JP2001155684A - 誘電体バリアエキシマランプ - Google Patents
誘電体バリアエキシマランプInfo
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- JP2001155684A JP2001155684A JP33881799A JP33881799A JP2001155684A JP 2001155684 A JP2001155684 A JP 2001155684A JP 33881799 A JP33881799 A JP 33881799A JP 33881799 A JP33881799 A JP 33881799A JP 2001155684 A JP2001155684 A JP 2001155684A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 エキシマランプに投入する電力に対する紫外
線の放射効率を改善する。 【解決手段】 本発明は、内筒管と透光性のある外筒管
の間の空間にエキシマガス等の放電用ガスを封入してな
る二重管12と、二重管12を収容し、少なくとも該二
重管の径方向における一方側を開放したケース体11
と、ケース体11の開放された領域に固定された外部電
極14を備える。外部電極14は、二重管12の一方側
における外筒管の外面側に近接配置される網目状の領域
を含む。本発明はまた、外部電極14が近接配置された
領域に対応する内筒管の内面側に配置される内部電極1
3を備える。上記外部電極14と内部電極13間に電圧
を印加することにより、上記網目状の外部電極の間から
紫外線が放射される。
線の放射効率を改善する。 【解決手段】 本発明は、内筒管と透光性のある外筒管
の間の空間にエキシマガス等の放電用ガスを封入してな
る二重管12と、二重管12を収容し、少なくとも該二
重管の径方向における一方側を開放したケース体11
と、ケース体11の開放された領域に固定された外部電
極14を備える。外部電極14は、二重管12の一方側
における外筒管の外面側に近接配置される網目状の領域
を含む。本発明はまた、外部電極14が近接配置された
領域に対応する内筒管の内面側に配置される内部電極1
3を備える。上記外部電極14と内部電極13間に電圧
を印加することにより、上記網目状の外部電極の間から
紫外線が放射される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線とオゾンの
共同作用を用いて半導体ウェハやガラス基板の表面を洗
浄し又は改質するために使用される誘電体バリアエキシ
マランプに関する。
共同作用を用いて半導体ウェハやガラス基板の表面を洗
浄し又は改質するために使用される誘電体バリアエキシ
マランプに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、紫外線とオゾンの協同作用を利用
して金属、半導体物質或いはガラス等の被処理物の洗浄
又は改質を行う技術が広く研究されている。この技術は
一般にUVオゾン法として知られている。UVオゾン法
によれば、これら被処理物を傷めることなく、その表面
に付着した有機汚染物質を除去し、またその表面に酸化
膜の層を形成することができるという利点がある。
して金属、半導体物質或いはガラス等の被処理物の洗浄
又は改質を行う技術が広く研究されている。この技術は
一般にUVオゾン法として知られている。UVオゾン法
によれば、これら被処理物を傷めることなく、その表面
に付着した有機汚染物質を除去し、またその表面に酸化
膜の層を形成することができるという利点がある。
【0003】UVオゾン法では、低圧水銀ランプから放
射される真空紫外線である185nmの光を、酸素を含
む空気或いは酸素ガスに照射してオゾンを発生させる。
このオゾンよりオゾンの分解ガスである活性酸素種を発
生させ、これを被処理物の表面に接触させる。UVオゾ
ン法による被処理物の洗浄においては、この接触によっ
て被処理物の表面に付着した有機汚染物は酸化され、二
酸化炭素や水などの低分子酸化物に変化されて、その表
面上から除去される。これによって、被処理物の表面を
ドライ精密洗浄することができる。UVオゾン法による
被処理物の洗浄又は改質の詳細については、「オゾン利
用の新技術」(三ゆう書房、昭和61年11月20日発
行)に詳しい。
射される真空紫外線である185nmの光を、酸素を含
む空気或いは酸素ガスに照射してオゾンを発生させる。
このオゾンよりオゾンの分解ガスである活性酸素種を発
生させ、これを被処理物の表面に接触させる。UVオゾ
ン法による被処理物の洗浄においては、この接触によっ
て被処理物の表面に付着した有機汚染物は酸化され、二
酸化炭素や水などの低分子酸化物に変化されて、その表
面上から除去される。これによって、被処理物の表面を
ドライ精密洗浄することができる。UVオゾン法による
被処理物の洗浄又は改質の詳細については、「オゾン利
用の新技術」(三ゆう書房、昭和61年11月20日発
行)に詳しい。
【0004】一方で、低圧水銀ランプは、その特徴的な
輝線のため上記UVオゾン洗浄方法の普及に大きく貢献
していたが、近年、より効率の良いUVオゾン洗浄が行
える光源として誘電体バリアエキシマランプが知られる
ようになり、UVオゾン洗浄光源として従来の低圧水銀
ランプからの置き換えが進んでいる。誘電体バリアエキ
シマランプは低圧水銀ランプの欠点であった基板への熱
放射と点灯性能などの問題を解消し、更にはより短波長
の輝線を持つため、有機化合物の切断に優れ、活性酸素
の生成をより効率良く行うことができるという利点があ
る。
輝線のため上記UVオゾン洗浄方法の普及に大きく貢献
していたが、近年、より効率の良いUVオゾン洗浄が行
える光源として誘電体バリアエキシマランプが知られる
ようになり、UVオゾン洗浄光源として従来の低圧水銀
ランプからの置き換えが進んでいる。誘電体バリアエキ
シマランプは低圧水銀ランプの欠点であった基板への熱
放射と点灯性能などの問題を解消し、更にはより短波長
の輝線を持つため、有機化合物の切断に優れ、活性酸素
の生成をより効率良く行うことができるという利点があ
る。
【0005】図6は、従来の誘電体バリアエキシマラン
プ装置の一構成例を示している。図に示すように、ラン
プ装置60は、金属容器61内にエキシマランプ62を
備える。エキシマランプ62は、石英ガラスからなる内
筒管62aと外筒管62bの間の空間にキセノンなどの
