JP2007126537A - 高純度βグルカン組成物及びその製造方法 - Google Patents

高純度βグルカン組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生理活性の高いβ−1,3−1,4−グルカンを高純度で含有するにもかかわらず、水への溶解性が高く、且つその水溶液の粘度の低い高純度βグルカン組成物及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】β−1,3−1,4−グルカン含量が80質量%以上であり、且つ結合性脂質含量が1〜5質量%であることを特徴とする高純度βグルカン組成物。及び、穀物から抽出し、結合性脂質含量が1〜5質量%の粉末としたβグルカン材料を、有機溶剤の水溶液で処理することを特徴とする、上記高純度βグルカン組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、高純度βグルカン組成物及びその製造方法に関するものである。特に、生理活性の高いβ−1,3−1,4−グルカンを高純度で含有するにもかかわらず、その水溶液の粘度の低い高純度βグルカン組成物及びその製造方法に関するものである。
従来よりβグルカンは血糖値上昇抑制、コレステロール低下、免疫増強などの機能が注目されており、特にβ−1,3−1,4−グルカンの機能が高いことが注目されている。 これらβグルカンは植物、担子菌類、微生物などに含まれていたり、これらによる生産物であるため、これらに含まれる夾雑物を除去すべく精製して用いられている。またβグルカンの生理活性機能をより顕著に得る観点からも精製した高純度のβグルカンが用いられている。例えば特許文献1〜3に記載されている。
しかし、これまで知られている高純度βグルカンはいずれも水への溶解性が悪く、溶解させたとしても水溶液の粘度が高く利用しにくいものであった。
特開平11−225706号公報 特表2001−501996号公報 特開2002−97203号公報
従って、本発明の目的は、生理活性の高いβ−1,3−1,4−グルカンを高純度で含有するにもかかわらず、水への溶解性が高く、且つその水溶液の粘度の低い高純度βグルカン組成物及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、下記の高純度βグルカン組成物及びその製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
「β−1,3−1,4−グルカン含量が80質量%以上であり、且つ結合性脂質含量が1〜5質量%であることを特徴とする、高純度βグルカン組成物。」
「穀物から抽出し、結合性脂質含量が1〜5質量%の粉末としたβグルカン材料を、有機溶剤の水溶液で処理することを特徴とする、上記高純度βグルカン組成物の製造方法。」
本発明の効果は、生理活性の高いβ−1,3−1,4−グルカンを高純度で含有するにもかかわらず、水への溶解性が高く、且つその水溶液の粘度の低い高純度βグルカン組成物及びその製造方法を提供したことにある。
本発明の高純度βグルカン組成物は、β−1,3−1,4−グルカン含量が80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは92〜99質量%である。β−1,3−1,4−グルカン含量が上記に満たないと、血糖値上昇抑制、コレステロール低下、免疫増強などの生理活性を顕著に発現することが困難となるばかりでなく、不純物の多さに起因してその水溶液の粘度も高いものとなってしまう。
本発明の高純度βグルカン組成物は、β−1,3−1,4−グルカン含量が上記の通りであれば、その他のβグルカンや他の多糖類などを含有していても差し支えない。
また、本発明の高純度βグルカン組成物は、結合性脂質含量が1〜5質量%、好ましくは1.5〜3.5質量%であることが必要である。結合性脂質含量がこの範囲内でないと、β−1,3−1,4−グルカン含量が80質量%以上であるにもかかわらず、その水溶液を低粘度とすることができない。
