JP2007127717A - ディスプレイマスクならびにマスク付ディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来からディスプレイにコンテンツを表示する際に、ディスプレイの表示領域に対してコンテンツの表示サイズに余剰領域がある場合には、ディスプレイ上に黒い帯を表示するなどして対応しているが、人間の目の特性から黒い帯でマスクされている部分に黒い映像が写し出されていることを潜在意識的に感じ取り、その部分も含めて画像であると認識するために、臨場感が損なわれるという課題がある。
【解決手段】本発明は、かかる実情に鑑み、ディスプレイに対して相対的に固定可能でありディスプレイの映像表示領域の一部分を視認可能としつつ、他の部分を覆うことができるディスプレイマスク、及び、マスク付ディスプレイ装置を提案するものである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、かかる実情に鑑み、ディスプレイに対して相対的に固定可能でありディスプレイの映像表示領域の一部分を視認可能としつつ、他の部分を覆うことができるディスプレイマスク、及び、マスク付ディスプレイ装置を提案するものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、ディスプレイに対して相対的に固定可能でありディスプレイの映像表示領域の一部分を視認可能としつつ、他の部分を覆うディスプレイマスクならびにマスク付ディスプレイ装置に関するものである。
従来からディスプレイにコンテンツを表示する際に、ディスプレイの表示領域に対してコンテンツの表示サイズに余剰領域がある場合には、ディスプレイの表示領域にあわせてコンテンツの表示サイズを拡大、縮小する、あるいは、コンテンツの表示サイズにあわせてディスプレイ上に黒い帯を表示することによって対応している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−186803号公報
しかしながら、上記ディスプレイの表示領域にあわせてコンテンツの表示サイズを拡大、縮小等するという手法においては、本来あるべき上下左右の映像がディスプレイ表示領域に合わせてカットされたり、画像が不自然に拡大されたりする、などの課題が生じる。また、コンテンツの表示サイズにあわせてディスプレイ上に黒い帯を表示するという手法においては、人間の視覚特性を原因とする以下のような課題が生じる。すなわち、人間はものの境界を視覚的に認識する際、輝度や波長の不連続を検出することでその境界を認識する。また、その他に質感などの物体形状なども加味した上でものの境界を認識する。つまり、輝度的にはコンテンツ映像と不連続である「黒い帯」は、その物体形状の点では画像と連続しているため、結局潜在意識的には不要な黒い帯の部分も含めてコンテンツ映像と認識されてしまう。したがって、上記黒い帯を用いた手法では、現実的にはあり得ない黒い帯まで含めてコンテンツ映像であると潜在意識下で認識されてしまうため、結局臨場感が損なわれてしまう、という課題である。
本発明は、かかる実情に鑑み、ディスプレイに対して相対的に固定可能でありディスプレイの映像表示領域の一部分を視認可能としつつ、他の部分を覆うことができるディスプレイマスク、及び、マスク付ディスプレイ装置を提案するものである。また、映像情報から取得した縦/横比情報に基づいてディスプレイマスクを駆動して、最適な縦横比となるように視認可能な映像表示領域の縦/横比を調節することができる。また、このディスプレイマスクで覆われ、ユーザーが視認不可となったディスプレイの遮蔽領域における映像表示を非表示とすることもできる。
