JP2007120954A - 厚み測定装置及び厚み測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で、精度良く膜厚測定可能な厚み測定装置または厚み測定方法を提供する。
【解決手段】基準部材16の上に載置された測定対象部材18上に載置されるように挿入された厚みの異なる複数の標準部材14A、14B各々の表面から基準部材16表面までの距離の測定結果に基づいた該距離の差分と、該厚み測定装置10において予め特定環境条件下において測定された複数の標準部材14A、14B各々の表面から基準部材16表面までの距離の差分と、の比較結果に基づいて、膜厚センサ12によって測定した膜厚測定結果を補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、厚み測定装置及び厚み測定方法に係り、特に、ロール状またはシート状の測定対象部材の膜厚を測定する厚み測定装置に関する。
測定対象部材の膜厚を測定する装置として、マイクロメータ、ダイヤルゲージ、リニアゲージ、超音波式膜厚測定器、及び渦電流式膜厚測定器等を用いた膜厚測定装置が知られている(例えば、特許文献1、及び特許文献2参照)。また、レーザ発光と磁界発生器による偏光角変動により膜厚を計測する技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献1の技術では、長手方向が水平方向となるように支持されたベルト吊下用のシャフトに、膜厚測定対象のエンドレスベルトを掛けて、リニアゲージによってエンドレスベルトをシャフトの表面に押し当てるようにして、エンドレスベルトの表面側から機械的に接触して該エンドレスベルトの膜厚を測定している。また、膜厚を測定するときには、シャフトの表面を膜厚のゼロ点としている。
特許文献2の技術では、測定対象としての非金属のシートを金属製ロールに密着支持させながら走行させ、非金属のシートまでの距離測定結果と、金属製ロールまでの距離の測定結果と、の出力差に基づいて、シートの厚みを算出している。
特開2002−286405号公報 特開平5―231856号公報 特開平6―160030号公報
厚みを測定する測定装置として用いられる、上記マイクロメータ、ダイヤルゲージ、リニアゲージ、超音波式膜厚測定装置、渦電流式膜厚測定装置、及びレーザ発光等の測定機器は、温度によって測定結果が変動することから、膜厚測定時には、常に同一環境温度下において測定を行わなければならないという問題があった。また、上記渦電流式、超音波式、光学式、及びレーザフォーカス式等の測定対象部材に非接触で厚みを測定する装置では、測定対象物が基準部材に密着されず精度低下が問題となる場合があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、簡易な構成で、精度良く膜厚測定可能な厚み測定装置または厚み測定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の厚み測定装置は、
<1>基準部材上に載置された測定対象部材の表面に当接されることにより、該基準部材表面をゼロ点とする該測定対象部材の厚みを測定する測定手段と、前記測定対象部材の厚みを測定するように前記測定手段を制御するとともに、前記測定手段と前記測定対象部材との間に該測定対象部材表面に当接されるように挿入された少なくとも厚みの異なる複数の標準部材各々の表面から前記基準部材表面までの距離を測定するように前記測定手段を制御する制御手段と、前記測定手段によって測定された複数の前記標準部材表面から前記基準部材表面までの距離の差分と、前記測定手段によって特定環境条件下において予め測定された複数の前記標準部材表面から前記基準部材表面までの距離の差分と、に基づいて、該特定環境条件下において測定された測定結果となるように、前記測定対象部材の厚み測定結果を補正する補正手段と、を備えている。
本発明の厚み測定装置の測定手段は、基準部材上に載置された測定対象部材の表面に当接されることにより、該基準部材表面をゼロ点とする該測定対象部材の厚みを測定する。すなわち、測定手段は、基準部材上に載置された各種部材について、基準部材表面をゼロ点として該基準部材表面から該各種部材表面までの距離を、該各種部材の厚みとして測定する。制御手段は、基準部材上に載置された測定対象部材の厚みと、基準部材表面から基準部材上に載置された測定対象部材上に載置された厚みの異なる複数の標準部材表面までの距離を測定するように測定手段を制御する。厚みの異なる複数の標準部材は、一体的に設けられていても良く、別体として設けられるようにしてもよい。
制御手段の制御によって、測定手段は、基準部材上に載置された測定対象部材の厚みと、基準部材表面から基準部材上の測定対象部材上に載置された厚みの異なる標準部材各々の表面までの距離を測定する。
補正手段は、測定手段によって測定された複数の標準部材表面から基準部材表面までの距離の差分と、特定環境条件下において測定手段によって予め測定した複数の標準部材表面から基準部材表面までの距離の差分と、に基づいて、特定環境条件下における測定結果となるように、測定対象部材の厚み測定結果を補正する。
このように、基準部材上の測定対象部材上に載置された厚みの異なる標準部材の厚みの差の測定結果と、予め特定環境条件下において求められた該厚みの異なる標準部材の厚みの差と、に基づいて、測定手段によって測定された測定対象部材の厚み測定結果を、特定環境条件下における測定結果となるように補正するので、簡易な構成で、測定環境条件の変動による影響を抑制し、精度良く測定対象部材の厚みを求めることができる。
なお、下記の厚み測定方法によって、簡易な構成で、精度良く膜厚測定可能な厚み測定方法を提供することができる。
