JP2007127575A - 型間の成形空間測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】型間に構成される成形空間の任意の部位の連続的な形状を正確かつ精密に把握することができ、成形空間の形状を写し取った測定媒体について、そのニ次的加工を容易に行うことができ、成形空間の設計データとの比較を可能とする型間の成形空間測定方法を提供すること。
【解決手段】例えば下型2と上型3とから構成されるプレス金型1の型開き状態で、型間における測定部位に、硬化性を有する可塑性材料により構成される測定媒体5を硬化前の状態で配置し、プレス金型1を成形空間4を構成する型閉じ状態として測定媒体5を変形させ、変形した状態の測定媒体5をプレス金型1の型閉じ状態で硬化させ、硬化した測定媒体5を離型させ、離型した測定媒体5を測定対象物とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、プレス金型などの成形型の型間に構成される成形空間(加工空間)の形状を測定するための技術に関する。
プレス金型や樹脂型などの成形型においては、例えば上型と下型の型間に構成される成形空間に、例えば板金や樹脂などの素材を挟み込んだり、吹き込んだりして成形が行われる。このため、造型段階における型の出来栄えや成形の前段階などにおける成形型の状態は非常に重要であり、従来から、成形空間の形状即ち型の形状や型相互の位置関係を測定するための技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1には、プレス型におけるポンチとダイスとの間のクリアランス測定方法に関する技術が開示されている。本文献においては、プレス型のポンチの表面に樹脂や軟質金属などの変形しやすい素材よりなる試験層を付着させ、このポンチをプレス加工時と同条件でダイスに嵌合させた後に、ポンチの表面に残された試験層の状態からポンチとダイスとの間のクリアランスを判断する方法が示されている。
また、従来、例えば上型と下型との間の型間に構成される成形空間の測定方法においては、ハンダを型間に挟んで成形(加工)し、それを取り出して厚み等の形状を測定する事によって型間の成形空間の測定が行われていた。
特開平7−151536号公報
確かに、特許文献1に示されているプレス型のクリアランス測定方法においては、ポンチとダイスとの間の全周にわたるクリアランスを判断することができ、しかもポンチとダイスとの相互の芯ずれを測定することができる。
しかし、ポンチとダイスとの間におけるクリアランスや相互の芯ずれは、ポンチの表面に残された試験層の厚みや色の異なる各層が削られることで現出した模様に基づいて測定・検出するものであるため、クリアランスの形状までは把握することができず、連続するクリアランスの測定位置を特定することが困難である。また、試験層として常温で変形しやすい素材が用いられるため、ポンチの表面に残された試験層の測定時においても変形する可能性があり測定誤差を生じるおそれがある。
また、前述のように型間の成形空間の測定にハンダを用いる方法においては、次のような問題があった。
すなわち、ハンダは一般に線状などのように形状が限定されるため、測定範囲がハンダの形状に左右され、例えば、線状のハンダの径により測定できる空間の大きさが限定される等、成形空間全体の中のごく一部しか測定できない場合がある。つまり、従来は、成形空間を構成する各型の別個の測定や、ハンダを測定媒体として用いて成形空間における限られた範囲(点)での概略測定は行われていたが、成形空間としての正確な数値情報を得ることは事実上不可能であった。このため、測定した部位を正確に把握することができず、成形空間(型)の設計値との比較が困難であった。ここで、例えば鉛などの比較的形状が限定されないものを測定媒体として用いることも考えられるが、測定媒体の硬さや測定範囲の広さによっては型自体を傷める可能性がある。
