JP2007125999A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車速センサ系の故障若しくは異常発生後は車速信号をも安定させ、安定した操舵を継続できるようにする電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】ステアリング機構に操舵補助力を付与するモータと、操舵トルクを検出するトルクセンサと、車速センサと、前記トルクセンサからのトルクセンサ信号及び車速センサからの車速信号に基づいてアシスト量を制御するアシスト量制御部とを具備した電動パワーステアリング装置において、車速信号の異常を検出する故障検出部と、故障検出部で車速信号の異常が検出されたときは、車速信号が異常を示す前の正常な過去車速信号に応じてトルクセンサ信号を補正するトルク補正部とを設け、アシスト量制御部は、故障検出部により車速信号の異常が検出されたときは、トルク補正部から出力される補正トルク信号及びフェール時用に設定された所定車速に基づいてモータの出力を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両や自動車のステアリング機構に操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置に関し、特に車速を検出する車速センサ系の故障等により車速信号が異常値を示しても、操舵補助力を適正に制御できる電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図12に示して説明すると、操向ハンドル1のコラム軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4A及び4B、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に連結されている。コラム軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット30には、バッテリ14から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出されたトルクセンサ信号Tと車速センサ12で検出された車速信号Vとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の操舵補助指令値Iの演算を行い、演算された操舵補助指令値Iに基づいてモータ20に供給する電流を制御する。
このような電動パワーステアリング装置において、従来の装置では、車速センサ12からの車速信号V及びトルクセンサ10からのトルクセンサ信号Tを基に、コントロールユニット30がモータ電流を演算して制御し、モータ20を介して操舵力をアシストしている。そして、車速センサ12が故障若しくは異常となり、コントロールユニット30への車速信号Vの入力がなくなると、コントロールユニット30は車速0km/h、即ち停車時であると判断し、操舵アシスト量を増加させている。しかし、車両の実車速とは異なる制御になっているため、操縦の安定性を損なう場合がある。
かかる問題を解決する電動パワーステアリング装置として、特開平1−215667号公報(特許文献1)に示されるものがあり、この電動パワーステアリング装置では操舵トルクに対する操舵補助力を車速に応じて可変に制御する可変制御マップを有し、車速センサの異常を判別する判別部と、車速に関係なく、操舵トルクに対する操舵補助力を操舵トルクが小さいときには小さく、操舵トルクが大きくなるに従って増大する図13に示すような特性に制御する固定制御マップとを設けている。そして、車速センサ系の故障若しくは異常時、つまりフェール時に切換手段により、可変制御マップによる操舵補助力の制御を固定制御マップに切り換えるようにしている。
特開平1−215667号公報
上記特許文献1に示される従来装置では、車速センサ系の故障検出時にフェール時用の固定制御マップを用いて操舵補助を継続するようにしている。しかし、車速センサ系の故障発生時の車速状態によっては、操舵アシスト量が図14に示すように急激に変化する場合がある。つまり、過去車速に関係なく故障発生時のアシスト量を決めている。そのため、操舵時に不安を感じたり、操舵に振動が発生したりして、操縦の安定性を損なう場合がある。
