JP2007115281A - 投資額決定システムおよびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の構成ファンドで構成される合成ファンドのベンチマークとの乖離を最小化でき、かつ、現実的な資産配分を求めることができる投資額決定システムを提供する。
【解決手段】構成ファンド座標値算出処理手段24は、属性値記憶手段62およびベンチマーク記憶手段65に記憶された構成ファンドおよびベンチマークのスタイルウェイトを用いてスタイルマップ上での各構成ファンドの座標の値を算出する。投資額決定処理手段25は、投資単位額記憶手段64に記憶された複数の投資単位額の中から各構成ファンドへの投資単位額を選択し、選択した投資単位額を用いて重み付けを行って各構成ファンドの座標の値を加重平均することにより合成ファンドの座標の値を算出し、合成ファンドの座標の座標原点からの乖離が最小になる各構成ファンドへの投資単位額を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、合成ファンドを構成する複数の構成ファンドの各々への投資額を決定する投資額決定システムおよびプログラムに係り、例えば、投資信託商品や確定拠出年金向けの商品等としての各種のファンド・オブ・ファンズを構成するために選択されたファンドへの投資額の決定を行う場合等に利用できる。
近年、厚生年金基金(以下、年金スポンサという。)は、アクティブファンド全体(複数のアクティブファンドの組合せ)におけるスタイル分散を考慮した運用機関構成の構築(マネージャーストラクチャ)を行っている。つまり、複数のアクティブファンドを組み合わせてファンド・オブ・ファンズを運用するにあたり、投資スタイルがそれぞれ異なるアクティブファンドを運用する複数の運用機関の選定を行っている。ここで、アクティブファンドとは、インデックス(市場の平均)に連動させない運用(アクティブ運用)を行うファンドをいい、ベンチマーク(基準指標)となるインデックス以上の運用成果が求められるファンドである。また、スタイルとは、例えば、バリュー寄りの銘柄(割安銘柄)を主体とした運用形態、グロース寄りの銘柄(成長銘柄)を主体とした運用形態等のように、投資銘柄の性質や規模により分類されるファンドの運用形態である(例えば、非特許文献1参照)。
こうした動きは、年金スポンサが、アクティブ運用による超過収益(アクティブリターン)を享受するにあたり、その収益の源泉を運用機関によるスタイル・アロケーションに求めるのではなく、スタイルを維持したうえでの運用機関による銘柄選択効果に求めることを示すものである。
前者のスタイル・アロケーションの場合には、運用機関が、例えば、投資銘柄をバリュー寄りの銘柄(割安株)からグロース寄りの銘柄(成長株)に切り換える等の運用を行い、資産配分比率を適宜変更するので、アクティブファンドのスタイル自身が変化する。従って、ファンド・オブ・ファンズを運用するにあたり、このようなスタイル・アロケーションによりリターンを追求する運用を行うアクティブファンドを組み入れると、年金スポンサが管理できない、いわば意図せざるリスクを伴うことになる。
これに対し、後者のスタイルを維持したうえでの銘柄選択の場合には、運用機関が、例えば、バリュー(割安)ならバリュー、グロース(成長)ならグロースという具合に、スタイルを維持しつつ投資銘柄を選択するので、前者のスタイル・アロケーションの場合とは異なり、ファンド・オブ・ファンズを構成する複数のアクティブファンドのそれぞれのスタイル自身は変化しない。従って、このようなスタイルを維持する運用を行うアクティブファンドを組み合わせてファンド・オブ・ファンズを運用する場合には、年金スポンサは、異なるスタイルのアクティブファンドを運用する運用機関を選定してスタイルの分散化を図りつつ、超過収益の享受については各運用機関のアクティブ運用能力そのものに期待することになる。このため、前者のスタイル・アロケーションの場合に比べ、スタイル分散によりリスクが分散されるので、安定した運用が可能となる。
ところで、上記のようにスタイル分散を考慮した運用機関構成の構築を行うには、スタイルの分散化を図ることができる運用機関の選定手法(つまり、ファンド選択方法)が必要になる。
従来より、アクティブファンド全体における運用スタイルの分散化(ファンド・オブ・ファンズを構成する複数のアクティブファンドの各スタイルの分散化)は、例えば、ポートフォリオ全体のアクティブリスクを最小化すること等により実現されてきた。この考え方は、運用スタイルが互いに異なるファンドについては、これらの各ファンドの銘柄選定プロセスが異なるので、その結果、これらのファンド間のアクティブリターンの相関係数は互いに低くなるという思想に基づくものである。従って、アクティブリターンの相関最小化によるファンドの組合せ方法により、結果として運用スタイルの分散化が可能となる。
このようなアクティブリターンの相関最小化に基づく各ファンドに対する最適投資比率は、各ファンドに対する投資比率、各ファンドの想定する投資期間におけるアクティブリターンの期待値、ポートフォリオ(ファンド全体)のアクティブリターンの期待値、および想定する投資期間における各ファンド間のアクティブリターンの分散共分散行列を演算要素として用い、2次計画問題の最適解として与えられる。なお、このような問題の解決に用いられる最適化手法は、周知技術であり、多数の文献が発行され(例えば、非特許文献2参照)、本発明で用いる整数計画法についても、この非特許文献2の436頁〜443頁に記載されている。また、ソルバ(Solver)と称される最適化問題を解くためのソフトウェアも幾つか市販され(例えば、非特許文献3参照)、本発明で行われる整数計画法の実行処理も、これらの市販のソフトウェア、例えば、CPLEX(登録商標)等を用いて実現することが可能である。さらに、最適化手法を用いた処理を行うシステムとしては、例えば、整数計画を利用して資源割当てを最適化するシステムがある(特許文献1参照)。
一方、似通った性質の個体を分類するための伝統的な統計手法として、クラスタ分析がある。このクラスタ分析では、個体間の似通いの度合いを数量化し、性質が似通った個体を分類する。従って、複数のファンドを対象として所定期間(例えば、48ヶ月間等)の月次騰落率のアクティブリターンについてクラスタ分析を行うと、複数のファンドを、各ファンドのアクティブリターンが似通ったもの同士に分類することができる。
なお、クラスタ分析を行うシステムとしては、例えば、クラスタ分析を行ってトータルリターンに関するファンド間の相関係数を計算し、相関係数が高いファンドを集めてクラスタとして分類し、このクラスタをユニバースとして同一ユニバースに属するファンドのリスク調整後リターン値を求めることによりファンドの個別評価を行う投資信託のパフォーマンス評価装置がある(特許文献2参照)。
また、ファンドの属性を用いた処理を行うシステムとして、各ファンドの商品属性からカテゴリ分類を行い、商品カテゴリ毎に所定のベンチマーク(例えば、そのカテゴリ内のファンドの収益率の中央値または特定の指標)を用い、任意あるいは標準化された投資家のリスク拒否度により調整したリスク調整後リターン値を求めることによりファンドの運用成果の評価を行うとともに、これに基づき個々の投資家の基準に合った商品選定を行う投資信託商品の運用成果評価・選定装置がある(特許文献3参照)。
特表2002−542544号公報(段落[0007]、図1、要約) 特開平10−275177号公報(段落[0029]、図1、要約) 特開2002−32565号公報(段落[0029]、[0088]、図1、要約) 株式会社大和総研、"大和インデックス"、[online]、大和総研ホームページ、[平成15年7月20日検索]、インターネット<URL:http://www.dir.co.jp/dsi2/about/j100about.html> 伊理正夫、今野浩、刀根薫著、"最適化ハンドブック"、初版、朝倉書店、1995年10月10日、p.436−443 アイログ・インコーポレイティッド(ILOG,Inc.)、"アイログ シープレックス(ILOG CPLEX)"、[online]、アイログ(ILOG)ホームページ、[平成15年7月20日検索]、インターネット<URL:http://www.ilog.com/products/cplex/>
しかしながら、前述した従来からのアクティブリターンの相関最小化によるファンドの組合せ方法では、結果としてアクティブファンド全体における運用スタイルの分散化(ファンド・オブ・ファンズを構成する複数のアクティブファンドの各スタイルの分散化)は可能となるものの、アクティブファンド全体の運用スタイル(複数のアクティブファンドを組み合せて構成された合成ファンドであるファンド・オブ・ファンズの運用スタイル)が、ベンチマークの運用スタイルと同じとなる保証はない。このため、厳密な意味でのスタイル管理(合成ファンドの運用スタイルをベンチマークの運用スタイルに一致させる管理)を行う場合には、補完ファンド等を導入する必要がある。
また、アクティブリターンの相関最小化に基づく各ファンドに対する最適投資比率を、前述したように2次計画問題の最適解として求める場合には、次のような問題が生じる。すなわち、先ず、ポートフォリオ(ファンド全体)のアクティブリターンの期待値は、客観的に設定できないので、実務的には、この期待値を入力パラメータとして変化させ、繰り返し最適化計算を行い、変化させた期待値に対応する何通りもの結果を用意しておく必要が生じる。
