JP2007119327A - ニオブ酸カリウム単結晶及びその合成方法 - Google Patents

ニオブ酸カリウム単結晶及びその合成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶欠陥が生じにくく、製造効率に優れたニオブ酸カリウム単結晶の合成方法を提供する。
【解決手段】NbとKCOの混合物にフラックスを添加し、800〜1000℃の温度範囲で焼成する。フラックスとしてはKFが好ましく用いられる。固相法でありながらも低温で結晶育成が可能となり、結晶欠陥が生じにくく、製造効率に優れたニオブ酸カリウム単結晶の合成方法を提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ニオブ酸カリウム単結晶の合成方法に関する。
現在、使用されている圧電材料の大部分は、Pb系ペロブスカイト型強誘電体である。しかし、Pb系材料は、有害性が指摘されている酸化鉛を主成分として大量に含んでおり、環境上の問題を有することから、非鉛系圧電材料の開発が急務となっている。
このような背景から、ニオブ酸カリウム(KNbO)単結晶は、非線形光学特性を有する材料であると同時に、非常に大きな電気機械結合係数(電気エネルギーと機械エネルギーの変換効率)と高いキュリー温度を有するため、現在使用されている圧電体の代替材料として有望視されている。
ニオブ酸カリウム単結晶の合成方法としては、非特許文献1に、NbとKCOを用いて1050℃以上の高温で加熱溶融し、得られた融液に種結晶を浸し、融液の温度を徐々に下げて結晶を成長させる固相法が開示されている。しかし、この従来の合成方法は、融液を高温に保つ必要があることから、多大なエネルギーと製造コストを要するという問題があった。また、ニオブ酸カリウムが不一致溶解を示すこと、室温から高温までに三つの相転移が存在することから、高温下からの単結晶の相転移による割れなどの結晶欠陥が生じやすいことが問題となっていた。
このような問題を解決しようとする方法の一つとして、特許文献1には、KNbOFを原料として水熱法によってニオブ酸カリウム単結晶を合成することが開示されている。
特開2004−284889号公報 T.Fukuda, Y.Uematsu: Japanese journal of applied physics. 11 163-169(1972)
しかし、特許文献1に開示された水熱法によるニオブ酸カリウム単結晶の合成方法は、結晶育成に2週間以上を要するため、製造効率が悪いといった問題があった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、結晶欠陥が生じにくく、製造効率に優れたニオブ酸カリウム単結晶の合成方法を提供することをその目的とする。
上記課題を達成するため種々検討した結果、NbとKCOの混合物にフラックスとしてKFを添加することで、従来の固相法よりも低温の1000℃以下でニオブ酸カリウム単結晶を合成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の請求項1記載のニオブ酸カリウム単結晶の合成方法は、NbとKCOの混合物にフラックスを添加し、800〜1000℃の温度範囲で焼成することを特徴とする。
また、本発明の請求項2記載のニオブ酸カリウム単結晶の合成方法は、NbとKCOに、さらにLiCOとNaCOの少なくとも一方を加えた混合物にフラックスを添加し、800〜1000℃の温度範囲で焼成することを特徴とする。
また、本発明の請求項3記載のニオブ酸カリウム単結晶の合成方法は、請求項1又は2において、前記フラックスはKFであることを特徴とする。
さらに、本発明の請求項4記載のニオブ酸カリウム単結晶は、請求項1〜3のいずれか1項記載のニオブ酸カリウム単結晶の合成方法によって合成されたことを特徴とする。
本発明によれば、固相法でありながらも低温で結晶育成が可能となり、結晶欠陥が生じにくく、製造効率に優れたニオブ酸カリウム単結晶の合成方法を提供することができる。
本発明のニオブ酸カリウム単結晶の合成方法は、NbとKCOの混合物にフラックスを添加し、800〜1000℃の温度範囲で焼成することを特徴とする。
また、本発明のニオブ酸カリウム単結晶の合成方法は、NbとKCOに、さらにLiCOとNaCOの少なくとも一方を加えた混合物にフラックスを添加し、800〜1000℃の温度範囲で焼成することを特徴とする。LiCOとNaCOの少なくとも一方を加えることによって、ニオブ酸カリウムのKサイトにLi,Naの少なくとも一方をドープしたニオブ酸カリウム単結晶が得られる。