本発明は上述のような事情からなされたものであり、本発明の目的は、車速センサ系の故障若しくは異常発生後は推定により車速信号をも安定させ、安定した操舵を継続できるようにする電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、ステアリング機構に操舵補助力を付与するモータと、操向ハンドルに作用する操舵トルクを検出するトルクセンサと、車速を検出する車速センサと、前記トルクセンサからのトルクセンサ信号及び前記車速センサからの車速信号に基づいてアシスト量を制御するアシスト量制御部とを具備した電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、前記車速信号の異常を検出する故障検出部と、前記故障検出部で前記車速信号の異常が検出されたときは、前記車速信号が異常を示す前の正常な過去車速信号に応じて前記トルクセンサ信号を補正するトルク補正部とを設け、前記アシスト量制御部は、前記故障検出部により前記車速信号の異常が検出されたときは、前記トルク補正部から出力される補正トルク信号及びフェール時用に設定された所定車速に基づいて前記モータの出力を制御することにより達成される。
本発明の上記目的は、前記アシスト量制御部が、過去n(1を含む自然数)個の車速信号が常時更新されて記憶される過去車速記憶部を具備することにより、或いは前記トルク補正部が、前記車速信号が異常を示す前の正常な過去車速信号に応じて予め設定されている補正ゲインを前記トルクセンサ信号に乗算して得た補正トルクセンサ信号を出力することにより、或いは前記フェール時用に設定された所定車速が、前記アシスト量制御部で演算される車速を用いる演算の全てに対し、1つの固定車速が設定されていることにより、或いは前記フェール時用に設定された所定車速が、前記アシスト量制御部で演算される車速を用いる演算の全てに対し、個別に固定車速が設定されていることにより、或いは前記アシスト量制御部で演算される車速を用いた演算が前記モータの電流指令値演算、センター応答性改善演算、収れん性改善演算であることにより、より効果的に達成される。
本発明によれば、車速センサ系(車速センサを含む車速信号の経路)の故障若しくは異常発生(以下、単に「故障」又は「フェール」とする)時に、故障直前の過去車速に基づいてトルクセンサからのトルクセンサ信号を補正し、更にフェール時用に設定された所定の固定車速に基づいてモータ制御を行うようにしているので、フェール発生時にも操舵アシスト量が急激に変化することもなく、ドライバーが必要とする操舵アシスト力に対して、操舵アシスト不足あるいは操舵アシスト過剰にならない水準を維持することができる。
また、故障発生時には故障直前の過去車速n(1を含む自然数)に基づいて推定現在車速を演算し、その推定現在車速に基づいて補正ゲインを演算し、演算された補正ゲインによってトルクセンサ信号を補正しているので、フェール発生時においても適正な操舵アシストを継続することができる。
本発明は、車速センサ系の故障発生後も適正な操舵アシストを継続させ、操縦の安定性を確保しようとすることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。車速センサ系の故障発生時は、アシスト量演算のための車速を所定速度(推定現在車速)に固定し、図1に示すように車速センサ系の故障直前までの過去車速を記憶しておき、推定現在車速に基づいて補正ゲインを演算し、演算された補正ゲインでトルクセンサ信号を補正し、車速信号に依存しない固定されたフェール時用の予め設定されたアシストデータを用いて、故障確定後も適度な操舵アシストを継続させている。このように、車速センサ系の故障確定後は実際の車速信号を用いることなく、過去車速から推定された推定現在車速に従って操舵アシストの継続を行うことができるので、図1の矢印Aで示すようにアシスト力が急激に変化することもなく、操縦の安定性の確保を図ることができる。
なお、図1では過去車速を、(n−2)車速及び(n−1)車速に基づいてアシスト量を制御するようになっているが、過去車速数は任意である。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
先ず本発明の前提となる電動パワーステアリング装置の制御系構成例を、図2に示して説明する。
