JP2007120310A - ガスタービン部品の補修方法およびガスタービン部品 - Google Patents

ガスタービン部品の補修方法およびガスタービン部品 Download PDF

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俊明 布施
Hiroaki Yoshioka
洋明 吉岡
Kazuhiro Kitayama
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Abstract

【課題】ガスタービン部品である被補修物の基材の特性を低下させることなく、被補修物に変形が生じることもなく、補修部を元の基材と同等の組織として修復させ、基材と同等の特性を得ることができるようにする。
【解決手段】ガスタービン部品である被補修物1をその基材の溶融温度よりも低い温度に加熱するとともに、被補修物1の補修部1aに、溶融温度が基材の溶融温度以上である補修材6を溶融状態として供給し、被補修物1の加熱条件下で補修材を補修部で凝固させる。
【選択図】 図1

Description

本発明はガスタービンの静翼、動翼等の部品に発生した亀裂等を補修するガスタービン部品の補修方法および同方法によって修復部が形成されたガスタービン部品に関するものである。
ガスタービン部品など過酷な条件で運転される部品は、運転時間の経過とともに、部品に亀裂が発生する。亀裂が発生した部品については新部品に交換すれば問題ないが、ガスタービンなどの耐熱部品は一般に高価であり、製造にも一定以上の期間を要するため、亀裂の生じた部分を補修して再利用する場合が多い。
従来このようなガスタービン部品では、再利用の方法として、被補修物の補修部分を基材の特性に近づけるため、基材と同等の粉末と、これらを固めるための低融点粉末とを混合する補修方法が実施されている。
また、混合粉末による具体的な補修方法として、例えば亀裂部内に基材と同等の材料粉末のみを加圧充填し、表面部分から低融点粉末を流し込むことで、補修部をより基材の特性に近づけようとする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この場合の加圧は、最初に室温で粉末を亀裂部に充填する際に、亀裂の内部まで粉末を十分に詰め込むための方法である。
また、補修部に基材と同質の補助板をろう付したものを、さらにレーザ溶接した後、HIP処理する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この技術では、溶接された補助板がHIP処理時の気密封止の機能を果たし、補修部を加圧するというものである。
特開2001−115857号公報 特開平9−168927号公報
上記の公知文献1の技術においては、亀裂内に充填する粉末は基材と同等の特性を有するものであるが、これらの粉末間を埋めるために溶融・浸透させる粉末は、基材よりも低融点のろう材である。このため、補修部にはろう材部分が存在し、補修部の特性は基材よりも劣る結果となり易い。
また、上記の公知文献2の技術では、HIP処理を行っているので、補修部は高温下で加圧され、補修部内部に欠陥は残留しにくくなる。しかしながら、補修部に基材と同質の補助板をろう付したまま、表層部にのみレーザ溶接を加える補修であるため、補修部にはろう材部分が存在し、補修部の特性は前記同様に、基材よりも劣る結果となり易い。また、レーザ溶接による補修工程が追加されるため、工程が増加する。1つの部品の複数部分に補修部がある場合には、各々の補修部をレーザ溶接するため、部品の段取り変えなど、さらに工程が増加する。また、ろう付部の一部を含めた状態でレーザ溶接を行うので、溶接部に欠陥が残留し易くなる。また、溶接が困難な材料に対しては、この方法は適用が困難である。
