次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態を示す印刷システムの一例を示すブロック図であり、プリンタとPCとがネットワークを介して通信可能な印刷システム例に対応する。
図1において、101は少なくともデータ通信機能及び記憶部であるタグ備えた携帯物の一例としてのRFIDカードである。カード内にRFIDタグ102(RFIDタグ102の詳細については後述する。)を備えている。
本実施形態においては所定の情報を記憶するタグとしてRFIDに限定されるものではなく例えばICチップなど様々な記憶装置が適用可能である。以下では説明を分かりやすくする為にRFIDを例に説明を行う。
また、携帯物としてカードに限定されるものではなく例えば腕時計などタグを備えた物理的形状を備えるものであれば適宜可能である。以下では説明を分かりやすくする為に、タグとしてRFIDを付したRFIDカードを例に説明を行う。
RFIDカード101は、ユーザ個人が各自携帯するIDカードであり、ユーザの個人認証のための機能を有している。103はパーソナルコンピュータ(以下PCとする)で、ユーザはPC103によって種々のアプリケーションを実行してデータ処理作業を行う。
104はプリンタで、PC103にインストールされているプリンタドライバを介して印刷情報を受信して、ユーザからプリント要求されている各種文書を記録媒体に印刷する。105はRFIDリーダで、詳細については後述する。尚図中にはRFIDリーダと示されているが、適宜必要な場合にライト機能、即ちデータの書き込み機能を備えさせ書き込み手段として動作させるようにしても良い。
106はHDDで、プリンタ104内に備えられて、ジョブを一時的に蓄積することが可能に構成されており、ボックスと呼ばれるユーザ領域を確保可能に構成されている。
またHDD106には、プリンタ名、ドライバのURL、IPアドレス、MACアドレス、サポート通信プロトコル、ステイプラや両面ユニットなどのオプション構成を示す構成情報など、プリンタドライバ自身に対する情報及び/又はプリンタドライバに関連付けられた出力ポートモニタのプリンタ設定情報が記憶されている。
107はプリンタドライバで、プリンタ104専用のプリンタドライバであり、HDD106上の所定領域に格納されている。なお、HDDに記憶された設定情報はプリンタドライバ107に含めるようにしても良いし別のファイルとしても良い。
108は、プリンタ104から例えば後述するセットアップ情報を送信する上での出力先を示す情報としてのメールアドレスで、RFIDカード101を携帯するユーザのメールアドレスであり、メールアドレス108はRFIDリーダ105によってプリンタ104に読み込まれる。その過程については後述する。
尚、第1及び第2実施形態においてはプリンタから外部のPCに対しての情報の出力先としてメールアドレスを例に説明を行うがこれには限定されない。例えばPC103において共有設定されフォルダ(格納場所)のパスや、PC103のIPアドレスや、PC103のDNS(Domain Name System)における名前など、プリンタ104から情報を何処に出力するかを特定できる情報であれば適用可能である。
また、出力先にセットアップ情報を送出する際は指定された出力先に応じた通信プロトコルが利用される。例えば出力先としてメールアドレスが指定された場合には、電子メールプロトコルが用いられ、出力先としてフォルダが指定された場合にはftpが利用される。
なお、PC103とプリンタ104はネットワーク109に接続されており、後述する手順に従い、セットアップ情報であるプリンタドライバ107が添付されたメール110をRFIDカード101に記憶されたメールアドレスに対して送信する。セットアップ情報としては、例えば所定の圧縮方式により圧縮されたファイル形式のデータとすることができる。
ここでプリンタドライバ107について説明する。
プリンタ104に備えられているHDD106上のプリンタドライバ107は、このプリンタ104の機種に対応したプリンタドライバである。更に、図1において説明したようにネットワーク109におけるプリンタ104のIPアドレスなどのネットワーク設定に関する情報も予め設定されたものがプリンタドライバ107としてHDD106上に格納されている。無論、プリンタドライバ本体と、プリンタドライバのセットアップにおけるIPアドレスなどの設定情報とを別ファイルに分離し、該分離されたファイルをアーカイブした圧縮ファイルをセットアップ情報とするようにしても良い。
