JP2007118205A - タイヤ加硫用モールド - Google Patents
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Abstract
【課題】生タイヤの溝条パタン部分を効率良く加熱し、タイヤの品質を維持しながら加硫時間の短縮を図ることができるタイヤ加硫用モールドを供する。
【解決手段】タイヤ表面の溝条パタンを成型する突条パタン12,22が型面に形成され、ドーム内の密閉空間に注入された加硫熱媒により外側から加熱されて内側の生タイヤ1を加硫成型するタイヤ加硫用モールド10において、モールド外面の前記突条パタン12,22に対応する部分が、該突条パタン12,22の突条と略同じ形状に欠損して溝条13,23が形成されているタイヤ加硫用モールド。
【選択図】図1
【解決手段】タイヤ表面の溝条パタンを成型する突条パタン12,22が型面に形成され、ドーム内の密閉空間に注入された加硫熱媒により外側から加熱されて内側の生タイヤ1を加硫成型するタイヤ加硫用モールド10において、モールド外面の前記突条パタン12,22に対応する部分が、該突条パタン12,22の突条と略同じ形状に欠損して溝条13,23が形成されているタイヤ加硫用モールド。
【選択図】図1
Description
本発明は、タイヤ加硫用モールドに関し、特にドーム内の密閉空間に配置され蒸気等の加硫熱媒により加熱するドーム方式の加硫機に用いられるタイヤ加硫用モールドに関する。
ドーム方式の加硫機は、一般に大型のタイヤで、例えばトラック・バス用タイヤ,建設車両用タイヤ,オフロード用タイヤ等を加硫するのに使用されている。
したがって、ドーム方式の加硫機に用いられる加硫用モールドも、大型であり、その強度を得るために適当な肉厚に設計されている。
したがって、ドーム方式の加硫機に用いられる加硫用モールドも、大型であり、その強度を得るために適当な肉厚に設計されている。
通常、加硫用モールドは、生タイヤの周囲を覆うべく外形が、偏平な円柱状をしているため、タイヤの形状との関係からタイヤショルダ部に対応する部分が、特に厚肉となっている。
また、生タイヤのショルダ部自体が厚肉であり、熱容量が大きいため加硫速度が遅い。
また、生タイヤのショルダ部自体が厚肉であり、熱容量が大きいため加硫速度が遅い。
したがって、この加硫用モールドがドーム内の密閉空間で加硫熱媒により加熱されたとき、加硫用モールドの厚肉部の伝熱効率が低く、生タイヤの厚肉のショルダ部は益々加硫速度が遅くなってしまう。
この生タイヤのショルダ部の加硫が適正に完了するまで加硫熱媒により加熱すると、加硫作業が長時間となって生産能率が低下するとともに、ショルダ部以外の部分が過加硫となってタイヤの品質も低下することになる。
そこで、加硫モールド内部の生タイヤのショルダ部などの厚肉部の接触面近傍に熱媒通路を穿孔して、この熱媒通路に加硫熱媒を流過させることで、生タイヤの厚肉部の加硫を促進するようにした例(特許文献1参照。)が提案されている。
ところで、大型タイヤのトレッドパタンは、例えば駆動力,制動力,牽引力を得るためにラグパタンのように溝条パタンの溝の深いものが多く、タイヤのトレッド部からショルダ部にかけて形成されている。
この溝条パタンは、加硫モールドの型面の突条パタンにより成型されるものである。
すなわち、加硫モールドの型面の一部を突出させて突条パタンを形成しているので、突条パタンのある部分は肉厚が厚くなっている。
すなわち、加硫モールドの型面の一部を突出させて突条パタンを形成しているので、突条パタンのある部分は肉厚が厚くなっている。
このような加硫用モールドがドーム内の密閉空間で加硫熱媒により加熱されたとき、加硫用モールドの突条パタンの突条のため厚くなった厚肉部の伝熱効率が低いために、同厚肉の突条が接する生タイヤの溝条部分の加硫速度が遅れることになる。
仮に、この突条パタンの近傍に前記熱媒通路を穿孔させたとしても、熱媒通路はモールドの強度を確保するために、内径を大きくすることはできず、十分な熱媒を流過させることは困難で、生タイヤの溝条パタン部分を効率良く加熱することができず、加硫速度の遅れを解消することができない。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、生タイヤの溝条パタン部分を効率良く加熱し、タイヤの品質を維持しながら加硫時間の短縮を図ることができるタイヤ加硫用モールドを供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、タイヤ表面の溝条パタンを成型する突条パタンが型面に形成され、ドーム内の密閉空間に注入された加硫熱媒により外側から加熱されて内側の生タイヤを加硫成型するタイヤ加硫用モールドにおいて、モールド外面の前記突条パタンに対応する部分が、該突条パタンの突条と略同じ形状に欠損して溝条が形成されているタイヤ加硫用モールドとした。