また、上記の各技術の場合、被補修物が部分的に高温化するため、温度差によって変形が生じる可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、非補修物の基材の特性を低下させることがなく、しかも被補修物に変形が生じることもなく、補修部を元の基材と同等の組織として修復させ、基材と同等の特性を得ることができるガスタービン部品の補修方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明では、ガスタービン部品である被補修物をその基材の溶融温度よりも低い温度に加熱するとともに、前記被補修物の補修部に、溶融温度が前記基材の溶融温度以上である補修材を溶融状態として供給し、前記被補修物の前記加熱条件下で前記補修材を前記補修部で凝固させることを特徴とするガスタービン部品の補修方法を提供する。
本発明によれば、溶融溶接のような変形が殆ど生じることなく、かつ補修部の特性が元の基材より低下することもなく、補修部を元の基材と同等の組織として修復させ、基材と同等の特性を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態(図1〜図4)]
本実施形態では、ガスタービン部品である被補修物1をその基材の溶融温度よりも低い温度に加熱するとともに、被補修物1の補修部に、溶融温度が被補修物1の基材の溶融温度以上である補修材6を溶融状態として供給し、被補修物1の加熱条件下で補修材6を補修部1aで凝固させる方法について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態によるガスタービン部品の補修方法を実施する補修装置を示す構成図である。この図1に示すように、この補修装置Aは、被補修物1として、ガスタービン部品である静翼等を収容する真空炉2を備えている。なお、窒素等や不活性ガスにより充たされる雰囲気炉を適用してもよい。以下の各実施形態では、代表的に真空炉2を適用する。
真空炉2内には、被補修物1を設置する設置台3が設けられている。この設置台3は、被補修物1を三次元で姿勢調整するための動作機構3aを備え、被補修物1の向きを種々変化させることができるようになっている。設置台3の周囲には、被補修物1の全体を被補修物1の基材溶融温度よりも低い温度に加熱するための主ヒータ4が設けられている。
また、設置台3の上方には補修材容器5が設けられ、この補修材容器5には、溶融温度が被補修物1の溶融温度よりも高い粉末状の補修材6が収容されている。補修材容器5の下端側には、弁5aおよび補修材供給口5bが設けられている。図1においては、この補修材容器5から、溶融後の補修材6を被補修物1の補修部1aに供給し、補修材6が被補修物1の温度よりも低温となっている被補修物1の補修部1aに供給されて凝固した補修材凝固部8が示されている。
図2は、本発明の第1実施形態によるガスタービン部品の補修方法の手順を示すフロー図である。この図2に示すように、本実施形態では、まず被補修物1の補修部1aを予め真空炉2の外部で整形する(S1)。次に、この工程(S1)で整形された被補修物1を炉内に挿入し、設置台3上に設置する(S2)。そして、主ヒータ4に通電が行われ、被補修物1の全体が、被補修物1の基材の溶融温度よりも低い温度に加熱される(S3)。一方、補助ヒータ7への通電が行われ、補修材6が溶融温度まで加熱される(S4)。
そして、溶融状態の補修材6が被補修物1の補修部1aに供給され(S5)、炉内温度まで冷却されて凝固する(S6)。補修材6が凝固した後、被補修物1を炉外に取出し(S7)、グラインダ加工等による仕上げを行う(S8)。
以上の工程を、さらに詳細に説明する。本実施形態では被補修物の材質として、一般にガスタービン静翼材として用いられているCo基合金およびNi基合金を対象としている。また、補修材6としては、基本的には、被補修物1の材質と同様のものを対象としている。
図3(表1)には、試料1〜4として本実施形態で適用するCo基合金の組成を示し、また、試料5〜7として、Ni基合金を示している。本実施形態では、補修材5として基本的に、被補修物1の材質と同様のものを適用する。
被補修物1の保持温度としては、各材質の溶体化熱処理温度(T:例えば1200℃)が標準的な温度となり、補修材の保持温度としては、各材料の溶融温度+50℃程度が目安となる。なお、これは、一般のろう付で採用されるろう付温度に準じており、各材料の溶融温度+α(α=50〜200℃)の範囲で適宜選択することができる。また、補修部1aと補修材とを融合させるための保持時間も、一般のろう付に準じて、数分間から数十分程度である。
