JP2007134549A - センサーモジュールの製造方法、およびセンサーモジュール - Google Patents

センサーモジュールの製造方法、およびセンサーモジュール Download PDF

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Abstract

【課題】センサーモジュール201のモールド部206内における気泡207の発生を防止し、回路基板208の導電パターン209の導通良否の検出を確実に行う。
【解決手段】被検出用回路基板8上に形成された被検出用導電パターン9の断線や短絡の検査用のセンサーモジュール1は、センサーチップ2と、それをフリップチップ実装し内方に開口部11を有するセンサーモジュール用回路基板3と、センサーチップ2の下面側及び外周側をモールド材で封止するモールド部6とを備え、そのモールド工程は、前記センサーチップ2の電極4と上記回路基板3の導電パターン5との接合部を樹脂封止する電極接合モールド部61の形成後に、前記センサーチップ2の側方外周部と前記回路基板3の外表面とを樹脂封止する側方外周モールド部62を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、回路基板に形成され実装される電子部品の端子間導通をさせる導電パターンの断線有無等を検出する検出器等に用いられるセンサーモジュールの製造方法、及びそれらのセンサーモジュールの構造に関する。
従来から、電子部品を実装して回路ブロックを構成するための回路基板の製造においては、回路基板上に形成された導電パターン(回路配線)の配置を施した後にその断線や短絡がないか否かの検査を行っている。近年、導電パターンの高密度化により、各導電パターンの両端部に同時に検査用ピンを接触させるに十分な間隔をとれない状況となっているために検査用ピンを用いることなく導電パターンの状態を検査するために、導電パターンに接触することなく導電パターンからの電気信号を受信可能な非接触式の検査方法が多数提案されている(例えば、特許文献1の[0002]、[0003]等)。
特開2003−98213号公報
上記のような非接触式の検査を行うためのセンサーモジュールの構造は、具体的には本願の図9に図示されている如くである。
図9は、従来のセンサーモジュール201の断面図が記載されている。このセンサーモジュール201において、集積回路(IC)として形成されているセンサーチップ202がフレキシブル基板からなるセンサーモジュール用回路基板203にフリップチップ実装されている。上記センサーモジュール用回路基板203表面には、センサーチップ202の能動面に複数個形成されたセンサーチップ電極204と導通接合されたセンサーモジュール用導電パターン205が形成されている。またセンサーチップ202の下面側、及び外周側には、外界からの湿気等の進入を防止するモールド部206が設けられている。このモールド部206は、液状の合成樹脂が注入され硬化されたものである。このモールド部206は、センサーチップ202の下面とセンサーモジュール用回路基板203表面とを封止し、またセンサーチップ202の外周壁とセンサーモジュール用回路基板203表面とを封止するものである。
上記のモールド部206は、液状の合成樹脂が注入された後、硬化されるものであるため、この注入時や硬化時に、特に深遠部であるセンサーチップ202の中央付近では気泡207が生じてしまいやすい。この気泡207は、周囲の合成樹脂が存在していない空間であるため、センサーチップ202が被検出物の検出対象特性を検出する際に検出を損ねてしまいかねない。それは、上記気泡207により、周囲のモールド材にとって密度が変化し、検出する電界、磁界、静電容量、光学的特性等が変化するためである。
図9では、被検出用回路基板208上に形成された複数個の被検出用導電パターン209の断線や短絡を検査するために、上記被検出用導電パターン209に検査信号を印加し、その被検出用導電パターン209から放出される電界や磁界等をセンサーチップ202内の多数のセンサー素子が検出するようにしている。なお、図9の210は、被検出用回路基板208を載置する載置台である。また、図9のαは、センサーチップ202が被検出物の検出対象特性を検出できる検出可能領域の横方向範囲を示し、その横方向範囲α内に多数個のセンサー素子が形成されているものである。
しかるに上記領域α内に上記気泡207が発生すると、上記電界や磁界の検出が不可能になり、あるいは不正確になって正しい検出ができず、上記被検出用導電パターン209の断線や短絡を正確に検査することが出来なくなってしまう。
上記気泡の発生を少なくしようとして、図10に図示するような構造も提案されている。
図10は、図9に対して、次の点が異なる。
すなわち、センサーモジュール用回路基板203に上下に貫通している開口部211を設けている点、この開口部211の縁まで上記モールド部206を形成している点が異なっている。従って、開口部211の中央側までは上記モールド部206が形成されていないものである。
しかし、詳細には上記開口部211の各辺の縁よりも多少中央側まで上記モールド部206がはみ出してしまうものであり、またこのはみ出し部にも多少の気泡207は生じてしまうこともあり得る。このはみ出しは、液状の合成樹脂を作業性等からセンサーチップ202の外周側から注入する場合は、上記開口部211が最も遠い位置になることから顕著に発生することになる。
一方、上記開口部211を形成すると、図10のようにこの開口部211内に保護シート212を挿入することができる。この保護シート212は、センサーモジュール用回路基板203と同材質からなり、このセンサーモジュール用回路基板203より多少厚く形成されており、センサーモジュール用回路基板203の下方より開口部211に挿入される。この保護シート212は、上面がセンサーチップ202の下面にほぼ密着され、下面が上記被検出用回路基板208にほぼ密着することになる。この保護シート212は、センサーチップ202の下面の能動面と上記被検出用回路基板208の上記被検出用導電パターン209とを空気と接触から極力防ぎ、汚れや腐食などから防衛する。
センサーチップ202が被検出物の検出対象特性を検出できる検出可能領域の横方向範囲αは、保護シート212の横方向寸法とほぼ同等になっている。その検出可能領域の縦方向範囲は、図10のア−ア位置から見た主要部の平面図である図11にβとして図示されている。なお、図11のセンサーモジュール用導電パターン205は、一部を図示して、その全数の図示は省略した。
上述の様に、上記モールド材206が開口部211の縁の内方にはみ出すと、このはみ出し部にも上記気泡207が形成し、上記α、βで規定される検出可能領域内にも気泡207が存在することになり、上述のように被検出物の被検出特性の検出を損なう危険性がある。
更に、上記はみ出しは、保護シート212の外周部を圧迫することになり、保護シート212が変形し、上述のセンサーチップ202の下面に密着できず、また上記被検出用回路基板208にも密着できず、よって上述の汚れや腐食などから防衛することが出来なくなる。
更に、図9や図10においては、次のような問題も生じている。
図12は、図9のイ−イ位置から見た主要部の断面図である。図12において、モールド部206は、液状の合成樹脂が注入されて硬化されたものであるが、この液状注入には、相当の高圧がかけられて注入することになる。なぜならば、液状合成樹脂は、センサーチップ202とセンサーモジュール用回路基板203との僅かな隙間からその奥に十分行き届かなくてはならず、その上、センサーチップ202の外周部にも十分充填されなければならず、多量の液状合成樹脂を一時に高圧で注入する必然があるからである。
しかるに、図12に図示されるように、注入される液状合成樹脂の上記高圧により、センサーチップ電極204に接合されているセンサーモジュール用導電パターン205と隣接するセンサーモジュール用導電パターン205との間のセンサーモジュール用回路基板203が下方に変形することになる。このセンサーモジュール用回路基板203がフレキシブル合成樹脂からなる場合は、より顕著となる。
