JP2007129281A - 部屋 - Google Patents
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Abstract
【課題】音声出力装置の振動材の最低共振周波数より低い周波数の音声をより大きい音量で出力する。
【解決手段】振動子33−1乃至振動子33−6のそれぞれは、入力された音声信号に基づいて振動材32−1乃至振動材32−6のそれぞれを振動させる。振動材32−1乃至振動材32−6のそれぞれは、振動することにより、聴取空間11および共振空間12に音声を出力する。ダクト34は、振動材32−1乃至振動材32−6のそれぞれから共振空間12に出力された音声に応じてダクト34内の空気を共振させ、所定の周波数の音声を聴取空間11に出力する。本発明は、音声出力装置が設けられた部屋に適用できる。
【選択図】図1
【解決手段】振動子33−1乃至振動子33−6のそれぞれは、入力された音声信号に基づいて振動材32−1乃至振動材32−6のそれぞれを振動させる。振動材32−1乃至振動材32−6のそれぞれは、振動することにより、聴取空間11および共振空間12に音声を出力する。ダクト34は、振動材32−1乃至振動材32−6のそれぞれから共振空間12に出力された音声に応じてダクト34内の空気を共振させ、所定の周波数の音声を聴取空間11に出力する。本発明は、音声出力装置が設けられた部屋に適用できる。
【選択図】図1
Description
本発明は部屋に関し、特に、音声を出力する場合に用いて好適な部屋に関する。
板状の振動材を振動子により振動させることで音声を出力する音声出力装置(いわゆるフラットパネルスピーカ)が広く知られている。このような音声出力装置の利用例として、部屋の天井に振動材を設け、天井が音声出力装置を構成するようにしているものもある(例えば、特許文献1)。
部屋の天井に振動材を設けた場合、スピーカ自体を天井に固定する場合と比べて、部屋内にスピーカが突出することがないので外観を損ねにくく、また、振動材は軽量であるため天井への負担も少なくすることができる。
ところで、上述した技術においては、部屋の天井に設ける振動材の平面の広がり(大きさ)を大きくすると、振動材に撓みが生じるため天井の外観が損なわれてしまう。
しかしながら、部屋の外観を損なわないようにするために振動材の大きさを小さくすると、音声出力装置が出力する音声の低音(例えば、20乃至500Hz程度の音声)の音量を十分に大きくすることが困難であった。
より具体的には、音声出力装置の振動材の大きさを小さくすると、振動材の大きさや材質などによって定まる、振動材が共振する周波数である共振周波数のうち、最も低い共振周波数(以下、最低共振周波数と称する)が高くなってしまうので、振動材の最低共振周波数より低い周波数の音声を十分な音量で出力することが困難であった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、音声出力装置の最低共振周波数より低い周波数の音声をより大きい音量で出力することができるようにするものである。
本発明の一側面は、第1の仕切手段によって仕切られた第1の空間および第2の空間を含む部屋において、前記第1の仕切手段に設けられ、振動することで前記第1の空間および前記第2の空間に音声を出力する振動材と、前記振動材に装着され、入力された音声信号に基づいて、前記振動材を振動させる振動子と、前記第1の仕切手段に設けられ、前記振動材から前記第2の空間に出力された音声に応じて空気を共振させ、所定の周波数の音声を前記第1の空間に出力するダクトとを備える部屋である。
部屋には、前記振動子に入力される音声信号を所定の時間だけ遅延させる遅延処理手段をさらに設けることができる。
前記第1の仕切手段に複数の前記振動材を設け、前記遅延処理手段には、所定の振動材からより離れた位置に設けられた振動材に装着された振動子に入力される音声信号をより遅延させることができる。
部屋には、前記振動子に入力される音声信号の周波数特性を調整するフィルタ処理を行うフィルタ処理手段をさらに設けることができる。
前記フィルタ処理手段には、前記第1の空間内の所定の位置における、前記振動材が出力する音声の残響による影響を打ち消すように、前記振動子に入力される音声信号の周波数特性を調整させることができる。
部屋には、前記振動子に入力される音声信号のゲインを調整するゲイン調整処理手段をさらに設けることができる。
前記第1の仕切手段に複数の前記振動材を設け、前記ゲイン調整処理手段には、所定の振動材からより離れた位置に設けられた振動材に装着された振動子に入力される音声信号のゲインがより大きくなるように、前記振動子に入力される音声信号のゲインを調整させることができる。
前記第1の仕切手段を天井とし、前記第2の空間を前記部屋の天井裏の空間とすることができる。
前記第1の仕切手段を壁とし、前記第2の空間を前記部屋の壁の裏の空間とすることができる。
前記振動材を、平板の形状をした部材とし、前記平板の平面の法線を、前記部屋の床に対して所定の角度をなすように設けることができる。
前記振動材を、平板の形状をした部材とし、前記部屋には、前記振動材としての平板の平面の法線の方向を変化させるように、前記振動材を駆動させる駆動手段をさらに設けることができる。
前記第1の仕切手段に複数の前記ダクトを設け、前記部屋には、前記ダクトの開閉を行う開閉手段をさらに設けることができる。
部屋には、前記第2の空間を複数の第3の空間に仕切る第2の仕切手段をさらに設け、前記第1の仕切手段には、前記複数の第3の空間のそれぞれに音声を出力する複数の前記振動材のそれぞれと、前記複数の第3の空間のそれぞれに出力された音声に応じて前記第1の空間に音声を出力する複数の前記ダクトのそれぞれとを設けることができる。
本発明の一側面においては、第1の仕切手段によって仕切られた第1の空間および第2の空間を含む部屋に、前記第1の仕切手段に設けられ、振動することで前記第1の空間および前記第2の空間に音声を出力する振動材と、前記振動材に装着され、入力された音声信号に基づいて、前記振動材を振動させる振動子と、前記第1の仕切手段に設けられ、前記振動材から前記第2の空間に出力された音声に応じて空気を共振させ、所定の周波数の音声を前記第1の空間に出力するダクトとが設けられる。