具体的には、図4に示すように、補修作業開始後、真空炉2内を主ヒータ4により、被補修物1の基材が溶融温度以下(T)まで次第に加熱し、補助ヒータ7により補修材6を1250〜1400℃の範囲に加熱する。Co基合金の被補修物1の補修部1aをグラインダなどで整形し、真空炉2内の設置台3上に設置し、主ヒータ4で被補修物1の基材の溶融温度(1400〜1450℃)よりも低い温度、すなわち基材が溶融せず、かつ組織が極端に劣化しない温度(局部溶融がない温度:1200〜1300℃)まで加熱し、保持する。
また、真空炉2内の補修材容器5には補修材6を挿入しておく。この補修材6には、被補修物1と同材料の粉末を使用する。本実施形態では、補修材6として、被補修物1と同様のCo基合金で、粒径50μm程度の粉末を用いた。但し、この粉末は補修容器に収容するので、特に粒径を特定する必要はない。
補修材6は、真空炉2内に設けられた補助ヒータ7で被補修物1の基材の溶融温度以上(例えば被補修物1の鋳造温度よりも100℃高い温度(例えば1500〜1700℃))に加熱し、溶融状態とする。この状態で、溶融した補修材6を補修材容器5の供給口6aから、被補修物1の補修部1aに供給する。補修材6が供給された部分は、被補修物1の溶融温度よりも低い温度に保持されているので、供給された補修材6は被補修物の補修部1a内で凝固し、補修材凝固部8を形成する。この補修材凝固部8の形成時間は、図4に示した時間(t1)の如く、例えば数十秒〜1分である。
このような本実施形態によれば、被補修物1を殆ど溶融させることなく、補修部1aに被補修物1と同様の材質の補修部1aを形成することができる。溶融溶接は溶接部近傍のみを加熱し、溶融凝固させるので、被補修物1には変形が発生し易い。これに対して、本実施形態では、被補修物1全体を加熱・冷却するので、溶融溶接のような変形を殆ど生じない。その変形の少なさは、ろう付補修と同等である。ろう付補修では、補修部1aが基材とは異なる組織となるため、補修部1aの特性が元の基材より低下することが多いが、本実施形態では、補修部1aが補修物1の基材と同等の組織となるので、補修部1aも基材と同等の特性を得ることができる。この点は、引張試験、疲労試験等により実証することができた。
[第2実施形態(図5、図1)]
本発明の第2実施形態では、補修材を、被補修物1の基材の溶融温度以上の溶融温度を有する2種類以上の補修材9,10の混合物とし、これらの混合物のうち少なくとも1種類の補修材を溶融状態とし、他の補修材を固相状態とし、これらを混合した補修材を被補修物の補修部に供給する方法について説明する。
図5は、本発明の第2実施形態によるガスタービン部品の補修方法を示す説明図である。なお、本実施形態においても、図1に示した補修装置を適用する。そして、第1実施形態と同様に、Co基合金またはNi基合金の被補修物1の補修部1aを整形し、真空炉2内で被補修物1の溶融温度よりも低い温度まで加熱し、保持する。
真空炉2の補修材容器5内には、第1の補修材9と第2の補修材10の混合物を挿入しておく。第1の補修材9は、被補修物1の溶融温度よりも溶融温度が高い高融点金属材料である。例えば、被補修物1がCo基合金である場合には、Ni基合金、または純金属の高融点金属、例えばタングステン等の金属を適用する。
また、第2の補修材10は、被補修物1と同様の材質のCo基合金である。これらの混合物を真空炉2内の補助ヒータで加熱し、第1の補修材9が固相状態、第2の補修材10が液相状態となるようにする。この状態で、補修材容器5の供給口から、これらの混合物を補修部1aに供給する。被補修物1は溶融温度よりも低い温度に保持されているので、供給された補修材のうち、液相状態であった第2の補修材10は凝固し、補修部1aを形成する。
本実施形態によれば、補修部1aのマトリックスを被補修物1と同等の材質とし、さらにこのマトリックス中に補修材と異なる特性を有する粒子を分散できるので、補修部1aの特性(例えば耐酸化性、耐摩耗性、機械的強度等)を改質することができる。
なお、補修材供給時に固相状態である補修材を2種類以上混合し、全体で3種類以上の混合物としても良い。
[第3実施形態(図6、図1)]
本発明の第3実施形態では、被補修物1の補修部に亀裂24が含まれている場合、亀裂24の内部に、被補修物1の基材の溶融温度よりも溶融温度が低いろう材11を供給し、補修部の表層部には被補修物1の基材溶融温度以上の溶融温度を有する補修材9,10を溶融させて供給するガスタービン部品の補修方法について説明する。
図6は、本発明の第3実施形態によるガスタービン部品の補修方法を示す説明図である。図6に示すように、本実施形態では、第2実施形態に加えて、補修部1aのうち、亀裂24の内部に、被補修物1の溶融温度よりも低い溶融温度のろう材11を供給する。
ろう材11には、ホウ素(B)を多く含有(例えば3%以下程度)する金属、例えば表1(図3)に示した試料1のCo合金等を適用する。
そして、この補修部1aの表層部には第2実施形態と同様に、被補修物1よりも溶融温度が高い第1、第2の補修材9,10の混合物を供給する。
本実施形態によれば、亀裂24の内部に流動性に優れたろう材11を供給しているので、亀裂24の先端までろう材11を埋めることが容易である。また、このろう材11の供給は被補修物1の溶融温度よりも低い温度で行われるので、ろう材11を十分に浸透させるために保持しても、補修部1aを溶融させることが殆どなく、被補修物1の形状を崩すことが殆どない。
[第4実施形態(図7、図1)]
本発明の第4実施形態では、亀裂24の内部に供給するろう材13を、被補修物1の基材を溶融するろう材とするガスタービン部品の補修方法について説明する。
図7(a)〜(c)は、本発明の第4実施形態によるガスタービン部品の補修工程を示す説明図である。
運転されたガスタービン翼である被補修物1は、全体が酸化された状態となっている。ある程度の酸化物12は、真空中や水素中の高温加熱によって除去することが可能であるが、特に亀裂24の内部に残留している酸化物12は除去しにくい。ただし、この酸化物12は強固な皮膜ではなく、分断されて亀裂24の内部の所々に被補修物1の基材が現れた状態である場合が多い。
そこで本実施形態では、補修の際、まず図7(a)に示すように、亀裂24の内部に、例えばHIPなどの等方加圧を用いて、ろう材13の液相を密着・保持させる。
これにより、ろう材13は、所々に現れている被補修物1の基材部分に拡散し、この基材部分を溶融し、酸化物12の裏側の基材部分まで回り込んで行く。そして、図7(b)に示すように、酸化物12を被補修物1の基材から分離し、ろう材13中に分離した酸化物14が浮遊した状態となる。
その後、図7(c)に示すように、補修部1aの表層部に、被補修物1と同等の材質の補修材を溶融状態で供給・凝固させて、補修材凝固部8を得る。
本実施形態によれば、亀裂24の内部に酸化物12が残留していても、ろう材11により、これらの酸化物12を分離できるので、ろう材11と亀裂24内部の表面とを強固に融合することができる。このため、従来適用されている設備が高価で、かつ環境負荷が大きいフッ化物を用いる酸化物除去の工程を省略することができる。
[第5実施形態(図8、図1)]
本実施形態では、補修材6の加熱源としてレーザ光17を用いるガスタービン部品の補修方法について説明する。
図8は、本発明の第5実施形態によるガスタービン部品の補修装置の構成図である。本実施形態の補修装置は第1実施形態の補修装置と略同様の構成であるが、補修材容器5内の補修材6の加熱方法が異なっている。本実施形態では補助ヒータは設けられていない。
本実施形態では、真空炉2の外部に設置したレーザ発振器15からレーザ伝送路16を用いて真空炉2内に導入されたレーザ光17を補修材6に照射し、補修材タンク25aから弁25bおよび補修材供給路25cを介して炉内の補修材貯留部26に供給・貯留された補修材6を溶融させる。