具体的には、基準部材上に載置された測定対象部材の表面に当接されることにより該基準部材表面をゼロ点とする該測定対象部材の厚みを測定する測定手段によって該測定対象部材の厚みを測定する厚み測定方法であって、前記基準部材上に載置された測定対象部材の厚みを測定するように前記測定手段を制御すると共に、前記測定手段と前記測定対象部材との間に該測定対象部材上に当接されるように挿入された少なくとも厚みの異なる複数の標準部材各々の表面から前記基準部材表面までの距離を測定するように前記測定手段を制御し、前記測定手段によって測定された複数の前記標準部材表面から前記基準部材表面までの距離の差分と、前記測定手段によって特定環境条件下において予め測定された複数の前記標準部材表面から前記基準部材表面までの距離の差分と、に基づいて、該特定環境条件下における測定結果となるように、前記測定対象部材の厚み測定結果を補正する。
本発明の厚み測定装置及び厚み測定方法によれば、基準部材上の測定対象部材上に載置された厚みの異なる標準部材の厚みの差の測定結果と、予め特定環境条件下において求められた該厚みの異なる標準部材の厚みの差と、に基づいて、測定手段によって測定された測定対象部材の厚み測定結果を、特定環境条件下における測定結果となるように補正するので、簡易な構成で、測定環境条件の変動による影響を抑制し、精度良く測定対象部材の厚みを求めることができる、という効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の厚み測定装置10は、膜厚センサ12、標準部材14、シリンダ20、シリンダ22、制御部24、操作部26、記憶部30、及び出力部28を含んで構成されている。
制御部24は、厚み測定装置10に備えられた装置各部を制御する。
膜厚センサ12は、平板上または長尺状の基準部材16上に載置された測定対象部材18表面に当接されることによって該測定対象部材18の膜厚を測定する。このため、膜厚センサ12には、基準部材16の表面を示す位置情報が膜厚ゼロ点として予め記憶されている。
膜厚センサ12の一例には、マイクロメータ、ダイヤルゲージ、リニアゲージ、差動トランスなど、測定対象物を選ばず、且つ接触式の膜厚計を採用することが好ましい。接触式とすることで、測定対象部材18の、該測定対象部材18を載置する基準部材16からの浮きを防止することができ、測定精度の低下を抑制することができる。
本発明の厚み測定装置10によって厚みを測定する対象となる測定対象部材18は、シート状やベルト状等の測定対象部材18であって、具体的には、画像形成装置に搭載される転写ベルト、及び搬送ベルト等の樹脂ベルトが挙げられるが、測定対象となる部材はこのような部材に限られるものではなく、任意に選択可能である。
シリンダ20は、膜厚センサ12を、基準部材16上に載置された測定対象部材18表面に当接された位置、基準部材16と測定対象部材との間で且つ測定対象部材18表面に当接されるように載置された(詳細後述)標準部材14表面に当接された位置、または測定対象部材18表面または標準部材14から離間した位置の何れかとなるように膜厚センサ12の位置を移動する。
シリンダ20は、円筒状のシリンダ本体32を備えている。シリンダ本体32は、両端に開口孔部を備え、内径が全長に渡り一定とされた円筒状に形成されている。
シリンダ本体32内には、ピストン34が配置されると共に、密閉された圧力室36内に充填された空気や液体などの流体による圧力によってピストン34を摺動可能に設けられている。シリンダ本体32には、シリンダ本体32の開口孔部38を介して、一端がピストン34に固着され、他端が膜厚センサ12に固着された支持軸39が設けられている。
すなわち、膜厚センサ12は、ピストン34に作用する液体または空気による圧力によってピストン34がシリンダ本体32内を摺動することで、基準部材16上に載置された測定対象部材18表面に当接された位置、基準部材16と測定対象部材との間で且つ測定対象部材18表面に当接されるように載置された(詳細後述)標準部材14表面に当接された位置、または測定対象部材18表面または標準部材14から離間した位置の何れかとなるように膜厚センサ12の位置を移動する。
シリンダ本体32の開口孔部38が設けられた面の他端面には、開口孔部35及び開口孔部37が設けられている。圧力室36は、この開口孔部37とパイプ40を介してコンプレッサー42に連通されている。パイプ40には、開口孔部37とコンプレッサー42との間に、コンプレッサー42により圧縮空気または圧縮液体を、開口孔部37を介して圧力室36へ導入されることを阻止または解放するための電磁弁44が設けられている。
また、圧力室36は、開口孔部35及びパイプ46を介して、シリンダ本体32外部へ解放されている。このパイプ46には、圧力室36内の空気または液体をシリンダ本体32の外部へ排出または排出阻止するための電磁弁48が設けられている。
電磁弁48、電磁弁44、及びコンプレッサー42は、制御部24と信号授受可能に接続されている。
制御部24によって、電磁弁48を閉じるように制御すると共に電磁弁44を解放するように制御した後に、コンプレッサー42によってパイプ40を通じて密閉された圧力室36内へ圧縮空気、圧縮ガス、または圧縮液体を圧入する。これによって、ピストン34がシリンダ本体32内を基準部材16方向へと移動し、ピストン34に支持軸39を介して支持されている膜厚センサ12が基準部材16に載置された測定対象部材18、基準部材16と測定対象部材18との間で且つ測定対象部材18表面に当接されるように載置された(詳細後述)標準部材14表面に当接された位置、または測定対象部材18表面または標準部材14から離間した位置の何れかとなるように膜厚センサ12の位置へと移動する。膜厚センサ12の標準部材14または測定対象部材18と当接する端面近傍には、制御部24に信号授受可能に接続されたセンサ49が設けられており、制御部24は、センサ49からの入力信号に基づいて、標準部材14表面または測定対象部材18に膜厚センサ12が当接されたことを判別可能に構成されている。
反対に、制御部24によって、電磁弁44を閉じるように制御すると共に、電磁弁48を解放するように制御することにより、圧力室36内の圧縮空気、圧縮ガス、または圧縮液体がパイプ46を介してシリンダ本体32外部へ排出されると、ピストン34がシリンダ本体32内を基準部材16の反設置方向へと移動されて、膜厚センサ12が標準部材14または測定対象部材18と当接される位置から離間された位置へと移動された状態となる。