本発明の一側面によれば、音声を出力することができる。特に、本発明の一側面によれば、最低共振周波数より低い周波数の音声をより大きい音量で出力することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の一側面は、第1の仕切手段(例えば、図1の天井13)によって仕切られた第1の空間(例えば、図1の聴取空間11)および第2の空間(例えば、図1の共振空間12)を含む部屋(例えば、図1の部屋1)において、前記第1の仕切手段に設けられ、振動することで前記第1の空間および前記第2の空間に音声を出力する振動材(例えば、図1の振動材32−1乃至振動材32−6)と、前記振動材に装着され、入力された音声信号に基づいて、前記振動材を振動させる振動子(例えば、図1の振動子33−1乃至振動子33−6)と、前記第1の仕切手段に設けられ、前記振動材から前記第2の空間に出力された音声に応じて空気を共振させ、所定の周波数の音声を前記第1の空間に出力するダクト(例えば、図1のダクト34)とを備える部屋である。
部屋には、前記振動子に入力される音声信号を所定の時間だけ遅延させる遅延処理手段(例えば、図2のディレイ処理部122)をさらに設けることができる。
前記第1の仕切手段に複数の前記振動材(例えば、図1の振動材32−1乃至振動材32−6)を設け、前記遅延処理手段(例えば、図8のステップS12の処理を実行するディレイ処理部122)には、所定の振動材からより離れた位置に設けられた振動材に装着された振動子に入力される音声信号をより遅延させることができる。
部屋には、前記振動子に入力される音声信号の周波数特性を調整するフィルタ処理を行うフィルタ処理手段(例えば、図2のフィルタ処理部123)をさらに設けることができる。
前記フィルタ処理手段(例えば、図8のステップS13の処理を実行するフィルタ処理部123)には、前記第1の空間内の所定の位置における、前記振動材が出力する音声の残響による影響を打ち消すように、前記振動子に入力される音声信号の周波数特性を調整させることができる。
前記振動子に入力される音声信号のゲインを調整するゲイン調整処理手段(例えば、図2のゲイン調整部124)をさらに設けることができる。
前記第1の仕切手段に複数の前記振動材を設け、前記ゲイン調整処理手段(例えば、図8のステップS14の処理を実行するゲイン調整部124)には、所定の振動材からより離れた位置に設けられた振動材に装着された振動子に入力される音声信号のゲインがより大きくなるように、前記振動子に入力される音声信号のゲインを調整させることができる。
前記振動材(例えば、図9の振動材282−1乃至振動材282−6)を、平板の形状をした部材とし、前記平板の平面の法線を、前記部屋の床に対して所定の角度をなすように設けることができる。
部屋には、前記第2の空間を複数の第3の空間(例えば、図11の共振空間372および共振空間373)に仕切る第2の仕切手段(例えば、図11の仕切り381)をさらに設け、前記第1の仕切手段には、前記複数の第3の空間のそれぞれに音声を出力する複数の前記振動材のそれぞれ(例えば、図11の振動材383−1乃至振動材383−4)と、前記複数の第3の空間のそれぞれに出力された音声に応じて前記第1の空間に音声を出力する複数の前記ダクトのそれぞれ(例えば、図11のダクト385−1およびダクト385−2)とを設けることができる。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について説明する。
図1は本発明を適用した部屋の一実施の形態の構成例を示す図である。
部屋1は直方体形状の空間を構成しており、その空間が天井13によって上下に仕切られることにより、下側の空間である聴取空間11と上側の空間である共振空間12とが形成されている。
聴取空間11は、例えば、いわゆる居室となる空間であり、図1では聴取者35が座っている。聴取者35は、天井13(振動材32−1乃至振動材32−6およびダクト34)から出力される音声(人の音声、楽曲その他の音を含む)を聴取する。また、共振空間12は、天井13の図中、上側に設けられた天井裏の空間であり、天井13(振動材32−1乃至振動材32−6)から出力された音声に基づいてダクト34内の空気を共振させるために設けられた空間である。例えば、聴取空間11は、12畳程度の広さの空間とされ、共振空間12の図中、縦方向の高さは1m程度とされる。
ここで、聴取者35が向いている方向(図1の向かって左方向)を正面とすると、図1は部屋1を、その右側面から見た断面図である。
天井13は、天井支持材31、複数(図1では6個)の振動材32―1乃至振動材32−6、および、振動子33−1乃至振動子33−6、並びにダクト34を含み、音声を聴取者35のいる聴取空間11に出力する。
天井支持材31は、例えば、鉄、アルミニウムなどの金属により形成される格子状のフレームであり、部屋1の壁に固定されている。天井支持材31には、天井13を構成する振動材32−1乃至振動材32−6、およびダクト34を固定することができるようになされている。
振動材32−1乃至振動材32−6のそれぞれは、例えば、石膏ボード、MDF(Medium Density Fiberboard)などの木材、アルミプレート、カーボン、若しくはアクリルなどの樹脂、またはガラスなどの素材から形成された板形状の部材で、振動することにより音声を出力する。
ここで、振動材32−1乃至振動材32−6の平面(図1の下側から見た振動材32−1乃至振動材32−6の面)の形状は、例えば、矩形になっている。ただし、振動材32−1乃至振動材32−6の平面の形状は、矩形に限定されるものではなく、円形その他の形状であってもよい。
振動材32−1乃至振動材32−6のそれぞれは、部屋1に設けられた、フラットパネルスピーカなどの音声出力装置(図1には図示せず)を構成し、図中、同一平面上に横方向に並べられて天井支持材31に(振動可能なように)固定されている。また、振動材32−1乃至振動材32−6のそれぞれの図中、上側には、音声出力装置を構成する振動子33−1乃至振動子33−6のそれぞれが装着されている。