放電用ガス63を封入し、交流電源64によりその内外
に設けた電極62c及び62d(外側の電極は網目状)
間に高電圧を印加し、これによって紫外線を放射する。
すなわち、高電圧を印加された誘電体である石英ガラス
は、誘電体バリア放電(無声放電)により微小放電を生
成し、そのエネルギーによって内部に封入された放電用
ガス63を励起、結合させ、その励起状態のガス分子が
基底状態に戻る過程でガス特有の波長の光を放射するも
のである。
プ装置の一構成例を示している。図に示すように、ラン
プ装置60は、金属容器61内にエキシマランプ62を
備える。エキシマランプ62は、石英ガラスからなる内
筒管62aと外筒管62bの間の空間にキセノンなどの
放電用ガス63を封入し、交流電源64によりその内外
に設けた電極62c及び62d(外側の電極は網目状)
間に高電圧を印加し、これによって紫外線を放射する。
すなわち、高電圧を印加された誘電体である石英ガラス
は、誘電体バリア放電(無声放電)により微小放電を生
成し、そのエネルギーによって内部に封入された放電用
ガス63を励起、結合させ、その励起状態のガス分子が
基底状態に戻る過程でガス特有の波長の光を放射するも
のである。
【0006】ランプ装置60の金属容器61には、合成
石英ガラスからなる光取り出し窓65が備えられ、エキ
シマランプ62にから放射された紫外線はここを透過し
て被処理物へ照射される。金属容器61内には、常時窒
素などの不活性ガスが毎分数リットル程度流入され、こ
れによってエキシマランプ62からの紫外線の減衰を最
小に抑えるようにしている。また、金属容器61内には
反射板66が設けられ(又は、金属容器の内壁面を鏡面
加工する)、これによってエキシマランプ62から上方
及び側方へ放射された紫外光は、ここに反射して光取り
出し窓65へ向けられる。光取り出し窓65から容器外
へ出た紫外線は、被処理物の置かれた酸素を含む雰囲気
内で、その光化学反応によってオゾン及び特性酸素種を
生成してこれを被処理物の表面に接触させ、また直接的
にこの真空紫外線を被処理物に照射させ、これらの協同
作業で被処理物の洗浄又は改質が達成される。
石英ガラスからなる光取り出し窓65が備えられ、エキ
シマランプ62にから放射された紫外線はここを透過し
て被処理物へ照射される。金属容器61内には、常時窒
素などの不活性ガスが毎分数リットル程度流入され、こ
れによってエキシマランプ62からの紫外線の減衰を最
小に抑えるようにしている。また、金属容器61内には
反射板66が設けられ(又は、金属容器の内壁面を鏡面
加工する)、これによってエキシマランプ62から上方
及び側方へ放射された紫外光は、ここに反射して光取り
出し窓65へ向けられる。光取り出し窓65から容器外
へ出た紫外線は、被処理物の置かれた酸素を含む雰囲気
内で、その光化学反応によってオゾン及び特性酸素種を
生成してこれを被処理物の表面に接触させ、また直接的
にこの真空紫外線を被処理物に照射させ、これらの協同
作業で被処理物の洗浄又は改質が達成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の誘電体バリアエキシマランプ装置においては、以下
のような問題があった。 (1)エキシマランプ62の上方及び側方へ放射される
紫外線は、上述のように反射板66に反射され、光取り
出し窓65へ向かうが、その到達の効率は極めて低く、
上記方向へ放射された紫外線はその殆どが無駄になって
いる。そのため、エキシマランプ62へ投入した電力に
対する紫外線の放射効率が悪い。 (2)上記光取り出し窓65の材質とされる合成石英は
高価であり、これが装置のコストを引き上げる。特に、
紫外線の照射領域を広げるために金属容器61内に複数
本のエキシマランプ62を備えたものにおいては、光取
り出し窓65の面積が大となり、更に深刻なコストの問
題が生じる。 (3)上記合成石英からなる光取り出し窓65には、紫
外線の照射により、僅かの鉄やマンガン等の不純物によ
ってカラーセンターが生じ黒化するいわゆるソラリゼー
ションが発生する。ソラリゼーションにより紫外線の透
過光量は減衰し、その結果、洗浄の効果が低下する。 (4)金属容器61内に流入させる窒素等の不活性ガス
は、該容器内における紫外線の吸収を低減する上で有効
であるが、その一方でコストが掛かり、また環境問題上
その処理に手間が掛かる。
来の誘電体バリアエキシマランプ装置においては、以下
のような問題があった。 (1)エキシマランプ62の上方及び側方へ放射される
紫外線は、上述のように反射板66に反射され、光取り
出し窓65へ向かうが、その到達の効率は極めて低く、
上記方向へ放射された紫外線はその殆どが無駄になって
いる。そのため、エキシマランプ62へ投入した電力に
対する紫外線の放射効率が悪い。 (2)上記光取り出し窓65の材質とされる合成石英は
高価であり、これが装置のコストを引き上げる。特に、
紫外線の照射領域を広げるために金属容器61内に複数
本のエキシマランプ62を備えたものにおいては、光取
り出し窓65の面積が大となり、更に深刻なコストの問
題が生じる。 (3)上記合成石英からなる光取り出し窓65には、紫
外線の照射により、僅かの鉄やマンガン等の不純物によ
ってカラーセンターが生じ黒化するいわゆるソラリゼー
ションが発生する。ソラリゼーションにより紫外線の透
過光量は減衰し、その結果、洗浄の効果が低下する。 (4)金属容器61内に流入させる窒素等の不活性ガス
は、該容器内における紫外線の吸収を低減する上で有効
であるが、その一方でコストが掛かり、また環境問題上
その処理に手間が掛かる。
【0008】従って本発明の目的は、エキシマランプに
投入する電力に対する紫外線の放射効率を改善すること
にある。
投入する電力に対する紫外線の放射効率を改善すること
にある。
【0009】また本発明の別の目的は、コスト及び継続
的な光透過性の点で問題のある合成石英からなる光取り
出し窓の使用を止め、及び不活性ガスの使用を止めるか
又は低減し、比較的安価に構成できる誘電体バリアエキ
シマランプを提供することにある。
的な光透過性の点で問題のある合成石英からなる光取り
出し窓の使用を止め、及び不活性ガスの使用を止めるか
又は低減し、比較的安価に構成できる誘電体バリアエキ
シマランプを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の誘電体バリアエキシマランプは、内筒管と透光
性のある外筒管の間の空間にエキシマガス等の放電用ガ
スを封入してなる誘電体、好ましくは石英ガラスの二重