また、本実施形態では、説明の便宜上プリンタドライバという名前で説明を行うが、プリンタドライバ107には、プリンタドライバ107をPC103等にインストールするためのインストーラが含まれていることは言うまでもない。
図2は、図1に示したプリンタ104を制御するビデオコントローラ(以下コントローラとする)の構成例を説明するブロック図であり、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
図2において、201はCPUで、ROM202に記憶された制御プログラムをRAM203上に読み込み、該制御プログラムに基づいて本印刷装置の各部を制御する。
202はROMで、前述の制御プログラムやフォントデータ(プリンタフォントデータ)が格納されている。203はRAMで、CPU201のワークメモリ領域や、印刷する画像データを展開する領域などに使用される。
204はホストI/Fで、図1に示したPC103にインストールされるプリンタドライバからの印刷データを受信する。205は操作パネル制御部で、操作パネル(例えばLCD、LED、スイッチなどから構成される)の入出力を制御する。206はビデオI/Fで、印刷する画像信号を生成しプリンタエンジン(図示はしない)に出力する。そして、プリンタエンジンは画像信号に基づき所定の用紙に印刷を行う。
また、図2中の105は図1におけるRFIDリーダ105と同一である。同様に図2における106はHDDである。
尚、図1におけるプリンタの記録方式は特に限定されるものではなく、従って図2におけるプリンタエンジン方式も特に限定されるものではない。プリンタエンジンの方式としては例えば、電子写真方式、インクジェット方式、熱転写方式など様々なものが適用され、よって図1におけるプリンタも様々な記録方式に準じた印刷装置を適用することができる。
図3は、図1に示したRFIDタグ102の構成を説明するブロック図である。
図3において、RFIDタグ102は、不揮発性メモリ301、電波を送受信するためのアンテナ部302と、共振コンデンサ部303、電源の整流・平滑を行うための電力形成部304と、電波の変調、復調を行うための復変調部305、制御部306とから構成される。
アンテナ部302は、共振コンデンサ303と組み合わされ、共振回路を構成できるようになっている。外部から電力を供給するための電波信号が送られることにより、これを共振回路で受け取り、該信号を電力形成部304へ供給する。
そして、電力生成部304はRFIDタグ102を動作させるための電力を供給することが可能となる。前記電力は、不揮発性メモリ301や、復変調回路305へ供給される。制御部306は、RFIDタグ102へのアクセス制御を行うためのものである。
外部から、電力を供給するための電波とあわせて、RFIDタグ102から読み出す、または書き着込むためのデータも同時に送受信され、RFIDタグ102へ送られてきた信号は、復変調回路305によって、復調され制御部306を介して不揮発性メモリ301へ書き込まれ記憶される。
また、制御部306によって、不揮発性メモリ301から読み出されたデータは、復変調回路305によって変調され、アンテナ部302から電波信号として送信可能である。
図4は、図1に示したプリンタ104内のRFIDリーダ105の構成を説明するブロック図である。
図4において、RFIDリーダ105は、RFIDタグ102に対して電波を送信するための送信アンテナ部401と、送信アンテナ部401から送信する電波の変調を行うための変調回路402と、RFIDタグ102から送られてくる電波を受信するための受信アンテナ部403、受信アンテナ部403より受信した信号を復調するための復調回路404、変調回路402と復調回路404とを制御するための制御部405と、上位機器との通信を行うI/F部406と、送信アンテナ部401に接続され、RFIDタグ102への電力供給を行う電源407等から構成される。
このように構成されたRFIDリーダ105において、制御部405は、外部からの指示により変調回路402を用いて電力を供給するための電波(以下チャージ波とする)及び、送信するデータを変調して、送信アンテナ部401より外部へ電波を送信する。また、外部より受信した電波信号を、受信アンテナ部403で受信して、復調回路404によって復調した後、データ信号として扱えるように変換することが可能となっている。
図5は、図1に示したRFIDカード101内に備えられているRFIDタグ102の不揮発性メモリ301内のデータ内容の一例を説明する図である。