次に、一般に、ファンドの投資には、下限値が設定されているので、相当多額の資金を投資しない限り、例えば全体の1%にも満たない資金の配分を考えることは現実的とは言えない。しかし、各ファンドへの資産配分を、連続変数の最適化により実現した場合には、最適化計算の結果として、上記のような現実的とは言えない資金配分結果が最適解として得られる可能性がある。例えば、あるファンドに対する資金配分が、僅かに0.3%となるような結果が最適解として得られる場合があるが、現実的には、投資信託に例えば100億円を投資するとき、3,000万円程度の資金を投資できるファンドは皆無に等しい。従って、実際の資産配分を行う際には、数値を適当に四捨五入して利用することになり、このため、実際に行われる資産配分は、最適化モデルにより提示される本来的な最適資産配分とは厳密な意味で一致しない。
なお、前述した特許文献1〜3に記載されたシステムは、いずれも以上に述べた各問題を解消するものではない。
本発明の目的は、複数の構成ファンドで構成される合成ファンドのベンチマークとの乖離を最小化でき、かつ、現実的な資産配分を求めることができる投資額決定システムおよびプログラムを提供するところにある。
本発明の第1の形態は、合成ファンドを構成する複数の構成ファンドの各々への投資額を決定する処理を実行するコンピュータで構成される投資額決定システムであって、構成ファンドへ投資する際の単位額となる複数の投資単位額を記憶する投資単位額記憶手段と、複数の構成ファンドの各々についてラージバリュー、ラージグロース、スモールバリュー、およびスモールグロースの4つの投資スタイルからなるファンドの属性に関する傾向の度合いを示す4つのスタイルウェイトを当該構成ファンドの属性の値として当該構成ファンドを識別するために付された番号に対応付けて記憶する属性値記憶手段と、合成ファンドのベンチマークのラージバリュー、ラージグロース、スモールバリュー、およびスモールグロースに関する4つのスタイルウェイトを記憶するベンチマーク記憶手段と、属性値記憶手段に構成ファンドを識別するために付された番号に対応付けて記憶された構成ファンドの4つのスタイルウェイト、およびベンチマーク記憶手段に記憶されたベンチマークの4つのスタイルウェイトを用いて、構成ファンドの各々について当該構成ファンドのラージバリューおよびスモールバリューに関するスタイルウェイト並びにベンチマークのラージグロースおよびスモールグロースに関するスタイルウェイトを加算した値に対して当該構成ファンドのラージグロースおよびスモールグロースに関するスタイルウェイト並びにベンチマークのラージバリューおよびスモールバリューに関するスタイルウェイトを減算した値からなるグロース・バリュー軸に関する座標の値を算出するとともに、当該構成ファンドのラージバリューおよびラージグロースに関するスタイルウェイト並びにベンチマークのスモールバリューおよびスモールグロースに関するスタイルウェイトを加算した値に対して当該構成ファンドのスモールバリューおよびスモールグロースに関するスタイルウェイト並びにベンチマークのラージバリューおよびラージグロースに関するスタイルウェイトを減算した値からなるラージ・スモール軸に関する座標の値を算出することにより、ベンチマークのスタイルウェイトを座標原点とするスタイルマップ上での複数の構成ファンドの各座標の値を算出する処理を実行する構成ファンド座標値算出処理手段と、この構成ファンド座標値算出処理手段により算出された複数の構成ファンドの各座標の値を、構成ファンドを識別するために付された番号に対応付けて記憶する構成ファンド座標値記憶手段と、投資単位額記憶手段に記憶された複数の投資単位額の中から複数の構成ファンドへの各投資額となる投資単位額を選択し、これらの選択した投資単位額を用いて重み付けを行って構成ファンド座標値記憶手段に記憶されたスタイルマップ上での複数の構成ファンドの各座標の値を加重平均することにより合成ファンドの座標の値を算出し、合成ファンドの座標の座標原点からの乖離が最小になる複数の構成ファンドの投資単位額を求めることにより複数の構成ファンドの各々への投資額を決定する処理を実行する投資額決定処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
ここで、「スタイルウェイト」とは、各ファンドがラージバリュー、ラージグロース、スモールバリュー、およびスモールグロースの各スタイルに寄っている度合いを示す数値であり、一定期間(例えば、36ヶ月間等)における各ファンドの騰落率を用いて算出される数値である。
また、「投資単位額記憶手段」に記憶される「複数の投資単位額」は、システム上で予め定められている額であってもよく、あるいはシステムのユーザにより入力指定または選択指定された額であってもよい。
さらに、「複数の構成ファンド」は、所定のファンド選択システムにより選択されたファンドの組合せ(例えば、各ファンド間のユークリッド距離の合計値が最大になるような互いに似通っていない属性を有するファンドの組合せ)でもよく、上記のファンド選択システムによる選択とは無関係に本システムのユーザ(例えば、ファンド・オブ・ファンズの運用機関)が主観的に選択したファンドの組合せでもよい。
このような本発明の投資額決定システムにおいては、各構成ファンドへの投資額は、複数の投資単位額の中から選択されるので、従来からのアクティブリターンの相関最小化によるファンドの組合せ方法の場合のように現実的ではない少額の投資額(例えば、全体の0.3%の額等)が算出されるという不都合は解消される。従って、算出された投資額を四捨五入するという事態も回避されるので、算出された最適解としての投資額と、実際の投資額とを一致させることが可能となる。
また、従来のアクティブリターンの相関最小化によるファンドの組合せ方法では、結果として各構成ファンドの運用スタイルの分散化を実現することは可能であるが、合成ファンドの運用スタイルとベンチマークの運用スタイルとが同じとなる保証はなかった。これに対し、本発明では、投資額決定処理手段により、合成ファンドのベンチマークからの乖離が最小になるように投資額の決定処理を行うことが可能となるので、合成ファンドのスタイルの中立化を実現することが可能となるうえ、従来のようにスタイル管理を行うために補完ファンド等を導入する必要性もなくなり、これらにより前記目的が達成される。
さらに、前述した投資額決定システムにおいて、以下のように、投資額決定処理手段を、整数計画法または混合整数計画法により合成ファンドの座標の座標原点からの乖離が最小になる投資単位額の選択状態を示す変数の値を求める構成とした場合には、合成ファンドの座標の座標原点からの乖離が最小になる投資単位額の選択形態を求める処理を迅速に行うことが可能となり、処理時間の短縮が図られる。
すなわち、前述した投資額決定システムにおいて、構成ファンドの個数をM個とし、投資単位額の個数をB個としたとき、投資額決定処理手段は、投資単位額記憶手段に記憶された複数の投資単位額の中からの複数の構成ファンドの各々に対する投資単位額の選択状態を示す変数を用いて、下記の式(C−1)により時点t=Tでの合成ファンドの座標(XT,YT)の値を算出し、整数計画法により、下記の式(C−2)または下記の式(C−3)により示される合成ファンドの座標の座標原点からの乖離が、下記の式(C−4)、式(C−5)、および式(C−6)で示される条件下で、最小になる複数の構成ファンドの投資単位額Uhの選択状態を示す変数の値を求める構成とすることが望ましい。
Figure 2007115281
ここで、fは、構成ファンドを識別するために付された番号を示す自然数で、f=1〜Mであり、hは、投資単位額を識別するために付された番号を示す自然数で、h=1〜Bである。また、(XT,YT)は、時点t=Tにおけるスタイルマップ上での合成ファンドの座標であり、XTは、グロース・バリュー軸に関する座標の値で、YTは、ラージ・スモール軸に関する座標の値である。Xf TおよびYf Tは、時点t=Tにおけるスタイルマップ上での構成ファンドfのグロース・バリュー軸およびラージ・スモール軸に関する座標の値である。Qは、総投資額であり、Zf,hは、構成ファンドfに対する投資単位額Uhの選択状態を示す0−1変数であり、構成ファンドfに対して投資単位額Uhを選択する場合には1とし、投資単位額Uhを選択しない場合には0とする。
Figure 2007115281
Figure 2007115281
Figure 2007115281
Figure 2007115281
Figure 2007115281
ここで、Zf,h∈{0,1}である。
また、前述した投資額決定システムにおいて、構成ファンドの個数をM個とし、投資単位額の個数をB個としたとき、投資額決定処理手段は、投資単位額記憶手段に記憶された複数の投資単位額の中からの複数の構成ファンドの各々に対する投資単位額の選択状態を示す変数を用いて、下記の式(C−7)により時点t=Tでの合成ファンドの座標(XT,YT)の値を算出し、混合整数計画法により、合成ファンドの座標の座標原点からの乖離を最小化するために用いられる下記の式(C−8)で示される量が、下記の式(C−9)、式(C−10)、式(C−11)、式(C−12)、および式(C−13)で示される条件下で、最小になる複数の構成ファンドの投資単位額Uhの選択状態を示す変数の値を求める構成としてもよい。
Figure 2007115281
ここで、fは、構成ファンドを識別するために付された番号を示す自然数で、f=1〜Mであり、hは、投資単位額を識別するために付された番号を示す自然数で、h=1〜Bである。また、(XT,YT)は、時点t=Tにおけるスタイルマップ上での合成ファンドの座標であり、XTは、グロース・バリュー軸に関する座標の値で、YTは、ラージ・スモール軸に関する座標の値である。Xf TおよびYf Tは、時点t=Tにおけるスタイルマップ上での前記構成ファンドfのグロース・バリュー軸およびラージ・スモール軸に関する座標の値である。Qは、総投資額であり、Zf,hは、構成ファンドfに対する投資単位額Uhの選択状態を示す0−1変数であり、構成ファンドfに対して投資単位額Uhを選択する場合には1とし、投資単位額Uhを選択しない場合には0とする。
