JP2007128053A - 電子印刷用カラートナー及びセラミックカラープリント付きガラス板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】型式毎にスクリーン版を用意しなくてもよく、所望の形状及び隠蔽性への調整が容易な、セラミックカラープリント付きガラス板の製造方法及びそのための電子印刷用カラートナーの提供。
【解決手段】無機顔料微粒子、酸価5以上の熱分解性樹脂バインダ樹脂及びガラスフリットを含有する粒子からなる、(1)または(2)を満たす電子印刷用カラートナー。(1)トナー全質量中に、無機顔料微粒子を10〜50質量部、熱分解性樹脂バインダ樹脂を5〜40質量部、ガラスフリットを40〜85質量部含有する。(2)質量比で[ガラスフリット]/[熱分解性樹脂バインダ樹脂]≧1.5。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子印刷用カラートナー及びセラミックカラープリント付きガラス板の製造方法に関し、特に、自動車等の窓に使用されるガラス板面との密着性に優れたセラミックカラープリントを形成することのできる電子印刷用カラートナー及びセラミックカラープリント付きガラス板の製造方法に関する。
自動車の窓に用いられるガラス板には、窓ガラスと該窓ガラスをその周縁で車内側から保持するウレタンシーラントとの間に介在するようにセラミックカラープリントが設けられている。このようなセラミックカラープリントは、主に自動車の固定窓の車内側周縁領域に設けられ、ウレタンシーラントの紫外線による劣化を防止し、また、窓ガラスの車内側周縁部に設けられた電熱線等の端子が車外側から見えないようにする機能を有する。さらに、近年は意匠性向上のために、微小なドットパターンをグラデーション状に形成したセラミックカラープリントも広く用いられている。
セラミックカラープリントは、主に無機顔料微粒子を含有するペースト(以下、無機顔料ペーストという)の焼成体からなる。具体的には、耐熱性の無機顔料微粒子とガラスフリットとが樹脂溶液に含有されたペーストを、スクリーン印刷により所定パターンでガラス板面に印刷し、ガラス板を加熱することで、樹脂分を分解し、ガラスフリットで無機顔料微粒子をガラス板面に定着させてセラミックカラープリントをガラス板面に設ける(例えば、特許文献1参照)。なお、耐熱性の無機顔料微粒子としては通常黒色のものが用いられる。
自動車は大量生産品であるため、自動車に使用する窓用のガラス板も大量生産品である。そのため、セラミックカラープリントも一旦パターンが定まれば、定まったパターンに従って無機顔料ペーストを大量のガラス板に順次印刷することが求められる。このような大量生産には、スクリーン版による無機顔料ペーストのスクリーン印刷が適している。しかし、ガラス板を自動車窓に用いる場合等は、自動車の型式に応じてガラス板の形状、セラミックカラープリントの形状等が異なる。したがって、自動車の型式に応じてスクリーン版を用意しなければならず、多くのスクリーン版をストックしておかなければならない。このため、スクリーン版の修正を必要としない、セラミックカラープリント付きガラス板の製造方法及びそのためのセラミックカラー組成物の開発が求められている。
一方で、近年、無機顔料微粒子と熱可塑性樹脂を含んだカラートナー(インク)を電子印刷法により窯業用転写シート上に印刷し、該転写シートを無機質基板表面に密着させ、焼成してカラープリントを形成すること、及びそのためのカラートナーが提案されている。この代表的なものとして、例えば、特許文献2には、カーボンブラック等の無機顔料微粒子と釉薬フリットとを混合し、溶融させた後冷却し、粉砕させてなる着色剤に対し、熱可塑性樹脂を添加したカラートナーを用いる方法が提案されている。しかし、特許文献2においては転写シート表面の、水溶性高分子からなる被膜にトナー画像を転写し、該被膜に保持されたトナー画像を転写シートから剥離して基板に再転写するという工程が必須とされるため、工程が複雑となり、さらに転写率自体も低下する問題があった。さらに、このカラートナーにおいてはポリエステル系、ポリスチレン系及びスチレンアクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂が大量に使用されているため、焼成後に該樹脂がセラミックカラープリント中に炭化物として残存しやすく、その結果、無機質基板表面との密着性に優れたセラミックカラープリントが得られにくいという問題もあった。
特開昭62−72545号公報(特許請求の範囲) 特開2000−214624号公報(特許請求の範囲、実施例)
本発明は、電子印刷用カラートナー及びセラミックカラープリント付きガラス板の製造方法に関し、特に、自動車等の窓に使用されるガラス板面との密着性に優れたセラミックカラープリントを形成することのできるカラートナー及びセラミックカラープリント付きガラス板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記(1)〜(7)に記載の電子印刷用カラートナーならびに下記(8)〜(10)に記載のセラミックカラープリント付きガラス板の製造方法を提供する。
(1)トナーの全固形分100質量部中に、無機顔料微粒子を10〜50質量部、酸価5以上の熱分解性バインダ樹脂を5〜40質量部、ガラスフリットを40〜85質量部含有する電子印刷用カラートナー(以下、第1の態様という)。
(2)無機顔料微粒子と、酸価5以上の熱分解性バインダ樹脂と、ガラスフリットを含有する電子印刷用カラートナーであって、該トナー中のガラスフリットと前記熱分解性バインダ樹脂の質量比が、[ガラスフリット]/[熱分解性バインダ樹脂]≧1.5であることを特徴とする電子印刷用カラートナー(以下、第2の態様という)。
(3)トナー中の無機顔料微粒子とガラスフリットの質量比が、[ガラスフリット]/[無機顔料微粒子]≧1である、(1)または(2)の電子印刷用カラートナー。
(4)酸価5以上の熱分解性バインダ樹脂が、熱可塑性樹脂に不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物を反応させて得られる酸変性熱可塑性樹脂である、(1)〜(3)のいずれかに記載の電子印刷用カラートナー。
(5)酸変性熱可塑性樹脂が、無水マレイン酸変性熱可塑性樹脂である、(4)に記載の電子印刷用カラートナー。
(6)酸変性熱可塑性樹脂が、無水マレイン酸変性ポリオレフィンである、(4)または(5)に記載の電子印刷用カラートナー。
(7)酸価5以上の熱分解性バインダ樹脂が、T100が350〜550℃の熱分解性樹脂である、(1)〜(6)のいずれかに記載の電子印刷用カラートナー。
ここで、T100とは熱重量分析装置(TG)を使用して室温から昇温速度10℃/分で昇温した際に、重量変化がなくなった時点での温度を示す。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載のカラートナーを使用し、ガラス板面に電子印刷方式により前記カラートナーのパターンを形成する工程、及び、前記カラートナーのパターンが形成されたガラス板を加熱し、前記カラートナーをセラミックス化してセラミックスカラープリントのパターンを有するガラス板を製造する工程、を有することを特徴とするセラミックカラープリント付きガラス板の製造方法。
(9)前記ガラス板を加熱する温度が600〜740℃である、(8)に記載のセラミックカラープリント付きガラス板の製造方法。
(10)カラートナーのパターンが形成されたガラス板を加熱して前記カラートナーをセラミックス化するとともに、加熱されたガラス板を熱加工する、(8)または(9)に記載のセラミックカラープリント付きガラス板の製造方法。
本発明によれば、ガラス板面に電子印刷により所定のパターンで電子印刷用カラートナーを印刷し、焼成してガラス板面に所定のパターンのセラミックカラー層を設けているので、パターン毎にスクリーン版を用意することなく、ガラス板面との密着性に優れたセラミックカラープリントを形成することができる。特に、パターン及びスクリーン版を変更する際にも電子情報の差し替えのみで対応できるため、少量多品種生産にも短時間で対応可能である。
本発明において、電子印刷とはゼログラフィー方式による印刷をいう。ゼログラフィー方式とは、静電荷を帯びた感光ドラムを露光して静電潜像を作り、その潜像をトナーによって現像して感光ドラム表面にトナーのパターンを形成し、次いでこのトナーのパターンを基体表面(本発明の場合はガラス板表面が代表例)に転写することを基本としている。本発明はこの電子印刷用に適したカラートナーの発明である。このカラートナーは、電子印刷されたトナーのパターンを焼成してセラミックカラープリント(無機顔料微粒子を含有する溶融ガラスフリットから形成される印刷パターン)を形成する用途に使用される。特に、このカラートナーは、ガラス板表面を電子印刷によりこのカラートナーからなる印刷パターンを形成し、その後ガラス板表面のカラートナーの印刷パターンを焼成してセラミックカラープリントに変換してセラミックカラープリント付きガラス板を製造するという、用途に適したカラートナーである。本発明はまたこのカラートナーを使用してセラミックカラープリント付きガラス板を製造する方法である。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明のセラミックカラープリント付きガラス板を製造する一連の工程の一例を示す側面概念図である。ガラス板Gは、所定形状に切断、面取、洗浄等の工程(ST1)を経て、印刷工程に搬送される。印刷工程ST2においてガラス板G面には、無機顔料微粒子を含むカラートナーが電子印刷装置10により所定パターンで印刷される。所定パターンにトナーが印刷されたガラス板Gは、加熱炉30内に搬送される。加熱炉30内においてガラス板Gは所定温度に加熱され、トナーをガラス板G面に焼き付けて、所定のパターンのセラミックカラープリント付きガラス板が製造される。形成されたセラミックカラープリントは、検査工程(ST4;図示せず)に搬送され、隠蔽性能の検査が行われる。検査工程ST4での検査結果はコンピュータCに送信され、所望の隠蔽性能が得られているか判定された後に、所定パターンやトナーの供給量などの調整情報に変換され、印刷工程ST2での印刷パターン制御に利用される。
ST1の工程では、矩形状のガラス板が所定形状に切断され、切断面が面取される。その後、ガラス板は洗浄され、必要に応じて予備加熱されて搬送ロール20により印刷工程ST2に搬送される。
印刷工程ST2では、感光ドラム13を回転させながら除電機14で感光ドラム13を除電した後、帯電機12で感光ドラム13を帯電させて、光源15からの露光光を照射して所定パターンで感光ドラム13を露光する。次いで、トナー供給機11まで感光ドラム13の露光面を回転させ、感光ドラム13にトナーを授与することで、感光ドラム13面に所定パターンのトナー層が形成される。感光ドラム13面の所定パターンのトナー層は、感光ドラム13の回転にともなって搬送されてきたガラス板G面に、転写される。こうして、ガラス板G面に所定パターンのトナー層が形成される。このとき、感光ドラム13とガラス板G面との間に、中間転写ベルトのような二次転写版を介在させてもよい。
コンピュータCには、露光光を照射して所定パターンで露光するためのパターン情報が保管されている。したがって、コンピュータCからの指令により、光源15から露光光が所定パターンで照射される。ガラス板Gを自動車窓に用いる場合等は、自動車の型式に応じてガラス板の形状、セラミックカラープリントのパターン形状等が異なる。したがって、自動車の型式に応じたこれらのデータに基づき、指令信号を変更することで、容易にある型式のガラス板の製造から別の型式用のガラス板の製造に変更できる。
所定パターンのトナー層を有するガラス板Gは、加熱炉30内に搬送され、所定温度、通常600〜740℃程度に加熱される。こうして、ガラス板G面にトナーを焼き付け、所定パターンのセラミックカラープリントがガラス板に設けられる。通常自動車窓用のガラス板は湾曲しているため、上記のように製造されるセラミックカラープリント付きガラス板を自動車窓に用いる場合には、焼成工程ST3にて加熱され、曲げ加工を経て強化処理が行われる。なお、強化処理ではなく徐冷処理が行われる場合(合わせガラス用のガラス板の曲げ加工)もある。ガラス板の熱加工とは、ガラス板を加熱して曲げ加工や強化処理を行うことをいう。
上記の工程に使用可能である本発明の電子印刷用カラートナー(以下、本トナーという)は、無機顔料微粒子、酸価5以上の熱分解性バインダ樹脂(以下、本バインダ樹脂という)ならびにガラスフリットを含有する粒子からなる。この場合、加熱前は本バインダ樹脂の粘着性により本トナーはガラス板面に定着している。その後加熱過程において、まず本バインダ樹脂が分解する。分解した本バインダ樹脂は、加熱によりガラス板から揮発する。本バインダ樹脂の大部分が揮発した後、ガラスフリットが溶融しはじめて本トナーは主にガラスフリットの粘着性によりガラス板面に定着する。これらの過程において、ガラスフリットが完全に溶融し終わるまでの間に本バインダ樹脂を完全に分解し揮発させることで、焼成後のセラミックカラープリント中の炭化物の残存を抑制できる。最後に、600℃を超える温度までガラス板が加熱されると、無機顔料微粒子が分散した溶融ガラスフリットフリットがガラス板面上に層を形成する。
無機顔料微粒子は、紫外線を遮蔽しまたは可視光も遮蔽するために必須の成分であり、耐熱顔料を用いることが好ましい。黒色のパターンを得る場合、Co、Cr、Mn、Fe及びCuからなる群から選ばれる1種以上の酸化物、もしくは2種以上の複合酸化物が好ましい。具体的には、黒色の発色安定性に優れるCu−Cr−Mn系複合酸化物、Cr−Co系複合酸化物、Fe−Mn系複合酸化物、Cr−Fe−Ni系複合酸化物、Cr−Cu系複合酸化物、マグネタイトからなる群より選ばれる1種以上の耐熱顔料を用いると特に好ましい。
無機顔料微粒子は平均粒径0.2〜5μmであることが好ましい。平均粒径0.2μm以上であることにより、得られるセラミックカラープリント内部の隠蔽性を保持でき、印刷面からガラスが透けて見えるのを防止できる。一方、平均粒径が5μm以下であることにより、得られるセラミックカラープリントの印刷品質を高くできる。無機顔料微粒子は平均粒径0.5〜3μmであることが特に好ましい。
次に、本トナーにおいては、ガラス板との密着性がよく、かつ、熱処理時の分解性もよいバインダ樹脂として本バインダ樹脂が採用される。本バインダ樹脂の採用により、定着性がよくなる理由は正確には解明できていないが、本バインダ樹脂中のカルボキシ基がガラス板表面のシラノール基と相互作用するためと考えられる。ここで、本バインダ樹脂の酸価が5以上であることにより、上記の相互作用を充分に起こすため、本トナーをガラス板面に電子印刷した際、プリントの定着性が安定する。そしてその結果、焼成後、セラミックカラープリントの密着不良が起きにくくなり密着性の良好なプリントを形成することができると考えられる。一方、電子印刷した際に本トナーをガラス板面に充分定着させることができ、転写ロール上にオフセット等の不良が起きにくくなることから、酸価は100以下であることが好ましい。酸価は20〜80であることが特に好ましい。なお、酸価とは、樹脂1g中に存在する酸性基を中和するに要する水酸化カリウムのmg数をいう。
本バインダ樹脂は酸価5以上の酸変性熱可塑性樹脂を主成分とする熱分解性樹脂であることが好ましい。本バインダ樹脂は、酸変性熱可塑性樹脂単独から構成されていてもよく、酸変性熱可塑性樹脂とそれ以外の熱分解性樹脂(たとえば酸性基を有しない熱可塑性樹脂)との組合せからなっていてもよい。後者の場合、酸変性熱可塑性樹脂以外の熱分解性樹脂の割合は酸変性熱可塑性樹脂に対して相対的に少量であることが好ましく、その割合は本バインダ樹脂の全樹脂量に対して30質量%以下、特に10質量%以下が好ましい。酸変性熱可塑性樹脂の主鎖のポリマーと他の熱分解性樹脂の主鎖のポリマーはいずれもビニル重合により得られるポリマーであることが好ましい。両者の主鎖骨格は同一種類のものであっても異なる種類のものであってもよい。他の熱分解性樹脂を含有している場合であっても本バインダ樹脂の酸価は5以上であり、酸性基を有しない他の熱分解性樹脂を含む全樹脂の酸価が5以上である。また、本バインダ樹脂における酸変性熱可塑性樹脂や他の熱分解性樹脂としては市販のものを使用することができる。
酸変性熱可塑性樹脂は酸性基を有するポリマーであり、本発明における酸性基とはカルボキシ基及びカルボン酸無水物基をいう。酸変性熱可塑性樹脂はカルボキシ基及びカルボン酸無水物基のいずれかまたは両方を有する熱可塑性樹脂である。酸変性熱可塑性樹脂は、酸性基を有するモノマーを共重合して得られるポリマーや熱可塑性樹脂に酸性基を有する化合物を反応させて得られるポリマーが好ましい。また、不飽和カルボン酸エステル系モノマーを共重合して得られたポリマーを加水分解して酸性基含有ポリマーを得ることもできる。本発明における酸変性熱可塑性樹脂としては、特に、予め製造された熱可塑性樹脂に酸性基を有する化合物を反応させて得られる酸変性熱可塑性樹脂であることが好ましい。
酸変性熱可塑性樹脂を構成する主たるモノマーとしては、オレフィン、スチレン等の芳香族ビニル系モノマー、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等の(メタ)アクリレート系モノマー、酢酸ビニル等の不飽和アルコールエステル系モノマー、ブタジエンなどのジエン系モノマーなどがある。特にエチレンやプロピレンなどの炭素数6以下のオレフィンを主要モノマーとして得られる熱可塑性樹脂が好ましい。
酸性基を有する化合物(以下酸変性剤という)としては不飽和カルボン酸または不飽和ポリカルボン酸無水物が好ましい。特に、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物が好ましい。具体的には、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などがある。特に、酸変性剤として無水マレイン酸が好ましい。従って、酸変性熱可塑性樹脂としては、熱可塑性樹脂に不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物を反応させて得られる酸変性熱可塑性樹脂が好ましく、特に無水マレイン酸変性熱可塑性樹脂が好ましい。
酸変性熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンに酸性基を有する化合物を反応させて得られる酸変性ポリオレフィンが好ましい。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーなどがあり、なかでもポリプロピレンがトナーとしての安定な帯電量を確保しやすい点で好ましい。酸変性剤をポリオレフィンに反応させる方法としては、酸変性剤とラジカル発生剤(パーオキサイドなど)をポリオレフィンに混入して加熱して反応させる方法、予めポリオレフィンを部分熱分解して得られる低分子量化ポリオレフィン(不飽和基などの反応点を有する)に酸変性剤を混入して反応させる方法、などを採用できる。酸変性ポリオレフィンとしては、無水マレイン酸を酸変性剤としてこれらの方法で得られる無水マレイン酸変性ポリオレフィン、特に無水マレイン酸変性ポリプロピレン、が帯電量の大きさ、帯電の立ち上がりの速さ及び電荷の安定性の点で好ましい。なお、酸変性ポリオレフィンの重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、3000〜15万、特に5000〜8万が好ましい。
また、ガラスフリットは、鉛系、非鉛系を問わず、いずれのものでも使用することができるが、環境等の面から非鉛系のビスマス−シリカ系ガラスフリットが好ましい。ガラスフリットは平均粒径0.1〜5μmの粉末であることが好ましい。ガラスフリットが平均粒径0.1μm以上であることにより、ガラス板面との密着性を充分に確保でき、一方、平均粒径5μm以下であることにより、本トナーの粒子の表面にガラスフリットが露出することを防止でき、電子印刷法によりガラス板面に印刷した際に定着性が低下しにくくなる。ガラスフリットは平均粒径0.5〜3μmであることが特に好ましい。ガラスフリットのガラス転移温度Tgは350〜500℃であることが好ましい。Tgが350℃以上であることにより、樹脂の分解前にガラスフリットの溶融が起きるのを防止できるので、セラミックカラープリントの焼付け不良、すなわち、無機顔料微粒子同士の集積不良やセラミックカラープリントの密着不良の発生を低減できる。一方、Tgが500℃以下であることにより、ガラスフリットが溶融する前に、樹脂が先に分解して揮発してしまうことを防止できるので、本トナーの定着性が低下せず、セラミックカラープリントのガラス板面への密着性を確保できる。
本発明の第1の態様にかかる電子印刷用カラートナーは、本トナーの全固形分100質量部に対して、無機顔料微粒子を10〜50質量部、本バインダ樹脂を5〜40質量部、ガラスフリットを40〜85質量部含むものである。また、本発明の第2の態様にかかる電子印刷用カラートナーにおいても、無機顔料微粒子を10〜50質量部、本バインダ樹脂を5〜40質量部、ガラスフリットを40〜85質量部含むものであると好ましい。
無機顔料微粒子の含有量を10質量部以上とすることにより、印刷面から見た際に、充分な隠蔽性を発現することができる。一方、無機顔料微粒子の含有量を50質量部以下とすることで、セラミックカラープリントとガラス板面との密着性を確保できる。無機顔料微粒子の含有量は15〜40質量部であることが特に好ましい。また、本バインダ樹脂の含有量が5質量部以上であることにより、樹脂とガラスフリットの両方の粘着性によりセラミックカラープリントをガラス板面に定着でき、ガラス板面とセラミックカラープリントの密着性を高められる。一方、本バインダ樹脂の含有量が40質量部以下であることにより、焼成後のセラミックカラープリント中に炭化物が残存しにくくなり、セラミックカラープリントとガラス板面との密着性を長期にわたって充分に確保できる。また、樹脂の分解によりセラミックカラープリント中にクラック、ボイド等の欠点が発生するのを防止できる。本バインダ樹脂の含有量は10〜30質量部であることが特に好ましい。さらに、ガラスフリットの含有量が40質量部以上であることにより、セラミックカラープリントとガラス板面との密着性を長期にわたって充分に確保でき、一方、含有量が85質量部以下であることにより、セラミックカラープリント中に無機顔料微粒子を高濃度に分散させることができ、パターンとしての隠蔽性が得られやすくなる。ガラスフリットの含有量は、本トナーの全固形分100質量部に対して、45〜80質量部であると好ましい。
さらに、本発明の第2の態様にかかる電子印刷用カラートナーにおいては、ガラスフリット及び本バインダ樹脂の含有比率が、質量比で[ガラスフリット]/[本バインダ樹脂]≧1.5である。また、本発明の第1の態様にかかる電子印刷用カラートナーにおいても、ガラスフリット及び本バインダ樹脂の含有比率は、質量比で[ガラスフリット]/[本バインダ樹脂]≧1.5であると好ましい。本発明の第1の態様及び第2の態様において、これらガラスフリット及び本バインダ樹脂の含有比率は2以上がより好ましい。かかる構成により、焼成後のセラミックカラープリント中に炭化物が残存しにくくなり、セラミックカラープリントとガラス板面との密着性を長期にわたって充分に確保できる。また、樹脂の分解によりセラミックカラープリント中にクラック、ボイド等の欠点が発生するのを防止できる。また、本発明の第1の態様及び第2の態様において、ガラスフリット及び本バインダ樹脂の含有比率の上限は10以下、すなわち質量比で[ガラスフリット]/[本バインダ樹脂]≦10とすることが好ましい。より好ましくは8以下である。かかる構成により、ガラスフリットが溶融を始めた時点でも少量の本バインダ樹脂が残存しているため、セラミックカラープリントを樹脂とガラスフリットの両方の粘着性によりガラス板面に定着でき、ガラス板面とセラミックカラープリントの密着性を高められる。ガラスフリット及び本バインダ樹脂の含有比率が、質量比で[ガラスフリット]/[本バインダ樹脂]=2〜8の範囲であると特に好ましい。
一方、本発明の第1の態様及び第2の態様において、ガラスフリット及び無機顔料微粒子の含有比率は、質量比で[ガラスフリット]/[無機顔料微粒子]≧1であることが好ましい。かかる構成により、無機顔料微粒子をセラミックカラープリント中に高度に分散させられるとともにガラス板面上に強固に固定できるので、セラミックカラープリントとガラス板面との密着性を長期にわたって充分に確保できる。また、樹脂の分解によりセラミックカラープリント中にクラック、ボイド等の欠点が発生するのを防止できる。さらにその上限は5以下、すなわち[ガラスフリット]/[無機顔料微粒子]≦5とすることが好ましい。かかる構成により、所望の色調を有し、隠蔽性に優れたセラミックカラープリントを得ることができる。ガラスフリット及び無機顔料微粒子の含有比率は、質量比で[ガラスフリット]/[無機顔料微粒子]=1.5〜4の範囲であると特に好ましい。
本バインダ樹脂は、T100が350〜550℃であると好ましい。本発明において、T100とは、熱重量分析装置(TG)を使用して室温から昇温速度10℃/分で昇温し、樹脂の重量変化の様子を測定して重量変化がなくなった時点での温度を示す。T100が350℃以上であることにより、樹脂の分解前にガラスフリットの溶融が起きるのを防止でき、ガラス板面にセラミックカラープリントを充分に固着することができる。一方、T100が550℃以下であることにより、逆にトナーを焼き付けた際、樹脂が速やかに分解し、揮発するため、セラミックカラープリント中に残留炭素として残ることがほとんどなく、ガラス板面との密着性に優れかつ目的の色調を発現しやすいセラミックカラープリントを得ることができる。T100は400〜450℃であることが特に好ましい。
また、本バインダ樹脂は、(T100−T90)が0.1〜15℃であることが好ましい。ここで、T90とは熱重量分析装置(TG)を使用して室温から昇温速度10℃/分で昇温した際に、樹脂の減少量が90重量%となった時点での温度を示す。(T100−T90)が0.1℃以上であることにより、ガラスフリットが溶融を始めた時点でも少量の本バインダ樹脂が残存しているため、ガラスフリットのガラス転移温度Tg付近においてセラミックカラープリントを樹脂とガラスフリットの両方の粘着性によりガラス板面に定着でき、ガラス板面とセラミックカラープリントとの密着性を高められる。一方、(T100−T90)が15℃以下であることにより、ガラスフリットが完全に溶融し終わるまでの間に本バインダ樹脂を充分に分解できるので、セラミックカラープリント中に本バインダ樹脂が炭化物として残存しにくくなり、目的の色調を発現しやすくかつガラス板面との密着性に優れたセラミックカラープリントを得ることができる。特に、(T100−T90)は5〜15℃が好ましい。
また、セラミックカラープリントの強度低下を抑制するためや、ガラス板のプレス曲げ加工時に用いるプレス型にセラミックカラープリントが付着しないこと、すなわち型離れ性を良好にする等の目的に応じて、本トナー中に無機フィラーを添加してもよい。このとき、無機フィラーとしては耐熱性の無機フィラーを用いることが好ましく、ホウ酸アルミニウム、α−アルミナ、チタン酸カリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、塩基性硫酸マグネシウム及び二ホウ化チタンからなる群より選ばれる1種以上の無機物からなるフィラーを用いることがより好ましい。無機フィラーの形状は特に限定されないが、板状のフィラーを用いると、セラミックカラープリント内部の隠蔽性を高くできるため好ましい。無機フィラーの量は、無機顔料微粒子と無機フィラーの合計量が、前記したガラスフリットに対する無機顔料微粒子の好ましい条件を満たす量的範囲内にあることが好ましい。すなわち、無機フィラーを含有する場合、質量比で1≦[ガラスフリット]/[無機顔料微粒子+無機フィラー]≦5であることが好ましい。
また、無機フィラー以外に必要に応じて他の配合成分を配合することもできる。たとえば、アゾ系含金染料、サリチル酸系含金染料、4級アンモニウム塩等の電荷制御剤等をトナー中に含有することもできる。無機フィラーを含めこれら配合成分の配合量は前記必須3成分の量的条件を満たす範囲内で使用することができる。
本トナーは、例えば本バインダ樹脂、無機顔料微粒子及びガラスフリット等を混合し、混練、冷却してペレットを作製し、その後、粉砕分級することにより製造される。混練時の加熱温度は150〜200℃であることが好ましい。加熱温度を150℃以上とすることで、樹脂、無機顔料微粒子及びガラスフリット等の混合を均一に行うことができる。一方、加熱温度が200℃以下であることにより、トナー作製段階における本バインダ樹脂の分解を防止できる。本トナーは平均粒径5〜50μmであることが好ましい。平均粒径5μm以上であることにより、本トナー中の無機顔料微粒子やガラスフリットが表面に露出せず、本トナーの帯電量を確保できるため、電子印刷する際、本トナーの帯電量が不足することによる地かぶり等の印刷不良の発生を抑制できる。一方、平均粒径50μm以下とすることにより、高精細な印字品質が得られやすくなる。
得られた本トナーをガラス板面に電子印刷法で印刷した後、トナーが印刷されたガラス板を所定温度に加熱してトナーを焼き付けることによりセラミックカラープリントを形成することができる。このとき、加熱温度は600〜740℃が好ましい。加熱温度が600℃以上であることにより、ガラスフリットが完全に溶融するので、セラミックカラープリントとガラス板面との密着性を長期にわたって充分に確保できる。一方、加熱温度が740℃以下であることにより、ガラス板の変形を防止できる。本発明において、ガラス板としては、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が使用できる。
本発明により形成されるセラミックカラープリントの膜厚は5〜30μmであることが好ましい。膜厚5μm以上であることにより、安定した隠蔽性が得られやすくなり、膜厚30μm以下であることにより、一回の電子印刷でも所望の膜厚を得やすくなり、取り扱いの容易性に優れる。膜厚が10〜20μmであることが特に好ましい。
図2は、本発明の好ましい形態に係る制御プロセスを説明する概念図である。ST1で前処理されたガラス板は、印刷工程ST2で所定のパターンにトナーが印刷され、焼成工程ST3で加熱されトナーが焼き付けられてセラミックカラープリント付きガラス板が製造される。焼成工程ST3の後に、検査工程ST4にて形成されたセラミックカラープリントの隠蔽性能が測定される。測定された隠蔽性能データは、印刷工程においてトナーのパターンを制御するコンピュータCに送付される。必要に応じて、焼成工程ST3における温度データも、コンピュータCに送付される。コンピュータCに送付されたデータは、所望の隠蔽性能が得られるかを判定するためのデータに利用される。所望の性能が得られていないと判定された場合、コンピュータCの演算により、所望の性能となるように印刷されるトナーの印刷パターン及び供給量を調整する。調整されたトナーの印刷パターン及び供給量が印刷工程ST2にフィードバックされて、次のガラス板にセラミックカラープリントを設ける。
このようなフィードバックにより所望の隠蔽性能が得られると、制御データを固定して、セラミックカラープリント付きガラス板を連続的に大量に製造することができる。
さらに、ガラス板Gを自動車窓に用いる場合には、コンピュータCには自動車の型式に応じたガラス板の形状データ、セラミックカラープリントのパターン形状のデータ等を保管、蓄積させておくことができる。これにより、ある型式用のガラス板の製造にあたり、その型式に該当するセラミックカラープリントのパターン形状に関するデータに基づく指令を電子印刷機に送信することで、ある型式から別の型式への変更を容易にし各型式に応じた印刷を行うことができる。さらに、型式に関するデータのうちガラス板の形状データに基づく指令をガラス板の切断、面取工程(ST1)に送信することで、ある型式から別の型式への変更を容易にし各型式に応じた切断、面取を行うことができる。
印刷工程ST2では、カラートナーだけでなく、導電性微粒子を含むトナー(以下、導電性トナーという)をガラス板面に印刷することもできる。たとえば、図3に例示した自動車後部窓は、ガラス板Gの中央領域に導電プリント線(デフォッガ1、アンテナ線2、バスバ3)が、周縁領域に暗色セラミックプリント4が、それぞれ設けられている。図1に示した感光ドラムに、さらに導電性トナーを所定パターンで印刷することで、カラートナーとともに導電性トナーをガラス板面に印刷できる。カラートナーと同様に、従来は導電性トナーもスクリーン印刷により印刷されていたので、このようにカラートナーとともに導電性トナーを電子印刷することで、大量生産に適した製造方法にすることができる。
以下に、例1〜8(実施例)及び例9〜13(比較例)を示す。なお、本例において、分解温度については熱重量分析装置(島津製作所社製、型式:DTG−50)を使用して、昇温速度10℃/分で、室温から700℃までの間の測定を行い、樹脂の重量変化がなくなる温度T100と、樹脂の減少量が90%となった時点での温度T90とを求めた。
また、例1〜10、12、13で用いた樹脂の平均分子量は重量平均分子量であり、例11で用いた樹脂の平均分子量は数平均分子量である。
[例1]
容量200mLのステンレス(SUS304)製の容器に、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三洋化成社製、商品名:ユーメックス110TS、平均分子量12000、酸価7、T100=450℃、T90=435℃)20質量部、Cu−Cr−Mn系複合酸化物からなる黒色耐熱顔料微粒子(東罐マテリアル・テクノロジー社製、商品名:42−302A、平均粒径0.6μm)18質量部、ガラスフリット(ビスマス−シリカ系無鉛フリット、ガラス転移温度Tg=461℃、溶融温度=565℃、平均粒径2μm)62質量部を混合し、180℃に昇温して混練した後、室温まで冷却して固体物を得た。この固体物をジェットミルで粉砕し、分級して平均粒径20μmのトナーを得た。
このトナーを使用して、大きさ30cm×30cmの板ガラス上に電子印刷機で線幅10mm、長さ80mmの長方形のパターンを印刷した後、700℃で4分間焼成して、セラミックカラープリントを形成した。このセラミックカラープリントについて、下記評価を行った。評価結果を表1に示す。以下、例2〜12においても同様に評価を行い、その結果を表1に示す。また、例13において同様に評価を行うと、表1に示す結果が得られる。
[密着性評価]
光学顕微鏡によりガラス板の裏側からセラミックカラープリントとの密着部を観察して、セラミックカラープリントの剥離及び密着不良の有無を確認した。なお、密着不良とは、セラミックカラープリントがガラス板面に密着しておらず、浮いた状態のものをいう。評価として、剥離のまったくないものをA、ガラス板とセラミックカラープリント界面に直径0.5mm以下の密着不良が5個以下であるものをB、ガラス板とセラミックカラープリント界面に存在する直径0.5mm以下の密着不良が6〜10個であるものをC、直径0.5mm以下の密着不良が11個以上であるか、または、0.5mm超の密着不良が観察され、かつ、セラミックカラープリントの剥離がない物をD、セラミックカラープリントが一部だけ完全に剥離したものをE、全て剥離したものをFと評価した。評価として、A、B、Cと判断されたものを合格とした。
[可視光線透過率評価]
セラミックカラープリントの可視光線透過率を分光測定器(MINOLTA社製、商品名:分光測色計CM−3600d)により測定し、可視光線透過率が0.3%以下であるものを合格とした。
[例2]
例1において、顔料微粒子32質量部、ガラスフリット48質量部とした以外は同様にして操作を行い、平均粒径20μmのトナーを得た。
[例3]
例1において、無水マレイン酸変性ポリプロピレン15質量部、顔料微粒子19質量部、ガラスフリット66質量部とした以外は同様にして操作を行い、平均粒径20μmのトナーを得た。
[例4]
例1において、無水マレイン酸変性ポリプロピレン10質量部、顔料微粒子20質量部、ガラスフリット70質量部とした以外は同様にして操作を行い、平均粒径20μmのトナーを得た。
[例5]
例1において、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三洋化成社製、商品名:ユーメックス1001、平均分子量40000、酸価26、T100=450℃、T90=435℃)を使用した以外は、同様にして操作を行い、平均粒径20μmのトナーを得た。
[例6]
例1において、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三洋化成社製、商品名:ユーメックス1003、平均分子量20000、酸価21、T100=440℃、T90=430℃)を使用した以外は、同様にして操作を行い、平均粒径20μmのトナーを得た。
[例7]
例1において、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三洋化成社製サンプル、平均分子量43000、酸価38、T100=430℃、T90=420℃)を使用した以外は、同様にして操作を行い、平均粒径20μmのトナーを得た。
[例8]
例1において、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三洋化成社製、商品名:ユーメックス1010、平均分子量30000、酸価52、T100=430℃、T90=420℃)を使用した以外は、同様にして操作を行い、平均粒径20μmのトナーを得た。
[例9(比較例)]
例1において、顔料微粒子55質量部、ガラスフリット25質量部とした以外は同様にして操作を行い、平均粒径20μmのトナーを得た。
[例10(比較例)]
例1において、無水マレイン酸変性ポリプロピレン50質量部、顔料微粒子11質量部、ガラスフリット39質量部とした以外は同様にして操作を行い、平均粒径20μmのトナーを得た。
[例11(比較例)]
例1において、無水マレイン酸変性ポリプロピレンの代わりにポリプロピレン(三洋化成社製、商品名:ビスコール660−P、平均分子量7900、T100=380℃、T90=365℃)を使用した以外は、同様にして操作を行い、平均粒径20μmのトナーを得た。
[例12(比較例)]
例1において、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三洋化成社製、商品名:ユーメックス100TS、平均分子量10000、酸価3.5、T100=380℃、T90=370℃)を使用した以外は、同様にして操作を行い、平均粒径20μmのトナーを得た。
[例13(比較例)]
例1において、無水マレイン酸変性ポリプロピレンの代わりにポリスチレン(三洋化成社製、商品名:ハイマーST−120、平均分子量10000、T100=460℃、T90=445℃)を使用した以外は、同様にして操作を行い、平均粒径20μmのトナーを得た。
Figure 2007128053
表1の結果より、本トナーを用いた実施例(例1〜8)については密着性が良好で、かつ可視光線透過率が低く抑えられたセラミックカラープリント付きガラス板が得られたことがわかる。
本発明は、ガラス板面にセラミックカラープリントを設ける方法及びそのための電子印刷用カラートナーに関するものであり、特に自動車窓用のセラミックカラープリント付きガラス板の製造方法に利用可能である。
本発明のセラミックカラープリント付きガラス板を製造する一連の工程の一例を示す側面概念図である。 本発明の好ましい形態に係る制御プロセスを説明する概念図である。 自動車後部窓の一例を示す正面図である。
符号の説明
1:デフォッガ
2:アンテナ線
3:バスバ
4:暗色セラミックプリント
10:電子印刷装置
11:トナー供給機
12:帯電機
13:感光ドラム
14:除電機
15:光源
20:搬送ロール
30:加熱炉
G:ガラス板
C:コンピュータ
ST1:面取工程
ST2:印刷工程
ST3:焼成工程
ST4:検査工程

Claims (10)

  1. トナーの全固形分100質量部中に、無機顔料微粒子を10〜50質量部、酸価5以上の熱分解性バインダ樹脂を5〜40質量部、ガラスフリットを40〜85質量部含有する電子印刷用カラートナー。
  2. 無機顔料微粒子と、酸価5以上の熱分解性バインダ樹脂と、ガラスフリットを含有する電子印刷用カラートナーであって、該トナー中のガラスフリットと前記熱分解性バインダ樹脂の質量比が、[ガラスフリット]/[熱分解性バインダ樹脂]≧1.5であることを特徴とする電子印刷用カラートナー。
  3. トナー中の無機顔料微粒子とガラスフリットの質量比が、[ガラスフリット]/[無機顔料微粒子]≧1である、請求項1または2に記載の電子印刷用カラートナー。
  4. 酸価5以上の熱分解性バインダ樹脂が、熱可塑性樹脂に不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物を反応させて得られる酸変性熱可塑性樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載の電子印刷用カラートナー。
  5. 酸変性熱可塑性樹脂が、無水マレイン酸変性熱可塑性樹脂である、請求項4に記載の電子印刷用カラートナー。
  6. 酸変性熱可塑性樹脂が、無水マレイン酸変性ポリオレフィンである、請求項4または5に記載の電子印刷用カラートナー。
  7. 酸価5以上の熱分解性バインダ樹脂が、T100が350〜550℃の熱分解性樹脂である、請求項1〜6のいずれかに記載の電子印刷用カラートナー。
    ここで、T100とは熱重量分析装置(TG)を使用して室温から昇温速度10℃/分で昇温した際に、重量変化がなくなった時点での温度を示す。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のカラートナーを使用し、ガラス板面に電子印刷方式により前記カラートナーのパターンを形成する工程、及び、前記カラートナーのパターンが形成されたガラス板を加熱し、前記カラートナーをセラミックス化してセラミックスカラープリントのパターンを有するガラス板を製造する工程、を有することを特徴とするセラミックカラープリント付きガラス板の製造方法。
  9. 前記ガラス板を加熱する温度が600〜740℃である、請求項8に記載のセラミックカラープリント付きガラス板の製造方法。
  10. カラートナーのパターンが形成されたガラス板を加熱して前記カラートナーをセラミックス化するとともに、加熱されたガラス板を熱加工する、請求項8または9に記載のセラミックカラープリント付きガラス板の製造方法。
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