管と、上記二重管を収容し、少なくとも該二重管の径方
向における一方側を開放したケース体と、上記ケース体
の開放された領域に固定された外部電極であって、上記
二重管の一方側における上記外筒管の外面側に近接配置
される網目状の領域を含むものと、少なくとも上記外部
電極が近接配置された上記外筒管の面の領域に対応する
上記内筒管の内面側に配置される内部電極とを備え、上
記外部電極と内部電極間に電圧を印加することにより、
上記網目状の外部電極の間から紫外線を放射するよう構
成される。
本発明の誘電体バリアエキシマランプは、内筒管と透光
性のある外筒管の間の空間にエキシマガス等の放電用ガ
スを封入してなる誘電体、好ましくは石英ガラスの二重
管と、上記二重管を収容し、少なくとも該二重管の径方
向における一方側を開放したケース体と、上記ケース体
の開放された領域に固定された外部電極であって、上記
二重管の一方側における上記外筒管の外面側に近接配置
される網目状の領域を含むものと、少なくとも上記外部
電極が近接配置された上記外筒管の面の領域に対応する
上記内筒管の内面側に配置される内部電極とを備え、上
記外部電極と内部電極間に電圧を印加することにより、
上記網目状の外部電極の間から紫外線を放射するよう構
成される。
【0011】この場合において、好ましくは、上記二重
管は円筒管である。
管は円筒管である。
【0012】また、好ましくは上記外部電極の網目状の
領域が、上記外筒管の外面に接触されており、より好ま
しくは、上記二重管の周方向における上記外部電極の上
記外筒管に対する接触角が180度以下のものである。
領域が、上記外筒管の外面に接触されており、より好ま
しくは、上記二重管の周方向における上記外部電極の上
記外筒管に対する接触角が180度以下のものである。
【0013】また、上記外部電極を、その網目状の領域
が上記外筒管の外面に押圧されるように上記ケース体に
対し固定することが好ましい。
が上記外筒管の外面に押圧されるように上記ケース体に
対し固定することが好ましい。
【0014】この場合に、上記外部電極は、上記二重管
の軸方向に沿ってその両側に上記ケース体への固定部を
備え、該固定部を介して上記ケース体へ固定されること
ができる。
の軸方向に沿ってその両側に上記ケース体への固定部を
備え、該固定部を介して上記ケース体へ固定されること
ができる。
【0015】また、好ましくは、上記ケース体が金属で
あり、上記外部電極がケース体に対し絶縁部材を介して
固定されている。
あり、上記外部電極がケース体に対し絶縁部材を介して
固定されている。
【0016】また、上記内部電極は、上記内筒管の円周
方向において、該円周の半分の領域に延びている構成と
することができる。
方向において、該円周の半分の領域に延びている構成と
することができる。
【0017】本発明は更に、上記二重管の軸方向に沿っ
て設けられ、上記外部電極の間から放射される紫外線の
照射領域に向けて不活性ガスを噴射させる不活性ガス噴
射手段を更に備えて構成することができる。
て設けられ、上記外部電極の間から放射される紫外線の
照射領域に向けて不活性ガスを噴射させる不活性ガス噴
射手段を更に備えて構成することができる。
【0018】好ましくは、上記不活性ガス噴射手段が、
上記二重管の軸方向に沿ってその両側に設けられる。
上記二重管の軸方向に沿ってその両側に設けられる。
【0019】また、好ましくは上記不活性ガス噴射手段
が、上記外部電極よりも内側で上記ケース体に固定さ
れ、その不活性ガスが上記外部電極の間から上記紫外線
の照射領域に向けて噴射される。
が、上記外部電極よりも内側で上記ケース体に固定さ
れ、その不活性ガスが上記外部電極の間から上記紫外線
の照射領域に向けて噴射される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図示した一実施形態に基い
て本発明を詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態
に係る誘電体バリアエキシマランプの外観斜視図、図2
はその底面図を示している。以下ではこれらの図を参照
して、本実施形態に係る誘電体バリアエキシマランプの
構成の概略を説明する。
て本発明を詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態
に係る誘電体バリアエキシマランプの外観斜視図、図2
はその底面図を示している。以下ではこれらの図を参照
して、本実施形態に係る誘電体バリアエキシマランプの
構成の概略を説明する。
【0021】図1において、誘電体バリアエキシマラン
プ10は、基本的に、金属製、好ましくはステンレス製
のケース11内に、エキシマ光源としての二重円筒管1
2を支承してなる。ケース11は、二重円筒管12から
の紫外線を被加工物へ照射できるよう下方を開口し、ま
た、その両端には二重円筒管12を支承するための支持
ブロック11aを備える。支持ブロック11aには、二
重円筒管12の外寸に併せた円孔11bが形成され、テ
フロン等の絶縁樹脂部材を介在してここに二重円筒管1
2の両端が嵌め入れられる。二重円筒管12の一端は、
一方の支持ブロック11aを貫通し、そこに電源ユニッ
トからのHVコネクタ20が接続できるようにされる。
後述するように、図示しない電源ユニットからの高電圧
は、HVコネクタ20を介して二重円筒管12内部に設
置された内部電極13(図2及び図3を参照)に与えら
れる。
プ10は、基本的に、金属製、好ましくはステンレス製
のケース11内に、エキシマ光源としての二重円筒管1
2を支承してなる。ケース11は、二重円筒管12から
の紫外線を被加工物へ照射できるよう下方を開口し、ま
た、その両端には二重円筒管12を支承するための支持
ブロック11aを備える。支持ブロック11aには、二
重円筒管12の外寸に併せた円孔11bが形成され、テ
フロン等の絶縁樹脂部材を介在してここに二重円筒管1
2の両端が嵌め入れられる。二重円筒管12の一端は、
一方の支持ブロック11aを貫通し、そこに電源ユニッ
トからのHVコネクタ20が接続できるようにされる。
後述するように、図示しない電源ユニットからの高電圧
は、HVコネクタ20を介して二重円筒管12内部に設
置された内部電極13(図2及び図3を参照)に与えら
れる。
【0022】ケース11は、また、その上部両端寄りに
冷却水チューブ22の装着用の口11c、11cを備え
る。各口11c、11cは、各支持ブロック11a、1
