JP2007131666A - ゴム架橋物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液状ゴムに配合剤を配合して混練し、脱泡した後、所望の形状に成形して架橋硬化させるゴム架橋物の製造方法において、上記配合剤の一としてオレフィン系粉末ワックス又はPTFE/ポリエチレンアロイ粉末ワックスを配合し、遊星式混合装置を用いて上記混練操作を行うことを特徴とするゴム架橋物の製造方法を提供する。
【効果】低硬度で圧縮永久歪みが小さく、しかも滑り性及び表面平滑性に優れ、電子写真装置に用いられる成層ブレードなどとして好適に使用されるゴム架橋物を効率よく製造することができる。
【選択図】なし
【効果】低硬度で圧縮永久歪みが小さく、しかも滑り性及び表面平滑性に優れ、電子写真装置に用いられる成層ブレードなどとして好適に使用されるゴム架橋物を効率よく製造することができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、低硬度で圧縮永久歪みが小さく、しかも滑り性及び表面平滑性に優れ、例えば電子写真装置に用いられる成層ブレードとして好適に使用されるゴム架橋物を、効率よく確実に得ることができるゴム架橋物の製造方法に関する。
一般に、ゴム製品を製造する場合、まず、原料ゴムに補強剤、充填剤、軟化剤、老化防止剤などの配合剤を配合して混練することによりゴム組成物を調製し、次にこのゴム組成物に架橋(加硫)剤、架橋(加硫)促進剤などを添加して未架橋ゴム組成物を調製し、これを所望の形状に成形した後、架橋硬化を行うか、又は成形と同時に架橋硬化を行ってゴム架橋物を得る方法が採られている。
この場合、上記補強剤や充填剤などは粉末状であることが多く、原料ゴムとの混練時に飛散しやすい。そのため、短時間で混練を完了するにはこれら配合剤の飛散を防止するため密閉式混練機を使用する必要があり、バンバリーやニーダーなどの密閉式混練機を用いて混練作業が行われている(例えば、下記特許文献1,2参照)。
一方、得られるゴム製品の硬度を低減化(低硬度化)したり、製造時の加工性を改善する目的で原料ゴムに多量の液状ゴムを配合することも行われている(例えば、下記特許文献2参照)。このとき、原料ゴムに液状ゴムと他の配合剤を混練するため、これらの各材料を上記密閉式混練機に投入して混練することになるが、その場合には液状ゴムが密閉式混練機のローター表面に付着して他の配合剤が液状ゴム中に分散し難くなり、混練効率が低下するという問題がある。
そこで、この問題に対処するため、液状ゴムを少量ずつ密閉式混練機に投入して液状ゴム中へ分散させることにより、ローター表面への液状ゴムの付着を抑制する方法が採られているが、この方法は、混練に時間がかかりすぎて生産性を低下させることになり、その上、この方法でもローター表面への液状ゴムの付着量が徐々に増加して、混練操作を繰り返すうちに他の配合剤の分散が不十分になる場合が多々発生する。
ところで、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真装置では、露光により静電潜像を表面に保持した感光ドラムに、現像ローラ表面に担持したトナーを供給して静電潜像を可視化する現像操作を行い、現像されたトナー像を紙等の記録媒体に転写することが行われている。この場合、このような現像機構には、上記現像ローラ表面に担持されたトナーを所定の層厚に規制すると共に、必要に応じて該トナーを摩擦帯電させる成層ブレードが取り付けられている。この成層ブレードとしては、一般にSUS301、SUS304、ステンレス鋼等の金属を用いた金属ブレードが用いられているが、この金属ブレードによってトナーに大きな負荷がかかり、トナーがダメージ受けやすくなるという不都合がある。そこで、この成層ブレードの少なくとも表面を低硬度のゴム材料で形成することにより、トナーにダメージを与えることなく成層操作を行うことが考えられる。
しかしながら、トナーへの負荷を小さくするためにブレード表面を形成するゴム材料の硬度を低くすると該ゴム材料の圧縮永久歪みが大きくなって、耐久性の点で使用に耐えないものとなってしまい、また上述の生産性の問題もある。
更に、金属材料に比べて、ゴム材料は総じて摩擦係数が大きく、また表面平滑性にも劣るため、トナー層厚を規制する性能が低下しやすく、またスムーズな現像動作を妨げるおそれもある。
