JP2007136787A - シームレスベルトの製造方法及びその製造装置 - Google Patents

シームレスベルトの製造方法及びその製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、高弾性率で厚み精度の非常に良いシームレスベルトを安価に製造し、また、樹脂溶液の切り替えロット間における不良率の改善を図り、タンデム式中間転写型画像形成装置に用いられる中間転写体においても、高弾性率で厚み精度の非常に良くベルト表面の微小区間の抵抗差をなくし、高速化になっても画像ムラのない優れた中間転写体を提供することにある。
【解決手段】本発明におけるシームレスベルトの製造方法は、シームレスベルトの原料である樹脂溶液を、金型30の円柱形状の内面にシームレス状に塗布させた後、乾燥、硬化してフィルム化するシームレスベルトの製造方法であって、樹脂溶液を混合した直後に金型30の内部で中空筒状に押し出す工程と、押し出された中空筒状の樹脂溶液を膨張させて金型30内面に塗布する工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、シームレスベルトの製造方法およびその製造装置に関するものであり、特に、画像形成装置を備えた電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等に用いる転写搬送体、中間転写体、転写定着体、定着体に使用されるシームレスベルトを製造する場合に有用である。
シームレスベルトの製造方法は、種々の方法が提案されている。例えば、塗布液用ポンプ41と圧力計42を用いて一定圧力で、ディスペンサー43のワニス出口部43aから樹脂溶液を円筒状金型44の内面44a或いは外面にスパイラル状に塗布してシームレスベルトを製造する方法(図5参照、特許文献1参照)、また、樹脂溶液の中空状の層を形成しつつ、円筒状金型に内接する押出筒金型から樹脂溶液を該筒状金型内部に押し出すとともに、該中空筒状層の内部に気体を注入しながら塗布をしてシームレスベルトを製造する方法等が公知である(特許文献2参照)。
特開2002−18872号公報 特開2004−237695号公報
従来より紙等の被転写紙に顕画像を転写する方式として、転写ドラム上に紙等の被転写紙を巻き付け、感光体上の顕画像を各色毎に被転写紙に転写する転写ドラム方式や感光体上の顕画像を各色毎に中間転写体に転写した後、一括して被転写紙に中間転写体上の顕画像を転写する中間転写体方式等が知られている。
近年、画像形成装置の高速化・高画質化や紙の種類を選ばないというトレンドから、中間転写体を用いる新規な画像形成装置として、各色の現像器を備えた複数の像担持体を中間転写体上に直列に配置し、各色に感光体上の顕画像を中間転写体上に転写した後、一括して紙等の被転写体へ転写するタンデム式中間転写方式のカラー画像形成装置等が検討されている。
このタンデム式中間転写方式は、従来の転写方式に比べ画像形成速度の向上が実現でき、また転写ドラム方式のように被転写体を選ばないというメリットから、今後の有望な転写方式として検討されている。
しかしながらこの転写方式における中間転写体は、従来の中間転写ベルトに比べその径が大きく、独立した4色の現像器を備えるため、各色毎に高精度な装置設計が必要となる。そのため、このような画像形成装置に搭載される中間転写体としては、高い弾性率や厚み精度が要求される。
特許文献1のスパイラル塗布方法で製造されるシームレスベルトは、厚み精度や余分な樹脂溶液を使用しないので有効な方式である。しかし、スパイラル塗布方法では、スパイラル状に重複して塗布される部分(スジ状に検知される部分)やうねり等が生じ、かかる部分と他の部分との間で、微小な抵抗差が生じていた。この方法で製造されたシームレスベルトをタンデム式中間転写方式の中間転写体に用いた場合、この微小抵抗差が原因となって画像ムラを生じていた。
また、特許文献2により製造されるシームレスベルトは、厚み精度が均一となるものが得られる。しかし、筒状金型と押出筒状金型が内接するため、製造時に筒状金型を出し入れする際に、筒状金型内面にキズを生じやすく、これを防止するためには、筒状金型と押出筒状金型の位置決めを精度良く行い、且つ、筒状金型に内接する押出筒状金型の動作を高精度に制御する必要があった。
また、シームレスベルトの連続生産時において、通常、樹脂溶液をロット単位(あるいはバッチ単位)で調製する。かかる場合において、調製ロットが異なることにより(例えば、原料ロットの違い等で)、ロット間の樹脂溶液の性質又は性状が異なる場合がある。例えば、ロット間ばらつきや仕様変更により、直前ロットの樹脂溶液で作製されたシームレスベルトの表面抵抗と、次のロットの樹脂溶液で作製されたシームレスベルトの表面抵抗とが1桁近く異なることがある。このような性質又は性状の異なる樹脂溶液を連続生産に用いると、2つの異なる樹脂溶液が同時に押し出され、金型に塗布されることになる。このような状態で作製されたシームレスベルトは、抵抗ムラの大きいものであり、この抵抗ムラが画像ムラを引き起こすため、不良品として処分され、良品率の低下の原因となっていた。
