JP2007118601A - 色素の無色化方法、これを用いた装置及び記録媒体の再生方法 - Google Patents

色素の無色化方法、これを用いた装置及び記録媒体の再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷物に形成した画像(文字を含む)を、低コストで、容易かつ迅速に消去する方法、並びにそれを用いる装置を提供すること。
【解決手段】印刷物の画像(文字を含む)を形成している色素からなる着色部にリモートプラズマ装置により発生した酸化性ガスを接触させて画像を消去する。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷物上の画像(文字も含む)を消去するための、印刷物が有する色素の無色化方法及びこれを用いた装置に関する。
コンピューター、プリンター、複写機、ファクシミリの普及に伴い、紙への出力の要求はますます増加している。紙ほど視認性及び携帯性に優れた媒体は現在のところ他になく、情報の電子化、ペーパーレス化が進展した現状においても、紙の需要は増加している。
一方、限りある資源の有効利用を図るため、紙の再生・再利用の技術開発の重要性が増大している。従来の紙の再生方法は、回収紙を水で再解膠した後、脱墨工程においてインク部分を浮遊分離し、更に漂白を行い、再生紙として再利用するものである。しかし、この方法では、紙力が低下し、しかも新規に製紙する場合に比べて工程経費が高いという問題がある。よって再解膠・脱墨工程を経ることなしに、紙を再利用或いは再生する方法が望まれている。
このような背景から、近年、発色状態の呈色性化合物を消色状態へ変えることのできる可消色性色素組成物を含む画像形成材料により、紙を印刷する方法について種々検討が行われている。そのような画像形成材料として、印加する熱エネルギーの制御による記録層の可逆的な透明度変化を利用したもの(特許文献1)、電子供与性をもつ発色剤と、電子受容性をもつ顕色剤との分子間相互作用を利用したもの(特許文献2)が報告されている。又、電子線照射により消色する色素を含むインク(特許文献3)、光照射により着色剤を消色させうる作用を持つ添加剤を含有するインク(特許文献4)が報告されている。更に、紅麹色素を用いることにより、光を照射することで消色可能であるインクジェット用インク及び記録方法(特許文献5)が報告されている。又、活性化ガスにより普通紙上の画像を分解、消去する方法(特許文献6)が提案されている。
特開昭63−39377号公報 特開2001−105741号公報 特開平11−116864号公報 特開2001−49157号公報 国際公開第02/088265号パンフレット 特開平7−253736号公報 T. Ma, K. Inoue, H. Noma, K. Yao, E. Abe、「Ionization potential studies of organic dye adsorbed onto TiO2 electrode」、Journal of Materials Science Letters、2002年、第21巻、p.1013-1014 Pigment microbiology, P. Z. Margalith著,Chapman & Hall, London(1992) J. Ferment. Technol., Vol. 51, p. 407 (1973) Journal of Industrial Microbiology, Vol. 16,pp. 163-170(1996)
しかしながら、特許文献1及び2に記載の方法では、記録媒体、書込−消去装置の初期コスト及びランニングコストがいずれも高価であり、実用的ではない。又、特許文献3に記載の方法では、電子線照射を行うため、程度が少ないとはいえ基材が劣化したり、2次X線が発生するおそれがある。又、特許文献4に記載のインクにおいては、用いる添加剤は具体的には色素系増感剤であり、添加剤を着色剤の含有量に対して重量比で1/10〜10/10と多く添加するため、インクのコストが高いという欠点がある。又、特許文献5及び6に記載の方法においても、更なる容易かつ迅速な画像の消去方法が要請されている。
本発明の目的は、紙に代表される記録媒体に形成された画像(文字を含む)を、容易かつ迅速に無色化することにある。又、本発明の目的は、印刷物の有するインクの着色成分(色素)が付着又は固定された着色部を迅速に無色化し、記録媒体を低コストで再生し、資源の再利用を図ることができる方法及びそのための装置を提供することにある。本発明の更なる目的は、画像が形成された記録媒体の機械的強度を低下させることなく再生できる再生方法に有用な色素の無色化方法及びそのための装置を提供することにある。
上記目的に鑑み、本発明者らは、排ガスや有機汚染物の除去・分解に用いられている常圧リモートプラズマ放電技術に着目し鋭意研究を行った。従来のプラズマ処理では、プラズマ領域(プラズマ空間)内、もしくはこの領域に実質的に接する状態で固体表面をプラズマにさらして処理しているため、生成されるオゾンの量が数百ppm以上と非常に高濃度である。そのため、オゾンの処理に負荷がかかることに加え、効率のよい色素の無色化を行うことができなかった。
本発明者らは、印刷物の着色部をリモートプラズマ装置により発生する酸化性ガスに暴露し、着色部を形成する色素分子を酸化して化学結合の開裂反応を適切に進行させることにより、着色部の無色化を効率よく行うことができることを見出した。しかも、リモートプラズマ装置を用いることで、環境へ及ぼす影響を抑制しつつ印刷物の有する着色部の無色化を達成できるとの知見を得た。更に、プラズマ生成源として、コロナ放電、沿面放電、共面放電及び誘電体バリア放電を使用することにより、低コストで、容易かつ迅速に印刷物の着色部の無色化を行うことができることの知見を得た。更に、記録媒体の表面に多孔質無機顔料を有する場合、印刷物の有する着色部の無色化をより効率的に行うことができることを見出した。加えて、特定の物性を有する多孔質無機顔料を表面に有する記録媒体上にインクを付与すると、インク中における色素のイオン化ポテンシャルを、固体状の色素のイオン化ポテンシャルより低くすることができる。加えてインク化する前の色素粉末が特定のイオン化ポテンシャルを有し、記録媒体への付与後に、固体状のイオン化ポテンシャルとの関連において特定のイオン化ポテンシャルを有することにより、上記効果がより顕著となることの知見を得た。本発明者らは、これらの知見に基づき本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、印刷物が有する色素を無色化する色素の無色化方法において、リモートプラズマ装置を用いて発生させた酸化性ガスに前記色素を暴露することを特徴とする色素の無色化方法である。
又、本発明は、コロナ放電、沿面放電、共面放電及び誘電体バリア放電のいずれかの放電手段を用いて酸化性ガスを生成する手段を有するリモートプラズマ装置と、前記印刷物を、前記印刷物の有する色素を酸化性ガスに暴露可能に配置する支持手段と、を備えたことを特徴とする色素の無色化装置である。
更に、本発明は、上記色素の無色化方法により印刷物の着色部を無色化する工程を含むことを特徴とする記録媒体の再生方法である。
本発明の印刷物の有する着色部の無色化方法及びそのための装置によれば、紙に代表される記録媒体に形成された画像を容易かつ迅速に消去することができる。更に、印刷物の形成に用いた記録媒体の機械的強度の低下を抑制しつつ着色部の迅速かつ容易な無色化が可能であり、記録媒体の低コストでの再生が可能となる。本発明によれば、使用済み記録媒体の資源としての再利用を図ることができる。
本発明の印刷物の有する色素の無色化方法は、印刷物の着色部を形成する色素をリモートプラズマ装置により発生した酸化性ガスに暴露することにより無色化する工程を少なくとも有する。
本発明における「無色化」とは、印刷物の有する画像(文字も含む。以下同様)の光学濃度が、無色化処理により記録媒体として再利用可能な程度に減少することをいう。これは記録媒体に付与されたインクにより形成された着色部が目視にて全く認識できなくなる場合(以下、「消色」はこの意味を表す)だけではない。記録媒体に形成された着色部の初期の光学濃度に対して、80%以下の光学濃度に減じる場合(以下、「減色」はこの意味を表す)をも包含するものである。これを光学濃度残率で表すと、着色部の最大吸収波長における初期の光学反射率に対して、20%以下の光学反射率に減じる場合となる。