振動子33−1乃至振動子33−6のそれぞれには、接続線を介して音声信号が入力される。振動子33−1乃至振動子33−6のそれぞれは、入力された音声信号に基づいて、振動材32−1乃至振動材32―6のそれぞれを振動させ、聴取空間11および共振空間12に音声を出力させる。
なお、以下、振動材32−1乃至振動材32−6のそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単に振動材32と称する。また、以下、振動子33−1乃至振動子33−6のそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単に振動子33と称する。
ダクト34は、振動材32から共振空間12に出力された音声に応じて空気を共振させ、所定の周波数の音声を聴取空間11に出力する。
図1では、ダクト34は、図中、横方向に平面の広がりを持つパネルと、そのパネルに、図中上方向に突出するように設けられた円筒形のパイプとから構成されている。また、天井13に設けられた空調用の穴などを、音声を出力するダクト34として用いるようにしてもよい。
振動子33に音声信号が入力され、振動子33が入力された音声信号に基づいて振動材32を振動させると、振動材32から聴取空間11および共振空間12には、音声が出力される。振動材32から共振空間12に音声が出力されると、その出力された音声に応じて、ダクト34のパイプ内の空気が共振して、パイプ(ダクト34)から聴取空間11には、所定の周波数(共振周波数)の音声が出力される。このとき共振空間12(を囲む部屋1の壁)は、位相反転型(バスリフレックス型)のエンクロージャとして作用する。
したがって、振動子33に音声信号が入力されて振動材32が振動すると、聴取者35は、振動材32から聴取空間11に直接に出力された音声およびダクト34から聴取空間11に出力された音声を合わせて聴取することになる。
振動材32から出力された音声に応じてダクト34から出力される音声の周波数は、共振空間12の図中、縦方向および横方向の大きさ(共振空間12の容積)、ダクト34のパイプの大きさ(容積)などから定まる。そこで、ダクト34から出力される音声の周波数(帯域)が、振動材32の最低共振周波数よりも低い周波数となるように、共振空間12、およびダクト34のパイプの大きさを設計することによって、天井13から聴取空間11により広い周波数帯域の音声を出力することができる。ここで、最低共振周波数とは、振動材32が共振する周波数である共振周波数のうち、最も低い共振周波数をいう。
このように、天井13にダクト34を設けて、天井裏の空間(共振空間12)を利用することによって、ダクト34から振動材32の最低共振周波数よりも低い周波数の音声を出力させることができる。これにより、振動材32の大きさ(振動材32の平面の面積)が小さく、振動材32の最低共振周波数が高くなってしまう場合においても、振動材32から出力される音声に、ダクト34から出力される、振動材32の最低共振周波数より低い周波数の音声を加えることができ、振動材32の最低共振周波数より低い周波数の音声を、より大きい音量で出力することができる。
また、天井13に、音声出力装置を構成する振動材32を設けることで、天井13にスピーカの筺体などの余計な突起物を設けることなく、音声出力装置を設置することができる。
図2は、図1の部屋1に設けられた音声出力装置の電気的な構成例を示すブロック図である。なお、図2において、図1における場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。また、図2では、音声出力装置101の振動子33−1乃至振動子33−6が装着される振動材32は、その図示が省略されている。
音声出力装置101は、制御部111、音声入力端子112−1乃至音声入力端子112−N、信号処理部113、および振動子33−1乃至振動子33−6などから構成される。
制御部111は信号処理部113に制御信号を供給することにより、信号処理部113を制御する。
音声入力端子112−1乃至音声入力端子112−Nのそれぞれには、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)などから音声を再生する再生装置やマイクロホンなどが接続される。音声入力端子112−1乃至音声入力端子112−Nのそれぞれは、接続された再生装置、マイクロホンなどから入力された音声信号を信号処理部113に供給する。
例えば、音声入力端子112−1乃至音声入力端子112−Nのそれぞれには、ステレオ音声信号、または、5.1チャンネルサラウンドの左フロントチャンネル、右フロントチャンネル、若しくはセンターチャンネルなどの音声信号が入力される。
なお、以下、音声入力端子112−1乃至音声入力端子112−Nのそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単に音声入力端子112と称する。
信号処理部113は、信号選択部121、ディレイ処理部122、フィルタ処理部123、およびゲイン調整部124から構成される。なお、信号処理部113は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)またはMPU(Micro Processing Unit)などで構成することができる。
信号選択部121は、制御部111からの制御信号に基づいて、音声入力端子112−1乃至112−Nのそれぞれから入力された音声信号を、ディレイ処理部122に供給する。信号選択部121は音声信号の供給先として、振動子33−1乃至振動子33−6のいずれかを選択し、選択された振動子に音声信号が供給されるように、ディレイ処理部122のディレイ処理部131−1乃至ディレイ処理部131−6のいずれかに音声信号を供給する。
ディレイ処理部122は、振動子33−1乃至振動子33−6と同一の数のディレイ処理部131−1乃至ディレイ処理部131−6(ディレイ処理部131−4およびディレイ処理部131−5は図示せず)から構成される。