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のタイヤ加硫用モールドにおいて、前記モールド外面に形成される溝条が、タイヤショルダ部に対応する部分に形成されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載のタイヤ加硫用モールドにおいて、前記型面に形成される突条パタンが、タイヤ表面にラグパタンを成型するものであることを特徴とする。
請求項1記載のタイヤ加硫用モールドによれば、モールド外面の突条パタンに対応する部分が、該突条パタンの突条と略同じ形状に欠損して溝条が形成されているので、該溝条によりモールドの突条パタンの突条部分の肉厚が特に厚くなることを避け、ドーム内の密閉空間に注入された加硫熱媒がモールド外面の該溝条に容易にかつ十分浸入することで、タイヤの溝条パタン部分の加硫速度の遅れを回避してタイヤの品質を維持しながら加硫時間の短縮を図ることができる。
請求項2記載のタイヤ加硫用モールドによれば、モールド外面に形成される溝条は、タイヤショルダ部に対応する部分に形成されるので、特に厚肉となり易いタイヤショルダ部に対応する部分に溝条が形成され、モールドの突条パタンの突条部分とともに肉厚が厚くなるのを効果的に防止して、タイヤの溝条パタン部分の加硫速度の遅れを回避し加硫時間の短縮を図ることができる。
請求項3記載のタイヤ加硫用モールドによれば、型面に形成される突条パタンは、タイヤ表面にラグパタンを成型するものであるので、特に深いラグ溝を成型するモールドの突条パタンの突条に対応して外面に溝条を形成することで、ラグパタンを有するタイヤの溝条パタン部分の加硫速度の遅れを回避して加硫時間の短縮を図ることができる。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図4に基づいて説明する。
本実施の形態に係るタイヤ加硫用モールド10は、建設車両用の大型タイヤを加硫成型するもので、該タイヤ2はトレッド部からショルダ部にかけて溝条パタンであるラグパタン2aが形成されたものである(図4参照)。
本実施の形態に係るタイヤ加硫用モールド10は、建設車両用の大型タイヤを加硫成型するもので、該タイヤ2はトレッド部からショルダ部にかけて溝条パタンであるラグパタン2aが形成されたものである(図4参照)。
図1に示すように、タイヤ加硫用モールド10は、上下(軸方向)半割りにされており、下部モールド11に上部モールド21が、間に生タイヤ1を挟むようにして合体して加硫がなされる。
生タイヤ1は、既に外形がある程度製品タイヤに近い形状にまで形成されており、本生タイヤ1の場合、ラグパタン2aのラグ溝が形成される箇所に略ラグ溝方向に掘削溝1aが予め掘削されている。
これは、加硫時のゴムの流れによるトレッドゴム内側のベルト部材への影響を小さく抑えるためであり、影響が心配されない場合は、掘削溝を設ける必要はない。
これは、加硫時のゴムの流れによるトレッドゴム内側のベルト部材への影響を小さく抑えるためであり、影響が心配されない場合は、掘削溝を設ける必要はない。
タイヤ加硫用モールド10の下部モールド11と上部モールド21は、上下対称な形状をしており、合体すると中空の偏平円柱状をなし、軸中心部に開口を有する。
すなわち、下部モールド11と上部モールド21は、それぞれ扁平な円周壁と中空底壁とからなる。
すなわち、下部モールド11と上部モールド21は、それぞれ扁平な円周壁と中空底壁とからなる。
下部モールド11の内側の型面11iには横置きに寝かせた姿勢のタイヤの下半部のラグパタンを成型する突条パタン12が形成されており、外側のモールド外面11oのこの突条パタン12に対応する部分が、突条パタン12と同じ形状に欠損して溝条13が形成されている。
同様に、上部モールド21の型面21iにはタイヤ2の上半部のラグパタン2aを成型する突条パタン22が形成され、モールド外面21oには突条パタン22と同じ形状に欠損して溝条23が形成されている。
この下部モールド11と上部モールド21からなる加硫用モールド10は、ドーム型加硫機5により加熱され内部の生タイヤ1が加硫に供される。
下部モールド11の型面11iに嵌合するように生タイヤ1を載置し、上から上部モールド21を被せて生タイヤ1を挟んで合体した状態で、図2に示すようにドーム型加硫機5のドーム6内の密閉空間に配置する。
