JP2007137875A - 合成ポリペプチドを含有する水溶性化粧品 - Google Patents

合成ポリペプチドを含有する水溶性化粧品 Download PDF

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嘉章 古谷
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博 三上
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貴子 北
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Abstract

【課題】安全性が高く、適度な強度を有しながらも、水溶性である多孔状又は非多孔状の化粧品を提供する。
【解決手段】少なくとも式Pro-Y-Gly(式中、YはPro又はHypを示す)で表されるアミノ酸配列を有し、かつコラーゲン様の構造を形成する合成ポリペプチドで構成され、多孔状又は非多孔状で、かつ水溶性の化粧品を構成する。合成ポリペプチドは、1×10〜100×10程度の範囲に分子量のピークを有してもよい。前記化粧品は、少なくとも合成ポリペプチドを含有する被処理水溶液(合成過程で得られる反応混合物など)を限外ろ過に供して、濃度を0.1〜2重量%程度に調整し、得られる水溶液を、さらに凍結乾燥するか、又は凍結することなく乾燥させることにより得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、病原体感染の危険性が無く、安全性の高い合成ポリペプチド(コラーゲン様ポリペプチド)で構成され、顔、背中などの外皮に適用するのに有用である水溶性の多孔状又は非多孔状化粧品(特に、シート状化粧品)に関する。
人工皮膚、創傷被覆材などの生体材料、スキンケア用のマスク又はパック(フェイシャルマスクなど)などの化粧品などの用途において、コラーゲンスポンジ、コラーゲンシート(コラーゲンフィルム)などが利用されている。
従来、これらのコラーゲン製品では、天然のコラーゲン(ほ乳動物由来コラーゲン、魚由来コラーゲンなど)を原料として用いているが、スポンジ又はシート状の形態にするためには、コラーゲンを可溶化させる必要がある。一方、天然のコラーゲンは、多細胞動物にみられる繊維状蛋白質であり、典型的には、3本のコラーゲンポリペプチド鎖が三重らせん構造と呼ばれるロープ状の超らせん構造を有している。前記三重らせん構造の両端には、三重らせん構造を構成するポリペプチドとはアミノ酸組成が異なるテロペプチドが結合しており、このテロペプチドを有するコラーゲンはトロポコラーゲンと呼ばれている。そして、天然コラーゲンでは、前記テロペプチドを介して、複数のトロポコラーゲンが架橋しており、水に対して、通常、難溶性である。
そのため、このような天然コラーゲンの水溶液を得るためには、天然コラーゲンを、酸、アルカリ、及び/又は酵素などを用いて処理し、テロペプチド部分を除去してアテロコラーゲン化したり、ポリペプチド自体を切断して低分子量化している。さらに、動物等の組織(骨、皮など)からコラーゲンを取り出すには、アルカリ処理、還元処理、酸処理、塩析、有機溶媒による洗浄処理など多くの精製又は分離処理などが必要である上、医薬、生体材料、化粧品などとして用いる場合には、このような処理の過程で用いた試薬を取り除く必要も生じ、非常に煩雑である。しかも、ウシ、ヒツジなどの哺乳動物由来のコラーゲンでは、コラーゲンの特性(保湿性など)に優れ、原料臭も少ないものの、プリオンなどによる感染の病原体の危険性が問題となっている。一方、魚由来のコラーゲンでは、このような危険性は少ないものの、原料臭が強く、この臭気を取り除くための工程がさらに必要となる。例えば、特開2004−300109号公報(特許文献1)には、動物のタンパク質を含む組織などを原料とし、原料の脱脂・脱臭処理を含む前処理工程と、前処理した原料を酸溶液又は酸及び酸性プロテアーゼ溶液に浸漬して、酸可溶性タンパク質を可溶化、溶解させ、酸可溶性タンパク質を含有する抽出液を得る抽出工程と、この抽出液から酸可溶性タンパク質を精製、濃縮する工程(限外ろ過膜を用いた精製濃縮方法など)とを備えた動物タンパク質の製造方法において、抽出工程に供する原料と溶液の関係が、原料に対する酸溶液又は酸及び酸性プロテアーゼ溶液の重量比が1.5〜10倍で、酸の濃度が0.3〜2Mとすることが記載されている。しかし、このような方法でも、可溶性のコラーゲンを得るには、非常に煩雑な工程を経る必要がある。
また、アテロコラーゲン又はコラーゲンを低分子量化したコラーゲンペプチドでは、水に可溶性であるものの、スポンジやフィルム状に成形すると、強度が不十分となり、ひび割れ、欠けなどが起こりやすい。そのため、さらに薬品により化学架橋処理を行う必要が生じる。例えば、特開2005−314号公報(特許文献2)では、酢酸を用いてpHを調整したコラーゲン希釈溶液を用いるコラーゲンスポンジの製造方法が開示されており、凍結乾燥を利用しつつ、溶液中にグルタルアルデヒドを添加したり、未架橋コラーゲンスポンジをグルタルアルデヒド揮発ガスに曝すことにより、グルタルアルデヒドで架橋したコラーゲンスポンジを調製している。なお、特許文献2では、市販のアテロコラーゲンなどの可溶化コラーゲンを原料として用いている。また、特開2004−210739号公報(特許文献3)には、コラーゲンを含有する組織を均一に分散し、不飽和結合を化学的に還元し、得られた分散液を有機溶媒により洗浄し、さらに得られた分散液を凍結乾燥することにより得られるフェイシャルマスクが開示されている。特開平2−156954号公報(特許文献4)には、可溶性コラーゲンを繊維状に再構成し、架橋剤及び水素化ホウ素ナトリウムのような架橋強化剤で処理するコラーゲン膜の製造法が開示されている。しかし、これらのコラーゲンスポンジ又は膜では、架橋処理又は還元処理などにより、スポンジの強度はある程度改善できるかもしれないが、スポンジ又は膜の水に対する溶解性は低下する。
なお、特開2005−60314号公報(特許文献5)には、少なくとも式Pro-Y-Gly(式中、YはProまたはHypを表す)で表されるアミノ酸配列を有し、かつコラーゲン様の構造を形成する合成ポリペプチドで構成された化粧料が開示されている。しかし、特許文献5には、化粧料の具体例として、基材に液状化粧料を含浸したマスク又はパックなどが記載されている。しかし、このようなシート状の化粧料では、顔などに適用して使用した後、基材を廃棄する必要があり、また、廃棄に伴って、基材に残存する化粧料も廃棄することになる。
特開2004−300109号公報(請求項1及び3) 特開2005−314号公報(請求項1〜3) 特開2004−210739号公報(請求項1、実施例) 特開平2−156954号公報(請求項1) 特開2005−60314号公報(請求項1)
従って、本発明の目的は、安全性が高く、適度な強度を有しながらも、水溶性である多孔状又は非多孔状の化粧品を提供することにある。
本発明の他の目的は、コラーゲンの優れた特性を有しながらも、煩雑な工程を経る必要がなく、病原体の感染や病原性因子の伝達を生じる危険性がなく、さらには臭気を生じさせることもない水溶性化粧品を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、使用後の廃棄処理が不要な水溶性化粧品を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の合成ポリペプチドを用いると、煩雑な工程を経なくても、安全で臭気もなく、適度な強度を有しながらも、水溶性であるコラーゲン様の多孔質状(又はスポンジ状)又は非多孔質状化粧品(シート状化粧品など)が得られること、特に合成ポリペプチドを含有する被処理水溶液(例えば、合成ポリペプチドの合成過程で得られる反応液)を、限外ろ過に供すると、多孔質又は非多孔質状の形態に形成するのに適した濃度に濃縮でき、この濃縮液を用いることにより、凍結乾燥又は風乾などという簡単な操作で化粧品(シート状化粧品など)が得られることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の化粧品は、少なくとも式Pro-Y-Gly(式中、YはPro又はHypを示す)で表されるアミノ酸配列を有し、コラーゲン様の構造を形成する合成ポリペプチドで構成され、かつ多孔状又は非多孔状の水溶性化粧品である。合成ポリペプチドは、分子量分布において1×10〜100×10程度の範囲に分子量のピークを有してもよい。
前記合成ポリペプチドは、下記式(1)〜(3)で表されるペプチドユニットで構成されたポリペプチド(I)、及び下記式(4)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニットと、下記式(5)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニットとを含むポリペプチド(II)から選択された少なくとも一種のポリペプチドであってもよい。
[-(OC-(CH)-CO)-(Pro-Y-Gly)-] (1)
[-(OC-(CH)-CO)-(Z)-] (2)
[-HN-R-NH-] (3)
(式中、mは1〜18の整数、p及びqは同一又は異なって0又は1、YはProまたはHypを表し、nは1〜20の整数を表す。Zはアミノ酸残基又は1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチド鎖を表し、rは1〜20の整数を表し、Rは直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を表す。aとbとの割合(モル比)はa/b=100/0〜30/70であり、p=1及びq=0であるときc=a、p=0及びq=1であるときc=bであり、p=1及びq=1であるときc=a+bであり、p=0及びq=0であるときc=0である。)
-Pro-Y-Gly- (4)
(式中、Yは前記に同じ)
-Pro-V-Gly-W-Ala-Gly- (5)
(式中、VはGln、Asn、Leu、Ile、ValまたはAla、WはIleまたはLeuを表す。)
合成ポリペプチドは、下記式(1a)で表されるペプチドユニットの繰り返し単位で構成されており、この繰り返し単位の割合が、合成ポリペプチド中80重量%以上であり、分子量分布において3×10〜50×10程度の範囲に分子量のピークを有するポリペプチドであってもよい。
-(Pro-Y-Gly)- (1a)
(式中、YはPro又はHypを示し、nは5〜15の整数を表す)
また、前記合成ポリペプチドは、円二色性スペクトルにおいて、波長220〜230nmに正のコットン効果を示し、波長195〜205nmに負のコットン効果を示し、かつ合成ポリペプチドの少なくとも一部が3重らせん構造を形成可能であってもよい。
合成ポリペプチドは、下記式で表されるペプチドユニット
-(Pro-Hyp-Gly)- (1b)
(式中、nは5〜15の整数を表す)
の繰り返し単位で構成されており、分子量分布において、5×10〜100×10の範囲に分子量のピークを有し、かつ合成ポリペプチドの少なくとも一部が3重らせん構造を形成可能であってもよい。前記化粧品の形態は、通常、シート状であるのが好ましい。
前記化粧品は、少なくとも合成ポリペプチドを含有する被処理水溶液を限外ろ過に供して、濃度を調整し、得られる水溶液を、さらに乾燥させることにより得てもよい。水溶液の乾燥は、凍結乾燥により行ってもよく、凍結することなく乾燥させることにより行ってもよい。また、前記化粧品は、合成ポリペプチドの構成アミノ酸及び/又はペプチドフラグメントを含むアミノ酸又はペプチド成分を縮合させて得られる反応混合物を、限外ろ過に供して、合成ポリペプチドを含有する水溶液の画分の濃度を調整し、得られる水溶液を、さらに凍結乾燥するか、又は前記水溶液を凍結することなく乾燥させることにより得ることもできる。限外ろ過により、水溶液中の合成ポリペプチドの濃度を、0.1〜2重量%程度に調整してもよい。