従って、センサーモジュール用回路基板203の下面にも上記変形により波型の凹凸が生じることとなり、この下面に密着させたい被検出物である被検出用回路基板208が密着できず、ゆがんだ状態となる。よって、被検出用回路基板208の被検出用導電パターン209から放出される電界や磁界等をセンサーチップ202内の多数のセンサー素子が確実に検出することができるかは不確かである。
本発明は、上記の問題点を解決するもので、その目的は、上記センサーモジュールの検査領域での封止用モールド部内での気泡の発生を防止し、センサーチップの下面側の回路基板に設けた開口部の縁の内方に上記モールド材がはみ出ることを防止しうるセンサーモジュールをもたらせ、被検出物の被検出特性を確実に容易に検出することにある。
本発明のセンサーモジュールの製造方法は、外表面に形成された複数の電極、及び前記電極の形成面の近傍に形成され被検出物の被検出特性を非接触で検出できる複数のセンサー素子とを有するセンサーチップと、前記センサーチップの前記外表面と対向する表面に形成された導電パターン、及び前記導電パターンの形成領域より中央側であって前記センサー素子による検出可能領域を平面視でほぼオーバーラップする領域が貫通形成された開口部とを有する回路基板と、を備えたセンサーモジュールの製造方法であって、前記センサーチップの前記電極と前記回路基板の前記導電パターンとを接合する電極接合工程と、前記電極接合工程の後、前記センサーチップの前記電極と前記回路基板の前記導電パターンとの接合部を樹脂封止して電極接合モールド部を形成する電極接合モールド部形成工程と、前記電極接合モールド部形成工程の後に、前記電極接合モールド部の外方にあって前記センサーチップの側方外周部と前記回路基板の前記表面とを樹脂封止して側方外周モールド部を形成する側方外周モールド部形成工程と、を備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、前記センサー素子による検出可能領域を平面視でほぼオーバーラップする前記回路基板の領域に前記開口部を設けたので、前記電極接合モールド部形成工程において液状の合成樹脂が注入され硬化されても上記開口部にはモールド材が無く、従って従来のような気泡が存在しない。よって、センサーチップが被検出物である回路基板の導電パターンの検出対象特性を検出する際に検出を損ねてしまうことがない。それは、上記気泡が存在しないことから、従来のような電界、磁界、静電容量、光学的特性等が変化することがないからである。
また、前記電極接合工程の後に、前記電極接合モールド部形成工程を行っているので、前記電極と導電パターンとの接合部を確実に樹脂封止しやすくなる。さらに前記接合部を樹脂封止するだけの条件で液状樹脂を注入すればよく、注入量が従来の1度の注入時に比べて少量で済み、また注入圧も低くなるので、上記開口部内にはみ出すことを防止できる。よって、前記センサー素子による検出可能領域にモールド材が存在しないので、被検出物の検出を確実に行える上、検出が安定化する。
しかも、注入される液状合成樹脂は低圧で済むので、図12のようにセンサーモジュール用回路基板の下面の凹凸は生ずることは無く、従って被検出用回路基板の被検出用導電パターンから放出される電界や磁界等をセンサーチップ内の多数のセンサー素子が確実に安定して検出することができる。
さらに、前記電極接合モールド部形成工程の後に、側方外周モールド部形成工程を行っているので、センサーチップの側方外周部と前記回路基板の前記表面とを樹脂封止するだけでよく、液状樹脂の注入量を多くしたり、および注入圧力を大きくすることができ、作業性も向上する。樹脂封止のモールド工程を上記2工程に分割したことによって、それぞれのモールド工程を最適条件で実施することが出来る。
また、本発明のセンサーモジュールの製造方法は、前記電極接合モールド部形成工程における液状の合成樹脂のモールド材と前記側方外周モールド部形成工程における液状の合成樹脂のモールド材は、同一であることを特徴とする。
上記構成によれば、各工程での液状の合成樹脂のモールド材やモールド雰囲気、加熱装置等の製造装置を兼用することから、材料費の削減、注入作業の効率化が図られる。
また、前記電極接合モールド部と前記側方外周モールド部は密着しやすいので、両者が一体化し、強度が向上する。
さらに、本発明のセンサーモジュールの製造方法は、前記センサーチップの前記電極と前記回路基板の前記導電パターンとの接合部を含む前記導電パターンの先端部付近において、前記導電パターンと隣接する前記導電パターンとの間の間隙幅が前記導電パターンの幅に対し2倍以下となるように形成された導電パターン密集領域を構成し、前記電極接合モールド部形成工程における前記合成樹脂のモールド材の注入は、前記密集領域にて行うことを特徴とする。
上記構成によれば、前記導電パターンの密集領域に液状樹脂が注入されると、液状樹脂が導電パターンに引き寄せられ互いに合流して導電パターンにおける前記電極との接合部まで容易に浸透して封止することができる。
仮に、導電パターンが存在しないか、ほとんど存在しない領域だけに液状合成樹脂が注入されると、注入された場所に液状合成樹脂が溜まり易くなり、内方に浸透しにくく、よって前記接合部までモールド材が浸透せず、前記接合部をモールドすることが出来なくなってしまうことに対し、上記本発明にいれば、上記接合部まで容易にモールド材が浸透して封止出来る効果は顕著である。
また、本発明のセンサーモジュールの製造方法は、前記回路基板に形成された前記開口部は、ほぼ四辺形に形成されており、前記導電パターンは前記四辺形の辺に形成されているが前記四辺形のコーナー付近には形成されていないものであり、前記電極接合モールド部形成工程における前記合成樹脂のモールド材の注入は、前記導電パターンが形成された前記辺のみにおいて行うことを特徴とすることを特徴とする。
前記四辺形のコーナー付近は非密集領域となるので、この非密集領域に液状合成樹脂が注入されると、液状合成樹脂が導電パターンに沿って流れることが出来ず、従って、コーナー付近だけで硬化されてしまうことになる。
これに対して、上記構成によれば、前記四辺形の辺は導電パターン密集領域となるので上記のように液状合成樹脂が接合部まで容易に浸透するとともに、上記辺は直線もしくはなだらかな曲線で構成されているので隣接した導電パターンにも液状合成樹脂は伝わって流れやすくなり、よって上記辺に配置された導電パターンの上記接合部は全てモールドされることになる。
また、本発明のセンサーモジュールの製造方法は、前記電極接合モールド部形成工程で注入される前記液状の合成樹脂のモールド材の粘度は、前記側方外周モールド部形成工程で注入される前記液状の合成樹脂のモールド材の粘度より低いことを特徴とすることを特徴とする。
上記構成によれば、前記電極接合モールド部形成工程で注入される前記液状の合成樹脂のモールド材の粘度が低いので、狭い間隔の内方の前記接合部までモールド材が進入しやすくなり、前記電極接合部を確実に封止することができる。
さらに、本発明のセンサーモジュールの製造方法は、前記電極接合モールド部形成工程及び前記側方外周モールド部形成工程の少なくとも一方は、加熱しながら前記液状の合成樹脂のモールド材を注入することを特徴とする。
上記構成によれば、加熱しながら前記液状の合成樹脂のモールド材を注入するので、硬化が促進され、モールド工程の削減が図られる。なお上記加熱は、どちらか一方のみでもよく、両者とも加熱しても良い。
また、本発明のセンサーモジュールの製造方法は、前記液状の合成樹脂のモールド材の注入は、注射針タイプの注入器により行い、その際、前記注入器における注入部の口径は、前記側方外周モールド部形成工程より前記電極接合モールド部形成工程の場合の方が細いことを特徴とする。