α1+β1+α2+β2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(C−8)
Figure 2007115281
Figure 2007115281
Figure 2007115281
Figure 2007115281
Figure 2007115281
ここで、Zf,h∈{0,1}である。また、α1,β1,α2,β2は、連続変数で、α1≧0,β1≧0,α2≧0,β2≧0である。
また、以上に述べた投資額決定システムにおいて、画面表示を行う表示手段と、スタイル分析結果表示処理手段とを備え、ベンチマーク記憶手段には、時点t=1から時点t=Tまでの期間の各時点でのベンチマークの4つのスタイルウェイトが記憶され、属性値記憶手段には、時点t=1から時点t=Tまでの期間の各時点での構成ファンドの4つのスタイルウェイトが記憶され、構成ファンド座標値算出処理手段は、時点t=1から時点t=Tまでの期間の各時点での構成ファンドの4つのスタイルウェイト、および時点t=1から時点t=Tまでの期間の各時点でのベンチマークの4つのスタイルウェイトを用いて、時点t=1から時点t=Tまでの期間の各時点でのベンチマークのスタイルウェイトを座標原点とする時点t=1から時点t=Tまでの期間の各時点でのスタイルマップ上での複数の構成ファンドの各座標の値を算出する構成とされ、投資額決定処理手段は、時点t=1から時点t=Tまでの期間の各時点での合成ファンドの座標の値を算出する構成とされ、スタイル分析結果表示処理手段は、表示手段の画面上において時点t=1から時点t=Tまでの期間の各時点でのスタイルマップ上での合成ファンドおよび複数の構成ファンドの各座標位置にこれらのファンドを示すマークを表示するとともに、画面上における合成ファンドの異なる時点のマークおよび同一の構成ファンドの異なる時点のマークについて、時点t=Tのマークを最も大きく、かつ、時点t=Tに近い時点のマークである程大きく表示し、マーク同士に重なりが生じる場合には、時点t=Tのマークを最も上側に、かつ、時点t=Tに近い時点のマークである程上側に表示する構成とすることが望ましい。
このように表示手段およびスタイル分析結果表示処理手段を設けた構成とした場合には、合成ファンドについてのベンチマークからの乖離状況、および選択された各構成ファンドのスタイル分散状況をイメージ的に容易に把握することが可能となる。また、このように過去の時点での各構成ファンドの座標位置にも、これらのファンドを示すマークを表示する構成とした場合には、直近の時点と合わせて過去の時点での各構成ファンドのスタイルも把握することが可能となるので、各構成ファンドのスタイルの変動状況をイメージ的に容易に把握することが可能となる。
そして、以上に述べた投資額決定システムにおいて、投資額決定処理手段により決定された複数の構成ファンドへの各投資額および複数の構成ファンドの各パフォーマンス・データに基づき算出される前記合成ファンドのパフォーマンスを示す第1のパフォーマンス・データを生成する処理を実行する生成処理手段と、この生成処理手段により生成された第1のパフォーマンス・データを記憶する第1のパフォーマンス・データ記憶手段と、ベンチマークのパフォーマンスを示す第2のパフォーマンス・データを記憶する第2のパフォーマンス・データ記憶手段と、第1および第2のパフォーマンス・データ記憶手段に記憶された第1および第2のパフォーマンス・データを対比させてこの対比結果について表示手段への画面表示処理および/または出力手段への出力処理を実行するパフォーマンス対比結果呈示処理手段とを備えた構成とすることが望ましい。
ここで、「複数の構成ファンドの各パフォーマンス・データ」には、既に算出されている各構成ファンドのパフォーマンス・データ、および各構成ファンドのパフォーマンスを算出するためのパフォーマンス算出用データが含まれる。
このように合成ファンドとベンチマークとのパフォーマンス対比を行う構成とした場合には、複数の構成ファンドの各座標値を投資額で加重平均した加重平均座標が座標原点(ベンチマーク)に最も近くなるように構成された合成ファンドのパフォーマンスと、ベンチマークのパフォーマンスとを、対比しながら把握することが可能となり、これらの差異の有無を確認することが可能となる。例えば、合成ファンド組成前の過去の一定期間、あるいは合成ファンド組成後の一定期間の両パフォーマンス・データを、表示手段への画面表示または出力手段での出力(印字、印線等)により同一グラフ(例えば、折れ線グラフや棒グラフ等)上に呈示することにより、合成ファンドおよびベンチマークのパフォーマンス推移をグラフ上に判り易く表示または出力することが可能となるうえ、それらのパフォーマンスの差異の有無を容易に確認することが可能となる。また、数値のみの対比であってもよい。
なお、合成ファンドのパフォーマンスを算出する際には、例えば、各構成ファンドのパフォーマンス・データ(既に算出されている各構成ファンドのパフォーマンス・データでもよく、各構成ファンドのパフォーマンスを算出するためのパフォーマンス算出用データ(例えば、各構成ファンドの運用実績データ、基準価額データ、時価総額データ等)でもよい。)を第3のパフォーマンス・データ記憶手段に記憶しておき、生成処理手段は、この第3のパフォーマンス・データ記憶手段に記憶されたパフォーマンス・データ(既に算出されているパフォーマンス・データでもよく、パフォーマンス算出用データでもよい。)と、各構成ファンドへの投資額とから、合成ファンドのパフォーマンスを示す第1のパフォーマンス・データを生成する構成としてもよい。
また、以上に述べた投資額決定システムにおいて、複数の構成ファンドの騰落率を記憶する騰落率記憶手段と、この騰落率記憶手段に記憶された複数の構成ファンドの騰落率に基づいて複数の構成ファンドの各々についてラージバリュー、ラージグロース、スモールバリュー、およびスモールグロースの4つの投資スタイルのスタイル分析を行うことにより複数の構成ファンドの各々についての4つの投資スタイルの傾向の度合いを示すスタイルウェイトを算出し、算出した複数の構成ファンドの各々についての4つの投資スタイルのスタイルウェイトを当該構成ファンドの属性の値として当該構成ファンドを識別するために付された番号に対応付けて属性値記憶手段に記憶させる処理を実行する属性値算出処理手段とを備えた構成としてもよい。
さらに、本発明の第2の形態は、以上に述べた投資額決定システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラムである。
なお、上記のプログラムまたはその一部は、例えば、光磁気ディスク(MO)、コンパクトディスク(CD)を利用した読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)を利用した読出し専用メモリ(DVD−ROM)、DVDを利用したランダム・アクセス・メモリ(DVD−RAM)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等の記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能であるとともに、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等の有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に載せて搬送することも可能である。さらに、上記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
以上に述べたように本発明によれば、合成ファンドを構成する各構成ファンドへの投資額を複数の投資単位額の中から選択するので、現実的な資産配分を求めることができるうえ、合成ファンドのベンチマークからの乖離が最小になるように投資額の決定処理を行うので、合成ファンドのスタイルの中立化を実現することができるという効果がある。
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本発明の投資額決定システムを含む本実施形態のファンド・オブ・ファンズ運用支援システム10の全体構成が示されている。図2には、ファンド・オブ・ファンズ運用支援システム10による処理の流れがフローチャートで示されている。また、図3は、ファンド組合せ決定処理手段23により選択された各構成ファンドおよび合成ファンドのスタイル推移の説明図である。図4は、パフォーマンス対比結果呈示処理手段28により画面表示および/または出力されるパフォーマンス比較画面80の例示図である。
ファンド・オブ・ファンズ運用支援システム10は、複数の選択対象ファンドの中から、合成ファンド(ファンド・オブ・ファンズ)を構成する複数の構成ファンドを選択する処理、選択した各構成ファンドへの投資額を決定する処理、並びに合成ファンドおよび複数の構成ファンドの各スタイル分析結果を表示する処理を行うシステムである。
図1において、ファンド・オブ・ファンズ運用支援システム10は、一台または複数台のコンピュータにより構成され、ファンド・オブ・ファンズの運用を支援するために必要な各種の処理を行う処理手段20と、この処理手段20による処理で必要となる情報を入力する入力手段30と、処理手段20による処理結果の画面表示を行う表示手段40と、処理手段20による処理結果の印字等の出力を行う出力手段50とを備えている。
また、ファンド・オブ・ファンズ運用支援システム10は、処理手段20にそれぞれ接続された月次騰落率記憶手段61と、属性値記憶手段62と、ファンド間距離記憶手段63と、投資単位額記憶手段64と、ベンチマーク記憶手段65と、構成ファンド座標値記憶手段66と、第1のパフォーマンス・データ記憶手段67と、第2のパフォーマンス・データ記憶手段68と、第3のパフォーマンス・データ記憶手段69とを備えている。
処理手段20は、属性値算出処理手段21と、ファンド間距離算出処理手段22と、ファンド組合せ決定処理手段23と、構成ファンド座標値算出処理手段24と、投資額決定処理手段25と、スタイル分析結果表示処理手段26と、生成処理手段27と、パフォーマンス対比結果呈示処理手段28とを含んで構成されている。
属性値算出処理手段21は、月次騰落率記憶手段61に記憶された一定期間(例えば、36ヶ月間等)における各選択対象ファンドの月次騰落率を用いて、各選択対象ファンドの属性値を算出する処理を行うものである。本実施形態では、各選択対象ファンドのそれぞれについて、4つの属性値としてラージバリュー(LV:大型割安)、ラージグロース(LG:大型成長)、スモールバリュー(SV:小型割安)、およびスモールグロース(SG:小型成長)に関する各スタイルウェイトをスタイル分析により算出する。
また、属性値算出処理手段21は、t=1〜Tの各時点(例えば一定間隔(一例として1ヶ月毎)の時点とし、一例として13時点)での上記4つのスタイルウェイトを各選択対象ファンド毎に算出する。この際、t=1〜Tの各時点から遡った一定期間(例えば、36ヶ月間等)における各選択対象ファンドの月次騰落率を用いる。例えば、時点t=T(直近の時点)が2001年3月の場合には、1998年4月〜2001年3月の36ヶ月分の月次騰落率を用い、時点t=1(過去の時点)が2000年3月の場合には、1997年4月〜2000年3月の36ヶ月分の月次騰落率を用いる。そして、属性値算出処理手段21は、算出した各選択対象ファンドの属性値を属性値記憶手段62に記憶させる。
ファンド間距離算出処理手段22は、属性値記憶手段62に記憶された属性の値(本実施形態では、4つのスタイルウェイト)を用いて、後述する式(1)、および式(2)若しくは式(3)により、あるいは後述する式(4)により、選択対象ファンド間のユークリッド距離を全ての選択対象ファンド間について算出する処理を行うものである。つまり、全ての選択対象ファンドについて総当りで二つの選択対象ファンド同士の間のユークリッド距離を算出する。そして、ファンド間距離算出処理手段22は、算出した各ユークリッド距離をファンド間距離記憶手段63に記憶させる。
ファンド組合せ決定処理手段23は、ファンド間距離記憶手段63に行列形式またはこれに順ずる配列形式で記憶されたユークリッド距離を用いて、後述する式(8)(後述する式(6)でもよいが、処理の簡易化の観点から式(8)が好ましい。)で示される選択対象ファンドの組合せ(合成ファンドを構成する構成ファンドの個数と同数の選択対象ファンドの集合)内でのユークリッド距離の合計値が、最大になる選択対象ファンドの組合せを求めることにより、構成ファンドを選択する処理を行うものである。つまり、ユークリッド距離の合計値が最大になる選択対象ファンドの組合せを求め、この求めた組合せに属する各ファンドを、それぞれ構成ファンドとして選択する。このファンド組合せ決定処理手段23は、ソルバ(Solver)と称される最適化問題を解くための市販のソフトウェア(例えば、CPLEX(登録商標)等、非特許文献3参照)を用いて実現してもよく、独自に作成してもよい。なお、ファンド組合せ決定処理手段23による最適化問題を解くための演算処理のアルゴリズムは、公知技術であり、既存の文献(非特許文献2等参照)に詳述されているので、ここでは記載を省略する。
構成ファンド座標値算出処理手段24は、属性値記憶手段62に記憶された構成ファンドの4つのスタイルウェイト、およびベンチマーク記憶手段65に記憶されたベンチマークの4つのスタイルウェイトを用いて、後述する式(12)および式(13)により、ベンチマークを座標原点とするスタイルマップ(図3参照)上での複数の構成ファンドの各座標値を算出する処理を行うものである。換言すれば、4次元の属性値を2次元のスタイルマップ上の座標値に変換する処理を行うものである。この際、構成ファンド座標値算出処理手段24は、t=1〜Tの各時点(例えば13時点等)での複数の構成ファンドの各座標値を算出する。すなわち、t=1,2,…,Tの各時点について、時点tでの各構成ファンドの4つのスタイルウェイト、および時点tでのベンチマークの4つのスタイルウェイトを用いて、時点tでのベンチマークを座標原点とする時点tでのスタイルマップ上での複数の構成ファンドfの各座標(Xf t,Yf t)の値を算出する。そして、構成ファンド座標値算出処理手段24は、算出した複数の構成ファンドの各座標値を構成ファンド座標値記憶手段66に記憶させる。なお、時点t=T以外の各時点(過去の時点)での各座標値は、図3のスタイル推移の表示を行うために算出される。
投資額決定処理手段25は、投資単位額記憶手段64に記憶された複数の投資単位額の中から、複数の構成ファンドへの各投資額となる投資単位額を選択し、後述する式(14)により、これらの選択した投資単位額を用いて重み付けを行って構成ファンド座標値記憶手段66に記憶されたスタイルマップ(図3参照)上での複数の構成ファンドの各座標値を加重平均することにより合成ファンドの座標値を算出する過程で、合成ファンドの座標の座標原点(ベンチマーク)からの乖離が最小になる投資単位額の選択形態を求めることにより、複数の構成ファンドの各々への投資額を決定する処理を行うものである。この投資額決定処理手段25は、ファンド組合せ決定処理手段23の場合と同様に、ソルバ(Solver)と称される最適化問題を解くための市販のソフトウェア(例えば、CPLEX(登録商標)等、非特許文献3参照)を用いて実現してもよく、独自に作成してもよい。なお、投資額決定処理手段25による最適化問題を解くための演算処理のアルゴリズムは、公知技術であり、既存の文献(非特許文献2等参照)に詳述されているので、ここでは記載を省略する。また、投資額決定処理手段25は、ファンド組合せ決定処理手段23により選択された複数の構成ファンドへの各投資額を決定するだけではなく、システムのユーザが主観的に選択した複数の構成ファンドへの各投資額を決定することもできる。
また、投資額決定処理手段25は、決定した各構成ファンドへの投資額を用い、t=1〜Tの各時点での合成ファンドの座標(Xt,Yt)の値を算出する。なお、時点t=T(直近の時点)の座標(XT,YT)以外の座標(Xt,Yt)の値は、図3のスタイル推移の表示を行うために算出される。
スタイル分析結果表示処理手段26は、表示手段40の画面上にベンチマークを基準として合成ファンドおよび複数の構成ファンドの各スタイル分析結果を表示する処理を行うものである。このスタイル分析結果表示処理手段26は、t=1〜Tの各時点(例えば13時点等)でのスタイルマップ(図3参照)上での合成ファンドおよび複数の構成ファンドの各座標位置に、これらのファンドを示すマークを表示する。この際、合成ファンドの異なる時点のマークおよび同一の構成ファンドの異なる時点のマークについて、時点t=Tのマークを最も大きく表示し、かつ、時点t=Tに近い時点のマークである程大きく表示する。また、マーク同士に重なりが生じる場合には、時点t=Tのマークを最も上側に表示し、かつ、時点t=Tに近い時点のマークである程上側に表示する。
生成処理手段27は、投資額決定処理手段25により決定された複数の構成ファンドへの各投資額および複数の構成ファンドの各パフォーマンス・データ(既に算出されている各構成ファンドのパフォーマンス・データでもよく、各構成ファンドのパフォーマンスを算出するためのパフォーマンス算出用データでもよい。)に基づき算出される合成ファンドのパフォーマンスを示す第1のパフォーマンス・データを生成する処理を行うものである。この生成処理手段27は、第3のパフォーマンス・データ記憶手段69から各構成ファンドのパフォーマンス・データを選択し、選択したパフォーマンス・データ(既に算出されているパフォーマンス・データでもよく、パフォーマンス算出用データでもよい。)と、投資額決定処理手段25から引き渡された各構成ファンドへの投資額とから、合成ファンドのパフォーマンスを算出する。
パフォーマンス対比結果呈示処理手段28は、第1および第2のパフォーマンス・データ記憶手段67,68に記憶された第1および第2のパフォーマンス・データを対比させてこの対比結果について表示手段40への画面表示処理および/または出力手段50への出力処理(印字や印線等の処理)を行うものである。このパフォーマンス対比結果呈示処理手段28は、合成ファンド組成前の過去の一定期間(例えば1年間等)のパフォーマンス・データ、並びに/あるいは合成ファンド組成後の一定期間(例えば1年間等)のパフォーマンス・データを、表示手段40への画面表示または出力手段50での出力(印字、印線等)により、同一グラフ(例えば、折れ線グラフや棒グラフ等)上に呈示する(図4参照)。
月次騰落率記憶手段61は、各選択対象ファンドの月次騰落率(リターン)を記憶するものである。これらの月次騰落率は、各選択対象ファンドの運用機関から提供されるデータである。
属性値記憶手段62は、複数(例えば40個)の選択対象ファンドの各々についての属性値を記憶するものである。本実施形態では、各選択対象ファンドの属性値として、t=1〜Tの各時点(例えば13時点等)での4つのスタイルウェイト、すなわちラージバリューに関するスタイルウェイト、ラージグロースに関するスタイルウェイト、スモールバリューに関するスタイルウェイト、およびスモールグロースに関するスタイルウェイトを記憶している。なお、複数の選択対象ファンドには、様々な属性を有するファンド(様々な投資スタイルで運用されるファンド)が用意されていることが好ましい。また、複数の選択対象ファンドには、アクティブファンドのみならず、パッシブ運用を行うインデックスファンドが含まれていてもよい。
ファンド間距離記憶手段63は、ファンド間距離算出処理手段22により算出されたユークリッド距離を、後述する式(5)で示されるファンド間距離行列を再現できる形式、すなわち複数の選択対象ファンドの並び順を行および列とする行列形式またはこれに順ずる配列形式で記憶するものである。本実施形態では、例えばMPS形式等で記憶するものとする。従って、ユークリッド距離は、ファンド組合せ決定処理手段23による処理において、各次元の並び順が複数の選択対象ファンドの並び順に対応した2次元の配列として取り扱うことができる。
投資単位額記憶手段64は、各構成ファンドへ投資する際の単位額となる複数の投資単位額を記憶するものである。これらの投資単位額は、ファンドへ投資できる額の下限値として設定されている額等を考慮して定められる。例えば、投資単位額U1=10億円、U2=20億円、U3=25億円、U4=30億円、U5=50億円、U6=100億円等である。
ベンチマーク記憶手段65は、ベンチマークのラージバリュー、ラージグロース、スモールバリュー、およびスモールグロースに関する4つのスタイルウェイトを記憶するものである。また、ベンチマーク記憶手段65には、t=1〜Tの各時点でのベンチマークの4つのスタイルウェイトが記憶されている。これらのベンチマークの各値は、公開されているデータであり、本実施形態では、ベンチマークとして、例えば大和証券グループ(登録商標)の提供するDSI−2総合(非特許文献1参照)等を用いるものとする。
構成ファンド座標値記憶手段66は、構成ファンド座標値算出処理手段24により算出された複数の構成ファンドの各座標値を記憶するものである。
第1のパフォーマンス・データ記憶手段67は、生成処理手段27により生成された第1のパフォーマンス・データ(合成ファンドのパフォーマンス・データ)を記憶するものである。
第2のパフォーマンス・データ記憶手段68は、ベンチマークのパフォーマンスを示す第2のパフォーマンス・データを記憶するものである。
第3のパフォーマンス・データ記憶手段69は、各選択対象ファンドのパフォーマンスを示す第3のパフォーマンス・データを記憶するものである。この第3のパフォーマンス・データ記憶手段69に記憶させるパフォーマンス・データは、既に算出されている各選択対象ファンドのパフォーマンス・データでもよく、各選択対象ファンドのパフォーマンスを算出するためのパフォーマンス算出用データ(例えば、各選択対象ファンドの運用実績データ、基準価額データ、時価総額データ等)でもよい。
入力手段30としては、例えば、マウスやキーボード等を採用することができる。
表示手段40としては、例えば、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等を採用することができる。
出力手段50としては、例えば、プリンタやプロッタ等を採用することができる。
そして、以上において、処理手段20に含まれる各処理手段21〜28は、システム10を構成するコンピュータ本体(パーソナル・コンピュータのみならず、その上位機種のものも含む。)の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する一つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、処理手段20は、一台のコンピュータあるいは一つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータ等で分散処理(各処理手段21〜28の処理内容毎に分散する機能的な分散処理、および並列処理を行って処理速度を向上させるための分散処理を含む。)を行うことにより実現されるものでもよい。
さらに、各記憶手段61〜69としては、例えば、ハードディスク、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用することができる。
このような本実施形態においては、以下のようにしてファンド・オブ・ファンズ運用支援システム10により、構成ファンドの選択処理、投資額の決定処理、およびスタイル分析結果の表示処理等の各種処理が行われる。
図2において、先ず、ユーザ(年金スポンサ等のファンド・オブ・ファンズの運用者)は、システム10の電源を投入してプログラムを立ち上げ、システム10による処理を開始する(ステップS1)。
次に、ユーザは、入力手段30を用い、ファンド・オブ・ファンズ(合成ファンド)を構成する構成ファンドの個数を入力指定または選択指定するとともに、ファンド・オブ・ファンズの総投資額を入力する(ステップS2)。ここでは、構成ファンドの個数をM=5個とし、総投資額をQ=100億円として説明を行うものとする。なお、構成ファンドの個数Mは、ユーザが任意に設定することができるが、システム上で予め設定された個数でもよい。
続いて、属性値算出処理手段21により、各選択対象ファンドの属性値として、ラージバリュー、ラージグロース、スモールバリュー、およびスモールグロースに関する各スタイルウェイトを算出する処理を行う(ステップS3)。この際、属性値算出処理手段21は、月次騰落率記憶手段61に記憶された一定期間(例えば、36ヶ月間等)における各選択対象ファンドの月次騰落率を用いて、t=1〜Tの各時点(例えば13時点)での各選択対象ファンドの4つのスタイルウェイトを算出する。そして、属性値算出処理手段21は、算出した各選択対象ファンドの4つのスタイルウェイトを属性値記憶手段62に記憶させる(ステップS3)。ここでは、選択対象ファンドの個数をN=40個として説明を行うものとする。
それから、ファンド間距離算出処理手段22により、属性値記憶手段62に記憶された4つのスタイルウェイトを用いて、選択対象ファンド間のユークリッド距離を全ての選択対象ファンド間について算出する処理を行う(ステップS4)。この際、ファンド間距離算出処理手段22は、先ず、次の式(1)により、t=1〜Tの各時点における選択対象ファンドiと選択対象ファンドjとのユークリッド距離di,j tを算出する。なお、Tは、直近の時点を示す番号(自然数)であり、例えば、T=13とし、各時点を各月であるものとすると、直近の時点(月)t=Tから過去1年間の各時点(各月)におけるユークリッド距離を算出することになる。
Figure 2007115281
ここで、i,jは、選択対象ファンドに付された番号を示す自然数で、i=1〜N、j=1〜Nであり、ξi,k tは、時点tにおける選択対象ファンドiのk番目の属性値であり、ξj,k tは、時点tにおける選択対象ファンドjのk番目の属性値であり、kは、属性に付された番号を示す自然数で、k=1〜Aである。本実施形態では、スタイル分析を行うため、ラージバリュー、ラージグロース、スモールバリュー、およびスモールグロースの4つの属性を用いる。従って、属性の個数は、A=4個である。
さらに、ファンド間距離算出処理手段22は、次の式(2)若しくは式(3)により、t=1〜Tの各時点におけるユークリッド距離di,j tの合計値若しくは平均値を算出し、これらの合計値若しくは平均値(またはこれらに比例する値でもよい。)を選択対象ファンドiと選択対象ファンドjとのユークリッド距離di,jとする。
Figure 2007115281
Figure 2007115281
また、以上のように式(1)〜式(3)を用いてt=1〜Tの各時点での値di,j tの合計値や平均値としてユークリッド距離di,jを定めるのではなく、次の式(4)により、直近の時点t=Tの値di,j Tのみでユークリッド距離di,jを定めてもよい。この場合には、一時点の値di,j T(但し、一時点の値といっても、例えば36ヶ月間等の一定期間の月次騰落率のデータに基づいている。)のみを用いるので、式(1)〜式(3)を用いる場合に比べ、各ファンドのスタイルの変動は加味されない。
Figure 2007115281
そして、ファンド間距離算出処理手段22は、算出した各ユークリッド距離をファンド間距離記憶手段63に記憶させる(ステップS4)。この際、ファンド間距離記憶手段63には、次の式(5)で示されるファンド間距離行列Di,jに対応する形式(演算処理上、このファンド間距離行列Di,jを再現できる形式)で、全ての選択対象ファンド間のユークリッド距離di,jを記憶させる。
Figure 2007115281
ここで、ファンド間距離行列Di,jは、選択対象ファンドiと選択対象ファンドjとのユークリッド距離di,jを(i,j)要素とするN次正方行列である。同一ファンド間のユークリッド距離は0(ゼロ)であるから、上記の式(5)のファンド間距離行列Di,jの対角要素は、0(ゼロ)となる。また、di,j=dj,iである対称行列となることは自明である。
ところで、前述したクラスタ分析は、似通った性質の個体を分類するための伝統的な手法であり、このクラスタ分析では、個体間の似通いの度合いを数量化し、性質が似通った個体を分類する。これに対し、本実施形態では、属性の似通っていないファンドを組み合わせるために、各ファンドの属性値を用いて算出されるファンド間のユークリッド距離を最大化することを基本的な思想とする。従って、N=40個の選択対象ファンドの中から、最も属性の異なるM=5個のファンドを組み合わせる問題を考える。
先ず、変数ζi∈{0,1}を考える。変数ζiは、選択対象ファンドの選択状態を示す0−1変数であり、選択対象ファンドiを選択する場合には1とし、選択しない場合には0とする。そして、N=40個の選択対象ファンドの中から、最も属性の異なるM=5個のファンドを組み合わせる問題は、選択対象ファンドiと選択対象ファンドjとのユークリッド距離di,jの合計値が最大となるようなM個のファンドの組合せを考えればよい。すなわち、N個の選択対象ファンドの中から、最も属性の異なるM個のファンドを組み合わせる最適化問題は、次の式(6)の値を、次の式(7)の条件化で、最大化する最適化問題(0−1整数2次計画問題(IQP))として記述することができる。
Figure 2007115281
Figure 2007115281
ここで、ζi∈{0,1}、i=1,2,…,Nである。
従って、ファンド組合せ決定処理手段23は、上記の最大化する対象を示す式(6)および条件式(7)を用いて、0−1変数の整数2次計画問題を解く構成としてもよい。現在、0−1整数2次計画問題を扱える市販のソルバとしては、例えば前述した非特許文献3に記載されたCPLEX(登録商標)等がある。ここで、より一般的な最適化エンジンである市販のソルバでも解けるようにするため、以下のようにして目的関数を1次式とし、上記の0−1整数2次計画問題(IQP)を通常の0−1整数計画問題に置き換える。
すなわち、ファンド組合せ決定処理手段23により、ファンド間距離記憶手段63に記憶されたユークリッド距離を用いて、次の式(8)で示されるユークリッド距離の合計値が、次の式(9)、式(10)、および式(11)で示される条件下で、最大になるM個の選択対象ファンドの組合せを求め、求めた組合せに属するM個の選択対象ファンドをそれぞれ構成ファンドとして選択する(ステップS5)。この際、ファンド組合せ決定処理手段23は、例えば、最適化のための標準フォーマットであるMPS形式等(つまり、行列形式またはこれに順ずる配列形式)で記憶されたユークリッド距離を、ファンド間距離記憶手段63から読み込む。
Figure 2007115281
ここで、ηi,j=ζi×ζjであり、ζi,ζjは、選択対象ファンドの選択状態を示す0−1変数であり、選択対象ファンドi,jを選択する場合には1とし、選択対象ファンドi,jを選択しない場合には0とする。
Figure 2007115281
0≦ζi−ηi,j≦1 (i,j=1,2,…,N) ・・・・・・・(10)
ηi,j=ηj,i (i,j=1,2,…,N) ・・・・・・・・・・(11)
ここで、ζi∈{0,1}、i=1,2,…,Nであり、ηi,j∈{0,1}、i=1,2,…,N、j=1,2,…,Nである。
なお、上記の式(6)および式(8)では、di,jとdj,iとが合計されることになるので、ユークリッド距離の合計値は、全て2倍の値として得られるが、合計値が最大になる組合せを選択できればよいので、相対的な大小関係が保持されていればよく、合計値の絶対値は問題とはならない。但し、式(6)および式(8)の値を2で割ってもよい。
その後、ファンド組合せ決定処理手段23による構成ファンドの選択情報は、構成ファンド座標値算出処理手段24に引き渡され、構成ファンド座標値算出処理手段24により、属性値記憶手段62に記憶されたM=5個の構成ファンドのそれぞれの4つのスタイルウェイト、およびベンチマーク記憶手段65に記憶されたベンチマークの4つのスタイルウェイトを用いて、次の式(12)および式(13)により、時点t=Tにおけるベンチマークを座標原点とする時点t=Tにおけるスタイルマップ(図3参照)上での複数の構成ファンドf(f=1,2,…,M)の各座標(Xf T,Yf T)の値を算出する処理を行う(ステップS6)。
f T={(ωLV,f T+ωSV,f T)−(ωLG,f T+ωSG,f T)}
−{(WLV T+WSV T)−(WLG T+WSG T)} ・・・・・・(12)
f T={(ωLV,f T+ωLG,f T)−(ωSV,f T+ωSG,f T)}
−{(WLV T+WLG T)−(WSV T+WSG T)} ・・・・・・(13)
ここで、ωLV,f Tは、時点t=Tにおける構成ファンドfのラージバリューに関するスタイルウェイトであり、ωSV,f Tは、時点t=Tにおける構成ファンドfのスモールバリューに関するスタイルウェイトであり、ωLG,f Tは、時点t=Tにおける構成ファンドfのラージグロースに関するスタイルウェイトであり、ωSG,f Tは、時点t=Tにおける構成ファンドfのスモールグロースに関するスタイルウェイトである。なお、ωLV,f T、ωSV,f T、ωLG,f T、ωSG,f Tは、ξf,k T(k=1〜4)に相当するものである。
また、WLV Tは、時点t=Tにおけるベンチマークのラージバリューに関するスタイルウェイトであり、WSV Tは、時点t=Tにおけるベンチマークのスモールバリューに関するスタイルウェイトであり、WLG Tは、時点t=Tにおけるベンチマークのラージグロースに関するスタイルウェイトであり、WSG Tは、時点t=Tにおけるベンチマークのスモールグロースに関するスタイルウェイトである。
さらに、構成ファンド座標値算出処理手段24は、上記の時点t=Tの場合と同様にして、時点t=T以外の各時点(過去の時点)での各座標(Xf t,Yf t)の値を、図3のスタイル推移の表示を行うために算出する。以上の処理により、4次元の属性値(4つのスタイルウェイト)を2次元のスタイルマップ上の座標値に変換した後、構成ファンド座標値算出処理手段24は、算出した複数の構成ファンドの各座標値を構成ファンド座標値記憶手段66に記憶させる。
ところで、意思決定を行う時点t=T(直近の時点)におけるポートフォリオ(合成ファンド)のスタイルマップ(図3参照)上での座標(XT,YT)は、時点t=Tにおける各構成ファンドに対する投資額により重み付けられ、次の式(14)のように、複数の構成ファンドの各座標値の加重平均として定義することができる。この際、各構成ファンドに対する投資額は、複数(本実施形態では、一例としてB=6個とする。)の投資単位額Uh(h=1,2,…,B)の中から選択される。
Figure 2007115281
ここで、fは、構成ファンドに付された番号を示す自然数で、f=1〜Mであり、hは、投資単位額に付された番号を示す自然数で、h=1〜Bである。また、(XT,YT)は、時点t=Tにおけるスタイルマップ上での合成ファンドの座標であり、XTは、グロース・バリュー軸に関する座標値で、YTは、ラージ・スモール軸に関する座標値である。Xf TおよびYf Tは、時点t=Tにおけるスタイルマップ上での構成ファンドfのグロース・バリュー軸およびラージ・スモール軸に関する座標値である。Qは、総投資額であり、Zf,hは、構成ファンドfに対する投資単位額Uhの選択状態を示す0−1変数であり、構成ファンドfに対して投資単位額Uhを選択する場合には1とし、投資単位額Uhを選択しない場合には0とする。本実施形態では、総投資額をQ=100億円、構成ファンドの個数をM=5個として説明を行うものとする。
そして、運用機関構成(つまり、ファンド構成)を意思決定する時点t=Tにおけるファンド全体の合成スタイル(合成ファンドのスタイル)についての座標原点(ベンチマーク)からの乖離を最小化するような資金配分は、以下のような最適化問題の解として与えられる。
すなわち、資金配分問題は、次の式(15)または式(16)により示される合成ファンドの座標(XT,YT)の座標原点(ベンチマーク)からの乖離の度合いを示す量が、次の式(17)、式(18)、および式(19)で示される条件下で、最小になる投資単位額Uhの選択形態を求める最適化問題(整数計画問題)として記述することができる。従って、投資額決定処理手段25により、上記の式(14)を用いて時点t=Tでの合成ファンドの座標(XT,YT)の値を算出する過程で、この最適化問題を解くことにより、各構成ファンドへの投資額を、投資単位額記憶手段64に記憶された複数(本実施形態では、B=6個)の投資単位額Uhの中から選択して決定する(ステップS7)。
Figure 2007115281
Figure 2007115281
Figure 2007115281
Figure 2007115281
Figure 2007115281
ここで、Zf,h∈{0,1}である。
また、上記の式(15)、式(17)〜式(19)の資金量配分問題(整数計画法による最適化問題)では、投資額決定処理手段25は、絶対値を含む目的関数の最適化を行う構成となっているが、これをそのまま最適化するのではなく、以下のように等価後の目的関数を最適化してもよい。
すなわち、等価後の資金量配分問題では、投資額決定処理手段25は、上記の式(14)により時点t=Tでの合成ファンドの座標(XT,YT)の値を算出する過程で、混合整数計画法により、合成ファンドの座標の座標原点からの乖離を最小化するために用いられる次の式(20)で示される量が、次の式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、および式(25)で示される条件下で、最小になる前記投資単位額Uhの選択形態を求める構成とすることができる。
α1+β1+α2+β2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(20)
Figure 2007115281
Figure 2007115281
Figure 2007115281
Figure 2007115281
Figure 2007115281
ここで、Zf,h∈{0,1}である。また、α1,β1,α2,β2は、連続変数で、α1≧0,β1≧0,α2≧0,β2≧0である。
そして、投資額決定処理手段25は、決定した各構成ファンドへの投資額(投資単位額Uhの中から選択された額)を用い、時点t=Tでの合成ファンドの座標(XT,YT)の値を算出するとともに、図3のスタイル推移の表示を行うために、時点t=T以外の各時点(過去の時点)での合成ファンドの座標(Xt,Yt)の値も算出する(ステップS7)。
Figure 2007115281
表1には、投資額決定処理手段25による投資額の決定結果の一例が示されている。表1において、i=5(N=40個の選択対象ファンドに付された番号が5番)、f=1(M=5個の構成ファンドに付された番号が1番)の構成ファンド(1)については、投資単位額U2=20億円が投資額となり、i=6、f=2の構成ファンド(2)については、投資単位額U2=20億円が投資額となり、i=12、f=3の構成ファンド(3)については、投資単位額U4=30億円が投資額となり、i=14、f=4の構成ファンド(4)については、投資単位額U1=10億円が投資額となり、i=15、f=5の構成ファンド(5)については、投資単位額U2=20億円が投資額となり、これらの合計額は、総投資額Q=100億円となっている。
この際、合成ファンドの座標(XT,YT)のグロース・バリュー軸(横軸)に関する値XTは、XT=(20×X1 T+20×X2 T+30×X3 T+10×X4 T+20×X5 T)/100として求められる。そして、この式の右辺の分子の第1項をZf,hを考慮して式(14)に対応させた形で書き下してみると、20×X1 T=10×X1 T×0+20×X1 T×1+25×X1 T×0+30×X1 T×0+50×X1 T×0+100×X1 T×0となる。また、第3項の場合には、30×X3 T=10×X3 T×0+20×X3 T×0+25×X3 T×0+30×X3 T×1+50×X3 T×0+100×X3 T×0となる。ラージ・スモール軸(縦軸)に関する値YTの場合も同様である。
続いて、スタイル分析結果表示処理手段26により、表示手段40の画面上に、表1に示したような各構成ファンドへの投資額の決定結果が表示されるとともに、図3に示すようなスタイル分析結果が表示される(ステップS8)。なお、これらの投資額の決定結果やスタイル分析結果を、出力手段50を用いて適宜印刷してもよい。
各構成ファンドへの投資額の決定結果の表示は、例えば、選択された各構成ファンド(1)〜(5)と、これらの各構成ファンドへの投資額とを対応させて表示する形で行われる。
また、スタイル分析結果の表示は、図3に示す如く、横軸をグロース・バリュー軸、縦軸をラージ・スモール軸、ベンチマークを座標原点とするスタイルマップ上において、合成ファンドおよび構成ファンド(1)〜(5)の各座標位置に、これらのファンドを示すマーク70〜75を表示することにより行われる。
合成ファンドのマーク70および構成ファンド(1)〜(5)の各マーク71〜75は、全て円形であるが、それぞれ異なる色が付され、区別できるようになっている。なお、各マーク70〜75の形状は、円形である必要はなく、任意である。
また、分析結果表示処理手段26は、時点t=T(直近の時点)のみならず、時点t=T以外の各時点(過去の時点)も含め、t=1〜Tの各時点(例えば13時点等)でのスタイルマップ上での合成ファンドおよび構成ファンド(1)〜(5)の各座標位置に、これらのファンドを示すマーク70〜75を表示する。この際、合成ファンドの異なる時点のマークおよび同一の構成ファンドの異なる時点のマークについて、時点t=Tのマークを最も大きく表示し、かつ、時点t=Tに近い時点のマークである程大きく表示する。また、マーク同士に重なりが生じる場合には、時点t=Tのマークを最も上側に表示し、かつ、時点t=Tに近い時点のマークである程上側に表示する。例えば、構成ファンド(1)について見れば、時点t=Tのマーク71Aは、最も大きく表示され、かつ、重なりが生じる場合には最も上側に表示される。また、時点t=1のマーク71Bは、最も小さく表示され、かつ、重なりが生じる場合には最も下側に表示される。
そして、図3において、例えばT=13とすると、t=1〜Tの13時点のマークの全てをスタイルマップ上で確認することができない場合があるが、これはスタイル変動が小さく、マークが重なった結果である。図3の例では、構成ファンド(5)のマーク75は、殆ど全てが略同じ座標位置で重なり、時点t=Tのマークしか確認できないが、これは構成ファンド(5)のスタイル変動が極めて小さいことを意味する。また、その他の構成ファンド(1)〜(4)は、ある程度のスタイルの推移を確認できる。しかし、全体的に見れば、各構成ファンド(1)〜(5)が全4象限に分散するとともに、全ての構成ファンド(1)〜(5)が座標原点から大きく乖離し、かつ、運用スタイルの変動も小さいものであることがわかる。なお、図3のスタイル分析結果は、大和証券グループ(登録商標)の提供するDSI−2総合(非特許文献1参照)をベンチマークとして用い、40個の実際のファンドの中から5個のファンドを選択して行った実データに基づく分析結果例である。
さらに、ユーザは、必要に応じて、パフォーマンス対比結果呈示処理手段28により、図4に示すようなパフォーマンス比較画面80を表示手段40に表示するか、あるいは同様な情報を出力手段50により印刷することができる(ステップS9)。
図4において、パフォーマンス比較画面80には、ベンチマーク(本実施形態では、DSI−2総合とする。)のパフォーマンスを示す点線による折れ線81と、合成ファンドのパフォーマンスを示す実線による折れ線82とが描かれた折れ線グラフが表示されている。本実施形態では、パフォーマンス比較画面80には、合成ファンド組成後の一定期間のパフォーマンス対比結果、すなわち、2001年3月時点でファンド・オブ・ファンズを組成した場合について、その後、1年間(2001年4月〜2002年3月)のパフォーマンス推移が示されている。なお、ユーザは、パフォーマンス対比結果呈示処理手段28により、過去の一定期間のパフォーマンス対比結果を表示してもよい。
パフォーマンス比較画面80に表示された折れ線グラフの縦軸は、ファンド・オブ・ファンズを組成した時点での時価の資産保有額を100億円としたときの各時点での金額であり、横軸は、年月であり、この折れ線グラフは、大和証券グループ(登録商標)の提供するDSI−2総合(非特許文献1参照)をベンチマークとして用い、40個の実際のファンドの中から5個のファンドを選択して構成された合成ファンドのパフォーマンスの実データである。この折れ線グラフを見ると、合成ファンドのパフォーマンスは、ベンチマークのパフォーマンスと略一致し、N=40個の選択対象ファンドを適切に選定すれば、ベンチマークのパフォーマンスを上回ることも可能であることを示している。
以上により、ファンド・オブ・ファンズ運用支援システム10による処理を終了し、システム10の電源を適宜切る(ステップS10)。また、ユーザは、以上の処理により得られた情報に基づき、実際に構成ファンドへの投資を実行してもよい。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、システム10は、ファンド間距離算出処理手段22およびファンド組合せ決定処理手段23を備えているので、ユークリッド距離の合計値が最大になる選択対象ファンドの組合せを求めることができる。このため、複数の選択対象ファンドの中から、属性の似通っていないファンドを選択することができる。従って、似通った性質の個体を分類するのに適した手法であるクラスタ分析では実現できない処理を行うことができる。
また、ファンド間距離算出処理手段22およびファンド組合せ決定処理手段23による構成ファンドの選択処理において、投資比率や投資額は、演算要素として用いられていないので、投資額の決定と切り離して構成ファンドの選択処理を行うことができる。このため、投資比率や投資額を加味することなく(ファンド・オブ・ファンズの一連の組成処理における後段のステップである投資額の決定処理とは無関係に)、各ファンドの属性値あるいはこれらを用いて算出されるユークリッド距離を演算要素として、属性の似通っていないファンドを選択し、各構成ファンドのスタイルを分散させることができる。つまり、各構成ファンドのスタイル分散は、後段のステップとは無関係に実現することができる。
そして、構成ファンドの選択処理は、ファンド間距離算出処理手段22およびファンド組合せ決定処理手段23により、各ファンドの属性値あるいはこれらを用いて算出されるユークリッド距離を演算要素として自動的に行われるので、従来からのアクティブリターンの相関最小化によるファンドの組合せ方法で生じる可能性のあった不都合、すなわち選択行為に人為的な判断が介在する余地があるため、過去のデータに引きずられた判断がなされる可能性があるという不都合を解消することができる。
さらに、ファンド間距離算出処理手段22は、t=1〜Tの各時点のユークリッド距離di,j tの合計値若しくは平均値またはこれらに比例する値を、選択対象ファンドiと選択対象ファンドjとのユークリッド距離di,jとする構成とされているので、各ファンドの属性値の変動(スタイル変動)を加味した処理を行うことができる。
そして、ファンド間距離算出処理手段22は、時点t=Tでのユークリッド距離di,j Tのみにより、以降の演算で用いるユークリッド距離di,jを定めることもできるので、過去における各ファンドの属性値の変動(スタイル変動)を加味せずに、ある一時点(直近の時点)の各ファンドの属性値のみを加味した処理も行うことができる。
