JP2007128661A - エキシマランプユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】エキシマランプの冷却と真空紫外光照射面近傍雰囲気の酸素濃度制御との双方の機能を備えるエキシマランプユニットの提供。
【解決手段】窒素ガス導入空洞3の窒素ガスは、連結流路5から冷却用窒素ガス流路6に流れ、窒素ガス噴出口6a,6bから被洗浄物7の被洗浄表面に向け噴出される。冷却用窒素ガス流路6の下側壁面は、外側円筒管1aの外側表面である。冷却用窒素ガス流路6を流れる窒素ガスは、二重管エキシマランプに直接に触れるので、二重管エキシマランプを効率的に冷却する。窒素ガス噴出口6a,6bから噴出された窒素ガスの流量により、被洗浄物7の被洗浄表面近傍の雰囲気における酸素濃度が制御される。窒素ガスにより、効率的な直接冷却と、被洗浄表面近傍の雰囲気における酸素濃度の最適化が可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】窒素ガス導入空洞3の窒素ガスは、連結流路5から冷却用窒素ガス流路6に流れ、窒素ガス噴出口6a,6bから被洗浄物7の被洗浄表面に向け噴出される。冷却用窒素ガス流路6の下側壁面は、外側円筒管1aの外側表面である。冷却用窒素ガス流路6を流れる窒素ガスは、二重管エキシマランプに直接に触れるので、二重管エキシマランプを効率的に冷却する。窒素ガス噴出口6a,6bから噴出された窒素ガスの流量により、被洗浄物7の被洗浄表面近傍の雰囲気における酸素濃度が制御される。窒素ガスにより、効率的な直接冷却と、被洗浄表面近傍の雰囲気における酸素濃度の最適化が可能となる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、二重管エキシマランプを備え、ドライ洗浄用に用いて好適なエキシマランプユニットに関し、特にエキシマ光照射面の雰囲気を該不活性ガスの供給により制御する機能と、二重管エキシマランプを冷却する機能とを有するエキシマランプユニットに関する。
近年稀ガスエキシマランプの利用により、該ランプ内に封入された稀ガスによる誘電体バリア放電を介して、紫外光から可視光にわたる種々の単色放射光を得ることが実用上可能となっており、特に稀ガスとしてキセノンガスを封入して用いるエキシマランプの場合には、波長172nmの真空紫外光が効率よく放射される。真空紫外光はエキシマ光の1つである。この波長172nmの真空紫外光は、殆どの物質の原子の結合を、光量子プロセスを介して直接に切断できる高いエネルギを有しており、この真空紫外光の照射により、対応するワーク表面に付着している有機物の分子結合は切断され、更に該真空紫外光の光路空間に酸素が存在すると、その酸素の一部がオゾンと活性酸素に変換される。真空紫外光により切断された有機物は、このオゾンと活性酸素と反応してCO2やH2Oという気体となり、ワーク上から飛散して除去される。このような真空紫外光の光量子プロセスによる直接切断原理を用いたドライ洗浄装置は、液晶、PDP等の製造工程におけるマザーガラスの洗浄若しくは半導体用ウエハの洗浄、又はドライアッシング等に利用されている。
真空紫外光による洗浄効率を向上するためには真空紫外光の照度の増大が有効である。しかしながら、真空紫外光の照度増大を図るために、エキシマランプへ供給する電力を単に増大するだけでは、放電ガスの温度が上昇し、エキシマ分子の生成効率が低下する。また、放電ガス温度が上昇すると、エキシマランプの容器をなす石英ガラスの温度が上昇し、該容器の真空紫外光の透過率が低下する。