上記構成によれば、前記電極接合モールド部形成工程での前記注入器における注入部の口径が小さいことから、狭い間隔の内方にある前記電極接合部に注入する適量をコントロールしやすくなる。逆に、前記側方外周モールド部は、注入量にこだわることがないので、口径を大きくして注入部からの注入量を多くして作業性を向上することができる。
また、本発明のセンサーモジュールの製造方法は、前記電極接合モールド部形成工程における前記液状の合成樹脂のモールド材を注入後に硬化させ、しかる後に前記側方外周モールド部形成工程における前記液状の合成樹脂のモールド材が注入され硬化されることを特徴とする。
上記構成によれば、まず前記電極接合モールド部形成工程における前記液状の合成樹脂のモールド材を注入後に硬化させ、電極接合モールド部を確実にモールドしている。その後に、前記側方外周モールド部形成工程における前記液状の合成樹脂のモールド材が注入し硬化させているので、後者の注入や硬化処理の条件を独自で決定することが出来、前記側方外周モールド部を確実に早期に形成できる。
本発明のセンサーモジュールは、外表面に形成された複数の電極、及び前記電極の形成表面の近傍に形成され被検出物の被検出特性を非接触で検出できる複数のセンサー素子とを有するセンサーチップと、前記センサーチップの前記外表面と対向する表面に形成され前記センサーチップの前記電極と接合する導電パターン、及び前記導電パターンの形成領域より中央側であって前記センサー素子による検出可能領域を平面視でほぼオーバーラップする領域が貫通形成された開口部とを有する回路基板と、前記センサーチップの前記電極と前記回路基板の前記導電パターンとの接合部、及び前記センサーチップの側方外周部と前記回路基板の前記表面とを樹脂封止するモールド部とを備えた、センサーモジュールであって、前記モールド部は、前記センサーチップの前記電極と前記回路基板の前記導電パターンとの接合部を樹脂封止する電極接合モールド部と、前記電極接合モールド部の形成後に形成され前記電極接合モールド部の外方に配置されて前記センサーチップの側方外周部と前記回路基板の前記表面とを樹脂封止する側方外周モールド部とを備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、上記センサーモジュールの製造方法の場合と同様の作用効果を有する。
また、本発明のセンサーモジュールは、前記回路基板は、前記開口部の周囲に少なくとも複数個の前記導電パターンの間隔以上の長さを有する封止材流れ防止壁を設けていることを特徴とする。
上記構成によれば、上記封止材流れ防止壁により、液状合成樹脂が前記開口部内にはみ出すことをより確実に防止することができる。
さらに、本発明のセンサーモジュールは、前記封止材流れ防止壁は、前記開口部の全周に形成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、液状合成樹脂が前記開口部の全周にわたって、開口部内にはみ出すことを確実に防止することができる。
さらに、前記開口部の全周に前記封止材流れ防止壁が形成されていることにより、開口部周辺の強度を増し、回路基板が断面視で裏面側に変形することも防止できる。
また、本発明のセンサーモジュールは、前記封止材流れ防止壁は、前記導電パターンと同じ材質から形成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、前記封止材流れ防止壁と、前記導電パターンとを同時、あるいは同様の設備で形成でき、作業の効率化が図れる。
また、本発明のセンサーモジュールは、前記検出物は回路基板であり、前記被検出特性は前記回路基板に形成されている導電パターンが導通しているかを検出できる特性であることを特徴とする。
上記構成によれば、本発明のセンサーモジュールは、前記回路基板に形成されている導電パターンが導通しているかを検出できる検査装置に用いることが出来る。
また、本発明のセンサーモジュールは、前記被検出物は光学的対象物であり、前記被検出特性は光学特性であり、前記センサーチップはCCDであることを特徴とする。
上記構成によれば、本発明のセンサーモジュールは、例えば携帯電話のカメラモジュールなどに用いられるカメラモジュールのセンサーモジュールに用いられる。
本発明によれば、上記センサーモジュールの検査領域での封止用モールド部内での気泡の発生を防止し、センサーチップの下面側の回路基板に設けた開口部の縁の内方に上記モールド材がはみ出ることを防止しうるセンサーモジュールをもたらせ、被検出物の被検出特性を確実に容易に検出することにある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態は、被検出物が電子部品を実装して回路ブロックを構成するための回路基板であり、その被検出特性が前記回路基板に形成された複数の導電パターン(回路配線)の導通、断線等であって、それらの導通、断線を検出するためのセンサーモジュールに関するものである。
図1は、上記センサーモジュール1を用い、被検出用回路基板8上に形成された複数個の被検出用導電パターン9の断線や短絡等の導通品質を検査する検出システム全体を図示した被検出用導電パターン検出システム概要図である。上記被検出用回路基板8は、検査対象の回路基板で、電子部品が実装されるものである。
図2は、図1のセンサーモジュール1を拡大図示したもので、センサーモジュール1の中央部の断面図である。図3は、図2のウ−ウ位置から見たセンサーモジュール1の主要部の平面図である。
まず、上記被検出用導電パターン検出システムの概要を説明する。
センサーモジュール1は、集積回路(IC)であるセンサーチップ2と、このセンサーチップ2がフリップチップ実装されているセンサーモジュール用回路基板3と、センサーチップ2の下面側及び外周側に設けられ外界からの湿気もしくは光の進入及び汚れを防止するモールド部6とを備えている。
前記センサーモジュール用回路基板3は、ポリイミド樹脂からなるフレキシブル基板であり、その厚みは約12μmに形成されている。なお、前記センサーモジュール用回路基板3は、ポリイミド樹脂以外の材料でもよく、たとえばガラス繊維入りエポキシ樹脂でもよい。前記センサーモジュール用回路基板3の表面には、センサーチップ2の能動面に複数個形成されたセンサーチップ電極4と導通接合され厚み約9μmである銅箔からなるセンサーモジュール用導電パターン5が形成されている。この銅箔は、上表面が平滑に仕上げられており、ほぼ鏡面状態になっている。なお、センサーモジュール用導電パターン5は、上記銅箔以外の導電性金属箔ならばどのようなものでもよく、たとえばアルミニューム箔、銀箔でもよい。
上記センサーチップ2は、MOSFET等半導体素子のセンサー素子がマトリックス状に細かく多数個配置され、このセンサー素子に内部配線により導通している上記センサーチップ電極4は金にて形成され、この金のセンサーチップ電極4が上記センサーモジュール用導電パターン5に融着もしくわ導電物質で接合されている。
被検出用回路基板8は、電子部品を実装して回路ブロックを構成するためのポリイミド樹脂等からなるフレキシブルな回路基板であり、その上表面にはプリント配線された銅箔からなる複数個の被検出用導電パターン9を備えており、下裏面には各被検出用導電パターン9とスルーホール等で導通している銅箔の裏面端子13が設けられている。
なお、図1の10は、被検出用回路基板8を載置する載置台である。
検出用プローブ14は、検出対象範囲に存在する各被検出用導電パターン9に接続する各裏面端子13に接触されており、被検出用導電パターン9に検査信号を印加するものである。
セレクター15は、各被検出用導電パターン9のうちどの被検出用導電パターン9の断線や短絡を検査するかを選択するもので、後述する制御部16の選択指令により一つの被検出用導電パターン9を選択する。このセレクター15は、検査信号を印加しない各被検出用導電パターン9については接地レベルに接続する。