以上、説明したように本件発明に係るディスプレイマスクにおいては、ディスプレイに表示されるコンテンツが、ディスプレイの表示領域に対して余剰領域が生じる場合であっても、不自然な拡大・縮小を行うことや、黒い帯状の表示を出力することで対応するのではなく、ディスプレイの画像表示可能領域の縦横比を物理的な覆いで変更できることで、視聴者にマスク部はあくまでもディスプレイ筐体の縁取領域であると錯覚させることが可能となる。つまり、視聴者は潜在意識的に画像が表示される領域がその縁取内部であると感じられ、臨場感が極めて顕著になる効果が期待できる。また、映像情報から取得した縦/横比情報に基づいてディスプレイマスクが駆動し、最適な縦横比となるように視認可能な映像表示領域の縦/横比を調節する場合には、利用者が特段の処理を行わなくても自動的にマスク部で覆う範囲の調節が行われるため、利便性が高い。また、上記ディスプレイの遮蔽領域における映像表示を非表示とすることで、このマスク付ディスプレイ装置の消費電力を低減させる効果を奏する。
以下に、各発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
実施形態1は、主に請求項1から6について説明する。 実施形態2は、主に請求項7から9、11について説明する。 また、実施形態3は、主に請求項10、12について説明する。
<<実施形態1>>
<実施形態1:概要> 本実施形態の概要について説明する。本実施形態は、ディスプレイに対して相対的に固定可能でありディスプレイの映像表示領域の一部分を視認可能としつつ、他の部分を覆うことができるディスプレイマスクである。
図1は、本実施形態のディスプレイマスクの一例を示すものである。本実施形態のディスプレイマスク(0100)は、ディスプレイの筐体部分(0101)などに固定されており、ディスプレイの映像表示領域(0102)の一部分を視認可能としつつ、他の部分を覆うことができる。図1の下部に示したのは、ディスプレイマスクの付いたディスプレイ装置を横から見た図の一例である。左側には、ディスプレイの映像表示領域を全く覆わない状態から、一部分を覆うまでの一連の動きを(a)から(c)で表した。また、右側には巻き取られているマスクを引き下げ、あるいは、引き上げることでディスプレイの映像表示領域を全く覆わない状態から、一部分を覆う状態とする図を示した。なお、下からマスクを引き上げる際には、端部にレールなどが備えられていることが想定される。このように、ディスプレイマスクは、ディスプレイを外部から物理的に覆うための仕組みである。なお、ディスプレイマスクは、図で示したボード状形態に限定されるものではなく、すだれ状、蛇腹状、垂れ幕状、ロールカーテン状、よろい戸状など様々な形態であってもよく、また上下から中央領域に向けて覆うことも必須ではない。
<実施形態1:構成1> 本実施形態での概念図の一例を図2に示した。 図2に示す本実施形態の「ディスプレイマスク」(0200)は、「マスク部」(0201)を有する。
「マスク部」(0201)は、ディスプレイに対して相対的に固定可能でありディスプレイの映像表示領域の一部分を視認可能としつつ、他の部分を覆うことができる。このマスク部は、特に素材を限定するものではなく、プラスチック、金属、布、紙、樹脂、ガラス、セラミックス、ゴムなどにて広く実現できる。マスク部は、ディスプレイの映像表示領域の一部分を覆う、あるいは、覆わない状態にするために可動する形態を有し、ディスプレイからの着脱は可能な場合もあるし、一体的に固定されていて不可能な場合もある。また、映像表示領域の視認可能とする部分の範囲を自在に変更できるために、マスク部が伸縮等する形態を有するとしてもよい。
マスク部は、視認可能なディスプレイの縦/横比を、マスクを利用しない場合に比較して小さくするためのディスプレイ上下領域覆を有する場合がある。ディスプレイの縦/横比を小さくすることは、ディスプレイの表示領域を左右部分に比べて、上下部分を広範囲に覆うことで実現可能となる。例えば、図のようにディスプレイの縦/横比が3/4であった場合に、これをマスクを利用して3/8にするような場合が該当する。人間の臨場感は、外界を目視することにどれくらい近づくことが出来るかによって得られるものであるから、黒い帯状の表示を出力することでマスクを行ってディスプレイ内に映像を表示しない領域を設ける場合には、そこに映像があると感じることで、外界を目視する場合に比べて違和感が起こり自然と臨場感が減少してしまう。これに対してディスプレイの画像表示可能領域の縦横比を物理的な覆いで変更し、マスク部はあくまでもディスプレイ筐体の縁取領域であると錯覚させる場合には潜在意識的に画像が表示される領域がその縁取内部であると感じると想像され、臨場感が極めて顕著になると想像される。