電動パワーステアリング装置の補助操舵力を発生するモータ100はモータ駆動部101によって駆動され(端子間電圧Vm)、モータ100の電流はモータ電流測定部102によって測定され、測定されたモータ電流iはモータ角速度推定部120及び外乱推定部121に入力される。トルクセンサからのトルクセンサ信号Trはセンター応答性改善部111、フェール時アシスト量演算部112及びアシスト量演算部114に入力され、車速センサからの車速信号Velは故障検出部110、収れん性制御部113、アシスト量演算部114及びセンター応答性改善部111に入力される。アシスト量演算部114の出力Ir及びフェール時アシスト量演算部112の出力Ifrは加算部115で加算され、その加算結果が更に加算部116で収れん性制御部113の出力及びセンター応答性改善部111の出力と加算され、その加算結果がロバスト安定化補償部122に入力される。ロバスト安定化補償部122の出力Irbは加算部124において、モータ特性補償部123の出力Imc及び外乱推定部121の出力Ioeと加算され、その加算結果がモータ駆動部101及び外乱推定部121に入力される。また、モータ角速度推定部120からの角速度ωはモータ特性補償部123及び収れん性制御部113に入力される。
フェール時アシスト量演算部112は例えば図13に示すように、故障検出部110で車速センサ系の故障が検出されたときに、トルクセンサ信号Trの小さいときはアシスト量Ifrが小さく、トルクセンサ信号Trの大きいときはアシスト量Ifrも大きくなる1次遅れ特性のアシスト量Ifrを出力するようになっている。
モータ角速度推定部120は、モータ端子間電圧Vm及びモータ電流値iに基づいてモータ角速度ωを推定するものであり、モータ角速度ωは、モータ100の電気特性をモータ特性補償部123及びヨーレートを収れんさせる収れん性制御部113に入力される。アシスト量演算部114は、トルクセンサ信号Tr及び車速信号Velに基づいてアシストトルク量を演算してアシスト量Irを出力し、フェール時アシスト量演算部112は、故障検出部110が車速センサ系の故障を検出したときに、図13の特性に基づいてトルクセンサ信号Trに対応したアシスト量Ifrを演算して出力する。故障検出部110が車速信号Velにより車速センサ系の故障を検出したときには故障検出信号FSが出力され、故障検出信号FSはフェール時アシスト量演算部112及びアシスト量演算部114に入力される。
アシスト量演算部114は故障検出信号FSが入力されるとアシスト量Irをゼロとし、フェール時アシスト量演算部112はトルクセンサ信号Trに基づいてフェール時アシスト量Ifrを出力する。収れん性制御部113は、モータ角速度推定部123からの角速度ω及び車速信号Velを入力し、車両のヨーレートの収れん性を改善するために、ハンドルが振れ回る動作に対してブレーキをかけるようになっている。また、センター応答性改善部111は、ステアリングの中立点付近の制御応答性を高め、滑らかでスムーズな操舵を実現するようになっている。ロバスト安定化補償部122は、検出トルクに含まれる慣性要素とばね要素で成る共振系の共振周波数におけるピーク値を除去し、制御系の応答性と安定性を阻害する共振周波数の位相のズレを補償するものである。ロバスト安定化補償部122の出力から、路面情報を反力としてハンドルに伝えることができるアシストトルク量Irbが得られる。
外乱推定部121は、モータ100の出力の制御目標である電流指令値Irbに外乱推定部121の出力Ioe及びモータ特性補償部123の出力Imcを加算した信号と、モータ電流値iとに基づいて、制御系の出力基準における希望するモータ制御特性を維持することができ、制御系の安定性を失うことがないようにしている。なお、故障検出部110は公知の方法で、車速信号Velによって車速センサ系の故障を検出しているが、電動パワーステアリング装置外の既存の車速センサ故障検出器を利用したり、或いはCAN等で車速センサ系故障の情報を取得するようにしても良い。
このような構成において、車速センサ系が正常な場合には、故障検出部110からは故障検出信号FSは出力されないのでフェール時アシスト量演算部112は動作せず、その出力Ifrはゼロとなっている。これに対し、アシスト量演算部114はトルクセンサ信号Tr及び車速信号Velに基づいてアシスト量Irを演算し、演算出力されたアシスト量Irが収れん性制御部113からの収れん性制御信号及びセンター応答性改善部111からのセンター応答性信号と加算部116で加算され、その加算結果がロバスト安定化補償部122に入力される。ロバスト安定化補償部122の出力Irbは加算部124において、モータ特性補償部123の出力Imc及び外乱推定部121の出力Ioeと加算され、モータ駆動部101を介してモータ100を駆動してアシスト制御を実行する。
そして、車速センサ系に故障が発生すると、故障検出部110が故障を検出して故障検出信号FSを出力する。これにより、アシスト量演算部114はアシスト量Irの演算を停止すると共に、フェール時アシスト量演算部112によるフェール時アシスト量Ifrの演算を行い、フェール時アシスト量Ifrが加算部115を経て加算部116に入力される。以降は上述した正常な場合と同様に、収れん性制御信号及びセンター応答性信号を加算部116で加算されてロバスト安定化補償部122に入力され、モータ駆動部101を介してモータ100を駆動してアシスト制御を実行する。従って、車速センサ系が故障した場合には、フェール時アシスト量演算部112によるフェール時アシスト量Ifrによってアシスト制御が実行される。