また、ハンダは形状凍結性が低いことから加工後も容易に変形するため、測定誤差が大きくなり、測定しようとする形状の把握が困難となっていた。つまり、容易に変形するハンダは、成形空間において圧縮成形された後に離型する際に変形し、また、加工後の断面を測定するため等のニ次的加工が困難であるため、加工後の厚み程度しか測定することができなかった。こうしたことから、空間形状の連続的変化などを拡大して観察する等の応用が事実上不可能であり、成形空間の測定は未だ試行錯誤の域を出ていないのが実情である。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、型間に構成される成形空間の任意の部位の連続的な形状を正確かつ精密に把握することができ、成形空間の形状を写し取った測定媒体について、そのニ次的加工を容易に行うことができ、成形空間の設計データとの比較を可能とする型間の成形空間測定方法を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、少なくとも二つの型を有する成形型の型間に構成される成形空間を測定するための型間の成形空間測定方法であって、前記成形型の型開き状態で型間における測定部位に硬化性を有する可塑性材料により構成される測定媒体を硬化前の状態で配置し、前記成形型を前記成形空間を構成する型閉じ状態として前記測定媒体を変形させ、変形した状態の測定媒体を前記成形型の型閉じ状態で硬化させ、硬化した測定媒体を離型させ、離型した測定媒体を測定対象物とするものである。
請求項2においては、前記測定媒体は、その硬化前の状態で前記測定部位に配置される際に有形の状態であり、かつ、前記成形型が型閉じ状態となることにより塑性変形するものである。
請求項3においては、前記測定部位は、前記成形空間における特徴形状部を含むものである。
請求項4においては、硬化前の状態の前記測定媒体を複数配置し、前記測定部位を複数箇所とするものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、離型させた後の測定媒体の表面には型の成形面の形状が転写されるため、型間に構成される成形空間の任意の部位の連続的な形状を正確かつ精密に把握することができる。
また、従来のようにハンダを用いて測定する方法に比べて、一度に広範囲の部位を測定することができるので、広範囲にわたる測定情報を得ることができる。
また、成形空間の形状を写し取った測定媒体は、測定者による把持力や測定機器による測定圧などで変形することがないため、正確な測定値を得ることができ、断面を測定するため等の二次的加工(切断等)を容易に行うことができる。これにより、得られた測定結果を元々ある成形空間の設計データ(CADデータ等)と比較することが可能となる。
さらに、型相互のズレを、成形空間の形状、即ち製品部分自身の形状の測定結果から高精度に推測することが可能となる。
請求項2においては、測定部位の範囲の特定が容易となるとともに、型間における測定部位に対しての測定媒体の配置を容易なものとすることができる。
請求項3においては、型の成形面の形状を映し取った測定媒体から、任意の測定したいポイントの位置を、特徴形状部に対する相対的な位置関係により数値情報として得ることができる。この数値情報を設計データと比較することにより、成形空間が設計意図通りであるか否かの判定を、数値的差異によって明確に行うことが可能となる。
また、各測定部位において特徴形状部を含ませることにより、離型させた後の測定媒体と設計データとの比較が容易かつ正確となるので、型相互のズレをさらに高精度に推測することが可能となる。
請求項4においては、型相互のズレが三次元的なものであっても、成形空間の形状、即ち製品部分自身の形状の測定結果から高精度に推測することが可能となる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
本発明に係る型間の成形空間測定方法は、プレス金型等の少なくとも二つの型を有する成形型の型間に構成される成形空間(加工空間)の形状が設計値通りであるかを確認するためのものであり、型間の成形空間において、測定したい部位に硬化性を有する可塑性材料により構成される測定媒体を挟んで成形(加工)し、それを硬化させてから取り出し、この測定媒体によって写し取られた測定部位における成形空間の形状を測定するものである。
以下においては、図1に示すように、成形空間を構成する成形型として、下型2と上型3との二つの型を有するプレス金型1を例に説明する。