あるいは、マスク部は、視認可能なディスプレイの縦/横比を、マスクを利用しない場合に比較して大きくするためのディスプレイ左右領域覆を有する場合がある。これによって、例えば映画フィルムとの互換性などを鑑み設定された9/16のディスプレイの縦/横比を、当初研究によって人に好まれるとされた3/5の縦/横比(1970年代のハイビジョン暫定規格)などとすることもできる。
また、このマスク部は、スピーカー機能を有するスピーカーボードであっても良い。その場合、本実施例のディスプレイマスクを備えるディスプレイ装置は別途スピーカー配置領域を設ける必要がなくなるので、省スペース化を図ることができる。
<実施形態1:構成2> 本実施形態での概念図の別の例を図3に示した。 図3に示す本実施形態の「ディスプレイマスク」(0300)は、「マスク部」(0301)と、「開閉部」(0302)と、を有する。
「開閉部」(0302)は、ディスプレイ中央領域からディスプレイ両端に向かってマスク部(0301)を開閉自在とする。このとき、ディスプレイ中央領域からディスプレイ上下端に向かってマスク部を開閉自在とする場合に加え(図3(a))、ディスプレイ中央領域からディスプレイ左右端に向かってマスク部を開閉自在とする場合(図3(b))もある。開閉は、手動で行うとしてもよいし、利用者の操作、あるいは、表示するコンテンツの表示サイズなどに応じて自動的に行われるとしてもよい。詳細については、後述する。
その他各部の機能については、構成1と同様である。
<実施形態1:構成3> 本実施形態での概念図の別の例を図4に示した。 図4に示す本実施形態の「ディスプレイマスク」(0400)は、「マスク部」(0401)と、「固定部」(0402)と、を有する。本機能ブロック図は、構成1を基本としたものであるが、構成2を基本とする場合には、他の構成要素を要する。
「固定部」(0402)は、ディスプレイ頂部又は/及び底部にてマスク部(0401)を固定する。マスク部の固定は、ディスプレイからの着脱が可能な程度の場合もあるし、一体的に固定されていて着脱不可能な場合もある。また、ディスプレイ底部においては、マスクが下に垂れないように、マグネットや、面ファスナー(ベルクロ・ファスナー)で固定できるとしてもよいし、上から糸などで吊り下げられて支えられてもよい。
「マスク部」(0401)は、すだれ状であり、手めくりによりディスプレイの映像表示領域の一部分を視認可能として、他の部分を覆い、又は覆わなくすることができる。これは、ディスプレイ裏側などからすだれ状(たれ幕状)構造のマスク部をディスプレイ前面に利用者が手動で移動させることなどが該当する。このとき、マスク部が伸縮等する形態を有する場合には、映像表示領域の視認可能とする部分の範囲を自在に変更できるとしてもよい。
その他各部の機能については、構成1,2と同様である。
<実施形態1:構成4> 本実施形態での概念図の、さらに別の例を図5に示した。 図5に示す本実施形態の「ディスプレイマスク」(0500)は、「マスク部」(0501)と、「駆動部」(0502)と、を有する。そして、このマスク部が覆うことができる領域は、ディスプレイの映像表示領域の左又は/及び右領域である左右領域、ディスプレイの映像表示領域の上又は/及び下領域である上下領域である。
「駆動部」(0502)は、マスク部を、左右領域を覆う状態と、上下領域を覆う状態との間で配置変更することができる。このとき、例えば図5(a)に示すように、映像表示領域の縦/横サイズが「9α×16α」のディスプレイの左右領域を、「4α×11α」のマスク部によって2αサイズ分ずつ覆うことで、このディスプレイのサイズは「9α×12α」となり、その縦/横比は3/4となっている。そして、駆動部の作用によりマスク部が黒点で示す回転軸を中心に、図5(b)の矢印にて示すような回転駆動を行い、そこから左右にスライド移動をすることによりディスプレイの映像表示領域の下端(あるいは上端)が3αサイズ分覆われ、サイズが「6α×16α」、すなわち縦/横比「3/8」のディスプレイとなる、という具合である。なお、この駆動部は、上記のようにディスプレイ装置の筐体に回転軸を設け、モーターなどで自動的にマスク部を駆動自在としても良いし、あるいは手動で駆動自在となっていても良い。また、この駆動はコンテンツの表示サイズなどに応じて自動的に行われるとしてもよい。詳細については、後述する。