この膜厚センサ12が標準部材14または測定対象部材18と当接される位置から移動して離間された位置へと到達したことを検知するために、膜厚センサ12のシリンダ本体32の外表面との対向面には、制御部24に信号授受可能に接続されたセンサ47が設けられている。
制御部24は、センサ47からの入力信号に基づいて、膜厚センサ12が標準部材14または測定対象部材18と当接される位置から移動して離間された位置へと到達したことを判別可能に構成されている。
標準部材14は、厚みの異なる複数の領域を備えている。標準部材14としては、温度や湿度などの環境変動による厚みの変動が少なく、且つ膜厚センサ12によって当接されたときに歪みが無く且つ基準部材16上に載置された測定対象部材18上に載置されたときに該測定対象部材18を傷つけない程度の硬度を有する部材である。
なお、標準部材14は、厚みの異なる複数の部材としてもよく、厚みの異なる複数の部材が一体的に設けられた構成としてもよい。また、標準部材14の形状は、厚みが所定の厚みとなるような厚み一定の領域を複数含むものであればよく、特に限定されるものではないが、膜厚センサ12による測定精度の低下の抑制及び、基準部材16上に載置された測定対象部材18表面へのキズを抑制するために該測定対象部材18上に載置される面(以下、載置面という)が平坦で且つ、該載置面に対向する面が階段状となるように、複数の円柱状の部材が階段状に一体的に設けられた構成であってもよい。また、同一部材により、厚みの異なる複数領域を有するような標準部材14であってもよい。
このような標準部材14の材質としては、平端で傷つきにくいものがよく、厚さ0.05mm乃至約0.7mmの標準部材14を用いる場合には、ポリエステルフイルムを用いることが好ましく、厚さ0.5mm以上の標準部材14を用いる場合には、セラミック材を用いることが好ましく、厚さ1mm以上の標準部材14を用いる場合にはベーク板、を用いることが好ましい。なお、標準部材14として、セラミック材を用いると、加工形成のしやすさの点から好ましい。
本実施の形態では、標準部材14は、円盤状の部材であり、図2(A)に示すように第1の厚みの標準部材14A、標準部材14Aとは厚みの異なる標準部材14B、及び開口孔部14Cを含んで構成されている。
標準部材14は、図2(A)に示す標準部材14のA―A’断面図である図2(B)に示されるように、標準部材14Aと標準部材14Bとは、異なる厚みを有し、且つ厚み方向の一端面が互いに同一平面(以下、適宜基準面と称する)となるように構成されている。
なお、本実施の形態では、標準部材14Aの厚みより標準部材14Bの厚みの方が大きいものとして説明するが、標準部材14は複数の異なる厚みを有する複数の部材によって構成、または段階的に厚みの異なる複数領域を有する部材であればよく、このような形態に限られるものではない。
シリンダ22は、標準部材14を、基準部材16上に載置された測定対象部材18表面に当接された位置、または測定対象部材18表面から離間した位置の何れかとなるように標準部材14の位置を移動する。
シリンダ22は、円筒状のシリンダ本体52を備えている。シリンダ本体52は、両端に開口孔部を備え、内径が全長に渡り一定とされた円筒状に形成されている。
シリンダ本体52内には、ピストン54が配置されると共に、密閉された圧力室56内に充填された空気や液体による圧力によってピストン54を摺動可能に設けられている。シリンダ本体52には、シリンダ本体52の開口孔部58を介して、一端がピストン54に固着され、他端が標準部材14に固着された支持軸59が設けられている。
図2(A)に示すように、支持軸59の他端は、円盤状の標準部材14の円中心に同軸となるように固定されている。
標準部材14は、膜厚センサ12と同様に、ピストン54に作用する液体または空気等の流体による圧力によってピストン54がシリンダ本体52内を摺動することで、基準部材16上に載置された測定対象部材18表面に当接された位置、または測定対象部材18表面から離間した位置の何れかとなるように位置移動する。
シリンダ本体52の開口孔部58が設けられた面の他端面には、開口孔部55及び開口孔部57が設けられている。圧力室56は、この開口孔部57とパイプ60を介してコンプレッサー62に連通されている。パイプ60には、開口孔部57とコンプレッサー62との間に、コンプレッサー62により圧縮空気または圧縮液体を、開口孔部57を介して圧力室56へ導入されることを阻止または解放するための電磁弁64が設けられている。
また、圧力室56は、開口孔部55及びパイプ66を介して、シリンダ本体52外部へ解放されている。このパイプ66には、圧力室56内の空気または液体をシリンダ本体52の外部へ排出または排出阻止するための電磁弁68が設けられている。
電磁弁68、電磁弁64、及びコンプレッサー62は、制御部24と信号授受可能に接続されている。
制御部24によって、電磁弁68を閉じるように制御すると共に電磁弁64を解放するように制御した後に、コンプレッサー62によってパイプ60を通じて密閉された圧力室56内へ圧縮空気、圧縮ガス、または圧縮液体を圧入する。これによって、ピストン54がシリンダ本体52内を基準部材16方向へと移動し、ピストン54に支持軸59を介して支持されている標準部材14が基準部材16に載置された測定対象部材18に当接された位置となるように移動する。標準部材14の測定対象部材18と当接する端面近傍には、制御部24に信号授受可能に接続されたセンサ69が設けられており、制御部24は、センサ69からの入力信号に基づいて、測定対象部材18表面に標準部材14が当接されたことを判別可能に構成されている。
反対に、制御部24によって、電磁弁64を閉じるように制御すると共に、電磁弁68を解放するように制御することにより、圧力室56内の圧縮空気、圧縮ガス、または圧縮液体がパイプ66を介してシリンダ本体52外部へ排出されると、ピストン54がシリンダ本体52内を基準部材16の反設置方向へと移動されて、標準部材14が測定対象部材18に当接された位置から離間された位置へと移動された状態となる。