本実施形態によれば、補修材6の加熱にヒータではなく、レーザ光17を用いるので、供給エネルギの制御が容易であり、応答性も良い。このため、短時間で目標温度に正確に加熱することができる。そして、補修材6を必要以上に加熱して被補修物1の補修部1aを溶融し過ぎたり、あるいは補修材6の加熱不足により、補修材6が補修部1aで短時間で凝固してしたり、補修材6と補修部1aとの融合不足が発生することを防止できるようになる。
なお、本実施形態の方法を、第1実施形態の方法と組合わせ、補助ヒータ加熱とレーザ加熱とを併用し、補修材を溶融させることも可能である。
[第6実施形態(図9、図1、図8)]
本発明の第6実施形態では、被補修物1の補修部が2箇所以上ある場合、補修材の供給および凝固作用と、被補修物1と補修材供給源との位置ならびに姿勢の調整作用を繰り返すガスタービン部品の補修方法について説明する。
図9(a)〜(d)は、本発明の第6実施形態によるガスタービン部品の拡散ろう付補修方法の工程を示す説明図である。
図9(a)はサイドウォール18とブレード19とからなる被補修物1としてのガスタービン静翼を、簡略化して表したものである。また、第1の補修部20、第2の補修部21、第3の補修部22、第4の補修部23は、通常ガスタービン静翼に発生する亀裂や減肉部をグラインダで整形した補修部である。
まず、図9(a)の傾斜姿勢で、矢印aに示すように、垂直下方に向けて溶融した補修材を落下させ、第1の補修部20に補修材を供給し、凝固させる。
次に、図9(b)に示すように、炉内で被補修物1の姿勢を変化させ、矢印の方向から、第2の補修部21に補修材を供給し凝固させる。
さらに、図9(c)のように被補修物1の姿勢を変化させ、第3の補修部22と第4の補修部23とに補修材を供給し、凝固させる。図9(d)は、図9(c)を真上から見た補修状況である。
図4には、本実施形態による全加熱工程を示している。この工程中、上記の被補修物1の姿勢変化を含めた補修時間Tは、約0.5〜1時間であった。
本実施形態によれば、静翼の各姿勢変化時には、その前に供給された補修材は既に凝固しているので、補修材が補修部からたれ落ちることはない。また、炉から出して姿勢変化させる工程を省略できるので、補修時間を短縮することができる。
なお、被補修物1の姿勢と位置変化に加えて、補修材容器を移動させても良い。
[第7実施形態(図10、図1)]
本発明の第7実施形態では、補修部への補修材供給時乃至供給後に、補修部の表層部乃至供給される補修材に加熱エネルギを供給することにより、補修材の冷却過程を制御するガスタービン部品の補修方法について説明する。
図10は、本発明の第7実施形態によるガスタービン部品の拡散ろう付補修方法を説明するための作用説明図である。本実施形態の方法は、上述した第2実施形態の方法と略同様であるが、補修材容器5から被補修物1の補修部1aに補修材第1の補修材9と第2の補修材10との混合物を供給する際に、その供給された補修材混合物および補修部1a近傍を、レーザ光17で補助加熱する処理が追加されている。
被補修物1の熱容量と比較して、溶融している補修材9,10の熱容量が小さい場合(例えば、大きい被補修物1の基材に少量の補修材粉末を落下するような場合)には、補修材9,10が補修部1aに供給されると、短時間でその熱が被補修物1に奪われ、温度低下する。このような場合には、補修材9,10が補修部1aに十分に融合する前に凝固してしまい、補修部1aの強度が低下する。
本実施形態によれば、補修部1aに補修材9,10の混合物を供給する際に、その供給された補修材混合物および補修部1a近傍をレーザ光17で補助加熱することにより、上述のような融合不良を防止することができる。また、レーザ光17を用いて補助加熱するので、補修部1aに供給された補修材9,10に与えるエネルギを精密に制御し、その温度を制御することができる。
したがって、必要以上の加熱や加熱不足を防止することができる。また、供給する補修材9,10の短時間の温度低下を防止するために、必要以上に補修材9,10を加熱する必要がなくなり、処理時間の短縮と、被補修物1の不要な溶解を避けることができる。
なお、本実施形態の方法を第5実施形態の方法と組み合わせ、同時に1台のレーザ発振器で、第3実施形態の方法および第5実施形態の方法を実施することも可能である。