[記録媒体]
本発明の無色化方法に適用可能な記録媒体としては、消色性インクによる印刷が可能なものであれば、制限されるものではない。かかる記録媒体としては、紙、フィルム、印画紙、シール、ラベル、コンパクトディスク、ICカード、各種タグ、金属、ガラス、各種プラスチック製品、宅配便の伝票や、これらの複合物を挙げることができる。紙は、酸性紙、中性紙又はアルカリ性紙のいずれでもよく、再利用可能なものを挙げることができる。このような紙の製法としては、LBKP、NBKPに代表される化学パルプ及び填料を主体とし、その他内面サイズ剤や抄紙助剤を必要に応じて用い、常法により抄紙する方法を挙げることができる。使用するパルプ材としては、機械パルプや古紙再生パルプを併用したものや、これらを主体とするものを挙げることができ、填料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、二酸化チタンを挙げることができる。このようにして得られた紙は、更に親水性バインダー、マット剤、硬膜剤、界面活性剤、ポリマーラテックス、ポリマー媒染剤を含有するか、又は塗布されていてもよい。紙の坪量は40〜700g/m2の範囲であることが好ましい。
本発明の無色化方法に適用可能な記録媒体は、多孔質無機顔料を表面に有するものであることが好ましく、記録媒体上に無機顔料を含む層を具備しているものであることが好ましい。多孔質無機顔料は、粒子形状としては球状、破砕状のいずれであってもよい。更に、多孔質無機顔料は、細孔容積が0.2cc/g以上、2.0cc/g以下であり、分散粒子径が0.01μm以上、0.5μm以下であることが好ましい。更に、これらの2つの条件を共に満たすものがよい。多孔質無機顔料がこの細孔容積、及び/又は、分散粒子径を有すると、後述する色素を含有するインクが記録媒体上に固定されたときに有する色素のイオン化ポテンシャルを、固体の色素のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上低くすることができる。その結果、優れたインクの無色化効果を得ることができる。多孔質無機顔料の細孔容積は、水銀圧入法による水銀ポロシメーターにより測定することができる。一般に、記録媒体と無機顔料の細孔径は異なることから、水銀ポロシメーターにより細孔径に対する細孔容積の分布を検出し、多孔質無機顔料のみの細孔容積を算出することができる。又、分散粒子径は、走査電子顕微鏡観察により測定することができる。
かかる多孔質無機顔料の具体例としては、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、クレイ、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、サチンホワイト、ケイソウ土及び酸性白土、アルミナ、シリカのいずれかの複合材料を挙げることができる。これらの少なくとも1種を必要に応じて利用できる。
多孔質無機顔料を用いた記録媒体の作製方法としては、多孔質無機顔料に水性結着剤を添加した水性塗工液を調製した上で、得られた水性塗工液を紙(原紙)の記録媒体にコート(塗工)する方法を挙げることができる。水性結着剤としては、以下のものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ポリビニルアルコール、カゼイン、スチレンブタジエンラバー、でんぷん、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキサイドの水溶性高分子化合物。
多孔質無機顔料と水性結着剤の質量比(多孔質無機顔料/水性結着剤)は、0.1〜100の範囲であり、より好ましくは1〜20の範囲である。多孔質無機顔料と水性結着剤の質量比(多孔質無機顔料/水性結着剤)が100以下であれば、記録媒体から多孔質無機顔料の脱落、いわゆる粉落ちを抑制することができる。又、多孔質無機顔料と水性結着剤の質量比(多孔質無機顔料/水性結着剤)が0.1以上であれば、記録媒体に形成されたインクジェット画像の減色性又は消色性を優れたものとすることができる。水性塗工液には、必要に応じて顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、離型剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料、紫外線吸収剤を配合することができる。
水性塗工液の記録媒体への塗工方法としては、以下のものが挙げられる。
ロールコーター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコーター法、バーコーター法、スプレーコート法、グラビアコーター法、カーテンコーター法、コンマコーター法。
水性塗工液の記録媒体への好ましい塗工量としては、固形分として0.1〜50g/m2の範囲を挙げることができる。塗工量が0.1g/m2以上であれば、記録媒体においてインクジェット画像を迅速に減色又は消色することができる。一方、塗工量が50g/m2以下であれば、水性塗工液の無駄な消費を免れることができる。
水性塗工液の記録媒体への塗工後、湿潤状態の上記水性塗工液に対して、亜鉛、カルシウム、バリウム、マグネシウム又はアルミニウムの硝酸塩、硫酸塩、蟻酸塩、酢酸塩を含む水溶液を記録媒体の被処理表面に予め塗布する処理を行ってもよい。このように処理することで、水性結着剤を凝固させることができる。記録媒体上の水性塗工液の塗工膜を、熱風乾燥炉、熱ドラムを用いて乾燥し、表面処理を施した記録媒体を得ることができる。記録媒体上の水性塗工液の塗工膜の乾燥に熱ドラムを用いる場合は、加熱した塗工膜を圧着・乾燥して塗工層を得ることができる。又、乾燥後、記録媒体にカレンダー処理を施すことにより、膜はがれや粉落ちのない強固な塗工膜が得られる。
[インク]
本発明における印刷物の有する着色部を形成する色素の無色化のメカニズムとしては、着色部を形成する色素を酸化性ガスに暴露することで、色素の化学結合の開裂反応が進行し、これにより色素が消色又は減色するとものと考えられる。このような色素の無色化は、固体状における色素が、6.0eV以下のイオン化ポテンシャルを有することで、酸化性ガスの暴露により容易に進行する。又、固体状における色素が4.2eV以上のイオン化ポテンシャルを有することが、大気中における酸化防止や光劣化抑制の上で必要である。
更に、記録媒体に保持されている色素が、固体状態におけるイオン化ポテンシャルより0.1eV以上低く、更に限定すれば固体状態に比べて0.15〜0.7eV低いことが必要である。記録媒体へのインクの付与後に、色素のイオン化ポテンシャルがこのような関係を有するようになることにより、色素の無色化が容易に、迅速に生じる。記録媒体に付与されたインク中の色素のイオン化ポテンシャルをこの範囲とするために、多孔質無機顔料が0.2cc/g以上、2.0cc/g以下の細孔容積を有するか、0.01μm以上、0.5μm以下の分散粒子径を有することが好ましい。
このメカニズムの詳細までは明らかではないが、以下のように考えることができる。
一般に、色素のイオン化ポテンシャルの値は色素分子の凝集状態と密接に関係することが知られている(非特許文献1)。一方、多孔質無機顔料を含有した記録媒体に、色素を含むインクを付与すると、多孔質無機顔料の表面の細孔に色素分子が個々に吸着され、色素分子同士の凝集が抑制される。その結果、色素のイオン化ポテンシャルは固体(凝集状態)のイオン化ポテンシャルに比べて低下する傾向になると考えられる。従って、インクに含有される色素分子に対してより適切な多孔質無機顔料の細孔容積や分散粒子径を選択することが、記録媒体への付与後のインク中の色素のイオン化ポテンシャルを低下させるために重要である。
このような色素のイオン化ポテンシャルの値は、大気中光電子分光装置(理研計器製、AC−1)を用い、ファウラー則に従う光電子放出電流と光子エネルギーの接点から求めることができる。