なお、前述したようにRFIDカード101は、ユーザ個人が各自携帯するIDカードである。また、本実施形態では、RFIDカード101が会社内のIDカードである場合について説明する。
図5において、506はカード識別子、501は、RFIDカード101の所有者即ちRFIDカード101を常時携帯するユーザの氏名である。502はユーザの社員番号、503はユーザのメールアドレス、504はユーザの内線番号である。なお、上記501〜504の情報以外の情報も不揮発性メモリ301内に格納されており、505の個人情報Xまでユーザの各種個人情報が格納されているものとする。図5に示される各項目は予めプリンタ104との間で決められたフォーマットから構成されており、各々の項目にはプリンタ104が識別できるようになっている。
例えば、各項目の記憶領域を予めRFIDカード及びプリンタ104間で取り決めておいても良いし、或いは、予め各項目の項目識別子を定めておき、プリンタ104にこの項目識別子を元に各項目内容を認識させるようにしても良い。
ここで、カード識別子506について詳しく説明すると、カード識別子506は携帯物であるRFIDカードの種別をプリンタ104が識別する為の識別情報を示す。
このカード識別子がプリンタ104のRFIDリーダ105により読み取られると、プリンタ104内部ではカード識別子を識別し、この識別結果に応じて図6の(b)に示されるようなメニュー表示を行う。
一方、このカード識別子506が識別できない場合にはメニュー表示は行わなくても良い。また、様々な物品にRFIDが付される場合に想定されるが、プリンタ104は自装置に登録された識別子を識別したことに応じてメニュー表示などの所定の処理へと移行すし、カード識別子506が識別できない場合には不要は処理は行わない。
また、カード識別子506には単なる文字列を適用しても良いし、さらに高度な暗号化を施した認証情報とするようにしても良い。
図6の(a)は、本発明に係る印刷システムにおける第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、CPU201がRFIDリーダ105が読み取った情報に従い、ハードディスク106から選択されるプリンタドライバをプリンタ104からホストインタフェース204を介してメールでPC103に送信する処理に対応する。なお、(S601)〜(S608)は各ステップを示す。
ユーザが新たにプリンタ104を使用したい場合(例えばプリンタ104が新設された場合や今まで使用していたプリンタとは別のプリンタを使う必要が生じた場合)、ユーザはプリンタ104が設置してある場所まで出向き、携帯物であるRFIDカード101をプリンタ104のRFIDリーダ105に翳す。
RFIDリーダ105は翳されたRFIDカード101内のRFIDタグ102の不揮発性メモリ301のデータを受信アンテナ部403で受信する(601)。
ここで前述のRFIDタグ102−RFIDリーダ105間のデータ送受信について図3、図4を用いて詳細に説明する。
RFIDリーダ105の送信アンテナ部401からは所定の間隔でチャージ波が送信されている。ユーザがRFIDカード101をRFIDリーダ105に翳すと、RFIDカード101上のRFIDタグ102はアンテナ部302と共振コンデンサ303から構成される共振回路によってRFIDリーダ105からのチャージ波を受信し、電力形成部304はRFIDタグ102を動作させるための電力を供給することが可能となる。
そして、十分な電力を得たRFIDタグ102は、制御部306によって不揮発性メモリ301からデータを読み出し、データを復変調回路305によって変調し、アンテナ部302から電波信号として送信する。すると、RFIDリーダ105において、RFIDタグ102からの応答信号が検知され、電波信号に変換された不揮発性メモリ301のデータはRFIDリーダ105において受信される。
具体的には電波信号を受信アンテナ部403で受信して、復調回路404によって復調した後、データ信号として扱えるように変換する。そして、復調されたデータはI/F部406を経由して、図2に示したCPU201がリード可能となる。
その後、RFIDリーダ105はCPU201に対して割り込みを発生し、CPU201はRFIDリーダ105において受信された不揮発性メモリ301のデータをリードしRAM203上に格納する。前述したように不揮発性メモリ301のデータはRFIDカード101の所有者であるユーザの氏名501、社員番号502、メールアドレス503、内線番号504などである。