この標準部材14が測定対象部材18と当接される位置から移動して離間された位置へと到達したことを検知するには、制御部24は、センサ69からの検知信号が未入力状態であることを判別することによって判断することができる、
支持軸59の標準部材14に支持された端部に対して他端側の端部には、支持軸59を軸中心に回転駆動するためのモータ等のモータ67が設けられている。モータ67は、制御部24に信号授受可能に接続されている。
制御部24の制御によってモータ67が駆動されることにより、支持軸59の回転が制御されることで、支持軸59の一端に固定された標準部材14は所定方向に回転制御されると共に、回転角度及び回転停止が制御される。
また、標準部材14は、制御部24の制御によって、支持軸59に固定された回転中心を中心として、回転可能に設けられると共に、基準部材16に載置された測定対象部材18との対向面が測定対象部材18に当接された位置、または該測定対象部材18から離間された位置の何れかとなるように位置を変更可能に設けられている。
なお、標準部材14は、膜厚センサ12と、基準部材16上に載置された測定対象部材18との間に挿入された状態となるように設けられている。このため、図3(B)に示すように、標準部材14が回転中心を中心に回転されると、膜厚センサ12と基準部材16上に載置された測定対象部材18との間に標準部材14の標準部材Aが挿入された状態、図3(C)に示すように、標準部材14の標準部材14Bが挿入された状態、及び図3(A)に示すように標準部材14の開口孔部14Cが位置する(すなわち、膜厚センサ12が直接測定対象部材18に当接可能な状態)状態、の何れかの状態となる。
このように、標準部材14が、回転中心を中心として回転可能に設けられると共に、シリンダ22によって基準部材16上に載置された測定対象部材18に当接された位置、または離間された位置に移動可能に設けられ、図3(A)、(B)、及び(C)に示すように膜厚センサ12と測定対象部材18との間に適宜標準部材14の異なる厚みの領域(部材)が挿入または未挿入の状態とされ、更に、膜厚センサ12がシリンダ22によって基準部材16上に載置された測定対象部材に当接された位置、測定対象部材18上に載置された位置へと移動可能に設けられており、これらの位置及び回転制御が制御部24によって行われる。
なお、標準部材14は、基準部材16との対向面が基準部材16の対向盤面に対して平行な状態となるように維持されたまま、所定方向に回転されるものとする。
このような構成とすることにより、本発明の厚み測定装置10では、図4に示すように、膜厚センサ12が、基準部材16の表面を膜厚ゼロ点として、該基準部材16上に載置された測定対象部材18の厚み70、基準部材16の表面から測定対象部材18上に載置された標準部材14A表面までの距離72(すなわち、測定対象部材18の厚みに標準部材14Aの厚みを加算した値)、基準部材16の表面から測定対象部材18上に載置された標準部材14B表面までの距離74(すなわち、測定対象部材18の厚みに標準部材14Bの厚みを加算した値)各々を測定することが可能となるように構成されている。
上記操作部26、上記出力部28、及び上記記憶部30は、制御部24に信号授受可能に接続されている。
操作部26は、厚み測定装置10に対してユーザが厚み測定指示等の各種指示入力を行うときに操作され、一例には、キーボードやタッチパネル等がある。出力部28は、厚み測定装置10による測定対象部材18の厚み測定結果や各種情報を、厚み測定装置10外部に出力する。出力部28の一例には、プリンタ等の画像形成装置や、外部装置と接続するための通信部、LCDや有機EL等の表示装置等が挙げられる。
記憶部30は、図5に示す処理ルーチンや各種データを予め記憶するとともに、特定環境条件下において本発明の厚み測定装置10によって測定された標準部材Aの厚みと標準部材Bの厚みとの差分を基準差分として予め記憶する。
この特定環境条件とは、予め定められた温度、湿度などの環境を示し、本実施の形態では、25℃の環境温度下において測定された測定結果を基準差分として予め記憶するものとして説明するが、このような環境に限られるものではなく任意に設定することが可能である。また、記憶部30は、膜厚センサ12によって測定された測定結果を一次的に記憶する。
なお、図示は省略するが、厚み測定装置10は、標準部材14Bと膜厚センサ12とが上述のような所定距離を空けた状態で保持された状態で、基準部材16の長尺方向または該長尺方向に直交する方向(幅方向)に移動可能に設けられるようにしてもよい。
この場合には、シリンダ20及びシリンダ22を、所定距離を空けた状態となるように図示を省略するリニアガイドに固定する。そして、該リニアガイドが、図示を省略する基準部材16の長尺方向に沿って伸び且つ基準部材16の平行となるように設けられた長尺状のレール(図示省略)の長尺方向に移動可能に支持されるようにする。そして、リニアガイドに制御部24に信号授受可能に支持されたモータ(図示省略)を設けるようにし、制御部24の制御によってモータを駆動するようにすれば良い。
このようにすれば、膜厚センサ12と標準部材14Bとを、基準部材16上に載置された測定対象部材18の長尺方向または幅方向の一端から他端に渡って移動させることが可能となり、測定対象部材18の厚みを幅方向または長尺方向の一端から他端に渡って測定可能に構成することができる。
なお、上記標準部材14(標準部材14A、標準部材14B)が、本発明の標準部材に相当し、基準部材16が、本発明の基準部材に相当し、膜厚センサ12が、本発明の測定手段に相当する。
また、制御部24が、本発明の制御手段及び補正手段に相当する。
次に、膜厚測定時に制御部24で実行される処理を説明する。
なお、膜厚測定前に、基準部材16上に測定対象となる測定対象部材18が載置されているものとして説明する。また、初期状態(厚み測定装置10の装置各部に電力供給が開始された直後の状態)では、標準部材14は基準部材16上に載置された測定対象部材18から離間された状態であり、且つ標準部材14の開口孔部14Cが、膜厚センサ12と測定対象部材18との間に挿入された状態となっているものとして説明する。