本発明は、低硬度で圧縮永久歪みが小さく、しかも滑り性及び表面平滑性に優れ、電子写真装置に用いられる成層ブレードなどとして好適に使用されるゴム架橋物を効率よく製造することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、ゴムに必要に応じた所望の配合剤を配合して混練し、所望の形状に成形して架橋硬化させることにより、ゴム架橋物を製造する場合に、上記混練操作を、遊星式混合装置、特に対象物を収容した容器が自転しながら公転して対象物を混練しながら脱泡する遊星式混合・脱泡装置を用いて行うことにより、ゴム原料として低分子量のポリブタジエンゴムやイソプレンゴムなどの液状ゴムを用いても、これら液状ゴムに架橋剤とその他の配合剤が十分かつ良好に分散し、気泡も非常に少ない良好な未架橋ゴム組成物を、液状ゴムの付着などによる不都合を生じることなく効率よく調整することができ、この未架橋ゴム組成物を成形し架橋硬化させることにより、低硬度で加工性に優れ、しかも低圧縮永久歪みの優れた性能を有するゴム架橋物を、性能のバラツキなく効率的に製造し得ることを見出した。更に、上記配合剤の一としてポリエチレン粉末ワックスなどのオレフィン系粉末ワックス、又はPTFE/ポリエチレンアロイ粉末ワックスを配合することにより、低硬度、低圧縮永久歪みの特性を大きく低下させることなく摩擦係数の低減化を図ることができると共に、良好な表面平滑性保持することができ、低硬度で圧縮永久歪みが小さく、しかも滑り性及び表面平滑性に優れ、電子写真装置に用いられる成層ブレードなどにも好適に用いられるゴム架橋物が得られることを見出し、本発明を完成したものである。
従って、本発明は、液状ゴムに配合剤を配合して混練し、脱泡した後、所望の形状に成形して架橋硬化させるゴム架橋物の製造方法において、上記配合剤の一としてオレフィン系粉末ワックス又はPTFE/ポリエチレンアロイ粉末ワックスを配合し、遊星式混合装置を用いて上記混練操作を行うことを特徴とするゴム架橋物の製造方法を提供する。
本発明のゴム架橋物の製造方法によれば、低硬度で圧縮永久歪みが小さく、しかも滑り性及び表面平滑性に優れ、電子写真装置に用いられる成層ブレードなどとして好適に使用されるゴム架橋物を効率よく製造することができる。
以下、本発明につき、更に詳しく説明する。
本発明は、上記のように、液状ゴムに配合剤を配合して混練し、脱泡した後、所望の形状に成形して架橋硬化させることにより、ゴム架橋物を製造するものである。
本発明は、上記のように、液状ゴムに配合剤を配合して混練し、脱泡した後、所望の形状に成形して架橋硬化させることにより、ゴム架橋物を製造するものである。
ゴム架橋物の主体となる上記液状ゴムとしては、常温で液状を示し、架橋することによって弾性を示すものであれば特に制限はなく、架橋物の用途等に応じて適宜選択し得、例えば液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、液状クロロプレンゴム、液状ブタジエン/イソプレン共重合ゴム、液状アクリロニトリルブタジエンゴム、液状エチレンプロピレンジエンゴム、液状エピクロルヒドリン系ゴムなどが例示される。これらの中でも本発明には液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴムが特に好ましく用いられる。また、これら液状ゴムの分子量は、常温で液状を示すものであればよく、特に制限されるものではないが、通常は数平均分子量2000〜50000、特に20000〜50000のものが特に好適である。
ここで、場合によっては2種以上の液状ゴムを混合して用いてもよい。また、必要に応じて液状ゴム100質量部に対して5〜20質量部程度の固形ゴムを配合することもできるが、本発明では、固形ゴムを一切配合することなく、原料ゴム成分としては液状ゴムのみを用いることが好ましく、これにより低硬度で圧縮永久歪みも小さく、更に表面の滑り性及び平滑性に優れるゴム架橋物をより確実に得ることができる。なお、固形ゴムを配合する場合の固形ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴムなどが挙げられる。
本発明では、この液状ゴムにオレフィン系粉末ワックス又はPTFE/ポリエチレンアロイ粉末ワックスを配合して、得られるゴム架橋物表面の摩擦係数を低下させる。上記オレフィン系粉末ワックスとしては、ポリエチレン粉末ワックス、ポリプロピレン粉末ワックス、ポリエチレン/ポリプロピレン混合粉末ワックス、、ポリエチレン/カルナバ混合粉末ワックス、パラフィン粉末ワックスなどが例示され、これらの1種又は2種以上を併用することができる。これらの中では、特に制限されるものではないが、特にポリエチレン粉末ワックスが好ましく用いられる。なお、勿論オレフィン系粉末ワックスとPTFE/ポリエチレンアロイ粉末ワックスとを併用することも可能である。