CPU201は、割込みによってユーザがRFIDカード101をプリンタ104に対して翳したことを検知し、読み込まれた情報に自装置が認識できるカード識別子506を識別できたか否かを判定する(S607)。そして、想定されていたカード識別子が識別できると処理をステップS603に移行する。一方、このステップS602の処理において所定の識別子が認識できなければ、図6のフローチャートの処理を終える。
RAM203上の各種個人情報の中からメールアドレス503を抽出する(603)。尚、図5でも説明したように、各項目は予めプリンタ104との間で決められたフォーマットから構成されており、各々の項目にはプリンタ104が識別できるようになっている。
プリンタ104は予め決められた規則に従い図5の各項目の中から、セットアップ情報の出力先であるメールアドレスを抽出する。また、図6の(b)のメニューを表示させる条件としてのタグ(RIFD)から読み込まれる識別情報をプリンタに事前に登録することができ、登録された識別情報が読み込まれたか否かに応じて図6の(b)のメニューを表示させるか否かをユーザカスタマイズ設定できる。
その後、操作パネル制御部205によってプリンタ104の操作パネルに図6の(b)に示されるようなプリンタドライバダウンロード用メニューを表示する(S604)。
図6の(b)は予めプリンタ104に記憶部に保持された設定画面情報であり、ユーザはプリンタ104の表示制御手段により表示されたメニューから所望の操作を指示できる。本実施形態においては、図6の(b)中の「プリンタドライバダウンロード」を選択することを想定し、ユーザは操作パネルによって、プリンタ104のプリンタドライバのダウンロードを実行することが可能となる。
そこで、ユーザは、適宜操作パネルを操作してプリンタドライバのダウンロードを指示する(S605)。その指示を受けると、プリンタ104によってセットアップ情報が作成される(S608)。
このセットアップ情報はプリンタドライバ107に対応し、印刷データを生成するプリンタドライバ本体と、プリンタ104のプリンタ名、ドライバのURL、IPアドレス、MACアドレス、サポート通信プロトコル、ステイプラや両面ユニットなどのオプション構成を示す構成情報など、プリンタドライバ自身に対する情報及び/又はプリンタドライバに関連付けられた出力ポートモニタの印刷設定情報が記憶されている。またプリンタドライバ107にはPC103にプリンタドライバを設定するインストーラのプログラムも含まれており、PC103(データ処理装置)ではプリンタドライバ本体及び印刷設定情報及びインストーラを含むセットアップ情報に従いプリンタ104の設定が行なわれる。
さらに、ユーザの利用するPCに既にプリンタドライバ本体が記憶されている場合には、プリンタドライバ本体の除いたセットアップ情報をプリンタからPCに提供するようにしても良い。
そして、プリンタ104内のCPU201は、抽出した出力先であるメールアドレス503に対してHDD106上のプリンタドライバ107(セットアップ情報)を添付したメールを作成し、ホストI/F204経由でプリンタドライバが添付されたメール110を送信して(S606)、処理を終了する。
これにより、ネットワーク上でのプリンタ名およびIPアドレス等が全く分からないユーザであっても、新たにプリンタ104を使用しようとしたユーザ、即ち自分が携帯するRFIDカード101を単にプリンタ104のRFIDリーダ105に翳すという簡単な操作を行ったユーザは、その後自分のPC103の場所に戻り、メールを受信する。前述のプリンタドライバが添付されたメール110がPC103において受信されるので、ユーザは添付されたプリンタドライバ107に付加されているインストーラを起動して、PC103の外部記憶装置にインストールする。
インストール後、当該プリンタドライバには、プリンタ名やIPアドレスなどの印刷設定が自動設定された状態となり、ユーザは、PC103上の各種のアプリケーションを起動して、印刷要求を行うと、インストールされているプリンタドライバがネットワーク上のプリンタ104に最適な印刷情報を作成して送信し、プリンタ104で各種文書等を自在に印刷することが可能となる。
以上図1〜図6を用いて説明してきたように本発明の第1実施形態では、プリンタ104にRFIDリーダ105を設け、更にHDD上にプリンタ104用のプリンタドライバ107を格納することにより、ユーザが携帯するRFIDカード101内のRFIDタグ102上の個人情報の中から出力先であるメールアドレス503を取得可能となる。
更に取得したメールアドレス503に対してセットアップ情報を添付したメールを送信することにより、ユーザはPC103において受け取ったプリンタドライバ107に基づくインストール指示を行うだけでプリンタ104を使用可能となる。
ユーザはプリンタ104の機種名を知らなくても、またIPアドレスなどのネットワーク設定しなくてもプリンタ104を使用することが可能となるのでプリンタドライバインストールの簡易化が可能となる。
また、セットアップ情報をメニュー表示を介して要求された場合に、自装置に関するセットアップ情報を作成すればよく、プリンタ104は容易にプリンタドライバ及び出力ポートモニタの設定に必要な設定情報を含むセットアップ情報を作成することができ、それを指定された出力先に提供することができ、ユーザにとって非常に有用な情報を提供できる。
本実施形態では、ユーザのメールアドレスに対してHDD上のプリンタドライバを送信する構成とした。
しかし、ネットワーク上のサーバに当該プリンタ用かつ当該プリンタのネットワーク設定が予め設定されているプリンタドライバを置き、ユーザのメールアドレスに対してプリンタドライバの所在を示すURLなどをメールで送信し、ユーザがURLからプリンタドライバをダウンロードするという構成によっても本実施例同様の効果が得られる。
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、携帯物に付されたタグ(RFIDカード101)に記憶された情報をプリンタ103が読込み、該RFIDカード701を所持する者のPCアドレスに対して、プリンタ103自信がメールを作成し、プリンタドライバを添付して送信し、該送信されたプリンタドライバをインストールする場合について説明したが、プリンタからプリンタドライバをインストールするためのプリンタ情報をRFIDカードに吸い上げて、PC側でRFIDカード701に対する読み書き機能(リーダ・ライタ)機能を備え、プリンタから取得したプリンタ情報を一端、利用者のPCに読み込ませ、その後、PCでプリンタサーバのドライバ管理データベースから対応するプリンタドライバをダウンロードして、利用者のPCへインストールするように制御してもよい。以下、その実施形態について説明する。
尚、第2実施形態においても、携帯物としてRFIDカードを例にし、タグとしてRFIDを例に説明を行うが、第1実施形態と同様にこれに限定されるものではない。
図7は、本発明の第2実施形態を示す印刷システムの構成を説明するブロック図である。
図7において、701はRFIDカードで、カード内にRFIDタグ702を備えている(RFIDタグ702については後述する)。
RFIDカード701はユーザ個人が各自携帯するIDカードであり、ユーザの個人認証のための機能を兼ね備えている。703はプリンタで、ユーザの各種文書を印刷する。なお、説明のためプリンタ703のネットワーク上でのプリンタ名を"printer_D"とする。
704はRFIDリーダ・ライタで詳細については後述する。705は各種プリンタ情報で、RFIDリーダ・ライタ704とRFIDカード701上のRFIDタグ702の間で送受信される。その各種プリンタ情報の内容及びその送受信の過程については後述する。
プリンタ703を制御するビデオコントローラ(以下コントローラとする)の構成は第1実施形態とほぼ同じであり、図2におけるRFIDリーダ105をRFIDリーダ・ライタに置き換えることにより第2実施形態におけるコントローラが構成される。
なお、RFIDタグ702の構成は、第1実施形態における図3に示した構成を備えているものとする。また、RFIDリーダ・ライタ704の構成は、第1実施形態における図4に示した構成を備えているものとする。
図8は、図7に示したRFIDカード701内に備えられているRFIDタグ702の不揮発性メモリ301内のデータ内容の一例を説明する図である。
前述したようにRFIDカード701は、ユーザ個人が各自携帯するIDカードである。
図8の(a)において、801は個人情報領域で、RFIDカード701の所有者の各種個人情報が格納されてある。各種個人情報とは、例えば第1実施形態同様氏名、社員番号、メールアドレスなどである。802はプリンタ情報領域で詳細については後述する。803はその他の情報領域で各種個人情報、プリンタ情報以外の情報が格納される。