下部モールド11の型面11iに嵌合するように生タイヤ1を載置し、上から上部モールド21を被せて生タイヤ1を挟んで合体した状態で、図2に示すようにドーム型加硫機5のドーム6内の密閉空間に配置する。
そして、ドーム6内の密閉空間に加硫熱媒である蒸気を注入し、加硫用モールド10を外側から加熱して、加硫用モールド10の内側の生タイヤ1を加硫成型する。
図3を参照して、上部モールド21におけるモールド外面21oの突条パタン22に対応する部分に溝条23が形成されているので、突条パタン22の突条部分の肉厚が特に厚くなることがなく、ドーム6の密閉空間に注入された蒸気がモールド外面の該溝条23に容易にかつ十分浸入することで、タイヤ2のラグパタン2a部分の加硫速度の遅れを回避することができる。
下部モールド11についても同様であり、上部モールド21と下部モールド11の両モールドにおいてタイヤ2のラグパタン2a部分の加硫速度の遅れを回避して加硫時間の短縮を図ることができる。
加硫用モールド10における特に厚肉になり易いタイヤショルダ部に対応する部分に溝条13,23が形成されるので、加硫用モールド10の突条パタン12,22の突条部分とともに肉厚が厚くなるのを効果的に防止して、加硫用モールド10の肉厚を全体的に略平均化して、部分的に過加硫となることを防止して、タイヤの品質を高く維持することができる。
図4は、ドーム型加硫機5で加硫され加硫用モールド10から取り出されたタイヤ2の斜視図である。
タイヤ2のトレッド部からショルダ部にかけてラグパタン2aの溝条パタンが成型されている。
タイヤ2のトレッド部からショルダ部にかけてラグパタン2aの溝条パタンが成型されている。
1…生タイヤ、2…タイヤ、2a…ラグパタン、
5…ドーム型加硫機、6…ドーム、
10…タイヤ加硫用モールド、
11…下部モールド、11i…型面、11o…モールド外面、12…突条パタン、13…溝条、
21…上部モールド、21i…型面、21o…モールド外面、22…突条パタン、23…溝条。
5…ドーム型加硫機、6…ドーム、
10…タイヤ加硫用モールド、
11…下部モールド、11i…型面、11o…モールド外面、12…突条パタン、13…溝条、
21…上部モールド、21i…型面、21o…モールド外面、22…突条パタン、23…溝条。
Claims (3)
- タイヤ表面の溝条パタンを成型する突条パタンが型面に形成され、ドーム内の密閉空間に注入された加硫熱媒により外側から加熱されて内側の生タイヤを加硫成型するタイヤ加硫用モールドにおいて、
モールド外面の前記突条パタンに対応する部分が、該突条パタンの突条と略同じ形状に欠損して溝条が形成されていることを特徴とするタイヤ加硫用モールド。 - 前記モールド外面に形成される溝条は、タイヤショルダ部に対応する部分に形成されることを特徴とする請求項1記載のタイヤ加硫用モールド。
- 前記型面に形成される突条パタンは、タイヤ表面にラグパタンを成型するものであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のタイヤ加硫用モールド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005309406A JP2007118205A (ja) | 2005-10-25 | 2005-10-25 | タイヤ加硫用モールド |
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JP2007118205A true JP2007118205A (ja) | 2007-05-17 |
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JP (1) | JP2007118205A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009126142A (ja) * | 2007-11-27 | 2009-06-11 | Bridgestone Corp | タイヤ加硫モールドおよび該タイヤ加硫モールドにより製造された空気入りタイヤ |
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2005
- 2005-10-25 JP JP2005309406A patent/JP2007118205A/ja active Pending
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