このオレフィン系粉末ワックス又はPTFE/ポリエチレンアロイ粉末ワックスの粒径は、レーザー回析散乱法による平均粒径で0.5〜50μm、特に1〜20μmであることが好ましく、50μmを超えると、ゴム架橋物表面にこれら粒子の凹凸が顕著に現れて表面平滑性を低下させる場合があり、一方0.5μm未満であるとこれら粒子の凝集が起こり易く、マトリックスゴム中への分散が困難となる場合がある。
これらオレフィン系粉末ワックス、及びPTFE/ポリエチレンアロイ粉末ワックスの配合量は、液状ゴムの種類、粉末ワックスの種類や平均粒径、粉末ワックスの粒形状などに応じて適宜設定され、特に制限されるものではないが、通常は液状ゴム100質量部に対して2〜25質量部、特に5〜20質量部とすることが好ましい。配合量が2質量部未満であると、得られるゴム架橋物表面の摩擦係数を十分に低減化することができない場合があり、一方25質量部を超えて配合すると得られるゴム架橋物の硬度が高くなってしまう場合がある。
本発明では、上記粉末ワックスの他にも必要に応じて適宜な配合剤を液状ゴムに配合することができる。例えば、上記液状ゴムを熱架橋により良好に架橋硬化させるために架橋剤を配合することができる。この場合、架橋剤としては、液状ゴムの種類や得られる架橋物の用途などに応じて、有機過酸化物、イオウ、有機イオウ化合物、金属酸化物などの公知の架橋剤を用いることができるが、特に有機過酸化物が好適に用いられる。具体的には、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン,2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル4,4−ジ(t−ブチルペルオキシ)バレレート、ジ(2−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのパーオキサイドが好適に用いられる。
なお、架橋方法は、上記架橋剤を用いた熱架橋に限定されるものではなく、例えば上記液状ゴムに光重合開始剤を配合して、紫外線線照射などにより架橋硬化させる方法を採用することもできる。この場合、光重合開始剤としては、例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノンジエチルケタール、アルコキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノンおよび3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジルおよびベンジルメチルケタール等のベンジル誘導体、ベンゾイン及びベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン誘導体、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、キサントン、チオキサントンおよびチオキサントン誘導体、フルオレン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(モルホリノフェニル)−ブタノン−1などを例示することができる。
上記液状ゴムに上記オレフィン系粉末ワックス又はPTFE/ポリエチレンアロイ粉末ワックス、及び上記架橋剤や光重合開始剤を添加し、混練して未架橋ゴム組成物を調製するが、この未架橋ゴム組成物には、更に必要に応じて充填剤、導電剤、架橋促進剤、補強剤、軟化剤、老化防止剤など、公知の配合剤を添加配合することができる。
上記充填剤としては、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウムなどが例示される。
導電剤としては、ケッチェンブラック,アセチレンブラックなどのガスブラック,インクブラックを含むオイルファーネスブラック,サーマルブラック,チャンネルブラック,ランプブラックなどカーボンブラックが好ましく用いられる。また、場合によってはイオン導電剤を用いることもでき、例えばテトラエチルアンモニウム,テトラブチルアンモニウム,ラウリルトリメチルアンモニウムなどのドデシルトリメチルアンモニウム,ステアリルトリメチルアンモニウムなどのオクタデシルトリメチルアンモニウム,ヘキサデシルトリメチルアンモニウム,ベンジルトリメチルアンモニウム,変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムなどの過塩素酸塩,塩素酸塩,塩酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,硫酸塩,アルキル硫酸塩,カルボン酸塩,スルホン酸塩などのアンモニウム塩;リチウム,ナトリウム,カルシウム,マグネシウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過塩素酸塩,塩素酸塩,塩酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,トリフルオロメチル硫酸塩,スルホン酸塩などを配合することも可能である。
