JP2007130503A - 血液成分収納容器と該血液成分収納容器を連結した血液成分収納具 - Google Patents
血液成分収納容器と該血液成分収納容器を連結した血液成分収納具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007130503A JP2007130503A JP2007020478A JP2007020478A JP2007130503A JP 2007130503 A JP2007130503 A JP 2007130503A JP 2007020478 A JP2007020478 A JP 2007020478A JP 2007020478 A JP2007020478 A JP 2007020478A JP 2007130503 A JP2007130503 A JP 2007130503A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- container
- vinyl chloride
- blood
- chloride resin
- dup
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】少なくとも収納部が、開口度(Porosity)が10〜50cc/100gの塩化ビニル樹脂レジンの100重量部に対して70〜120重量部のフタル酸ジウンデシル(DUP)を配合した塩化ビニル樹脂のシートで形成され、かつ該シートの酸素透過性が9.0×10−10〜22.0×10−10cc・cm/cm2・sec・cmHg/22℃および二酸化炭素透過性が6.0×10−9〜19.0×10−9cc・cm/cm2・sec・cmHg/22℃であることを特徴とする全血および血液成分収納用容器。
【選択図】図1
Description
1.容器の製造
塩化ビニル樹脂100重量部レジンに対し、65、80および90重量部のDUPを配合した塩化ビニル樹脂製シートおよびポリオレフィンシートから、容量が200mlのバッグを作製した。なお、シートの膜厚は400マイクロメートルに統一した。塩化ビニル樹脂レジンとして、S−1004(商品名:鐘淵化学社製、重合度1400、開孔度28)を使用した。なお、本実施例を含めて本発明では、塩化ビニル樹脂の開孔度とは、水銀圧入法ポロティーメーター(米国AMINOCO社製、5−7118型)を使用して、絶対圧31psiから1011psiに高める間に樹脂100gに圧入される水銀の容量を言う。
2.血小板濃厚液(以下、PCと略す)の準備
アフェレーシス(成分採血)法により所定の濃度(8.0×105個/mm3)に調製された濃厚血小板(PC)を採取した。
3.PCの細胞分散性の評価
前記バッグにヒト由来の血小板6単位(含血小板数:1.2×1011個)を含むPC約150mlを分注した。そして各容器を水平振盪機に乗せ、22℃、60rpm/minにて5日間保存した。5日間保存後、各バッグの表面を観察した。
上記で作製した血小板保存容器のシートを使用して、気体透過性を測定した。これらのシートを境として酸素高圧部(2〜3kg/cm2)と酸素低圧部(真空)の状態をつくり、シートを透過して高圧部から低圧部に移行する酸素量を測定して酸素の透過性を測定した。二酸化炭素の透過性も同様な方法によって行った。なお、上記の気体透過性についてはガス透過率測定装置(GTR−10:柳本製)を使用した。
5.血小板の分散性評価それぞれの材料から成形した血小板保存容器内の血小板分散性を表1に示した。ポリオレフィン製容器に比較して、DUPを配合した塩化ビニル樹脂製容器の内壁への血小板の沈殿、付着は少ない。また、DUPを配合した容器の中ではDUPの配合量が増加するに従って、血小板の沈殿、付着が減少することが判る。この血小板の沈殿が少ない程、内容液の撹拌性が優れていることを示し、細胞保存した場合に沈殿、付着しない方が代謝、ガス交換等が効率的に行われるので、好ましい。その作用機構は不明であるが、恐らく可塑剤を配合したために容器の柔軟性が増加し、その結果振盪した際の撹拌性が改善されたためではないかと考えられる。
上記の血小板保存容器の気体透過性を表2に示す。この表より、ポリオレフィン製の容器や可塑剤としてDEHPを配合した塩化ビニル樹脂製の容器よりも、DUPを配合した塩化ビニル樹脂製の容器の方が気体透過性に優れており、さらにDUPを配合した塩化ビニル樹脂製の容器の中ではDUPの配合量が多いほど、気体透過性が優れていることが判る。
1.容器の成形
実施例1と同じように、DUPを配合した3種類の塩化ビニル樹脂製の血小板保存容器を作製した。また比較のため、前記容器と同じ塩化ビニル樹脂レジン100重量部に対して、可塑剤DEHP(ジ−2−エチルヘキシルフタレート)を50重量部配合して血小板保存容器を作製した。該容器はDUP添加血小板保存容器と比較して、シート膜厚及び容量は同一である。
2.PCの採取
実施例1と同じ方法によってPCを準備した。
血小板機能の評価は以下の各パラメーターによって行った。
a.血小板自動血球計数装置(Sysmex Model E−5000;東亜医用電子社製)を使用して行った。
b.血しょうpHpHメーター〔EA−920:(株)日科機〕を使用して行った。