前記化粧品は、限外ろ過により、濃度が調整された水溶液を、−50〜−10℃程度の温度で水溶液を凍結させ、さらに温度0〜30℃程度及び圧力1〜100Pa程度の条件で乾燥させることにより得られ、かつスポンジ状の形態を有してもよい。なお、凍結乾燥に先立って、脱気処理を行ってもよい。
非多孔状化粧品(特にシート状の化粧品)は、通常、限外ろ過により、濃度が調整された水溶液を、温度10〜30℃程度、圧力1000〜100000Pa程度及び湿度50%以上の条件で乾燥させることにより得られる。シート状の化粧品では、厚みは10μm〜1.5cm程度であってもよい。
このような化粧品(特にシート状化粧品)は、フェイシャルマスクなどの外皮に適用するために使用される場合が多い。
本発明には、少なくとも前記合成ポリペプチドを含有する被処理水溶液を限外ろ過に供して、濃度を調整し、得られる水溶液を、さらに乾燥(例えば、凍結乾燥、又は凍結することなく乾燥)させて、前記化粧品を製造する方法も含まれる。
本発明では、特定の合成ポリペプチドを用いるので、安全性が高く、ひび割れ、欠けなどの発生を防止して、適度な強度を有しながらも、水溶性である多孔質状(又はスポンジ状)化粧品(多孔質状のシート状化粧品など)又は非多孔質状化粧品(非多孔質状のシート状化粧品など)を得ることができる。また、前記合成ポリペプチドを用いるので、コラーゲンの優れた特性を有しながらも、病原体の感染や病原性因子の伝達を生じる危険性がなく、臭気を生じさせることもない化粧品を煩雑な工程を経ることなく得ることができる。また、本発明では、合成ポリペプチドの合成過程で得られる反応液を、限外ろ過に供するという簡便な操作で、多孔質又は非多孔質状の形態(特に多孔質又は非多孔質状のシート状)に形成するのに適した濃度に濃縮でき、この濃縮液を用いることにより、凍結乾燥又は風乾などにより上記のような形態の化粧品を得ることができる。さらに、本発明の化粧品は、水溶性であるため、不織布などの不溶性の基材にコラーゲン含有化粧水などを単に含浸させただけのマスク又はパックなどとは異なり、使用後の廃棄処理も不要である。
本発明の化粧品は、コラーゲン様の構造を形成する特定の合成ポリペプチドで構成されている。化粧品は、多孔状であってもよく、非多孔状であってもよい。
(合成ポリペプチド)
本明細書中、各種アミノ酸残基を次の略号で記述する。
Ala :L−アラニン残基
Arg :L−アルギニン残基
Asn :L−アスパラギン残基
Asp :L−アスパラギン酸残基
Cys :L−システイン残基
Gln :L−グルタミン残基
Glu :L−グルタミン酸残基
Gly :グリシン残基
His :L−ヒスチジン残基
Hyp :L−ヒドロキシプロリン残基
Ile :L−イソロイシン残基
Leu :L−ロイシン残基
Lys :L−リジン残基
Met :L−メチオニン残基
Phe :L−フェニルアラニン残基
Pro :L−プロリン残基
Sar :サルコシン残基
Ser :L−セリン残基
Thr :L−トレオニン残基
Trp :L−トリプトファン残基
Tyr :L−チロシン残基
Val :L−バリン残基
また、本明細書においては、常法に従って、N末端のアミノ酸残基を左側に位置させ、C末端のアミノ酸残基を右側に位置させて、ペプチド鎖のアミノ酸配列を記述する。
前記合成ポリペプチドは、少なくとも式Pro-Y-Gly(式中、YはPro又はHypを示す)で表されるアミノ酸配列を有している。このアミノ酸配列は、3重らせん構造の安定性に寄与するため、前記ポリペプチドは、コラーゲン組織(コラーゲン状の組織)又はコラーゲン様の構造を形成する限り種々のポリペプチドが使用できる。このようなポリペプチドには、具体的には、下記式(1)〜(3)で表されるペプチドユニットで構成されたポリペプチド(I)及び下記式(4)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニットと、下記式(5)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニットとを含むポリペプチド(II)などが含まれる。これらのポリペプチドは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
[-(OC-(CH)-CO)-(Pro-Y-Gly)-] (1)
[-(OC-(CH)-CO)-(Z)-] (2)
[-HN-R-NH-] (3)
-Pro-Y-Gly- (4)
-Pro-V-Gly-W-Ala-Gly- (5)
(式中、mは1〜18の整数、p及びqは同一又は異なって0又は1、YはProまたはHypを表し、nは1〜20の整数を表す。Zは1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチド鎖を表し、rは1〜20の整数を表し、Rは直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を表す。aとbとの割合(モル比)はa/b=100/0〜30/70であり、p=1及びq=0であるときc=a、p=0及びq=1であるときc=bであり、p=1及びq=1であるときc=a+bであり、p=0及びq=0であるときc=0である;
VはGln、Asn、Leu、Ile、ValまたはAla、WはIleまたはLeuを表す。)
前記ポリペプチド(I)は、前記ペプチドユニット(1) を必須ユニットとし、さらにペプチドユニット(1)は、Pro-Y-Glyの繰返し配列を含むことが必要である。なお、3重らせん構造の安定性及び合成の容易性などの点から、繰返し数nは、1〜20、好ましくは3〜15、さらに好ましくは5〜15程度であってもよい。
前記式(1)において、Yは、Pro又はHypいずれであってもよいが、3重らせん構造の安定性からHypであるのがより好ましい。なお、Hypは、通常、4Hyp(例えば、trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン)残基である。
さらに、メチレン鎖(CH)の繰り返し数を示すmは、通常、1〜18、好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜10(特に2〜6)程度である。また、pは0又は1である。
前記ペプチドユニット(2)において、Zはアミノ酸残基、又は1〜10個のアミノ酸残基で構成された任意の配列のペプチド鎖を表す。Zは、特に制限されないが、ポリペプチドの物理的及び生物学的性質の点から、ペプチド鎖Zは、通常、Gly、Sar、Ser、Glu、Asp、Lys、His、Ala、Val、Leu、Arg、Pro、Tyr、Ileから選択された1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチド鎖(すなわち、これらのアミノ酸から選択されたアミノ酸残基、又はこれらのアミノ酸から選択された1〜10(例えば、2〜10個)のアミノ酸残基からなるペプチド鎖)、特に、Gly、Sar、Ser、Glu、Asp、Lys、Arg、Pro、Valから選択されたアミノ酸残基、又は1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチド鎖を有している場合が多い。ペプチド鎖Zは、Gly、Sar、Ser、Glu、Asp、Lys、Arg-Gly-Asp、Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg、Ile-Lys-Val-Ala-Val、Val-Pro-Gly-Val-Gly、Asp-Gly-Glu-Ala、Gly-Ile-Ala-Gly、His-Ala-Val、Glu-Arg-Leu-Glu、Lys-Asp-Pro-Lys-Arg-Leu、Arg-Ser-Arg-Lysで示される配列を含むのが好ましい。
ペプチド鎖Zの繰り返し数を示すrは、合成の容易性及びポリペプチドの物理的又は生物学的性質の点から、通常、1〜20、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5程度である。
式(2)において、メチレン鎖(CH)の繰り返し数を示すmは、前記式(1)と同様に、1〜18、好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜10(特に2〜6)程度である。また、qは0又は1である。
なお、前記式において、m、n、及びrは、通常、原料となるアミノ酸又はペプチド中の繰り返し数に対応している。 なお、前記式(1)及び(2)において、p及びqのうち少なくとも一方が1である(すなわち、ジカルボン酸ユニットを含む)とき、ポリペプチドは、前記式(3)で表されるユニット(ジアミンユニット)を含んでいる。このユニット(3)において、Rで表される直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレンなどのC1−18アルキレン基(又はアルキリデン基)が例示できる。前記アルキレン基Rは、直鎖状のメチレン鎖(CH)(式中、sは1〜18の整数を表す)であってもよい。好ましいRは、C2−12アルキレン基(さらに好ましくはC2−10アルキレン基,特にC2−6アルキレン基)である。
ペプチドユニット(1)とペプチドユニット(2)との割合(a/b)は、100/0〜30/70(モル比)、好ましくは100/0〜40/60(モル比)、さらに好ましくは100/0〜50/50(モル比)程度である。
さらに、ユニット(3)の割合は、前記式(1)のpの値、前記式(2)のqの値に応じて選択でき、p=1及びq=0であるとき、c=aであり、p=0及びq=1であるとき、c=bである。また、p=1及びq=1であるときc=a+bであり、p=0及びq=0であるときc=0である。
すなわち、前記ポリペプチド(I)には、(a)前記式(1)でp=0であるペプチドユニット[-(Pro-Y-Gly)-]の繰り返し単位で構成されたポリペプチド、(b)前記式(1)でp=0であるペプチドユニット[-(Pro-Y-Gly)-]と前記式(2)でq=0であるペプチドユニット[-(Z)-]とをa:bの割合(モル%)で含む繰り返し単位で構成されたポリペプチド、(c)前記式(1)でp=1であるペプチドユニット[-(OC-(CH)-CO)-(Pro-Y-Gly)-]と前記式(3)で表されるユニット[-HN-R-NH-]とを1:1の割合(モル比)で含む繰り返し単位で構成されたポリペプチド、(d)前記式(1)でp=1であるペプチドユニット[-(OC-(CH)-CO)-(Pro-Y-Gly)-]と前記式(2)でq=1であるペプチドユニット[-(OC-(CH)-CO)-(Z)-]と前記式(3)で表されるユニット[-HN-R-NH-]とをa:b:a+bの割合(モル比)で含む繰り返し単位で構成されたポリペプチドが含まれる。
一方、前記ポリペプチド(II)は、必須ユニットとして、-Pro-Y-Gly-で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニット(4)を含有する。このユニット(4)は、3重らせん構造の安定性の点から、ポリペプチド中において、-(Pro-Y-Gly)-で表される繰返し構造を形成してもよい。この配列の繰返し数dは、例えば、2〜5000、好ましくは2〜4000、さらに好ましくは3〜3000程度である。Yは、ProまたはHypのいずれであってもよいが、前記と同様に、3重らせん構造の安定性からHyp[通常、4Hyp(例えば、trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン)残基]であるのが好ましい。