これを回避するために、ロットの切り換え時において、直前のロットの樹脂溶液を除去又は洗浄してから次のロットの樹脂溶液を用いる方法もあるが、樹脂溶液を除去することは、非常に手間のかかる作業であり生産効率、製造コストの観点で好ましくなかった。
本発明は、上記の従来技術における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、高弾性率で厚み精度の非常に良いシームレスベルトを安価に製造でき、また、樹脂溶液のロット間ばらつきや仕様変更があっても、ロット間切り替え時における良品率を向上させ、ベルト表面の微小区間の抵抗差を少なくし、画像ムラを生じさせることなく、タンデム式中間転写方式の中間転写体に用いることができるシームレスベルトの製造方法及びその製造装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、以下の発明を完成するに至った。
即ち、本発明におけるシームレスベルトの製造方法は、シームレスベルトの原料である樹脂溶液を、金型の円柱形状の内面にシームレス状に塗布させた後、乾燥、硬化してフィルム化するシームレスベルトの製造方法であって、樹脂溶液を混合した直後に金型の内部で中空筒状に押し出す工程と、押し出された中空筒状の樹脂溶液を膨張させて金型内面に塗布する工程を含むことを特徴とする。
かかる構成によれば、樹脂溶液が混合された直後に、その混合された樹脂溶液を金型内部で中空筒状に押し出す。そして、押し出された中空筒状の樹脂溶液を膨張させて金型内面に塗布する。このように、樹脂溶液を押し出す直前に混合することにより、連続生産時に樹脂溶液の調製ロットの違いで、作製されたシームレスベルトの表面抵抗が1桁近く異なる結果となるような樹脂溶液を用いたとしても、連続するロット間で作製したシームレスベルトの表面抵抗比が小さいものとなり、即ち、抵抗ムラを大幅に低下させることができ、良品率が向上する。
また、本発明の製造方法において、樹脂溶液に剪断力を作用させて樹脂溶液を混合することが好ましい。かかる構成によれば、樹脂溶液が均一に混合される。
また、樹脂溶液の流れ方向に沿って、樹脂溶液をねじれさせながら樹脂溶液を混合することは好ましい実施態様である。かかる構成によれば、樹脂溶液がねじられ(又はひねられ)るようにして混合されるので、樹脂溶液を送りながら均一に混合することができる。
また、本発明の製造方法により作成した半導電性ベルトは、ベルトの微小区間での抵抗差が小さく、且つ、周方向及び幅方向の表面抵抗比が1.5以下であり、特に、タンデム式中間転写方式の中間転写体に好適なものとなる。
なお、押し出された中空筒状の樹脂溶液は、その中空部分の内圧を略一定に保ちながら膨張され、金型内面に塗布される。かかる場合において、その膨張比は、3以下が好ましい。
また、本発明のシームレスベルトの製造装置は、シームレスベルトの原料である樹脂溶液を混合する混合装置と、混合装置で混合された直後の樹脂溶液を押し出す押出手段と、押出手段を挿入可能な円柱形状の内面を有する金型と、金型の内部に気体を注入する気体注入手段と、金型の内部に押出手段を配置し、押出手段と金型とを引き離しながら、混合装置によって混合した直後の樹脂溶液を前記押出手段によって中空筒状に押し出し、気体注入手段による気体注入によって当該押し出された中空筒状の樹脂溶液を膨張させるように制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の製造方法及び製造装置において、樹脂溶液を中空筒状に押し出す際に、樹脂溶液の樹脂圧力を10Mpa以下にして押し出すことが好ましい。押出手段は、樹脂溶液を10Mpa以下に押し出すことができる。
また、本発明のシームレスベルトの製造装置において、混合装置は、長方形状の板をねじった捻り部材を、樹脂溶液の流路内に1以上有する構成とすることが好ましい態様である。
捻り部材のねじりの程度(以下、「ねじり度」という)を大きくするに比例して、又は、捻り部材を多く設置することに比例して、混合の効果は高くなるが、圧力損失が高くなり樹脂圧力が高くなる。樹脂圧力が高くなると環状ダイス(押出手段の一部を構成する部材)より押出されるまでに受けたシェアにより部分的に導電材料(例えば、カーボンブラック等)が凝集をし、そのために作製されたシームレスベルトの抵抗ムラの原因となり好ましくない。そこで、押し出し時の樹脂圧力が10Mpa以下になるように捻り部材のサイズ、設定方法、設置個数、ねじり度等を設定する必要がある。押し出し時の樹脂圧力が10Mpa以下にすることで、抵抗ムラを抑えたシームレスベルトを作製することができる。