1a内で、二重円筒管12の内筒管内に連通されてい
る。上記一方の冷却水チューブ22を通して与えれる冷
却水が、該内筒管内を通過してこれを冷却し、他方の冷
却水チューブ22へ排出される。排出された冷却水は、
図示しない冷却器、不純物除去フィルターを通して、再
度二重円筒管12内へ循環的に与えられる。好適な実施
例において、この冷却水は、比抵抗率が0.5MΩ・c
m以上の純水、又はこれにエキレングリコールを含んだ
ものである。
冷却水チューブ22の装着用の口11c、11cを備え
る。各口11c、11cは、各支持ブロック11a、1
1a内で、二重円筒管12の内筒管内に連通されてい
る。上記一方の冷却水チューブ22を通して与えれる冷
却水が、該内筒管内を通過してこれを冷却し、他方の冷
却水チューブ22へ排出される。排出された冷却水は、
図示しない冷却器、不純物除去フィルターを通して、再
度二重円筒管12内へ循環的に与えられる。好適な実施
例において、この冷却水は、比抵抗率が0.5MΩ・c
m以上の純水、又はこれにエキレングリコールを含んだ
ものである。
【0023】誘電体バリアエキシマランプ10は、ま
た、網目状の領域を有する外部電極14及び2本の金属
製のガスフロー管15、15を有する。外部電極14
は、図に示すように、二重円筒管12の下側、すなわち
ケース11の開口側に設置される。後述するように、外
部電極14は、その両端をケース11(直接的にはガス
フロー管15)に固定し、所定の張力で二重円筒管12
に押し付けられた状態で、これに接触されている。ケー
ス外側に突出された一方のガスフロー管15の端部に
は、GNDコネクタ21が接続され、該金属製のガスフ
ロー管15を介して、外部電極14は接地される。これ
によって上記電源ユニットから高電圧(例えば、7〜1
0kV、100〜500kHz)は、内部電極13及び
外部電極14間に印加され、その間にある二重円筒管1
2内のキセノンその他の放電用ガスを励起する。外部電
極14の設置態様については後に詳述する。
た、網目状の領域を有する外部電極14及び2本の金属
製のガスフロー管15、15を有する。外部電極14
は、図に示すように、二重円筒管12の下側、すなわち
ケース11の開口側に設置される。後述するように、外
部電極14は、その両端をケース11(直接的にはガス
フロー管15)に固定し、所定の張力で二重円筒管12
に押し付けられた状態で、これに接触されている。ケー
ス外側に突出された一方のガスフロー管15の端部に
は、GNDコネクタ21が接続され、該金属製のガスフ
ロー管15を介して、外部電極14は接地される。これ
によって上記電源ユニットから高電圧(例えば、7〜1
0kV、100〜500kHz)は、内部電極13及び
外部電極14間に印加され、その間にある二重円筒管1
2内のキセノンその他の放電用ガスを励起する。外部電
極14の設置態様については後に詳述する。
【0024】ガスフロー管15は、二重円筒管12によ
る紫外線の照射領域に、窒素ガスやアルゴンガスなどの
不活性ガスを噴霧するための一端を開口した円筒管であ
る。ガスフロー管15には、その長手方向に沿って所定
間隔でガスフロー用の孔15aが開けられ、ここから不
活性ガスが噴霧される。各ガスフロー管15の両端は、
二重円筒管12と同様、両支持ブロック11a、11a
に嵌入され、ここで支承されている。好ましくは支持ブ
ロック11aに対し、テフロン等の絶縁樹脂部材を介在
してガスフロー管15を支承することにより、ケース1
1に対しガスフロー管15を電気的に分離する。これに
より高電圧印加中に誤ってケースに触れたような場合で
も感電することがない。ガスフロー管15の開口された
一端15bは、ケース11の外側に突出され、ここから
不活性ガスの導入が可能にされている。すなわち、ガス
フロー管15の一端15bには、図示しない不活性ガス
の供給源に接続されたガスチューブ23が接続され、こ
れによってガスフロー管15内に不活性ガスが導入さ
れ、上記各孔15aから噴出される。なお、ケース11
は、その両側に固定片11dを備え、固定片11dを介
して紫外線照射装置の筐体に固定することができる。
る紫外線の照射領域に、窒素ガスやアルゴンガスなどの
不活性ガスを噴霧するための一端を開口した円筒管であ
る。ガスフロー管15には、その長手方向に沿って所定
間隔でガスフロー用の孔15aが開けられ、ここから不
活性ガスが噴霧される。各ガスフロー管15の両端は、
二重円筒管12と同様、両支持ブロック11a、11a
に嵌入され、ここで支承されている。好ましくは支持ブ
ロック11aに対し、テフロン等の絶縁樹脂部材を介在
してガスフロー管15を支承することにより、ケース1
1に対しガスフロー管15を電気的に分離する。これに
より高電圧印加中に誤ってケースに触れたような場合で
も感電することがない。ガスフロー管15の開口された
一端15bは、ケース11の外側に突出され、ここから
不活性ガスの導入が可能にされている。すなわち、ガス
フロー管15の一端15bには、図示しない不活性ガス
の供給源に接続されたガスチューブ23が接続され、こ
れによってガスフロー管15内に不活性ガスが導入さ
れ、上記各孔15aから噴出される。なお、ケース11
は、その両側に固定片11dを備え、固定片11dを介
して紫外線照射装置の筐体に固定することができる。
【0025】図3は図2のA−A線における断面図を示
しており、ここに二重円筒管12の構造、内部電極1
3、外部電極14及びガスフロー管15の配置構成が明
瞭に示されている。また、図4は誘電体バリアエキシマ
ランプ10のケース11を除く構成の分解斜視図であ
り、ここに二重円筒管12、内部電極13、外部電極1
4及びガスフロー管15の各形状が明瞭に示されてい
る。以下では、これらの図を中心に、上記各構成部分の
詳細について説明する。
しており、ここに二重円筒管12の構造、内部電極1
3、外部電極14及びガスフロー管15の配置構成が明
瞭に示されている。また、図4は誘電体バリアエキシマ
ランプ10のケース11を除く構成の分解斜視図であ
り、ここに二重円筒管12、内部電極13、外部電極1
4及びガスフロー管15の各形状が明瞭に示されてい
る。以下では、これらの図を中心に、上記各構成部分の
詳細について説明する。
【0026】これら図において二重円筒管12は、誘電
体としての合成石英ガラスからなる外筒管12aと内筒
管12bを同軸配置して構成され、両管12a、12b
間に放電用ガスとしてのキセノンガス16を封入する。
すなわち、外筒管12aと内筒管12bはその両端で一