本発明の無色化方法に適用し得る印刷物の形成に用いるインクとしては、記録媒体上に固定可能な消色性色素を含有するものであれば制限はない。画像は、インクジェット方式によるプリンター、複写機、印刷機を用いた印刷方法により記録媒体に形成できる。又、ペンに代表される筆記具を用いて記録媒体上に形成できるものであってもよいが、インクジェット記録用として利用できるものの方がよい。かかるインクとして、色素を有機溶媒や水に、溶解、分散又は溶解及び分散したものを挙げることができる。
(色素)
消色性色素としては、天然色素、合成色素及び顕色剤の作用により発色するものであればいずれのものであってもよい。色素は必要に応じて2種以上をインク中に混合して用いることもできる。天然色素としては、ポリエン構造を有するものが好ましい。ポリエン構造を有する色素としては、アナトー色素やクチナシ黄色素に代表されるカロチノイドの共役ポリエンを挙げることができる。消色性色素としては天然色素、合成色素のいずれを含むものであってもよいが、天然色素を含むものが人体への影響を考えるとよい。天然色素としては、微生物により生産される微生物色素、動物/植物から抽出される抽出色素を挙げることができる。微生物色素は、微生物の培養により生産され、抽出色素に比べて生産管理が容易であり、安定的かつ大量の生産が可能である。なお、色素は必要に応じて2種以上をインク中に混合して用いることもできる。
微生物色素は、微生物色素を産出する菌株を使用し、その培養方法も限定しない公知の培養法を利用し、通常これらを産出する微生物の培養液から抽出して得ることができる。又、インク特性を保持することができるのであれば、抽出・精製をせず、培養液をそのまま濃縮してインクに含有させる色素として用いることもできる。かかる微生物色素の具体例としては、以下のものが挙げられる。紅麹色素、バイオラセイン、メラニン、カロチノイド、クロロフィル、フィコビリン、フラビン、フェナジン、プロディギオシン、バイオラセイン、インジゴ系色素、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、公知のもの(非特許文献2)。これらの微生物色素のうち後述する酸化性ガスによる消色性に優れているのは、紅麹色素、アントラキノン系色素、バイオラセイン、インジゴ系色素であり、紅麹色素を例示することができる。
かかる紅麹色素はモナスカス属の糸状菌(紅麹菌)が生産する色素であり、古くから中国、台湾で紅酒、食肉の着色剤として用いられており、その安全性が確認されている。紅麹色素は一般に、オレンジ色系のモナスコルブリン(Monascorubrin)、黄色系のアンカフラビン(Ankaflavin)、黄色系のモナスシン(Monascin)、赤色系のモナスコルブラミン(Monascorubramin)、ルブロパンクタチン(rubropunctatin)、ルブロパンクタミン(rubropunctamine)のように構造が類似し、置換基が異なる化合物からなる組成物である(非特許文献3)。これらの化合物は水に不溶であるが、モナスコルブリンとルブロパンクタチンは培養液中の水溶性アミノ化合物である水溶性蛋白質、ペプチド、アミノ酸と反応して水溶性の複合体を形成して赤色系水溶性紅麹色素となることが知られている(非特許文献4)。
紅麹色素を産出する紅麹の菌株はモナスカス属の糸状菌であればよく、モナスカス属の糸状菌としては、モナスカス・パープレウス[Monascus purpureus;独立行政法人製品評価技術基盤機構・生物遺伝資源センター(NBRC)のカタログ番号NBRC 4478]、モナスカス・ピロサス(Monascus pilosus;同カタログ番号NBRC 4480)、モナスカス・ルバー(Monascus ruber;同カタログ番号NBRC 9203)を挙げることができる。更にこれらの変種及び変異株も挙げることができる。
紅麹色素を産生するための紅麹菌株の培養方法は、固体培地を使用する固体培養法、液体培地を使用する液体培養法のいずれも利用できる。固体培養法からは粉末紅麹色素が得られ、液体培養法からは液体紅麹色素又はその有機溶媒抽出液が得られる。培地は炭素源、窒素源、無機塩類及び微量栄養素を含む公知のものでよい。炭素源としてグルコース、シュークロースの糖類や酢酸、澱粉の加水分解物を含み、窒素源及び微量栄養素としてペプトン、酵母エキス、麦芽エキスを含み、無機塩類として硫酸塩、リン酸塩を含有する培地を利用することができる。
紅麹の菌株の培養方法としては、具体的には、紅麹菌をこれら培地に接種し、20〜40℃の温度で、好気的に2〜14日間培養する方法を例示することができる。通気攪拌培養を行う場合、pHをコントロールする必要はない。但し酸性条件下で培養した場合、上述のモナスコルブリン及びルブロパンクタチンと水溶性アミノ化合物との反応を阻害して、モナスコルブリン及びルブロパンクタチンを多く含む色素を調製することができる(非特許文献4)。
紅麹色素の抽出は、培養液及び菌体画分から有機溶媒により抽出する方法を挙げることができるが、紅麹色素として培養上澄み成分をそのまま乾固したものを用いてもよい。抽出溶媒としては、n−プロピルアルコール、メタノール、エタノール、ブタノール、アセトン、酢酸エチル、ジオキサン、クロロホルムを使用することができる。抽出物の精製には、通常の単離方法であるシリカゲルクロマトグラフィー及び逆相の高速液体クロマトグラフィーにより単離する方法を利用することができ、精製により所望の純度の紅麹色素を得ることができる。
このようにして得られる紅麹色素は、水不溶成分と水溶性成分との混合物である。水不溶成分は、モナスコルブリン、ルブロパンクタチン、アンカフラビン、モナスシン、モナスコルブラミン及びルブロパンクタミンであり、水溶性成分は、培養中にモナスコルブリン又はルプブロパンクタチンと、水溶性アミノ化合物とが結合したものである。
上記培養により得られた紅麹色素を本発明におけるインクに含有される色素として用いるには、上述のように培養上澄み液又はその抽出物をそのまま適用することもできるが、これらに更に水溶性アミノ化合物を添加したものの方がよい。培養上澄み液又はその抽出物に水溶性アミノ化合物を添加すると、モナスコルブリン又はルブロパンクタチンと水溶性アミノ化合物とが結合した水溶性の複合体の生成を促進させることができる。この方法は、色素中の水溶性成分が増加し本発明におけるインクの減色性/消色性を向上させることができる。
以下の方法により、培養により得られた紅麹色素に水溶性アミノ化合物を添加して、色素中の水溶性成分を増加させることができる。まず、酸性条件下で紅麹菌を培養する。この酸性条件での培養は、pH調整剤として酢酸を用い、フィードしつつ培養することにより行うことができる。この酸性条件での培養により、モナスコルブリン又はルブロパンクタチンと水溶性アミノ化合物との反応を抑制し、水に不溶なモナスコルブリン及びルブロパンクタチンを多量に含有する色素を生成する。この培養液に水溶性アミノ化合物を過剰に添加し、pHを中性に調整した後、遠心分離又はろ過により菌体を除去し、水溶性成分が増加した色素を得ることができる。又、酸性条件下で培養した後、培養液からモナスコルブリン、ルブロパンクタチンを含む色素を有機溶媒で抽出し、これを水溶性アミノ化合物と反応させる方法を用いることもできる。この方法によれば、色素以外の不純物の含有量が低減され、しかも限定された色素の混合物として紅麹色素が得られ、本発明の無色化方法を適用した際の消色性又は減色性が向上する。この培養液から色素を抽出するのに用いる抽出溶媒としては、酢酸エチル、アセトン、ブタノール、エタノール、メタノールを挙げることができる。これらのうち、抽出液として酢酸エチルを用いた後、抽出液の洗浄液として水を用いることが本発明における無色化の効果を向上させることができる。
又、培養により得られた紅麹色素に添加する水溶性アミノ化合物として、アミノ酸、水溶性蛋白質、ペプチド及び核酸化合物からなる群から選ばれた一種又はこれらの混合物を用いることにより、本発明における優れた消色効果が得られる。又、色素を抽出してこれに水溶性アミノ化合物を添加する場合、使用する溶媒としてはいずれのものであってもよいが、50質量%エタノール水溶液、50質量%メタノール水溶液、50質量%アセトニトリル水溶液を用いる方がよい。
天然色素としてのバイオラセインとしては、クロモバクテリウム(Chromobacterium)属、ヤンチノバクテリウム(Janthinobacterium)属、又はアルテロモナス(Alteromonas)属に属する微生物である。更にこれらの変種又は変異株の菌体内に保有されるものも挙げることができる。