また、本発明におけるポリペプチド(II)は、-Pro-V-Gly-W-Ala-Gly-で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニット(5)を含有している。
Vは、Gln、Asn、Leu、Ile、ValまたはAlaのいずれであってもよいが、Gln、Asn、Leu、Val、Ala、特にGln、Leuがより好ましい。WはIleまたはLeuのいずれでもよいが、Ileがより好ましい。
VとWとの組み合わせは、例えば、VがGln、Asn、Leu、Ile、Val及びAlaから選択された一種(例えば、Gln又はLeu)であり、WがIleであるペプチドや、VがGln、Asn、Leu、Ile、Val及びAlaから選択された一種(例えば、Gln又はLeu)であり、WがLeuであるペプチドなどが挙げられる。
YとVとWとの組み合わせは、YがHyp、VがGln、Asn、Leu、Ile、Val及びAlaから選択された一種(例えば、Gln又はLeu)、WがIle又はLeuであるペプチドや、YがPro、VがGln、Asn、Leu、Ile、Val及びAlaから選択された一種(例えば、Gln又はLeu)、WがIle又はLeuであるペプチドなどが挙げられる。
さらに、ポリペプチドの物理的及び生物学的性質を阻害しない範囲で、ポリペプチド(II)は他のアミノ酸残基やペプチド鎖(ユニット)を含んでいてもよい。他のアミノ酸残基又はペプチド鎖としては、前記ペプチドユニット(2)の-(Z)-で表されるペプチド鎖などが挙げられる。ポリペプチド(II)は、物理的及び生物学的性質の点から、例えば、Gly、Sar、Ser、Glu、Asp、Lys、His、Ala、Val、Leu、Arg、Pro、Tyr、Ileから選択された1〜10個のアミノ酸残基から構成されているペプチド鎖(すなわち、これらのアミノ酸から選択されたアミノ酸残基、又はこれらのアミノ酸から選択された2〜10個のアミノ酸残基から構成されているペプチド鎖)、特に、Gly、Sar、Ser、Glu、Asp、Lys、Arg、Pro、Valから選択された1〜10個のアミノ酸残基から構成されているペプチド鎖を有している場合が多い。具体的には、例えば、Gly、Sar、Ser、Glu、Asp、Lys、Arg-Gly-Asp、Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg、Ile-Lys-Val-Ala-Val、Val-Pro-Gly-Val-Gly、Asp-Gly-Glu-Ala、Gly-Ile-Ala-Gly、His-Ala-Val、Glu-Arg-Leu-Glu、Lys-Asp-Pro-Lys-Arg-Leu、Arg-Ser-Arg-Lysで示されるアミノ酸残基やペプチド鎖を含むのが好ましい。
前記ポリペプチド(II)において、前記ペプチドユニット(4)と前記ペプチドユニット(5)との割合(モル比)は、(4)/(5)=99/1〜30/70、好ましくは98/2〜40/60、さらに好ましくは95/5〜50/50程度である。
前記ペプチドユニット(4)及び前記ペプチドユニット(5)の合計量と、他のペプチドユニットとの割合(モル比)は、前者/後者=100/0〜50/50、好ましくは100/0〜60/40、さらに好ましくは100/0〜70/30程度である。
合成ポリペプチドのうち、特に、前記式(1)でp=0であるペプチドユニット[-(Pro-Y-Gly)-](1a)の繰り返し単位で構成されたポリペプチド、特に、ペプチドユニット[-(Pro-Hyp-Gly)-](1b)の繰り返し単位で構成されたポリペプチドが好ましい。また、式(1a)及び(1b)における繰り返し単位nが5〜20の整数、好ましくは5〜15の整数であるポリペプチド(例えば、繰り返し数nがこのような範囲のペプチドを原料として用いて得られるポリペプチドなど)が好ましい。なお、前記繰り返し単位の割合は、合成ポリペプチド中50重量%以上(例えば、60〜100重量%程度)、好ましくは70重量%以上(例えば、70〜95重量%程度)、さらに好ましくは80重量%以上(例えば、80〜90重量%程度)である。さらに、これらの合成ポリペプチドのうち、分子量分布において、水系ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による球状蛋白質換算で、5×10〜100×10の範囲に分子量のピークを有し、かつ合成ポリペプチドの少なくとも一部が3重らせん構造を形成可能であるポリペプチドも好ましい。
前記合成ポリペプチド(ポリペプチド(I)、(II)など)は、環化により6員環を形成することなく、鎖状のポリペプチドを形成しており、溶媒(水、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどの親水性溶媒又はそれらの混合溶媒)に可溶である。前記ポリペプチドは、分子量分布において、水系ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による球状蛋白質換算で、例えば、5×10〜500×10(例えば、5×10〜100×10)、好ましくは1×10〜300×10(例えば、1×10〜100×10)、さらに好ましくは3×10〜50×10(例えば、5×10〜30×10)程度の範囲に分子量のピークを示す。なお、水系GPC測定は、溶離液として、水溶液(例えば、塩化ナトリウムを含有するリン酸塩緩衝液など)を用いて行うことができ、標準物質としては、例えば、アマシャム・バイオサイエンス(株)製(又はGEヘルスケアバイオサイエンス(株)製)のGel Filtration LMW Calibration Kit(リボヌクレアーゼA、キモトリプシノーゲンA、オバルブミン、アルブミンなどを含有)、Gel Filtration HMW Calibration Kit(アルドラーゼ、カタラーゼ、フェリチン、チログロブリンなどを含有)などが使用できる。
さらに、これらのポリペプチドは、円二色性スペクトルにおいて、波長220〜230nmに正のコットン効果を示し、波長195〜205nmに負のコットン効果を示す。そのため、ポリペプチドの少なくとも一部(すなわち、一部または全部)が3重らせん構造を形成可能であり、コラーゲン様ポリペプチドを形成する。なお、コットン効果とは、旋光性物質において特定の波長で左右の円偏光に対する吸収係数が異なるために起こる現象をいう。
これらのポリペプチドは、コラーゲン組織(コラーゲン状の組織)を形成可能である。上記3重らせん構造を形成したポリペプチド鎖が自己集合して、数nm〜数十nmの原線維を形成し、さらにこれらの原線維が配列して数μm〜数十μmの繊維構造を形成することができる。これらは、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、あるいは原子間力顕微鏡により観察することができる。
前記ポリペプチド(I)及び/又は(II)は、生分解性、特に生体内分解性を有していてもよい。例えば、前記ポリペプチド(II)はコラゲナーゼ分解性を有している。
合成ポリペプチドは、生理学的又は薬理学的に許容される塩であってもよく、例えば、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸など)、有機酸(酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、リンゴ酸、クエン酸、オレイン酸、パルミチン酸など)、金属(ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムなど)、有機塩基(トリメチルアミン、トリエチルアミン、t−ブチルアミン、ベンジルアミン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、アルギニンなど)との塩であってもよい。これらの塩形成化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの塩は、通常の塩形成反応によって得ることができる。
前記合成ポリペプチドは、哺乳動物由来のコラーゲンと異なり、病原体や病原性因子[例えば、病原性に転化したタンパク質(例えば、異常型プリオンなど)など]の感染や伝達の危険性がない。そのため、前記ポリペプチドは、安全性が高く、しかも、高い保湿性及び安定性を有している。特に、ポリペプチドの構造(ペプチド結合や3重らせん構造など)を長期に亘り維持できるとともに、滅菌処理(γ線照射などによる処理など)を施してもポリペプチド構造を維持することができ、安定性に優れている。
化粧品の形態は、多孔状(多孔質状、スポンジ状)又は非多孔状(非多孔質状)のいずれであってもよい。また、シート又はフィルム状の二次元的形状であってもよく、三次元的形状であってもよい。なお、シート状化粧品の平面形状は、特に制限されず、例えば、三角形、方形(正方形、長方形など)、五角形などの多角形状、多角形の角部が面取りされた形状、円状、楕円状などであってもよい。また、適用する部位の形状に合わせた形状、例えば、顔全体への適用に適した顔形状(目、鼻孔、口などに当たる部分を開孔させた顔形状など)、目じり、口元などへの適用に適したビーンズ状(楕円形状を屈曲させたような形状)などであってもよい。また、適用部位の隆起形状に合わせて、立体的又は三次元的な形状に形成してもよい。
シート状化粧品の厚みは、10μm〜1.5cm程度の範囲から選択でき、例えば、多孔状シートの厚みは、0.1〜1.5cm、好ましくは0.2〜1cm、さらに好ましくは0.3〜0.9cm(例えば、0.3〜0.6cm)程度である。また、非多孔状シートの厚みは、例えば、10〜500μm、好ましくは50〜400μm、さらに好ましくは100〜300μm程度である。
合成ポリペプチド含有被処理水溶液の乾燥により得られるシートのサイズは、特に制限されないが、例えば、方形において、強度、成形性の点から、一辺の長さが、例えば、1〜30cm、好ましくは1.5〜20cm、さらに好ましくは2〜10cm程度である。一旦サイズの大きなシートを作製した後、切断等により、適当なサイズ及び形状に形成してもよい。
本発明の化粧品には、化粧品用途において使用される慣用の成分(有効成分、担体又は基剤、添加剤など)を添加してもよい。
他の有効成分としては、収れん剤(クエン酸、乳酸、酒石酸などのオキシ酸又はこれらの塩など;塩化アルミニウムなどのアルミニウム化合物;硫酸亜鉛、スルホフェノキソ亜鉛などの亜鉛化合物;プロアントシアニジン類;ハマメリス、白樺などのタンニン含有植物抽出物;ガイヨウエキス、ダイオウエキス、スギナエキスなど)、エモリエント剤(トリグリセリド油、スクワラン、エステル油などの油性成分を、モノグリセリドなどの非イオン乳化剤などにより乳化した乳化物など)、保湿剤、皮膚軟化剤(サリチル酸又はその誘導体、乳酸、尿素など)、抗酸化剤(トコフェロール又はその誘導体;アントシアニンなどのポリフェノール類など)、紫外線吸収剤や紫外線を散乱する無機顔料、美白剤(アスコルビン酸又はその誘導体、システイン、プラセンタエキス、アルブチン、コウジ酸、ルシノール、エラグ酸、カミツレ抽出物など)、制汗剤(アルミニウム化合物、亜鉛化合物、タンニンなどの収れん剤など)、肌荒れ防止剤(グリチルリチン酸塩、ビタミン類など)、抗炎症剤(アラントイン、グアイアズレン、グリチルリチン酸又はその塩、グリチルレチン酸又はその塩、ε−アミノカプロン酸、トラネキサム酸、イブプロフェン、インドメタシン、酸化亜鉛、或いはこれらの誘導体;アルニカ抽出物などの植物抽出物など)、殺菌剤又は抗菌剤(塩化ベンザルコニウム、塩化ジステアリルメチルアンモニウムなどの第四級アンモニウム塩;安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステルなどの安息香酸類;サリチル酸、サリチル酸ナトリウムなどのサリチル酸類;トリクロロカルバニリド、トリクロサンなど)、酵素(プロテアーゼ、リパーゼなど)、補酵素(コエンザイムQ10など)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなど)、アミノ酸(トリプトファン、システインなど)、細胞賦活剤(リボフラビン、ピリドキシン、ニコチン酸、パントテン酸、α−トコフェロール、又はこれらの誘導体;ユキノシタエキスなどの植物抽出物など)、しみそばかす用化粧品の有効成分(チロシナーゼ活性阻害剤、メラニン還元剤など)、ニキビ用化粧品の有効成分(硫黄などの角質軟化剤、消炎剤、副腎皮質ホルモン、皮脂分泌抑制剤など)などが挙げられる。