プレス金型1は、例えば、雌型構造の固定金型である下型2と、この下型2に対して近接離間方向に移動可能に設けられる雄型構造の可動金型である上型3とから開閉自在に構成される。そして、下型2と上型3とが開かれた型開き状態の型間に板金などの成形材料が配置され、下型2と上型3とが閉じられた型閉じ状態となることで、下型2の成形面2aと上側3の成形面3aとで構成される成形空間(クリアランス)4に成形材料が圧縮されて材料の成形が行われる。成形された材料は離型されて取り出される。
このような構成におけるプレス金型1において適用される本発明に係る型間の成形空間測定方法は、次の手順からなる。
すなわち、プレス金型1の型開き状態で型間における測定部位に硬化性を有する可塑性材料により構成される測定媒体5を硬化前の状態で配置する。この状態でプレス金型1を型閉じ状態として測定媒体5を変形させる。この変形した状態の測定媒体5を、プレス金型1の型閉じ状態で硬化させる。その後、硬化した測定媒体5を離型させ、離型した測定媒体5を測定対象物とする。以下、各手順について説明する。
まず、図2(a)に示すように、下型2と上型3とが離間した状態のプレス金型1の型開き状態において、型間の成形空間4における測定部位に、硬化する前の測定媒体5を配置する。本実施形態においては、下型2の成形面2a上に載置することにより測定媒体5を配置する。
このように測定媒体5を型間に配置した状態から、同図(b)に示すように、プレス金型1を型閉じ状態とする。これにより、可塑性材料により構成される測定媒体5は、成形空間4の測定部位における形状となる。つまり、プレス金型1の型閉じ状態とは、下型2と上型3それぞれの成形面2a・3aにより成形空間4が形成される状態であり、実際に成形材料が成形される場合と同じ状態で下型2と上型3とで挟まれた測定媒体5は、測定部位における成形空間4の形状に合わせて(成形空間4と同形状に)潰されて塑性変形される。
プレス金型1が型閉じ状態となることで測定媒体5が変形された状態から、図2(c)に示すように、プレス金型1の型閉じ状態のまま測定媒体5を硬化させる(以下、硬化した測定媒体5を「硬化測定媒体5a」とする)。ここで、測定媒体5が有する硬化性が、経時硬化性の場合は、そのままの状態で一定時間以上放置することにより硬化させる。また、測定媒体5が有する硬化性が熱硬化性の場合や測定媒体5が熱可塑性の材料により構成される場合は、測定媒体5を加熱する等、温度変化を与えることで硬化させる。また、測定媒体5が有する硬化性が光硬化性の場合は、光を照射することで硬化させる。
測定媒体5が硬化した後、プレス金型1を型開き状態とし、硬化測定媒体5aを離型させて取り出す(同図(d)参照)。
そして、この取り出した硬化測定媒体5aを測定対象物とし、ノギスやマイクロメータ等の一般的計測機器などを用いて測定する。つまり、取り出される硬化測定媒体5aは離型させる際に変形することなく、硬化測定媒体5aには成形空間4における測定部位の形状が写し取られているため、この硬化測定媒体5aを測定することにより、型間に構成される成形空間4の測定部位における形状を測定する。
測定媒体5としては、例えば、主剤と硬化剤とを混合することにより常温で経時的に硬化するエポキシ樹脂などの二液混合型の硬化性樹脂や、ペースト状にしたポリエステル樹脂などの常温硬化型樹脂などが好適に用いられる。具体的には、例えば二液混合型樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば、アラルダイトAV1580GB:バンティコ株式会社製)などが用いられる。
なお、測定媒体5を構成する、硬化性を有する可塑性材料としては、塑性変形可能な状態から所定の条件の下で硬化することが可能な材料であれば特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、二液混合硬化性樹脂、光硬化性樹脂などの各種樹脂材料を用いてもよい。
ただし、測定媒体5は、その硬化前の状態で成形空間4の測定部位に配置される際に有形の状態であり、かつ、プレス金型1が型閉じ状態となることにより塑性変形するものであることが好ましい。
すなわち、測定媒体5は、硬化する前の状態で流動性のない(低い)有形の状態、例えば、ペースト状や粘土質のものが好ましい。つまり、ここでの「有形の状態」とは、一定または略一定の形状を保持することができる状態のことを指し、硬化前の測定媒体5が、それ自体で一定または略一定の形状を保持することができることを好適とする。