従来、エキシマランプの温度上昇を抑制するためにエキシマランプを冷却する構造が提案されている。例えば、特許文献1(特開2004−221017)には、エキシマランプに金属ブロックを固着し、金属ブロックの中に水 冷パイプを設け、水 冷パイプの中に冷却 水を循環させ、金属ブロックの冷却 を介してエキシマランプ を冷却 する構造が示されている。図2は特許文献1のエキシマランプ冷却方式を採用した二重管エキシマランプユニットを示す図であり、同図(A)は同図(B)のD−D線矢視断面図、同図(B)は同図(A)のC−C線矢視断面図である。図において、1aは外側円筒管、1bは内側円筒管、1cは外側円筒管1a及び内側円筒管1bでなる円筒の端部を封止する封止部、1dは放電空間、1eは内筒、2はランプホルダ、21,22は導水穴である。
外側円筒管1a、内側円筒管1bおよび封止部1cでなる密封容器は、内部にキセノンガスを封入された石英ガラス製の二重円筒型放電容器である。ランプホルダ2は、アルミニュームでなり、外側円筒管1aに密着されており、二重管エキシマランプの一方の電極を兼ねている。二重管エキシマランプの他方の電極は、内筒1eに同軸に設けてあるが、図示は省略してある。ランプホルダ2には導水口21,22が設けてある。導水口21,22には外部の水ポンプから供給される冷却水が流れている。図2のエキシマランプでは、冷却水がランプホルダ2を冷やし、ランプホルダ2が二重管エキシマランプを冷却する。そこで、図2のエキシマランプ冷却方式は間接冷却方式といえる。間接冷却方式は、次に説明する直接冷却方式に比べ、冷却効率に劣るが、水漏れは起き難い。
別の冷却方式のエキシマランプ構造が特許文献2(特開2001−155686)に開示されている。特許文献2に記載のエキシマランプ構造は、内筒管の内側の第2の空間に冷却 水を導入するための冷却 水導入口と、上記第2の空間に導入された冷却 水を排出するための冷却 水排出口とを備え、内筒内に冷却水を通し、エキシマランプを直接に冷却する。図3は、特許文献2のエキシマランプ冷却方式を採用した二重管エキシマランプユニットを示す概念図であり、同図(A)は同図(B)のF−F線矢視断面図、同図(B)は同図(A)のE−E線矢視断面図である。本図の各符号は、図2の各符号と同じ構成要素をそれぞれ表す。本図のエキシマランプユニットは、内筒1e内に冷却水を通すので、二重管エキシマランプを冷却水で直接に冷却する直接冷却方式であり、冷却効率に優れている。
真空紫外光によるワーク(被洗浄物)のドライ洗浄は、前述のとおり、真空紫外光自体による有機物分解作用と、ワークの被洗浄表面近傍に生成されるオゾン及び活性酸素よる有機物分解作用との重畳作用により行われる。オゾン及び活性酸素は、二重管エキシマランプの外側円筒管1aからワークの被洗浄表面に至る光路空間の酸素に真空紫外光が作用し、その光路空間の雰囲気の酸素を活性化することにより生成されるので、二重管エキシマランプから放射される真空紫外光の照度が同じであれば、真空紫外光照射面近傍の酸素濃度が高いほどオゾン及び活性酸素は高濃度に生成される。他方、空中の酸素は真空紫外光を吸収し、真空紫外光を減衰させる作用が高いので、真空紫外光照射面近傍の酸素濃度が高いことは、被洗浄物の表面を照射する真空紫外光の照度を低下させる。たとえば、波長172nmの真空紫外光は、8mmの距離だけ大気を透過すると、照度が10%にまで減衰する。真空紫外光照射面近傍における雰囲気の酸素濃度が約2〜3%であるとき、真空紫外光並びに真空紫外光により派生されるオゾン及び活性酸素による洗浄効果は最も高い。そこで、真空紫外光照射面近傍における雰囲気の酸素濃度を制御することは、ワークの洗浄効果を高める上で有効である。
特許文献3(特開2000−216128)には、真空紫外光照射面近傍における雰囲気の酸素濃度を制御する構造が提案されている。特許文献3の段落0010−0011には、次のように記載されている。