本発明は上述のような電動パワーステアリング装置に適用されるものであり、その構成例を図2に対応させて図3に示して説明する。
本発明に係る電動パワーステアリング装置では、車速信号Velを入力する過去車速記憶部130、過去車速記憶部130からの過去車速信号PV及び故障検出部からの故障検出信号FSを入力するゲイン演算部132、車速信号Vel及びゲイン演算部132からの補正ゲインCGを入力するトルク補正部133を設けている。
車速信号Velが異常と判定されると、故障検出部110内の異常検出カウンタが1回カウントアップされ、このカウント値Nが設定値以上となった場合に車速信号Vel若しくは車速センサが異常若しくは故障と判定され、故障検出部110から故障検出信号FSが出力される。
過去車速記憶部130は、図4に示すように過去n(1以上の整数)個の過去車速信号Velを順次記憶する。即ち、直前nサンプルの車速信号、例えば5サンプルの車速信号Vel、Vel、Vel、Vel、Velを更新する。また、故障検出部112が故障を検出て故障検出信号FSを出力したとき、過去車速記憶部130から過去車速信号データがゲイン演算部132に入力され、複数n(1以上の整数)の過去車速信号Velから現在の車速を推定し、推定された推定現在車速Veeから図5に示すようにして減衰処理させるためのトルク補正ゲインCGを決める。ゲイン演算部132は過去車速信号PVに基づいて(例えば平均値に基づいて)補正ゲインCG(<1.0)を算出し、トルク補正部133でトルクセンサ信号Trと補正ゲインCGとが乗算され、その乗算値がアシスト量演算部114及びセンター応答性改善部111に入力される。補正ゲインCGは1.0よりも小さい値であるので、トルク補正部133はトルクセンサ信号Trに対して減衰手段となっている。
推定現在車速Veeは、例えば過去正常な車速信号Velのn(例えば5)サンプルの値を基に予想される現在値を求める。つまり、過去の5サンプルの車速信号Velを平均して、平均値Velm=(Vel+Vel+Vel+Vel+Vel)/5を推定現在車速Veeとしても良い。また、推定現在車速Veeの算出方法として、最小自乗法、過去のnサンプル値から(n−1)次式を算出して現在値を算出する方法、重み付き平均法等があり、以下それらについて説明する。ただし、nは1以上の自然数である。
先ず、過去のnサンプルから(n−1)次式を作成して推定現在車速Veeを算出する方法について説明する。例えば、図6に示すような過去3サンプル(Vewl、Vel,Vel)から2次式を作成して現在車速値Velを予測するには、a,b,cを定数として下記数1の計算を行う。
(数1)
Veld=a・t+b・t+c
そして、定数a,b,cを算出するには下記数2の連立方程式を求める必要がある。なお、VnはVelnを表している。
Figure 2007125999
よって、現在車速値Velは下記数3のように算出される。
Figure 2007125999
実際の計算では逆行列部分は予め計算することができる。例えば、過去3サンプルの場合の逆行列部分は数4のようになる。
Figure 2007125999
次に、最小自乗法を用いた推定現在車速Veeの算出方法について説明する。過去の車速信号Velの直帰のnサンプルから1次式を最小自乗法により作成し、現在値を予測し推定現在車速Veeを設定する。上述した推定現在車速Veeをn次式で求める方法の場合、過去の車速信号Velにノイズが含まれているので、厳密にn次式に適合すると最適な現在値を得られない場合がある。そこで、最小自乗法によって各係数を計算する。例えば、過去3サンプルから1次式を作成して現在値を予測する場合は、以下の計算をすれば良い。
先ず現在値を求めるとは図7において、過去の時点t、t、tのときの車速信号Vel,Vel1,Velから現在時点tでの車速信号Velを求めることである。
(数5)
Vel=a・t+b
ここで、係数a,bを求めるには、下記数6の連立方程式を解けば良い。
Figure 2007125999
そこで、過去3サンプルの場合は、逆行例を利用して下記数7のようになる。
Figure 2007125999
実際の計算では、逆行列は予め計算することができる。その結果、各係数は下記数8のようになる。
Figure 2007125999