特定量の結合性脂質の存在が高純度βグルカン組成物の水溶液の低粘性を与える理由は定かではないが、βグルカンは親水性の水酸基を多く含有し、水に対する親和性が強く、βグルカンの純度が高いほど水へ添加する際に表面がすばやく水和し膨潤してダマを生じてしまい、高分子量のものが多くなるほどダマを生じやすく水溶液は増粘しやすいと考えられる。また、溶液中において分子同士の相互作用が強くβグルカンがネットワークを形成し増粘しやすいと考えられる。本発明の高純度βグルカン組成物は、脂質が残存していることで水に対する親和性が弱まりダマを生じにくく溶解性が向上すると推測される。また、結合性脂質は水溶液中のβグルカン分子同士のネットワーク構造の形成を阻害し、水溶液の増粘が抑制されているのではないかと推測される。
尚、結合性脂質含量とは、エチルエーテルに溶解するものを除去して得られたエチルエーテル不溶物を食品成分試験法に従った脂質含量測定により測定されるものである。
また本発明の高純度βグルカン組成物は、低粘性とするためには結合性蛋白質を含有していることが好ましい。この結合性蛋白質含量は、β−1,3−1,4−グルカンに対して、好ましくは1〜5質量%、より好ましくは2〜4質量%である。
尚、結合性蛋白質含量とは、HPLCゲル濾過クロマトグラフィーを用いて、RI検出によるβ−1,3−1,4−グルカンピークと同保持時間のUV検出によるピークにより測定されるものである。
本発明の高純度βグルカン組成物が示す低粘度とは、例えば、β−1,3−1,4−グルカン濃度として2質量%の水溶液とした場合に、その粘度(25℃)が12mPa・s以下、好ましくは10mPa・s以下、より好ましくは8.0mPa・s以下となることである。
上記β−1,3−1,4−グルカン濃度として2質量%の水溶液とした場合にその粘度(25℃)が上記の通りであると、水への溶解性が良く、その水溶液の配合性が良好で化粧品への応用に適している。
また本発明の高純度βグルカン組成物は、低粘性の観点から、分子量250000以上である分子の占める割合が20質量%以下であり、且つ分子量4000以上250000未満である分子の占める割合が70質量%以上であることが好ましく、より好ましくは、分子量250000以上である分子の占める割合が17質量%以下であり、且つ分子量4000以上250000未満である分子の占める割合が82質量%以上であり、最も好ましくは、分子量250000以上である分子の占める割合が17質量%以下であり、且つ分子量4000以上250000未満である分子の占める割合が82質量%以上であり、且つ分子量4000未満である分子の占める割合が5質量%以下であることがよい。
また、本発明の高純度βグルカン組成物は、低粘性の観点から、さらに重量平均分子量が1万〜15万の範囲内であることが好ましく、より好ましくは重量平均分子量が2万〜9万の範囲内、最も好ましくは重量平均分子量が3.5万〜7.5万の範囲内がよい。
本発明の高純度βグルカン組成物は、上記したような条件を満たせばよいので特にその製造方法は限定されるものではないが、例えば以下に説明する本発明の高純度βグルカン組成物の製造方法によれば容易に得ることができる。
本発明の高純度βグルカン組成物の製造方法は、穀物から抽出し、結合性脂質含量が1〜5質量%の粉末としたβグルカン材料を、有機溶剤の水溶液で処理するものである。
上記穀物としては、βグルカン、特にβ−1,3−1,4−グルカンを含有する穀物であれば特に限定されるものではなく、例えば、大麦、燕麦、米、ライムギ、ライ小麦、トウモロコシ、小麦などを使用することができる。これらのなかでもβ−1,3−1,4−グルカン含量の高い大麦は本発明に使用するのに特に適している。さらに好ましくは、βグルカンを高含有する品種を使用することがよい。