制御部16は、セレクター15にいずれの被検出用導電パターン9を検査するかを選択させる制御信号と共に、選択した被検出用導電パターン9に所定の検出信号(例えば電圧パルス、あるいは交流信号)を供給するものである。同時に、制御部16は、前記センサーモジュール用回路基板3の表面に形成された複数のセンサーモジュール用導電パターン5を介して、セレクター15に供給する制御信号に同期してセンサー素子を動作させるための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号)及び基準信号を供給する。
なお、センサーチップ2は、被検出用回路基板8の被検出用導電パターン9に対向する位置に非接触に配置されている。プローブ14から供給された検査信号に基づきセレクター15によって選択された被検出用導電パターン9上に生じた電位変化を前記センサー素子の電界検出により制御部16が判断し、制御部16が選択された被検出用導電パターン9の断線や短絡等の異常の有無を判定する。すなわち、検査信号が印加された被検出用導電パターン9から放射される電界パルスをセンサーチップ2のセンサー素子が受信し、例えば横1行のセンサー素子での受信状態を読み出せば読み出し行のどのセンサー素子が検査信号を印加された被検出用導電パターン9から放射された電界パルスなのかを検出でき、よって被検出用導電パターン9の上記短絡等の異常の有無を判断することができるものである。
センサーチップ2の下面と被検出用回路基板8の被検出用導電パターン9との間隔は、0.05mm以下が望ましいが、0.5mm以下であれば検出が可能である。
またセンサーチップ2の下面と前記被検出用導電パターン9との間には、図8の従来例のような気泡207が存在しないように、前記センサーモジュール用回路基板3には、センサーチップ2のセンサー素子が配置された平面領域に対向する部分に開口部11が設けられている。この開口部11は、プレス加工により切断形成されているが、腐食加工によって形成しても良い。その開口部11は、図3に図示されるように四辺形に開口されている。前記センサー素子により前記被検出用導電パターン9の正常又は異常を検出することができる範囲は、ほぼ上記四辺形の範囲内であり、α×βの範囲内である。
上記開口部11内には、図1のように保護シート12が挿入されている。
この保護シート12は、ポリイミド樹脂からなり、ほぼ開口部11より若干小さめの平面形状を有し、厚さは、前記センサーチップ2の下面(裏面)から前記センサーモジュール用回路基板3の下面(裏面)までの距離(約30μm)より若干厚く35μmに構成されている。従って、前記センサー素子により前記被検出用導電パターン9の正常又は異常を検出することができる上記範囲は、ほぼ開口部11の上記四辺形の範囲内であるが、概略的には上記保護シート12の四辺形の範囲内でもあり、概略α×βの範囲内である。
保護シート12の下面は、前記センサーモジュール用回路基板3の下面から下方に若干はみ出ることになる。上記保護シート12は、上面が前記センサーチップ2の下面に接触し(接着させても良い)、下面が被検出用回路基板8の被検出用導電パターン9に接触するように配置されている。
上記保護シート12の上面が前記センサーチップ2の下面に接触することにより、前記センサーチップ2の下面をサビや汚れ、変色、湿気から防衛できるものであり、また保護シート12の下面が下方に突出することにより、前記被検出用導電パターン9や被検出用回路基板8が前記センサーモジュール用回路基板3の裏面に接することを防止するので前記被検出用導電パターン9や被検出用回路基板8の損傷を避けることができる。
加えて、保護シート12が前記センサーチップ2の下面と接し、また前記被検出用導電パターン9に接するので、前記センサーチップ2の下面と前記被検出用導電パターン9との間には空気層が排除されるか空気が少なくなり、センサーチップ4の前記センサー素子による前記被検出用導電パターン9から放射される際の電界の検出が良好に行われやすい。
ここで、センサーチップ2の下面側及び外周側に設けられ外界からの湿気もしくは光の進入及び汚れを防止するモールド部6について、詳述する。
前述した様にこのこのモールド部6は、液状の合成樹脂が注入され硬化されたものである。このモールド部6は、センサーチップ2の下面における特にセンサーチップ電極4と上記センサーモジュール用導電パターン5との接合部を樹脂封止する電極接合モールド部61、及びこの電極接合モールド部61の外方に配置されておりセンサーチップ2の外周壁(側方外周部)とセンサーモジュール用回路基板3の上表面(外表面)とを樹脂封止する側方外周モールド部62とを有している。
上記モールド部6の製造は、次のようにして行う。
まず、電極接合モールド部61を形成し、しかる後に側方外周モールド部62を形成する。電極接合モールド部61及び側方外周モールド部62は、エポキシ樹脂である。但し、他の合成樹脂でも、あるいは合成ゴム等、他の封止材であってもかまわない。
上記電極接合モールド部61は、次の様に形成する。
まず、液状のエポキシ樹脂を注射器のような樹脂注入器内に入れ、その先端側の極細径に形成された注射針状の注入パイプの先端から上記樹脂を注入する。
上記エポキシ樹脂を注入する場所は、断面視方向では、センサーチップ2の外周壁側におけるセンサーチップ2の下面とセンサーモジュール用回路基板3の上面との隙間である。上記隙間に上記注射針状の注入パイプの先端を挿入、もしくは近づけて液状のエポキシ樹脂を注入する。
この上記エポキシ樹脂を注入する場所は、平面視方向では、センサーモジュール用回路基板3の前記開口部11周辺における前記センサーモジュール用導電パターン5が密集形成されている領域(導電パターン密集形成部)である。
前記センサーモジュール用導電パターン5が密集形成された領域について、詳述する。図4には、図3の開口部11の周辺部の一部が拡大図示されている。なお、図4のセンサーモジュール用導電パターン5は、一部を図示して、その全数の図示は省略した。
この図4において、前記センサーモジュール用導電パターン5が密集形成された領域は導電パターン密集形成部5aとして示されている。この導電パターン密集形成部5aは、図4のように四辺形の前記開口部1における各辺の外方部分である。この辺の外方には、前記センサーモジュール用導電パターン5がほぼ等間隔に配置されて密集配置されている。他方、四辺形の前記開口部11における各コーナー部11aは、前記センサーモジュール用導電パターン5が形成されていない領域である。
なお、前記導電パターン密集形成部5aは、上記に限定されるものではなく、前記開口部11の辺の外方であっても、前記センサーモジュール用導電パターン5がほぼ等間隔に複数個配置されていれば前記導電パターン密集形成部といえる。逆に前記開口部11の辺の外方であっても、前記センサーモジュール用導電パターン5が形成されていない領域や前記センサーモジュール用導電パターン5の形成密度が他の個所よりも低い密度個所(導電パターン密集形成部)ならば、前記導電パターン密集形成部5aに該当しない。なお、前記開口部11の平面形状が四辺形に限定されないものであり、例えば楕円形であっても、その楕円形の縁の外方において、複数個のセンサーモジュール用導電パターン5がほぼ等間隔であって密集して形成されていれば前記導電パターン密集形成部に相当し、前記センサーモジュール用導電パターン5が形成されていない領域や前記センサーモジュール用導電パターン5の形成密度が他の個所よりも低い密度個所である導電パターン非密集形成部)ならば、前記導電パターン密集形成部5aに該当しない。
また、上記センサーモジュール用導電パターン5が密集形成された個所は、図4に図示されるように、センサーモジュール用導電パターン5の内方先端5bにおいて、この内方先端5bの幅である内方先端幅Dと、その内方先端5bと隣接の内方先端5bとの間の空隙部の幅である空隙間隔Eとにおいて、空隙間隔Eが内方先端幅Dの2倍以下、好ましくは、1.5倍以下、よりこのましくは1倍以下に形成されていることが望ましい。例えば上記2倍以下とは、上記空隙間隔Eが上記内方先端5bの内方先端幅Dに比べて2倍以下の空隙を有して空いていることである。