c.低浸透圧ショック回復率細胞の脆弱性を表わし、その数値が大きい程、血小板膜が変性を受けていないことを示しより好ましい。その測定は血小板浮遊液を水で希釈し、低浸透圧状態に保持した際の細胞形態の維持性を測定したものであり、その測定には分光光度計(UV160A、
島津製作所製)を使用して行った。
d.コラーゲン凝集能〔Maximal aggregation〕
血小板の凝集能を表わし、その数値が大きい程血小板凝集能が残存していることを示しより好ましい。その測定はヘマトレーサー 1(NKK製)を使用し、血小板に凝集素のコラーゲンを添加して血小板の凝集能を測定することによって行った。
e.ラクトース濃度(g/l)
嫌気的条件下における細胞のグルコース消費を示し、酸素濃度が低いとラクトース濃度は増加する。その数値が大きい程好ましい。
(結果)
4.血小板機能性の評価表3に上記の各項目の評価結果を示した。この結果より血小板を長期保存する場合に、DUP配合の塩化ビニル樹脂製容器の方がDEHP配合の容器よりもダメージが少なく、血小板機能を良好に保持することが判る。
1.容器の成形
実施例1と同じように、DUPを配合した3種類の塩化ビニル樹脂製の容器を作製した。また比較のため、実施例1、2で作製したと同じようにポリオレフィン製の容器とDEHP配合塩化ビニル樹脂製の容器を作製した。
2.低温下での容器の柔軟性の測定
前記により作製した各容器に230mlの水を分注し、さらにその容器を4℃で5日間保存した後、触感を確認した。
3.凍結させた容器の破損試験前記によって作製した各容器に100mlの水を分注し、さらにその容器を−20℃で24hr保存し凍結させた後、高さ1mの所から落下させ、容器の破損を調べた。
(結果)
4.低温下での容器の柔軟性
表4に4℃で保存した場合の各容器の触感を示す。DEHPを配合した塩化ビニル樹脂製の容器に比較して、DUPを配合した塩化ビニル樹脂製の容器は柔軟性を保持していること、そしてDUP配合の塩化ビニル樹脂製容器はDUPの配合量によって柔軟性が保持され易くなることが判る。
表5に前記によって凍結させた容器を前記と同様に落下させ、破損した頻度を示す。DUP配合の塩化ビニル樹脂製容器はDEHP配合の塩化ビニル樹脂製容器に比較して破損しにくいことが判る。また、DUP配合の塩化ビニル樹脂製容器はDUPの配合量(80部以上)によって破袋防止の効果が向上することが判る。
1.容器の成形実施例2と同様に行った。
2.可塑剤の溶出量の測定実施例1と同じように準備した200mlのPCを各容器に分注した後、室温で120hr保存した。その後、容器内から1mlの血小板浮遊液を回収して、可塑剤の溶出量を測定した。
(結果)
3.可塑剤の溶出量表6に各容器から容器内液体への可塑剤の溶出量を示した。DEHP配合の塩化ビニル樹脂製容器に比較してDUP配合の塩化ビニル樹脂製容器は可塑剤の溶出量が少ないことが判る。
2 導入チューブ
3 血小板を輸注するための輸血口
4 血小板を輸注するための輸血口
5 排出チューブ
Claims (8)
- 少なくとも収納部が、開口度(Porosity)が10〜50cc/100gの塩化ビニル樹脂レジンの100重量部に対して70〜120重量部のフタル酸ジウンデシル(DUP)を配合した塩化ビニル樹脂のシートで形成され、かつ該シートの酸素透過性が9.0×10−10〜22.0×10−10cc・cm/cm2・sec・cmHg/22℃および二酸化炭素透過性が6.0×10−9〜19.0×10−9cc・cm/cm2・sec・cmHg/22℃であることを特徴とする血液成分(血小板を除く)収納用容器。
- 少なくとも収納部が、開口度(Porosity)が10〜50cc/100gの塩化ビニル樹脂レジンの100重量部に対して70〜120重量部のフタル酸ジウンデシル(DUP)を配合した塩化ビニル樹脂のシートで形成され、かつ該シートの酸素透過性が9.0×10-10〜22.0×10-10cc・cm/cm2・sec・cmHg/22℃および二酸化炭素透過性が6.0×10−9〜19.0×10−9cc・cm/cm2・sec・cmHg/22℃であることを特徴とする全血収納用容器。
- フタル酸ジウンデシル(DUP)の配合量が80〜90重量部で4℃以下の全血の収納用である請求項2記載の全血収納用容器。
- 血液成分が血しょうである請求項1記載の血液成分収納用容器。
- フタル酸ジウンデシル(DUP)の配合量が80〜90重量部である凍結血しょうの収納用である請求項4記載の血液成分収納用容器。
- 少なくとも収納部が、開口度(Porosity)が10〜50cc/100gの塩化ビニル樹脂レジンの100重量部に対して70〜120重量部のフタル酸ジウンデシル(DUP)を配合した塩化ビニル樹脂のシートで形成され、かつ該シートの酸素透過性が9.0×10−10〜22.0×10−10cc・cm/cm2・sec・cmHg/22℃および二酸化炭素透過性が6.0×10−9〜19.0×10−9cc・cm/cm2・sec・cmHg/22℃であることを特徴とする血小板の収納用容器と血液成分(血小板を除く)の収納用容器を導管によって連結したことを特徴とする血液成分収納具。
- 血液成分収納用容器が血しょうの収納用であることを特徴とする請求項6記載の血液成分収納具。