かかるバイオラセインを得るには、ヤンチノバクテリウム・リビダム(Janthinobacterium lividum;理化学研究所微生物系統保存施設のカタログ番号JCM9045)を用いればよい。ヤンチノバクテリウム・リビダムは、培地の種類によって青紫色素の産生量が著しく異なるので、産生量が多いマンニットYE培地やジャガイモ半合成培地を用い、温度5〜30℃、pH6.0〜8.0に維持して培養すればよい。得られた菌体から色素を溶媒抽出により抽出することができる。色素の抽出溶媒としては、n−プロピルアルコール、メタノール、エタノール、ジオキサン、クロロホルムを使用することができる。抽出物の精製は、通常の単離方法であるシリカゲルクロマトグラフィー及び逆相の高速液体クロマトグラフィーによることができ、所望の純度のバイオラセインを得ることができる。抽出物を濃縮し、そのまま用いることもできる。
天然色素としての抽出色素は、いずれのものも使用することができ、かかる抽出色素の具体例としては、以下のものが挙げられる。ウコン色素、クチナシ色素、カロチン、ベニバナ色素、アナトー色素、トウガラシ色素、シソ色素、ブドウ果汁色素、赤大根色素、アカキャベツ色素、ムラサキイモ色素、クロロフィル色素、カカオ色素、インジゴ系色素の植物から抽出した色素や、ラック色素、コチニール色素、イカ墨色素の動物性色素。これらのうち、クチナシ色素又はトウガラシ色素が、消色性に優れている。
又、本発明におけるインクに用いる合成色素としては、いずれのものも使用することができ、具体的に、アントラキノン系、トリフェニルメタン系、フタロシアニン系、ポリエン系、インジゴ系を挙げることができる。
(溶媒)
インクの液媒体成分であり、色素を溶解又は分散する有機溶媒としては、インクジェットインクに使用される有機溶媒を挙げることができる。具体的には、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、脂肪酸エステル、ケトン、エーテル、炭化水素系溶媒、極性溶媒を挙げることができる。これらのうち、上記色素を溶解又は分散する上で良好な有機溶媒としては以下のものが挙げられる。
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール又はt−ブチルアルコールのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール及びチオジグリコールのグリコール類。
これらの有機溶媒は、それぞれ単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。アルコールと極性溶媒、グリコールと極性溶媒、アルコールとグリコールと極性溶媒の組合せを具体的に挙げることができる。かかる極性溶媒としては、以下のものが挙げられる。
2−ピロリドン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル又はアセトン。
又、有機溶媒が水溶性であれば、これらに水を添加した混合溶媒も用いることができる。その場合のインク中の水の含有量は、インク全質量に対し30〜95質量%の範囲とすればよい。
これらの溶媒に無色化可能な色素を分散、溶解する方法としては、単に溶媒に色素を添加して溶解する方法が挙げられる。又、必要に応じて、分散機を用いて微粒子化し、分散剤(界面活性剤)を用いて分散させる方法によることができる。分散機としては、以下のものが挙げられる。
ボールミル、サンドミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、ジェットミル、オングミル。
使用する界面活性剤としては陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のいずれのものも用いることができる。
上記色素の含有量はインクの全質量に対して0.01〜90質量%であり、好ましくは0.5〜15質量%である。インク中の色素の含有量がこの範囲であると、記録媒体に良好な画像を形成することができる。インクには必要に応じて結合剤、pH調整剤、粘度調整剤、浸透材、表面張力調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防かび剤を含有させることができる。
[印刷物の有する着色部の無色化]
本発明の無色化方法は、各種放電により発生したプラズマや、これにより生成される二次生成物である酸化性ガスに、印刷物の有する着色部を暴露することにより、着色部を形成する色素を無色化する。本発明は、着色部を有する印刷物の被処理表面がプラズマ領域とは離れた位置に置いて処理することを本質的な特徴としている。従来のプラズマ処理では、プラズマ領域(プラズマ空間)内、もしくはこの領域に実質的に接する状態で各種固体の表面をプラズマに曝して処理しているが、本発明はこれらとは本質的に異なっている。本発明においては、印刷物がプラズマに直接的には曝されないため、プラズマ領域の影響を直接受けることなく酸化性ガスと接触することができる。要するに、印刷物との接触領域へのプラズマ領域内に存在するイオン種や電子という荷電性種の直接的影響を制御して、酸化性ガスをこの接触領域に導入することで、プラズマ領域で発生した酸化性ガス種の積極的、もしくは選択的な作用を可能としているのである。
このように、本発明においては、従来のプラズマ処理とは異なり、プラズマによって生成した酸化性ガスを積極的に表面処理に利用する。そして、このように酸化性ガスをその他のイオン種や電子と分離して利用するために、被処理表面をプラズマ領域から離れた位置に配置する。この被処理表面をプラズマ領域から離れた位置に配置して表面処理を行うことを、本明細書においては、「リモートプラズマ」と呼ぶ。
本発明においては、外部からリモートプラズマ装置内に反応性ガスを流し、プラズマ領域で生成した酸化性ガスのうち、オゾン、ヒドロキシラジカル、炭酸イオン及び窒素酸化物から選ばれた少なくとも一種を積極的に色素の無色化反応に関与させる。このことによって無色化のための化学反応が促進される。しかも、生成されたオゾンに代表される酸化性ガスのほとんどは、印刷物が有する着色部の無色化に使用されるため、オゾンに代表される酸化性ガスの生成量を必要最小限に抑えることが可能となる。更に、本発明は、印刷物の処理表面をプラズマ領域とは離れた位置に置いて処理することを本質的な特徴としているため、ICカード、ICタグに代表される電子デバイスを組み込んだ印刷物の無色化に適している。
本発明におけるプラズマの生成手段としては、従来から知られている各種放電手段を使用することができる。中でも、コロナ放電、沿面放電、共面放電及び誘電体バリア放電から選ばれる放電プラズマの生成手段であることが好ましい。そして、空気、酸素、窒素、二酸化炭素、水蒸気やこれら気体の2種類以上の組合せによる反応性ガスのリモートプラズマ装置への導入手段が採用される。
[印刷物の有する着色部の無色化装置]
本発明の色素の無色化装置は、リモートプラズマ装置により発生させた酸化性ガスに印刷物が有する着色部を暴露することにより、着色部を無色化する。酸化性ガスを発生させるための好ましい放電手段としては、コロナ放電、沿面放電、共面放電又は誘電体バリア放電を用いることができる。更に、本発明の無色化装置は、リモートプラズマ装置により発生させた酸化性ガスを印刷物に接触させるために、印刷物を支持する支持手段を有する。本発明の無色化装置について図面を参照して説明する。以下の装置において、反応性ガスとして空気を用いた場合について説明する。
コロナ放電は、放電電極と、前記放電電極に対向する対向電極との間に電圧を印加することにより放電を発生させ、酸化性ガスを発生させる。放電電極に印加する電圧は、交流電圧又は直流電圧のいずれでもよい。
図1は、コロナ放電を用いたリモートプラズマ装置によりインクジェット記録により記録媒体上に画像(文字を含む)を形成した印刷物の画像の無色化を行う本発明に係る装置の一例を示す概略側面図である。一般的にコロナ放電は、放電電極と、それに対向する位置に対向電極とを設け、放電電極に電圧を印加することによって発生させる。