また、架橋促進剤としては、エチレンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレートなどが例示され、軟化剤としては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステルなどが例示され、老化防止剤としては、フェノール系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、アミン系老化防止剤などが例示される。
本発明の製造方法は、まず、上記液状ゴムに上記オレフィン系粉末ワックス又はPTFE/ポリエチレンアロイ粉末ワックス、及び上記架橋剤、配合剤を配合して混練し、脱法して未架橋のゴム組成物を調製する。この場合、本発明では、上記混練操作をバンバリーミキサーやニーダーなどではなく、遊星式混合装置を用いて行うものである。用いる遊星式混合装置としては、パドル、撹拌アーム、撹拌羽根が自転しながら公転(遊星運動)する所謂プラネタリーミキサーなどの一般的な遊星式混合装置を用いることもできるが、本発明では、対象物を収容した容器が自転しながら公転して対象物を混練しながら脱泡する遊星式混合・脱泡装置が特に好ましく用いられる。このような遊星式混合・脱泡装置を用いることにより、液状ゴムの付着に関する不都合を生じることなく、上記配合剤を均一かつ効率的に液状ゴム中に分散することができ、かつ混練,混合操作と同時に脱泡を行うことにより気泡のほとんどない非常に高品質な未架橋ゴム組成物を効率的に得ることができる。なお、このような遊星式混合・脱泡装置としては、株式会社シンキー社製のAR−100,ARV−200,AR−250,AR−500,ARV−1000,ARV−300や倉敷紡績株式会社のマゼルスターKK−50S,KK−100,KK−300,KK−10000などの市販の装置を用いることができる。
なお、混合,混練の条件(撹拌速度、撹拌温度、撹拌時間など)については特に制限はなく、液状ゴム、配合剤の種類や配合剤の配合量などに応じて適宜設定すればよい。
上記混練操作により調製された未架橋のゴム組成物は、所望の形状に成形され架橋反応により硬化して目的のゴム架橋物とされる。この場合、このゴム組成物の成形には、特に制限されるものではないが、LIM成形機が好ましく用いられ、この場合射出成形と同時に架橋を行うこともできる。
本発明の製造方法により得られたゴム架橋物の用途は、特に制限はなく、上記成形操作によってその用途に応じた所望の形状に成形され、必要に応じて研磨や切削等の加工を施して、種々の用途に用いられる。この場合、本発明の製造方法によれば、分散配合された充填剤や導電剤などの配合剤の均一性が高く、かつ低硬度で圧縮永久歪みが小さく、更に表面の滑り性及び平滑性に優れたゴム架橋物が得られる。このような本発明の製造方法により得られたゴム架橋物の特性,性能が有効に発揮される用途としては、上述したプリンターや複写機などの電子写真装置に用いられる成層ブレードが挙げられるが、本発明の製造方法により得られたゴム架橋物の用途は成層ブレードに限定されるもではない。なお、成層ブレードは、本発明製造方法により得られたゴム架橋物でその全体を形成してもよく、また金属や合成樹脂製の芯材の表面に本発明製造方法により得られたゴム架橋物で表面層を形成してもよい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜11]
下記表1〜3に示した割合で液状ゴムに配合剤を配合し、遊星式混合・脱泡装置(株式会社シンキー社製のAR−250)を用いて下記条件で混練・脱泡して、未架橋の液状ゴム組成物を調製した。下記表1〜3中の配合は重量部である。
混練・脱泡条件
機器:遊星式混合・脱泡装置
自転速度:400rpm
公転速度:800rpm
混練・脱泡時間:5分
[実施例1〜11]
下記表1〜3に示した割合で液状ゴムに配合剤を配合し、遊星式混合・脱泡装置(株式会社シンキー社製のAR−250)を用いて下記条件で混練・脱泡して、未架橋の液状ゴム組成物を調製した。下記表1〜3中の配合は重量部である。
混練・脱泡条件
機器:遊星式混合・脱泡装置
自転速度:400rpm
公転速度:800rpm
混練・脱泡時間:5分
次いで、LIM成形機を使用し、得られた未架橋の液状ゴム組成物を、予め170℃にコントロールされた金型内に射出して120〜600秒間の熱架橋を行い、ゴム架橋物からなる成層ブレードを成形した。
[比較例1]