穀物からβグルカンを抽出する方法は特に限定されず、常法によればよく、例えば粉砕した穀物に、或いは精米や精麦した際の糠に、水または熱水を加えて抽出すればよい。また、抽出の際、穀物に含まれる酵素によってβグルカンを部分的に加水分解してネイチブ(native)の状態におけるよりも小さい平均分子量としてもよい。このような抽出方法は、例えば特表2001−501996号公報に記載の方法も利用することができる。
穀物からβグルカンを抽出したβグルカン材料は、常法により精製することができるが、結合性脂質含量が1〜5質量%、好ましくは1.5〜3.5質量%の粉末としたβグルカン材料とする必要がある。結合性脂質含量が1質量%未満であると、水溶液の粘度の高い高純度βグルカン組成物となってしまう。また結合性脂質含量が5質量%を超えると他の不純物も多くなり、やはり水溶液の粘度の高い高純度βグルカン組成物となってしまう。
尚、βグルカン材料としては、結合性脂質含量が1〜5質量%の粉末であるという条件を満たせば市販の製品を使用することもでき、例えば旭電化工業株式会社製の商品名大麦ベータグルカンC60などを使用することもできる。
有機溶剤の水溶液による上記βグルカン材料の処理は、特に限定されるものではなく、通常、有機溶剤によって疎水性不純物を除去するための処理と同様に行えばよく、例えば、βグルカン材料を有機溶剤の水溶液に投入し、疎水性不純物などを溶解させ、沈殿したβグルカンを濾別するなどの処理を行えばよい。
有機溶剤の水溶液としては、特に限定されるものではないが、上記の処理によって、組成物中の結合性脂質含量が1〜5質量%を維持できる有機溶剤の水溶液であればよい。
このような有機溶剤の水溶液としては、具体的には例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類の水溶液(アルコール濃度は、好ましくは20〜95容量%、より好ましくは30〜85容量%、さらに好ましくは40〜70容量%である)を使用することができ、さらにアセトンの水溶液(アセトン濃度は、好ましくは30〜85容量%、より好ましくは40〜75容量%である)なども使用することができる。これらのなかでもエタノール及び/またはイソプロパノールが特に好ましい。
これらの有機溶剤の水溶液の使用量、使用温度、処理時間などの使用条件は、特に限定されるものではなく、組成物中の結合性脂質含量が1〜5質量%を維持できる程度であれば常法の範囲内でよく、概ね用いるβグルカン材料に対して10mL/g以上(上限は特にないが産業化適正の観点からは1000mL/g以下がよい)程度を、10〜40℃の範囲(好ましくは20〜30℃)で、10分以上(上限は特にないが産業化適正の観点からは120分以下がよい)使用すればよい。
本発明の高純度βグルカン組成物は、水への分散性及び溶解性に優れ、その水溶液が低粘性で高い流動性を有することから、特に化粧品への応用に適しているが、その他、食品、サプリメントなどの健康食品、化学品、医薬品、それらの原料などに好適に使用される。
以下に実施例を挙げ本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例において各種の測定は以下の通り行った。
〔分子量測定法および各分子量の含量測定法〕
組成物に含まれる分子の分子量測定は、HPLCによるゲル濾過法を用いた。すなわち、サンプルの5mgをチューブに取り、1mlの蒸留水を加えて、70℃で溶解させた。0.22μmのフィルターを通したものを分析に供した。分析条件は以下の通りとした。カラムは、いずれもHPLCゲル濾過カラムである、東ソー製のパックドカラム(商品名:TSK GEL G6000PWXL)及び昭和電工製のパックドカラム(商品名:Shodex SUGAR KS802)を連結させて用い、分離溶媒は水を用い、流速0.5ml/分、カラム温度60℃とし、検出にはRI検出器を用いた。分子量マーカーはShodexプルラン標準液P−82(昭和電工社製)およびβ−Glucan MW