「[0010]しかも、基板のドライ洗浄を行うに当っては、基板の表面における汚損状態によっては、VUV(真空紫外光)をできるだけ減衰しないようにして基板に照射 するのが望ましい場合があり、またできるだけ多量の活性酸素を生成する方が洗浄効率が良好になる場合もある。ここで、VUVが減衰するということは、VUVのエネルギが酸素に吸収されるからであり、これによってオゾンや活性酸素が生成される。従って、基板に対して高いエネルギを作用させようとすると、その間の酸素濃度 を低くし、また活性酸素の生成量を増やそうとすると、その間の酸素濃度 を高くしなければならない。従って、エキシマランプ と基板との間に存在する酸素の濃度を管理しようとすると、基板とエキシマランプ との間隔を調整する以外にはなく、しかもこの間隔は数mm程度のものであるから、この間隔調整を微細に行うことは極めて困難である。また、基板に対する処理としては、洗浄だけでなく、ドライエッチング等の処理もあるが、処理に応じた基板への照射 エネルギと、活性酸素生成量とを調整するのは実質的に不可能であった。[0011]本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、エキシマランプ が装着されるランプハウスを密閉しないでも、被処理用の基板の表面に短波長の紫外線をより効率的に照射 でき、しかもランプと基板との間の空間における酸素濃度 を任意に調整できるようにすることにある。」
「[0010]しかも、基板のドライ洗浄を行うに当っては、基板の表面における汚損状態によっては、VUV(真空紫外光)をできるだけ減衰しないようにして基板に照射 するのが望ましい場合があり、またできるだけ多量の活性酸素を生成する方が洗浄効率が良好になる場合もある。ここで、VUVが減衰するということは、VUVのエネルギが酸素に吸収されるからであり、これによってオゾンや活性酸素が生成される。従って、基板に対して高いエネルギを作用させようとすると、その間の酸素濃度 を低くし、また活性酸素の生成量を増やそうとすると、その間の酸素濃度 を高くしなければならない。従って、エキシマランプ と基板との間に存在する酸素の濃度を管理しようとすると、基板とエキシマランプ との間隔を調整する以外にはなく、しかもこの間隔は数mm程度のものであるから、この間隔調整を微細に行うことは極めて困難である。また、基板に対する処理としては、洗浄だけでなく、ドライエッチング等の処理もあるが、処理に応じた基板への照射 エネルギと、活性酸素生成量とを調整するのは実質的に不可能であった。[0011]本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、エキシマランプ が装着されるランプハウスを密閉しないでも、被処理用の基板の表面に短波長の紫外線をより効率的に照射 でき、しかもランプと基板との間の空間における酸素濃度 を任意に調整できるようにすることにある。」
図4は、真空紫外光照射面近傍における雰囲気の酸素濃度を制御するために、特許文献3の雰囲気の酸素濃度制御方式を採用した二重管エキシマランプユニットを示す概念図であり、同図(A)は同図(B)のH−H線矢視断面図、同図(B)は同図(A)のG−G線矢視断面図である。本図において、23,24は窒素ガス導入空洞、25,26は窒素ガス通路、25a,26aは窒素ガス噴出口である。窒素ガス通路25及び26は、それぞれ25本設けてある。その他の各符号は、図2の各符号と同じ構成要素をそれぞれ表す。
図4の構造では、窒素ガスが外部のボンベからガス管を経て、窒素ガス導入空洞23及び24に供給され、窒素ガス導入空洞23及び24内の窒素ガス流は窒素ガス通路25及び26に分岐され、窒素ガス通路25及び26内の窒素ガス流は窒素ガス噴出口25a及び26aから空中に噴出される。被洗浄物であるワークは、搬送台に載置され、外側円筒管1aの下側に近接して搬送される。そこで、窒素ガス噴出口25a及び26aから空中に噴出された窒素ガスは、真空紫外光照射面近傍雰囲気の窒素ガス濃度を高め、相対的に酸素濃度を下げる。そこで、窒素ガス噴出口25a及び26aから空中に噴出する窒素ガスの量を制御することにより、真空紫外光照射面近傍における雰囲気の酸素濃度を制御できる。