まず、ゴム架橋物を支持するためのSUS製平板の片面に接着用プライマーを塗工し、この支持板を予備加熱された成層ブレード用成形型内にセットした。次いで、GE東芝シリコーン(株)社製のシリコーンゴムのA液とB液とを混合比率1:1の割合で混合して直ちに上記型内に射出し、170℃×1分の条件で加熱硬化させ、成層ブレードを作成した。
まず、ゴム架橋物を支持するためのSUS製平板の片面に接着用プライマーを塗工し、この支持板を予備加熱された成層ブレード用成形型内にセットした。次いで、GE東芝シリコーン(株)社製のシリコーンゴムのA液とB液とを混合比率1:1の割合で混合して直ちに上記型内に射出し、170℃×1分の条件で加熱硬化させ、成層ブレードを作成した。
[比較例2,3]
下記表4に示した割合でゴム原料に配合剤を配合し、4枚羽根混合機を用いて下記条件で混練した後、50℃のオーブンに一昼夜静置して脱泡し、未架橋のゴム組成物を調製した。なお、下記表4中の配合は重量部である。
混練条件
機 器:4枚羽根混合機
羽根の撹拌速度:570rpm
混練時間:10分
下記表4に示した割合でゴム原料に配合剤を配合し、4枚羽根混合機を用いて下記条件で混練した後、50℃のオーブンに一昼夜静置して脱泡し、未架橋のゴム組成物を調製した。なお、下記表4中の配合は重量部である。
混練条件
機 器:4枚羽根混合機
羽根の撹拌速度:570rpm
混練時間:10分
次いで、LIM成形機を使用し、得られた未架橋の液状ゴム組成物を予め170℃にコントロールされた金型内に射出して、120〜160秒間加熱架橋させて、上記実施例1〜11と同様の形態を有する成層ブレードを成形した。
上記実施例1〜11及び比較例1〜4のゴム架橋物で形成された各成層ブレードにつき、以下の項目を評価した。結果を表1〜4に示す。
[JIS−A硬度]
JIS K6253に規定された加硫ゴム硬さ試験法に準拠して測定を行った。
[圧縮永久歪み]
JIS K6262に規定された加硫ゴム圧縮永久ひずみ試験方法に準拠して測定を行った。
[静摩擦係数]
ヘイドン式摩擦試験機を用い、垂直荷重100gで引張速度100mm/minにおけるウレタンゴムに対する静摩擦係数を求めた。
[ブレード表面の性状]
三次元マイクロスコープを用いてブレード表面を観察し、表面の性状を評価した。
[JIS−A硬度]
JIS K6253に規定された加硫ゴム硬さ試験法に準拠して測定を行った。
[圧縮永久歪み]
JIS K6262に規定された加硫ゴム圧縮永久ひずみ試験方法に準拠して測定を行った。
[静摩擦係数]
ヘイドン式摩擦試験機を用い、垂直荷重100gで引張速度100mm/minにおけるウレタンゴムに対する静摩擦係数を求めた。
[ブレード表面の性状]
三次元マイクロスコープを用いてブレード表面を観察し、表面の性状を評価した。
LIR−30:クラレ社製液 状イソプレンゴム
パーヘキサTMH:1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
S394−N1:シャムロック社製 高融点ポリエチレン微粉末(粒径5μm)
Fluoroslip 511:シャムロック社製 ポリエチレン/PTFEアロイ微粉末(粒径6μm)
UH−950:旭化成(株)社製 高分子量ポリエチレン(粒径約130μm)
LIR−30:クラレ社製液 状イソプレンゴム
パーヘキサTMH:1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
S394−N1:シャムロック社製 高融点ポリエチレン微粉末(粒径5μm)
Fluoroslip 511:シャムロック社製 ポリエチレン/PTFEアロイ微粉末(粒径6μm)
UH−950:旭化成(株)社製 高分子量ポリエチレン(粒径約130μm)
LIR−30:クラレ社製 液状イソプレンゴム
パーヘキサTMH:1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
S394−N1:シャムロック社製 高融点ポリエチレン微粉末(粒径5μm)
Fluoroslip 511:シャムロック社製 ポリエチレン/PTFEアロイ微粉末(粒径6μm)
UH−950:旭化成(株)社製 高分子量ポリエチレン(粒径約130μm)
IR2200:JSR社製イソプレンゴム
LIR30:クラレ社製 液状イソプレンゴム
#5500:東海カーボン社製導電用カーボンブラック
パーヘキサC−40:日本油脂社製1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンの40%希釈品
表1〜4の通り、本発明の製造方法によれば、低硬度で圧縮永久歪みが小さく、しかも表面の摩擦係数が小さく、かつ表面平滑性にも優れたゴム架橋物が、効率よく得られることが確認された。
Claims (10)
