したが、これに限られず、高水敷300の一部の地盤表面300Aに設けられていてもよい。この場合、少なくとも堤体100の川表側の法尻周辺の表面に設けることが好ましい。こうすれば、洪水時の降雨および河川水が堤体の法尻周辺から堤体の基礎地盤に浸透することを効率的に阻止することができる。
また、以上のような本実施形態の補強構造1上に、芝などの植物を育成させてもよい。こうすれば、植物の根が補強構造1中に張ることにより、土質材料層10の土質材料が流されないようにすることができる。
以上のような変更は、特に明示する場合を除き、第2実施形態の補強構造2にも共通するものである。
以上説明した本実施形態の補強構造1は、まず、複数の遮水シート20、21を、その下端が高水敷300の地盤中に埋設されるように、かつ、平面視した場合に高水敷300の地盤表面300Aを区分けするように打ち込み、それから高水敷300の地盤表面300Aに土質材料層10を敷設することにより構築することができる。または、高水敷300の地盤表面300Aに土質材料層10を敷設した後、複数の遮水シート20、21を、その下端が高水敷300の地盤中に埋設されるように、かつ、平面視した場合に土質材料層10を区分けするように打ち込むことにより構築することができる。もちろん土質材料層10の一部を敷設した後、複数の遮水シート20、21を上述のように打ち込み、それから敷設すべき残りの土質材料層10を敷設してもよい。
なお、遮水シート20、21の下端を、高水敷300の地盤中ではなく土質材料層10中に埋設した補強構造を構築する場合には、高水敷300の地盤表面300Aに土質材料の一部を敷設してから、複数の遮水シート20、21を、その下端が土質材料層10中に埋設されるように、かつ、平面視した場合に土質材料層10の地盤表面を区分けするように打ち込み、それから敷設すべき残りの土質材料層10を敷設することにより構築することができる。または、高水敷300の地盤表面300Aに土質材料層10を敷設してから、複数の遮水シート20、21を、その下端がこの土質材料層10中に埋設されるように、かつ、平面視した場合に土質材料層10を区分けするように打ち込むことにより構築することができる。
<第2実施形態>
以下、図6および図7を参照して、本発明の第2実施形態の補強構造2について説明する。
本実施形態の補強構造2は、第1実施形態の補強構造1と同様に、図8に示す堤体100の川表側の高水敷300の地盤表面300Aに設けられる構造である。
図6は、本実施形態の補強構造2を示す断面図である。図7は、本実施形態の補強構造2の一部を平面視した場合の図である。これらの図に示すように、補強構造2は、土質材料層10と、複数の遮水シート50、51と、遮水シート60と、を備えてなる。
本実施形態の補強構造2は、遮水シート60を備えている点、これに伴い複数の遮水シート50、51の下端が土質材料層10に埋設されている点で第1実施形態の補強構造1と異なっている。
遮水シート60は、高水敷300の地盤中への水の浸透を防止するシートである。この遮水シート60は、地盤表面300Aと土質材料層10との間に敷設された状態となっている。
このような遮水シート60を備えた補強構造2によれば、たとえ土質材料層10の一部が流出してしまった場合であっても、この遮水シート60により高水敷300の地盤中への水の浸透を抑制することができ、河川堤防の決壊を防ぐことができる。
この遮水シート60は、本実施形態では高水敷300の地盤表面300A全体に敷設されているものとして説明するが、地盤表面300Aの一部のみに敷設されていてもよい。遮水シート60を地盤表面300Aの一部のみに敷設する場合は、少なくとも堤体の川表側の法尻周辺の地盤上に敷設することが好ましい。こうすれば、洪水時の降雨および河川水が堤体の法尻周辺から堤体の基礎地盤に浸透することをより抑制することができる。
複数の遮水シート50、51は、第1実施形態の遮水シート20、21と同様、土質材料層10の土質材料が水流により流されるのを阻止するシートであり、図7に示すように、土質材料層10を連続する複数の正方形の小区域Pに区分けするように埋設されている。
上述のように、本実施形態の補強構造2は地盤表面300Aと土質材料層10との間に敷設された状態となっている遮水シート60を備えているため、本実施形態の遮水シート50、51の下端は、遮水シート60よりも上方に埋設されることとなる。すなわち、遮水シート50、51の下端は、図6に示すように土質材料層10に埋設されている。
以上説明した本実施形態の補強構造2は、まず、高水敷300の地盤表面300Aに遮水シート60を敷設し、それから遮水シート60上に土質材料層10を敷設する。その後、複数の遮水シート50、51を、その下端が土質材料層10中に埋設されるように、かつ、平面視した場合に高水敷300の地盤表面300Aを区分けするように打ち込むことにより構築することができる。
高水敷300の地盤表面300Aに遮水シート60を敷設した後、土質材料層10の一部を敷設し、複数の遮水シート50、51を上述のように打ち込み、それから敷設すべき残りの土質材料層10を敷設してもよい。
第1実施形態の補強構造の断面図。 第1実施形態の補強構造を平面視した場合の図。 図2のA−A’断面図。 第1実施形態の変形例となる補強構造を平面視した場合の図。 第1実施形態の変形例となる補強構造を平面視した場合の図。 第2実施形態の補強構造の断面図。 第2実施形態の補強構造を平面視した場合の図。 従来の補強構造を示す図。
符号の説明
1、2 補強構造
10 土質材料層
20、21、30、40、50、51、60 遮水シート
20a、21a 土質材料層から露出する部分
100 堤体
200 透水層
300 高水敷
400 水

Claims (9)

  1. 堤体の川表側の高水敷の地盤表面に設けられる補強構造であって、
    前記地盤表面に敷設される、難透水性の土質材料からなる土質材料層と、
    前記土質材料層の土質材料が水流により流されるのを阻止するシートであって、少なくともその下方が前記土質材料層中に埋設された状態となっている複数のシートと、を有しており、
    前記シートは、平面視した場合に前記土質材料層を区分けするように埋設されている、
    補強構造。
  2. 前記シートは、平面視した場合に前記土質材料層を連続する複数の小区域に区分けするように埋設されている、
    請求項1記載の補強構造。
  3. 前記シートは、前記土質材料層から露出する部分を有している、
    請求項1または2記載の補強構造。
  4. 前記シートのうち前記土質材料層から露出する部分は、折り曲げられ、前記土質材料層の表面に当接している、
    請求項3記載の補強構造。
  5. 前記シートの埋設されている部分の面は、河川の流れる方向と略直交している、
    請求項4記載の補強構造。
  6. 前記シートの透水係数は、10−5cm/sec以下のオーダーである、
    請求項1ないし5のいずれかの項記載の補強構造。
  7. 前記地盤中への水の浸透を防止するシートであって、前記地盤表面と前記土質材料層との間に敷設された状態となっている遮水シートをさらに有する、
    請求項1ないし6のいずれかの項記載の補強構造。
  8. 堤体の川表側の高水敷の地盤表面に設けられる補強構造を構築する構築工法であって、
    堤体の川表側の高水敷の地盤表面に、難透水性の土質材料からなる土質材料層を敷設する過程と、
    前記地盤表面に敷設される土質材料が水流により流されるのを阻止する複数のシートを、少なくともその下方が前記土質材料層中に埋設されるように、かつ、平面視した場合に前記高水敷の地盤表面を区分けするように打ち込む過程と、
    を有する、
    補強構造を構築する構築工法。
  9. 堤体の川表側の高水敷の地盤表面に設けられる補強構造を構築する構築工法であって、
    堤体の川表側の高水敷の地盤表面に、前記地盤中への水の浸透を防止する遮水シートを敷設する過程と、
    前記遮水シート上に難透水性の土質材料からなる土質材料層を敷設する過程と、
    前記遮水シート上に敷設される土質材料が水流により流されるのを阻止する複数のシートを、その下端が前記土質材料層中に埋設されるように、かつ、平面視した場合に前記高水敷の地盤表面を区分けするように打ち込む過程と、
    を有する、
    補強構造を構築する構築工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109356091A (zh) * 2018-11-21 2019-02-19 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 山溪河流堤防工程

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CN109356091B (zh) * 2018-11-21 2024-01-19 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 山溪河流堤防工程

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