Standards(Megazyme社製)を用い、測定サンプルの溶出時間から分子量を測定した。また、各分子量の含量は、RI検出による全ピークの総面積値と各分子量のピーク面積値から測定した。
〔β−1,3−1,4−グルカン含量の測定〕
組成物中のβ−1,3−1,4−グルカン含量の分析は、βグルカン測定キット(型番K−BGLU)、McCleary法(酵素法)、メガザイム社製)により行った。まず、500μm(30メッシュ)のふるいにかけた各分画物及び予め水分含量を測定(赤外線水分計、型番FD−230)、Kett社製)したサンプル10mgを、17mlチューブに取り、50%(v/v) エタノール溶液を200μl加え、分散させた。次に、4mlの20mMリン酸緩衝液(pH6.5) を加え、よく混合した後、煮沸した湯浴中にて1分間加温した。よく混合し、さらに2分間、湯浴中で加熱した。50℃に冷却後、5分間放置してから、各チューブにリケナーゼ酵素溶液(キットに付属するバイアルを20mlの20mMリン酸緩衝液で希釈、残量は凍結保存)の200μl(10U)を加え、50℃、1 時間にて反応させた。チューブに200mM酢酸緩衝液(pH4.0)を5ml加えて、静かに混合した。室温に5分間放置し、遠心分離にて上清を得た。100μlを3本のチューブに取り、1本には100μlの50mM酢酸緩衝液(pH4.0)を、他の2本には100μl(0.2U)のβグルコシターゼ溶液(キットに付属するバイアルを20mlの50mM酢酸緩衝液で希釈、残量は凍結保存)を加え、50℃にて10分間、反応させた。3mlのグルコースオキシターゼ/ペルオキシターゼ溶液を加えて、50℃にて20分間反応させ、各サンプルの510nmにおける吸光度(EA)を測定した。β−1,3−1,4−グルカン含有量は、次式により求めた。
β−1,3−1,4−グルカン(%,w/w)=(EA)×(F/W)×8.46
式中、F及びWは次の通りである。
F=(100)/(グルコース100μgの吸光度)
W=算出された無水物重量(mg)
〔粘度測定〕
β−1,3−1,4−グルカン濃度として2質量%の水溶液の粘度を、E型粘度計(VISCOMETER TV−20L 東機産業)を使用して測定した。すなわち、β−1,3−1,4−グルカン含量が2質量%となるようにイオン交換水を加え、沸騰水浴中で10分間加温して溶解させ、水溶液を調製した。室温まで冷ました後1mLを量り取り、25℃に設定したE型粘度計で測定した。
〔結合性脂質含量の測定〕
組成物1g当たりエチルエーテル100mLを加えて3時間室温で攪拌して遊離脂質を溶解させ、減圧濾過によりエチルエーテル不溶物を回収する。得られたエチルエーテル不溶物を食品成分試験法に従い脂質含量を測定し、これを結合性脂質含量とした。
〔結合性蛋白質含量の測定〕
組成物中の結合性蛋白質のβ−1,3−1,4−グルカンに対する含量測定は、HPLCによるゲル濾過法及びUV検出で実施した。すなわち、サンプルの5mgをチューブに取り、1mlの蒸留水を加えて70℃で溶解させた。さらに沸騰水中で30分間加熱して遊離蛋白質を変性させて、遠心分離(15000rpm、10分間)により除去した。得られた溶液を2つに分け、一方の500μlにリケナーゼ(EC3.2.1.73。β−1,3−1,4−グルカンを特異的に分解する酵素。Megazyme社製)の0.2Uを添加して、50℃で3時間酵素処理した。このサンプルを沸騰水中で10分間加熱して酵素を失活させた。酵素未添加及び酵素処理後のサンプルを0.22μmのフィルターを通し分析に供した。分析条件は分子量測定と同様に行い、検出器はRI検出器及びUV検出器(波長280nm)を用いた。