ディレイ処理部131−1乃至ディレイ処理部131−6のそれぞれは、制御部111から供給される制御信号に基づいて、信号選択部121から供給される音声信号に対して、音声信号を所定の遅延量だけ遅延させる遅延処理を施し、フィルタ処理部123に供給する。
フィルタ処理部123は、振動子33−1乃至振動子33−6と同一の数のフィルタ処理部132−1乃至フィルタ処理部132−6(フィルタ処理部132−4およびフィルタ処理部132−5は図示せず)から構成される。
フィルタ処理部132−1乃至フィルタ処理部132−6のそれぞれは、制御部111から供給される制御信号に基づいて、ディレイ処理部131−1乃至ディレイ処理部131−6のそれぞれから供給された音声信号に対してフィルタ処理を施し、ゲイン調整部124に供給する。
ここで、フィルタ処理部132−1乃至フィルタ処理部132−6のそれぞれが行うフィルタ処理について説明する。例えば、フィルタ処理部132―1乃至フィルタ処理部132−6のそれぞれは、制御部111から供給された制御信号に基づいて、ディレイ処理部131−1乃至ディレイ処理部131−6のそれぞれから供給される音声信号に対して、FIR(Finite Impulse Response)フィルタやIIR(Infinite Impulse Response)フィルタなどのフィルタにより、所定の周波数帯域の音声信号を通過させたり、阻止したりするフィルタ処理を施す。
ゲイン調整部124は、振動子33−1乃至振動子33−6と同一の数のゲイン調整部133−1乃至ゲイン調整部133−6(ゲイン調整部133−4およびゲイン調整部133−5は図示せず)から構成される。
ゲイン調整部133−1乃至ゲイン調整部133−6のそれぞれは、制御部111から供給される制御信号に基づいて、フィルタ処理部132−1乃至フィルタ処理部132−6のそれぞれから供給される音声信号に対して、入力された音声信号に基づいてゲインを調整し、出力する音声信号のレベルの範囲を制限するゲイン調整処理を施す。
ゲイン調整部133−1乃至ゲイン調整部133−6のそれぞれは、ゲイン調整処理が施された音声信号を振動子33−1乃至振動子33−6(振動子33−4および振動子33−5は図示せず)のそれぞれに供給する。
以上のように構成される音声出力装置101においては、音声入力端子112−1乃至音声入力端子112―Nのそれぞれから、信号処理部113に音声信号が入力される。信号処理部113は、制御部111の制御の基に、入力された音声信号に対して所定の信号処理を施し、振動子33−1乃至振動子33−6のそれぞれに音声信号を出力する。そして、振動子33−1乃至振動子33−6のそれぞれは、信号処理部113からの音声信号に基づいて、装着されている振動材32―1乃至振動材32−6のそれぞれを振動させ、音声を出力させる。
なお、以下、ディレイ処理部131−1乃至ディレイ処理部131−6のそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単にディレイ処理部131と称する。また、以下、フィルタ処理部132−1乃至フィルタ処理部132−6のそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単にフィルタ処理部132と称する。
さらに、以下、ゲイン調整部133−1乃至ゲイン調整部133−6のそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単にゲイン調整部133と称する。さらに、また、上述した例においては、振動子33−1乃至振動子33−6のそれぞれに供給される音声信号に対して、ディレイ処理部122、フィルタ処理部123、およびゲイン処理部124のそれぞれが所定の処理を施すとして説明したが、すべての処理を施す必要はなく、例えば、音声信号に対して、ディレイ処理部122による遅延処理のみを施すようにしてもよい。
ところで、部屋1においては、図3に示すように、天井13におけるダクト34の位置、振動材32のそれぞれが出力する音声の音量、または振動子33のそれぞれに入力される音声信号に対して施される遅延処理の遅延量を変化させることによって、天井13(ダクト34および振動材32)から出力される音声の音像を所望する位置に定位させることができる。
ここで、音像とは、音源(例えば、ダクト34および振動材32)とは異なるものであり、聴取者35が感じる仮想的な音源をいう。
図3では、聴取者35は、図中、右側の位置におり、左側を向いて天井13から出力される音声を聴取している。また、部屋1では、図中、左上に位置する点線で示されたスピーカの位置に音像が定位している。すなわち、天井13から出力される音声の音像は、聴取者35から見て前方の斜め上方向の位置に定位している。
このように、天井13から出力される音声を、部屋1(聴取空間11)の図中、左上の位置に定位させるために、音声出力装置101(図2)においては、例えば、図4に示すように、出力する音声の音量および遅延量が制御される。
図4において、縦軸は、振動材32から出力される音声の音量(すなわち、音声信号の振幅)と、振動材32から出力される音声の遅延量とを示し、横軸は、振動材32の水平(横)方向の位置を示している。すなわち、横軸の数字32−1乃至32−6のそれぞれは、図3における振動材32−1乃至振動材32−6のそれぞれの位置を示している。
さらに、図中、曲線161は、各振動材32から出力される音声の音量を示しており、直線162は、各振動材32から出力される音声の遅延量を示している。
図4の曲線161に示すように、最も左側に配置された振動材32−6から最も右側に配置された振動材32−1に向かって、振動材32が出力する音声の音量が対数的に減少している。また、直線162に示すように、最も左側に配置された振動材32−6から最も右側に配置された振動材32−1に向かって、振動材32が出力する音声の遅延量が直線的に増加している。
まず、振動材32が出力する音声の音量を制御することにより、天井13(振動材32)から出力される音声の音像を所望する位置に定位させる方法について説明する。