前記保湿剤としては、アルキレングリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエステルなどのポリアルキレングリコール又はそのモノアルキルエステルなど)、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール類;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム;アミノ酸類(セリン、グリシン、スレオニン、アラニンなど);糖類(ソルビトールなどの糖アルコール;ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コンドロイチンヘパリンなどの多糖類など);タンパク質(ビトロネクチン、フィブロネクチン、ケラチン、エラスチン、ローヤルゼリー、セリシンなど)などが挙げられる。
前記他の有効成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。他の有効成分の割合は、合成ポリペプチド100重量部に対して、固形分換算で、0.01〜60重量部、好ましくは0.1〜50重量部、さらに好ましくは1〜30重量部程度であってもよい。
前記担体又は基剤としては、糖類(グルコース、ラクトース、デンプンなどの単糖類又は多糖類;ソルビトールなどの糖アルコールなど)、アミノ酸類(セリン、グリシン、スレオニン、アラニンなど)、金属石鹸類(脂肪酸金属塩、例えば、ステアリン酸カリウム、やし油脂肪酸ナトリウム、ミリスチン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムなど)、樹脂類(熱可塑性又は熱硬化性樹脂など)、無機粉末成分[セリサイト、体質顔料(カオリン、タルク、雲母などの天然粘度鉱物;合成フッ素金雲母、六方晶窒化ホウ素など)など]などの粉末状基剤;動植物由来の固形又は半固形油性基剤(蜜ろう、木ろう、カルナバろう、キャンデリラろう、カカオ脂、牛脂;ラノリンなど)、鉱物由来の固形又は半固形油性基剤(固形パラフィン、セレシン、ミクロクリスタリンワックス;ワセリンなど)の他、脂肪酸エステル、高級アルコール、高級脂肪酸、ゲル基剤(ガム類、アルギン酸などの多糖類、ローヤルゼリーなどのタンパク質などの粘液質など)などの固形又は半固形基剤;液状基剤、例えば、油性基剤(ホホバ油、オリーブ油、やし油、つばき油、マカデミアンナッツ油、ひまし油、スクアランなど)、鉱物系油性基剤(流動パラフィン、ポリブテン、シリコーン油など)、合成系油性基剤(合成エステル油、合成ポリエーテル油など)などの油性基剤;水性基剤、例えば、水溶性有機溶媒[低級脂肪族アルコール(エタノール、イソプロパノールなど);アルキレングリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエステルなどの低分子量のポリオキシアルキレングリコール又はそのモノアルキルエステルなど);グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール類;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウムなどのカルボン酸類など]などが挙げられる。これらの基剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
基剤の割合は、合成ポリペプチド100重量部に対して、固形分換算で、例えば、0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部程度であってもよい。
前記添加剤としては、界面活性剤(陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、両性界面活性剤など)、無機塩類(硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウムなど)、着色剤、繊維(ナイロン繊維などの合成繊維、天然繊維など)、研磨剤(リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、無水ケイ酸など)、発泡剤(ラウリル硫酸ナトリウムなど)、湿潤剤(ソルビット、グリセリンなど)、粘結剤(前記例示の粘液質、例えば、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナンなど)、不透明化剤、香料(合成香料、精油、精油成分など)、植物抽出物、pH調整剤(炭酸水素ナトリウムなどの塩基;リン酸一水素ナトリウムなどの酸;ホウ砂など)、キレート剤(クエン酸などのオキシカルボン酸、メタリン酸などのリン酸など)、金属イオン封鎖剤(ポリリン酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩など)、固化剤(前記基剤の項で例示の高級アルコール、飽和脂肪酸、ワックス類など)、可溶化剤(ポリオキシエチレン硬化ひまし油など)、可塑剤(カンファー、フタル酸ジブチルなどのフタル酸エステル、アセチルクエン酸トリブチルなどの脂肪族多塩基酸エステルなど)、ゲル化剤(有機変性ベントナイトなど)、増粘剤(前記基剤の項で例示の粘液質など)、有機溶剤(エタノール、ブタノールなどのアルコールなど)、還元剤(チオグリコール酸又はその塩、システインなど)、塩基性剤(アンモニア水、炭酸アンモニウム、エタノールアミンなど)、酸化剤(臭素酸ナトリウム、過酸化水素、過ホウ素酸ナトリウムなど)、防腐剤又は保存料(パラベン、安息香酸ナトリウムなど)、清涼剤(メントールなど)などが挙げられる。前記添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記添加剤の割合は、合成ポリペプチド100重量部に対して、0.001〜40重量部、好ましくは0.01〜30重量部、0.1〜20重量部程度であってもよい。
なお、前記有効成分、基剤及び添加剤は、塩の形態で用いてもよい。このような塩としては、生理的又は薬学上許容できる塩が好ましく、例えば、有機酸塩(例えば、酢酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩などのカルボン酸塩;メタンスルホン酸塩などの有機スルホン酸塩など)、無機酸塩(例えば、塩酸塩など)、有機塩基との塩(例えば、トリメチルアミン塩、エタノールアミン塩などの第三級アミンとの塩など)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩;ナトリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩など)が挙げられる。
なお、有効成分、基剤及び添加剤は、前記ポリペプチドの特性を損なわない限り、ポリペプチドに対して相互作用性を有していてもよいが、通常、相互作用性(反応性、分解性など)を有しないのが好ましい。
本発明の化粧品は、前記特定の合成ポリペプチドで構成されているため、水溶性である。なお、水溶性とは、化粧品を水と接触させたとき、化粧品の形状を維持できなくなり、液状化する場合を含むものとする。水溶性化粧品の水に対する溶解度は、通常、温度25℃において、水100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜7重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部程度であってもよい。
(化粧品の製造方法)
少なくとも前記合成ポリペプチドを含有する被処理水溶液を限外ろ過に供して、濃度を調整し(濃縮及び/又は希釈し)、得られる水溶液を、さらに凍結乾燥するか、又は前記水溶液を凍結することなく乾燥させることにより得ることができる。被処理水溶液は、少なくとも合成ポリペプチドを含有すればよく、低分子量不純物及び/又は高分子量不純物などを含有していてもよい。限外ろ過により濃度調整に伴って、限外ろ過膜の分画分子量を適宜選択することにより、低分子量不純物及び/又は高分子量不純物を除去しつつ、水溶液中の合成ポリペプチドの濃度を調整できる。また、合成ポリペプチドの分子量にバラツキがある場合、上記と同様の方法により、比較的低分子量のポリペプチド及び/又は比較的高分子量のポリペプチドを除去して、適度な分子量を有する合成ポリペプチドを含有する画分の濃度を調整してもよい。
このような被処理水溶液としては、通常、前記合成ポリペプチドの構成アミノ酸及び/又はペプチドフラグメントを含むアミノ酸又はペプチド成分を縮合させて得られる反応混合物を用いる場合が多い。このような反応混合物を限外ろ過に供することにより、合成ポリペプチドを含有する水溶液の画分の濃度を調整することができる。なお、反応混合物には、ポリペプチド以外に、通常、水、有機溶媒、未反応原料、縮合剤、縮合助剤などの低分子量の不純物が含まれる。
限外ろ過膜としては、分画分子量が、例えば、5×10以上(例えば、7×10〜50×10程度)、好ましくは1×10以上(例えば、3×10〜40×10程度)、さらに好ましくは4×10以上(例えば、4.5×10〜30×10程度)である膜などが使用できる。なお、限外ろ過膜としては、分画分子量の下限のみを有する膜を用いてもよく、上限及び下限の双方を有する膜を用いてもよい。
また、必要により、分画分子量が異なる限外ろ過膜を用いて、複数回限外ろ過を行ってもよい。例えば、まず、分画分子量が1×10以上の膜を用いて、低分子量の不純物及び/又は低分子量ポリペプチドをろ液として除去した後、濃縮された溶液を適宜水で希釈して、分画分子量が100×10以上の膜を用いて、高分子量ポリペプチドを含む画分を濃縮し、中間の分子量(1×10〜100×10程度の分子量)を有する合成ポリペプチドを含む水溶液をろ液として得ることもできる。
なお、ろ過膜の目詰まりを防ぐため、反応混合物などの被処理水溶液には予めミキサーなどにより粉砕処理を行ってもよく、溶媒(通常、水など)を添加して希釈してもよい。
限外ろ過により、最終的に得られる水溶液(凍結乾燥又は乾燥処理に供する水溶液)の濃度が0.1〜2重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%、さらに好ましくは0.7〜1.2重量%(特に、0.9〜1.1重量%)程度となるように、濃度が調整される。限外ろ過では、被処理水溶液(供給液又は濃縮液)側に適当量の溶媒(通常、水など)を適宜添加して、希釈してもよい。限外ろ過後、水溶液の濃度が上記の範囲となるように、希釈に使用する溶媒量及び希釈回数などを調整するのが好ましい。上記濃度の水溶液を凍結乾燥又は乾燥(風乾)処理すると、ひび割れ等の外観不良のない外観特性に優れる化粧品(シート状化粧品など)を得ることができる。