最小自乗法でも、n次式を用いる方法でも、推定現在車速Veeを最終的に計算する形は、V=a・V+b・V+c・V+d・Vなどの係数と過去トルク値との積和であるので、CPUにとって計算の負担は多くない。
次に重み付き平均について説明すると、重み付き平均は車速信号Velを過去のものから順に重み付けする。例えば古い順にV,V,V,V,Vであり、重みをa,b,c,d,eとすれば、推定現在車速Veeは下記数9のようになる。
(数9)
V=(a・V+b・V+c・V+d・V+e・V)/(a+b+c+d+e)
ここで、重みa,b,c,d,eを例えば“8”,“4”,“2”,“1”,“1”とすると、数9は下記数10のようになる。
(数10)
V=(8V+4V+2V+V+V)/16
また、トルク補正部133はトルクセンサ信号Trにゲイン演算部132からの補正ゲインCGを乗算し、減衰された補正トルクセンサ信号Trgをセンター応答性改善部111及びアシスト量演算部114に入力する。
車速選定部131は、通常時は、入力した車速信号Velをそのまま収れん性制御部113、アシスト量演算部114及びセンター応答性改善部111に入力する。そして、故障検出部112で故障が検出されて故障検出信号FSが入力されると、予め設定された車速Velを出力する。ここで、収れん性制御部113、アシスト量演算部114及びセンター応答性改善部111に同じ速度(例えば0km/h)を入力しても良いし、それぞれへ別の予め設定された速度を入力しても良い。車速選定部131が出力する車速は、収れん性制御部113、アシスト量演算部114及びセンター応答性改善部111での演算結果と故障時に望むモータ制御により適切な値を選択し、予め車速選定部131に記憶させておく。
アシスト量演算部111は車速選定部131で選定された車速Vesをパラメータとして、図8に示すように補正トルクセンサ信号Trgに対応したアシスト量Irを演算して出力する。即ち、故障検出部110が故障を検知すると、過去車速記憶部130が記憶する過去車速データnを基にゲイン演算部132が推定現在車速を推定し、補正ゲインを演算してトルク補正部133でトルクセンサ信号Trと乗算して補正するのと同時に、車速選定部131は予め記憶された故障時用の所定の固定車速とし、収れん性制御部113、アシスト量制御部114、センター応答性改善部111に対して、所定の固定車速制御とすることによって、適正な操舵アシストを継続することができる。
このような構成において、その動作を図9のフローチャートを参照して説明する。
本発明では、制御がスタートすると、先ず車速信号Velを入力し(ステップS10)、故障検出部110は車速センサ系が故障であるか否かの検出を行う(ステップS11)。
故障検出部110で故障が検出されない正常時には、過去車速の更新を行い(ステップS12)、トルクセンサ信号Trを入力し(ステップS13)、車速センサを含む車速センサ系が正常である正常時のアシスト動作が実行され、過去車速記憶部130には所定時間毎に車速信号Velが記憶される(ステップS14)。
アシスト量演算部114は車速選定部131からの車速Vesをパラメータとし、トルク補正部133からの補正トルクセンサ信号Trg、つまりトルクセンサ信号Trによってアシスト量Irを演算する。
一方、上記ステップS11で、車速センサ系の故障が故障検出部110で検出されると、ゲイン演算部132は過去車速記憶部130から過去車速信号Velを呼び出し(ステップS20)、上述した手法で推定現在車速Veeを推定し(ステップS21)、推定された推定現在車速Veeに基づいて補正ゲインCG(<1.0)を算出してトルク補正部133に入力する。ゲイン演算部132は過去車速の平均値等に基づいても補正ゲインCGを算出可能であるが、ゲイン演算部132に故障検出信号FSが入力されると、図1に示すように故障検出前の例えば車速(n−2),(n−1)がゲイン演算部132に送られて、推定現在車速Veeが求められる。推定現在車速Veeと補正ゲインCGとの関係は、例えば図10に示すような関係になっており、この関係に基づいてゲイン演算部132は補正ゲインCGを求める。
また、トルクセンサ信号Trはトルク補正部133に入力され(ステップS23)、演算された補正ゲインCGと乗算されて補正される(ステップS24)。補正ゲインCGで補正された補正トルクセンサ信号Trgはセンター応答性改善部111及びアシスト量演算部114に入力される。更に、故障検出部110が故障を検出すると、車速選定部131からフェール時固定車速Vesが呼び出され(ステップS25)、フェール時固定車速Vesがアシスト量演算部114に入力され、これによりフェール時アシスト制御が実行される(ステップS26)。そして、車速信号Velを入力し(ステップS27)、車速センサ系の故障が復帰したか否かを判定し、(ステップS28)、復帰していなければ上記ステップS23にリターンし、復帰していれば通常動作にリターンする。