捻り部材のねじり度は、特に限定されないが、樹脂溶液の粘度によって適宜設定可能である。例えば、ねじり度を45度以上360度以下に設定可能であり、360度以上捻った形状とすることもできる。
捻り部材は、樹脂溶液の流路の内径のサイズにもよるが、例えば、4〜12個を流路方向に沿って配置することが好ましい。
かかるシームレスベルトの製造装置の作用効果は、上記で説明したシームレスベルトの製造方法と同様の作用効果である。
また、本発明のシームレスベルトの製造方法及びその製造装置で製造されるシームレスベルトの原料である樹脂溶液は、その樹脂分の濃度が10〜40重量%の範囲にあり、樹脂溶液のB型粘度計(23℃)による粘度が、5〜1000Pa・sであるものを用いることが望ましい。
かかる構成によれば、押し出された樹脂溶液の先端部分と金型底面が接触した際に、この樹脂溶液が自重等による撓みや崩れ(ドローダウン)等を生じない程度の支持力を持ち、且つ、気体注入による膨張で部分的に樹脂溶液の厚みばらつき(偏肉部分)が生じることなく、均一な厚みのシームレスベルトを製造できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<シームレスベルトの原料>
本発明の製造方法及び製造装置で製造されるシームレスベルトの原料樹脂として、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂等を用いることができる。また、これらをブレンドして使用することもできる。特に、本発明のシームレスベルトを転写定着体や定着用ベルトとして用いる場合には、耐熱強度が必要になることから、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が好ましく、さらに好ましくは熱硬化性のポリイミド樹脂が好ましい。
ポリイミド樹脂の原料液としては、例えば、ポリアミド酸の溶液が好適に使用可能である。このポリアミド酸は、酸二無水物あるいはその誘導体とジアミンの略等モルを有機溶媒中で反応させることにより得られ、通常、溶液状で用いられることから本発明に用いる樹脂溶液の主成分に用いることができる。
好適な酸二無水物の例として、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、ジアミンの例としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン等が挙げられる。
また、有機溶媒としては、アセトン、クロロホルム、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、アルコール系(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン(NMP)などを用いることができるが、極性のアミド系溶媒であるN,N−ジメチルアセトアミド、NMP、ジメチルホルムアミドが好ましい。
本発明で製造されたシームレスベルトを中間転写体や転写搬送用ベルトして用いる場合には、高弾性率が必要であり、具体的には、JIS K 7127に準じて測定した周方向の引張弾性率が2000Mpa以上であることが好ましい。したがって、この観点から、樹脂溶液の主成分を選択する必要があり、例えば、樹脂溶液の主成分としてポリアミド酸を用いる場合、全溶液に対して10重量%から30重量%のポリアミド酸含有の溶液を本発明の樹脂溶液に用いれば、中間転写体等に好ましいシームレスベルトを製造できる。
また、本発明で製造されたシームレスベルトを中間転写体・転写搬送体・転写定着体として使用する場合には、半導電性を得るために樹脂中に各種導電材料を添加する必要がある。具体的には、各種カーボン、アルミニウム、ニッケル、酸化錫、チタン酸カリウム等の無機化合物やポリアニリンやポリピロールなどに代表される導電性高分子を用いることができる。特に、ベルト全体を均一な抵抗とするために、また、ベルトの抵抗を低くする観点からは、各種導電材料を均一に分散させることが重要である。そのため、カーボンブラック等を用いる場合は、分散性の良いカーボンブラックの選定や分散方法を適宜選択する必要がある。
また、導電性高分子などを用いる場合には、樹脂素材が溶解されている溶媒と同じものに溶解する事が望ましい。
これら各種導電材料の含有量は、導電材料の種類に応じて適宜選択する事ができるが、樹脂に対して5〜50重量%程度が好ましく、より好ましくは7〜40重量%である。この含有量が5重量%未満であると、電気抵抗の均一性が低下し、耐久使用時の表面抵抗率の低下が大きくなる場合がある。一方、50重量%を超えると、所望の抵抗値が得られ難く、また、シームレスベルトの成型物として脆くなるため好ましくない。