なお、上記反応混合物としては、ポリペプチドの合成に伴って得られ、ポリペプチドを構成するアミノ酸やペプチドセグメントを縮合反応に供する慣用の方法により得ることができる。また、最終的に前記ユニットがポリペプチド中に含まれている限り特に制限されず、例えば、アミノ酸を縮合反応する方法や、ペプチドセグメントとアミノ酸を縮合する方法により得てもよいが、予め、前記アミノ酸配列を有するペプチド又はその誘導体などのペプチド成分を調製し、このペプチド成分を縮合する方法により得るのが好ましい。前記ペプチド成分のペプチド鎖の合成は、通常のペプチド合成方法、例えば、固相合成法または液相合成法によって調製できる。ペプチド合成には、慣用の方法、例えば、縮合剤を用いるカップリング方法、活性エステル法(p−ニトロフェニルエステル(ONp)、ペンタフルオロフェニルエステル(Opfp)などのフェニルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(ONSu)などのN−ヒドロキシジカルボン酸イミドエステル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル(Obt)など)、混合酸無水物法、アジド法などが利用できる。好ましい方法では、少なくとも縮合剤(好ましくは後述する縮合剤、特に後述する縮合剤と縮合助剤との組合せ)を用いる場合が多い。
さらに、ペプチドの合成では、アミノ酸又はペプチドフラグメントの種類に応じて、アミノ基、カルボキシル基、他の官能基(グアニジノ基、イミダゾリル基、メルカプト基、ヒドロキシル基、ω−カルボキシル基など)の保護基による保護と、接触還元や強酸処理(無水フッ化水素、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸など)による保護基の脱離・除去とが繰り返し行われる。例えば、アミノ基の保護基には、ベンジルオキシカルボニル基(Z)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基(Z(OMe))、9−フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc)、t−ブトキシカルボニル基(Boc)、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基(Npys)などが利用でき、カルボキシル基の保護基には、ベンジルオキシ基(OBzl),フェナシルオキシ基(OPac)、t−ブトキシ基(OBu)、メトキシ基(OMe)、エトキシ基(OEt)などが利用できる。なお、ペプチド合成には自動合成装置を利用してもよい。ポリペプチド合成の詳細については、特開2005−60314号公報などを参照できる。
より詳細には、ポリペプチド(I)は、例えば、少なくとも下記式(1a)で表されるペプチド又はその誘導体(A)を縮合し、ポリペプチドを調製する。
X-(Pro-Y-Gly)-OH (1a)
(式中、XはH又はHOOC-(CH)-CO-(mは前記に同じ)を表し、Y及びnは前記に同じ)。
前記式(1a)で表されるペプチド又はその誘導体(A)は、下記式(2a)で示されるペプチド又はその誘導体(B)と共縮合させて、ポリペプチドを調製してもよい。
X-(Z)-OH (2a)
(式中、XはH又はHOOC-(CH)-CO-(mは前記に同じ)を表し、Z及びrは前記に同じ)。
なお、前記X=HOOC-(CH)-CO-に対応する化合物としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのC3−20の脂肪族ジカルボン酸又はそれらの酸無水物などが例示できる。これらの化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの化合物も慣用のアミド結合生成法(例えば、後述する第三級アミンなどを触媒とする反応など)反応や前記ペプチド合成法に従って反応させることにより、前記(1a)及び(2a)で示される化合物を得ることができる。
ペプチド又はその誘導体(A)とペプチド又その誘導体(B)との使用割合は、例えば、前者(A)/後者(B)=100/0〜30/70(モル%)、好ましくは100/0〜40/60(モル%)、さらに好ましくは100/0〜50/50(モル%)程度である。
さらに、前記式(1a)及び/又は式(2a)においてXがHである場合には必要ではないが、XがHOOC-(CH)-CO-(mは前記に同じ)であるとき、前記ペプチド又はその誘導体(A)及び/又はペプチド又はその誘導体(B)は、アミド基を形成するため、下記式(3a)で表される化合物(C)との共縮合反応に供される。
HN-R-NH (3a)
(式中、Rは前記に同じ)。
前記式(3a)で表される化合物としては、前記式(3)に対応するジアミン類、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのC1−18アルキレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンテトラミンなどのポリアルキレンポリアミン類などが例示できる。これらの化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記ジアミン化合物(C)の使用量は、例えば、前記ペプチド又はその誘導体(A)(B)のうち一方のペプチド又はその誘導体がX=HOOC-(CH)-CO-(mは前記に同じ)を有する場合、このような基を有するペプチド又はその誘導体1モルに対して、前記ジアミン化合物(C)の使用量は、実質的に1モル(例えば、0.95〜1.05モル程度)用いる必要がある。
ポリペプチド(II)の調製において、前記アミノ酸配列を有するペプチドを少なくとも含むペプチド成分を反応させる方法には、(a)式(4)及び(5)で表される双方のアミノ酸配列を有するペプチド(すなわち、式(4)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニットと、式(5)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニットとの双方のユニットを有するペプチド)を少なくとも含むペプチド成分を縮合する方法と、(b)式(4)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドと、式(5)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドとを少なくとも含むペプチド成分を縮合する方法とが含まれる。
方法(a)及び(b)において、式(1)及び(2)で表される双方のアミノ酸配列を有するペプチドは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。また、この方法において、ペプチド成分としては、前記ペプチドに加え、目的のポリペプチドに応じて他のペプチド(例えば、アミノ酸配列(1)及び/又はアミノ酸配列(2)を有するペプチド、前記他のアミノ酸残基やペプチド鎖を含むペプチドなど)を用いてもよい。
ペプチド成分の縮合反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒は、上記ペプチド成分を溶解又は懸濁(一部または全部を溶解)可能であればよく、通常、水及び/又は有機溶剤が使用できる。溶媒としては、例えば、水、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホロアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、窒素含有環状化合物(N−メチルピロリドン、ピリジンなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなど)、及びこれらの混合溶媒が例示できる。これらの溶媒のうち、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが繁用される。
これらのペプチド成分の反応は、通常、少なくとも脱水剤(脱水縮合剤)又は縮合剤の存在下で行うことができ、脱水縮合剤と縮合助剤との存在下で反応させると、二量化や環化を抑制しつつ、円滑にポリペプチドを生成できる。
脱水縮合剤は、前記溶媒中で脱水縮合を効率よく行える限り特に制限されず、例えば、カルボジイミド系縮合剤[ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC=WSCI)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(WSCI・HCl)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)など]、フルオロホスフェート系縮合剤[O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩(BOP)など]、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)などが例示できる。これらの脱水縮合剤は単独で又は二種以上組み合わせて混合物として使用できる。好ましい脱水縮合剤は、カルボジイミド系縮合剤[例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩]である。
縮合助剤は、上記縮合剤の反応を促進する限り特に制限されず、例えば、N−ヒドロキシ多価カルボン酸イミド類[例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド(HONSu)、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド(HONB)などのN−ヒドロキシジカルボン酸イミド類]、N−ヒドロキシトリアゾール類[例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)などのN−ヒドロキシベンゾトリアゾール類]、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)などのトリアジン類、2−ヒドロキシイミノ−2−シアノ酢酸エチルエステルなどが例示できる。これらの縮合助剤も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい縮合助剤は、N−ヒドロキシジカルボン酸イミド類[HONSuなど]、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール又はN−ヒドロキシベンゾトリアジン類[HOBtなど]である。
前記脱水縮合剤と縮合助剤とは適当に組み合わせて使用できる。前記脱水縮合剤と縮合助剤との組合せとしては、例えば、DCC-HONSu(HOBt又はHOObt)、WSCI-HONSu(HOBt又はHOObt)などが例示できる。
脱水縮合剤の使用量は、前記ペプチド成分(前記ジアミン化合物も含む)の総量1モルに対して、通常、水を含まない非水系溶媒を用いる場合0.7〜5モル、好ましくは0.8〜2.5モル、さらに好ましくは0.9〜2.3モル(例えば1〜2モル)程度である。水を含む溶媒(水系溶媒)においては、水による脱水縮合剤の失活があるので、脱水縮合剤の使用量は、前記ペプチド成分の総量1モルに対して、通常、2〜500モル(例えば、2〜50モル)、好ましくは3〜250モル(例えば、5〜25モル)、さらに好ましくは4〜125モル(例えば、10〜20モル)程度である。縮合助剤の使用量は、溶媒の種類に関係なく、前記ペプチド成分の総量1モルに対して、例えば、0.05〜5モル(例えば、0.5〜5モル)、好ましくは0.1〜2モル(例えば、0.7〜2モル)、さらに好ましくは0.12〜1.5モル(例えば、0.8〜1.5モル)程度であり、特に0.15〜1モル(例えば、0.17〜0.5モル)程度であってもよい。