酵素未添加のサンプルでRI検出されるピークで、酵素処理後のサンプルで消失した分子量4000以上のピークをβ−1,3−1,4−グルカンピークとした。酵素処理後のサンプルにてβ−1,3−1,4−グルカンピーク範囲内でUV検出されるピーク面積値から残存するリケナーゼのピーク面積値を差し引き、遊離の蛋白ピーク値とした。酵素未添加のサンプルでβ−1,3−1,4−グルカンピーク内のUVピーク面積値から遊離の蛋白ピーク値を差し引き、これを結合性蛋白ピークとした。RI検出されたβ−1,3−1,4−グルカンピーク面積値を100としたときの結合性蛋白ピークの面積値の比率を算出し、β−1,3−1,4−グルカンに対する結合性蛋白質含量(質量%)とした。
〔実施例1〕
45容量%エタノール水溶液に市販の粉末状大麦抽出βグルカン材料(旭電化工業株式会社製、商品名:大麦ベータグルカンC60、β−1,3−1,4−グルカン含量63.7質量%、結合脂質含量2.4質量%)10.0gを添加、懸濁した溶液を、撹拌羽根を用いて室温で90分間撹拌した。
この懸濁液を濾紙(安積濾紙製、No.500)を用いて吸引濾過した。濾紙上の固形物に、45容量%エタノール10mLを添加して洗浄し、再び吸引濾過した。
濾紙上の固形物を採取して凍結乾燥処理を行ったところ、6.2gの白色固形物として本発明の高純度βグルカン組成物(サンプルA)を得た。
サンプルA中のβ−1,3−1,4−グルカン含量は92.1質量%、結合性脂質含量は2.3質量%、重量平均分子量は7.0万、分子量250000以上である分子の占める割合は16.5質量%、分子量4000以上250000未満である分子の占める割合は81.5質量%、分子量4000未満である分子の占める割合は2.0質量%、β−1,3−1,4−グルカンに対する結合性蛋白質含量は2.9質量%であった。
次に、サンプルAの108.7mgを蒸留水(室温)に添加して、β−1,3−1,4−グルカン濃度として2質量%の水溶液を調整した。
サンプルAは水への分散性が高くダマを生じることは無かった。沸騰水中で加温すると直ちに溶解した。この水溶液は無色透明、穀類特有の臭いは無く、水溶液の粘度(25℃)は7.0mPa・sであって低粘性であり高い流動性を保っていた。この水溶液を肌に塗った感触は良好で、べとつき感が無く、また流動性が高いことから清涼感も感じられて、化粧品への応用に適していた。
〔比較例1〕
実施例1で得られたサンプルAの1gを、100%アセトン50mLに添加、懸濁した溶液をマグネチックスターラーを用いて室温で2時間撹拌した。懸濁液を実施例1と同様の濾紙を用いて吸引濾過した。濾紙上の固形物に100%アセトン10mLを添加して洗浄し、再び吸引濾過した。
濾紙上の固形物を採取して凍結乾燥処理を行ったところ、0.9gの赤みを帯びた白色固形物として比較のための高純度βグルカン組成物(サンプルB)を得た。
サンプルB中のβ−1,3−1,4−グルカン含量は93.8質量%、結合性脂質含量は0.6質量%、重量平均分子量は7.0万、分子量250000以上である分子の占める割合は13.7質量%、分子量4000以上250000未満である分子の占める割合は83.2質量%、分子量4000未満である分子の占める割合は3.1質量%、β−1,3−1,4−グルカンに対する結合性蛋白質含量は1.0質量%であった。
次に、サンプルBの106.4mgを蒸留水(室温)に添加して、β−1,3−1,4−グルカン濃度として2質量%の水溶液を調整した。
サンプルBは水への分散性が低くダマを生じた。沸騰水中で15分以上加温しないとダマが溶解せず水溶液調整が困難なサンプルであった。この水溶液は無色透明、穀類特有の臭いは無かったが、水溶液の粘度(25℃)は15.1mPa・sであって低粘性とは言えず、流動性を有するものの粘性を帯びたものであった。この水溶液を肌に塗った感触は良好とは言えず、ややべとつき感があり、清涼感も劣るものであり、化粧品への応用に適していなかった。
〔比較例2〕
市販の高純度大麦βグルカン(Megazyme社製、商品名:β−Glucan MWStandards Mw=40000)をサンプルCとした。