なお、前記センサーモジュール用導電パターン5の内方先端5bは、図4に図示されるように、前記開口部11の縁11bから外方に所定距離を確保して配置されている。すなわち、前記内方先端5bと前記各辺の縁11bとの間には多少の隙間Cが存在している。この隙間Cは、後述するように、エポキシ樹脂が流れやすくするために重要である。
極細径に形成された注射針状の注入パイプの先端が、断面視方向においては上述のようにセンサーチップ2の外周壁側に近づけて配置され、平面視方向では、上述のように前記導電パターン密集形成部5aに向けて配置され、しかる後前記エポキシ樹脂が注入される。この注入は、作業者の手動でもよくあるいは注入動作量が設定された自動注入装置によってもよい。上記注射針状の注入パイプの先端を平面視方向での前記導電パターン密集形成部5aに向けて配置し注入する作業は、1回で済ませる場合と、複数箇所(例えば四辺形の各辺)で複数回行って注入する場合とがある。実際の場合では、後者の複数箇所で複数回行って注入する場合の方が多い。
この注入量には、注意を要する。注入量が少なすぎると、前記導電パターン密集形成部5aのセンサーチップ電極4と上記センサーモジュール用導電パターン5との接合部を樹脂封止することができない。また注入量が多すぎるとエポキシ樹脂が前記開口部11の縁11bの内側にはみ出してしまい、気泡の発生や検出領域まで封止材がはみ出すことによるセンサーチップ2のセンサー素子による前述の検出が妨げられてしまう。
従って、実験により定められた適量にこの注入量を管理する必要がある。この適量は、前記導電パターン密集形成部5aのセンサーチップ電極4と上記センサーモジュール用導電パターン5との接合部を樹脂封止することができる量であり、エポキシ樹脂が前記開口部11の縁11bの内側にはみ出してしまわない量である。また、前記センサーチップ2の外周側に多くはみ出ない量とすることの方が好ましい。以上のような注入には、注入量のほか、注入圧力も適宜調整するとより好ましい。
上記のように液状のエポキシ樹脂が注入されると、エポキシ樹脂は、平面視方向はでセンサーモジュール用導電パターン5と隣接するセンサーモジュール用導電パターン5との隙間、かつ断面視方向ではセンサーチップ2下面とセンサーモジュール用回路基板3上面および/又は前記センサーモジュール用導電パターン5上面との間の隙間を通って内方に浸透して行く。この浸透は、毛細管現象に基くものと考えられるが、更に、液状のエポキシ樹脂におけるセンサーモジュール用導電パターン5の銅箔との親近性(密着性)も寄与しているものと考えられる。
特に、センサーモジュール用導電パターン5の銅箔の上面は、鏡面状態のように平滑に仕上げられている場合は、上記親近性(密着性)はより良好になり、前記センサーモジュール用導電パターン5に液状エポキシ樹脂が集められやすくなり、内部に浸透しやすくなるものと考えられる。
また、上記センサーモジュール用導電パターン5が密集形成された個所は、図4に図示され前述されているように、センサーモジュール用導電パターン5の内方先端5bにおいて、前記空隙間隔Eが内方先端幅Dの2倍以下、好ましくは、1.5倍以下、より好ましくは1倍以下というように上記内方先端5bが密集して形成されているので、ある内方先端5bによって液状エポキシ樹脂が集められ、同時に隣接する内方先端5bによっても液状エポキシ樹脂が集められ、こうして両者の内方先端5bの間隙部には両者の液状エポキシ樹脂が合流することになり、この合流した液状エポキシ樹脂により内方まで浸透しやすくなっているものと考えられる。
また、この銅箔に液状エポキシ樹脂が集められやすいことから、上記センサーモジュール用導電パターン5の内方先端5bにおいて、センサーチップ2の前記電極4との接合個所を取り囲んで銅箔が存在する場合は、上記液状エポキシ樹脂が上記取り囲んだ銅箔部を伝わって浸透しやすくなり、上記電極4との接合個所の周囲を封止することがより容易となる。
更に、センサーモジュール用導電パターン5の内端側の前記内方先端5bと前記各辺の縁11bとの間には前述の隙間Cが存在していることにより、注入された液状エポキシ樹脂がこの隙間Cを通って隣接するセンサーモジュール用導電パターン5側にも流れやすくなり、こうして前記導電パターン密集形成部5a全域にエポキシ樹脂が浸透することになる。
このようにすると、導電パターン非形成部、もしくは導電パターン非密集形成部、例えば前記開口部11における前記コーナー部11aにも液状エポキシ樹脂が浸透することにもなり、図3の図示のように開口部11の全周に渡って電極接合モールド部62が形成されることになる。
なお、導電パターン非形成部、もしくは導電パターン非密集形成部、例えば前記開口部11における前記コーナー部11aに液状エポキシ樹脂が注入される場合は、前記センサーモジュール用導電パターン5が形成されていないため、あるいは前記センサーモジュール用導電パターン5がほとんど形成されていないため、エポキシ樹脂が銅箔に伝わって流れることがなく、前記導電パターン非形成部、もしくは導電パターン非密集形成部、特に上記コーナー部11aに留まってしまいやすく、前記導電パターン密集形成部5aに流れにくくなる。この状態でエポキシ樹脂が硬化すると、前記導電パターン密集形成部5aの樹脂封止ができなくなってしまうという問題を生じやすくなる。
また、図4に図示されているが、上記センサーモジュール用導電パターン5の内方先端5bにおけるセンサーチップ2の前記電極4との接合個所4aと前記開口部11の縁11bとの距離Aと、前記接合個所4aとセンサーチップ2の外端2aとの距離Bとの関係は、距離Bが距離Aに対して短いことが好ましい。それは、前記接合個所4aがセンサーチップ2の外端2aに近づくことになり、外方より注入される液状エポキシ樹脂が、前記接合個所4aまで浸透しやすくなるからであり、また前記開口部11が大きく確保できるのでセンサー素子による検出範囲(α×β)を広くすることができるからである。
なお、上記関係にこだわらず、必要によっては距離Bが距離Aに対して長く設定されても良いものである。
また、液状エポキシ樹脂を前記開口部11の平面視で内方から注入する場合は、前記距離Aが距離Bに対して短く設定されていることが好ましい。前記開口部11の内方から注入される液状エポキシ樹脂が早期に前記接合個所4aまで浸透しやすくなるからである。この場合も、必要によってはその逆に、前記距離Aが距離Bに対して長く設定されもよいものである。
上記の様に前記導電パターン密集形成部5a全域にエポキシ樹脂が注入され、前記センサーチップ電極4と上記センサーモジュール用導電パターン5との接合部がエポキシ樹脂により覆われると、硬化処理が施される。
この硬化処理は、大気中で150℃、30分間の加熱処理が施される。この温度は、±30℃程度変えてもよく、加熱時間も±10分程度可変しても良い。低温度の場合は長時間が必要とされ、高温度の場合は、短時間で良い。
以上により、上記電極接合モールド部61が形成される。
しかる後、側方外周モールド部62が形成される。
上記電極接合モールド部61の上記加熱処理が終了して、しばらく放置(放熱)し、電極接合モールド部61の温度低下後に側方外周モールド部62の形成作業を開始するようにしても良い。あるいは、上記電極接合モールド部61の上記加熱処理が終了直後に直ちに、すなわち電極接合モールド部61がほとんど温度低下が生じない内に側方外周モールド部62の形成作業を開始するようにしても良い。
この側方外周モールド部62は、次のように形成される。
上記電極接合モールド部61の場合と全く同じ液状のエポキシ樹脂を注射器のような樹脂注入器内に入れ、その先端側の細径に形成された注射針状の注入パイプの先端から上記樹脂を、今度もセンサーチップ2の外周壁側であってセンサーモジュール用回路基板3の上表面との隙間付近に近づけて液状のエポキシ樹脂を注入する。今度は、センサーチップ2の外周壁とセンサーモジュール用回路基板3の上表面とが封止されればよいだけなので、平面視でどこの場所でもよく、上記電極接合モールド部61の場合のように平面視での特定個所を目掛けて注入する必要はない。注入量も、上記電極接合モールド部61の場合に比較して多量に注入することができ、それだけ液状のエポキシ樹脂がセンサーチップ2の外周壁を伝わりやすくなる。但し、センサーチップ2の外周の複数箇所に上記エポキシ樹脂を注入すると、上記エポキシ樹脂がセンサーチップ2の外周壁を早期に確実に埋め尽くすことができる。