その他各部の機能については、構成1、2,3と同様である。
<実施形態1:効果> 本実施形態は、ディスプレイに対して相対的に固定可能でありディスプレイの映像表示領域の一部分を視認可能としつつ、他の部分を覆うことができるディスプレイマスクである。ディスプレイに表示されるコンテンツが、ディスプレイの表示領域に対して余剰領域が生じる場合であっても、不自然な拡大・縮小を行うことや、黒い帯状の表示を出力することで対応するのではなく、ディスプレイの画像表示可能領域の縦横比を物理的な覆いで変更できることで、視聴者にマスク部はあくまでもディスプレイ筐体の縁取領域であると錯覚させることが可能となる。つまり、視聴者は潜在意識的に画像が表示される領域がその縁取内部であると感じられ、臨場感が極めて顕著になる効果が期待できる。
<<実施形態2>>
<実施形態2:概要> 本実施形態の概要について説明する。本実施形態は、実施形態1のディスプレイマスクを有するマスク付ディスプレイ装置である。
<実施形態2:構成> 本実施形態での機能ブロックの一例を図6に示した。 図6に示す本実施形態の「マスク付ディスプレイ装置」(0600)は、「ディスプレイマスク」(0610)を有し、「縦/横比情報取得部」(0621)と、「調節部」(0622)とを有する場合がある。
「マスク付ディスプレイ装置」(0600)は、すでに説明したようなディスプレイマスクを有する他は、一般的なディスプレイ装置であり、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ、冷陰極マトリクス型ディスプレイなどが該当する。また、ディスプレイ装置の映像表示領域は縦/横比が3/4のいわゆるスタンダードサイズや、9/16のいわゆるハイビジョン(ワイドクリアビジョン)サイズであってもよい。
「ディスプレイマスク」(0610)は、すでに説明したように、「マスク部」(0611)等を有する。ディスプレイの映像表示領域の縦/横比が3/4や9/16の場合には、ディスプレイマスクによりディスプレイの映像表示領域の縦/横比を3/8等任意の縦/横比とすることが可能である。ディスプレイマスクで映像表示領域の一部分を覆うことで、横方向にワイドな表示形態が実現される。また、映像表示領域の縦/横比を3/8とするのは、人間の目の左右上下の視認限界領域との相似性から臨場感が極めて顕著になると想像されるからである。
「縦/横比情報取得部」(0621)は、映像情報に基づいて縦/横比情報を取得する。「縦/横比情報」とは、ディスプレイに表示すべき映像の縦/横比を示す情報をいう。ここで、映像情報は、コンテンツを構成する情報であり、動画を構成する情報だけでなく、静止画を構成する情報が含まれる場合もある。映像情報の取得は、受信チューナーなどを介して放送されたコンテンツを受信して取得する場合や、インターネットなどを介してコンテンツをダウンロードして取得する場合、すでに映像表示装置内のHDDなどに蓄積されているコンテンツを読み出して取得する場合などが想定される。したがって、映像情報に基づく縦/横比情報は、映像情報に付加された縦/横比情報を映像情報の取得の際に付随して取得するものとしてもよいし、単独の情報として、映像情報とは別個に取得するものとしてもよい。
「調節部」(0622)は、取得した縦/横比情報に基づいてディスプレイマスクを駆動して、最適な縦/横比となるように視認可能な映像表示領域の縦/横比を調節する。縦/横比情報に基づいて、ディスプレイの表示領域に映像情報によって構成されるコンテンツが全て表示され、かつ、生じた余剰領域を視聴者に視認できないように、マスク部で覆う範囲の調節が行われる。なお、調節は、マスク付ディスプレイ装置に装備されたモーターなどを駆動させて実行する。