- 液状ゴムに配合剤を配合して混練し、脱泡した後、所望の形状に成形して架橋硬化させるゴム架橋物の製造方法において、上記配合剤の一としてオレフィン系粉末ワックス又はPTFE/ポリエチレンアロイ粉末ワックスを配合し、遊星式混合装置を用いて上記混練操作を行うことを特徴とするゴム架橋物の製造方法。
- 上記オレフィン系粉末ワックスとして、ポリエチレン粉末ワックスを配合した請求項1記載のゴム架橋物の製造方法。
- 上記オレフィン系粉末ワックス又はPTFE/ポリエチレンアロイ粉末ワックスの粒径がレーザー回析散乱法による平均粒径で0.5〜50μmである請求項1又は2記載のゴム架橋物の製造方法。
- 上記遊星式混合装置が、対象物を収容した容器が自転しながら公転して対象物を混練しながら脱泡する遊星式混合・脱泡装置である請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム架橋物の製造方法。
- 上記液状ゴムが、液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、液状ブタジエン/イソプレン共重合ゴム、又はこれらから選ばれた2種以上の混合ゴムである請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム架橋物の製造方法。
- 上記液状ゴムが数平均分子量2000〜50000のものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム架橋物。
- 架橋剤としてパーオキサイドを用いて熱架橋させる請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム架橋物の製造方法。
- 上記架橋剤が、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル4,4−ジ(t−ペルオキシ)バレレート、ジ(2−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンから選ばれた1種又は2種以上のパーオキサイドである請求項7記載のゴム架橋物の製造方法。
- 混練・脱泡した後、の未架橋ゴム組成物を、LIM成形機を用いて射出成形すると同時に架橋を行う請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴム架橋物の製造方法。
- 得られるゴム架橋物が、電子写真装置の現像ローラ表面に当接して該現像ローラ表面に担持されたトナーの層厚規制を行うと共に、必要に応じて該トナーを摩擦帯電させるための成層ブレードである請求項1〜9のいずれか1項に記載のゴム架橋物の製造方法。
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JP2005323456A Pending JP2007131666A (ja) | 2005-11-08 | 2005-11-08 | ゴム架橋物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007131666A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008175850A (ja) * | 2007-01-16 | 2008-07-31 | Fujikura Rubber Ltd | 現像ブレード |
WO2008156178A1 (ja) * | 2007-06-21 | 2008-12-24 | Kao Corporation | 形状記憶ゴム成形体、その製造方法及びその中間混練物 |
JP2010180370A (ja) * | 2009-02-09 | 2010-08-19 | Lintec Corp | 架橋ゴムの製造方法 |
-
2005
- 2005-11-08 JP JP2005323456A patent/JP2007131666A/ja active Pending
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JP2008175850A (ja) * | 2007-01-16 | 2008-07-31 | Fujikura Rubber Ltd | 現像ブレード |
WO2008156178A1 (ja) * | 2007-06-21 | 2008-12-24 | Kao Corporation | 形状記憶ゴム成形体、その製造方法及びその中間混練物 |
JP2010180370A (ja) * | 2009-02-09 | 2010-08-19 | Lintec Corp | 架橋ゴムの製造方法 |
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