- 少なくとも収納部が、開口度(Porosity)が10〜50cc/100gの塩化ビニル樹脂レジンの100重量部に対して70〜120重量部のフタル酸ジウンデシル(DUP)を配合した塩化ビニル樹脂のシートで形成され、かつ該シートの酸素透過性が9.0×10-10〜22.0×10-10cc・cm/cm2・sec・cmHg/22℃および二酸化炭素透過性が6.0×10−9〜19.0×10−9cc・cm/cm2・sec・cmHg/22℃であることを特徴とする血小板の収納用容器と全血の収納用容器を導管によって連結したことを特徴とする血液成分収納具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007020478A JP4270285B2 (ja) | 1995-12-04 | 2007-01-31 | 血液成分収納容器と該血液成分収納容器を連結した血液成分収納具 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33999195 | 1995-12-04 | ||
JP2007020478A JP4270285B2 (ja) | 1995-12-04 | 2007-01-31 | 血液成分収納容器と該血液成分収納容器を連結した血液成分収納具 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31696796A Division JP3932586B2 (ja) | 1995-12-04 | 1996-11-13 | 血小板収納用容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007130503A true JP2007130503A (ja) | 2007-05-31 |
JP4270285B2 JP4270285B2 (ja) | 2009-05-27 |
Family
ID=38152594
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007020478A Expired - Lifetime JP4270285B2 (ja) | 1995-12-04 | 2007-01-31 | 血液成分収納容器と該血液成分収納容器を連結した血液成分収納具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4270285B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012125955A3 (en) * | 2011-03-16 | 2012-12-27 | Mayo Foundation For Medical Education And Research | Methods and materials for prolonging useful storage of red blood cell preparations and platelet preparations |
EP2723297A4 (en) * | 2011-06-22 | 2015-03-04 | Advanced Preservations Technologies Llc | SYSTEM, METHOD AND DEVICE FOR STORING BLOOD OR ITS INGREDIENTS IN A MEDIUM PRESSED MEDIUM |
WO2021231650A3 (en) * | 2020-05-13 | 2022-01-20 | Hemanext Inc. | Dehp-free blood storage and methods of use thereof |
-
2007
- 2007-01-31 JP JP2007020478A patent/JP4270285B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012125955A3 (en) * | 2011-03-16 | 2012-12-27 | Mayo Foundation For Medical Education And Research | Methods and materials for prolonging useful storage of red blood cell preparations and platelet preparations |
US9315775B2 (en) | 2011-03-16 | 2016-04-19 | Mayo Foundation For Medical Education And Research | Methods and materials for prolonging useful storage of red blood cell preparations and platelet preparations |
EP2723297A4 (en) * | 2011-06-22 | 2015-03-04 | Advanced Preservations Technologies Llc | SYSTEM, METHOD AND DEVICE FOR STORING BLOOD OR ITS INGREDIENTS IN A MEDIUM PRESSED MEDIUM |