厚み測定装置10の図示を省略する電源スイッチがユーザによって操作され、厚み測定装置10の装置各部に電力が供給されると、制御部24では所定時間毎に図5に示す処理ルーチンが実行されてステップ100に進む。
ステップ100では、操作部26から測定開始指示を示す信号が入力されるまで否定判断を繰り返し、肯定されるとステップ102へ進む。ステップ100の判断は、操作部26がユーザによって操作指示されて測定開始指示を示すボタン等が操作指示されることによって入力される操作開始指示を示す信号入力を判別することによって判断可能である。
ステップ102では、膜厚センサ12を、基準部材16に載置された測定対象部材18に当接させるようにシリンダ20を制御する。ステップ102の制御によって、図3(A)に示されるように、膜厚センサ12は基準部材16に載置された測定対象部材18に当接された状態となる。
次のステップ103では、膜厚センサ12に膜厚測定開始を示す指示信号を出力する。膜厚測定開始を示す指示信号が入力されると、膜厚センサ12は、予め記憶した基準部材16の表面を膜厚ゼロ点として測定対象部材18の厚み(膜厚)(図4厚み70参照)を測定する。
次のステップ104では、膜厚センサ12によって測定された測定対象部材18の厚み測定結果を読み取り、次のステップ106において、読み取った測定対象部材18の厚み測定結果を記憶部30に記憶する。
次のステップ108では、膜厚センサ12を測定対象部材18に当接された位置から離間された位置へと移動するようにシリンダ20を制御する。ステップ108の処理によって、膜厚センサ12は測定対象部材18の表面から離間された状態となる。
次のステップ110では、膜厚センサ12と測定対象部材18との間に、標準部材14の標準部材14Aが挿入された状態となるように、標準部材14を所定角度回転するように、モータ67を制御する。
次のステップ112では、標準部材14A(の基準面)が、基準部材16に載置された測定対象部材18表面に当接されるように、シリンダ22を制御する。ステップ112の処理によって、膜厚センサ12と測定対象部材18との間に、標準部材14の標準部材14Aが挿入され且つ標準部材14(標準部材14A)が測定対象部材18上に当接されて載置された状態となる。
次のステップ114では、膜厚センサ12を標準部材14の標準部材14Aに当接されるようにシリンダ20を制御する。ステップ114の処理によって、図3(B)に示すように、膜厚センサ12が、基準部材16上に載置された測定対象部材18上に載置された標準部材14Aに当接された状態となる。
次のステップ115では、膜厚センサ12の測定開始を示す指示信号を出力する。ステップ115の処理によって、測定開始指示を示す指示信号が入力されると、膜厚センサ12は、基準部材16の表面から標準部材14A表面までの厚み(図4中厚み72参照)を測定する。
次のステップ116では、上記ステップ115の処理によって膜厚センサ12によって測定された測定結果(基準部材16の表面から標準部材14A表面までの厚み)を読み取り、次のステップ118において、記憶部30に測定結果を記憶する。
次のステップ120では、膜厚センサ12を標準部材14Aに当接された位置から離間された位置へと移動するようにシリンダ20を制御する。ステップ120の処理によって、膜厚センサ12は標準部材14Aの表面から離間された状態となる。
次のステップ122では、膜厚センサ12と測定対象部材18との間に、標準部材14の標準部材14Bが挿入された状態となるように、標準部材14を所定角度回転するように、モータ67を制御する。
次のステップ124では、標準部材14B(の基準面)が、基準部材16に載置された測定対象部材18表面に当接されるように、シリンダ22を制御する。ステップ124の処理によって、膜厚センサ12と測定対象部材18との間に、標準部材14の標準部材14Bが挿入され且つ標準部材14(標準部材14B)が測定対象部材18上に当接されて載置された状態となる。
次のステップ126では、膜厚センサ12を標準部材14の標準部材14Bに当接されるようにシリンダ20を制御する。ステップ126の処理によって、図3(C)に示すように、膜厚センサ12が、基準部材16上に載置された測定対象部材18上に載置された標準部材14Bに当接された状態となる。
次のステップ127では、膜厚センサ12の測定開始を示す指示信号を出力する。ステップ127の処理によって、測定開始指示を示す指示信号が入力されると、膜厚センサ12は、基準部材16の表面から標準部材14B表面までの厚み(図4中厚み74参照)を測定する。
次のステップ128では、上記ステップ127の処理によって膜厚センサ12によって測定された測定結果(基準部材16の表面から標準部材14B表面までの厚み)を読み取り、次のステップ130において、記憶部30に測定結果を記憶する。
次のステップ132では、上記ステップ106、上記ステップ118、及び上記ステップ130各々で記憶部30に記憶した、基準部材16の表面から測定対象部材18表面までの厚みと、基準部材16の表面から標準部材14A表面までの厚みと、基準部材16の表面から標準部材14B表面までの厚みと、を記憶部30から読み取り、次のステップ134において、膜厚補正係数を算出する。
ここで、本発明で用いる膜厚補正係数とは、測定対象部材18の膜厚の測定結果を補正するための補正係数を示す。
膜厚補正値は、下記式(1)によって算出される。
[式]
H={(B−A)―(b−a)}/(b―a) 式(1)
上記式(1)中、Hは、補正係数を示し、bは特定環境条件下において本発明の厚み測定装置10によって測定された標準部材Bの厚みを示し、aは特定環境条件下において本発明の厚み測定装置10によって測定された標準部材Aの厚みを示している。また、Aは特定環境条件下において本発明の厚み測定装置10によって測定された基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18の上に載置された標準部材14A表面までの厚みを示し、Bは特定環境条件下において本発明の厚み測定装置10によって測定された、基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18の上に載置された標準部材14B表面までの厚みを示している。
