JP2007117721A - 面関節リーマ - Google Patents

Abstract

【課題】脊柱椎骨の外側突起近傍の椎骨構成部を切除して中枢神経系の絞扼された神経根への脊椎後側方アクセス部を形成する際、リーマにより切除された骨物質が切開領域から適切に除去できる面関節リーマを提供する。
【解決手段】軸部１ａを有するとともにその先端３に非対称構造の歯４を有する面関節リーマ１において、リーマ１の先端歯４の近傍が軸部１ａの直径に比べて広げられているので切除された骨物質はリーマ1の内部に入り、例えばリーマ内部の通じた吸引により患者の身体から取り出すことができる。
【選択図】図１

Description

発明の分野

本発明は、軸部を有するとともにその先端に歯を有する面関節リーマに関する。

発明の背景

このような面関節リーマは、ドイツ特許第６９９ １７ ６８３ Ｔ２号により既知である。既知のリーマは、中空円筒状の軸部と、軸部の後側基端部に設けられたハンドルと、軸部の前端に設けられた歯とを有している。

このようなリーマは、脊柱椎骨の外側突起の近傍の椎骨構成部を切除して中枢神経系の絞扼された神経根への脊椎後側方アクセス部を形成するために使用される。前記アクセス部を通じて、その後、椎間板歯髄組織および他のタイプの組織（関節包組織、瘢痕、環組織）の除去が行なわれる。これは、これらの組織が神経根を圧迫しているからである。椎骨の前記突起は、隣接する椎骨の隣接する突起と共に面関節を形成する。

このような面関節リーマを使用して絞扼された神経根を減圧するための微小侵襲的外科手術方法は非常にうまくいく。しかしながら、リーマにより切除された骨物質が切開領域から適切に除去されないことが分かってきた。

したがって、本発明の課題は、このような面関節リーマを更に発展させて、切除された骨物質を確実に除去できるようにすることである。

発明の概要

本発明において、この課題は、前述したタイプの面関節リーマの場合において、リーマの先端が軸部の直径に比べて広げられていることにより解決される。

特にリーマ歯の高さを超えて、好ましくは最大でリーマ歯の高さのほぼ２倍にわたって面関節リーマの先端を広げる結果として、切除された骨物質のリーマ内部への侵入が向上され、また、切除された骨物質を必要に応じて吸引できる。広がりは、リーマ軸部断面から歯の前端における最大広がりまで、連続的に一定して延びており、０．２〜０．６ｍｍ、好ましくは０．４ｍｍとなっている。そのため、歯の前端におけるリーマ直径は、０．２〜０．６ｍｍ、好ましくは０．４ｍｍとなり、円筒状の軸部の直径を超える。

非常に好ましい面関節リーマは、歯を超えて軸方向に突出し且つ外周の一部、１４０〜１６０°の円弧または角度、好ましくは１５０°の円弧または角度にわたって延びるリップにより特徴付けられる。リップの軸方向高さは１〜３ｍｍの範囲であることが好ましい。

リップは、デバリングされており、そのエッジが丸みを帯びている。リップは、リーマが神経の近傍で使用されるときに神経を保護するために使用され、それにより、前記神経が切除プロセスにより傷つけられないようになっている。方向付けの目的のため、基端、すなわち、歯から離れたリーマの端部には、リップ位置に対応するマーキング、例えば高いリブが設けられている。

特に、このようなリップを有してリーマが構成される場合、前記リーマは、完全に回転されず、その代わり、振動する態様で往復回転され、それにより、歯が常に骨物質と係合するようになる。

本発明の更なる利点および特徴は、請求項および添付図面に関連する本発明の実施形態の以下の説明から推測することができる。

図面に沿っての詳細な説明

本発明に係る面関節リーマ１は、好ましくは長さが１８〜２５ｃｍの、図示の実施形態では約２１ｃｍの軸部１ａを有している。リーマ１の後端すなわち医師の方に向く基端２には、ハンドルが設けられ、あるいはハンドルに対して解放可能に締結するための締結装置が設けられており、前記締結装置は好ましくはプラスチックにより形成される。締結装置もハンドルも詳しく示されていない。