WO2021231650A3 (en) * | 2020-05-13 | 2022-01-20 | Hemanext Inc. | Dehp-free blood storage and methods of use thereof |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4270285B2 (ja) | 2009-05-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5772960A (en) | Container for medical use | |
US4670013A (en) | Container for blood and blood components | |
US4280497A (en) | Container for platelet storage | |
US11957639B2 (en) | Medical containers with terephthalate plasticizer for storing red blood cell products | |
EP2731425B1 (en) | Red blood cell products and the storage of red blood cells in containers free of phthalate plasticizer | |
KR20220025114A (ko) | 적혈구 제품, 혈장 및 혈소판의 보관을 위한 비-dehp 가소제를 갖는 의료용 컨테이너 및 시스템 구성요소 | |
EP0537863B1 (en) | Use of a triglyceride compound as a hemolysis depressant | |
WO2011004390A2 (en) | A process for making non dehp pvc compounds suitable for the fabrication of containers for the storage of platelet concentrates and for making flexible devices and tubing for medical applications | |
JP4270285B2 (ja) | 血液成分収納容器と該血液成分収納容器を連結した血液成分収納具 | |
JP3932586B2 (ja) | 血小板収納用容器 | |
US20210205173A1 (en) | Blood Storage Containers Made of Polyvinyl Chloride and Mixed Plasticizers | |
AU2002306533B2 (en) | Container for biological fluid | |
JP2711736B2 (ja) | マルチプル血液バッグ | |
AU2004249194B2 (en) | Processing of platelet-containing biological fluids | |
EP0114372A2 (en) | Container for blood and blood components | |
JPS59501733A (ja) | 血小板貯蔵方法および容器 | |
JPH0362427B2 (ja) | ||
JP2024500767A (ja) | 保存された赤血球の溶血を抑制するための使い捨て流体回路および容器 | |
Farrugia | Platelet Concentrates for Transfusion—Metabolic and Storage Aspects | |
JP2019042390A (ja) | 血液成分の収納容器、シート、及び血液成分の収納容器の製造方法 | |
CA1231280A (en) | Multiple blood bag system | |
JPH10176089A (ja) | 医療用容器 | |
CA1250792A (en) | Multiple blood bag having plasticizer-free portions and a high blood component survival rate | |
JPS61257658A (ja) | 医療用具 | |
JPH01297072A (ja) | 医療用具 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080507 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080704 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090203 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090216 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130306 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130306 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140306 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |