JP2007126777A - ダウン吹き出し防止性に優れたプリーツ加工された布団側地およびその製造方法 - Google Patents

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慎太郎 山本
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Abstract

【課題】肌触りや吸湿性に優れ、低通気度であって表面凹凸感やストレッチ性にすぐれた布団側地を提供すること。
【解決手段】ダウン綿の吹き出しを防ぐ高密度織物であって、通気度が3cm3/(cm2・SEC)以下、経方向及び/又は緯方向の伸張率が5%以上であるプリーツ加工された布団側地。及び、通気度が1cm3/(cm2・SEC)以下の高密度織物をプリーツ加工する前記のようなプリーツ加工された布団側地の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、布団側地に好適に用いられるダウンの飛び出し防止性に優れた高密度織物に関し、特に立体的な表面感やストレッチ性に優れ、肌との接触面積が小さくなるため清涼感に富んだ高密度織物に関するものである。
従来、羽毛布団の側地としては、羽毛が吹き出さないように高密度の織物が使用されている。特にポリエステルフィラメントなどの合成繊維では低通気度の織物を得やすく、価格も安くすることが出来る。しかし、吸湿性に劣るため、また、短繊維でないため風合いが悪く、むれ感があり、特に夏は直接肌に触れて使う機会が多いため不快感があった。(例えば特許文献1)一方、綿は吸湿吸水性が優れていることや短繊維毛羽による肌触りが良いため、従来から綿繊維からなる高密度織物も布団側地に多用されている。しかし、ダウンの吹き出しを防ぐためにカレンダー加工が必要であり、表面の凹凸感のないプレーンなものであった。また、従来のカレンダー加工品はストレッチ性が無いために柔軟性が無く、寝返りなどの体変化時にごわごわした耳障りながさつき音がして安眠を妨げるという問題があった。
このように凹凸感がありながら通気度が低く、ストレッチ性のある布団側地は未だ完成されていない。
特開2001−226853号公報
本発明は、前記のような課題を解決するものであって、肌触りが良く、低通気度であって表面凹凸感及びストレッチ性などにすぐれた布団側地を提供することを課題とするものである。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1. ダウン綿の吹き出しを防ぐ高密度織物であって、通気度が3cm3/(cm2・SEC)以下、経方向及び/又は緯方向の伸張率が5%以上であることを特徴とするプリーツ加工された布団側地。
2. 布帛全体に占めるセルロース系繊維の混率が5%以上であって、その他の繊維として熱溶融タイプの合成繊維が含まれることを特徴とする上記第1に記載のプリーツ加工された布団側地。
3. 経糸の少なくとも一部がポリエステル繊維であって、プリーツ山部の重なり箇所が1カ所/cm2以下であることを特徴とする上記第1又は第2に記載のプリーツ加工された布団側地。
4. プリーツ加工後の織物幅が148cm以上であり、つぎはぎがないことを特徴とする上記第1から第3のいずれかに記載のプリーツ加工された布団側地。
5. 通気度が1cm3/(cm2・SEC)以下の高密度織物をプリーツ加工することを特徴とする第1から第4のいずれかに記載のプリーツ加工された布団側地の製造方法。
6. 高密度織物に樹脂付与後プリーツ加工し、つづけて130℃以上の熱処理をすることを特徴とする上記第1から第5のいずれかに記載のプリーツ加工された布団側地の製造方法。
本発明によれば、肌触りが良く、繰り返し使用しても低通気度であって表面凹凸感にすぐれた布団側地を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうセルロース系繊維とは綿、麻、竹、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、高強度再生セルロース繊維(例えば、商標名テンセル、商標名リヨセル、商標名モダールなど)等の天然セルロース系繊維及び再生セルロース系繊維が挙げられる。
本発明の布団側地を構成する繊維中におけるセルロース系繊維の混率が5%以上であることが好ましい。セルロース系繊維の混率が5%未満であれば吸湿性や風合いに劣ったものとなりやすいので好ましくない。また70%を越えるとプリーツ加工後の通気度が悪化しやすくなるので好ましくない。より好ましくは10〜40%である。
本発明の布団側地に使用するセルロース系繊維は糸漂白、糸染めを施したもの、各種樹脂加工を施したものなど特に限定されるものではない。例えば使用するセルロース系繊維が綿の場合、糸の状態でシルケット加工(マーセル化)を施し染色性及び強度、光沢感を改善しておくことも可能であるし、その後反応染料やスレン染料等々公知の染料による糸染めを施し、生地製編織に供することも出来る。また必要に応じて糸の状態でガス毛焼処理や各種樹脂処理等を施した後、生地製編織に供することも可能である。勿論、上記は綿繊維に限定されるものではなくセルロース系繊維であれば適用可能である。また必要に応じて紫外線吸収剤や蛍光増白剤、抗菌加工剤などを染色同時吸尽法などの公知の方法で繊維に処方することも出来る。糸染めの場合はオーバーマイヤー染色機など公知の方法を用いかせやチーズの状態で染色することが可能であるし、ピース染めや製品染めもパドル染色機など公知の方法で実施することが出来る。
本発明の布団側地はポリエステル、ポリアミド、トリアセテート等の熱溶融型化合繊繊維が使用されていることも好ましく、セルロース系繊維、羊毛、絹などの天然繊維を組み合わせて用いられることも好ましい。これらの繊維は長繊維であっても短繊維であっても良い。さらにセルロース系繊維との組合せ方は混紡績、複合紡績、混繊、交織等いかなる組合せ方でも良いが、特にはポリエステルフィラメントと綿との組合せが好ましい。
本発明の布団側地の通気度は3cm3/(cm2・SEC)以下であることが好ましい。通気度が3cm3/(cm2・SEC)を越えるとダウン綿が吹き出しやすくなるため好ましくない。より好ましくは2cm3/(cm2・SEC)以下でありさらには1cm3/(cm2・SEC)以下が一層好ましい。さらには汗等の水分が含まれた状態で織物が受ける摩擦によっても通気度劣化を押さえるためのパラメータとして洗濯一回後の通気度が3cm3/(cm2・SEC)以下であることが好ましい。3cm3/(cm2・SEC)を越えると繰り返し使用においてダウン綿が吹き出しやすくなるため好ましくない。
本発明の布団側地は経方向及び/又は緯方向の伸縮性が5%以上であることが好ましい。伸縮性があると寝返りなどの体変化時にごわごわした耳障りながさつき音がしにくくなる効果がある。しかし70%を越えるとプリーツ重なりが多く重たくなるため好ましくない。より好ましい範囲は10%〜50%であり、さらには20%〜40%が一層好ましい。
本発明の布団側地はプリーツ加工されていることが好ましく、プリーツ山部の重なり箇所が1カ所/cm2以下であることが好ましい。プリーツ山部の重なりが少ないとは、例えば大きさはずいぶん異なるが、イメージとして、アコーディオンカーテンなら、プリーツの山部は平行に走っていて、全く重なりがないと言える。全く重なりがない前記の様な柄でも良いが、山部の重なり箇所が1ヶ所/cm2以下であれば、好ましい布団側地が得られる。重なり箇所が1カ所/cm2を越えると通気度が高くなってしまいやすく、織り目の重なった部分の繊維隙間が広がり、ダウン綿が吹き出しやすくなるので好ましくない。プリーツ織り目としては箱ヒダ、アコーディオン等のストライプ柄、ウェーブ柄、ヘリンボン柄等が挙げられる。プリーツ加工機としてはサイドプリーツ機、クリスタルプリーツ機、プッシュアッププリーツ機、マジョリカプリーツ機、あるいは連続法シワ付け加工機等がある。
さらにセルロース系繊維のプリーツ性を向上させるためにセルロース系繊維のセルロース分子間に架橋を導入し上記の水素結合が外力や水の作用により壊れ難くすることが特に好ましい。
セルロース系繊維のセルロース分子間に架橋を導入する為の使用薬剤としてホルムアルデヒドやグリオキザール、グルタルアルデヒド等のアルデヒド類、ジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物、テトラブタンカルボン酸等のポリカルボン酸類、ジメチロール尿素、トリメチロールメラミン、ジメチロールエチレン尿素、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素などの繊維素反応型N−メチロール化合物などが挙げられる。上記使用薬剤によって発生する遊離ホルムアルデヒド濃度を低減させる為のホルマリンキャッチャーや風合い調整用の柔軟剤、硬化剤等を適宜添加することも可能であるし、プリーツ加工後に洗浄し余分なホルムアルデヒドを除去することが出来る。
高密度織物に樹脂付与後プリーツ加工し、つづけて130℃以上の熱処理をすることが好ましい。130℃未満であればプリーツ保持性が劣りやすくなるので好ましくない。また黄変さらには変退色を防ぐためには250℃以下が好ましい。
また上記樹脂加工剤とセルロース分子との反応活性を高め、樹脂加工を効率よく且つ適正に進める為に触媒を添加することが可能である。使用される触媒としては硼弗化アンモニウムや硼弗化ナトリウム、硼弗化カリウム、硼弗化亜鉛等の硼弗化化合物、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム等の中性金属塩触媒、燐酸、塩酸、硫酸、亜硫酸、次亜硫酸、硼酸等の無機酸等が例示される。また必要に応じてセルロース系繊維を膨潤させて架橋反応を促進させたり、反応を均一に進めるなどの目的で反応助剤を添加してもよい。反応助剤としてはグリセリンやエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類、ジメチルホルムアミド、モルホリン、2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素溶媒類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、γ―ブチロラクトン等のエステル類等が例示される。
本発明の布団側地は特にプリーツ加工後の織物幅が148cm以上であって、シングルサイズであればつぎはぎの無い布団が出来る。はぎがあるとプリーツ柄の連続性がなくなり、外観の劣ったものとなってしまうため好ましくない。
本発明の高密度織物は使用する繊維や用途に応じてプリーツ加工や形態安定加工のみならず、漂白・晒し加工、シルケット加工、防汚や撥水など各種樹脂による機能加工、蛍光増白処理など特に制限されるものでなく、公知の染色・整理加工を施すことが出来る。また上記加工についても吸尽、パッドドライ、パッドスチーム、パッドドライキュア、パッドスチームキュア、スプレーなど公知の処理方法を用いることが出来る。
以下に、実施例を例示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中における布帛の特性値の測定、処理及び評価は下記のようにおこなった。
(A)洗濯法
JIS L0217 103法記載の方法に準じて洗濯操作を行った。
(B)通気度
JIS L1096 A法(フラジール法)記載の方法に準じて評価した。
(C)伸長率
JIS L1096 B法(定荷重法)記載の方法に準じて評価した。
(D)混率
JIS L1030−2 記載の溶解法のうち、70%硫酸法に準じて評価した。
(E)プリーツ山部の重なり個数
幅方向は織物全幅(耳部を除いた地組織)、長さ方向はプリーツ柄ワンリピート分の重なり個数を数え面積で除して求める。
(実施例1)
ポリエステルセミダル丸断面マルチフィラメント78デシテックス216フィラメントを経糸とし、緯糸としてポリエステルセミダル丸断面ステープルファイバーと綿の混率がポリエステル65%、綿35%に通常混紡して得られたエステル綿混リング精紡糸45番単糸(約131デシテックス)を使用し、エアージェット織機を用い常法にて経114本/2.54センチメートル、緯100本/2.54センチメートル、織上巾171cmの平織生機を作成した。
得られた生機について両面ガス毛焼を施した後、公知の方法で精練、過酸化水素による漂白、分散染料及び反応染料を用いた染色を実施し乾燥、拡布セット後に裏面カレンダー処理を施して、初期の通気度が0.6cm3/(cm2・SEC)、仕上密度が経120本/2.54センチメートル、緯105本/2.54センチメートル、生地目付105g/m2、生地巾165cmの織物生地を得た。生地における綿繊維の混率は20%であった。
次いで、プッシュアッププリーツ機を用いて得られた織物生地にプリーツ柄を付与した。プリーツ加工後の織物幅は160cm、プリーツ柄の山部の重なり箇所は10カ所/100cm2(0.1カ所/cm2)であり、ヒーター表面温度は180℃、加熱時間は機械の一動作につき2秒間の処理である。プリーツ柄の賦型により外観品位はファンシーなものとなり、プリーツ柄賦型後の通気度は初期0.9cm3/(cm2・SEC)、1回洗濯後も2.0cm3/(cm2・SEC)に留まりダウン綿の吹き出しの懸念なく、伸長率も経方向35%、緯方向2%であり経方向に適度なストレッチ特性を示すものであった。
得られた生地を布団側生地として用い、羽毛布団(シングルサイズ)を公知の方法を用いて作成した。シングルサイズゆえ、はぎの部分がなく外観品位的にも好ましいものであった。また、プリーツ柄による山谷の効果により肌との接触面積が小さくなり蒸れ感が少なく清涼感に富んだ羽毛布団となった。更に就寝時の寝返りなど体位変化が生じてもごわごわした耳障りながさつき音が生じず、快適な睡眠が期待出来るものとなった。
(実施例2)
ポリエステルセミダル丸断面マルチフィラメント78デシテックス216フィラメントを経糸及び緯糸として使用し、ウォータージェット織機を用い常法にて経141本/2.54センチメートル、緯90本/2.54センチメートル、織上巾179センチのポリエステル100%の平織生機を作成した。
得られた生機について公知の方法で精練、分散染料を用いた染色を実施し乾燥、拡布セット後に裏面カレンダー処理を施して、初期の通気度が0.4cm3/(cm2・SEC)、仕上密度が経153本/2.54センチメートル、緯95本/2.54センチメートル、生地目付90g/m2、生地巾165cmの織物生地を得た。
次いで、プッシュアッププリーツ機を用いて得られた織物生地にプリーツ柄を付与した。
ちなみにプリーツ柄の山部の重なり箇所は20カ所/100cm2(0.2カ所/cm2)であり、ヒーター表面温度は180℃、加熱時間は機械の一動作につき2秒間の処理である。プリーツ柄の賦型により外観品位はファンシーなものとなり、プリーツ柄賦型後の織物幅は160cmであり、通気度は初期0.6cm3/(cm2・SEC)、1回洗濯後も1.5cm3/(cm2・SEC)に留まりダウン綿の吹き出しの懸念なく、伸長率も経方向32%、緯方向2%であり経方向に適度なストレッチ特性を示すものであった。
得られた生地を実施例1同様、布団側生地として用い、羽毛布団(シングルサイズ)を公知の方法により作成した。シングルサイズゆえ、はぎの部分がなく外観品位的にも好ましいものであった。また、プリーツ柄による山谷の効果により肌との接触面積が小さくなり蒸れ感が少なく清涼感に富んだ羽毛布団となった。更に就寝時の寝返りなど体位変化が生じてもごわごわした耳障りながさつき音が生じず、快適な睡眠が期待出来るものとなった。
(実施例3)
経糸の芯部にポリエステルフィラメント、鞘部が綿である60番手糸、横糸にポリエステルフィラメント56デシテックス糸を使用してタテ密度190本/2.54センチメートル、横糸200本/2.54センチメートルの綾織物を製織した。綿繊維の混率は20%であった。
次にこの織物を常法に従って糊抜き、精錬、漂白、表面カレンダー加工をおこなって、生地目付けが110g/m2、生地巾158cm、初期の通気度が1.2cm3/(cm2・SEC)
の綾織物を得た。
ついで実施例1と同様にプッシュアッププリーツ機を用いてプリーツ柄を付与した。プリーツ柄の山部の重なり箇所は15カ所/100cm2(0.15カ所/cm2)であり、ヒーター表面温度は170℃でプリーツ加工を実施した。
プリーツ加工後の織物幅は155cm、通気度は初期1.5cm3/(cm2・SEC)、1回洗濯後は2.2cm3/(cm2・SEC)となり、伸長率は縦方向30%、緯方向2%となった。
得られた生地を布団側生地として用い、羽毛布団(シングルサイズ)を公知の方法を用いて作成した。シングルサイズゆえ、はぎの部分がなく外観品位的にも好ましいものであった。また、経糸が綿繊維を鞘部としたコアヤーンであるため吸水性や肌触りの優れたものであり、清涼感に富んだ羽毛布団となった。更に就寝時の寝返りなど体位変化が生じてもごわごわした耳障りながさつき音が生じず、快適な睡眠が期待出来るものとなった。
(実施例4)
経糸、緯糸80番手糸を使用して、経糸密度210本/2.54cm、横糸密度230本/2.54cmの172cm幅の朱子織物を製織した、この織物を常法に従って、糊抜き、精錬、漂白、シルケット加工を行った後、大日本インキ化学工業社製NS−210L(グリオキザール系樹脂)7%、触媒として大日本インキ化学工業社製キャタリストM(塩化マグネシウム系)2%水溶液にディッピング法にてピックアップ率80%付与し乾燥させ、表面カレンダー加工をおこなって、初期の通気度1.5cm3/(cm2・SEC)、の綿100%織物を得た。
次いで、プッシュアッププリーツ機を用いて得られた織物生地にプリーツ柄を付与した。
ちなみにプリーツ柄の山部の重なり箇所は15カ所/100cm2(0.15カ所/cm2)であり、ヒーター表面温度は170℃、加熱時間は機械の一動作につき2秒間の処理である。プリーツ柄賦型後の織物幅は162cm、伸長率は経方向35%、緯方向2%であり経方向に適度なストレッチ特性を示すものであったが、通気度は初期2.8cm3/(cm2・SEC)、1回洗濯後も3.5cm3/(cm2・SEC)となった。
得られた生地を布団側生地として用い、羽毛布団(シングルサイズ)を公知の方法を用いて作成した。シングルサイズゆえ、はぎの部分がなく外観品位的にも好ましいものであった。また、熱溶融繊維を含んでいないため、蒸れ感がほとんどなく清涼感に非常に富んだ羽毛布団となった。洗濯後の通気度がやや高めではあったが、通常の使用においては問題のないレベルであった。更に就寝時の寝返りなど体位変化が生じてもごわごわした耳障りながさつき音が生じず、快適な睡眠が期待出来るものとなった。
(比較例1)
実施例2で用いた織物生地をプリーツ柄を賦型せずに羽毛布団(シングルサイズ)の側生地に使用した。織物幅は165cmであった。通気性が初期の通気度が0.4m3/(cm2・SEC)と低い故にダウン綿の吹き出しの懸念はないものの、プリーツがない為に経方向、緯方向とも伸長率は2%に留まりストレッチ性は殆どないものであった。またシングルサイズゆえにはぎの部分もなく外観品位を損ねていないが、実施例と比較しファンシー感、意匠感に乏しいものであった。また表面がフラットである為に肌との接触面積が大きく蒸れ感、張り付き感を感じやすいものとなった。更に布団を変形させることによって、ごわごわとした耳障りながさつき音が生じやすく、快適な睡眠を与えるという課題を満足するものにはならなかった。
(比較例2)
プリーツ柄を変更し、プリーツ加工後の織物幅を140cmとし、山部の重なり箇所150箇所/100cm2(1.5カ所/cm2)とした以外は実施例3に従った。得られた織物の通気度は初期5.2cm3/(cm2・SEC)、1回洗濯後は8.3cm3/(cm2・SEC)となり、伸長率は縦方向45%、緯方向20%となった。
得られた生地を布団側生地として用い、羽毛布団(シングルサイズ)を公知の方法を用いて作成した。シングルサイズでもはぎの部分ができてしまい外観が劣っており、プリーツ山部の重なりが多いため、ストレッチ性は良くなるが、通気度が高くなってしまいダウン綿吹き出し性能の劣ったものであった。
本発明は、肌触りや吸湿性に優れながら、低通気度であって表面凹凸感にすぐれた高密度織物であって、特にストレッチ性に優れた布団側地に好適である。

Claims (6)

  1. ダウン綿の吹き出しを防ぐ高密度織物であって、通気度が3cm3/(cm2・SEC)以下、経方向及び/又は緯方向の伸張率が5%以上であることを特徴とするプリーツ加工された布団側地。
  2. 布帛全体に占めるセルロース系繊維の混率が5%以上であって、その他の繊維として熱溶融タイプの合成繊維が含まれることを特徴とする請求項1に記載のプリーツ加工された布団側地。
  3. 経糸の少なくとも一部がポリエステル繊維であって、プリーツ山部の重なり箇所が1カ所/cm2以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリーツ加工された布団側地。
  4. プリーツ加工後の織物幅が148cm以上であり、つぎはぎがないことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプリーツ加工された布団側地。
  5. 通気度が1cm3/(cm2・SEC)以下の高密度織物をプリーツ加工することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプリーツ加工された布団側地の製造方法。
  6. 高密度織物に樹脂付与後プリーツ加工し、つづけて130℃以上の熱処理をすることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のプリーツ加工された布団側地の製造方法。
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