JP2007121201A - アブソリュート位置検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、薄膜プロセスで形成した給電用トランス及び位置検出用コイルと磁気ヘッドを用いてアブソリュート位置信号を得ることを目的とする。
【解決手段】本発明によるアブソリュート位置検出装置は、固定部材(30)に設けた給電用トランス(5)、励磁信号供給部(10)、位置検出用コイル(20)及び信号処理回路部(31)を薄膜プロセスで形成し、磁気ヘッド(1)の位置を前記位置検出用コイル(20)で検出する構成である。
【選択図】図1

Description

本発明は、アブソリュート位置検出装置に関し、特に、薄膜プロセスで形成された給電用トランス及び複数の位置検出用コイルと磁気ヘッドを用い、磁気ヘッドのアブソリュート位置を位置検出用コイルで検出し、高精度かつ高耐久性の装置を得るための新規な改良に関する。
従来、用いられていたこの種のアブソリュート位置検出装置としては、例えば、サンテスト(株)製の磁歪式リニア変位センサ、インダクタンス式リニア変位センサ、セミアブソリュートリニアエンコーダ及び村田機械(株)製のインダクトコーダ(磁気誘導・位相検出方式)を挙げることができる。
前記磁歪式リニア変位センサは、磁歪線上に電流パルスを与えると磁歪線軸方向全域に円周方向磁場が生じ、マグネットを置いた部分にのみ軸方向磁場が与えられ、円周方向磁場との合成によって斜めの磁場が発生し、この部分にのみねじり歪が発生する。
この現象をWiedemann効果と云い、このねじりは一種の機械振動であるため、金属である磁歪線上を超音波で伝播し、この伝播時間を計測し、マグネットの絶対位置を検出している。
また、前記インダクタンス式リニア変位センサは、センサのプローブ内にはソレノイド状コイルが収納され、このコイルを交流で励磁するとコイルの内周のみならず外周にも一様な交番磁界が発生し、このコイルの収納されたプローブの外周を取囲むように導電性の高い金属でできたチューブが配されているため、このチューブがソレノイド状コイルに対するショートリングの働きをし、交番磁界を弱める作用、即ちコイルのインダクタンスを小さくしようとする。
従って、チューブがセンサプローブ全体を覆っているときにコイルのインダクタンスが最も小さくなり、プローブに対するチューブの相対位置に比例してコイルのインダクタンスが変化することになり、このコイルに交流電流を印加しておくと、チューブの変位に比例した交流電圧の振幅変化を得ることができる。
また、前記セミアブソリュートリニアエンコーダは、コイルを有するプローブの外周にスリーブを可動式に設け、可動するスリーブには導電率の異なる2種類の非磁性金属が所定の間隔毎に組み込まれ、コイルの外周をスリーブが移動するとインダクタンスが変化してバランスが崩れ、搬送波sinωtが位置αの関数で変調された信号が得られる。
また、インダクトコーダは、変換回路部と、一次巻線コイル、二次巻線コイル及びコイル内を移動する磁性体から構成されている。
すなわち、一次巻線コイルを基準となる一次交流信号で励磁することで交流磁場が発生し、この交流磁場内の所定の位置に配置された二組の二次巻線コイル内を磁性体が移動することによって、二組のコイルの位置それぞれに対応した二組の誘導出力が得られる構成である。尚、前述の従来構成は、村田機械(株)、(株)リベックス、エヌエスディ(株)及びサンテスト(株)の各インターネットのホームページに開示されている。
従来のアブソリュート位置検出装置は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、前述の各従来構成においては、いずれの構成においてもコイルを用いているため、製造時、使用時のいずれにおいてもコイル自体の信頼性に問題があり、耐振動及び耐衝撃性に課題が存在していた。
本発明によるアブソリュート位置検出装置は、固定部材側のステータ部に設けられ所定角度間隔で円周方向に配設された複数の位置検出用コイルと、前記位置検出用コイルに接続された信号処理回路部と、前記固定部材側に設けられ前記各位置検出用コイルと対応して輪状をなすと共に前記各位置検出用コイルの内側に位置する給電用トランスと、前記給電用トランスに接続された励磁信号供給部と、前記ステータ部に対向して回転自在に設けられたロータ部と、前記ロータ部に設けられ前記給電用トランスに対向して回転トランスを形成するための受電用コイルと、前記ロータ部に設けられ前記各位置検出用コイルに対応しかつ前記受電用コイルに接続された磁気ヘッドとを備え、前記位置検出用コイル、給電用トランス、受電用コイル、信号処理回路部及び励磁信号供給部は薄膜プロセスにより形成され、前記磁気ヘッドの受電用コイルに対して前記給電用トランスから励磁信号を供給し、前記磁気ヘッドのコアギャップ部から発生する磁束を前記位置検出用コイルで検出することにより、前記磁気ヘッドのアブソリュート位置を検出するようにした構成であり、また、前記給電用トランス及び受電用コイルは輪状をなしている構成であり、また、前記信号処理回路部は、前記各位置検出用コイルが接続されたアナログスイッチと、前記アナログスイッチに接続され前記アナログスイッチで選択された出力信号をA/D変換するためのA/D変換器と、前記A/D変換器からのデジタル信号と前記励磁信号供給部からの励磁信号とを入力するための比較部と、前記比較部からの比較出力を入力するための判定部と、前記判定部からのアップ信号及びダウン信号を入力するためのカウンタと、前記カウンタからのカウンタ値を入力し前記アナログスイッチに接続されたマルチプレクサと、前記カウンタ値及び前記判定部に接続されたラッチ部とからなり、電源投入時、前記カウンタを零からアップさせて前記アナログスイッチを切替え、前記磁気ヘッドの位置をサーチし、前記サーチ完了後は前記カウンタをアップ/ダウンさせてステップトラッキング動作し、前記各位置検出用コイルの誘起電圧が最大値となる位置をサーチし、前記最大値となった時の前記カウンタのカウンタ値を前記磁気ヘッドのアブソリュート位置として前記ラッチ部から取り出すようにした構成であり、また、前記励磁信号供給部は、発振器とローパスフィルタと増幅器とからなる構成である。
本発明によるアブソリュート位置検出装置は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、往復移動する磁気ヘッドに対して給電するための給電用トランスと、前記磁気ヘッドの位置を検出するための各位置検出用コイルとを薄膜プロセスで形成されているため、実際のコイルを用いることはなく、耐衝撃性及び耐振動性で高耐久性を得ることができる。
また、製造においても、薄膜プロセスによる印刷工程であるため、大量生産及びローコストが可能である。
また、磁気のみの検出方式であるため、光学式エンコーダ並みの検出精度が可能であるにも拘わらず、LED及びフォトセンサ等の光学部品を必要としないため、長寿命を達成することができる。
本発明は、薄膜プロセスで形成された給電用トランス及び複数の位置検出用コイルと磁気ヘッドを用い、磁気ヘッドのアブソリュート位置を位置検出用コイルで検出し、高精度かつ高耐久性のアブソリュート位置検出装置を提供することを目的とする。
以下、図面と共に本発明によるアブソリュート位置検出装置の好適な実施の形態について説明する。
図1において符号21で示されるものは、プリント基板等の固定部材30に形成され円形をなすステータ部であり、このステータ部21には、所定角度間隔で複数の位置検出用コイル20が円周方向に沿って形成されている。尚、前記ステータ部21は図2に拡大して示されている。
前記各位置検出用コイル20の内側には輪状に形成され回転トランス20Aの片側を構成する給電用トランス5が形成され、この給電用トランス5は前記固定部材30に設けられた励磁信号供給部10に接続されている。
前記励磁信号供給部10は、発振器11、ローパスフィルタ12及び増幅器13よりなり、この励磁信号供給部10からの励磁信号6は前記給電用トランス5に供給されるように構成されている。
前記各位置検出用コイル20は、前記固定部材30に形成された信号処理回路部31の電子回路よりなるアナログスイッチ32に接続されている。
前記アナログスイッチ32からの出力信号33はA/D変換器34でデジタル信号35に変換された後に、励磁信号6が入力される比較部36に入力されている。
前記比較部36からの比較出力37は、クロック信号38で駆動される判定部39は入力され、この判定部39からのアップ信号39aとダウン信号39bはカウンタ40に入力され、判定部39からの判定信号39cはラッチ部41に接続されている。
前記カウンタ40からのカウンタ値42は、前記アナログスイッチ32に接続されたマルチプレクサ43及びラッチ部41に接続されている。
前記ステータ部21には、図示しない回転支持部材を介して、このステータ部21に対向する状態でロータ部4ABが矢印Aの方向に沿って回転自在に設けられている。
前記ロータ部4ABは、前記給電用トランス5と同じ形状で前記回転トランス20Aの片側を形成する受電用コイル4Aを有するように構成され、前記給電用トランス5と受電用コイル4Aとにより前記回転トランス20Aが構成されている。
前記受電用コイル4Aには、市販のHDD用等の磁気ヘッド1の励磁コイル4が接続され、前記磁気ヘッド1のコア3のコアギャップ部2から発生する磁束が前記各位置検出用コイル20によって検出されるように構成され、前記ロータ部4ABが前記ステータ部21に対向して回転することにより、前記励磁コイル4には前記励磁信号6が前記回転トランス20Aを介して供給され、この磁気ヘッド1の回転位置が前記各位置検出用コイル20により検出されるように構成されている。
また、前述の固定部材30上の給電用トランス5、励磁信号供給部10、信号処理回路部31及び受電用コイル4Aは、全て周知の薄膜IC等の薄膜プロセスで形成されている。
次に、動作について述べる。まず、前述の図3の磁気ヘッド1の回転位置状態において、電源を投入すると、その時の磁気ヘッド1の位置に対応した位置検出用コイル20からの出力信号33がA/D変換器34によってデジタル信号35に変換される。このデジタル信号35が励磁信号6となるまで、前記カウンタ40を零からアップさせて前記アナログスイッチ32を切替え、前記各位置検出用コイル20を介して磁気ヘッド1の位置、すなわち、コアギャップ部2の位置を選択するためにサーチする。