そして、硬化前の状態で有形の状態である測定媒体5を前記測定部位に配置し、前記のとおりプレス金型1を型閉じ状態とすることで、硬化前の測定媒体5を測定部位における成形空間4の形状に合わせて塑性変形させる。
このように、測定媒体5として硬化前の状態で有形の状態でありプレス金型1が閉じることによって塑性変形するものを用いることにより、測定部位に対して、測定媒体5により測定される範囲を予めある程度特定することができる。また、型間における測定部位に対しての測定媒体5の配置を容易なものとすることができる。
以上のように、硬化性を有する可塑性材料により構成される測定媒体5を用い、これを成形空間4と同形状に変形して硬化させた後に取り出したものを測定対象物とすることにより、測定媒体5の表面(本実施形態では上面と下面)には下型2及び上型3それぞれの成形面2a・3aの面形状が転写されるため、型間に構成される成形空間の任意の部位の連続的な形状を正確かつ精密に把握することができる。
また、従来のようにハンダを用いて測定する方法に比べて、一度に広範囲の部位を測定することができるので、広範囲にわたる測定情報を得ることができる。
さらに、成形空間4の形状を写し取った硬化測定媒体5aは、測定者による把持力や測定機器による測定圧などで変形することがないため、正確な測定値を得ることができ、断面を測定するため等の二次的加工(切断等)を容易に行うことができる。これにより、得られた測定結果を元々ある成形空間4の設計データ(CADデータ等)と比較することが可能となる。
次に、本発明に係る型間の成形空間測定方法について、成形空間4の具体的形状を用いて説明する。
図3は下型2の平面図を示している。下型2の略中央部の楕円形状は、下型2の成形面2a、即ちプレス金型1により成形される製品形状部を示しており、図1等に示すように全体的に凹部を構成する。成形面2aは、製品形状部内の特徴を有する部分として特徴形状部6を有する場合がある。本実施形態の成形面2aは、平面視略矩形状の特徴形状部6aと平面視略円形状の特徴形状部6bとを有する。ここで、特徴形状部とは、成形面2aにおいて製品を成形する凹凸部分、あるいはプレス金型1における位置決め機能などの機能上の凹凸部分となる部分を意味する。つまり、成形面2aにおける特徴形状部6は、上型3の成形面3aとともに構成される成形空間4における特徴形状部となる。
図3中、薄墨部分で示す部位は、必要に応じて形状を写し取る測定部位7(7a〜7d)であり、前述したように測定媒体5が配置される部位となる。図3に示す各測定部位7a〜7dは、いずれも特徴形状部6aまたは6bの一部を含んでいる。
このように、測定部位7に特徴形状部6を含ませることにより、成形面2aの形状を映し取った硬化測定媒体5aから、任意の測定したいポイントの位置を、特徴形状部6に対する相対的な位置関係により数値情報として得ることができる。以下、測定部位7aを例に説明する。
測定部位7aは、平面視略矩形状の特徴形状部6aの一頂点部分を含んでいる。この測定部位7aにおいて成形面2aの形状を写し取った硬化測定媒体5aの形状は、図4に示すようになる。すなわち、測定部位7aに配置されていた硬化測定媒体5aには、平面視略矩形状の特徴形状部6aの一頂点部に対応する形状が特徴形状部16として転写される。
そして、図3に示すように、例えば測定部位7aにおいて測定したいポイントとして測定点8が存在する場合、測定部位7aに配置されていた硬化測定媒体5a(図4)には、測定点8に対応する形状が測定点18として転写される。
このように、硬化測定媒体5aにおいては、測定部位7aにおける特徴形状部6aと測定点8とが成形面2aにおける形状や位置関係そのままに転写されることとなる。従って、硬化測定媒体5aにおいて例えば転写された特徴形状部16の一辺部から測定点18の寸法Dを測ることにより、成形面2aにおける測定したいポイントとしての測定点8の位置を実測することができる。つまり、測定部位7aに特徴形状部6aを含ませることにより、該測定部位7aの測定範囲内に存在する任意の測定点の位置を、特徴形状部6aからの寸法を介して(特徴形状部6aとの位置関係により)数値情報として得ることができる。言い換えると、測定部位7aに特徴形状部6aと測定点8とを含ませることにより、成形空間4における任意の測定点8の位置を実測することができる。