しかる後に、液状エポキシ樹脂を硬化する。この硬化処理は、上記電極接合モールド部61の場合と同様に行い、大気中で150℃、30分間の加熱処理が施される。この温度は、±30℃程度変えてもよく、加熱時間も±10分程度可変しても良い。低温度の場合は長時間が必要とされ、高温度の場合は、短時間で良い。
硬化処理は、上記電極接合モールド部61の場合と側方外周モールド部62の場合とにおいて、加熱雰囲気、加熱温度、加熱時間の少なくとも一つを変えるようにしてもよい。
なお、上記電極接合モールド部61の形成と、側方外周モールド部62の形成を別々に行っているのは、次の問題を解消するためである。
すなわち、どちらか一方だけの形成作業で上記電極接合モールド部61と側方外周モールド部62の形成を行おうとすると、一度に注入する封止材の注入量が多量となり、或いは注入圧力が高くなるので、上記開口部11の縁11bの内方に液状封止材がはみ出したり、気泡が生じたりする。すると、前記センサー素子により前記被検出用導電パターン9の正常又は異常を検出することができる範囲(図3ではα×βの範囲)内に上記はみ出しや気泡が存在することになって、上記センサー素子による検査時の前記被検出用導電パターン9から発生する電界を良好に検出することができなくなり、前記被検出用導電パターン9が正常なのか不良なのかの検出が損なわれることになる。
上記とは逆に、上記電極接合モールド部61と側方外周モールド部62の形成を行おうとして上記問題点を解消しようと封止材の注入量を少なくする場合には、センサーチップ2の外周壁とセンサーモジュール用回路基板3の上表面との隙間に封止材が行き渡らないことになる。この場合は、センサーチップ2の外周には、側方外周モールド部62が存在しない個所が生じるか、センサーチップ2の外周壁を封止材で埋め尽くせない場所が生じてしまい、センサーチップ2を湿気、外光や埃の進入を防止することが出来なくなる。従って、上記センサー素子による検査時の前記被検出用導電パターン9から発生する電界を良好に検出することができなくなり、前記被検出用導電パターン9が正常なのか不良なのかの検出が損なわれることになる。
そこで、本発明の実施形態1では、次のような作用効果をもたらす。
まず、上記電極接合モールド部61の形成と、側方外周モールド部62の形成を別々に行っているので、電極接合モールド部61の形成時と側方外周モールド部62の形成時の封止材注入量は少量で済む。そこで、電極接合モールド部61の形成時の液状エポキシ樹脂の注入時に上記開口部11の縁11bの内方に液状封止材がはみ出ることがなく、気泡が生じることを防止できる。
加えて、図12の場合には、注入される液状合成樹脂が高圧となることによる、センサーチップ電極204に接合されているセンサーモジュール用導電パターン205と隣接するセンサーモジュール用導電パターン205との間のセンサーモジュール用回路基板203が下方に変形し、その下面の被検出用回路基板208が密着できず、ゆがんだ状態で検出されることになるから、被検出用回路基板208の被検出用導電パターン209から放出される電界や磁界等をセンサーチップ202内の多数のセンサー素子が検出することが妨げられてしまう。
しかし、本実施形態では、注入される液状合成樹脂は低圧で済むので、図12のようにセンサーモジュール用回路基板203の下面の凹凸は生ずることは無く、従って被検出用回路基板208の被検出用導電パターン209から放出される電界や磁界等をセンサーチップ202内の多数のセンサー素子が確実に検出することができる。
更に、本実施形態では、上記側方外周モールド部62の形成時の液状エポキシ樹脂の注入量をそれぞれ最適量とすることが出来るので、センサーチップ2の外周壁を全周に渡って確実に埋め尽くすことができ、センサーチップ2を外光、湿気等の進入を防止し、従って、上記センサー素子による検査時に前記被検出用導電パターン9から発生する電界を良好に検出することができ、前記被検出用導電パターン9が正常なのか不良なのかの検出が確実に行われる。
〔変形例1〕
上記実施形態1では、電極接合モールド部61の形成時と、側方外周モールド部62の形成時において、注入用の液状封止材である液状エポキシ樹脂は同じ材料を使用している。従って、液状エポキシ樹脂の粘度も同様であった。変形例1は、上記液状封止材の粘度を変えるようにしたものである。
例えば、液状エポキシ樹脂を用いるが、電極接合モールド部61形成時における注入時の粘度を側方外周モールド部62の場合の粘度より低い材料を選択する。すると、断面間隔が狭く、細密な前記被検出用導電パターン9が密集している個所においても液状エポキシ樹脂は毛細管現象が促進されて浸透しやすくなり、前記センサーチップ電極4と上記センサーモジュール用導電パターン5との接合部を樹脂封止することが出来る。また液状エポキシ樹脂の表面張力が働くので、前記開口部11の縁11bから内側にはみ出ることもない。
上記電極接合モールド部61形成時における注入時の液状エポキシ樹脂の粘度は、例えば、5〜15Pa・sであり、上記側方外周モールド部62形成時における注入時の液状エポキシ樹脂の粘度は、例えば、6〜30Pa・sである。
上記とは逆に、上記電極接合モールド部61形成時における注入時の液状エポキシ樹脂の粘度を高く、例えば、6〜30Pa・sとし、上記側方外周モールド部62形成時における注入時の液状エポキシ樹脂の粘度を低く、例えば5〜15Pa・sとしても良い。
上記粘度は、センサーチップ2の寸法、前記被検出用導電パターン9の形成密度、センサーチップ2下面からセンサーモジュール用回路基板3の上表面までの隙間等、実際の条件により使い分けることが好ましい。
〔変形例2〕
上記実施形態1では、電極接合モールド部61の形成時と、側方外周モールド部62の形成時において、液状エポキシ樹脂の注入後に硬化工程を行っていた。
しかし、液状エポキシ樹脂の注入工程と硬化工程をほぼ同時に行っても良い。
すなわち、電極接合モールド部61の形成時において、液状エポキシ樹脂の注入工程は、大気中で150℃(±30℃)の加熱熱環境下で前述の液状エポキシ樹脂の注入を行う。するとエポキシ樹脂の硬化が迅速に行われる。従って、次の側方外周モールド部62の形成を早期に実施できる。
この側方外周モールド部62の形成時においても、液状エポキシ樹脂の注入工程は、大気中で150℃(±30℃)の加熱熱環境下で前述の液状エポキシ樹脂の注入を行う。すると早期に硬化工程が終了するので、全体の作業工程の短時間化が実現できる。
上記加熱環境は、ホットプレートを用い、上記温度に加熱した環境下で上記注入を行う。なお、加熱方法は、どのようであってもよい。
また、加熱下で上記の注入を行うことは、電極接合モールド部61の形成時と、側方外周モールド部62の形成時の両者において実施してもよく、一方だけであっても良い。
〔変形例3〕
また、電極接合モールド部61の形成時において、上記液状エポキシ樹脂の注入は、センサーチップ2の外周側から行っていたものである。すなわち、上記エポキシ樹脂を注入する場所は、センサーチップ2の外周壁側であってセンサーモジュール用回路基板3の上表面との隙間に上記注射針状の注入パイプの先端を挿入、もしくは近づけて液状のエポキシ樹脂を注入していたが、この場所に限定するものではない。
例えば、センサーモジュール用回路基板3の開口部11側から注入するようにしてもよい。すなわち、図2において、上記注射針状の注入パイプの先端を図2の下側から開口部11内部に挿入し、前記センサーチップ電極4と上記センサーモジュール用導電パターン5との接合部の周囲付近に液状エポキシ樹脂を注入する。