前述の図2の間接冷却方式は、冷却構造は簡単であるが、直接冷却方式に比べ冷却効率に劣る。図3の直接冷却方式は、冷却効率に優れるが、冷却構造が複雑である。間接冷却方式および直接冷却方式はいずれも冷却に水を使用するので、水漏れの虞があり、特に直接冷却方式は構造が複雑で、水漏れが起き易い。エキシマランプユニットは、液晶、PDP等の製造工程におけるマザーガラスの洗浄または半導体用ウエハの洗浄、或いはドライアッシング等に利用される。そこで、エキシマランプユニットに水漏れ事故が起これば、被洗浄物を汚染するので、水漏れ防止のための構造が高価になる。高価な水漏防止構造を備えたとしても、水漏れ事故を完全に防止することは、実際上困難であるので、万が一水漏れ事故が起こったときは、高価な被洗浄物を汚染してしまう。また、水冷方式は、冷却水を大量に消費するので、エキシマランプユニットの稼動コスト高をもたらす。また、図4の真空紫外光照射面近傍における雰囲気の酸素濃度を制御する方式のエキシマランプユニットは、エキシマランプを冷却する機能を備えない。
エキシマランプの冷却と真空紫外光照射面近傍雰囲気の酸素濃度制御との双方の機能を備えるエキシマランプユニットは、図2又は図3の冷却方式と図4の酸素濃度制御方式とを1つのエキシマランプユニットに組み込めば実現可能であろうが、装置の構造が複雑になり、高価であり、また水漏れの虞は払拭できない。本発明の目的は、エキシマランプの冷却と真空紫外光照射面近傍雰囲気の酸素濃度制御との双方の機能を備え、水漏れの虞がなく、しかも構造が簡単で、安価に製造できるエキシマランプユニットの提供にある。
前述の課題を解決するために本発明は次の手段を提供する。
(1)透明な外側円筒管および内側円筒管の間の空間にキセノンガス等の放電ガスを封止してなる二重円筒型放電容器と、該外側円筒管の外側に密着して設けられた外側電極と、該内側円筒管の内筒内に同軸に配置した内側電極とを備える二重管エキシマランプと、
窒素ガス等の不活性ガスを前記外側円筒管近傍に噴出するガス噴出口を有し、前記空間内の放電によるエキシマ光の照射により洗浄される物体のエキシマ光照射面近傍の雰囲気を該不活性ガスで制御するために、前記ガス噴出口へ該不活性ガスを導く不活性ガス案内構造と
を含むエキシマランプユニッにおいて、
前記ガス噴出口近傍の前記不活性ガス案内構造は、前記外側円筒管の外側表面に該不活性ガスの流れを触れさせることにより、前記二重管エキシマランプを冷却する
ことを特徴とするエキシマランプユニット。
窒素ガス等の不活性ガスを前記外側円筒管近傍に噴出するガス噴出口を有し、前記空間内の放電によるエキシマ光の照射により洗浄される物体のエキシマ光照射面近傍の雰囲気を該不活性ガスで制御するために、前記ガス噴出口へ該不活性ガスを導く不活性ガス案内構造と
を含むエキシマランプユニッにおいて、
前記ガス噴出口近傍の前記不活性ガス案内構造は、前記外側円筒管の外側表面に該不活性ガスの流れを触れさせることにより、前記二重管エキシマランプを冷却する
ことを特徴とするエキシマランプユニット。
(2)前記不活性ガス案内構造は、前記外側表面を壁面の一部とする冷却用不活性ガス流路を含むことを特徴とする前記(1)に記載のエキシマランプユニット。
(3)前記二重管エキシマランプを保持するランプホルダが設けられ、
前記ランプホルダは、前記二重円筒型放電容器の長手軸に直交する面において前記外側円筒管のほぼ半分を覆い、前記外側電極を兼ね、