サンプルC中のβ−1,3−1,4−グルカン含量は97.0質量%、結合性脂質含量は0.2質量%、重量平均分子量は4.0万、分子量250000以上である分子の占める割合は1.5質量%、分子量4000以上250000未満である分子の占める割合は91.6質量%、分子量4000未満である分子の占める割合は6.9質量%、β−1,3−1,4−グルカンに対する結合性蛋白質含量は0.7質量%であった。
次に、サンプルCの103.1mgを蒸留水(室温)に添加して、β−1,3−1,4−グルカン濃度として2質量%の水溶液を調整した。
サンプルCは水への分散性が低くダマを生じた。沸騰水中で15分間加温しないとダマが溶解せず水溶液調整が困難なサンプルであった。この水溶液は無色透明、穀類特有の臭いは無かったが、水溶液の粘度(25℃)は13.0mPa・sであって低粘性とは言えず、流動性を有するものの粘性を帯びたものであった。この水溶液を肌に塗った感触は良好とは言えず、ややべとつき感があり、清涼感も劣るものであり、化粧品への応用に適していなかった。
〔比較例3〕
市販の高純度大麦βグルカン(Megazyme社製、商品名:β−Glucan MWStandards Mw=123000)をサンプルDとした。
サンプルD中のβ−1,3−1,4−グルカン含量は97.0質量%、結合性脂質含量は0.2質量%、重量平均分子量は12.3万、分子量250000以上である分子の占める割合は41.1質量%、分子量4000以上250000未満である分子の占める割合は58.1質量%、分子量4000未満である分子の占める割合は0.8質量%、β−1,3−1,4−グルカンに対する結合性蛋白質含量は1.0質量%であった。
次に、サンプルDの103.1mgを蒸留水(室温)に添加して、β−1,3−1,4−グルカン濃度として2質量%の水溶液を調整した。
サンプルDは水への分散性が低くダマを生じた。沸騰水中で15分以上加温しないとダマが溶解せず水溶液調整が困難なサンプルであった。この水溶液は無色透明、穀類特有の臭いは無かったが、水溶液の粘度(25℃)は85.0mPa・sであって高粘性であり、流動性に乏しいものであった。この水溶液を肌に塗った感触は不快であり、べとつき感が強く、清涼感の無いものであり、化粧品への応用に適していなかった。
〔比較例4〕
市販の粉末状大麦抽出βグルカン材料(旭電化工業株式会社製、商品名:大麦ベータグルカンC60、β−1,3−1,4−グルカン含量63.7質量%、結合性脂質含量3.8質量%)をサンプルEとした。
サンプルE中のβ−1,3−1,4−グルカン含量は63.7質量%、結合性脂質含量は3.8質量%、重量平均分子量は7.0万、分子量250000以上である分子の占める割合は18.4質量%、分子量4000以上250000未満である分子の占める割合は71.6質量%、分子量4000未満である分子の占める割合は10.1質量%、β−1,3−1,4−グルカンに対する結合性蛋白質含量は12.8質量%であった。
次に、サンプルEの166.7mgを蒸留水(室温)に添加して、β−1,3−1,4−グルカン濃度として2質量%の水溶液を調整した。
サンプルDは水への分散性は高く、沸騰水中で15分間加温すると容易に溶解したが、この水溶液は茶色味を帯びていて穀類特有の臭いがあり、水溶液の粘度(25℃)は16.2mPa・sであって低粘性とはいえず、流動性を有するものの粘性を帯びたものであった。この水溶液を肌に塗った感触は良好とは言えず、ややべとつき感があり、清涼感も劣るものであり、化粧品への応用に適していなかった。
〔実施例2〕
市販の大麦粒(搗精度50%)をミル粉砕した粉末200gに1000mlの蒸留水を加えて60℃にて1時間攪拌抽出した。抽出後、遠心分離して上清960mlを得た。溶液のpHを3に調整し、沈殿を遠心分離にて除去後、溶液のpHを6.5に調整し、再度遠心分離で沈殿を除去し、その900mlを凍結乾燥して7.1gの白色粉末(サンプルF)を得た。サンプルFは、β−1,3−1,4−グルカン含量73.1質量%であった。