この場合は、上記注射針状の注入パイプの先端を、封止したい対象である前記センサーチップ電極4と上記センサーモジュール用導電パターン5との接合部に近づけることができるので、液状エポキシ樹脂が流れる距離が短くなり、より確実に上記接合部を封止することが出来る。
本変形例3において、側方外周モールド部62の形成時の上記液状エポキシ樹脂の注入は、前述と同様に前記センサーチップ電極4の外周側から注入するものである。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態は、第1実施形態と同様に、被検出物が電子部品を実装して回路ブロックを構成するための回路基板であり、その被検出特性が前記回路基板に形成された複数の導電パターン(回路配線)の導通、断線等であって、それらの導通、断線を検出するためのセンサーモジュールに関するものである。
第1実施形態は、図1に図示されているが前記センサーモジュール用回路基板3の開口部11内に保護シート12が挿入され、上記保護シート12の上面が前記センサーチップ2の下面に接触し、下面が被検出用回路基板8の被検出用導電パターン9に接触するように配置されていた。これに対して第2実施形態は、上記保護シート12を用いていないことにある。
図5は、本発明の第2実施形態における被検出用導電パターン検出システム概要図を示し、図1に対応する。
図5には上記保護シート12が削除されているが、それ以外は図1と同様に構成されている。
図2、図3、図4及び変形例1〜変形例3については、第2実施形態にも適用できる。
上記保護シート12が無いので、電極接合モールド部61の形成時における液状エポキシ樹脂の注入時に前述したセンサーモジュール用回路基板3が下方に変形することが生じないように、液状エポキシ樹脂の注入量や注入圧力をより注意する必要がある。
本発明の第2実施形態では、保護シート12が無いだけ部品数が削減されるものである。
〔第3実施形態〕
本発明の第3実施形態は、図6に記載されている。図6は、センサーモジュール用回路基板3の開口部11周辺の一部平面図が記載されているもので、図6に図示する以外は、第1実施形態と同様の構造、材質、製造方法を採用して構成されている。なお、図6のセンサーモジュール用導電パターン5は、一部を図示して、その全数の図示は省略した。
図6は、開口部11の縁11bの外方に、封止材流れ防止壁20がほぼリング状に設けられていることが特徴である。
上記封止材流れ防止壁20は、その外方のセンサーモジュール用導電パターン5の内方先端5bとの間には隙間Fが存在するように、前記開口部11の縁11b付近に形成されている。上記封止材流れ防止壁20は、センサーモジュール用導電パターン5と同材質で銅箔からなり、同じ厚みであるから、センサーモジュール用導電パターン5の形成と同時に形成されている。
なお、上記封止材流れ防止壁20は、必ずしも、センサーモジュール用導電パターン5と同じ材質、同じ厚みに形成することは必須ではなく、センサーモジュール用導電パターン5と異なった材質でも、厚さでもかまわない。またその厚さは、センサーチップ2の下面とセンサーモジュール用回路基板3の上表面との間隔以下ならば、いかなる厚さを有していても良い。
上記上記封止材流れ防止壁20は、前述した電極接合モールド部61の形成時において、上記液状エポキシ樹脂が注入された際に、液状液状エポキシ樹脂が開口部11の縁11bから内方にはみ出すことを確実に防止する防止壁の役割をなしている。
そこで、上記封止材流れ防止壁20の平面視形状は、上記上記液状エポキシ樹脂の上記ははみ出しが防止されるのであればどのようであっても良い。例えば、上記上記封止材流れ防止壁20の内周形状、または外周形状が、平面視形状が波型形状に形成されていてもよい。
〔変形例4〕
図7には、図6の変形例が示されている。なお、図7のセンサーモジュール用導電パターン5は、一部を図示して、その全数の図示は省略した。
図7は、封止材流れ防止壁20が、平面視で複数個に分断されている。各封止材流れ防止壁は、部分封止材流れ防止壁20a、20b、20c・・・により構成されている。どの部分封止材流れ防止壁20a、20b、20cも、少なくとも複数個のセンサーモジュール用導電パターン5に対向する長さと位置に形成されている。
20bは、2つのセンサーモジュール用導電パターン5に対向して配置されており、図7の左のセンサーモジュール用導電パターン5の左端から右のセンサーモジュール用導電パターン5の右端までを対向カバーするように配置されている。
20cは、開口部11のコーナー部に配置されており、やはり複数個のセンサーモジュール用導電パターン5を対向カバーするような長さと位置に形成されている。
図7の上記部分封止材流れ防止壁20a、20b、20c・・・によっても、前述した電極接合モールド部61の形成時において、上記液状エポキシ樹脂が注入された際に、液状液状エポキシ樹脂が開口部11の縁11bから内方にはみ出すことを確実に防止することができる。さらに20a、20b、20c・・・の間に間隙を設けた事により、気泡が内側に抜けるための通路にもなる。
〔第4実施形態〕
第4実施形態は、本発明のセンサーモジュールを撮像素子として適用したものである。
撮像素子は、ビデオカメラ、電子スチールカメラ、PCカメラ端末機、PDAなどの様々な電子機器中にイメージ認識のために設けられたデバイスである。この撮像素子は、カメラレンズを含む場合には、カメラレンズモジュールとも呼ばれる。
図8には、本発明のセンサーモジュールを撮像素子として適用したカメラレンズモジュールの主要部の断面図が示されている。
図8において、2はセンサーチップでCMOSイメージセンサーが構成されたメージセンサーチップである。このイメージセンサーチップには、画素数に対応する数のMOSトランジスタをマトリックス状に作り、外部から入力してきた光学画像44を各MOSトランジスタが検出し、外部の制御回路及び信号処理回路に出力して光学画像44を電子的に認識できるようにしている。
3は、第1実施形態と同様にセンサーモジュール用回路基板、4はセンサーチップ3の電極、5は前記センサーモジュール用回路基板3の上表面に配線された導電パターン、6はモールド部6である。
センサーモジュール用回路基板3には、開口部11が形成されて、外部からの光学画像44がセンサーチップ2の上記MOSトランジスタに直接的に届くように形成されている。
モールド部6は、第1実施形態と同様に前記電極接合モールド部61と、側方外周モールド部62とが形成されている。
以上の各部材は、第1実施形態と同じ構造、材質であり、その製造方法も第1実施形態と同様である。
上記のセンサーチップ2、センサーモジュール用回路基板3、モールド部6により撮像素子としてのセンサーモジュールが構成される。
上記第4実施形態のセンサーモジュールにおいても、第1実施形態から第3実施形態及び各変形例の実施内容は全て適用することができるものである。
41は赤外線フィルター、42はレンズ、43は赤外線フィルター41及びレンズ42を保持しセンサーモジュールのセンサーモジュール用回路基板3の下面に取り付けられているカメラレンズモジュールを構成する基枠である。
本発明は、回路基板に形成され実装される電子部品の導通を図る導電パターンの断線の有無を検出する等の検出器等に用いられるセンサーモジュール、またカメラ装置のイメージセンサー等のセンサーモジュール、その他の特性を検出するセンサーモジュールに適用できるものである。
本発明の第1実施形態における被検出用導電パターン検出システムの概要図。 図1のセンサーモジュールの拡大図。 図2のウ−ウ位置から見たセンサーモジュールの主要部の平面図。 図3の開口部11における周辺部の一部拡大図。 本発明の第2実施形態における被検出用導電パターン検出システムの概要図。 本発明の第3実施形態におけるセンサーモジュール用回路基板の開口部周辺の一部平面図。 本発明の第3実施形態の変形例におけるセンサーモジュール用回路基板の開口部周辺の一部平面図。 本発明の第4実施形態におけるセンサーモジュールを撮像素子として適用したカメラレンズモジュールの主要部の断面図。 従来の被検出用導電パターン検出システムの概要図。 従来の他の被検出用導電パターン検出システムの概要図。 図10のア−ア位置から見た主要部の平面図。 図12は、図9のイ−イ位置から見た主要部の断面図。