図1に示す装置では、放電電極41の片面が針状に形成してあり、導電性金属板42が対向電極として機能する。図1に示すように、コロナ放電により電離・解離ガス及びその二次生成物を効率的に発生させるためには、導電性金属板42を接地させればよい。なお、図1において、3は直流電圧印加手段を示し、4は放電電極41と対向電極42がプレート状であるリモートプラズマ装置を示す。印加電圧は直流、あるいは直流に交流を重畳してもよい。放電電極41にマイナス極性の直流電圧を印加した場合、画像の消去を良好に行うことができる。放電電極41にマイナス極性の直流電圧を印加した場合は、酸化性ガスよりなる電離・解離ガス及びその二次生成物が効率的に発生するため、これらガス組成が着色部を構成する色素の無色化に効果的であると考えられる。
放電電極41及び対向電極42を構成する材料としては、Al、Cr、Au、Ni、Ti、W、Te、Mo、Fe、Co及びPtの金属が挙げられる。これらは更に合金であってもよく、酸化物であってもよい。コロナ放電は所定の閾値電圧(放電開始電圧)以上の電圧を印加することによって開始される。
本発明において放電電極に印加する直流電圧は、−0.5kV〜−20.0kVであることが好ましいが、−0.5kV〜−10.0kVの直流電圧を印加することにより、更に効率よく画像を無色化することができる。
この場合の画像の減色/消色は、次のようにして行う。まず、リモートプラズマ装置の後方から不図示のファンを用いて反応性ガスをリモートプラズマ装置に導入する。「後方」とは、図1中の、酸化性ガスの吹き付け口とは反対の開口部側のことである。導入された反応性ガスは、放電電極と対向電極との間の放電空間で酸化性ガスとなる。この酸化性ガスが走行又は静置した印刷物に吹き付けられる。酸化性ガスの流速は、反応性ガスの流速に対応している。導入される反応性ガス及び吹き付けられる酸化性ガスの流速は、0.1m/秒〜5m/秒の範囲であることが好ましい。
又、本発明においては、印刷面とリモートプラズマ装置のガスの噴出し面(中心)との距離が0mmより大きく100mm以下であることが好ましい。この範囲であれば、効率的な無色化を行うことができる。より好ましくは、5mm以上100mm以下である。
又、本発明においては、印刷物の支持手段を、印刷物を酸化性ガスとの接触領域に対して搬出入を行う搬送手段を含む構成としてもよい。印刷物を走行させるためにはエンドレスベルト搬送、ロール搬送及びドラム搬送からなる群から選ばれた少なくとも一種の搬送手段を用いる。又、走行は、一定方向への走行、往復走行、更にはこれらの組合せを用いることができる。本発明においては、酸化性ガスへの暴露の際に、印刷物が静止しているか、リモートプラズマ装置の酸化性ガスの噴出し面に対して2000cm/分以下の速度で相対的に移動していることが好ましい。この範囲であれば、着色部の無色化をより効率よく行うことができる。更に好ましくは600cm/分以下である。又、印刷物を静止させて酸化性ガスに暴露させる場合には、リモートプラズマ装置自体を印刷物の全面に対して、上記搬送速度で移動させてもよい。従って、上記好ましい移動速度は、印刷物とリモートプラズマ装置の酸化性ガスの噴出し面との相対的な移動速度である。
なお、放電電極41の形状は限定されるものではなく、針状の他に、ロール状ブレード状、プレート状、ブラシ状、ワイヤー状、バー状のものを使用することができる。
沿面放電は、誘電体により隔てられた一対の電極間に交流電圧を印加することにより、誘電体に沿って放電を発生させ、酸化性ガスを発生させる。
図2は、沿面放電を用いたリモートプラズマ装置により印刷物の画像の無色化を行う本発明に係る装置の一実施例を示す概略側面図である。空気中で沿面放電を行うことにより発生する酸化性ガスは、電離/解離ガス及びその二次生成物であり、オゾン、炭酸イオン、窒素酸化物である。図2において、沿面放電の為の放電電極41は、誘電体43により隔てられ、かつ互いに対向した一対の放電電極41及び対向電極42を含む。
図2に示すように、リモートプラズマ装置4は、酸化性ガスの噴き出し方向における断面が楕円の筒状であり、一方の対向電極42が誘電体43に埋設され、他方の放電電極41は誘電体43の内壁面に設けられている。酸化性ガスは誘電体43内壁面の放電電極41の近傍で発生する。
なお、図2において、2は交流電源を示す。又、沿面放電を用いたリモートプラズマ装置の形状に限定はなく、一般に共面放電と呼ばれる構成である図3に示すような誘電体43に埋設された放電電極41及び対向電極43をワイヤー状としたものも挙げられる。電極41、42の材料は、前記コロナ放電で用いられた電極材料と同じものを選択して用いることができる。誘電体43は、沿面放電を生じさせることのできる面を構成できる材料からなる。その例には、セラミックやガラスが含まれる。誘電体43を構成するセラミックやガラスの具体例としては、シリカ、マグネシア、アルミナに代表される金属酸化物や、窒化シリコーン、窒化アルミニウムに代表される窒化物が挙げられる。
放電電極41、対向電極42同士の距離は1μm以上であることが好ましく、更には3〜200μmの範囲であることが好ましい。放電電極41に印加する交流電圧(Vpp)は1〜20kVであることが好ましく、周波数は100Hz〜5MHzであることが好ましい。この範囲にすることにより、酸化性ガスの生成を一層効率的に行うことができる。更に好ましくは、Vppが1〜10kV、周波数が1kHz〜2MHzである。
この場合の画像の減色/消色も、コロナ放電と同様、リモートプラズマ装置4の後方より反応性ガスを導入し、放電電極と対向電極との間の放電空間で発生させた酸化性ガスを走行又は静置した印刷物に吹き付けることにより行う。
導入される反応性ガス及び吹き付けられる酸化性ガスの流速、印刷面とリモートプラズマ装置のガスの噴出し面(中心)との距離、酸化性ガスへの暴露の際の印刷物の移動速度の好ましい範囲は、コロナ放電の場合と同様である。
誘電体バリア放電は、電極内側の片側又は両側を誘電体で被覆し、電極間に電圧を印加して放電を発生し、電極間に存在する気体のプラズマを生成するものであり、大気中において、安定してプラズマを発生させることができる。前述したコロナ放電、沿面放電でも酸化性ガスが発生するが、バリア放電を採用することにより酸化性ガスの発生効率が一層向上する。
図4は、誘電体バリア放電を用いたリモートプラズマ装置により印刷物の画像の無色化を行う本発明に係る装置の一実施例を示す概略側面図である。図4において、バリア放電のための互いに対向した一対の放電電極41及び対向電極42は、誘電体43により隔てられている。図4に示すように、リモートプラズマ装置4はプレート状であり、誘電体で被覆した放電電極41と、該放電電極41と隔てられた対向電極との間に電圧を印加することにより、酸化性ガスが誘電体43と対向電極42の近傍で発生する。
放電電極41と対向電極42の間に印加する電圧は、Vppが1〜40kV、周波数が10Hz〜20kHzであることが好ましい。この範囲にすることにより、酸化性ガスの生成を一層効率的に行うことができる。更に好ましくは、電圧Vppが1〜30kV、周波数が20Hz〜10kHzである。印加する交流電圧の波形としては、正弦波、三角波、矩形波、パルス波形のほか、これらの波形を組み合わせたものであってもよい。
バリア放電用の電源は、電圧Vppが1〜40kVであり、周波数が10Hz〜20kHzである交流電圧を出力できるものであればよい。しかしながら半導体を用いた市販の交流電源は価格が高いという問題がある。このため、気中ギャップを用いた電源を用いればコストは前記電源に比べて1/10以下に下げることが可能である。図5は本発明のバリア放電に用いる電源の一実施例を示す概略図である。電源は、入力電源に市販のトランス71を用い、電気素子72〜75及び気中ギャップ8を接続した簡便な構成である。電気素子72及び73は、抵抗器又はコイルである。又、電気素子74はキャパシタンス、電気素子75は抵抗器である。一方、気中ギャップ8は、針、平板、刃、円筒形状のいずれかの組合せで構成され、材質は導電性を有していればいずれのものでも構わない。
図6及び図7は本発明の無色化装置に用いる気中ギャップの一実施例を示す概略図である。ここでは大きさの異なる2枚の平板状金属電極81,82よりなり、気中放電による劣化の影響を低減させるためそれぞれの電極が反対方向に回転する構成になっている。トランス71に商用周波数の交流電圧を印加し、気中ギャップ8の平板状金属電極間距離を10mm以下の任意の値にすることで、電圧Vppが1〜40kV、周波数が10Hz〜20kHzのパルス波形を含む交流電圧が発生し良好なバリア放電が得られる。又、バリア放電電極の形状や大きさにより、ギャップ距離や電気素子の種類及び値は任意のものを使用することができる。