前記サーチ完了後は、前記カウンタ40をアップ/ダウンさせてステップトラッキング動作を行い、前記各位置検出用コイル20の磁気ヘッド1からの磁界に基づく誘起電圧が最大値となる位置をサーチして選択し、前記最大値となった時の前記カウンタ40のカウンタ値42を前記磁気ヘッド1のアブソリュート位置として前記ラッチ部41からアブソリュート位置信号Pを得ることができる。
尚、前述の動作は、図示しない制御部に内蔵されたプログラムによって遂行される。
本発明は、ロータリーセンサの場合について述べているが、リニアセンサに対して適用可能である。
本発明によるアブソリュート位置検出装置を示すブロック構成図である。 図1のステータ部の拡大図である。 図1のステータ部に対向するロータ部の平面図である。
符号の説明
1 磁気ヘッド
2 コアギャップ部
4 励磁コイル
4A 受電用コイル
4AB ロータ部
5 給電用トランス
6 励磁信号
10 励磁信号供給部
11 発振器
12 ローパスフィルタ
13 増幅器
20 位置検出用コイル
20A 回転トランス
21 ステータ部
30 固定部材
31 信号処理回路部
32 アナログスイッチ
33 出力信号
34 A/D変換器
35 デジタル信号
36 比較部
37 比較出力
39 判定部
39a アップ信号
39b ダウン信号
40 カウンタ
41 ラッチ部
42 カウンタ値
43 マルチプレクサ

Claims (4)

  1. 固定部材(30)側のステータ部(21)に設けられ所定角度間隔で円周方向に配設された複数の位置検出用コイル(20)と、前記位置検出用コイル(20)に接続された信号処理回路部(31)と、前記固定部材(30)側に設けられ前記各位置検出用コイル(20)と対応して輪状をなすと共に前記各位置検出用コイル(20)の内側に位置する給電用トランス(5)と、前記給電用トランス(5)に接続された励磁信号供給部(10)と、前記ステータ部(21)に対向して回転自在に設けられたロータ部(4AB)と、前記ロータ部(4AB)に設けられ前記給電用トランス(5)に対向して回転トランス(20A)を形成するための受電用コイル(4A)と、前記ロータ部(4AB)に設けられ前記各位置検出用コイル(20)に対応しかつ前記受電用コイル(4A)に接続された磁気ヘッド(1)とを備え、
    前記位置検出用コイル(20)、給電用トランス(5)、受電用コイル(4A)、信号処理回路部(31)及び励磁信号供給部(10)は薄膜プロセスにより形成され、前記磁気ヘッド(1)の受電用コイル(4A)に対して前記給電用トランス(5)から励磁信号(6)を供給し、前記磁気ヘッド(1)のコアギャップ部(2)から発生する磁束を前記位置検出用コイル(20)で検出することにより、前記磁気ヘッド(1)のアブソリュート位置を検出するように構成したことを特徴とするアブソリュート位置検出装置。
  2. 前記給電用トランス(5)及び受電用コイル(4A)は輪状をなしていることを特徴とする請求項1記載のアブソリュート位置検出装置。
  3. 前記信号処理回路部(31)は、前記各位置検出用コイル(20)が接続されたアナログスイッチ(32)と、前記アナログスイッチ(32)に接続され前記アナログスイッチ(32)で選択された出力信号(33)をA/D変換するためのA/D変換器(34)と、前記A/D変換器(34)からのデジタル信号(35)と前記励磁信号供給部(10)からの励磁信号(6)とを入力するための比較部(36)と、前記比較部(36)からの比較出力(37)を入力するための判定部(39)と、前記判定部(39)からのアップ信号(39a)及びダウン信号(39b)を入力するためのカウンタ(40)と、前記カウンタ(40)からのカウンタ値(42)を入力し前記アナログスイッチ(32)に接続されたマルチプレクサ(43)と、前記カウンタ値(42)及び前記判定部(39)に接続されたラッチ部(41)とからなり、
    電源投入時、前記カウンタ(40)を零からアップさせて前記アナログスイッチ(32)を切替え、前記磁気ヘッド(1)の位置をサーチし、前記サーチ完了後は前記カウンタ(40)をアップ/ダウンさせてステップトラッキング動作し、前記各位置検出用コイル(20)の誘起電圧が最大値となる位置をサーチし、前記最大値となった時の前記カウンタのカウンタ値(42)を前記磁気ヘッド(1)のアブソリュート位置として前記ラッチ部(41)から取り出すように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のアブソリュート位置検出装置。
  4. 前記励磁信号供給部(10)は、発振器(11)とローパスフィルタ(12)と増幅器(13)とから構成されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のアブソリュート位置検出装置。
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