このように、測定点8の測定結果が、位置情報とともに得られるため、これを設計データと比較することにより、成形空間4が設計意図通りであるか否かの判定を、数値的差異によって明確に行うことが可能となる。これにより、従来はべんがら(紅殻)や光明丹などからなる塗料を型に塗布し、それを測定媒体などに転写させる等して定性的にしか確認できなかった成形空間の形状(造り込み状態)が、定量的に確認することができるようになる。
また、硬化測定媒体5aにおいては、任意の断面を得ることができる。図5には図4におけるA−A断面図を示している。図5中、下側の断面線13は、測定部位7aにおける上型3aの成形面3aの形状が転写される側の断面線を示しており、上側の断面線12は、同じく測定部位7aにおける下型2の成形面2aの形状が転写される側の実断面線を示している。そして、図中ニ点鎖線は、下型2の成形面2aの測定部位7aにおいて意図する設計形状を示す設計断面線12aである。
硬化測定媒体5aを加工することによって得られた断面形状から、実際に下型2の成形面2aの測定部位7aにおける形状を写し取った硬化測定媒体5aから得られる実断面線12と、設計形状を示す設計断面線12aとを比較することが可能となる。つまり、図5に示す断面図の部分においては、前記設計断面線12aと上型3の成形面3a側の断面線13とにより略一定の厚みとなる断面形状が設計意図とされているが、これに実断面線12を対比させることにより、硬化測定媒体5aの断面形状が設計形状に対して厚くなったり薄くなったりしてずれていることを確認することができる。
このように、硬化測定媒体5aから得られる任意の断面において、硬化測定媒体5aの実断面線と設計を意図する設計断面線との比較が可能となることにより、プレス金型1における下型2の状態や下型2及び上型3相互のズレ等を正確に把握することが可能となり、下型2及び上型3の加工方法や設計データの改善などに有用な情報を得ることができる。
また、本発明に係る型間の成形空間測定方法においては、型間において硬化前の状態の測定媒体5を配置して成形空間4の測定を行う測定部位7を、図3に示すように複数箇所(本実施形態においては7a〜7dの4箇所)とすることが好ましい。
このように、測定部位7を成形空間4における複数箇所とすることにより、下型2と上型3との相互のズレを、成形空間4の形状、即ち製品部分自身の形状の測定結果からより高精度に推測することが可能となる。
本実施形態においてプレス金型1により例示される成形型は、一般に複数の型(本実施形態においては下型2と上型3)から成っており、各型間においては加工精度などに起因する誤差などによって正規位置からのズレが生じる場合がある。つまり、プレス金型1における下型2と上型3とは、該プレス金型1が型閉じ状態となることでそれぞれの成形面2a・3aにより成形空間4を構成するため、相対な位置として成形空間4の形状が設計値通りとなる正規位置があるところ、前記のとおりズレが生じることがある。
本実施形態において、下型2と上型3との相互のズレの例として、平面位置の(平面視の)ズレを図6に示す。本図において、実線は下型2を示しており、破線は下型2の位置を基準としたときの上型3の位置を示している。つまり、いずれも平面視で略矩形状の外形を有する下型2と上型3とにより構成されるプレス金型1において、下型2に対して上型3がずれている状態を示している。
このような下型2と上型3と間の位置のズレは、従来、各型の正規位置に対するズレを個別に測定し、その測定結果を突き合わせることによって計算値として求めていた。そして、この各型のズレの測定値から成形空間4のズレを推測するという手法が用いられていた。このため、ずれた状態の型間に構成される成形空間4の状態がどのようにずれているかは正確に把握することができず、精度の低い推測の域を出なかった。
そこで、本発明に係る成形空間測定方法において得られる硬化測定媒体5aを測定対象物とすることにより、測定部位7における成形空間4の形状のずれを直接的に測定することができる。つまり、図6に示す下型2の位置を基準とした場合の上型3の位置、即ち上型3のズレをより高精度に推測することが可能となる。