本発明の樹脂溶液は、B型粘度計23℃で測定した溶液粘度が5〜1000Pa・sであることが好ましい。溶液粘度が5Pa・s未満になると初期乾燥の工程内において、僅かなゴミや異物が混入すると、それを起点に溶液樹脂がはじきその部分が薄くなり、不良品となる。その回避策として、従来から乾燥速度を遅くする方法を採用していたが、製造時間が長くなり生産性が低下し好ましい方法ではなかった。また、他の対策として、ゴミや異物の混入を防ぐための装置を設置する方法があるが、高コスト化に繋がり好ましくない。
一方、溶液粘度が1000Pa・sを超えると樹脂が広がりにくくなり、均一な厚みを形成しにくくなり好ましくない。
また、本発明における、注入する気体としては、通常、入手容易であることから空気が好ましいが、樹脂成型時の反応性や気体の熱容量が影響する場合にあっては、窒素やアルゴンあるいはヘリウムなどの安定性の高い他の気体も使用可能である。
<製造装置>
以下に、本発明におけるシームレスベルトの製造装置について図1を用いて説明する。図1において、製造装置1は、制御手段10、押出手段20、混合装置26、金型30、供給機40、ホッパー50、注入手段60、コンプレッサー70及びその他の構成要素を有して構成される。
制御手段10は、製造装置1の動作を制御する。制御手段10は、タッチパネルやボタン等の入力手段を介してユーザーが入力した、あるいは予めメモリ上に記憶された製造条件の設定値に基づいて、供給機40の動作、金型30の垂直動作、注入手段60の動作等を制御する。制御手段10は、通常、CPUやメモリ等で実現され得る。制御手段10の機能を実現するための処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアは、例えば、ROMやフラッシュEEPROM等の記録媒体に記録されている。また、ソフトウエアプログラムを専用回路で実現してもよく、ファームウエアで実現することもできる。なお、製造条件、製造状況(リアルタイムの状況)は、表示手段に表示されて適宜確認できる。図1に示す制御プログラムは、制御手段10のソフトウエアプログラムである。条件設定モジュールは、製造装置1の製造条件を設定するための機能モジュールである。製造条件テーブルは、予め設定されている製造条件のテーブルであり、条件設定モジュールの機能により、適宜変更可能に構成されている。
押出手段20は、例えば、樹脂溶液を押し出す環状ダイス21、その他の部材等から構成されている。環状ダイス21から中空筒状に樹脂溶液を押し出すことができる。金型30の内面の径に対する中空筒状の樹脂溶液の外径の比(膨張比に相当する)は、3以下が好ましく、さらに、1より大きく2以下の範囲に設定することがより好ましく、特に、1.03以上1.5以下の範囲に設定することがより好ましい。押出手段20を金型30内部の所定位置に配置するため、膨張比は、1より大きくなる。膨張比を大きくすると、気体注入時に破れが生じやすく、またベルトの厚みにばらつきが生じ、好ましくない。即ち、膨張比の下限値は、金型30の内面の径と環状ダイス21の外径によって決定され、膨張比の上限値は、ベルトの厚みにばらつきが生じない範囲で決定される。
また、押出手段20の底部分は、気体を注入するための孔21aを有する。なお、この孔21aの径は、特に限定されないが、気体注入手段60や気体の種類、注入圧力等によって適宜設定することができる。
この押出手段20を構成する環状ダイス21の材質は、特に限定されず適宜選択可能であるが、通常、金属を用いることができ、特に、金型工具鋼(例えば、SKD4、SKD5、SKD6、SKD61、SKD7、又はSKD8、SKT4等)が特に好ましい。
また、ベルトの高精度な厚み精度を達成するには、環状ダイス21の先端のスリット出口を周方向で均一の幅に設定することが重要である。そのため、図2に示すように環状ダイス21の内ダイス23側に可動式の調製リング24をつけることにより樹脂溶液が吐出するスリットの広さを微調製でき、高精度の厚みバラツキを達成することができる。
なお、外ダイス25側に可動式の調製リングを付けることも可能であるが、外ダイス25の厚みが、調製リング分さらに大きくなり、そして、外ダイス25を調製するボルト等が環状ダイス21の外側にはみ出ることになり、押出手段20の全体外径が大きくなる。押出手段20を金型30内部に挿入可能にするためには、環状ダイス21の外径を小さくしなければならなくなり、その結果樹脂溶液の膨張比が大きくなり好ましくない。