サンプルFの7.1gを攪拌温度8℃、攪拌時間1時間とした以外は、実施例1と同様に処理したところ、5.6gの白色固形物として本発明の高純度βグルカン組成物(サンプルG)を得た。
サンプルG中のβ−1,3−1,4−グルカン含量は93.8質量%、結合性脂質含量は2.2質量%、重量平均分子量は12.6万、分子量250000以上である分子の占める割合は13.1質量%、分子量4000以上250000未満である分子の占める割合は84.7質量%、分子量4000未満である分子の占める割合は2.2質量%、β−1,3−1,4−グルカンに対する結合性蛋白質含量は1.9質量%であった。
次に、サンプルGの106.6mgを蒸留水(室温)に添加して、β−1,3−1,4−グルカン濃度として2質量%の水溶液を調整した。
サンプルGは水への分散性が高くダマを生じることは無かった。沸騰水中で15分間加温すると溶解した。この水溶液は無色透明、穀類特有の臭いは無く、水溶液の粘度(25℃)は11.0mPa・sであって低粘性であり高い流動性を保っていた。この水溶液を肌に塗った感触は良好で、べとつき感が無く、また流動性が高いことから清涼感も感じられて、化粧品への応用に適していた。
〔実施例3〕
実施例2と同様に大麦をミル粉砕した粉末300gに1500mlの蒸留水及びセルラーゼ(和光純薬社製:593−02401)の20ユニットを加えて50℃にて3時間攪拌抽出した。溶液のpHを3に調整し、沈殿を遠心分離にて除去後、溶液のpHを6.5に調整し、再度遠心分離で沈殿を除去し、その1200mlを凍結乾燥して13.5gの白色粉末(サンプルH)を得た。サンプルHは、βグルカン含量57質量%であった。
30容量%イソプロパノール水溶液にサンプルHの10gを添加、懸濁した溶液を室温にて30分間攪拌した。この懸濁液を実施例1と同様に処理し、5.4gの白色固形物として本発明の高純度βグルカン組成物(サンプルI)を得た。
サンプルI中のβ−1,3−1,4−グルカン含量は93.2質量%、結合性脂質含量は2.5質量%、重量平均分子量は4.0万、分子量250000以上である分子の占める割合は13.0質量%、分子量4000以上250000未満である分子の占める割合は85.4質量%、分子量4000未満である分子の占める割合は1.6質量%、β−1,3−1,4−グルカンに対する結合性蛋白質含量は2.8質量%であった。
次に、サンプルIの106.6mgを蒸留水(室温)に添加して、β−1,3−1,4−グルカン濃度として2質量%の水溶液を調整した。
サンプルIは水への分散性が高くダマを生じることは無かった。沸騰水中で加温すると直ぐに溶解した。この水溶液は無色透明、穀類特有の臭いは無く、水溶液の粘度(25℃)は5.8mPa・sであって低粘性であり高い流動性を保っていた。この水溶液を肌に塗った感触は良好で、べとつき感が無く、また流動性が高いことから清涼感も感じられて、化粧品への応用に適していた。

Claims (5)

  1. β−1,3−1,4−グルカン含量が80質量%以上であり、且つ結合性脂質含量が1〜5質量%であることを特徴とする、高純度βグルカン組成物。
  2. 分子量250000以上である分子の占める割合が20質量%以下であり、且つ分子量4000以上250000未満である分子の占める割合が70質量%以上である、請求項1に記載の高純度βグルカン組成物。
  3. 重量平均分子量が1万〜15万の範囲内である、請求項1または2に記載の高純度βグルカン組成物。
  4. 穀物から抽出し、結合性脂質含量が1〜5質量%の粉末としたβグルカン材料を、有機溶剤の水溶液で処理することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の高純度βグルカン組成物の製造方法。
  5. 有機溶剤がエタノール及び/またはイソプロパノールである、請求項4に記載の高純度βグルカン組成物の製造方法。
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