また、図3に示すように、成形空間4における測定部位7を複数箇所(7a〜7d)とし、各測定部位の形状を同時に写し取ることにより、それらの測定結果から、図6に示すような平面的なズレに限らず、下型2と上型3相互の三次元的なズレも高精度に測定することが可能となる。つまり、成形空間4において比較的離れた複数の位置を測定部位7とすることにより、一箇所のみの測定部位7に基づく測定では推測することが困難な下型2と上型3との三次元的なズレを高精度に推測することができる。
また、図3に示すように、複数の測定部位7が特徴形状部6を含むことにより、硬化測定媒体5aと設計データとの比較が容易かつ正確となるので、下型2と上型3との相互のズレをさらに高精度に推測することが可能となる。
従来においては、例えば各型間のズレの測定結果などのような、成形空間4以外の部分(製品外部分)の測定結果から成形空間4(製品部分)を推測していた。しかし、本発明に係る測定方法は従来と全く異なり、成形空間4自身を測定することによって下型2と上型3とのズレを推測することが可能となる。つまり、従来は、型同士がずれることによる成形空間のずれは、型自体の成形面の形状などに修正を施すことにより試行錯誤的に修正していたが、本発明に係る測定方法は、型自体のズレを修正することによって、成形空間4の形状を所定の形状に修正できることにつながる。例えば、上型3が下型2に対して平面視で1°ずれている場合に、上型3の位置を1°修正するという具合である。
さらに言うと、本発明に係る測定方法を用いることにより、従来の方法のように、成形空間4を試行錯誤的に複数箇所修正するのに比較して、型相互のズレの修正に際し、かかる人手と時間を格段に削減することができると同時に、高技能者や熟練者でなくても容易に作業を行うことができるようになる。
以上説明した本発明に係る型間の成形空間測定方法は、下型2と上型3とからなるプレス金型1に限定されず、例えば、水平方向に近接離間可能な横方向に開閉する成形型や、三つ以上の型を有する成形型であっても適用することができる。さらに、プレス型だけでなく、鍛造、転造、圧延など、少なくとも二つの成形型によって固体ワーク(成形材料)を変形せしめる種々の加工法における加工空間の測定に好適であり、そのほか、射出成形を行う射出型であっても、その造型段階などにおいて型合わせを行う際に用いることができる。
本発明に係る成形型の一実施形態に係るプレス金型を示す側面図。 本発明に係る型間の成形空間の測定方法の手順を示す図。 下型を示す平面図。 測定部位の形状を写し取った硬化測定媒体の一例を示す図。 図4におけるA−A断面図。 型相互のズレを示す平面図。
符号の説明
1 プレス金型(成形型)
2 下型(型)
3 上型(型)
4 成形空間
5 測定媒体
6 特徴形状部
7(7a〜7d) 測定部位

Claims (4)

  1. 少なくとも二つの型を有する成形型の型間に構成される成形空間を測定するための型間の成形空間測定方法であって、
    前記成形型の型開き状態で型間における測定部位に硬化性を有する可塑性材料により構成される測定媒体を硬化前の状態で配置し、
    前記成形型を前記成形空間を構成する型閉じ状態として前記測定媒体を変形させ、
    変形した状態の測定媒体を前記成形型の型閉じ状態で硬化させ、
    硬化した測定媒体を離型させ、
    離型した測定媒体を測定対象物とすることを特徴とする型間の成形空間測定方法。
  2. 前記測定媒体は、その硬化前の状態で前記測定部位に配置される際に有形の状態であり、かつ、前記成形型が型閉じ状態となることにより塑性変形するものであることを特徴とする請求項1に記載の型間の成形空間測定方法。
  3. 前記測定部位は、前記成形空間における特徴形状部を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の型間の成形空間測定方法。
  4. 硬化前の状態の前記測定媒体を複数配置し、前記測定部位を複数箇所とすることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの項に記載の型間の成形空間測定方法。
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