混合装置26は、樹脂溶液の供給機40と押出手段20の間に設置して、樹脂溶液が、混合装置26を通過して後、環状ダイス21に送られるように構成する。混合装置26は、樹脂溶液を混合する機能を有する。混合装置26は、樹脂溶液が流れる流路となる配管26aと、捻り部材26bを有する構成である。図3(a)に、混合装置26と押出手段20の部分断面を示す。押出手段20の上部に混合装置26が設置されている。図3(b)に、捻り部材26bのねじり度を180度に設定したものの一例を示す。図3(c)に、混合装置26による混合の概念を示す。説明上、捻り部材26bを3個として以下に説明する。配管26a内に、3個の捻り部材26bが配管の流路に沿って平行に設置されている。樹脂溶液の流路26cは、手前側(実線で示す)から奥側(破線で示す)に捻れ、流路26dは、奥側(破線で示す)から手前側(実線で示す)に捻れていることが分かる。このようにして、樹脂溶液に剪断力を作用することにより、樹脂溶液を混合する。図3(d)に、捻り部材26bの配置方法の例を示す。図3(d)に示すように、例えば、一定の規則に従って配置する方法、配管の流路方向の中心軸に沿って放射上に設置する方法、捻り部材26bが複数個で環状を形成するように配置する方法等が例示される。
なお、捻り部材26bの配置は、図3に示した配置に限定されず、捻り部材26bを垂直に配置しても良く、流路の流れ方向と一定の角度を持って配置(例えば、斜めになるように配置)しても良い。また、異なるサイズの捻り部材26bの組合せ、異なるねじり度の捻り部材26bの組合せでも良い。
また、混合装置26は、捻り部材26bを有するものに特に限定されず、例えば、撹拌器、練器等で構成することも可能である。また、樹脂溶液に剪断力を作用させる手段として、邪魔板を流路内に設置しても良い。
金型30は、油圧シリンダー機構28によって、垂直動作可能であり、押出手段20が挿入可能に構成されている。押出手段20を金型30の内部に挿入するように垂直移動する場合に、環状ダイス21と金型30の内面との隙間は、膨張比や金型30内面を傷つけないことを考慮して設定する必要があるが、この隙間は、少なくとも1mm以上であることが好ましく、さらに、1mm以上であって100mm以下の範囲で設定されることがより好ましい。隙間が1mmより小さいと、環状ダイス21が金型30の内部に挿入され、また、金型30が垂直移動する際に、例えば、機械振動等の要因で金型30の内面に傷を付ける可能性があり、好ましくない。また、隙間を大きくすると、膨張比も大きくなり、好ましくない。
金型30の材質は、その耐熱性の観点から、例えば、金属、ガラス、セラミック等の各種のものが挙げられるが、金型工具鋼(例えば、SKD4、SKD5、SKD6、SKD61、SKD7、又はSKD8、SKT4等)がより好ましい。金型30は、中空筒状のシームレスベルトの外径を決定するから、少なくとも円柱形状の穴を有する必要があり、金型30の形状は、中空筒状の形状が好ましい。
なお、金型の内面の径及び円柱状の高さを適宜設定すれば、所望の外径及び幅のシームレスベルトを製造できる。
供給機40は、樹脂溶液を供給するために設けられたホッパー50から樹脂溶液を受け入れ、制御手段10の指令に基づいて、混合装置26を介して押出手段20に、樹脂溶液を供給(圧送)する。供給機40は、特に限定されないが、例えば、ギヤポンプ、モーノポンプ、または、スクリュー、シリンダー及び駆動装置を主な構成とする押出機が好ましい。
気体注入手段60は、コンプレッサー70から供給される気体を、環状ダイス21に設けた孔21aから金型30の内部に注入する機能を有する。
また、気体を注入する場合に、樹脂溶液の中空部分の内圧が略一定になるように注入することが望ましい。金型30が押出手段20に対して相対的に移動する場合においても、その内圧を略一定にすることで、膨張比が略一定に維持され、かつ、厚みのばらつきも生じないようにできる。
なお、図1に示す製造装置1においては、気体の注入方法として、環状ダイス21に設けた孔21aから、樹脂溶液の押し出しと共に気体を注入する方法を示したが、この方法に特に限定されず、気体注入手段60が金型30の底部側から気体を注入する方法をであってもよい。
コンプレッサー70は、気体注入手段60に気体(不図示)を供給する。なお、コンプレッサー70は、その他のエア駆動する機構にエアを供給することができる。このコンプレッサー70は、制御手段10によって制御される。
上記シームレスベルトの製造装置1の全体の動作は、制御手段10が行うように構成したが、特にこれに限定されず、例えば、手動で、各要素を操作することもできる。
<製造方法>
以下に、シームレスベルトの製造方法について、図4を用いて説明する。なお、以下の説明において、上記で説明した製造装置1の構成要素を用いて説明するが、本発明の製造方法は、製造装置1に限定されず、その他の装置にも適用できる。
本発明のシームレスベルトの製造方法は、主に、シームレスベルトの原料となる溶液状の樹脂溶液を調製する工程、調製された樹脂溶液を混合する工程、混合された樹脂溶液を押出手段より押し出す工程、押し出され中空筒状の樹脂溶液を金型の内面に塗布する際に、中空筒状樹脂溶液の内部に気体を注入しながら金型内面に塗布を行なう工程、乾燥工程、イミド化反応を行う工程等を有している。