体にされ、これによってその隙間に形成された密閉空間
内にキセノンガスを封入する。上記内部電極13と外部
電極14間に高電圧を印加することによって、二重円筒
管12内のキセノン原子が励起されてエキシマ状態とな
り、このエキシマ状態から再びキセノン原子に乖離する
時に波長約172nmの紫外線が発光される。本発明に
おいては、放電用封入ガスとして、上記キセノンガスに
代えて、フッ化ネオンガス(波長108nm)、アルゴ
ンガス(126nm)、クリプトンガス(146n
m)、フッ素ガス(157nm)、塩化アルゴンガス
(175nm)、フッ化アルゴンガス(193nm)等
を用いても良く、また紫外線を発光領域として塩化クリ
プトンガス(222nm)、フッ化クリプトンガス(2
48nm)、塩化キセノンガス(308nm)、フッ化
キセノンガス(351nm)等を用いても良い。一つの
実施例において、二重円筒管12は、全長約460m
m、外径約30mm、内径約17mm、管の厚さ約1m
m、放電ギャップ長約5mmである。
体としての合成石英ガラスからなる外筒管12aと内筒
管12bを同軸配置して構成され、両管12a、12b
間に放電用ガスとしてのキセノンガス16を封入する。
すなわち、外筒管12aと内筒管12bはその両端で一
体にされ、これによってその隙間に形成された密閉空間
内にキセノンガスを封入する。上記内部電極13と外部
電極14間に高電圧を印加することによって、二重円筒
管12内のキセノン原子が励起されてエキシマ状態とな
り、このエキシマ状態から再びキセノン原子に乖離する
時に波長約172nmの紫外線が発光される。本発明に
おいては、放電用封入ガスとして、上記キセノンガスに
代えて、フッ化ネオンガス(波長108nm)、アルゴ
ンガス(126nm)、クリプトンガス(146n
m)、フッ素ガス(157nm)、塩化アルゴンガス
(175nm)、フッ化アルゴンガス(193nm)等
を用いても良く、また紫外線を発光領域として塩化クリ
プトンガス(222nm)、フッ化クリプトンガス(2
48nm)、塩化キセノンガス(308nm)、フッ化
キセノンガス(351nm)等を用いても良い。一つの
実施例において、二重円筒管12は、全長約460m
m、外径約30mm、内径約17mm、管の厚さ約1m
m、放電ギャップ長約5mmである。
【0027】内部電極13は、その断面が半円状の金属
板であり、上記二重円筒管12の内筒管12bの内側下
半部分に沿って配置される。内部電極13の断面方向の
曲率は上記内筒管12bの内側の曲率に略合わせて形成
され、これによって、内部電極13の外面は内筒管12
bの内面に面的に接触される。内部電極13は、上記外
部電極14が二重円筒管12の外筒管12aに接触する
領域に対応した領域に配置されれば足り、従ってこれを
実施例のものより細く形成することもできる。上述のよ
うに内部電極13の一端には、HVコネクタ20が装着
され、電源ユニットからの電力が供給可能となる。内部
電極13の材質は、好ましくは銅合金又はステンレス合
金である。
板であり、上記二重円筒管12の内筒管12bの内側下
半部分に沿って配置される。内部電極13の断面方向の
曲率は上記内筒管12bの内側の曲率に略合わせて形成
され、これによって、内部電極13の外面は内筒管12
bの内面に面的に接触される。内部電極13は、上記外
部電極14が二重円筒管12の外筒管12aに接触する
領域に対応した領域に配置されれば足り、従ってこれを
実施例のものより細く形成することもできる。上述のよ
うに内部電極13の一端には、HVコネクタ20が装着
され、電源ユニットからの電力が供給可能となる。内部
電極13の材質は、好ましくは銅合金又はステンレス合
金である。
【0028】外部電極14は、その両側をケース11へ
の固定片14aとし、該固定片14aの間の領域を可撓
性のある網目状の金属線により構成した金属電極であ
る。外部電極14は、その固定片14aを、ケース11
に固定したガスフロー管15にネジ17によってネジ止
めすることによって、ケース11に対し固定される。こ
の際、図3で明確に示すように、外部電極14は、その
網目状の領域が、二重円筒管12の下面側に所定の角度
(以下、接触角θという)で巻き付けられるように、一
定の張力をもって固定される。上記内部電極13と外部
電極14との間に高電圧を印加した場合、該電極間の空
間、すなわち外筒管12aと内筒管12bの間で放電が
引き起こされ、該対応する内部領域のエキシマガスが励
起される。本実施形態においては、外部電極14(及び
内部電極13)は、二重円筒管12の周方向における一
部の領域(接触角θの範囲)にのみ配置されているの
で、該領域にのみにおいてエキシマ放電が起こり、この
領域からのみ紫外線が照射されることとなる。該二重円
筒管12の下部で発光された紫外線は、外部電極14の
網目の間を抜けて被加工物Wの面に照射される。
の固定片14aとし、該固定片14aの間の領域を可撓
性のある網目状の金属線により構成した金属電極であ
る。外部電極14は、その固定片14aを、ケース11
に固定したガスフロー管15にネジ17によってネジ止
めすることによって、ケース11に対し固定される。こ
の際、図3で明確に示すように、外部電極14は、その
網目状の領域が、二重円筒管12の下面側に所定の角度
(以下、接触角θという)で巻き付けられるように、一
定の張力をもって固定される。上記内部電極13と外部
電極14との間に高電圧を印加した場合、該電極間の空
間、すなわち外筒管12aと内筒管12bの間で放電が
引き起こされ、該対応する内部領域のエキシマガスが励
起される。本実施形態においては、外部電極14(及び
内部電極13)は、二重円筒管12の周方向における一
部の領域(接触角θの範囲)にのみ配置されているの
で、該領域にのみにおいてエキシマ放電が起こり、この
領域からのみ紫外線が照射されることとなる。該二重円
筒管12の下部で発光された紫外線は、外部電極14の
網目の間を抜けて被加工物Wの面に照射される。
【0029】本実施形態において、上記接触角θは、二
重円筒管12と外部電極14の相対的な取り付け位置に
より決まる。二重円筒管12の取り付け位置に対する外
部電極14の取り付け位置を変えることによって、上記
接触角θを所望の角度に調整することができる。上記接
触角θを小さく採った場合、電極間に印加する必要のあ
る電力を小さくすることができる一方で、その紫外線の
照射範囲が狭まる。また、上記接触角θを大きく採った
場合、紫外線の照射範囲は広くなるが、一方で、電極間