誘電体バリア放電の電極材料としては、Sn、In、Al、Cr、Au、Ni、Ti、W、Te、Mo、Fe、Co及びPtの金属やそれらの合金、ITO、ZnOの酸化物のほか、導電性粒子を分散したポリマーシートやゴムベルトを挙げることができる。電極の形状としては、板状、メッシュ状、ベルト状、ドラム状、線状とすることができ、両電極が異なる形状を有していてもよい。
電極を被覆する誘電体43の形成材料としては、カーボン化合物やセラミック、ガラス、強誘電体材料、ポリマーの放電材料を用いることができる。具体例には、以下のものが挙げられる。
ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボンやシリカ、マグネシア、アルミナ、ジルコニアに代表される金属酸化物、窒化シリコーン、窒化アルミニウムに代表される窒化物や、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸チタン酸鉛や、ポリエチレン、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン。
誘電体はこのような材料をシート状にして電極に張り合わせたり、誘電体表面に電極を、イオンプレーティング法を用いて真空製膜したり、これらの材料をバインダーに分散した複合体として適用することができる。この場合の画像の減色/消色も、コロナ放電と同様、リモートプラズマ装置4の後方より反応性ガスを導入し、放電電極と対向電極との間の放電空間で発生させた酸化性ガスを走行又は静置した印刷物に吹き付けることにより行う。
導入される反応性ガス及び吹き付けられる酸化性ガスの流速、印刷面とリモートプラズマ装置のガスの噴出し面(中心)との距離、酸化性ガスへの暴露の際の印刷物の移動速度の好ましい範囲は、コロナ放電の場合と同様である。
[無色化に必要な時間]
印刷物の有する色素を含む着色部から形成される画像や文字は、酸化性ガスへの暴露により褪色(減色)させ、好ましくは目視によって認識できないレベルにまで消去することができる。言い換えれば、印刷物の表面及び表面近傍にある色素が酸化性ガスに暴露されることにより、色素の有色は淡くなり、ついには視認できなくなる。色素の無色化に対しては放電電圧の影響が大きいが、酸化性ガスの濃度、酸化性ガスとの接触効率、酸化性ガスの風速、酸化性ガスの組成、色素の種類、色素の濃度、色素の組成、記録媒体の材質の条件によって無色化に必要な時間が異なる。これらの条件を選択することにより無色化時間を調整することができる。又、印刷物をリモートプラズマ装置で無色化処理を行う前にラインセンサーやイメージセンサーにより印刷物上の色素濃度を測定すれば、色素の濃度に応じて印刷物の酸化性ガスに暴露する時間を変えることができ、いずれの濃度でも均一な無色化が達成できる。
上述のように、反応性ガスは、リモートプラズマ装置の後方より風速0.1m/秒〜5m/秒で導入し、放電電極と対向電極との間の放電空間で発生させた酸化性ガスを走行又は静置した印刷物に吹き付けることが好ましい。印刷物の酸化性ガスへの暴露は、目的に応じて密閉系で行うか、開放系で行うか選択することができる。本発明においては、酸化性ガスが装置から漏出しない密閉系で行う方が好ましく、密閉系、開放系のいずれの場合でも酸化性ガス漏出防止のための吸着フィルターを設けることが好ましい。
印刷物の酸化性ガスへの暴露を密閉系で行う場合、オゾン濃度を一定に保持するフィードバック機構をリモートプラズマ装置に設けることが好ましい。オゾン濃度の検知は、紫外線吸収法を用いてリモートプラズマ装置内で比較ガスと比較することにより行うことができる。又、リモートプラズマ装置内のオゾン濃度は、100ppm以上であることが無色化の点で好ましい。オゾン濃度がこの値に満たない場合には、速やかにリモートプラズマ装置の放電器を動作させ、酸化性ガスを発生させることが好ましい。
又、本発明においては、印字物の無色化処理が終了した後、放電手段への印加電圧値又は印加周波数を増加させて放電器を加熱し、無色化に不要なオゾンを分解することが好ましい。オゾンを効率よく加熱分解するためには、雰囲気温度を100℃以上にすることが好ましい。
[記録媒体の再生方法]
本発明の印刷物からの記録媒体の再生方法は、上記の本発明にかかる無色化方法を用いる工程を含む方法であれば、制限されるものではない。印刷物上に固定されたインク中の色素に対して、開裂反応を進行させるのに、リモートプラズマ装置により生じる酸化性ガスを使用するため、印刷物上の色素を効率よく、容易且つ迅速に無色化することができる。
本発明においては、印刷物を酸化性ガスに暴露する前に、印刷物を20℃50%RH以上の水蒸気雰囲気中で保持した後、誘電体バリア放電を行うことが好ましい。水蒸気によって印刷物上の色素を単分子状態に分離しやすくなるため、更に容易かつ迅速に無色化することができるからである。
しかも、本発明は、色素を酸化する物質を再生された記録媒体上に残留させないことができる。このため、無色化された色素上に再度、新たな色素を含有するインクを固定しても、新たに付与された色素において開裂反応が進行せず、その有色状態を維持することができ、記録媒体の再利用を可能とすることができる。
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例に限定されるものではない。
[記録媒体の作製例1]
アルミナ微粉末(商品名:「カタロイド AP−3」、触媒化成工業(株)製)とポリビニルアルコール(商品名「SMR−10HH」、信越化学工業(株)製)を質量比で85/15となるように混合し、固形分比が20質量%となるように水を加えて撹拌した。これをPETフィルムに乾燥後の質量が30g/m2となるように塗工し、110℃で10分間乾燥した。これを記録媒体1とした。
[記録媒体の作成例2]
2リットル撹拌機付きフラスコに以下の成分を投入し、室温で30分間撹拌し、均一に混合した後、80℃に加熱、撹拌を2時間行った後、冷却し、高粘度の透明液状液体(バインダーA)を得た。
・ポリエチレングリコール(平均分子量2000)800g。
・ヘキサメチレンジイソシアネート65g。
・ジブチルチンジラウレート2g。
・エチレングリコールジメチルエーテル900g。
得られた液体は25℃において30,000mPa・sの粘性を示し、エチレングリコールジメチルエーテル溶媒中に含まれるポリマーの数平均分子量は85,000であった。
次に、ポリビニルアルコールを上記の操作で得たバインダーAとした以外は作製例1と同様にして記録媒体2を得た。
[記録媒体の作成例3]
2リットル撹拌機付きフラスコに、ヒドロキシエチルメタクリレート300g、水350g、メタノール350g及びアゾビスイソブチロニトリル1.5gをそれぞれ投入した。これらを室温で60分撹拌した後、窒素ガスを吹き込んでフラスコ内を十分窒素ガスで置換した後、更に窒素ガスを徐々に通じながら昇温し、65℃とした。次いで、このまま3時間重合を行った後、冷却して高粘度の透明液状物(バインダーB)を得た。得られた液体は25℃において1,800mPa・sの粘性を示し、水/メタノール混合溶媒中に含まれるポリマーの数平均分子量は150,000であった。次に、ポリビニルアルコールを上記の操作で得たバインダーBとした以外は作製例1と同様にして記録媒体3を得た。
[記録媒体の作成例4]
コロイダルシリカ(商品名:スノーテックス C、日産化学(株)製)とポリビニルアルコール(商品名「SMR−10HH」、信越化学工業(株)製)を、固形分質量比で85/15となるように混合し、固形分比が20質量%となるように水を加えて撹拌した。これをPETフィルムに乾燥後の重量が30g/m2となるように塗工し、110℃で10分間乾燥した。これを記録媒体4とした。
[インクの作製例1〜5]
下記表1に示す各成分を混合し、十分攪拌して溶解した後、ポアサイズが0.45μmのフロロポアフィルター[商品名:住友電工(株)製]により加圧ろ過し、インク1〜5を得た。なお、銅フタロシアニン四スルホン酸四ナトリウムはキシダ化学(株)製のものを用いた。クチナシ黄色素、トウガラシ色素及びクロロフィルはキリヤ化学(株)製のものを用いた。又、インジゴカーミンはナカライテスク(株)製のものを用いた。