先ず、樹脂溶液を調製する。調製した樹脂溶液をホッパー50に流し込む。制御手段10は、樹脂溶液が所定量以上あることを検知したら、ホッパー50底部のボール弁(不図示)開け、供給機40に樹脂溶液を供給するように制御する。
油圧シリンダー機構28は、押出手段20が金型30の内部の所定位置に達するまで、金型30を垂直上向きに移動させる。ここで、所定位置は、任意に設定できるが、金型30の底面から5mmから50mmの位置が好ましく、さらに5mmから10mmの位置がより好ましい。5mmより小さいと油圧シリンダー機構28を高精度に制御することが必要となり、また、50mmより大きいと樹脂溶液の撓みやドローダウンを生じやすくなり好ましくない。
次に、供給機40は、流入した樹脂溶液の樹脂圧力が10Mpa以下になるように圧力をかけて、混合装置26に送りこむ。混合装置26に送りこまれた樹脂溶液は、捻り部材26bによって、捻られながら流れて、混合される。通常、同一ロット内においては、樹脂溶液の性質又は性状は略均一であるので特に問題にならないが、連続生産時において、次のロットの樹脂溶液の性質又は性状と、直前のロットのそれとに相違がある場合にロット間ばらつきの問題が生じることになる。かかる場合に、ロット間の切り換えロット時における樹脂溶液の性質又は性状を略均一にする必要がある。そこで、供給機40から押出手段20に送る前に、混合装置26に樹脂溶液を送り込むようにすることで、ロットの切り換え時における不均一な樹脂溶液の状態を、抵抗ムラが生じない程度に略均一に変えることが可能になる。
そして、混合装置26で混合された樹脂溶液は、押出手段20に送り込まれる。送り込まれた樹脂溶液は、押出手段20の流路を流れ、最終的に環状ダイス21のスリット部から中空筒状に押し出される。この押出された樹脂溶液の厚みは、調製リング24によって微調製され、かつ均一なものとなる。この押し出しと共に金型30は、油圧シリンダー機構28によって垂直下向きに移動する。この金型30の移動速度は、通常、樹脂溶液の押し出し速度と一致する。押し出し速度は、供給機40の押し出し圧力に比例し、制御手段10によって制御される。
また、制御手段10は、押し出し時の樹脂溶液の樹脂圧力が10Mpa以下になるように供給機40を制御する。例えば、混合装置26又は押出手段20に圧力センサーを設置し、樹脂圧力を検知する手段を設け、制御手段10は、圧力センサーからの検知信号に応じて、樹脂圧力が10Mpa以下となるように供給機40に指令信号を送るように構成できる。また、押し出し時の樹脂溶液の樹脂圧力が10Mpa以下になるように手動で供給機40を操作することもできる。
さらに、樹脂溶液の押し出しと共に、孔21aから気体を注入する。これにより、樹脂溶液は金型30の内面側に膨張し、金型30の内面に塗布される。図4に、押出手段20が金型30の内部に挿入され、金型30が垂直下向きに移動しながら樹脂溶液が押し出されると共に、孔21aからエア(不図示)が注入され、樹脂溶液は、膨張し金型30の内面に塗布される状態を示した。図4に示したように、樹脂溶液の中空部分の内圧が略一定になるように気体が注入されているので、樹脂溶液が金型30内面に均一に塗布される。
ここで、注入される気体の圧力(以下、ブロー圧という)は、特に限定されないが、樹脂溶液の中空部分の内圧が略一定になるようにエア流量を制御する。ブロー圧は、小さすぎると樹脂溶液を膨張できず、大きすぎると厚みにばらつきを生じさせるので好ましくない。
なお、金型30の垂直下向きの移動に伴って、注入ノズル(気体注入手段60を構成する一部材)が孔21aから突出し、金型30の内部に挿入され、垂直動作可能に構成することもできる。かかる場合に、注入ノズルから気体が金型30内部に注入される。
次に、樹脂溶液の押し出しを停止する場合、供給機40が樹脂溶液の圧送を停止し、また油圧シリンダー機構28が金型30の垂直動作を停止する。
次に、金型30の内面に均一に塗布した樹脂溶液を加熱する。先ず、自己支持できるまで一次加熱を行う。上記加熱温度は適用した溶媒を蒸発させることができる温度であれば特に制限はなく、適宜設定できるが、80〜230℃が好ましい。加熱時間は加熱温度に応じて適宜設定され、通常、10〜60分程度である。この時、230℃で急激に加熱すると樹脂溶液中の溶媒が急激に蒸発するために微小ボイドが発生し、80℃未満で長時間加熱すると製造時間がかかりすぎて生産性が低くなるため好ましくない。
次に、二次加熱することで、残存溶媒の除去、閉環水の除去、或いはイミド化反応を行う。二次加熱の温度は、かかる目的に適した温度であれば特に制限はないが、通常、250℃から400℃が好ましい。加熱時間は加熱温度に応じて適宜設定され、通常、10〜60分程度である。
なお、シームレスベルトの内径を規制するために用いられる筒状の第2金型の外側に、一次加熱後に金型30から剥離したシームレスベルトを挿入し、この挿入した状態で、二次加熱を行うことも可能である。