前記冷却用不活性ガス流路は、前記外側表面に接触する側の前記ランプホルダの表面部に設けられた溝と前記外側表面とで規定され、
前記溝は、前記外側表面に密着する前記ランプホルダの表面から掘り下げられた形状をなし、前記外側円筒管の長手方向に沿って所定間隔を隔てた複数個所に設けられ、
前記溝の軸線は、前記二重円筒型放電容器の長手軸に直交する面にあり、
前記冷却用不活性ガス流路の両端は前記ガス噴出口をなし、
前記冷却用不活性ガス流路は、中央部において、前記ランプホルダに設けられたガス導入空洞に連結され、
前記ガス導入空洞は、前記ランプホルダの長手方向に延べられた空洞である
ことを特徴とする前記(2)に記載のエキシマランプユニット。
前記ランプホルダは、前記二重円筒型放電容器の長手軸に直交する面において前記外側円筒管のほぼ半分を覆い、前記外側電極を兼ね、
前記冷却用不活性ガス流路は、前記外側表面に接触する側の前記ランプホルダの表面部に設けられた溝と前記外側表面とで規定され、
前記溝は、前記外側表面に密着する前記ランプホルダの表面から掘り下げられた形状をなし、前記外側円筒管の長手方向に沿って所定間隔を隔てた複数個所に設けられ、
前記溝の軸線は、前記二重円筒型放電容器の長手軸に直交する面にあり、
前記冷却用不活性ガス流路の両端は前記ガス噴出口をなし、
前記冷却用不活性ガス流路は、中央部において、前記ランプホルダに設けられたガス導入空洞に連結され、
前記ガス導入空洞は、前記ランプホルダの長手方向に延べられた空洞である
ことを特徴とする前記(2)に記載のエキシマランプユニット。
上記の構成によれば、エキシマランプの冷却と真空紫外光照射面近傍雰囲気の酸素濃度制御との双方の機能を備え、水漏れの虞がなく、しかも構造が簡単で、安価に製造できるエキシマランプユニットを提供できる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態の二重管エキシマランプユニットを示す概念図であり、同図(A)は同図(B)のB−B線矢視断面図、同図(B)は同図(A)のA−A線矢視断面図である。図1の二重管エキシマランプユニットは、真空紫外光の発光手段であり、真空紫外光を被洗浄物に照射し、真空紫外光の光量子プロセスによる直接切断原理を用いて、被洗浄物の表面に付着した有機物の分子結合を切断し、該表面を洗浄するドライ洗浄装置に適用される。ここでいう被洗浄物の洗浄とは、液晶、PDP等の製造工程におけるマザーガラスの洗浄若しくは半導体用ウエハの洗浄、又はドライアッシング等をいう。
本図において、1aは外側円筒管、1bは内側円筒管、1cは外側円筒管1a及び内側円筒管1bでなる円筒の端部を封止する封止部、1dは放電空間、1eは内筒、2はランプホルダ、3は窒素ガス導入空洞、4は蓋、5は連結流路、6は冷却用窒素ガス流路、6a,6bは窒素ガス噴出口、7は被洗浄物、8は被洗浄物搬送ベルトである。連結流路5及び冷却用窒素ガス通路6は、外側円筒管1aの長手方向において一定間隔でそれぞれ17本設けてある。窒素ガス噴出口6a,6bから被洗浄物7の被洗浄表面に向けて噴出される窒素ガスは、窒素ガス噴出口6a,6bから被洗浄物7の上面に向かう矢印で表してある。
外側円筒管1a、内側円筒管1bおよび封止部1cでなる密封容器は、内部空間(放電空間1d)にキセノンガスを封入された石英ガラス製の二重円筒型放電容器である。ランプホルダ2は、アルミニュームでなり、外側円筒管1aに密着されており、二重管エキシマランプの外側電極を兼ねている。二重管エキシマランプの内側電極は、内筒1eに同軸に設けてあるが、図示は省略してある。外側円筒管1aの下面は被洗浄物7の被洗浄表面に対面する。その外側円筒管1aと被洗浄物7との間隔は3ミリメートルである。ランプホルダ2の下面側には、横断面が半円形となる樋状の凹部が形成されており、その凹部の表面部には溝6が形成してあり、該凹部における溝6以外の領域は外側円筒管1aの上面に密着してある。