<実施形態2:具体例> 図7は、本実施形態のマスク付ディスプレイ装置におけるハードウエア構成の一例を示す概略図である。この図を利用して、マスク付ディスプレイ装置のマスク駆動処理におけるそれぞれのハードウエア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、マスク付ディスプレイ装置は、調節部や縦/横比情報取得部として「CPU(中央演算装置)」(0701)と、「メインメモリ」(0702)とを備えている。また、「記憶装置(又は記憶媒体)」(0703)、「受信チューナー」(0704)を備える。また、「インターフェース」(0705)を備える。さらに、「ディスプレイ」(0706)には、「ディスプレイマスク」(0707)も備えている。これらは、「システムバス」(0708)などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
ここで、記憶装置はCPUにて実行される各種プログラムなどを記憶している。また、メインメモリは記憶装置に記憶されているプログラムを実行するために読み出すと同時にそのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。さらに、このメインメモリや記憶装置にはそれぞれ複数の物理アドレスが割り当てられており、CPUで実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやり取りを行い、処理することが可能となっている。また、受信チューナーは、ディスプレイに表示される映像コンテンツデータを受信する機能を備える。インターフェースは、リモコンなどの入力デバイスからの映像表示信号や、ディスプレイマスク作動信号などを受信する機能を備える。
ここで、インターフェースにて映像表示命令(装置の電源ON、チャネル選択など)が取得されると、受信チューナーにて映像情報が受信され、その映像情報により構成されるコンテンツがビデオメモリやビデオチップ(図示省略)の処理によりディスプレイに表示される。一方、上記映像コンテンツのディスプレイでの表示において、マスクによりそのディスプレイの映像表示領域の一部を覆うために、縦/横比情報の取得が実行される。具体的には、例えば映像情報に含まれる画像フレームの縦横画素数からCPUの演算処理にて縦/横比情報が算出され、メインメモリの物理アドレス(1)に格納される。
そして、この縦/横比情報の取得に伴い、マスク調節命令が実行される。具体的には、記憶装置のアドレス(α)に記憶されているマスク調節プログラムPがメインメモリのワーク領域上(2)に展開される。マスク調節プログラムPは、「メインメモリのアドレス(1)のデータに基づいて、ディスプレイマスクを駆動せよ」との命令を送出する。この命令にしたがって、メインメモリのアドレス(1)に記憶されている縦/横比情報に基づいて、まずディスプレイマスクの駆動範囲が算出される。具体的には、縦/横比情報が3/8であり、ディスプレイの映像表示領域の縦/横比が3/4の場合には、ディスプレイの映像表示領域の縦方向の幅を1/2にするための駆動範囲を算出する。ディスプレイの映像表示領域の縦幅をaとすると、例えばa/4のマスクを上下からディスプレイ中央領域に向かって展開し、表示領域を覆うようにディスプレイマスクを閉じる、という具合の駆動範囲がCPUの演算処理により算出される。そして、その演算結果に従って、ディスプレイマスクを駆動させる制御が実行されることにより、ディスプレイの映像表示領域の縦/横比を3/8とすることが可能である。
なお、ディスプレイマスクの駆動範囲の決定処理は、上記映像情報に基づいて算出された縦・横比情報から決定する方法のほかに、例えば、「映像コンテンツの縦・横比がどのような比率であれディスプレイの映像表示領域が3/8となるようマスクを駆動する」、という具合に、予めユーザーなどの設定により定められ不揮発性メモリに保持されている縦・横比情報に基づいてそのマスクの駆動範囲が決定されるなどさまざまであって良い。あるい、ユーザーが入力デバイスを利用して逐次指定する所望の縦・横比情報をインターフェースから取得する構成などでも構わない。