プリンタ情報領域802のフォーマットは、プリンタ名804、ドライバのURL805、IPアドレス806を含み、データ807〜811の計10(途中は省略する)のデータが格納可能である。各々のデータについての詳細は後述する。なお、プリンタ情報(1)〜(3)が既に登録済みの状態である。
図8の(a)において、プリンタ名804の項目のデータ807は"printer_A"である。
ドライバのURL805の項目のデータ領域807はhttp://aaa.aaaである。ドライバのURLとは、サーバ904のプリンタドライバDB905上のプリンタ名"printer_A"用のプリンタドライバのありかを示すURLである。IPアドレスの項目のデータは"111.11.11.111"である。これはネットワークにおける"printer_A"のIPアドレスを示す。尚、図中には示されていないが804乃至806以外にもプリンタ情報領域802には、第1実施形態と同様に、プリンタ名、ドライバのURL、IPアドレス、MACアドレス、サポート通信プロトコル、ステイプラや両面ユニットなどのオプション構成を示す構成情報など、プリンタドライバ自身に対する情報及び/又はプリンタドライバに関連付けられた出力ポートモニタのプリンタ設定情報を含めるようにしても良い。
同様に、データ領域808には、プリンタ名が"printer_B"、"printer_B"のプリンタドライバのありかを示すURL "http://bbb.bbb"、ネットワークにおける"printer_B"のIPアドレス"222.22.22.222"が格納されている。
同様に、データ領域809にはプリンタ名が"printer_C"、"printer_C"のプリンタドライバのありかを示すURL "http://ccc.ccc"、ネットワークにおける"printer_C"のIPアドレス"333.33.33.333"が格納されている。
データ領域810〜811には何のデータも登録されておらず、データ領域807〜809同様にプリンタの各種情報を登録可能である。
図8の(b)は、図8の(a)に示す状態から、プリンタ703のRFIDリーダ・ライタ704によって、新たなプリンタ情報(4)が書き込まれた状態に対応する。データ812については後述する。
図9は、本発明の第2実施形態を示す印刷システムの構成を説明するブロック図であり、図7と同一のものには同一の符号を付してある。
図9において、901はPCで、RFIDカード701を所有しているユーザが使用しているPCでありネットワークに接続されている。PC901にはRFIDリーダ・ライタ902が備えられており、その働きは図7に示したRFIDリーダ・ライタ704と同様である。
903は各種プリンタ情報で、RFIDリーダ・ライタ902によってRFIDカード701上のRFIDタグ702から読み込まれる。その過程については後述する。904はネットワーク上のサーバで、プリンタドライバデータベース(以下プリンタドライバDBとする)905でプリンタドライバを一元管理している。906はプリンタドライバで、サーバ904からPC901によってダウンロードされる。なお、プリンタドライバの取得からインストールまでの処理については後述する。
先ず、図8におけるプリンタ情報領域802の各々のデータについての詳細を図8に示すデータ807を一例としてについて説明する。
図10は、本発明に係る印刷システムにおける第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、プリンタ703におけるCPUによるデータ処理手順に対応する。なお、S1001〜S1005は各ステップを示す。
ユーザが新たにプリンタ703を使用したい場合(例えばプリンタ703が新設された場合や今まで使用していたプリンタとは別のプリンタを使う必要が生じた場合)、ユーザはプリンタ703が設置してある場所まで出向き、携帯しているRFIDカード701をプリンタ703のRFIDリーダ・ライタ704に翳す。
RFIDリーダ・ライタ704は、翳されたRFIDカード701内のRFIDタグ102の不揮発性メモリ301のデータを受信する(S1001)。
尚、第1実施形態と同様に、ステップS1001により読み込まれた情報に、自装置が認識できるカード識別子813を識別できたか否かを判定し、想定されていたカード識別子が識別できると処理をステップS1002に移行する。一方、予めプリンタに登録されていた識別子が認識できなければ、図10のフローチャートの処理を終える。