複数の音源がある場合、人間が知覚する音像は、到達した音声の音量が最も大きい音源の方向に定位する。そこで、曲線161に示すように、振動材32−1乃至振動材32−6の順に出力する音声の音量が対数的に大きくなるようにすると、振動材32−6が出力する音声の音量が最も大きくなるため、音像を聴取者35から見て前方の斜め上方向に定位させることができる。
また、出力する音声の音量(音声の振幅)を対数的に大きくした場合、人間の聴覚には、音声の音量が直線的に大きくなるように知覚されることが知られている。そこで、振動材32−1乃至振動材32−6の順に、振動材32が出力する音声の音量が対数的に大きくなるようにすることによって、聴取者35に、振動材32−1乃至振動材32−6のそれぞれが出力する音声の音源が、図3の聴取者35の前方の斜め上方向にあるように知覚させることがより容易になる。
例えば、図3の右端の振動材32−1を基準として、その左隣の振動材32−2(が出力する音声)の音量を、振動材32−1(が出力する音声)の音量に対して倍にし、さらに右から3番目の振動材32−3の音量を2番目の振動材32−2の倍、すなわち、基準の振動材32−1に対して4倍にする。振動材32−2と同様に、振動材32−M(但し、2≦M≦6)の音量は、基準の振動材32−1に対して2の(M−1)乗倍にする。
このように、振動材32−1乃至振動材32−6のそれぞれの出力する音声の音量が、曲線161に示したように、対数的に変化するようにゲイン調整部133において、振動子33−1乃至振動子33−6のそれぞれに入力される音声信号のゲインを調整することによって、音像を聴取者35の前方の斜め上方向の位置に定位させることができる。
次に、振動材32が出力する音声の遅延量を制御することにより、天井13(振動材32)から出力する音声の音像を所望する位置に定位させる方法について説明する。
ハース効果として知られているように、複数の音源がある場合、人間が知覚する音像は、最初に到達した音声の音源の方向に定位する。そこで、例えば、図4の直線162に示すように、振動材32−1乃至振動材32−6の順に、音声の遅延量が段階的(直線的)に小さくなり、振動材32−6が出力する音声が最も早く聴取者35に到達するようにすることによって、音像を聴取者35の前方の斜め上方向の位置に定位させることができる。
このように、振動材32−1乃至振動材32−6のそれぞれの出力する音声の遅延量が、直線162に示したように、直線的に変化するようにディレイ処理部131において、振動子33−1乃至振動子33−6のそれぞれに入力される音声信号の遅延量を調整することによって、音像を聴取者35の前方の斜め上方向の位置に定位させることができる。
なお、音像を定位させるためには、音量および遅延量のうちのどちらか一方を変化させればよく、両方を同時に変化させることは必ずしも必要ではない。
また、上述したように、天井13上におけるダクト34の位置を変えることによっても、天井13(振動材32およびダクト34)が出力する音声の音像の位置を変化させることができる。
人間の聴覚は、低音(例えば、500Hz以下の音声)の音像を知覚しにくいという特性を持っているが、ダクト34から聴取空間11には、ダクト34のパイプ内の空気が共振されて出力される周波数の低い音声の他に、振動材32のそれぞれから出力され、共振空間12において反響された周波数の高い中高音(例えば、500Hz以上の音声)も出力される。
すなわち、ダクト34からは、低音だけでなく、音像を知覚しやすい中高音も出力されるので、天井13上におけるダクト34の位置を変えることで、天井13から出力される音像の位置を変化させることができる。
したがって、ダクト34を、聴取者35の前方の斜め上方向に設けることによって、図5に示すように、天井13(ダクト34および振動材32)から出力される音像を、聴取空間11の図中、左上の位置に定位させることができる。
したがって、例えば、図6に示すように、部屋181の天井191の図中、右側にダクト201を設けることにより、天井191から出力される音声の音像を、聴取空間11の図中、右上の位置に定位させることができる。
なお、図6において、図1における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は省略する。図6の部屋181は、図1の部屋1と同様に、直方体形状の空間を構成しており、その空間が天井191によって上下に仕切られることにより、下側の空間である聴取空間11と上側の空間である共振空間12とが形成されている。
天井191は、天井支持材31、複数(図6では6個)の振動材32−1乃至振動材32−6、および振動子33−1乃至振動子33−6、並びに1つのダクト201を含み、音声を聴取空間11に出力する。なお、図1に示した部屋1においては、ダクト34は、図1の天井13の図中、左側に設けられているが、図6に示した部屋181においては、ダクト201は、天井191の図中、右側に設けられている。
このように、必要に応じて天井に設けられるダクトの位置を変えることによって、天井から出力する音声の音像の位置を所望する位置に定位させることができる。
また、例えば、天井13(図1)にダクトを複数設けるようにしてもよい。さらに、天井13に複数のダクトを設けた場合、ダクトのそれぞれにダクトのパイプの穴を開閉する蓋のそれぞれを設け、それらの蓋をアクチュエータにより駆動させて、所望するダクトだけから聴取空間11に音声を出力させるようにすることができる。
このように、天井13に設けられた複数のダクト(のパイプの穴)を開閉することによって、天井13に設けられる見かけ上のダクトの位置(音声を出力するダクトの位置)を自在に変更させることができる。これにより、ダクトの位置を変更して音像の位置を変える場合に比べて、より簡単に、天井13から出力する音声の音像を所望する位置に定位させることができる。
以上のようにして、天井13(図1)上におけるダクト34の位置、振動材32が出力する音声の音量、または振動材32が出力する音声の遅延量の1つ以上を変化させることによって、天井13(ダクト34および振動材32)から出力される音声の音像を所望する位置に定位させることができる。