<実施形態2:処理の流れ> 図8は、本実施形態のマスク付ディスプレイ装置のマスク駆動処理の流れを示したものである。まず、映像情報を取得する(映像情報取得ステップ S0801)。映像情報は、受信チューナーなどを介して放送されたコンテンツを取得する場合や、インターネットなどを介してコンテンツをダウンロードして取得する場合、すでに映像表示装置内のHDDや、DVDなどの記録メディアなどに蓄積、記録されているコンテンツを読み出して取得する場合などが想定される。次に、映像情報に基づいてディスプレイに表示すべき映像の縦/横比を示す情報を取得する(縦/横比情報取得ステップ S0802)。縦/横比情報は、映像情報に付加されており、映像情報の取得の際に付随して取得するものとしてもよいし、単独の情報として、映像情報とは別個に取得するものとしてもよい。最後に、取得した縦/横比情報に基づいてディスプレイマスクを駆動して、最適な縦横比となるように視認可能な映像表示領域の縦/横比を調節する(調節ステップ S0803)。さらに、後述するようにマスクで覆われている部分の表示素子の駆動電力供給の停止やディスプレイ装置がその表示パネルの点灯用に複数の照明用光源で構成されている場合はマスクで覆われている領域の照明用光源の部分消灯などを行い、非映像表示領域の表示を行わない処理を実行するようにしてもよい。
以上の処理は、計算機に実行させるためのプログラムで実行することができ、また、このプログラムを計算機によって読取り可能な記録媒体に記録することができる。(本明細書の全体を通して同様である。)
<実施形態2:効果> 本実施形態は、映像情報から取得した縦/横比情報に基づいてディスプレイマスクを駆動して、最適な縦横比となるように視認可能な映像表示領域の縦/横比を調節するマスク付ディスプレイ装置である。利用者が特段の処理を行わなくても自動的に、ディスプレイの表示領域に映像情報によって構成されるコンテンツが全て表示され、かつ、生じた余剰領域を視聴者に視認できないように、マスク部で覆う範囲の調節が行われるため、利便性が高い。
<<実施形態3>>
<実施形態3:概要> 本実施形態の概要について説明する。本実施形態は、実施形態1のディスプレイマスクを備え、さらに、そのディスプレイマスクによって視認不可に遮蔽されたディスプレイの映像表示領域における映像表示を行わない機能を備えたディスプレイ装置である。このように、ディスプレイマスクに覆われ通常ユーザーからは見えない領域に関しての映像表示処理をカットすることで、本実施形態は消費電力低減効果を奏するディスプレイ装置を提供することができる。
<実施形態3:構成> 本実施形態での機能ブロックの一例を図Yに示した。 図9に示す本実施形態の「マスク付ディスプレイ装置」(0900)は、「マスク部」(0911)を備える「ディスプレイマスク」(0910)を有し、さらに「遮蔽領域検出部」(0921)と、「遮蔽領域非表示制御部」(0922)とを有する場合がある。なお、「ディスプレイマスク」及び「マスク部」については、すでに記載済みであるのでその説明は省略する。
「遮蔽領域検出部」(0921)は、マスク部(0911)にて視認不可に覆われたディスプレイの遮蔽領域を検出する機能を有する。この遮蔽領域検出部による遮蔽領域の検出方法は、例えば、図4に示すような固定部からマスク部を引き出す構成である場合、その引き出し量に基づいて検出する方法が挙げられる。具体的には、ステッピングモータなどを利用してマスク部を引き出す構成とすれば、そのステッピングモータの回転角度から引き出し量を算出することができる。そしてマスク部の一辺は固定部で固定されているので、その引き出し量から遮蔽領域を特定することができる。また、図6に示す調節部にて調節された駆動範囲に基づいて、同様にして遮蔽領域を特定しても良い。また、ディスプレイ上の照度を測定する照度センサを別途備えることで遮蔽領域を検出する方法も挙げられる。具体的には、ディスプレイ上の照度が他の部分よりも低くなった場合にその箇所を遮蔽領域として特定する、という具合である。