次に、RFIDタグ702−RFIDリーダ・ライタ704間のデータ送受信の際の動作は第1実施形態において図3、4を用いて説明した動作と同様である。その結果、RFIDリーダ・ライタ704において、前述した個人情報領域801内のデータ、プリンタ情報領域802のデータ及びその他の情報領域803のデータが受信される。
そして、図7における各種プリンタ情報705(プリンタ情報領域802のデータを含む)は、RFIDタグ702からRFIDリーダ・ライタ704に送信される。
その後、RFIDリーダ・ライタ704は、CPU201に対して割り込みを発生し、CPU201はRFIDリーダ・ライタ704において受信されたデータの中からプリンタ情報領域802のデータをリードし(S1002)、RAM203上に格納する。
次に、CPU201は自プリンタの情報がRAM203上に格納されたデータの中にあるか否かを判断する(S1003)。
RAM203上には、例えば図8に示したプリンタ名804が"printer_A"、"printer_B"、"printer_C"のドライバのURL805のデータ及びIPアドレス806のデータが格納されている。
また、前述したようにプリンタ703のネットワーク上でのプリンタ名は"printer_D"であるので、プリンタ703のプリンタ名が"printer_D"である場合、RAM203上には"printer_D"の情報は格納されていない。
従って、ステップ(S1003)では、CPU201は「自プリンタの情報がない」と判断する。言い換えればRFIDカード701内のRFIDタグ702上にはプリンタ名"printer_D"であるプリンタ703の情報が入っていないと判断される。
その場合、CPU201は自プリンタの情報即ちプリンタ名"printer_D"及び"printer_D"のプリンタドライバのありかを示すURL及び"printer_D"のIPアドレスをRFIDリーダ・ライタ704経由でRFIDカード701内のRFIDタグ702上の不揮発性メモリ301にライトして(S1004)、処理を終了する。
このライト処理は、具体的には図4において、IF部406から自プリンタの情報のデータが入力され、制御部405は変調回路402を用いて電力を供給するための電波及び自プリンタの情報のデータを変調して、送信アンテナ部401より外部へ電波を送信する。
一方、図3におけるRFIDカード701のRFIDタグ702では電力を供給するための電波及び自プリンタの情報の電波がアンテナ部302から受信され、復変調回路305によって、復調され制御部306を介して不揮発性メモリ301へライトされる。
その結果、図8の(b)に示されるようにプリンタ情報領域802の812の領域にプリンタ703の各種プリンタ情報即ちプリンタ名"printer_D"及び"printer_D"のプリンタドライバのありかを示すURL及び"printer_D"のIPアドレスが格納される。
"printer_D"のプリンタドライバのありかを示すURLをhttp://ddd.ddd、IPアドレスを"444.44.44.444"とする。
例えばプリンタ703のプリンタ名が"printer_D"ではなく"printer_A"である場合について説明する。
この場合、図10に示したステップ(S1003)で、自プリンタの情報がRAM203上に格納されたデータの中にあるか否の判断において、RAM203上には既に"printer_A"の情報が格納されているので「自プリンタの情報がある」とCPU201が判断する。
言い換えれば、RFIDカード701内のRFIDタグ702上にはプリンタ名"printer_A"であるプリンタ703の情報が入っていると判断される。この場合はRFIDタグ702の不揮発性メモリ301に対して何もライトしないで(S1005)、処理を終了する。
これにより、ユーザがプリンタ703の設置してある場所まで出向き、携帯しているRFIDカード701をプリンタ703のRFIDリーダ・ライタ704にかざすことにより、前述してきたような動作が行われる。その後、ユーザは後自分のPC901の場所に戻り、今度は携帯しているRFIDカード701をPC901に備えられているRFIDリーダ・ライタ902に翳すと、図11に示す処理が開始される。
図11は、本発明に係る印刷システムにおける第3のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、PC901におけるCPUによるデータ処理手順に対応する。なお、S1101〜S1106は各ステップを示す。
先ず、PC901のRFIDリーダ・ライタ902は、ユーザにより翳されたRFIDカード701内のRFIDタグ702の不揮発性メモリ301のデータを受信する(S1101)。その結果、個人情報領域801内のデータ、プリンタ情報領域802のデータ及びその他の情報領域803のデータが受信される。
図9における各種プリンタ情報903は、RFIDタグ702からPC901のRFIDリーダ・ライタ902に送信されるプリンタ情報領域802のデータを示す。
その後、PC901は受信したデータの中からプリンタ情報領域のデータを抽出する(S1102)。その結果、図8の(b)に示される"printer_A"、"printer_B"、"printer_C"、"printer_D"の情報が得られる。
次に、PC901は、抽出したプリンタ情報領域の情報の中に新規プリンタの情報があるか否かを判断する(S1103)。
具体的にはPC901は自身のメモリ(図示はしない)上に使用可能なプリンタの情報を格納する領域を持ち、その領域内のプリンタ情報と抽出したプリンタ情報領域の情報を比較することにより判断を行う。
例えばPC901は、既に"printer_A"、"printer_B"、"printer_C"のプリンタドライバがインストールされており3つのプリンタを使用可能であったとするとPC901のメモリ上には"printer_A"、"printer_B"、"printer_C"のプリンタ情報は既に存在している。
そして、抽出した情報には"printer_A"、"printer_B"、"printer_C"、"printer_D"の情報が存在するので"printer_D"は新規プリンタであると判断する。即ち抽出したプリンタ情報領域の情報の中に新規プリンタの情報があると判断する。
ここで、新規プリンタの情報があると判断した場合は、PC901は"printer_D"のドライバのURL即ちサーバ905上のプリンタドライバDB905における"printer_D"のプリンタドライバのありかを示すURL http://ddd.dddにアクセスし、"printer_D"のセットアップ情報であるプリンタドライバ906をダウンロードする(S1104)。尚、セットアップ情報は第1実施形態において説明したものと基本的同様のとするので詳しい説明は省略する。
本実施形態では説明の便宜上プリンタドライバという名前で説明を行うが、プリンタドライバ906にはプリンタドライバ107のインストーラが含まれていることは言うまでもない。
そして、"printer_D"のプリンタドライバ906のダウンロード後、PC901はそのインストールを行うが、その際に"printer_D"のIPアドレス"444.44.44.444"の設定を行い(S1106)、処理を終了する。
一方、ステップ(S1103)において、抽出したプリンタ情報領域の情報の中に新規プリンタの情報がないと判断された場合、何もダウンロードしないで(S1105)、処理を終了する。
その後、ユーザは"printer_D"、即ちプリンタ703に対応するプリンタドライバを介して各種文書を印刷することが可能となる。
以上説明してきたように第2実施形態によれば、プリンタ703にRFIDリーダ・ライタ704を設け、更にPC901にもRFIDリーダ・ライタ902を設けることにより、RFIDカード701上のRFIDタグ702を介してプリンタ703用のプリンタドライバのありかを示すURL及びプリンタ703のIPアドレスをPC901が取得することが可能となる。
更にPC901は取得したサーバ905上のプリンタドライバDB905のURLからプリンタ703用のプリンタドライバをダウンロードし、取得したプリンタ703のIPアドレスをプリンタドライバに設定することが可能となる。ユーザはプリンタ703のプリンタ名やIPアドレスを知らなくてもプリンタ703を使用することが可能となるのでプリンタドライバインストールの簡易化が可能となる。
上記実施形態によれば、ユーザによるプリンタドライバの選択や設定が簡易化されたプリンタドライバインストール方法を提供することが可能となる。
以下、図12に示すメモリマップを参照して本発明に係る画像処理システムで読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
図12は、本発明に係る画像処理システムで読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
本実施形態における図6,図10,図11に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。