次に、金型30の内面に塗布され硬化したシームレスベルトを剥離する。この剥離方法としては、例えば金型端部の周壁に予め設けられた微小貫通孔に空気を圧送する方法等が挙げられる。なお、金型30周面に予めシリコーン樹脂等による離型処理を施しておけば、シームレスベルトの剥離作業性が向上するため好ましい。
以上の製造方法で得られたシームレスベルトは、高弾性率で厚み精度の非常に良く、5mmピッチで表面抵抗を測定した時の両隣の抵抗の比が1.5以下であり、微小区間での表面抵抗差が非常に小さいものとなる。そのため、このシームレスベルトをカラープリンタ等の中間転写ベルトとして使用しても、色むらもなく非常に良好である。
なお、図1及び図4の説明において、押出手段20が固定されて、金型30が垂直動作するように構成されていたが、この構成に限定されず、押出手段20が、固定された金型30の内部に挿入され、押出手段20が垂直動作をするように構成することも可能であり、さらには、押出手段20及び金型30のいずれもが垂直動作するように構成することもできる。かかる構成における押出手段20を垂直動作させる装置としては、例えば、油圧シリンダー機構、エアシリンダー機構等が好ましい。
<実施例>
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
(評価方法)
(1)表面抵抗(全体)評価
測定機器にハイレスタUP MCP−H1450(三菱化学社製、プローブUR−100)を用い、測定条件25℃で、半導電性ベルトの表面の任意の24点に、電圧100Vを印加し、その印加開始から10秒後の表面抵抗値を測定した。ここでは、測定された24点の平均値のものを表面抵抗とした。
(2)幅方向表面抵抗比(微小区間)評価
測定機器にハイレスタUP MCP−H1450(三菱化学社製、プローブ:UA)を用い、測定条件25℃で、半導電性ベルトを幅方向に5mm間隔に、電圧100Vを印加し、印加開始から10秒後の表面抵抗値を測定した。ここでは、隣り合う2つの測定点の表面抵抗値の比を、すべての測定点で求め、その比の最大値を幅方向表面抵抗比とした。
(3)周方向表面抵抗比(微小区間)評価
測定機器にハイレスタUP MCP−H1450(三菱化学社製、プローブ:UA)を用い、測定条件25℃で、半導電性ベルトを周方向に48点等間隔に、電圧100Vを印加し、印加開始から10秒後の表面抵抗値を測定した。ここでは、隣り合う2つの測定点の表面抵抗値の比を、すべての測定点で求め、その比の最大値を周方向表面抵抗比とした。
(4)厚み・厚みバラツキ
ベルトの周方向10点・幅方向5点の計50点を測定しその平均値を求めた。また、厚みバラツキは、測定したデータの最大値と最小値の差とした。
(5)画像転写性評価
得られた半導電性ベルトを市販の複写機に、中間転写ベルトとして組み込み、画像評価を行った。評価は、鮮明で正確な画像が得られた場合を良好、画像に欠陥或いは変化が認められた場合を不良とした。
(実施例1)
同一仕様の樹脂溶液(ポリアミド酸溶液)を2ロット調製する。樹脂溶液(ポリアミド酸溶液)の調製方法は以下のようにして行った。N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に、カーボンブラック(SPECIAL BLACK4、デグサ社製)を添加し、ボールミルで8時間、撹拌してカーボンブラック分散NMP液を得た。このカーボンブラック分散NMP液に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを等モル数溶解し、窒素雰囲気下において室温で5時間、撹拌しながら反応させた後、粘度調製を行い、カーボンブラックを分散したポリアミド酸溶液(固形分20重量%、23℃におけるB型粘度計による溶液粘度300Pa・s)を得た。得られた1ロット目のポリアミド酸溶液がホッパー50内からなくなると、2ロット目のポリアミド酸溶液をホッパー50に供給する。このロット切り換え時のポリアミド酸溶液300gを環状ダイス(外径250mm、長さ500mm)より押し出された中空状樹脂溶液を筒状金型内面(内径300mm、長さ850mm)に塗布する。この際に図1で示されるような混合装置26を取り付けた装置を用いて、中空状樹脂溶液内部に気体を注入し、膨張させることにより、筒状金型内面に塗布した。この時の混合装置26の捻り部材26bは6個設置し、そのねじり度は180度、供給機40から押し出す際の樹脂圧力は4Mpa、膨張比は1.2であり、環状ダイス21と金型30内面との隙間は、25mmであった。次に130℃で20分間加熱した後、残存溶媒の除去、脱閉環水の除去、およびイミド化の完結反応を行うために、360℃まで10℃/分の昇温速度で昇温し、その後、360℃で30分間加熱し、さらにその後、室温まで冷却した。得られたベルトの両端と中央部の不要部分を切断し、半導電性ベルトを2本得た。このベルトをタンデム式中間転写型画像形成装置の中間転写ベルトとして搭載し画像形成を行ったところ、色ムラもなく良好な画像が得られた。また、表1に示したように、微小区間での幅方向表面抵抗比が1.22となり、比較例1のそれより小さい結果であった。また、微小区間での周方向表面抵抗比が1.10となり、比較例2のそれより非常に小さい結果であった。