また、マスク部の駆動範囲が予め一(又は特定数個)に決まっており、その遮蔽領域も一(又は特定数個)に決まっている場合もありうる。そのような場合、上記のような検出処理ではなく、一(又は特定数個)に決まっている遮蔽領域を示す情報を予め装置内の不揮発性メモリなどに保持しておき、識別情報などに基づいて必要に応じて読み出す、という具合の構成としても良い。そして、このようにして検出された遮蔽領域に関して、次の遮蔽領域映像の非表示制御を行うことで,ユーザーの映像視聴を妨げることなしに消費電力の低減を図ることができる。
「遮蔽領域非表示制御部」(0922)は、遮蔽領域検出部(0921)にて検出されたディスプレイの遮蔽領域の画像表示処理を実行しないよう制御する機能を有する。この遮蔽領域における画像非表示制御処理は、例えば、表示素子への電力供給や、その表示素子の駆動トランジスタへの電力供給を停止させる制御によって実現する方法が挙げられる。あるいは、液晶パネルなどにおいてディスプレイ装置の照明用光源として複数の蛍光管を用いたバックライト用光源であれば遮蔽領域部分の蛍光管を消灯させる制御を行ってもよいし、またディスプレイ装置の照明用光源として複数のLED(発光ダイオード)をマトリクス状に平面的に配列したLEDバックライト光源であれば、遮蔽領域部分のLEDを消灯する方法も挙げられる。
このように、ディスプレイマスクに覆われ通常ユーザーからは見えない遮蔽領域に関しての映像表示処理をカットすることで、ディスプレイ装置の消費電力を低減することができる。
<実施形態3:具体例> 図10は、本実施形態のマスク付ディスプレイ装置におけるハードウエア構成の一例を示す概略図である。この図を利用して、マスク付ディスプレイ装置の遮蔽領域での映像非表示処理におけるそれぞれのハードウエア構成部の働きについて説明する。まず、実施形態2で記載したようなマスク駆動処理によってディスプレイマスクが駆動され、ディスプレイの一部が覆われる。このとき、前述のとおりディスプレイマスクの駆動範囲を示す情報として例えば上下「a/4」という値が算出されており、その値がメインメモリのアドレス(11)に格納される。
そして、例えばインターフェースにて遮蔽領域の映像を非表示にする命令を取得すると、ディスプレイの遮蔽領域での映像非表示命令が実行される。具体的には、遮蔽領域映像非表示プログラムP2がメインメモリのワーク領域上(2)に展開される。遮蔽領域映像非表示プログラムP2は、「メインメモリのアドレス(11)のデータに基づいて、ディスプレイの遮蔽領域での映像を非表示制御せよ」との命令を送出する。この命令にしたがって、メインメモリのアドレス(11)に格納されている駆動範囲情報に基づいて、まずディスプレイマスクによって覆われている遮蔽領域が「上下a/4インチ」という具合に特定される。それにより、遮蔽領域を構成するディスプレイの表示素子を特定することができるので、今度は、例えばその特定した表示素子の駆動トランジスタの識別情報に基づいて、その電源供給を停止する命令が送出される。それにより、ディスプレイの遮蔽領域の映像を非表示とすることが可能である。
<実施形態3:処理の流れ> 図11は、本実施形態のマスク付ディスプレイ装置の処理の流れを示したものである。まず、映像情報を取得する(映像情報取得ステップ S1101)。次に、映像情報に基づいてディスプレイに映像を表示する(映像表示ステップ S1102)。つづいて、前記映像の表示されたディスプレイの映像表示領域の一部分を視認可能としつつ、他の部分を覆うようディスプレイマスクを駆動し(駆動ステップ S1103)、その駆動されたディスプレイマスクによって視認不可に覆われたディスプレイの遮蔽領域を検出する(遮蔽領域検出ステップ S1104)。この遮蔽領域の検出は、例えば、マスク部の引き出し量検出などによって検出すると良い。そして最後に、前記検出されたディスプレイの遮蔽領域の映像表示処理を実行しないよう制御する(遮蔽領域非表示制御ステップ S1105)。この遮蔽領域の映像の非表示処理は、例えば表示素子への電力供給や、その表示素子の駆動トランジスタへの電力供給を停止、あるいは、液晶などにおいて光源用のバックライトの消灯などで行われると良い。