なお、上記式(1)中、(b−a)の値は、上述のように、特定環境条件下において予め測定され、記憶部30に記憶されている。
次のステップ136では、上記ステップ134で算出した膜厚補正係数に基づいて、上記ステップ106で記憶部30に記憶した、測定対象部材18の厚み測定結果を補正する。
測定対象部材18の厚み測定結果の補正は、下記式(2)によって算出される。
[式]
T=C/(1+H) 式(2)
上記式(2)中、Hは、補正係数を示し、Cは、上記ステップ102からステップ104の処理によって測定した測定対象部材18の膜厚測定結果を示し、Tは、補正係数によって補正された膜厚測定結果(以下、膜厚補正値という)を示す。
上記ステップ134及びステップ136の処理によって、特定環境条件下における測定結果となるように、上記ステップ102からステップ104の処理によって測定された測定対象部材18の膜厚測定結果を補正することができる。
すなわち、上記ステップ134乃至ステップ136の処理によって、常に同一環境下において測定された測定結果となるように、膜厚測定結果を補正することができる。
次のステップ138では、上記ステップ136で算出した膜厚補正値を、出力部28から出力する。
ステップ138の処理によって、算出した膜厚補正値がLCD等の表示装置に表示、記録媒体等に印刷、または外部装置へと転送され、算出した膜厚補正値を装置外部へ提示することができる。
次のステップ140では、上記ステップ106、ステップ118、及びステップ130の処理によって記憶部30に記憶した各測定結果を記憶部30からクリアする。
次のステップ142では、膜厚センサ12を標準部材14Bに当接された位置から離間された位置へと移動するようにシリンダ20を制御する。ステップ120の処理によって、膜厚センサ12は標準部材14Bの表面から離間された状態となる。
次のステップ144では、膜厚センサ12と測定対象部材18との間に、標準部材14の開口孔部14Cが挿入された状態となるように、標準部材14を所定角度回転するように、モータ67を制御した後に、本ルーチンを終了する。
なお、上記ステップ102からステップ130の処理が、本発明の制御手段の機能に相当し、上記ステップ132からステップ138の処理が、本発明の補正手段の機能に相当する。
上記ステップ100乃至ステップ144の処理ルーチンが実行されることによって、例えば、膜厚センサ12として、測定された電圧値に基づいて膜厚(厚み)を得る接触式のセンサである場合に、特定環境条件として温度t℃の環境下において、基準部材16表面から基準部材16の上に載置された標準部材14A表面及び標準部材14B表面までの距離を測定したときの膜厚センサ12による出力値(出力電圧)と、該出力電圧に対応する膜厚(厚み)値との関係は、線図82(図6参照)によって示される。
一方、特定環境条件における温度t℃より例えば2℃低い温度(t−2)℃の環境条件下において、基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18の上に載置された標準部材14A表面及び標準部材14B表面までの距離を測定したときの膜厚センサ12による出力値(出力電圧)と、該出力電圧に対応する膜厚(厚み)値との関係は、線図80(図6参照)によって示される。
このように、実際には標準部材14Aと標準部材14Bとの厚みの差は、一定であるにもかかわらず、環境温度の変動により測定された厚みの差は変動する。なお、膜厚センサ12の測定結果は、膜厚センサ12の種類により異なる変動を示す。
本発明の厚み測定装置10では、環境温度の変動による厚み測定結果を相殺するように、特定環境温度下における測定結果となるように、特定環境条件下で測定された標準部材14Aと標準部材14Bとの厚みの差に基づいて、測定対象部材18の厚み測定結果を補正するので、精度良く測定対象部材18の厚みを測定することができる。
具体的には、図6中、線図82上、基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18の上に載置された標準部材14A表面までの距離を測定したときの膜厚センサ12による出力値(出力電圧)と、該出力電圧に対応する膜厚(厚み)値は、測定点aにより示され、基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18の上に載置された標準部材14B表面までの距離を測定したときの膜厚センサ12による出力値(出力電圧)と、該出力電圧に対応する膜厚(厚み)値は、測定点bにより示される。
また、線図80上、基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18の上に載置された標準部材14A表面までの距離を測定したときの膜厚センサ12による出力値(出力電圧)と、該出力電圧に対応する膜厚(厚み)値は、測定点Aにより示され、基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18の上に載置された標準部材14B表面までの距離を測定したときの膜厚センサ12による出力値(出力電圧)と、該出力電圧に対応する膜厚(厚み)値は、測定点Bにより示される。また、線図82上、基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18表面までの距離を測定したときの膜厚センサ12による出力値(出力電圧)と、該出力電圧に対応する膜厚(厚み)値は、測定点Cにより示さる。
特定環境条件を25℃とし、該特定環境条件下において、本発明の厚み測定装置10により、予め基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18の上に載置された標準部材14A表面までの距離を測定したところ、膜厚センサ12による膜厚測定結果は10.0μmであり、基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18の上に載置された標準部材14B表面までの距離を測定したときの膜厚センサ12による測定結果は20.0μmであった。