に印加する電力がより必要となる。相反するこれらの要
求のバランスを考慮して上記接触角θを決定する。本実
施形態において好適な接触角θの範囲は、30〜180
度である。また、外部電極14の材質は、好ましくはモ
ネルメタル、銅合金又はステンレス合金である。
重円筒管12と外部電極14の相対的な取り付け位置に
より決まる。二重円筒管12の取り付け位置に対する外
部電極14の取り付け位置を変えることによって、上記
接触角θを所望の角度に調整することができる。上記接
触角θを小さく採った場合、電極間に印加する必要のあ
る電力を小さくすることができる一方で、その紫外線の
照射範囲が狭まる。また、上記接触角θを大きく採った
場合、紫外線の照射範囲は広くなるが、一方で、電極間
に印加する電力がより必要となる。相反するこれらの要
求のバランスを考慮して上記接触角θを決定する。本実
施形態において好適な接触角θの範囲は、30〜180
度である。また、外部電極14の材質は、好ましくはモ
ネルメタル、銅合金又はステンレス合金である。
【0030】ガスフロー管15は、図3で明瞭に示すよ
うに、ケース11内で二重円筒管12の両側に設置され
る。ガスフロー管15には、その長手方向に沿ってガス
噴出用の孔15aが形成されており、上記設置状態にお
いて孔15aは、斜め下方に向けられている。ガスチュ
ーブ23からガスフロー管15に導入された窒素ガスや
アルゴンガスなどの不活性ガスは、被加工物Wへの紫外
線の照射中、各孔15aから噴出され、上記外部電極1
4の網目を抜けて、紫外線の照射領域、すなわち二重円
筒管12と被加工物Wとの間の領域に噴霧される。
うに、ケース11内で二重円筒管12の両側に設置され
る。ガスフロー管15には、その長手方向に沿ってガス
噴出用の孔15aが形成されており、上記設置状態にお
いて孔15aは、斜め下方に向けられている。ガスチュ
ーブ23からガスフロー管15に導入された窒素ガスや
アルゴンガスなどの不活性ガスは、被加工物Wへの紫外
線の照射中、各孔15aから噴出され、上記外部電極1
4の網目を抜けて、紫外線の照射領域、すなわち二重円
筒管12と被加工物Wとの間の領域に噴霧される。
【0031】誘電体エキシマ光源を用いた被加工物の洗
浄・改質処理においては、二重円筒管12と被加工物W
の間の距離をできるだけ小さく保つことが好ましい。こ
れは、この間に存在する酸素による紫外線の吸収の影響
を小さくするためである。一方で、装置構成上の問題で
上記距離の極小化には限界がある。特に可動テーブルに
よって被加工物Wを光源に対し相対的に移動させる構成
の紫外線照射装置においては、接触の危険性を回避しつ
つこの距離を最小のものとしなければならない。本実施
形態におけるガスフロー管15による不活性ガスの導入
は、該紫外線照射領域における酸素濃度を低減し、これ
によって紫外線の吸収を小さくする。なお、上記ガスフ
ロー管15の管径、孔15aの数、配置、形状等は、必
要とされる不活性ガスの供給量や噴射領域等に応じて適
宜決定される。本発明においては、孔の径や形状をその
場所によって異ならせたり、また孔に代えてスリットを
不活性ガスの噴出用の口として設けても良い。好適な実
施形態において、ガスフロー管15の管径は8mm、肉
厚は1mmである。
浄・改質処理においては、二重円筒管12と被加工物W
の間の距離をできるだけ小さく保つことが好ましい。こ
れは、この間に存在する酸素による紫外線の吸収の影響
を小さくするためである。一方で、装置構成上の問題で
上記距離の極小化には限界がある。特に可動テーブルに
よって被加工物Wを光源に対し相対的に移動させる構成
の紫外線照射装置においては、接触の危険性を回避しつ
つこの距離を最小のものとしなければならない。本実施
形態におけるガスフロー管15による不活性ガスの導入
は、該紫外線照射領域における酸素濃度を低減し、これ
によって紫外線の吸収を小さくする。なお、上記ガスフ
ロー管15の管径、孔15aの数、配置、形状等は、必
要とされる不活性ガスの供給量や噴射領域等に応じて適
宜決定される。本発明においては、孔の径や形状をその
場所によって異ならせたり、また孔に代えてスリットを
不活性ガスの噴出用の口として設けても良い。好適な実
施形態において、ガスフロー管15の管径は8mm、肉
厚は1mmである。
【0032】図5は、上記誘電体バリアエキシマランプ
10を組み込んで構成される紫外線照射装置50の構成
ブロック図である。紫外線照射装置50は、上記構成の
誘電体バリアエキシマランプ10、電源ユニット51、
冷却水供給源52、不活性ガス供給源53及び搬送部5
4を備えて構成される。
10を組み込んで構成される紫外線照射装置50の構成
ブロック図である。紫外線照射装置50は、上記構成の
誘電体バリアエキシマランプ10、電源ユニット51、
冷却水供給源52、不活性ガス供給源53及び搬送部5
4を備えて構成される。
【0033】電源ユニット51は、上記誘電体バリアエ
キシマランプ10の電極(すなわち、内部電極13及び
外部電極14間)に所定電力を供給し、紫外線を発光さ
せるためのものである。電源ユニット51からの供給電
力のオン・オフ制御は、該電源ユニット内に備えられた
制御部によって行われる。冷却水供給源52は、上述し
たように、誘電体バリアエキシマランプ10の二重円筒
管12内に冷却水を循環的に供給する。冷却水供給源5
2からの冷却水は、冷却水チューブ22を介して二重円
筒管12へ供給され、また二重円筒管12から排出され
る。
キシマランプ10の電極(すなわち、内部電極13及び
外部電極14間)に所定電力を供給し、紫外線を発光さ
せるためのものである。電源ユニット51からの供給電
力のオン・オフ制御は、該電源ユニット内に備えられた
制御部によって行われる。冷却水供給源52は、上述し
たように、誘電体バリアエキシマランプ10の二重円筒
管12内に冷却水を循環的に供給する。冷却水供給源5
2からの冷却水は、冷却水チューブ22を介して二重円
筒管12へ供給され、また二重円筒管12から排出され
る。
【0034】不活性ガス供給源53は、上記ガスフロー
管15に不活性ガスを供給するための手段であり、該不
活性ガスは上記ガスチューブ23を介して供給される。
ガスフロー管15に供給されたガスは上述のように、紫
外線照射領域に噴霧される。
管15に不活性ガスを供給するための手段であり、該不
活性ガスは上記ガスチューブ23を介して供給される。
ガスフロー管15に供給されたガスは上述のように、紫
外線照射領域に噴霧される。