<実施形態3:効果> 以上のように、本実施形態は、ディスプレイマスクによって視認不可に遮蔽されたディスプレイの映像表示領域における映像表示を行わない機能を備えたディスプレイ装置である。したがって、本実施形態のディスプレイ装置は、消費電力を低減する効果を奏する。
0200 ディスプレイマスク
0201 マスク部
0201 マスク部
Claims (12)
- ディスプレイに対して相対的に固定可能でありディスプレイの映像表示領域の一部分を視認可能としつつ、他の部分を覆うことができるマスク部を有するディスプレイマスク。
- マスク部は、
視認可能なディスプレイの縦/横比を、マスクを利用しない場合に比較して小さくするためのディスプレイ上下領域覆を有する請求項1に記載のディスプレイマスク。 - マスク部は、
視認可能なディスプレイの縦/横比を、マスクを利用しない場合に比較して大きくするためのディスプレイ左右領域覆を有する請求項1に記載のディスプレイマスク。 - ディスプレイ中央領域からディスプレイ両端に向かってマスク部を開閉自在とするための開閉部を有する請求項1から3のいずれか一に記載のディスプレイマスク。
- ディスプレイ頂部又は/及び底部にてマスク部を固定するための固定部を有するとともに、
マスク部はすだれ状であり、手めくりによりディスプレイの映像表示領域の一部分を視認可能として、他の部分を覆い、又は覆わなくすることができる請求項1又は2に記載のディスプレイマスク。 - 前記マスク部が覆うことができる領域は、ディスプレイの映像表示領域の左又は/及び右領域である左右領域、ディスプレイの映像表示領域の上又は/及び下領域である上下領域であり、
前記マスク部を、左右領域を覆う状態と、上下領域を覆う状態との間で配置変更するための駆動部を有する請求項1から3のいずれか一に記載のディスプレイマスク。 - 請求項1から6のいずれか一に記載のディスプレイマスクを有するマスク付ディスプレイ装置。
- ディスプレイの映像表示領域の縦/横比が3/8以上であり、
前記ディスプレイマスクによりディスプレイの映像表示領域の縦/横比を3/8とすることが可能な請求項7に記載のマスク付ディスプレイ装置。 - 前記マスク部は駆動可能であり、
映像情報に基づいてディスプレイに表示すべき映像の縦/横比を示す情報を取得する縦/横比情報取得部と、
取得した縦/横比情報に基づいてディスプレイマスクを駆動して、最適な縦/横比となるように視認可能な映像表示領域の縦/横比を調節する調節部と、
を有する請求項7又は8に記載のマスク付ディスプレイ装置。 - 前記マスク部にて視認不可に覆われたディスプレイの遮蔽領域を検出する遮蔽領域検出部と、
前記遮蔽領域検出部にて検出されたディスプレイの遮蔽領域の映像表示処理を実行しないよう制御する遮蔽領域非表示制御部と、
を有する請求項7から9のいずれか一に記載のマスク付ディスプレイ装置。 - 映像情報を取得する映像情報取得ステップと、
取得した映像情報に基づいてディスプレイに表示すべき映像の縦/横比を示す情報を取得する縦/横比情報取得ステップと、
取得した縦/横比情報に基づいてディスプレイマスクを駆動して、最適な縦横比となるように視認可能な映像表示領域の縦/横比を調節する調節ステップと、
を有するマスク付ディスプレイ装置駆動方法。 - 映像情報を取得する映像情報取得ステップと、
取得した映像情報に基づいてディスプレイに映像を表示する映像表示ステップと、
前記映像の表示されたディスプレイの映像表示領域の一部分を視認可能としつつ、他の部分を覆うようディスプレイマスクを駆動する駆動ステップと、
前記駆動されたディスプレイマスクによって視認不可に覆われたディスプレイの遮蔽領域を検出する遮蔽領域検出ステップと、
前記検出されたディスプレイの遮蔽領域の映像表示処理を実行しないよう制御する遮蔽領域非表示制御ステップと、
を有するマスク付ディスプレイ装置駆動方法。
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