符号の説明
1:センサーモジュール、2:センサーチップ2、2a:センサーチップの外端、3:センサーモジュール用回路基板、4:センサーチップ電極、4a:接合個所、5:センサーモジュール用導電パターン、5a:導電パターン密集形成部、5b:センサーモジュール用導電パターンの内方先端、6:モールド部、8:被検出用回路基板、9:被検出用導電パターン、10:載置台、11:開口部、11a:開口部のコーナー部、11b:開口部の縁、12:保護シート、13銅箔の裏面端子:、14:検出用プローブ、15:セレクター、16:制御部、20:封止材流れ防止壁、20a:部分封止材流れ防止壁、20b:部分封止材流れ防止壁、20c:部分封止材流れ防止壁、41:赤外線フィルター、42:レンズ、43:カメラレンズモジュールの基枠、44:外部からの光学画像、61:電極接合モールド部、62:側方外周モールド部
A:距離、B:距離、C:隙間、D:内方先端幅、E:空隙間隔、F:隙間

Claims (14)

  1. 外表面に形成された複数の電極、及び前記電極の形成面の近傍に形成され被検出物の被検出特性を非接触で検出できる複数のセンサー素子とを有するセンサーチップと、前記センサーチップの前記外表面と対向する表面に形成された導電パターン、及び前記導電パターンの形成領域より中央側であって前記センサー素子による検出可能領域を平面視でほぼオーバーラップする領域が貫通形成された開口部とを有する回路基板と、を備えたセンサーモジュールの製造方法であって、
    前記センサーチップの前記電極と前記回路基板の前記導電パターンとを接合する電極接合工程と、
    前記電極接合工程の後、前記センサーチップの前記電極と前記回路基板の前記導電パターンとの接合部を樹脂封止して電極接合モールド部を形成する電極接合モールド部形成工程と、
    前記電極接合モールド部形成工程の後に、前記電極接合モールド部の外方にあって前記センサーチップの側方外周部と前記回路基板の前記表面とを樹脂封止して側方外周モールド部を形成する側方外周モールド部形成工程と、
    を備えていることを特徴とするセンサーモジュールの製造方法。
  2. 請求項1に記載のセンサーモジュールの製造方法において、前記電極接合モールド部形成工程における液状の合成樹脂のモールド材と前記側方外周モールド部形成工程における液状の合成樹脂のモールド材は、同一であることを特徴とするセンサーモジュールの製造方法。
  3. 請求項1乃至請求項2のいずれか1項に記載のセンサーモジュールの製造方法において、前記センサーチップの前記電極と前記回路基板の前記導電パターンとの接合部を含む前記導電パターンの先端部付近において、前記導電パターンと隣接する前記導電パターンとの間の間隙幅が前記導電パターンの幅に対し2倍以下となるように形成された導電パターン密集領域を構成し、前記電極接合モールド部形成工程における前記合成樹脂のモールド材の注入は、前記密集領域にて行うことを特徴とするセンサーモジュールの製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のセンサーモジュールの製造方法において、前記回路基板に形成された前記開口部は、ほぼ四辺形に形成されており、前記導電パターンは前記四辺形の辺に形成されているが前記四辺形のコーナー付近には形成されていないものであり、前記電極接合モールド部形成工程における前記合成樹脂のモールド材の注入は、前記導電パターンが形成された前記辺のみにおいて行うことを特徴とするセンサーモジュールの製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のセンサーモジュールの製造方法において、前記電極接合モールド部形成工程で注入される前記液状の合成樹脂のモールド材の粘度は、前記側方外周モールド部形成工程で注入される前記液状の合成樹脂のモールド材の粘度より低いことを特徴とするセンサーモジュールの製造方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のセンサーモジュールの製造方法において、前記電極接合モールド部形成工程及び前記側方外周モールド部形成工程の少なくとも一方は、加熱しながら前記液状の合成樹脂のモールド材を注入することを特徴とするセンサーモジュールの製造方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のセンサーモジュールの製造方法において、前記液状の合成樹脂のモールド材の注入は、注射針タイプの注入器により行い、その際、前記注入器における注入部の口径は、前記側方外周モールド部形成工程より前記電極接合モールド部形成工程の場合の方が細いことを特徴とするセンサーモジュールの製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のセンサーモジュールの製造方法において、前記電極接合モールド部形成工程における前記液状の合成樹脂のモールド材を注入後に硬化させ、しかる後に前記側方外周モールド部形成工程における前記液状の合成樹脂のモールド材が注入され硬化されることを特徴とするセンサーモジュールの製造方法。
  9. 外表面に形成された複数の電極、及び前記電極の形成表面の近傍に形成され被検出物の被検出特性を非接触で検出できる複数のセンサー素子とを有するセンサーチップと、
    前記センサーチップの前記外表面と対向する表面に形成され前記センサーチップの前記電極と接合する導電パターン、及び前記導電パターンの形成領域より中央側であって前記センサー素子による検出可能領域を平面視でほぼオーバーラップする領域が貫通形成された開口部とを有する回路基板と、
    前記センサーチップの前記電極と前記回路基板の前記導電パターンとの接合部、及び前記センサーチップの側方外周部と前記回路基板の前記表面とを樹脂封止するモールド部とを備えた、センサーモジュールであって、
    前記モールド部は、前記センサーチップの前記電極と前記回路基板の前記導電パターンとの接合部を樹脂封止する電極接合モールド部と、前記電極接合モールド部の形成後に形成され前記電極接合モールド部の外方に配置されて前記センサーチップの側方外周部と前記回路基板の前記表面とを樹脂封止する側方外周モールド部とを備えていることを特徴とするセンサーモジュール。
  10. 請求項9に記載のセンサーモジュールにおいて、前記回路基板は、前記開口部の周囲に少なくとも複数個の前記導電パターンの間隔以上の長さを有する封止材流れ防止壁を設けていることを特徴とするセンサーモジュール。
  11. 請求項10に記載のセンサーモジュールにおいて、前記封止材流れ防止壁は、前記開口部の全周に形成されていることを特徴とするセンサーモジュール。
  12. 請求項10乃至請求項11のいずれか1項に記載のセンサーモジュールにおいて、前記封止材流れ防止壁は、前記導電パターンと同じ材質から形成されていることを特徴とするセンサーモジュール。
  13. 請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載のセンサーモジュールにおいて、前記検出物は回路基板であり、前記被検出特性は前記回路基板に形成されている導電パターンが導通しているかを検出できる特性であることを特徴とするセンサーモジュール。
  14. 請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載のセンサーモジュールにおいて、前記被検出物は光学的対象物であり、前記被検出特性は光学特性であり、前記センサーチップはCCDであることを特徴とするセンサーモジュール。


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