したがって、例えば、図1に示した部屋1の聴取空間11の図中、左側の壁にスクリーンが設けられ、聴取空間11のスクリーン側の壁に音声出力装置を設置することができない場合においても、ダクト34の位置、振動材32が出力する音声の音量、または振動材32が出力する音声の遅延量を変化させることによって、天井13(ダクト34および振動材32)から出力される音声の音像を聴取者35の前方の斜め上方向に定位させることができる。
さらに、部屋1の聴取空間11内の聴取者35が音声を聴取する聴取位置において、インパルス応答を測定し、測定されたインパルス応答に基づいて、振動材32から出力される音声の残響による影響を打ち消すようなフィルタ(逆フィルタ)を生成するようにしてもよい。このようにして生成されたフィルタを用いて、フィルタ処理部132(図2)においてフィルタ処理を行うことによって、振動材32から出力された音声の聴取位置における周波数特性をよりフラットに近いものとすることができる。
ここで、周波数特性がフラットであるとは、各周波数における音量(音声のレベル)が一定である音声の音声信号を、音声出力装置101に入力して再生させた場合に、聴取位置における音声の各周波数の音量が一定(同じ)である状態をいう。したがって、聴取位置における周波数特性がよりフラットな状態に近いほど、音声出力装置に入力された音声をより正確に再現することができる。
例えば、振動材32−1(図1)の聴取位置におけるインパルス応答を求める場合、振動子33−1にインパルス信号を入力することで振動材32−1から音声を出力し、聴取位置で音声を測定する。これにより、例えば、図7に示すような測定結果が得られる。
図7において、縦軸は音声のレベルを示し、横軸は周波数を示している。また、曲線231は測定により得られたインパルス応答の周波数特性を示している。
図7において、周波数軸(横軸)に平行な直線に対して、曲線231と線対称の関係になる曲線232で表される周波数特性のフィルタ(逆フィルタ)を求め、フィルタ処理部132−1において、その逆フィルタにより、音声信号をフィルタ処理することにより、聴取位置までの間の周波数特性は、直線233で示すようにフラットになる。
振動材32−1における場合と同様に、振動材32−2乃至振動材32−6についても、聴取位置におけるインパルス応答を測定して逆フィルタを求めておく。そして、フィルタ処理部132−2乃至フィルタ処理部132−6のそれぞれにおいて、逆フィルタを用いてフィルタ処理を行うことによって、振動材32から出力された音声の聴取位置における周波数特性(音声出力装置101から聴取位置までの間の周波数特性)をフラットなものとすることができる。その結果、聴取位置において、天井13から出力された音声を聴取する聴取者35は、音声出力装置101に入力された音声に近い、より自然な音声を聴取することができる。
次に、図8のフローチャートを参照して、図2の音声出力装置101による音声出力処理について説明する。
この音声出力処理は、音声入力端子112に音声信号が入力され、その音声信号が、信号選択部121に供給されると開始される。
ステップS11において、信号選択部121は、制御部111からの制御信号を基に、音声入力端子112から供給された音声信号の供給先として、ディレイ処理部131−1乃至ディレイ処理部131−6のうちのいずれかを選択する。信号選択部121は、音声入力端子112から供給された音声信号のそれぞれについて供給先を選択すると、音声信号の供給先として選択されたディレイ処理部131のそれぞれに音声信号を供給する。
ステップS12において、ディレイ処理部131は、制御部111からの制御信号を基に、信号選択部121から供給された音声信号に遅延処理を施し、遅延された音声信号をフィルタ処理部132に供給する。例えば、ディレイ処理部131−1乃至ディレイ処理部131−6のそれぞれは、図4の直線162に示したように、振動材32−1乃至振動材32−6の順に、音声の遅延量が段階的に小さくなるように、信号選択部121から供給された音声信号を遅延させる。
ステップS13において、フィルタ処理部132は、制御部111からの制御信号を基に、ディレイ処理部131から供給された音声信号にフィルタ処理を施し、フィルタ処理が施された音声信号をゲイン調整部133に供給する。例えば、フィルタ処理部132−1乃至フィルタ処理部132−6のそれぞれは、図7を参照して説明した逆フィルタを用いて、音声信号にフィルタ処理を施し、ゲイン調整部133−1乃至ゲイン調整部133−6のそれぞれに音声信号を供給する。
ステップS14において、ゲイン調整部133は、制御部111からの制御信号を基に、フィルタ処理部132から供給された音声信号にゲイン調整処理を施し、振動子33に音声信号を供給する。例えば、ゲイン調整部133−1乃至ゲイン調整部133−6のそれぞれは、図4の曲線161に示したように、振動材32−1乃至振動材32−6の順に出力する音声の音量が対数的に大きくなるように、音声信号にゲイン調整処理を施す。
ステップS15において、振動子33−1乃至振動子33−6のそれぞれは、ゲイン調整部133−1乃至ゲイン調整部133−6のそれぞれから供給された音声信号を基に、振動材32−1乃至振動材32−6のそれぞれを振動させる。
ステップS16において、振動材32−1乃至振動材32−6のそれぞれは、振動子33−1乃至振動子33−6のそれぞれに振動させられることにより、音声を出力して音声出力処理は終了する。また、振動材32から音声が出力されると、上述したように、振動材32から共振空間12に出力された音声に応じて、ダクト34のパイプ内の空気が共振して、パイプ(ダクト34)から聴取空間11には、所定の周波数の音声が出力される。
このようにして、音声出力装置101は、入力された音声信号に対して、遅延処理、フィルタ処理、およびゲイン調整処理を施し、音声信号に基づいて振動材32のそれぞれを振動させて音声を出力する。