Nb,KCO,LiCO,NaCO,フラックスは、アセトン湿式混合などの常法を用いて混合すればよく、焼成時間は1時間以上とするのが好ましい。焼成の温度範囲は、800℃未満の場合は粉末状のニオブ酸カリウムしか得られないため好ましくなく、1000℃を超える場合は、従来例のように結晶欠陥が生じやすいので好ましくない。
添加するフラックスとしては、KFが好ましく用いられ、KFの添加料を合成されるニオブ酸カリウムに対して1〜40倍mol量とすることによって、従来の固相法よりも低温の800〜1000℃の温度範囲での焼成後、徐冷することで結晶欠陥のないニオブ酸カリウム単結晶が得られる。なお、フラックスとしては、KFのほか、KCl,LiF,NaF,LiCl,NaClとKFの混合物などを用いることができる。
焼成後の徐冷速度は、1〜100℃/時間とするのが好ましい。製造効率の観点からは、徐冷速度が速い方が有利であるが、結晶欠陥をより少なくする観点からは、徐冷速度を1〜10℃/時間とするのがさらに好ましい。徐冷により育成されるニオブ酸カリウム単結晶は、焼成の昇温段階で形成される層状ペロブスカイト中間体化合物KNbOFに代表される層状構造の中間体の構造を維持し、板状の単結晶となる。より詳細には、昇温段階で中間生成物KNbOFが生成するが、それよりさらに温度が上がるとKNbOFからK及びFが脱離し、その後、徐冷することで、ニオブ酸カリウム単結晶KNbOが生成するものと推定される。なお、KNbOFのK,Fの結合は非常に弱く、室温下の水溶媒のような緩和な条件でも容易にニオブ酸カリウムを生成することは、本発明者等によって既に報告されている(K.Toda, S.Tokuoka, K.Uematsu, M.Sato: Solid State ionics. 393(2002) 154-155)。
以上の本発明のニオブ酸カリウム単結晶の合成方法によれば、固相法でありながらも低温で結晶育成が可能となり、結晶欠陥が生じにくく、製造効率にも優れる。そして、本発明のニオブ酸カリウム単結晶は、本発明のニオブ酸カリウム単結晶の合成方法によって合成されたことにより、容易に安価に製造でき、結晶欠陥の極めて少ない良質なものとなることから、現在、使用されているPb系材料の代替材料として用いられるものと期待される。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
原料にはNb、KCOを量論比で用い、フラックスとして、生成されるKNbOに対して18倍mol量のKFを加えた。これらを十分にアセトン湿式混合し、白金板上で大気中800℃、850、890℃でそれぞれ1時間焼成した。焼成後は4℃/hで除冷し、単結晶育成を行った。生成した単結晶とフラックスの分離は化合物の溶解度の差を利用し、イオン交換水を用いて洗浄を行った。得られた単結晶は偏光顕微鏡で結晶観察を行い、同定には単結晶を粉砕した後の粉末X線回折分析(XRD)を行った。
図1に850℃と890℃の単結晶の顕微鏡写真を示した。890℃のものは単結晶サイズが約1mm×2mm×0.1mmである。850℃の単結晶はサイズが小さく写真上では多結晶の塊中で細かく分布している。また、800℃で得られた試料は粉末状であり顕微鏡による観測は行えなかった。
次に、XRD結果を図2に示す。全ての焼成温度において、単結晶を粉砕した試料は斜方晶KNbOのXRDパターンと一致した。
非鉛系の圧電体の中でもニオブ酸カリウム単結晶は圧電特性に優れているため、現在使用されている鉛を含む圧電体に置き換えられると期待できる。本発明のニオブ酸カリウム単結晶の生成法を用いると容易に良質な単結晶を得られることができ、産業上の貢献は大である。
本発明のニオブ酸カリウム単結晶の合成方法により得られた単結晶の偏光顕微鏡写真である。 同上、粉砕した単結晶の粉末XRDパターンである。

Claims (4)

  1. NbとKCOの混合物にフラックスを添加し、800〜1000℃の温度範囲で焼成することを特徴とするニオブ酸カリウム単結晶の合成方法。
  2. NbとKCOに、さらにLiCOとNaCOの少なくとも一方を加えた混合物にフラックスを添加し、800〜1000℃の温度範囲で焼成することを特徴とするニオブ酸カリウム単結晶の合成方法。
  3. 前記フラックスはKFであることを特徴とする請求項1又は2記載のニオブ酸カリウム単結晶の合成方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のニオブ酸カリウム単結晶の合成方法によって合成されたことを特徴とするニオブ酸カリウム単結晶。
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