前記縮合反応において、反応系のpHを調節してもよく、反応に関与しない塩基を添加してもよい。pHの調節は、通常、無機塩基[水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど]、有機塩基、無機酸[塩酸など]や有機酸を用いて行うことができ、通常、反応溶液が中性付近(pH=6〜8程度)にpH調整される。前記反応に関与しない塩基としては、第三級アミン類、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルアミン類、N−メチルモルホリン、ピリジンなどの複素環式第三級アミン類などが例示できる。このような塩基の使用量は、通常、ペプチドの総モル数の1〜2倍程度の範囲から選択できる。
(多孔状化粧品)
このようにして得られた合成ポリペプチド水溶液は、凍結乾燥処理を行うことにより多孔状の形態の化粧品(シート状化粧品など)を得ることができ、凍結することなく、乾燥させることにより非多孔状の化粧品(シート状化粧品など)を得ることができる。
凍結乾燥は、水溶液を凍結し、次いで乾燥させることにより水などの溶媒成分を除去することにより行われる。凍結乾燥は、一段階で行ってもよく、多段階(2段階など)で行ってもよい。また、凍結乾燥は、一段階の凍結後、多段階(2段階など)の乾燥により行ってもよい。
凍結乾燥において、凍結温度は、−10℃以下の温度(例えば、−50℃〜−10℃程度の温度)、好ましくは−12℃以下の温度(例えば、−45℃〜−12℃程度の温度)、さらに好ましくは−15℃以下の温度(例えば、−40℃〜−15℃程度の温度)、特に−20℃以下の温度(例えば、−40℃〜−20℃程度の温度)であってもよい。凍結時間は特に制限されず、例えば、0.5〜48時間(例えば、0.5〜5時間)、好ましくは1〜40時間(例えば、1〜4時間)、さらに好ましくは1.5〜35時間(例えば、1.5〜3時間)程度であってもよい。また、凍結時間は、2〜30時間(例えば、5〜24時間)程度であってもよい。凍結乾燥を多段階で行う場合、各段階において、凍結温度及び凍結時間は、それぞれ、同じであってもよく、異なっていてもよい。
なお、降温速度を制御しつつ、凍結を行うと、ひび割れなどの外観不良を有効に防止できる。降温速度は、例えば、0.01〜5℃/分、好ましくは0.03〜2℃/分、さらに好ましくは0.05〜1℃/分程度であってもよい。このような降温速度で、所望の凍結温度(上記の範囲の凍結温度)まで降温した後、上記の範囲の凍結時間で凍結処理を行ってもよい。
凍結乾燥において、乾燥温度は、凍結温度と同じ温度であってもよく、凍結温度より高めの温度(例えば、5〜50℃程度高めの温度)であってもよい。乾燥温度は、例えば、−20℃〜40℃、好ましくは−10℃〜35℃、さらに好ましくは0〜30℃(例えば、1〜25℃)程度である。また、乾燥時間は、例えば、0.5〜72時間(例えば、1〜72時間)、好ましくは10〜48時間、さらに好ましくは12〜36時間程度であってもよい。なお、凍結乾燥(又は凍結後の乾燥)を多段階で行う場合、各段階において、乾燥温度及び乾燥時間は、それぞれ、同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、2段階で凍結乾燥を行う場合、1段階目(一次乾燥)では、凍結処理の後、1〜15℃(例えば、5〜12℃)程度の温度で24〜48時間(例えば、30〜40時間)程度乾燥させ、2段階目(二次乾燥)では、凍結処理の後、15〜30℃(例えば、15〜20℃)程度の温度で0.5〜10時間(例えば、1〜5時間)程度乾燥させてもよい。
凍結乾燥において、乾燥圧力は、例えば、1〜100Pa(例えば、1〜50Pa)、好ましくは1〜10Pa、さらに好ましくは1〜5Pa程度であってもよい。
多孔状シートは、前記合成ポリペプチドを含有する水溶液を、膜形成後剥離可能な基材、例えば、シート状基材、容器などに適用し、凍結乾燥を行うことにより得られる。基材の材質は特に制限されず、プラスチック製(ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリアミド6などのポリアミド系樹脂、フッ素樹脂など)のシート又は容器であってもよく、金属製(アルミニウム、鉄、ステンレスなど)のシート又は容器であってもよい。なお、容器には、必要により、表面処理(例えば、撥水加工など)を施して、離型性、耐久性、耐摩耗性などを付与してもよい。このような表面処理(又は表面加工)としては、フッ素樹脂加工(フッ素樹脂コーティング、プラズマベースイオン注入・製膜法による加工など)などの撥水加工、DLC(Diamond Lile Carbon)加工、慣用の離型剤により表面処理などが挙げられる。
本発明では、通常、適度な深さを有する容器に水溶液を流し入れ、凍結乾燥することにより、適度な厚みを有する多孔状シートを得る場合が多い。
なお、多孔状シートの調製では、水溶液の凍結に先立って、水溶液を脱気処理してもよい。脱気処理を行うと、得られる多孔状シートのひび割れなどの外観不良をより防止できる場合がある。脱気処理は、基材適用する前及び適用後のいずれに行ってもよいが、通常、基材へ適用した後、行う場合が多い。脱気処理は、慣用の溶液脱気方法により行うことができる。脱気処理の圧力は、減圧条件であればよく、例えば、1000〜50000Pa、好ましくは1000〜10000Pa程度であってもよい。脱気時間は、例えば、5分〜2時間、好ましくは10分〜1.5時間、さらに好ましくは20〜60分程度である。
(非多孔状化粧品)
非多孔状化粧品(例えば、シート又はフィルム状化粧品)の調製では、前記合成ポリペプチドを含有する水溶液を凍結させることなく、乾燥(風乾)することによりシートを形成させる。
風乾は、例えば、5〜40℃、好ましくは10〜30℃、さらに好ましくは15〜28℃程度の温度、通常、室温(20〜25℃程度)において行う場合が多い。乾燥処理中の圧力は、例えば、1000〜大気圧(例えば、100000Pa)程度、好ましくは10000〜100000Pa、さらに好ましくは50000〜100000Pa程度であり、通常、常圧又は大気圧である。
なお、風乾により得られるシートの外観特性(亀裂、ひび割れ、皺などの有無など)は、風乾中の湿度にも左右される場合がある。そのため、風乾中の湿度は、例えば、50%以上(例えば、50〜80%程度)、好ましくは53〜70%、さらに好ましくは55〜65%程度に維持する場合が多い。
風乾に伴って、シートの乾燥を促進するため、シートの外観を阻害しない範囲で、送風を行ってもよく、通常、シート表面に対して平行に送風を行う場合が多い。送風は、連続的又は間欠的に行ってもよい。
乾燥時間は、特に制限されないが、通常、6時間〜5日間、好ましくは12時間〜3日間、さらに好ましくは1〜2日間程度である。
非多孔状シートの調製でも、前記多孔状シートの調製と同様に、乾燥前に、前記合成ポリペプチドを含有する水溶液を、膜形成後剥離可能な基材、例えば、シート状基材、容器などに適用する。基材の材質も前記と同様の基材が使用できるが、非多孔状シートでは、撥水加工したシート又は容器よりも、プラスチック製シート又は容器を用いるのが、皺、歪みなどが非多孔状シートに生じるのを抑制でき有利である。さらに、プラスチック製シート又は容器のうち、特に、ポリスチレンなどに比べて、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂(ポリアミド6などの脂肪族ポリアミドなど)などで形成された基材に合成ポリペプチド含有水溶液を適用すると、膜形成後にも容易に基材から非多孔状シートを剥離させることができる。なお、非多孔状シートの調製でも、適度な深さを有する容器に水溶液を流し入れ、凍結させることなく乾燥することにより、適度な厚みを有する非多孔状シートを得る場合が多い。
なお、非多孔状シートの調製では、水溶液の表面から水などの溶媒成分が蒸発するので、表面のみが乾燥して、固まり、内部の溶媒成分が蒸発せずに不均一なシートが得られる場合がある。また、内部の溶液が表面や側部にしみ出し、バリが生じる場合もある。このような不均一化及びバリ発生を防いで、均一で外観特性に優れるシートを得るため、得られるシートの単位面積当たりの合成ポリペプチド量を、1〜10mg/cm、好ましくは2〜7mg/cm、3〜5mg/cm程度となるように、水溶液の濃度及び基材への適用量(例えば、容器では溶液の深さ)を調整するのが好ましい。また、水溶液の濃度は、上記の範囲から適宜選択できるが、非多孔状シートでは、前記濃度が、0.5〜3重量%、好ましくは0.7〜2.5重量%、さらに好ましくは1〜2重量%程度であってもよい。
また、非多孔状化粧品の調製においても、多孔状化粧品と同様に、乾燥に先立って、脱気処理を行ってもよい。
なお、上記のようにして得られた化粧品は、乾燥状態であり、空気中の水分を吸収して溶解しないように、乾燥状態を維持しつつ、保存するのが好ましい。
本発明の化粧品(シート状化粧品など)は、顔、首、手(手の甲、指先など)、腕、胸部、腹部、臀部、足、背中などの外皮に適用する外用組成物、特に、マスク材又はパック材(特に、顔に対して、全体又は部分的に適用するためのフェイシャルマスクなど)などとして有用である。適用される人体の部位は特に制限されない。特に、本願発明の多孔状又は非多孔状化粧品は、この化粧品自体が水溶性であるとともに、コラーゲン様の合成ポリペプチドを含有するため、水、化粧水などと組み合わせて、外皮に適用することにより、合成ポリペプチドの作用、例えば、保湿作用などを外皮に付与することができる。また、マスク又はパック材自体が溶解するため、マスク又はパック材及び化粧水などに含まれる成分の全てを外皮に適用して、利用することができ、しかも、通常、マスク又はパック材の基材として使用される不織布などとは異なり、廃棄する必要もない。また、マスク材又はパック材、あるいは化粧水に他の有効成分を含有させ、この有効成分を無駄なく、外皮に適用することもできる。
化粧品の外皮への適用方法は、特に制限されず、例えば、予め、水、化粧水などに化粧品(シート状化粧品など)を溶解させて、溶液状にした後、外皮に適用してもよく、外皮に化粧品(シート状化粧品など)を接触させて、水、化粧水などを化粧品に滴下又はスプレーなどにより適用して、適用部位において溶液状にしてもよい。また、化粧品を水、化粧水などに浸漬させた後、速やかに外皮に適用し、必要に応じて、水、化粧水などを滴下又はスプレーなどにより追加適用しつつ、外皮上で完全に溶解させてもよい。
本発明の化粧品(シート状化粧品など)は、特に、水分を多く含有する化粧用組成物(例えば、美容液、美容ジェル、ゲル状化粧水なども含む化粧水など)と組み合わせて利用するのが好ましい。化粧水としては、特に制限されず、市販の化粧水、例えば、美白用化粧水、保湿用化粧水、エージングケア用化粧水、カーマインローション、アクネ用化粧水、アストリンゼント化粧水などの種々の化粧水が利用できる。
本発明の化粧品の適用回数は、適宜選択でき、例えば、1日あたり1〜3回、好ましくは1又は2回程度、所定部位に適用できる。なお、化粧品は、化粧品に含まれる他の成分(有効成分、基剤、添加剤など)の種類に応じて、外皮に適用後、必要に応じて、水や湯などにより洗い落としてもよく、洗い流すことなく使用してもよい。
本発明の化粧品(シート状化粧品など)は、水溶性であり、不織布などの水不溶性の基材を必要とすることもなく、また、コラーゲン様の特性にも優れるため、顔、手、背中などの外皮にマスク又はパックなどとして適用するに有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
式:H-(Pro-Hyp-Gly)10-OH(配列番号:1)で示されるペプチド((株)ペプチド研究所)3gを1.2kgのジメチルスルホキシドに懸濁し、室温で撹拌した。この混合液に、0.18gのジイソプロピルエチルアミン、0.19gの1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(縮合助剤)、0.28gの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(縮合剤)を添加して、さらに室温で7日間撹拌を続けた。
反応溶液の一部を採取して、水で20倍に希釈し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(アマシャム・バイオサイエンス(株)製、AKTApurifierシステム、カラム:Superdex 200 HR 10/30、流速:0.5mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mM phosphate buffer(pH 7.4))に供したところ、分子量が4万〜20万の範囲にポリペプチドのピークが認められた。分子量はアマシャム・バイオサイエンス(株)製のGel Filtration LMW Calibration Kit及びGel Filtration HMW Calibration Kitを標準物質として使用し、算出した。
反応溶液を、ミキサー(BRAUN製、ブラウンマルチクイック 5550CA)で1分間ほど粉砕し、得られた粉砕物を水で5倍に希釈して撹拌し、限外ろ過膜(旭化成ケミカルズ(株)製、マイクローザラボモジュール AHP1010、膜サイズ:分画分子量5万)を用いて、限外ろ過に供した。限外ろ過では、膜サイズよりも小さな物質(水、未反応原料、縮合剤、縮合助剤、塩基、低分子量のポリペプチドなどの不純物)をろ液として排出させ、目的ポリペプチドを含む溶液を循環させて濃縮した。なお、濃縮の過程で、ろ過膜の目詰まりを防ぐため、4kgの水を12回に分けて添加し、循環液を希釈した。最終的に、反応混合物及び濃縮過程で添加した希釈水の重量50kgのうち、ろ液として49gを分離し、残余をポリペプチド水溶液として得た。得られた水溶液の一部を採取して、ポリペプチドの円二色性スペクトルを測定したところ、225nmに正のコットン効果、197nmに負のコットン効果が観測され、3重らせん構造を形成していることが確認された。
得られたポリペプチド水溶液を、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)で表面をコーティングしたステンレス容器(縦3cm×横3cm×深さ1cm)に乾燥後の厚みが約7mmになるように流し込み、減圧条件(50000Pa)下で約30分間脱気を行った。脱気後、−25℃の温度で凍結し(1時間)、凍結後約25℃の温度及び約1000Paの圧力下で、24時間乾燥を行うことにより、スポンジ状のポリペプチドシートを得た。
また、前記ポリペプチド水溶液を、ポリアミド6製の容器(縦3cm×横3cm×深さ1cm)に溶液の高さが7mmとなるように流し込み、室温(25℃)、大気圧、及び湿度50〜70%の条件下、3日間静置して、乾燥させ、非多孔質状のポリペプチドシートを得た。得られたシートの乾燥後の厚みは、0.1mmであった。
得られたスポンジ状及び非多孔質状のポリペプチドシートはいずれも、ひび割れ及び亀裂もなく、外観特性に優れていた。
なお、前記ポリペプチド水溶液のポリペプチド濃度は、以下のようにして測定した。
ポリペプチド水溶液の約1gを、容量1.5mlのポリプロピレン製容器に採取し、ポリペプチド水溶液の重量を正確に秤量する(重量xg)。秤量後、水溶液を−25℃の温度で1時間凍結し、次いで温度25℃で、一晩凍結乾燥し、得られたスポンジ状ポリペプチドの重量を正確に秤量する(重量xg)。水溶液の重量x(g)とポリペプチドの重量x(g)とから下記式に基づいて、ポリペプチド濃度を算出する。
ポリペプチド濃度(w/w%)=(x/x)×100
試験例1
実施例1で得られたスポンジ5mgを手の甲に乗せ、市販のビタミンC含有化粧水100mgを滴下して、スポンジを溶解させつつ、指先で延ばし、手の甲に適用した。
また、比較として、市販のアイマスク用不織布に、上記の同様の化粧水を上記と同量滴下し、手の甲に貼り付け、5分後不織布を除去した。(比較例1)。
さらに、市販の動物由来コラーゲンを含有するアイマスクを、手の甲に貼り付け、5分後アイマスクを除去した(比較例2)。
マスク適用後の手の甲の状態について、適用から7分後の時点で、上記実施例1と、比較例1及び2とを比較したところ、実施例1では、皮膚表面はしっとりした状態でありながら、ベタつきは少なく、乾燥していたのに対し、比較例1では表面は乾燥しているものの、しっとり感は感じられなかった。また、比較例2では、しっとり感はあるものの、ベタつきがあった。
実施例2
式:Pro-Hyp-Glyで示されるペプチド(チッソ(株))60gを1.2Lのリン酸緩衝液(pH7.4)に溶解し、室温で攪拌した。この混合液に5.68gの1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(縮合助剤)を加え、溶解又は懸濁させた。この混合物を攪拌させながら4℃まで冷却し、201.6gの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)を前記混合物に加えて4℃で2時間攪拌し、さらに20℃にて46時間攪拌を続けた。
反応液の一部を採取して、水で60倍に希釈し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GEヘルスケアバイオサイエンス(株)製、AKTA Explorer システム、カラム:Superdex 200HR 10/30、流速:0.5mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mM phosphate buffer(pH 7.4))に供したところ、分子量が25万以上にポリペプチドのピークが認められた。分子量はGEヘルスケアバイオサイエンス(株)製のGel Filtration LMW Calibration Kit 及びGel Filtration HMW Calibration Kitを標準物質として使用し、算出した。
反応液をミキサー(BRAUN製、ブラウンマルチクイック5550CA)で粉砕後、得られた粉砕物を水で6〜8倍に希釈して攪拌し、限外ろ過膜(旭化成ケミカルズ(株)製、マイクローザラボモジュールAHP1010、膜サイズ:分画分子量5万)を用いて、限外ろ過に供した。1回のろ過で、3〜4Lの不純物を含むろ液を排出させ、目的ポリペプチドを含む溶液に水を加えて希釈し、さらに限外ろ過を行った。この操作を10〜12回繰り返し、合計約40Lをろ液として分離させ、残液をポリペプチド濃度が約1重量%強になるまで濃縮し、ポリペプチド水溶液を得た。このポリペプチド水溶液の濃度を、実施例1と同様に算出し、この算出結果に基づいて、ポリペプチド濃度が1重量%の水溶液(以下、単に、「人工コラーゲン1%水溶液」と称する場合がある)を調製した。なお、水溶液の比重は、水と同じであるとして計算した。人工コラーゲン1%水溶液の一部を採取してポリペプチドの円二色性スペクトルを測定したところ、225nmに正のコットン効果、198nmに負のコットン効果が観測され、3重らせん構造を形成していることが確認された。
人工コラーゲン1%水溶液を、内面がフッ素樹脂加工されているシリコーン容器(縦10.5cm×横10.5cm×深さ1.5cm)に溶液の高さが7mmとなるように流し込み、凍結乾燥を行い、スポンジ状のポリペプチドシートを得た。なお、凍結乾燥は、以下の手順で行った。すなわち、温度29℃から冷却を開始し、降温速度0.1℃/minで−30℃まで冷却し、この温度で15時間凍結させ、10℃にて、6mTorr(0.8Pa)の減圧下、39時間乾燥し(一次乾燥)、次いで20℃にて、6mTorr(0.8Pa)の減圧下、2時間乾燥した(二次乾燥)。得られたスポンジ状シートは、縦10cm×横10cm×高さ7mmのサイズを有しており、底部及び側面ともに平らで、いずれの面にもひび割れ及び亀裂が見られず、外観特性に優れていた。
実施例3及び比較例3〜5
実施例1の方法に準じて作製した非多孔質状のポリペプチドシートを、適当な大きさにカットし、5mgを秤取り、アルミニウム製の深皿に入れた。深皿中のサンプルに、水を約50mg加えて、サンプルを膨潤させ、深皿ごとサンプルを、室温(約20℃)及び相対湿度(RH)30%の条件のデシケータ内に入れ、12時間以上静置した。デシケータから取り出したサンプルに水を添加して、サンプルの水分量を50mgに調整した(実施例3)。
また、比較として、原料として、魚由来コラーゲン(片倉チッカリン(株)製、シージェムコラーゲン)(比較例3)又は豚由来コラーゲン(新田ゼラチン(株)製、コラーゲンP)(比較例4)を用いる以外は、実施例3と同様に、非多孔質状のシートを作製し、サンプルを調製した。さらに、比較例5として、水のみを用いた。
得られたサンプル(実施例3及び比較例3〜4)又は水(比較例5)について、熱重量測定装置((株)マック・サイエンス製、TG-DTA2000S)を用いて、水分蒸発挙動を評価することにより保湿性を評価した。すなわち、前記サンプル又は水を熱重量測定装置にセットし、1℃/minの昇温速度で36.5℃まで昇温し、36.5±1.5℃の温度で18時間保持しつつ、残存水分量の経時変化を測定した。昇温の停止から6時間(保持時間6時間)経過後のサンプルの残存水分量を表1に示す。
Figure 2007137875
表1から明らかなように、実施例3では、比較例に比べて高い保湿効果が得られた。
実施例4及び比較例6
就寝前かつ洗顔後の被験者(女性10名)の片方の目元に、スプレー容器を用いて水を1回スプレーし、スプレー箇所に実施例2に準じて作製したスポンジ状シート(約3mg)を貼り付け、他方の目元に、市販の不織布に豚由来コラーゲン(アスカコーポレーション製、ピュアコラーゲン100)1ml(コラーゲン含量約3mg)を含浸させたシートを貼り付けた。スポンジ状シートを貼り付けてから1分後に、上記スプレー容器により水を1回スプレーし、指先でスポンジ状シートを肌になじませた(スポンジ状シートは、溶解した)。次いで、10分間放置し、豚由来コラーゲンを含浸させた不織布シートを目元から取り去った。(i)双方の目元の皮膚表面が乾燥した後及び(ii)就寝後翌朝の目元の感覚について、(a)潤い、(b)張り、及び(c)さらさら感の各項目について、有効:4点以上、やや有効:2〜3点、無効:0〜1点の基準で、各被験者による評価を行った。なお、試験中(サンプル適用前の洗顔の後から翌朝の評価までの時間)は、目元には、他の化粧料は使用しないこととした。スポンジ状シートを適用した方の目元についての評価を実施例4の評価とし、豚由来コラーゲンを適用した他方の目元についての評価を比較例6の評価とした。
評価結果を表2に示す。
Figure 2007137875
表2から明らかなように、実施例では、比較例と同程度の潤いが得られるにも拘わらず、張り及びさらさら感の点では、比較例に比べて、顕著な効果が得られた。また、比較例6では、豚由来コラーゲンに由来する不快な臭いがあったのに対し、実施例4では、無臭であった。
試験例2
(1)実施例2に準じて作製したスポンジ状シートを、室温、遮光及び防湿条件下で6ヵ月保管したシートA、及び作製した直後のスポンジ状シートBを用いて、保水性の長期安定性を評価した。
すなわち、底部に6×6個の升目を有するポリスチレン製トレイ(底面のサイズ:縦9cm×横9cm)において長軸方向の一列目の2段及び5段目に位置する升目に、それぞれ200μLの水を入れ、この水を覆うように上記各シート(縦8mm×横8mm、重量5mg)を配置し、1分間室温にて静置した。シートを配置した側のトレイの端部を持ち上げてトレイの底面を机から15°傾けた状態にし、この状態を1分間保持した。