窒素ガス導入空洞3、連結流路5および冷却用窒素ガス流路6は、前述の不活性ガス案内構造を構成している。ガス導入空洞3は、ランプホルダ2の長手方向に延べられた空洞である。図1(A)に現れているように、横断面が半円形となる樋状の凹部がランプホルダ2の上面側に形成され、そのランプホルダ2の上面に蓋4が固着され、樋状の凹部を蓋4で覆うことによりガス導入空洞3が構成されている。外部の窒素ガスボンベから窒素ガス導入空洞3に導入された窒素ガスは、連結流路5に分岐され、連結流路5から冷却用窒素ガス流路6に流れ、冷却用窒素ガス流路6の下端の窒素ガス噴出口6a,6bに至り、窒素ガス噴出口6a,6bから被洗浄物7の被洗浄表面に向け噴出される。
冷却用窒素ガス流路6は、外側円筒管1aの外側表面に接触する側のランプホルダ2の表面部に設けられた溝とその外側表面とで規定される。その溝は、その外側表面に密着するランプホルダ2の表面から一定の深さに掘り下げられた形状をなす。該溝の軸線は、図1(a)から明らかなように、二重円筒型放電容器の長手軸に直交する面において、半円形なす。冷却用窒素ガス流路6の両端はガス噴出口6a,6bをなし、冷却用窒素ガス流路6の中央部は、連結流路5を介して窒素ガス導入空洞3に連結されている。冷却用窒素ガス流路6の下側の壁面は、外側円筒管1aの外側表面である。この構造により、冷却用窒素ガス流路6を流れる窒素ガスは、二重管エキシマランプに直接に触れるので、二重管エキシマランプを効率的に冷却する。このように、図1の実施の形態おける冷却性能は優れているので、二重管エキシマランプに供給する電力量を増大し、放射する真空紫外光の照度を増大し、被洗浄物7を洗浄する効率を高めることが可能となる。また、本実施の形態における冷却方式は空冷方式であるから、水が漏れ出すことによる被洗浄物7の汚染の虞はない。水漏れの虞がないことは、冷却のための構造(不活性ガス案内構造)は簡易に、安価に製作できる。また、本実施の形態を採用すれば、冷却のために水を消費しないから、ランニングコストが安価となる。
窒素ガス噴出口6a,6bから噴出し、被洗浄物7の表面に至る窒素ガスは、被洗浄物7のエキシマ光照射面近傍の雰囲気における酸素濃度を制御する。その酸素濃度は、窒素ガス噴出口6a,6bから噴出される窒素ガスの量により制御できる。真空紫外光による被洗浄物7のドライ洗浄は、前述のとおり、真空紫外光自体による有機物分解作用と、被洗浄物7の被洗浄表面近傍に生成されるオゾン及び活性酸素よる有機物分解作用との重畳作用により行われる。オゾン及び活性酸素は、二重管エキシマランプの外側円筒管1aから被洗浄物7の被洗浄表面に至る光路空間の酸素に真空紫外光が作用し、その光路空間の雰囲気の酸素を活性化することにより生成されるので、二重管エキシマランプから放射される真空紫外光の照度が同じであれば、真空紫外光照射面近傍の酸素濃度が高いほどオゾン及び活性酸素は高濃度に生成される。他方、空中の酸素は真空紫外光を吸収し、真空紫外光を減衰させる作用が高いので、真空紫外光照射面近傍の酸素濃度が高いことは、被洗浄物の表面を照射する真空紫外光の照度を低下させる。たとえば、波長172nmの真空紫外光は、8mmの距離だけ大気を透過すると、照度が10%にまで減衰する。真空紫外光照射面近傍における雰囲気の酸素濃度が約2〜3%であるとき、真空紫外光並びに真空紫外光により派生されるオゾン及び活性酸素による洗浄効果は最も高い。図1の本実施の形態によれば、窒素ガス噴出口6a,6bから噴出される窒素ガスの流量の選択により、真空紫外光照射面近傍における雰囲気の酸素濃度は、ワークの洗浄効果が最適になるように、任意に制御できる。その窒素ガスの流量は、窒素ガス導入空洞3の圧力の制御により、容易に制御できる。