ここで、環境条件を26℃とし、該環境条件下において、本発明の厚み測定装置10により、予め基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18の上に載置された標準部材14A表面までの距離を測定したところ、膜厚センサ12による膜厚測定結果は90.9μmであり、基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18の上に載置された標準部材14B表面までの距離を測定したときの膜厚センサ12による測定結果は101.0μmであった。また、基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18の表面までの厚みを測定したところ80.8μmであった。
本発明の厚み測定装置によれば、補正係数(H)は、下記演算により求められ、
H={(101.0−99.9)―(20.0―10.0)}/(20.0−10.0)=0.01
補正係数(H)は、0.01となることから、26℃の環境条件下において測定された測定対象部材18の厚み80.8μmを、特定環境条件25℃において測定した厚みとなるように補正した膜厚補正値(T)は、下記演算によって求められ、
T=80.8/(1+0.01)=80.0
すなわち、特定環境条件25℃において測定した厚みとなるように補正した膜厚補正値(T)として、80.0μmを得ることができる。
同様に、特定環境条件を25℃とし、該標準部材14A及び該標準部材14Bとは異なる厚み差を有する2種の標準部材(標準部材A1、標準部材B1とする)を用い、該特定環境条件下において、本発明の厚み測定装置10により、予め基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18の上に載置された標準部材14A1表面までの距離を測定したところ、膜厚センサ12による膜厚測定結果は10μmであり、基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18の上に載置された標準部材14B1表面までの距離を測定したときの膜厚センサ12による測定結果は30μmであった。
ここで、環境条件を28℃とし、該環境条件下において、本発明の厚み測定装置10により、予め基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18の上に載置された標準部材14A1表面までの距離を測定したところ、膜厚センサ12による膜厚測定結果は91.14μmであり、基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18の上に載置された標準部材14B1表面までの距離を測定したときの膜厚センサ12による測定結果は110.74μmであった。また、基準部材16表面から基準部材16上の測定対象部材18の表面までの厚みを測定したところ81.34μmであった。
本発明の厚み測定装置によれば、補正係数(H)は、下記演算により求められ、
H={(110.74−91.14)―(30.0―10.0)}/(30.0−10.0)=―0.02
補正係数(H)は、―0.02となることから、28℃の環境条件下において測定された測定対象部材18の厚み81.34μmを特定環境条件25℃において測定した厚みとなるように補正した膜厚補正値(T)は、下記演算によって求められ、
T=81.34/(1―0.02)=83.0
すなわち、特定環境条件25℃において測定した厚みとなるように補正した膜厚補正値(T)として、83.0μmを得ることができる。
ここで、同一の厚み測定装置において、特定環境条件25℃において基準部材16表面に載置された該測定対象部材18の厚みを測定したところ、測定対象部材18の厚みとして、上記補正値と同一の83.0μmを得ることができた。
以上説明したように、本発明の厚み測定装置10では、測定対象部材18の厚みを測定するときに、基準部材16の上に載置された測定対象部材18上に当接(載置)されるように挿入された厚みの異なる複数の標準部材14(14A、14B)各々の表面から基準部材16表面までの距離の測定結果に基づいた該距離の差分と、該厚み測定装置10において予め特定環境条件下における、基準部材16の上に載置された測定対象部材18上に当接(載置)されるように挿入された厚みの異なる複数の標準部材14(14A、14B)各々の表面から基準部材16表面までの距離の測定結果に基づいて予め測定された該距離の差分と、の比較結果に基づいて、膜厚センサ12によって測定した膜厚測定結果を補正する。
従って、膜厚センサ12によって測定した膜厚測定結果を、特定環境条件下における測定結果となるように補正することができるので、温度等の環境変化に依存されずに厚みを測定することができる。
また、同一環境条件下における測定結果となるように膜厚センサ12による厚み測定結果を補正する方法として、基準部材16上に載置された測定対象部材18上に載置された厚みの段階的に異なる標準部材14を用いて、標準部材14の厚みの差に基づいて補正を行うので、温度のみではなく、膜厚センサ12の測定結果の変動要因となるような温度以外の環境(例えば湿度)の変動にも影響を受けず、同一環境条件下における膜厚測定結果を精度良く得ることが可能となる。
また、環境変動を測定するための専用のセンサや測定装置搭載を必要としないので、簡易な構成で精度良く膜厚測定結果を得ることができる。
また、従来方式では、測定対象部材18として周長1200mmの転写ベルトの膜厚を全周長に渡って測定した場合に、一点の膜厚測定に例えば5秒要するとすると、全周長測定するためには1時間40分(5秒×120点)要することから、この間に温度変動等の環境条件の変動が発生し、正確な厚み測定結果を得ることが困難であると考えられるが、本発明の厚み測定装置10によれば、標準部材14の厚みの差に基づいて算出した補正係数に基づいて同一の環境条件下における測定結果となるように、膜厚センサ12の測定結果を補正することができるので、精度良く測定対象部材18の厚みを測定することができる。
なお、本実施の形態では、測定対象部材18の厚みを測定するときに、測定対象部材18と膜厚センサ12との間に標準部材14A及び標準部材14Bを挿入して標準部材14Aと標準部材14Bとの厚みの差を求めて補正係数を算出する場合を説明したが、所定時間毎に、測定対象部材18と膜厚センサ12との間に標準部材14A及び標準部材14Bを挿入して標準部材14Aと標準部材14Bとの厚みの差を求めて補正係数を算出するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、膜厚センサ12を、基準部材16上に載置された測定対象部材18表面に当接された位置、基準部材16と測定対象部材との間で且つ測定対象部材18表面に当接されるように載置された(詳細後述)標準部材14表面に当接された位置、または測定対象部材18表面または標準部材14から離間した位置の何れかとなるように膜厚センサ12の位置を移動させるために、シリンダ20を用いる場合を説明したが、膜厚センサ12が上述のような位置に移動可能に設けられ且つ上記位置制御が可能な構成であればよく、移動するための部材としてシリンダ以外の公知の部材を用いるようにしてもよい。
同様に、本実施の形態では、標準部材14は、シリンダ22によって、基準部材16上に載置された測定対象部材18表面に当接された位置、または測定対象部材18表面から離間した位置の何れかとなるように標準部材14の位置を移動される場合を説明したが、標準部材14が上述のような位置となるように移動可能に設けられ且つ上記位置移動制御が可能な構成であればよく、移動するための部材としてシリンダ以外の公知の部材を用いるようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、標準部材14は、膜厚センサ12と、基準部材16上に載置された測定対象部材18との間に挿入され且つ測定対象部材18上に載置(当接)された状態となるように設けるために、上記シリンダ22による制御と共に、標準部材14を、回転中心を中心に回転可能に設けるとともに、回転角度を制御することにより、膜厚センサ12と基準部材16上に載置された測定対象部材18との間に標準部材14の標準部材Aが挿入された状態、標準部材14の標準部材14Bが挿入された状態、及び標準部材14の開口孔部14Cが位置する(すなわち、膜厚センサ12が直接測定対象部材18に当接可能な状態)状態、の何れかの状態となるように制御する場合を説明したが、このような形態に限られるものではない。
例えば、膜厚センサ12と基準部材16上に載置された測定対象部材18との間に標準部材14の標準部材Aが挿入され且つ測定対象部材18上に載置された状態、標準部材14の標準部材14Bが挿入され且つ測定対象部材18上に載置された状態、及び膜厚センサ12が直接測定対象部材18に当接可能な状態、の何れかの状態となるように、標準部材14A、標準部材14Bを、基準部材16の長尺方向に沿った方向及び測定対象部材18に近接する方向または離間する方向に適宜移動制御するようにしてもよい。
本発明の厚み測定装置を示す模式図である。 (A)本発明の厚み測定装置における、標準部材の一例を示す模式図である。 (B)図2(A)に示す標準部材のA―A’断面図を示す模式図である。 本発明の厚み測定装置において、(A)は、基準部材上に載置された測定対象部材上に当接された膜厚センサ12を示す模式図であり、(B)は、基準部材上の測定対象部材上に載置された標準部材14Aに当接された膜厚センサ12を示す模式図であり、(C)は、基準部材上の測定対象部材上に載置された標準部材14Bに当接された膜厚センサ12を示す模式図である。 本発明の厚み測定装置において、基準部材上に載置された測定対象部材上に載置された状態の標準部材を示す模式図である。 本発明の厚み測定装置の制御部で実行される処理を示すフローチャートである。 本発明の厚み測定装置において、環境温度の異なる状態における膜厚センサによる出力値と出力値に基づいて求めた膜厚値(厚み)との関係を示す線図である。
符号の説明
10 厚み測定装置
12 膜厚センサ
24 制御部

Claims (2)

  1. 基準部材上に載置された測定対象部材の表面に当接されることにより、該基準部材表面をゼロ点とする該測定対象部材の厚みを測定する測定手段と、
    前記測定対象部材の厚みを測定するように前記測定手段を制御するとともに、前記測定手段と前記測定対象部材との間に該測定対象部材表面に当接されるように挿入された少なくとも厚みの異なる複数の標準部材各々の表面から前記基準部材表面までの距離を測定するように前記測定手段を制御する制御手段と、
    前記測定手段によって測定された複数の前記標準部材表面から前記基準部材表面までの距離の差分と、前記測定手段によって特定環境条件下において予め測定された複数の前記標準部材表面から前記基準部材表面までの距離の差分と、に基づいて、該特定環境条件下において測定された測定結果となるように、前記測定対象部材の厚み測定結果を補正する補正手段と、
    を備えた厚み測定装置。
  2. 基準部材上に載置された測定対象部材の表面に当接されることにより該基準部材表面をゼロ点とする該測定対象部材の厚みを測定する測定手段によって該測定対象部材の厚みを測定する厚み測定方法であって、
    前記基準部材上に載置された測定対象部材の厚みを測定するように前記測定手段を制御すると共に、前記測定手段と前記測定対象部材との間に該測定対象部材上に当接されるように挿入された少なくとも厚みの異なる複数の標準部材各々の表面から前記基準部材表面までの距離を測定するように前記測定手段を制御し、
    前記測定手段によって測定された複数の前記標準部材表面から前記基準部材表面までの距離の差分と、前記測定手段によって特定環境条件下において予め測定された複数の前記標準部材表面から前記基準部材表面までの距離の差分と、に基づいて、該特定環境条件下における測定結果となるように、前記測定対象部材の厚み測定結果を補正する、
    厚み測定方法。
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