トレイの傾斜により膨潤したシートが滑り落ちた距離を測定したところ、いずれのシートについても1cm未満であり、大きな差異は見られなかった。この結果から、合成ポリペプチドのスポンジ状シートは、6ヵ月経過後も、作製直後と同程度の保水性を有しており、長期に亘り安定な保水性を有していることが明らかとなった。
(2)上記項目(1)と同様のシートA及びBを用い、被験者(女性10名)により、色及び臭いの相違をそれぞれ視覚及び嗅覚に基づいて評価を行うとともに、10mgのシートに対して一定量の水を加えて膨潤させ、シートAを一方の頬に、またシートBを他方の頬にそれぞれ貼付し、使用感(保湿感、張り及びさらさら感)の相違について評価を行った。
その結果、シートAとBとの間には、色、臭い及び使用感のいずれについても差異はなく、長期に亘り安定した特性が得られることが明らかとなった。
(3)上記項目(1)と同様のシートA及びBを用いて、GPC測定を行い、高分子量ピークのリテンションボリューム値を算出し、シートA及びB間の統計的な有意差の有無について調べた。なお、「リテンションボリューム」は、GPCカラムの保持容量である。各カラムについて、標準物質を基準に、リテンションボリュームと分子量との関係を示す検量線を作成することができるため、リテンションボリューム値が判れば、分子量を算出することができる。
すなわち、ポリプロピレンコニカルチューブ15mL(FALCON)に9,990mgの精製水を秤量し、この精製水にシートA又はB10mgを添加し、攪拌装置(サイエンティフィック・インダストリーズ(株)製、VORTEX-GENIE2)を用いて、最大振動数で3分間撹拌した。攪拌後、4℃の冷蔵庫内で、一晩以上静置させた。冷蔵庫から取り出して、室温にて30分以上静置させ、次いで、上記攪拌装置を用いて、最大振動数で1分間撹拌した。得られたサンプル液を1.5mLのポリプロピレン製チューブに入れ、サンプル濃度0.5mg/mL(サンプル液250μL+精製水250μL)となるように精製水で希釈した。この稀釈物を、上記攪拌装置を用いて、最大振動数で1分間撹拌し、次いで、回転数13,000rpmにて10分間遠心分離処理を行った。分離後の上清液80μLを用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GEヘルスケアバイオサイエンス(株)製、AKTA Explorer システム、カラム:Superdex 200 10/300GL、流速:0.5mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mM phosphate buffer(pH 7.4))測定を、各サンプルについて、1日1回、計3回行い、高分子量ピークのリテンションボリューム値(mL)を算出し、有意差の有無を調べた。なお、有意水準は5%とした。結果を表3に示す。
Figure 2007137875
確率P=62%>有意水準5%であり、シートA及びB間で高分子量ピークのリテンションボリュームの有意差はなく、6ヵ月経過後も実質的にペプチド結合は切断されておらず、性質は安定していることが明らかである。
試験例3
実施例2の方法に準じて作製したスポンジ状シート(シートC)と、このスポンジ状シートをγ線照射(25kGy)により滅菌処理した後のスポンジ状シート(シートD)とについて、ポリペプチドの構造変化を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる高分子量ピークのリテンションボリューム値の測定及び円二色スペクトル(CD)測定により評価した。
(1)高分子量ピークのリテンションボリューム値の測定
シートC及びDをそれぞれ用い、GPC測定において、カラム:Superdex 200HR 10/30を用いた以外は、試験例2と同様にして、高分子量ピークのリテンションボリューム値を測定した。
(2)CDスペクトル測定
シートC及びDをそれぞれ用いるとともに、1.5mLのポリプロピレン製チューブに入れるサンプル液のサンプル濃度を0.25mg/mLにする以外は試験例2と同様に操作を行い、遠心分離後の上清液を得た。上清液のうち、250μLを採取し、測定器(JASCO J−820)を用いて、CDスペクトルを測定し、残基分子楕円率(225nm)を算出した。
結果を表4に示す。
Figure 2007137875
高分子量ピークのリテンションボリュームについては、確率P=16.8%>有意水準5%であり、両シート間に有意差はなく、γ線の照射によってもペプチド結合は実質的に切断されていないと言える。また、残基分子楕円率は規格値3600±100の範囲内であり、γ線の照射によっても、3重らせん構造にくずれが見られない。
試験例4
実施例2の方法に準じて作製したスポンジ状シート(シートE)、合成ポリペプチドに代えて、合成ポリペプチド20重量%及びセリシン(丹後織物工業組合新規事業部)80重量%を用いる以外は実施例2の方法に準じて作製したスポンジ状シート(シートF)、合成ポリペプチドに代えて豚由来コラーゲン(新田ゼラチン(株)製、コラーゲンP)を用いる以外は実施例2の方法に準じて作製したスポンジ状シート(シートG)、合成ポリペプチドに代えて、セリシン(丹後織物工業組合新規事業部)を用いる以外は、実施例2の方法に準じて作製したスポンジ状シート(シートH)を用い、使用感及び保水性を下記の方法により評価した。
(i)使用感
シート5mgを濃度が1重量%となるように水で稀釈又は膨潤させた後、手の甲になじませ、ベタつき感、しっとり感、及び張りを評価した。
また、適用箇所が乾燥した後、皮膚表面のさらさら感を評価した。さらに、水で洗い流した後の皮膚表面における残存感(プロテクト効果)を評価した。
なお、これらの評価は、下記の基準で行った。
○:効果を確かに実感できる
△:効果を少し実感できる
×:効果を実感できない。
(ii)保水性
シャーレ底面の端部に、水200μLを載せ、この水を覆うようにシート5mgを配置し、1分間放置して、シートを膨潤させた。シートを配置した側の端部を持ち上げて、シャーレを傾斜角15°で傾斜させ、シートを配置した端部とは反対側の端部に集まった水の量の多少を目視にて、1〜3の3段階(数値が小さくなるほど、水の量が多く、保水性が低いことを意味する)で評価した。
結果を表5に示す。
Figure 2007137875
表5から明らかなように、合成ポリペプチドを用いたスポンジ状シートE及びFでは、ベタつきもなく、その他の使用感及び保水性ともに顕著に優れていた。それに対し、豚由来コラーゲンを用いたシートGでは、ベタつきがあり、プロテクト効果は感じられず、さらさら感及び保水性も低かった。また、セリシンシートHでは、べたつきはないものの、張り及びプロテクト効果が感じられず、しっとり感及び保水性が低かった。

Claims (16)

  1. 少なくとも式Pro-Y-Gly(式中、YはPro又はHypを示す)で表されるアミノ酸配列を有し、コラーゲン様の構造を形成する合成ポリペプチドで構成され、かつ多孔状又は非多孔状の水溶性化粧品。
  2. 合成ポリペプチドが、分子量分布において1×10〜100×10の範囲に分子量のピークを有する請求項1記載の化粧品。
  3. 合成ポリペプチドが、下記式(1)〜(3)で表されるペプチドユニットで構成されたポリペプチド(I)、及び下記式(4)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニットと、下記式(5)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニットとを含むポリペプチド(II)から選択された少なくとも一種のポリペプチドである請求項1記載の化粧品。
    [-(OC-(CH)-CO)-(Pro-Y-Gly)-] (1)
    [-(OC-(CH)-CO)-(Z)-] (2)
    [-HN-R-NH-] (3)
    (式中、mは1〜18の整数、p及びqは同一又は異なって0又は1、YはProまたはHypを表し、nは1〜20の整数を表す。Zはアミノ酸残基又は1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチド鎖を表し、rは1〜20の整数を表し、Rは直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を表す。aとbとの割合(モル比)は、a/b=100/0〜30/70であり、p=1及びq=0であるときc=a、p=0及びq=1であるときc=bであり、p=1及びq=1であるときc=a+bであり、p=0及びq=0であるときc=0である。)
    -Pro-Y-Gly- (4)
    (式中、Yは前記に同じ)
    -Pro-V-Gly-W-Ala-Gly- (5)
    (式中、VはGln、Asn、Leu、Ile、ValまたはAla、WはIleまたはLeuを表す。)
  4. 合成ポリペプチドが、下記式で表されるペプチドユニット
    -(Pro-Y-Gly)- (1a)
    (式中、YはPro又はHypを示し、nは5〜15の整数を表す)
    の繰り返し単位で構成されており、このユニットの割合が、合成ポリペプチド中80重量%以上であり、分子量分布において3×10〜50×10の範囲に分子量のピークを有する請求項1記載の化粧品。
  5. 合成ポリペプチドが、円二色性スペクトルにおいて、波長220〜230nmに正のコットン効果を示し、波長195〜205nmに負のコットン効果を示し、かつ合成ポリペプチドの少なくとも一部が3重らせん構造を形成可能である請求項1記載の化粧品。
  6. 合成ポリペプチドが、下記式で表されるペプチドユニット
    -(Pro-Hyp-Gly)- (1b)
    (式中、nは5〜15の整数を表す)
    の繰り返し単位で構成されており、分子量分布において、5×10〜100×10の範囲に分子量のピークを有し、かつ合成ポリペプチドの少なくとも一部が3重らせん構造を形成可能である請求項1記載の化粧品。
  7. シート状である請求項1記載の化粧品。
  8. 少なくとも合成ポリペプチドを含有する被処理水溶液を限外ろ過に供して、濃度を調整し、得られる水溶液を、さらに凍結乾燥するか、又は前記水溶液を凍結することなく乾燥させることにより得られる請求項1記載の化粧品。
  9. 合成ポリペプチドの構成アミノ酸及び/又はペプチドフラグメントを含むアミノ酸又はペプチド成分を縮合させて得られる反応混合物を、限外ろ過に供して、合成ポリペプチドを含有する水溶液の画分の濃度を調整し、得られる水溶液を、さらに凍結乾燥するか、又は凍結することなく乾燥させることにより得られる請求項1記載の化粧品。
  10. 限外ろ過により、水溶液中の合成ポリペプチドの濃度を、0.1〜2重量%に調整する請求項8又は9記載の化粧品。
  11. 濃度を調整した水溶液を、−50〜−10℃の温度で凍結させ、さらに温度0〜30℃及び圧力1〜100Paの条件で乾燥させることにより得られ、かつスポンジ状の形態を有する請求項8又は9記載の化粧品。
  12. 凍結乾燥に先立って、脱気処理を行うことにより得られる請求項8又は9記載の化粧品。
  13. 濃度を調整した水溶液を、温度10〜30℃、圧力1000〜100000Pa及び湿度50%以上の条件で乾燥させることにより得られ、かつ非多孔状でシート状の形態を有する請求項8又は9記載の化粧品。
  14. 厚みが10μm〜1.5cmである請求項7記載の化粧品。
  15. フェイシャルマスクに使用される請求項1記載の化粧品。
  16. 少なくとも請求項1記載の合成ポリペプチドを含有する被処理水溶液を限外ろ過に供して、濃度を調整し、得られる水溶液を、さらに凍結乾燥するか、又は前記水溶液を凍結することなく乾燥させて、請求項1記載の化粧品を製造する方法。
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