以上に詳細に説明したように、本実施例の形態の二重管エキシマランプユニットは、冷却と真空紫外光照射面近傍雰囲気の酸素濃度制御との双方の機能を備え、水漏れの虞がなく、しかも構造が簡単で、安価に製造できる。また、この実施例のエキシマランプユニットの採用により、冷却用の水が不要となるから、水冷式のものに比べ、ランニングコストの低減が可能となる。
以上には、実施形態を挙げ、本発明を具体的に説明したが、本発明がこれら実施形態に限定されるものでないことは勿論である。例えば、上述の実施形態では、冷却用ガスとしては窒素ガスを使用したが、本発明では、冷却用ガスは炭酸ガス、ヘリウムその他の不活性ガスであっても差し支えない。
また、上述の実施形態では、冷却用窒素ガス流路6は、外側円筒管1aの外側表面に接触する側のランプホルダ2の表面部に設けられた溝とその外側表面とで規定され、その溝は、その外側表面に密着するランプホルダ2の表面から一定の深さに掘り下げられた形状をなし、該溝の軸線は、二重円筒型放電容器の長手軸に直交する面において、半円形をなすとしたが、本発明では、溝の深さが一定であることは、必須ではなく、また溝の軸線は二重円筒型放電容器の長手軸に直交する面に対し角度をなしても差し支えない。
また、図1の実施形態では、窒素ガス導入空洞3は、ランプホルダ2の上面の半円形凹部を蓋4で覆うことにより構成したが、本発明では、窒素ガス導入空洞3はランプホルダ2の長手方向に貫通した穴で構成しても差し支えない。更に、図1の実施形態では、窒素ガス導入空洞3は、同図(B)に現れているように、ランプホルダ2の長手方向に貫通した構成とし、複数の二重管エキシマランプユニットの窒素ガス導入空洞3を縦属に順次に連結し、1つの窒素ガスボンベから複数の二重管エキシマランプユニットに窒素ガスを供給できるようにしたが、窒素ガス導入空洞3の片端を窒素ガスの導入開口とし、他方を閉止した構造としても、差し支えない。
また、図1の実施形態では、ランプホルダ2はアルミニュームでなるとしたが、本発明におけるランプホルダの材料は、アルミニュームに限らず、耐食性に優れたものであれば足りる。更に、図1の実施形態により被洗浄物7の表面のドライ洗浄をする際には、二重管エキシマランプの外側円筒管1aと被洗浄物7との間隔は3ミリメートルにするとしたが、本発明では、外側円筒管1aと被洗浄物7との間隔はドライ洗浄装置の仕様に応じ相当の範囲で変更して差し支えなく、例えばその間隔が1〜10ミリメートル程度の範囲であるときに、本発明のエキシマランプユニットは被洗浄物を有効に洗浄できる。
1a 外側円筒管
1b 内側円筒管
1c 外側円筒管1a及び内側円筒管1bでなる円筒の端部を封止する封止部
1d 放電空間
1e 内筒
2 ランプホルダ
3 窒素ガス導入空洞
4 蓋
5 連結流路
6 冷却用窒素ガス流路
6a,6b 窒素ガス噴出口
7 被洗浄物
8 被洗浄物搬送ベルト
21,22 導水穴
23,24 窒素ガス導入空洞
25,26 窒素ガス通路
25a,26a 窒素ガス噴出口
1b 内側円筒管
1c 外側円筒管1a及び内側円筒管1bでなる円筒の端部を封止する封止部
1d 放電空間
1e 内筒
2 ランプホルダ
3 窒素ガス導入空洞
4 蓋
5 連結流路
6 冷却用窒素ガス流路
6a,6b 窒素ガス噴出口
7 被洗浄物
8 被洗浄物搬送ベルト
21,22 導水穴
23,24 窒素ガス導入空洞
25,26 窒素ガス通路
25a,26a 窒素ガス噴出口
Claims (3)
- 透明な外側円筒管および内側円筒管の間の空間にキセノンガス等の放電ガスを封止してなる二重円筒型放電容器と、該外側円筒管の外側に密着して設けられた外側電極と、該内側円筒管の内筒内に同軸に配置した内側電極とを備える二重管エキシマランプと、