Figure 2007118601
[インクの作製例6]
500mlの坂口フラスコに、以下のものを投入した。100mlの麦芽酵母エキスYE培地[グルコース1質量%、酵母エキス(Difco Laboratories, Inc.製)0.3質量%、麦芽エキス(Difco Laboratories, Inc.製)0.3質量%、バクトペプトン(Difco Laboratories, Inc.製)0.5質量%及び残部純水からなる培地]。そして、pH6.5に調節した。この培地に更に、120℃で20分間加圧滅菌を行った。この培地を冷却後、YM寒天培地で斜面培養した紅麹菌[モナスカス・パープレウス(NBRC4478)]を一白金耳接種し、30℃で2日間振盪培養を行い、種菌液を得た。得られた種菌液のうち5mlを、上記と同様に滅菌したYM培地100mlに接種し、30℃で3日間振盪することにより本培養した。本培養終了後、培養液を遠心分離機にかけて(9000rpm、10分)、上澄み液と菌体に分離した。得られた上澄み液は、蒸留水への100分の1希釈時に波長500nmでの吸光度が0.2であった。上澄み液に等量のエタノールを添加し、攪拌後、更に遠心分離機にかけて(9000rpm、10分)、非水溶性の色素を除去した。得られた上澄み液を濃縮乾固して水溶性の赤色色素を得た。この色素を用い、色素/エタノール=10.0/90.0(質量比)となるように混合し、十分攪拌して溶解した後、ポアサイズが0.45μmのフロロポアフィルター[商品名:住友電工(株)製]により加圧ろ過し、インク6を調製した。
[培養例1〜4]
5リットルの坂口フラスコに、インクの作製例6と同じYM培地1リットルを入れ、pH6.5に調節した後、120℃で20分間加圧滅菌を行った。冷却後、YM寒天培地で斜面培養した紅麹菌[モナスカス・パープレウス(NBRC4478)]を一白金耳接種し、30℃で2日間振盪培養を行い、種菌液を得た。
一方、1リットルガラスジャーに、上記と同じYM培地450mlを入れ、120℃で20分間加圧滅菌を行い、冷却後、上記種菌液を10%(v/v)植菌した。pH調整剤として培養例1では硫酸、培養例2では燐酸、培養例3では酢酸を使用し、培養開始時から培養液のpHを4.0に保ちながら、30℃で7日間通気攪拌培養を行った。培養例4では、培養開始時のpHを6.5に調整し、その後pHは無調整で培養を行った。培養例1〜4で得られた培養液中のモナスコルブリン生産量をHPLCで測定した。HPLC分析条件は特許文献5に示される方法で行った。その結果を表2に示す。
Figure 2007118601
表2に示すように、酸性条件で培養するとモナスコルブリン量が顕著に増加し、pH調整剤として酢酸を使用することにより、硫酸や燐酸のような鉱酸に比較して、更に増加した。この方法で培養することにより得られるルブロパンクタチンとモナスコルブリンを用いて、アミノ化合物との付加反応を行うことにより、より効率的に水溶性色素を得ることができる。
[インクの作製例7]
培養例3で得られた培養液を遠心分離機にかけて(9000rpm、10分)、上澄み液と菌体に分離した。得られた色素含有湿菌体を凍結乾燥して水分量を求めたところ、75.6質量%であった。
得られた湿菌体400gに酢酸エチル10リットルを加え、1時間攪拌した後、ろ紙でろ過してろ液と菌体に分離した。ろ液から水層を除去して酢酸エチル層を得た。得られた酢酸エチル抽出液に等量の水を加え、2回洗浄した。洗浄後の酢酸エチル抽出液を濃縮乾固し、モナスコルブリン及びルブロパンクタチンを含有する赤橙色色素を得た。
得られた赤橙色色素10.8gにアセトニトリルを添加し、2095mlの赤橙色色素含有アセトニトリル溶液を得た。これに等量のグルタミン酸1ナトリウム水溶液(30mg/mL)を添加して攪拌しながら室温で3日間反応させた後、濃縮乾固して水溶性色素を得た。この色素を用い、色素/グリセリン/ジエチレングリコール/アセチレノール/水=2.5/7.5/7.5/0.1/82.4(質量比)となるように混合し、十分攪拌して溶解した。その後、ポアサイズが0.45μmのフロロポアフィルター[商品名:住友電工(株)製]により加圧ろ過し、インク7を調製した。
グルタミン酸1ナトリウム添加による水溶性色素生成反応の後、逆相HPLCで反応液中のモナスコルブリン及びルブロパンクタチンの分析を行ったが、モナスコルブリン及びルブロパンクタチンは検出されなかった。又、反応液を蒸留水で100分の1に希釈した液について500nmでの吸光度を測定したところ0.68であった。
[印刷物の作製例1〜10]
得られたインク1〜7を用い、発熱素子をインクの吐出エネルギー源として利用したオンデマンド型インクジェットプリンター(商品名「PIXUS iP3100」、キヤノン(株)製)を用いて、記録媒体1〜4にベタ印字を行った。こうして印刷物1〜10を得た。各印刷物の内容を表3に示した。
Figure 2007118601
[消色性/減色性の評価]
[実施例1〜10]
図1に示すリモートプラズマ装置(放電電極41及び対向電極42の大きさ:225×100×厚さ1mmのニッケル、両電極間距離:5mm、放電電極41上の針長:1mm、針密度:144本/cm2)を用いた。この装置を密閉系とし、放電電極41に−3kVの直流電圧を印加した状態で、導入ガスとして空気を1.2m/秒の速度で流し、印刷物1〜10について60cm/分のスピードで搬送して放電処理を行った(実施例1〜10)。リモートプラズマ装置の酸化性ガス噴出し面の中心と印刷物との距離は10mmとなるようにリモートプラズマ装置4とプレート53を配置した。又、噴出し面のオゾン濃度をオゾン濃度計(ダイレック製、Model1300)で測定したところ、約100ppmであった。
放電処理前後の印刷物1〜10の光学濃度をカラー透過・反射濃度計(商品名「X-Rite
310TR」、X-Rite,Inc.製)により測定し、放電処理前の光学濃度に対する放電処理後の光学濃度を、光学濃度残率として以下の式より算出した。
光学濃度残率=(放電処理後の光学濃度/放電処理前の光学濃度)×100
結果を表4に示す。
[実施例11]
実施例1と同様の装置を用い、放電電極に印加する直流電圧を−4kVとした他は、実施例1と同様にして、印刷物10について放電処理を行い、光学濃度残率を算出した。結果を表4に示す。又、噴出し面のオゾン濃度をオゾン濃度計(ダイレック製、Model1300)で測定したところ、約140ppmであった。
[実施例12〜21]
図2に示すリモートプラズマ装置を用いた。楕円筒状誘電体43は長軸250mm×短軸30mm×長さ70mm×厚さ1mmのアルミナセラミックス、誘電体に埋設された対向電極42はタングステン、放電電極41は外径0.4mmのタングステン、電極間ピッチは0.5mmとした。この装置を密閉系とし、放電電極に周波数15kHz、印加電圧Vpp3kVの方形波電圧を印加した状態で、導入ガスとして空気を2m/秒の速度で流し、印刷物1〜10について150cm/分のスピードで搬送して放電処理を行った。実施例1と同様にして光学濃度残率を算出した(実施例12〜21)。結果を表5に示す。リモートプラズマ装置の酸化性ガス噴出し面の中心と印刷物との距離は30mmとなるようにリモートプラズマ装置4とプレート53を配置した。又、噴出し面のオゾン濃度をオゾン濃度計(ダイレック製、Model1300)で測定したところ、約200ppmであった。
[比較例1]
インク7を用い、ライトリサイクル紙(富士ゼロックス(株)製)にベタ印字を行い、印刷物12を得た。画像形成装置は、発熱阻止をインクの吐出エネルギー源として利用したオンデマンド型インクジェットプリンター(商品名「PIXUS iP3100」、キヤノン(株)製)を用いた。印刷物12について、実施例1と同様の装置を用い、実施例1と同様にして放電処理を行い、光学濃度残率を算出した。結果を表5に示す。
[比較例2]
印刷物10を、昼色蛍光灯下25cmの位置(2000ルクス)に20時間静置した後、光学濃度残率を算出した。結果を表5に示す。
Figure 2007118601
Figure 2007118601