Figure 2007136787
(比較例1)
実施例1と同一の仕様の樹脂溶液を2ロット調製し、実施例1のシームレスベルトの製造方法と同様の製造方法において混合装置26を用いずに、同一仕様の樹脂溶液のロット切り換え時のシームレスベルトを作製した。得られたシームレスベルトをタンデム式中間転写型画像形成装置の中間転写ベルトとして搭載し画像形成を行ったところ、色むらが生じた。また、表1に示したように、微小区間での幅方向表面抵抗比が実施例1のそれと略同じであるのに対して、周方向表面抵抗比が5.54であり、実施例1のそれより非常に大きい結果であった。
(比較例2)
実施例1のポリアミド酸溶液420gを円筒状金型44(内径300mm、長さ850mm)の内面44aに図5及び6で示されるようなスパイラル方式の塗布装置を用いて塗布を行った。ディスペンサー43と金型内面44aまでの距離は0.5mmとした。また、ディスペンサーのワニス出口スリットは、横幅が30mmで、縦の長さが0.5mmである。この塗布装置は、2.5cc/secの吐出量でワニスをスパイラル状に塗布する。この時、金型44に塗布されたワニス(ポリアミド酸溶液)が1mmの幅で重なるように塗布を行った。次に1500rpmで10分間回転させた後、130℃で20分間加熱した後、残存溶媒の除去、脱閉環水の除去、およびイミド化の完結反応を行うために360℃まで10℃/分の昇温速度で昇温し、その後、360℃で30分間加熱し、さらにその後、室温まで冷却した。得られたシームレスベルトをタンデム式中間転写型画像形成装置の中間転写ベルトとして搭載し画像形成を行ったところ、色むらが生じた。また、表1に示したように、微小区間での幅方向表面抵抗比が実施例1のそれと略同じであるのに対して、周方向表面抵抗比が2.56であり、実施例1のそれより非常に大きい結果であった。
実施の形態における製造装置の一例を示す図 実施の形態における押出手段の断面の一例を示す図 実施の形態における混合装置の例を示す図 実施の形態における製造方法の例を示す図 比較例のスパイラル塗布装置の例を示す図 比較例のスパイラル塗布装置の出口スリットの断面図
符号の説明
1 シームレスベルトの製造装置
10 制御手段
20 押出手段
21 環状ダイス
21a 孔
23 内リング
24 調製リング
25 外ダイス
26 混合装置
26a 配管
26b 捻り部材
28 油圧シリンダー機構
30 金型
40 供給機
50 ホッパー
60 気体注入手段
70 コンプレッサー

Claims (6)

  1. シームレスベルトの原料である樹脂溶液を、金型の円柱形状の内面にシームレス状に塗布させた後、乾燥、硬化してフィルム化するシームレスベルトの製造方法であって、
    樹脂溶液を混合した直後に、金型の内部で中空筒状に押し出す工程と、
    押し出された中空筒状の樹脂溶液を膨張させて金型内面に塗布する工程と
    を含むシームレスベルトの製造方法。
  2. 前記樹脂溶液を中空筒状に押し出す際に、樹脂溶液の樹脂圧力を10Mpa以下にして押し出す請求項1に記載のシームレスベルトの製造方法。
  3. 前記樹脂溶液に剪断力を作用させて樹脂溶液を混合する請求項1又は請求項2に記載のシームレスベルトの製造方法。
  4. シームレスベルトの原料である樹脂溶液を混合する混合装置と、
    前記混合装置で混合された直後の樹脂溶液を押し出す押出手段と、
    前記押出手段を挿入可能な円柱形状の内面を有する金型と、
    前記金型の内部に気体を注入する気体注入手段と、
    前記金型の内部に前記押出手段を配置し、前記押出手段と前記金型とを引き離しながら、前記混合装置によって混合した直後の樹脂溶液を前記押出手段によって中空筒状に押し出し、気体注入手段による気体注入によって当該押し出された中空筒状の樹脂溶液を膨張させるように制御する制御手段と
    を備えるシームレスベルトの製造装置。
  5. 前記押出手段が、樹脂溶液の樹脂圧力を10Mpa以下にして押し出すものである請求項4に記載のシームレスベルトの製造装置。
  6. 前記混合装置は、長方形状の板をねじった捻り部材を、樹脂溶液の流路内に1以上有する構成とした請求項4又は請求項5に記載のシームレスベルトの製造装置。
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