このように、振動子33のそれぞれに入力される音声信号のそれぞれに対して、遅延処理およびゲイン調整処理を施すことによって、天井13(ダクト34および振動材32)から出力される音声の音像を所望する位置に定位させることができる。
また、振動子33のそれぞれに入力される音声信号のそれぞれに対して、フィルタ処理を施すことによって、天井13(ダクト34および振動材32)から出力される音声の聴取位置における周波数特性をフラットなものとすることができ、音声出力装置101に入力された音声をより正確に再現することができる。
以上においては、部屋1(図1)の天井13に設けられた振動材32のそれぞれを、その平面の法線が部屋1の床面に対して垂直となるように、同一平面上に配置する例について説明したが、図9に示すように、振動材は、その平面の法線が床面と垂直にならない所定の方向を向くように天井に固定されるようにしてもよい。
図9では、部屋261は直方体形状の空間を構成しており、その空間が天井273によって上下に仕切られることにより、下側の空間である聴取空間271と上側の空間である共振空間272とが形成されている。
天井273は、天井支持材281、複数(図9では6個)の振動材282―1乃至振動材282−6、および振動子283−1乃至振動子283−6、並びにダクト284を含み、音声を聴取者35のいる聴取空間271に出力する。なお、これらの天井支持材281乃至ダクト284のそれぞれは、図1における天井支持材31乃至ダクト34のそれぞれと同様であるため、繰り返しになるのでその説明は適宜省略する。
図9では、振動材282―1乃至振動材282−6およびダクト284が、聴取空間271内の聴取者35が座っている聴取位置の方向に向けられている。
即ち、聴取者35のほぼ真上になる振動材282−1と振動材282−2とは、その平面の法線が部屋261の床面に対して垂直になるように固定されている。また、聴取者35の前方の上にある振動材282−3乃至振動材282−6は、その平面の法線が聴取者35の方向を向き、これにより、床面と法線がなす角度が鋭角(鈍角)になるように固定されている。さらに、ダクト284は、聴取空間271に空気を出力する方向が聴取者35の方向を向くように固定されている。
一般的に、フラットパネルスピーカは、出力される音声の方向が全方向に比較的一様であることが知られているが、それでも振動材の正面方向に音声が出力され易い。すなわち、フラットパネルスピーカの正面から外れた方向は、正面の方向に比べて音量が小さくなる。
そこで、天井273に設けられた振動材282−1乃至振動材282−6およびダクト284の平面の法線が聴取者35の方向を向くように配置することで、聴取者35が聴取する音声の音量をより大きくすることができる。また、振動材282−1乃至振動材282−6およびダクト284を、聴取者35の方向に向けて天井支持材281に固定することで、聴取者35の前方の斜め上方向からの音声の音量が大きくなるため、天井273から出力される音声の音像を、聴取者35の前方の斜め上方向に定位させることができる。
さらに、天井273にアクチュエータを設けて、振動材282−1乃至振動材282−6およびダクト284の向きを、自在に変化させるようにしてもよい。
さらに、また、図10に示すように、音声出力装置を構成する複数の振動材を部屋の壁に設けるようにしてもよい。
図10では、部屋311は直方体形状の空間を構成しており、その空間が壁323によって左右に仕切られることにより、右側の空間である聴取空間321と、左側の空間である共振空間322とが形成されている。
壁323は、壁支持材331、複数(図10では6個)の振動材332―1乃至振動材332−6、および振動子333−1乃至振動子333−6、並びにダクト334を含み、音声を聴取者35のいる聴取空間321に出力する。
壁支持材331は、例えば、鉄、アルミニウムなどの金属により形成される格子状のフレームであり、部屋311の床および天井に固定されている。壁支持材331には、壁323を構成する振動材332−1乃至振動材332−6、およびダクト334を固定することができるようになされている。
振動材332−1乃至振動材332−6のそれぞれは、部屋311に設けられた、フラットパネルスピーカなどの音声出力装置(図10には図示せず)を構成し、図中、同一平面上に縦方向に並べられて壁支持材331に(振動可能なように)固定されている。また、壁支持材331には、ダクト334が、振動材332−1乃至振動材332−6のそれぞれと同一平面上に、図中、縦方向に並べられて固定されている。
なお、図10において、振動材332−1乃至ダクト334のそれぞれは、図1における振動材32−1乃至ダクト34のそれぞれと同様であるため、繰り返しになるのでその説明は適宜省略する。
この部屋311においては、振動子333−1乃至振動子333−6のそれぞれに音声信号が入力されると、振動材332−1乃至振動材332−6のそれぞれから、聴取空間321に音声が出力されるとともに、振動材332−1乃至振動材332−6のそれぞれから、共振空間322に出力された音声に応じて、ダクト334内の空気が共振して、ダクト334から聴取空間321に、所定の周波数の音声が出力される。
また、図1に示した部屋1には、天井裏の空間として、1つの共振空間12が設けられると説明したが、図11に示すように、図1の共振空間12に対応する空間を仕切りによって仕切ることで、複数の共振空間を設けるようにしてもよい。
部屋361は直方体形状の空間を構成しており、その空間が天井374によって上下に仕切られることにより、下側の空間である聴取空間371と、上側の空間(共振空間372および共振空間373)とが形成されている。さらに、その上側の空間が仕切り381によって左右に仕切られることにより、右側の空間である共振空間372と、左側の空間である共振空間373とが形成されている。
天井374は、仕切り381、天井支持材382、並びに複数(図11では4個)の振動材383―1乃至振動材383−4および振動子384−1乃至振動子384−4、ダクト385−1およびダクト385−2を含み、音声を聴取者35のいる聴取空間371に出力する。