本発明の第1実施形態で使用する真空炉を示す構成図。 本発明の第1実施形態によるガスタービン部品の補修方法の手順を示すフロー図。 本発明の第1実施形態で適用する材料組成を示す表1。 本発明の第1実施形態による熱処理を説明するためのグラフ。 本発明の第2実施形態によるガスタービン部品の補修方法を示す説明図。 本発明の第3実施形態によるガスタービン部品の補修方法を示す説明図。 (a)〜(c)は、本発明の第4実施形態によるガスタービン部品の補修方法を示す説明図。 本発明の第5実施形態で使用する真空炉を示す構成図。 (a)〜(d)は、本発明の第6実施形態によるガスタービン部品の補修方法を示す説明図。 本発明の第7実施形態によるガスタービン部品の補修方法を示す説明図。
符号の説明
1 被補修物
1a 補修部
2 真空炉
3 設置台
4 主ヒータ
5 補修材容器
6 補修材
7 補助ヒータ
8 補修材凝固部
9 第1の補修材
10 第2の補修材
11 ろう材
12 酸化物
13 ろう材
14 分離した酸化物
15 レーザ発振器
16 レーザ伝送路
17 レーザ光
18 サイドウォール
19 ブレード
20 第1の補修部
21 第2の補修部
22 第3の補修部
23 第4の補修部

Claims (10)

  1. ガスタービン部品である被補修物をその基材の溶融温度よりも低い温度に加熱するとともに、前記被補修物の補修部に、溶融温度が前記基材の溶融温度以上である補修材を溶融状態として供給し、前記被補修物の前記加熱条件下で前記補修材を前記補修部で凝固させることを特徴とするガスタービン部品の補修方法。
  2. 前記補修材を、前記被補修物の基材の溶融温度以上の溶融温度を有する2種類以上の補修材の混合物とし、これらの混合物のうち少なくとも1種類の補修材を溶融状態とし、他の補修材を固相状態とし、これらを混合した補修材を前記被補修物の補修部に供給する請求項1のガスタービン部品の補修方法。
  3. 前記被補修物の補修部に亀裂が含まれている場合、前記亀裂の内部に、前記被補修物の基材の溶融温度よりも溶融温度が低いろう材を供給し、前記補修部の表層部には前記被補修物の基材の溶融温度以上の溶融温度を有する補修材を溶融させて供給する請求項1記載のガスタービン部品の補修方法。
  4. 前記亀裂の内部に供給するろう材を、前記被補修物の基材と同一成分を溶融するろう材とする請求項3記載のガスタービン部品の補修方法。
  5. 前記被補修物を真空炉あるいは雰囲気炉内に収容して、前記被補修物の全体をその基材の溶融温度よりも低い温度に加熱するとともに、前記炉内で前記補修材を前記被補修物の基材の溶融温度以上に加熱して、前記被補修物の補修部に前記補修材を供給する請求項1記載のガスタービン部品の補修方法。
  6. 前記炉内において、前記被補修物全体と前記補修材とを互いに異なる加熱源により加熱する請求項5記載のガスタービン部品の補修方法。
  7. 前記補修材の加熱源としてレーザ光を用いる請求項6記載のガスタービン部品の補修方法。
  8. 前記被補修物の補修部が2箇所以上ある場合、前記補修材の供給および凝固作用と、前記被補修物と補修材供給源との位置ならびに姿勢の調整作用を繰り返す請求項1記載のガスタービン部品の補修方法。
  9. 前記補修部への補修材供給時乃至供給後に、前記補修部の表層部乃至供給される補修材に加熱エネルギを供給することにより、前記補修材の冷却過程を制御する請求項1記載のガスタービン部品の補修方法。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載のガスタービン部品の補修方法により形成された補修部を有するガスタービン部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015533948A (ja) * 2012-09-28 2015-11-26 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 材料を結合するための方法およびシステム

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