軸部の前端すなわち先端３には歯４が位置されている。図示の実施形態において、歯４は非対称構造を成している。図３における前端から見ると、軸Ａと平行な前側面５が反時計回りＧに方向付けられており、一方、後側面６は、面取りされており、軸Ａに対して３５〜４５°、好ましくは約４０°の傾斜角度を成している。作業時の回転方向においては、前側面５が使用可能な切削側面である。

特に図２および図３から分かるように、リーマ１の前端は、軸部１ａの直径と比べて幅が広げられている。つまり、図示の実施形態において、軸部は５．５ｍｍの直径を有し、リーマの先端は、歯４の近傍で５．９ｍｍの直径を有している。したがって、０．４ｍｍの広がりがある。この広がりは、約０．８ｍｍの範囲、あるいは、最大０．６ｍｍで０．０１ｍｍの公差をもって直径の２％の範囲にあることが好ましい。直径がＤ_１の軸部１ａは、直径がＤ_２の歯４の前端まで、高さＨすなわち２ｍｍを超えて延びており、それにより、広がり領域の高さＨは、約４ｍｍとなり、好ましくは最大で６ｍｍとなり得る。

広がりの結果、切除された骨物質は、リーマの内部に入り、したがって作業領域から抜け出し、結果として例えばリーマ内部を通じた吸引により患者の身体から除去することができる。

図４〜図６は、本発明のリーマの更に非常に好ましい構成を示している。同一の部分が存在する限りにおいては、同一の参照符号が使用される。前記共通の部分に関しては、図１〜３に関する説明を参照する。

図１〜図３のリーマとは異なり、図４〜図６のリーマ１は、軸部ジャケットの外周の一部または円弧にわたって軸方向に突出するリップ７を有している。図示の実施形態では、弓状の延在部が１５０°の角度にわたって延びており、歯の頂点を越えて向こう側へ延びるリップ７の高さは、リーマ直径とは無関係に、約２ｍｍである。リップは、デバリングされており、エッジが丸みを帯びている。したがって、神経の近傍で作業する際には、隣接する神経がリップ７により保護され、これにより、切除動作によって神経が傷つかないようになっている。

図７の構成において、リップ４の前端は、波状の歯を有するヤスリ７．１の形態を成している。したがって、加圧下での回転動作の場合に、骨膜などの軟組織部を除去することができ、その一方で、このようなヤスリ７．１によって更に硬い神経膜が傷つけられない。

方向付けの目的のため、リーマ１の基端２には、リップ７の位置に対応する、すなわち、リップ７と位置合わせされるマーキング８が設けられている。

本発明に係るリーマは、図８および図９に関連して以下に説明する態様で使用される。

例示された態様において、図８は、第４腰椎Ｌ４および第５腰椎Ｌ５と、これらの腰椎間にある椎間板３０とを示しており、椎間板３０は、脊柱管内への椎間板歯髄組織の突出部３４を伴って、脊柱の中心軸の直ぐ右側の線維輪３１に絞扼部３３を有している（図５）。

脊柱管１２の内部には神経構造１３，１４，１５が図式的に示されている。各腰椎Ｌ４，Ｌ５は、棘突起２０および左右の横突起２２と、左右の下関節形成突起２３および左右の上関節形成突起２４と、上下の腰椎Ｌ４，Ｌ５間にある面関節２６と称される左右の関節であって、上腰椎Ｌ４の下突起２３および下腰椎Ｌ５の上突起２４によりそれぞれ形成される左右の関節とを有している。

本発明に係るリーマは以下の方法で使用される。

最初に、約１．２５ｍｍの外径を有する中空の注射針またはプローブが絞扼部に隣接する位置へと押し進められる。その後、ガイドワイヤがルーメンに挿通される。このとき、ガイドワイヤは、その先端が中空プローブの端部を若干超えて突出するまで挿通される。その後、中空プローブが除去され、ガイドワイヤが所定の位置に残される。２．５ｍｍの外径を有するガイドロッド（ダイレータとしても構成される）が、当該ガイドロッド（外径２．５ｍｍ）の円錐端部が面関節２６に位置されるまで、ガイドワイヤ上にわたって押し進められる。その後、更に組織を拡張させるとともにリーマを案内するため、先端が円錐状を成すガイドスリーブ（外径３．８ｍｍ）がガイドロッド上にわたって係合される。ガイドロッドをガイドスリーブと共にこの位置で保持しつつ、内径４．２ｍｍ、外径５．０ｍｍとほぼ同じ小さな直径を有する本発明に係るリーマが、そのリーマ先端が面関節２６の表面と係合するまで、ガイドロッドおよびガイドスリーブ５２上にわたって押し進められる。

その後、医師は、自分に近いリーマ端部に設けられたハンドルを例えば手で、好ましくは振動させた状態で回転させ、それにより、腰椎Ｌ４の隆起２３中にチャンネルが形成される。このステップは、鉗子だけでなく内視鏡も挿通して案内できる十分大きなルーメンを有する作業カニューレを受け入れることができる適切なチャンネル径が得られるまで、大きな直径のリーマ、ガイドスリーブ、ガイドロッドを用いて繰り返される。その後、随意的に内視鏡の観察下で、鉗子を用いて絞扼部が除去される。

本発明のリーマの側面図である。 図１のリーマの先端すなわちヘッド端の拡大図である。 図２のリーマの先端の矢印IIIに沿う図である。 本発明のリーマの特に好ましい構成の側面図である。 図４のリーマの先端の拡大図である。 前記リーマの図４におけるＶＩに対応する正面図である。 ヤスリをかけて形成されたリップを有する本発明のリーマの前端の図である。 人間の脊柱の２つの隣接する腰椎の背面図である。 図７の２つの脊椎間にある脊柱椎間板の部分断面図である。

符号の説明

１…リーマ、１ａ…軸部、２…基端、３…先端、４…歯、５…前側面、６…後側面、７…リップ、７．１…ヤスリ、１２…脊柱管、１３，１４，１５…神経構造、２０…棘突起、２２…横突起、２３，２４…突起、２６…面関節、３０…椎間板、３１…線維輪、３３…絞扼部、３４…突出部、Ａ…軸、Ｄ_１，Ｄ_２…直径、Ｇ…反時計回り（＝回転方向）、Ｈ…高さ、Ｌ４，Ｌ５…腰椎。

Claims (10)

1. 軸部を有するとともにその先端に歯を有する面関節リーマであって、リーマの先端が軸部の直径に比べて広げられている面関節リーマ。
2. リーマの前端の広がりは、少なくとも歯の高さにわたって延びている、請求項１に記載のリーマ。
3. 広がりは、歯の高さのほぼ２倍にわたって延びている、請求項１に記載のリーマ。
4. 広がりは、リーマ直径から歯の頂点における最大広がり直径まで連続して一定している、請求項１に記載のリーマ。
5. 前端は、歯の頂点の近傍で２〜５ｍｍ広げられている、請求項１に記載のリーマ。
6. リーマの頂点での広がりは約０．４ｍｍである、請求項１に記載のリーマ。
7. リップが外周の一部にわたって延びており、このリップは歯を超えて軸方向に突出している、請求項１に記載のリーマ。
8. リップは、歯を１ｍｍ〜３ｍｍ超えて突出している、請求項７に記載のリーマ。
9. リップは、１４０〜１６０φ、好ましくは１５０φの円弧にわたって延びている、請求項７に記載のリーマ。
10. リップの少なくとも前端がヤスリとして構成されている、請求項７に記載のリーマ。

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