なお、天井支持材382、振動材383―1乃至振動材383−4、振動子384−1乃至振動子384−4、並びにダクト385−1およびダクト385−2のそれぞれは、図1における天井支持材31、振動材32、振動子33、およびダクト34のそれぞれと同様であるため、繰り返しになるのでその説明は適宜省略する。
天井支持材382には、振動材383―1乃至振動材383−4、ダクト385−1、およびダクト385−2の他、さらに仕切り381を固定することができるようになっている。
振動子384−1乃至振動子384−4のそれぞれには、接続線を介して音声信号が入力される。振動子384−1乃至振動子384−4のそれぞれは、入力された音声信号に基づいて振動材383―1乃至振動材383−4のそれぞれを振動させる。
すると、振動材383―1および振動材383―2は振動して、聴取空間371および共振空間372に音声を出力し、振動材383―3および振動材383―4は振動して、聴取空間371および共振空間373に音声を出力する。
また、振動材383―1乃至振動材383―4のそれぞれから聴取空間371に音声が出力されると、それと同時に、振動材383―1および振動材383−2から共振空間372に出力された音声に応じて、ダクト385−1内の空気が共振して、ダクト385−1から聴取空間371には、所定の周波数の音声が出力される。
さらに、ダクト385−1における場合と同様に、振動材383―3および振動材383−4から共振空間373に出力された音声に応じて、ダクト385−2内の空気が共振して、ダクト385−2から聴取空間371にも、所定の周波数の音声が出力される。
以上のように、部屋の天井(または壁)によって、部屋を聴取空間と共振空間とに仕切り、天井(壁)に、空気を共振させるためのダクト、および音声出力装置を構成する振動材を設けるようにしたので、音声出力装置の最低共振周波数より低い周波数の音声をより大きい音量で出力することができる。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
1 部屋,11 聴取空間,12 共振空間,13 天井,31 天井支持材,32−1乃至32−6,32 振動材,33−1乃至33−6,33 振動子,34 ダクト,101 音声出力装置,113 信号処理部,122 ディレイ処理部,123 フィルタ処理部,124 ゲイン調整部,131−1乃至131−6,131 ディレイ処理部,132−1乃至132−6,132 フィルタ処理部,133−1乃至133−6,133 ゲイン調整部,181 部屋,191 天井,201 ダクト,261 部屋,271 聴取空間,272 共振空間,273 天井,282−1乃至282−6,282 振動材,283−1乃至283−6,283 振動子,284 ダクト,311 部屋,321 聴取空間,322 共振空間,323 壁,332−1乃至332−6 振動材,333−1乃至333−6 振動子,334 ダクト,361 部屋,371 聴取空間,372 共振空間,373 共振空間,381 仕切り,382 天井支持材,383−1乃至383−4 振動材,384−1乃至384−4 振動子,385−1 ダクト,385−2 ダクト
Claims (13)
- 第1の仕切手段によって仕切られた第1の空間および第2の空間を含む部屋において、
前記第1の仕切手段に設けられ、振動することで前記第1の空間および前記第2の空間に音声を出力する振動材と、
前記振動材に装着され、入力された音声信号に基づいて、前記振動材を振動させる振動子と、
前記第1の仕切手段に設けられ、前記振動材から前記第2の空間に出力された音声に応じて空気を共振させ、所定の周波数の音声を前記第1の空間に出力するダクトと
を備える部屋。 - 前記振動子に入力される音声信号を所定の時間だけ遅延させる遅延処理手段をさらに備える
請求項1に記載の部屋。 - 前記第1の仕切手段には複数の前記振動材が設けられ、
前記遅延処理手段は、所定の振動材からより離れた位置に設けられた振動材に装着された振動子に入力される音声信号をより遅延させる
請求項2に記載の部屋。 - 前記振動子に入力される音声信号の周波数特性を調整するフィルタ処理を行うフィルタ処理手段をさらに備える
請求項1に記載の部屋。 - 前記フィルタ処理手段は、前記第1の空間内の所定の位置における、前記振動材が出力する音声の残響による影響を打ち消すように、前記振動子に入力される音声信号の周波数特性を調整する
請求項4に記載の部屋。 - 前記振動子に入力される音声信号のゲインを調整するゲイン調整処理手段をさらに備える
請求項1に記載の部屋。 - 前記第1の仕切手段には複数の前記振動材が設けられ、
前記ゲイン調整処理手段は、所定の振動材からより離れた位置に設けられた振動材に装着された振動子に入力される音声信号のゲインがより大きくなるように、前記振動子に入力される音声信号のゲインを調整する
請求項6に記載の部屋。 - 前記第1の仕切手段は天井であり、前記第2の空間は前記部屋の天井裏の空間である
請求項1に記載の部屋。 - 前記第1の仕切手段は壁であり、前記第2の空間は前記部屋の壁の裏の空間である
請求項1に記載の部屋。 - 前記振動材は、平板の形状をした部材であり、前記平板の平面の法線が、前記部屋の床に対して所定の角度をなすように設けられている
請求項1に記載の部屋。 - 前記振動材は、平板の形状をした部材であり、
前記振動材としての平板の平面の法線の方向を変化させるように、前記振動振動材を駆動する駆動手段をさらに備える
請求項1に記載の部屋。 - 前記第1の仕切手段には複数の前記ダクトが設けられ、
前記ダクトの開閉を行う開閉手段をさらに備える
請求項1に記載の部屋。 - 前記第2の空間を複数の第3の空間に仕切る第2の仕切手段をさらに備え、
前記第1の仕切手段には、前記複数の第3の空間のそれぞれに音声を出力する複数の前記振動材のそれぞれと、前記複数の第3の空間のそれぞれに出力された音声に応じて前記第1の空間に音声を出力する複数の前記ダクトのそれぞれとが設けられている
請求項1に記載の部屋。
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