窒素ガス等の不活性ガスを前記外側円筒管近傍に噴出するガス噴出口を有し、前記空間内の放電によるエキシマ光の照射により洗浄される物体のエキシマ光照射面近傍の雰囲気を該不活性ガスで制御するために、前記ガス噴出口へ該不活性ガスを導く不活性ガス案内構造と
を含むエキシマランプユニッにおいて、
前記ガス噴出口近傍の前記不活性ガス案内構造は、前記外側円筒管の外側表面に該不活性ガスの流れを触れさせることにより、前記二重管エキシマランプを冷却する
ことを特徴とするエキシマランプユニット。 - 前記不活性ガス案内構造は、前記外側表面を壁面の一部とする冷却用不活性ガス流路を含むことを特徴とする請求項1に記載のエキシマランプユニット。
- 前記二重管エキシマランプを保持するランプホルダが設けられ、
前記ランプホルダは、前記二重円筒型放電容器の長手軸に直交する面において前記外側円筒管のほぼ半分を覆い、前記外側電極を兼ね、
前記冷却用不活性ガス流路は、前記外側表面に接触する側の前記ランプホルダの表面部に設けられた溝と前記外側表面とで規定され、
前記溝は、前記外側表面に密着する前記ランプホルダの表面から掘り下げられた形状をなし、前記外側円筒管の長手方向に沿って所定間隔を隔てた複数個所に設けられ、
前記溝の軸線は、前記二重円筒型放電容器の長手軸に直交する面にあり、
前記冷却用不活性ガス流路の両端は前記ガス噴出口をなし、
前記冷却用不活性ガス流路は、中央部において、前記ランプホルダに設けられたガス導入空洞に連結され、
前記ガス導入空洞は、前記ランプホルダの長手方向に延べられた空洞である
ことを特徴とする請求項2に記載のエキシマランプユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005317956A JP2007128661A (ja) | 2005-11-01 | 2005-11-01 | エキシマランプユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005317956A JP2007128661A (ja) | 2005-11-01 | 2005-11-01 | エキシマランプユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007128661A true JP2007128661A (ja) | 2007-05-24 |
Family
ID=38151156
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005317956A Withdrawn JP2007128661A (ja) | 2005-11-01 | 2005-11-01 | エキシマランプユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007128661A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009043599A (ja) * | 2007-08-09 | 2009-02-26 | Harison Toshiba Lighting Corp | 紫外線照射装置 |
JP2018085266A (ja) * | 2016-11-25 | 2018-05-31 | ウシオ電機株式会社 | エキシマランプユニットおよびエキシマランプ装置 |
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2005
- 2005-11-01 JP JP2005317956A patent/JP2007128661A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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