【0035】搬送部54は、ガラス基板などの矩形状の
被加工物Wを水平方向に搬送し、上記誘電体バリアエキ
シマランプ10による紫外光の照射範囲を通過させる機
構である。搬送部54は、被加工物を安定して載置し、
これと共に移動される図示しない載置台を備える。載置
台の高さ位置は、これに載置される被加工物の上面、す
なわち被加工面と誘電体バリアエキシマランプ10の底
部との距離が、10mm以下、好ましくは5〜2mmの
範囲になるように設定される。
被加工物Wを水平方向に搬送し、上記誘電体バリアエキ
シマランプ10による紫外光の照射範囲を通過させる機
構である。搬送部54は、被加工物を安定して載置し、
これと共に移動される図示しない載置台を備える。載置
台の高さ位置は、これに載置される被加工物の上面、す
なわち被加工面と誘電体バリアエキシマランプ10の底
部との距離が、10mm以下、好ましくは5〜2mmの
範囲になるように設定される。
【0036】上記各構成を備える紫外線照射装置50
は、安定した雰囲気が維持された図示しない密閉筐体を
備え、その内部において被加工物Wを搬送しつつ、上記
誘電体バリアエキシマランプ10による紫外線の照射を
実現する。誘電体バリアエキシマランプ10は、該密閉
筐体の上部に、図1に示した固定片11dを介して取り
付けることができる。なお、上記誘電体バリアエキシマ
ランプ10を1つの紫外線照射装置50内に複数設置す
ることによって、その紫外線の照射範囲を広くするよう
構成しても良い。この場合、被加工物を移動せずに筐体
内に固定的に支承する構成を採っても良い。
は、安定した雰囲気が維持された図示しない密閉筐体を
備え、その内部において被加工物Wを搬送しつつ、上記
誘電体バリアエキシマランプ10による紫外線の照射を
実現する。誘電体バリアエキシマランプ10は、該密閉
筐体の上部に、図1に示した固定片11dを介して取り
付けることができる。なお、上記誘電体バリアエキシマ
ランプ10を1つの紫外線照射装置50内に複数設置す
ることによって、その紫外線の照射範囲を広くするよう
構成しても良い。この場合、被加工物を移動せずに筐体
内に固定的に支承する構成を採っても良い。
【0037】次に、上記紫外線照射装置50を用いた被
加工物Wの洗浄処理の手順について説明する。図示しな
いロボットハンド等を用いて、紫外線照射装置50の筐
体内に被加工物Wを搬入し、搬送部54の載置台に置
く。任意の固定手段により載置台上に被加工物Wを固定
する。処理開始の制御ボタンの押下又は任意の制御タイ
ミングで、紫外線照射装置50内の各機能が起動され
る。すなわち、電源ユニット51からの電力の供給、冷
却水供給源52からの冷却水の供給、不活性ガス供給源
53からの不活性ガスの供給、及び搬送部54による被
加工物Wの搬送が、略同時に開始される。これによっ
て、誘電体バリアエキシマランプ10は、移動する被加
工物Wの被加工面に対して、不活性ガスを噴霧しつつ紫
外線を照射し、その洗浄を実施する。この間、上記冷却
水によって誘電体バリアエキシマランプ10は冷却され
る。
加工物Wの洗浄処理の手順について説明する。図示しな
いロボットハンド等を用いて、紫外線照射装置50の筐
体内に被加工物Wを搬入し、搬送部54の載置台に置
く。任意の固定手段により載置台上に被加工物Wを固定
する。処理開始の制御ボタンの押下又は任意の制御タイ
ミングで、紫外線照射装置50内の各機能が起動され
る。すなわち、電源ユニット51からの電力の供給、冷
却水供給源52からの冷却水の供給、不活性ガス供給源
53からの不活性ガスの供給、及び搬送部54による被
加工物Wの搬送が、略同時に開始される。これによっ
て、誘電体バリアエキシマランプ10は、移動する被加
工物Wの被加工面に対して、不活性ガスを噴霧しつつ紫
外線を照射し、その洗浄を実施する。この間、上記冷却
水によって誘電体バリアエキシマランプ10は冷却され
る。
【0038】以上、本発明の一実施形態を図面に沿って
説明した。しかしながら本発明は上記実施形態に示した
事項に限定されず、特許請求の範囲の記載に基いてその
変更、改良等が可能であることは明らかである。上記実
施形態においては、二重円筒管12は、支持ブロック1
1aの円孔11bにその両端を嵌め入れるようにして支
持したが、その支承構造はこれに限定されない。例え
ば、ケース11に固定された上記外部電極14上に二重
円筒管12を置くように配置し、その上方からこれを外
部電極に対し押圧するような構成でこれを支承しても良
い。
説明した。しかしながら本発明は上記実施形態に示した
事項に限定されず、特許請求の範囲の記載に基いてその
変更、改良等が可能であることは明らかである。上記実
施形態においては、二重円筒管12は、支持ブロック1
1aの円孔11bにその両端を嵌め入れるようにして支
持したが、その支承構造はこれに限定されない。例え
ば、ケース11に固定された上記外部電極14上に二重
円筒管12を置くように配置し、その上方からこれを外
部電極に対し押圧するような構成でこれを支承しても良
い。
【0039】また、実施形態においては、外部電極14
は、直接的にはガスフロー管15に固定した。しかし、
これをケース11に対し直接固定するよう構成しても良
い。この場合、好ましくは、絶縁性部材をケース11と
外部電極14間に介在させる。更に、本実施形態ではガ
スフロー管15を、外部電極14の内側に配置した例を
示したが、外部電極の外側、すなわち被加工物Wにより
近い位置にガスフロー管15を配置するよう構成しても
良い。上記実施形態においては、二重円筒管12内に冷
却水を流す、いわゆる水冷式誘電体バリアエキシマラン
プを示したが、本発明を空冷式の誘電体バリアエキシマ
ランプに採用することもできる。
は、直接的にはガスフロー管15に固定した。しかし、
これをケース11に対し直接固定するよう構成しても良
い。この場合、好ましくは、絶縁性部材をケース11と
外部電極14間に介在させる。更に、本実施形態ではガ
スフロー管15を、外部電極14の内側に配置した例を
示したが、外部電極の外側、すなわち被加工物Wにより
近い位置にガスフロー管15を配置するよう構成しても
良い。上記実施形態においては、二重円筒管12内に冷
却水を流す、いわゆる水冷式誘電体バリアエキシマラン
プを示したが、本発明を空冷式の誘電体バリアエキシマ
ランプに採用することもできる。
【0040】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、二重管の被
加工物の設置側にのみ電極が設けられているので、エキ
シマランプに投入する電力を小さくしても、被加工物へ
の紫外線の放射光量は殆ど低下せず、従って、その照射
効率を改善することができる。
加工物の設置側にのみ電極が設けられているので、エキ
シマランプに投入する電力を小さくしても、被加工物へ
の紫外線の放射光量は殆ど低下せず、従って、その照射
効率を改善することができる。
【0041】また本発明の誘電体バリアエキシマランプ
においては、コスト及び継続的な光透過性の点で問題の
ある合成石英からなる光取り出し窓を使用せず、また、
不活性ガスの使用量も少なく済むので、比較的安価に構
成でき、またランニングコストを低減することができ
る。
においては、コスト及び継続的な光透過性の点で問題の
ある合成石英からなる光取り出し窓を使用せず、また、
不活性ガスの使用量も少なく済むので、比較的安価に構
成でき、またランニングコストを低減することができ
る。
【図1】本発明の一実施形態に係る誘電体バリアエキシ
マランプの外観斜視図である。
マランプの外観斜視図である。
【図2】図1に示した誘電体バリアエキシマランプの底
面図である。
面図である。
【図3】図2のA−A線における断面図である。
【図4】図1に示した誘電体バリアエキシマランプの分
解斜視図である。
解斜視図である。
【図5】本発明に係る誘電体バリアエキシマランプを組
み込んで構成される紫外線照射装置の構成ブロック図で
ある。
み込んで構成される紫外線照射装置の構成ブロック図で
ある。
【図6】従来の誘電体バリアエキシマランプ装置の一構
成例を示した図である。
成例を示した図である。
W 被加工物 10 誘電体バリアエキシマランプ 11 ケース 11a 支持ブロック 11b 円孔 11c 口 11d 固定片 12 二重円筒管 12a 外筒管 12b 内筒管 13 内部電極 14 外部電極 14a 固定片 15 ガスフロー管 15a 孔 16 キセノンガス 17 ネジ 20 HVコネクタ 21 GNDコネクタ 22 冷却水チューブ 23 ガスチューブ 50 紫外線照射装置 51 電源ユニット 52 冷却水供給源 53 不活性ガス供給源 54 搬送部
フロントページの続き (72)発明者 平塚 克己 東京都新宿区新宿3丁目23番地7号 ホー ヤ・ショット株式会社内 (72)発明者 天野 覺 東京都新宿区新宿3丁目23番地7号 ホー ヤ・ショット株式会社内
Claims (14)
- 【請求項1】 内筒管と透光性のある外筒管の間の空間
に放電用ガスを封入してなる誘電体の二重管と、 上記二重管を収容し、少なくとも該二重管の径方向にお
ける一方側を開放したケース体と、 上記ケース体の開放された領域に固定された外部電極で
あって、上記二重管の一方側における上記外筒管の外面
側に近接配置される網目状の領域を含むものと、 少なくとも上記外部電極が近接配置された上記外筒管の
面の領域に対応する上記内筒管の内面側に配置される内
部電極と、 を備え、上記外部電極と内部電極間に電圧を印加するこ
とにより、上記網目状の外部電極の間から紫外線を放射
する誘電体バリアエキシマランプ。 - 【請求項2】 上記二重管が円筒管である請求項1に記
載の誘電体バリアエキシマランプ。 - 【請求項3】 上記外部電極の網目状の領域が、上記外
筒管の外面に接触されている請求項1又は2に記載の誘
電体バリアエキシマランプ。 - 【請求項4】 上記二重管の周方向における上記外部電
極の上記外筒管に対する接触角が、180度以下のもの
である請求項3に記載の誘電体バリアエキシマランプ。 - 【請求項5】 上記外部電極を、その網目状の領域が上
記外筒管の外面に押圧されるように上記ケース体に対し
固定した請求項3又は4に記載の誘電体バリアエキシマ
ランプ。 - 【請求項6】 上記外部電極は、上記二重管の軸方向に
沿ってその両側に上記ケース体への固定部を備え、該固
定部を介して上記ケース体へ固定されている請求項1〜
5の何れかに記載の誘電体バリアエキシマランプ。 - 【請求項7】 上記ケース体が金属であり、上記外部電
極がケース体に対し絶縁部材を介して固定されている請
求項6に記載の誘電体バリアエキシマランプ。 - 【請求項8】 上記内部電極は、上記内筒管の円周方向
において、該円周の半分の領域に延びている請求項2〜
7の何れかに記載の誘電体バリアエキシマランプ。 - 【請求項9】 上記二重管の軸方向に沿って設けられ、
上記外部電極の間から放射される紫外線の照射領域に向
けて不活性ガスを噴射させる不活性ガス噴射手段を更に
備えた請求項1〜8の何れかに記載の誘電体バリアエキ
シマランプ。 - 【請求項10】 上記不活性ガス噴射手段が、上記二重
管の軸方向に沿ってその両側に設けられた請求項9に記
載の誘電体バリアエキシマランプ。 - 【請求項11】 上記不活性ガス噴射手段が、上記外部
電極よりも内側で上記ケース体に固定され、その不活性
ガスが上記外部電極の間から上記紫外線の照射領域に向
けて噴射される請求項9又は10に記載の誘電体バリア
エキシマランプ。 - 【請求項12】 上記二重管の内筒管及び外筒管が石英
ガラスである請求項1〜11の何れかに記載の誘電体バ
リアエキシマランプ。 - 【請求項13】 上記二重管に封入された放電用ガス
が、キセノンガスである請求項1〜12の何れかに記載
の誘電体バリアエキシマランプ。 - 【請求項14】 請求項1〜13の何れかに記載の誘電
体バリアエキシマランプを備えた紫外線照射装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP2003022963A (ja) * | 2001-07-10 | 2003-01-24 | Canon Inc | 露光装置 |
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-
1999
- 1999-11-29 JP JP33881799A patent/JP2001155684A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
JP2001023579A (ja) * | 1999-07-07 | 2001-01-26 | Ushio Inc | 誘電体バリア放電ランプ装置 |
JP2003022963A (ja) * | 2001-07-10 | 2003-01-24 | Canon Inc | 露光装置 |
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