結果から明らかなように、実施例1〜21は、無機顔料コート部材にインクジェットインクにより印字された印刷物を、リモートプラズマ装置により発生した酸化性ガスに暴露しているので、光学濃度残率が低く、消色性/減色性に優れる。色素として天然色素を用いた場合に消色性/減色性に優れ、中でも紅麹色素、クチナシ黄色素、トウガラシ色素又はインジゴ系色素を用いた場合に一層優れることが分かる。又、無機顔料コート部材の無機顔料としてアルミナを用いた場合に、消色性/減色性に優れることが分かる。
[記録媒体の作製例5〜8]
各種コロイダルシリカ微粉末とポリビニルアルコール(商品名「SMR-10HH」、信越化学工業(株)製)を重量比で85/15となるように混合し、固形分比が20%となるように水を加えて攪拌した。これをA4普通紙上に、乾燥後の質量が35g/m2となるように塗工し、110℃で10分間乾燥して、記録媒体5〜8を作製した。得られた記録媒体の無機顔料粒子の細孔容積及び分散粒子径を上記の方法により測定した。結果を表6に示す。
Figure 2007118601
[記録媒体の作製例9〜13]
各種アルミナ微粉末とポリビニルアルコール(商品名「SMR-10HH」、信越化学工業(株)製)を重量比で85/15となるように混合し、固形分比が20%となるように水を加えて攪拌した。これをA4普通紙上に、乾燥後の質量が30g/m2となるように塗工し、110℃で10分間乾燥して、記録媒体9〜13を作製した。得られた記録媒体の無機顔料粒子の細孔容積及び分散粒子径を上記の方法により測定した。結果を表7に示す。
Figure 2007118601
[インクの作製例8〜10]
表8に示す各成分を混合し、十分攪拌して溶解した後、ポアサイズが0.45μmのフロロポアフィルター[商品名:住友電工(株)製]により加圧ろ過し、インクを調製し、インクを得た。なお、クチナシ青色素及びトウガラシ色素はキリヤ化学(株)製のものを、又、銅フタロシアニン四スルホン酸四ナトリウムはキシダ化学(株)製のものを用いた。
Figure 2007118601
[印刷物の作製例13〜24]
得られたインク8〜10を用い、印刷物の作製例1〜10と同様にして、記録媒体5〜8にベタ印刷を行い、印刷物13〜24を作製した。印刷する前の固体おける色素のイオン化ポテンシャルと、印刷物における色素のイオン化ポテンシャルは、大気中光電子分光装置(理研計器製、AC−1)を用いて測定した。照射光強度は10nW(5.9eVのエネルギー)以上で行った。結果を表9に示す。
[印刷物の作製例25〜34]
得られたインク5又は6を用い、作製例1〜10と同様にして、記録媒体9〜13にベタ印刷を行い、印刷物25〜34を作製し、イオン化ポテンシャルを測定した。結果を表10に示す。
[減色性/消色性の評価]
[実施例22〜33]
図3に示すリモートプラズマ装置を用いた。プレート状誘電体43は225×60×厚さ1mmのアルミナセラミックス、誘電体に埋設された放電電極41及び対向電極42はタングステン、外径0.15mmのタングステン、電極間ピッチは1.5mmとした。又、カバー44は厚さ2mmのアクリル板、カバー44とプレート状誘電体は43の距離:2mmとした。又、印刷物としては印刷物13〜24をそれぞれ用いた(実施例22〜33)。この装置を密閉系とし、放電電極に周波数10kHz、印加電圧Vpp4kVの交流電圧(三角波)を印加した状態で、導入ガスとして空気を1.8m/秒の速度で流し、印刷物を120cm/分のスピードで搬送して放電処理を行った。リモートプラズマ装置4の酸化性ガス噴出し面の中心と印刷物との距離は20mmとなるようにリモートプラズマ装置4とベルト51を配置した。又、噴出し面のオゾン濃度をオゾン濃度計(ダイレック製、Model1300)で測定したところ、約160ppmであった。
その後、実施例1と同様に、光学濃度残率を算出した。結果を表9に示す。
[実施例34〜43]
図4に示す装置を用いた。誘電体43は250×60×厚さ0.5mmのマグネシア単結晶、誘電体43上に設けられた電極41は225×50×厚さ1mmのクロム、対向電極42は225×50×厚さ1mmのステンレス板、誘電体43と対向電極42の距離は2mmとした。又、印刷物としては印刷物13〜22をそれぞれ用いた(実施例34〜43)。この装置を密閉系とし、消色処理を行った。交流電源として図5の装置を用い、気中ギャップとして図7の構成を用いた。電気素子72,73,74,75にはそれぞれ100kΩ,10kΩ,1000pF,10kΩの素子を使用した。気中ギャップ8は金属電極間距離を2mmに設定し、インバーターネオントランス(レシップ(株),M−5)に交流電圧(100V,50Hz)を印加して放電電極に周波数50Hz、印加電圧Vpp34kVのパルス波形を含む交流電圧を印加した状態で、導入ガスとして空気を1.5m/秒の速度で流し、印刷物を180cm/分のスピードで搬送して放電処理を行った。リモートプラズマ装置4の酸化性ガス噴出し面の中心と印刷物との距離は25mmとなるようにリモートプラズマ装置4とベルト51を配置した。又、噴出し面のオゾン濃度をオゾン濃度計(ダイレック製、Model1300)で測定したところ、約200ppmであった。
その後、実施例1と同様に、光学濃度残率を算出した。結果を表10に示す。
Figure 2007118601
Figure 2007118601
上記の結果は、色素が固体において6.0eV以下のイオン化ポテンシャルをする場合についてのものである。そして、記録媒体上に固定されたインク中において色素のイオン化ポテンシャルが固体(色素粉末)のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上、0.15eV以上低い場合、インクの消色性/減色性に優れることが分かる。色素として紅麹色素又はトウガラシ色素又はインジコカーミン色素を用いた場合に消色性/減色性に優れることが分かる。
本発明の無色化装置の一実施例を示す概略側面図である。 本発明の無色化装置の他の実施例を示す概略側面図である。 本発明の無色化装置の更に他の実施例を示す概略側面図である。 本発明の無色化装置の更に他の実施例を示す概略側面図である。 本発明の無色化装置に用いる電源の一実施例を示す概略図である。 本発明の無色化装置に用いる気中ギャップの一実施例を示す概略図である。 本発明の無色化装置に用いる気中ギャップの一実施例を示す概略図である。

Claims (9)

  1. 印刷物が有する色素を無色化する色素の無色化方法において、リモートプラズマ装置を用いて発生させた酸化性ガスに前記色素を暴露することを特徴とする色素の無色化方法。
  2. 前記リモートプラズマ装置の放電手段として、コロナ放電、沿面放電、共面放電及び誘電体バリア放電のいずれかを用い、且つ前記印刷物の印刷面と前記リモートプラズマ装置より発生した酸化性ガスの噴出し面との距離を0mmより大きく100mm以下とする請求項1に記載の無色化方法。
  3. 前記酸化性ガスへの暴露の際に、前記印刷物が静止しているか、前記リモートプラズマ装置の酸化性ガスの噴出し面に対し2000cm/分以下の速度で相対的に移動している請求項1又は2に記載の無色化方法。
  4. 前記印刷物が、色素を含有するインクを記録媒体に付与して着色部を形成することにより得られるものであり、前記記録媒体が、多孔質無機顔料を表面に有する請求項1〜3のいずれかに記載の無色化方法。
  5. 前記色素が、ポリエン構造を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の無色化方法。
  6. 前記記録媒体へのインクの付与が、インクジェット記録法により行われる請求項4又は5に記載の無色化方法。
  7. 印刷物が有する色素を無色化するための色素の無色化装置において、コロナ放電、沿面放電、共面放電及び誘電体バリア放電のいずれかの放電手段を用いて酸化性ガスを生成する手段を有するリモートプラズマ装置と、前記印刷物を、前記印刷物の有する色素を酸化性ガスに暴露可能に配置する支持手段と、を備えたことを特徴とする色素の無色化装置。
  8. 前記支持手段が、前記印刷物に前記リモートプラズマ装置によって得られた酸化性ガスが付与される酸化性ガス付与部へ前記印刷物の搬出入を行うための搬送手段を更に有する請求項9記載の無色化装置。
  9. 請求項1乃至6のいずれかに記載の色素の無色化方法により印刷物の着色部を無色化する工程を含むことを特徴とする記録媒体の再生方法。
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