図11は本発明による正常時のアシスト特性(点線)と、フェール時のアシスト特性(実線)とを比較して示しており、この図11からも分かるようにフェール発生時には常に適度に減衰したアシスト量で制御することができる。
また、故障検出部110は、車速信号Velだけでなく、エンジン回転数センサなどの他のセンサから信号を入力して、車速センサ系の故障を総合的に判断するようにしてもよい。
本発明の制御原理を説明するための図である。 本発明の前提となる電動パワーステアリング装置の制御系構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施例を示す制御系構成例のブロック図である。 過去車速の記憶例を示すフローチャートである。 ゲイン演算部の動作例を示す特性図である。 推定現在車速の算出例を説明するための図である。 推定現在車速の算出例を説明するための図である。 フェール時アシスト量演算部の特性例を示す図である。 本発明の動作例を示すフローチャートである。 本発明の動作を説明するための図である。 本発明の動作を説明するための図である。 一般的なステアリング機構例を示す図である。 従来の制御における操舵アシスト量の特性例を示す図である。 従来の制御原理を説明するための図である。
符号の説明
1 操向ハンドル
2 コラム軸
3 減速ギア
4A及び4B ユニバーサルジョイント
5 ピニオンラック機構
6 タイロッド
10 トルクセンサ
11 イグニションキー
12 車速センサ
14 バッテリ
20 モータ
30 コントロールユニット
100 モータ
101 モータ駆動部
110 故障検出部
111 センター応答性改善部
112 フェール時アシスト量演算部
113 収れん性制御部
114 アシスト量演算部
115 加算部
120 モータ角速度推定部
121 外乱推定部
122 ロバスト安定化補償部
123 モータ特性補償部
130 過去車速記憶部
131 車速選定部
132 ゲイン演算部
133 トルク補正部

Claims (6)

  1. ステアリング機構に操舵補助力を付与するモータと、操向ハンドルに作用する操舵トルクを検出するトルクセンサと、車速を検出する車速センサと、前記トルクセンサからのトルクセンサ信号及び前記車速センサからの車速信号に基づいてアシスト量を制御するアシスト量制御部とを具備した電動パワーステアリング装置において、前記車速信号の異常を検出する故障検出部と、前記故障検出部で前記車速信号の異常が検出されたときは、前記車速信号が異常を示す前の正常な過去車速信号に応じて前記トルクセンサ信号を補正するトルク補正部とを設け、前記アシスト量制御部は、前記故障検出部により前記車速信号の異常が検出されたときは、前記トルク補正部から出力される補正トルク信号及びフェール時用に設定された所定車速に基づいて前記モータの出力を制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記アシスト量制御部は、過去n(1を含む自然数)個の車速信号が常時更新されて記憶される過去車速記憶部を具備している請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記トルク補正部は、前記車速信号が異常を示す前の正常な過去車速信号に応じて予め設定されている補正ゲインを前記トルクセンサ信号に乗算して得た補正トルクセンサ信号を出力するようになっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記フェール時用に設定された所定車速は、前記アシスト量制御部で演算される車速を用いる演算の全てに対し、1つの固定車速が設定されている請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記フェール時用に設定された所定車速は、前記アシスト量制御部で演算される車速を用いる演算の全てに対し、個別に固定車速が設定されている請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記アシスト量制御部で演算される車速を用いた演算が、前記モータの電流指令値演算、センター応答性改善演算、収れん性改善演算である請求項4又は5に記載の電動パワーステアリング装置。
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