また、ファンド組合せ決定処理手段23は、整数計画法によりユークリッド距離の合計値が最大になる選択対象ファンドの組合せを求めることができるので、属性の似通っていない選択対象ファンドの組合せを求める処理を迅速に行うことができ、処理時間の短縮を図ることができる。
さらに、ファンド組合せ決定処理手段23は、0−1整数計画問題(IP)を解く構成とされているので(式(8)〜式(11)参照)、目的関数が1次式となることから、0−1整数2次計画問題(IQP)を解く場合(式(6)、式(7)参照)に比べ、高度で複雑な演算処理を減らすことができるうえ、0−1整数2次計画問題(IQP)を扱える市販のソルバは少ないのに対し、通常の0−1整数計画問題(IP)を扱える市販のソルバは多いので、市販のソルバを用いる際には、ソルバの選択肢を広げることができる。
そして、システム10では、属性として、ラージバリュー、ラージグロース、スモールバリュー、およびスモールグロースの4つの属性を用いるので、4つの投資スタイルのスタイル分析を行うことができる(図3参照)。
また、システム10は、投資額決定処理手段25および投資単位額記憶手段64を備えているので、各構成ファンドへの投資額を、複数の投資単位額Uhの中から選択して決定することができる。このため、従来からのアクティブリターンの相関最小化によるファンドの組合せ方法の場合のように現実的ではない少額の投資額(例えば、全体の0.3%の額等)が算出されるという不都合を解消できる。従って、算出された投資額を四捨五入するという事態も回避できるので、算出された最適解としての投資額と、実際の投資額とを一致させることができる。
さらに、従来のアクティブリターンの相関最小化によるファンドの組合せ方法では、結果として各構成ファンドの運用スタイルの分散化を実現することが可能ではあるが、合成ファンドの運用スタイルとベンチマークの運用スタイルとが同じとなる保証はなかった。これに対し、システム10では、投資額決定処理手段25により、合成ファンドのベンチマークからの乖離が最小になるように投資額の決定処理を行うことができるので、合成ファンドのスタイルの中立化を実現することができるうえ、従来のようにスタイル管理を行うために補完ファンド等を導入する必要性も無くすことができる。
そして、投資額決定処理手段25は、整数計画法または混合整数計画法により最適化問題を解く構成とされているので、合成ファンドの座標の座標原点からの乖離が最小になる投資単位額の選択形態を求める処理を迅速に行うことができ、処理時間の短縮を図ることができる。
また、システム10は、前述したように、ファンド間距離算出処理手段22およびファンド組合せ決定処理手段23により、属性の似通っていないファンドを選択することができる。従って、これらの属性の似通っていないファンドによりファンド・オブ・ファンズを構成すれば、各構成ファンドのスタイルを分散させることができるので、分散投資を実現でき、投資リスクを分散させることができる。
さらに、ファンド間距離算出処理手段22およびファンド組合せ決定処理手段23により、属性の似通っていないファンドを選択することができるので、それらの選択されたファンドを構成ファンドとすれば、構成ファンドの個数Mの設定にもよるが、各構成ファンドのスタイルマップ上での座標を全4象限に分散させることができる。このため、合成ファンドのスタイルの中立化を実現し易い状況を創り出すことができ、補完ファンド等を導入せずに、投資スタイルの調整を行うことができる。
また、システム10は、スタイル分析結果表示処理手段26を備えているので、合成ファンドについてのベンチマークからの乖離状況、および選択された各構成ファンドのスタイル分散状況をイメージ的に容易に把握することができる。
さらに、スタイル分析結果表示処理手段26は、時点t=T以外の各時点(過去の時点)での合成ファンドおよび各構成ファンドの座標位置にも、これらのファンドを示すマーク70〜75を表示することができるので、時点t=T(直近の時点)と合わせて過去の時点での合成ファンドおよび各構成ファンドのスタイルも把握することができる。このため、合成ファンドのスタイルの中立状況、および各構成ファンドのスタイルの変動状況や分散状況をイメージ的に容易に把握することができる。
また、システム10は、パフォーマンス対比結果呈示処理手段28を備えているので、複数の構成ファンドの各座標値を投資額で加重平均した加重平均座標が座標原点(ベンチマーク)に最も近くなるように構成された合成ファンドのパフォーマンスと、ベンチマークのパフォーマンスとを、対比しながら把握することができるうえ、これらの差異の有無を確認することができる。
そして、パフォーマンス対比結果呈示処理手段28によるユーザへのパフォーマンス対比結果の呈示は、両パフォーマンス・データを同一グラフ(例えば、折れ線グラフや棒グラフ等)上に呈示することにより行われるので(図4参照)、合成ファンドおよびベンチマークのパフォーマンス推移をグラフ上に判り易く画面表示および/または出力(印字や印線等)することができるうえ、それらのパフォーマンスの差異の有無を容易に確認することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
すなわち、前記実施形態では、ファンド・オブ・ファンズ運用支援システム10は、構成ファンドの選択処理、各構成ファンドへの投資額の決定処理、およびスタイル分析結果の表示処理を行う構成とされていたが、この他に、得られた投資額の決定結果に基づき、実際に各構成ファンドへの投資を実行し、ポートフォリオの構築や維持のための処理を行う構成としてもよい。この場合には、例えば、インターネット、イントラネット、LAN等のネットワークで既存の投資実行システムに接続し、決定した投資額の情報を投資実行システムに送信する構成としてもよい。
また、前記実施形態では、構成ファンドの個数Mおよび総投資額Qが、ユーザによる入力パラメータとなっていたが(図2のステップS2参照)、投資単位額Uhをユーザによる入力パラメータとしてもよい。
さらに、前記実施形態では、投資額決定処理手段25は、前述した式(17)および式(19)、あるいは式(23)および式(25)に示す如く、選択されたM個の構成ファンドの全てに資金分配する構成とされていたが、式(17)および式(19)、あるいは式(23)および式(25)の代わりに、次の式(26)および式(27)を用い、選択されたM個の構成ファンドの中で、資金分配の行われないファンドが生じる構成としてもよい。つまり、式(27)は、前述した表1の横列の0−1の値が全て0になる場合があることを意味し、式(26)は、表1の縦横全ての0−1の値の合計がMにならない場合があることを意味する。
Figure 2007115281
Figure 2007115281
以上のように、本発明の投資額決定システムおよびプログラムは、例えば、投資信託商品や確定拠出年金向けの商品等としての各種のファンド・オブ・ファンズを構成するために選択されたファンドへの投資額の決定を行う場合等に適している。
本発明の投資額決定システムを含むシステムの一実施形態であるファンド・オブ・ファンズ運用支援システムの全体構成図。 前記実施形態のファンド・オブ・ファンズ運用支援システムによる処理の流れを示すフローチャートの図。 前記実施形態のファンド組合せ決定処理手段により選択された各構成ファンドおよび合成ファンドのスタイル推移の説明図。 前記実施形態のパフォーマンス対比結果呈示処理手段により画面表示および/または出力されるパフォーマンス比較画面の例示図。
符号の説明
10 投資額決定システムを含むファンド・オブ・ファンズ運用支援システム
22 ファンド間距離算出処理手段
23 ファンド組合せ決定処理手段
24 構成ファンド座標値算出処理手段
25 投資額決定処理手段
26 スタイル分析結果表示処理手段
27 生成処理手段
28 パフォーマンス対比結果呈示処理手段
40 表示手段
62 属性値記憶手段
63 ファンド間距離記憶手段
64 投資単位額記憶手段
65 ベンチマーク記憶手段
66 構成ファンド座標値記憶手段
67 第1のパフォーマンス・データ記憶手段
68 第2のパフォーマンス・データ記憶手段
70〜75 マーク

Claims (7)

  1. 合成ファンドを構成する複数の構成ファンドの各々への投資額を決定する処理を実行するコンピュータで構成される投資額決定システムであって、
    前記構成ファンドへ投資する際の単位額となる複数の投資単位額を記憶する投資単位額記憶手段と、
    前記複数の構成ファンドの各々についてラージバリュー、ラージグロース、スモールバリュー、およびスモールグロースの4つの投資スタイルからなるファンドの属性に関する傾向の度合いを示す4つのスタイルウェイトを当該構成ファンドの属性の値として当該構成ファンドを識別するために付された番号に対応付けて記憶する属性値記憶手段と、
    前記合成ファンドのベンチマークのラージバリュー、ラージグロース、スモールバリュー、およびスモールグロースに関する4つのスタイルウェイトを記憶するベンチマーク記憶手段と、
    前記属性値記憶手段に前記構成ファンドを識別するために付された番号に対応付けて記憶された前記構成ファンドの4つの前記スタイルウェイト、および前記ベンチマーク記憶手段に記憶された前記ベンチマークの4つの前記スタイルウェイトを用いて、前記構成ファンドの各々について当該構成ファンドのラージバリューおよびスモールバリューに関するスタイルウェイト並びに前記ベンチマークのラージグロースおよびスモールグロースに関するスタイルウェイトを加算した値に対して当該構成ファンドのラージグロースおよびスモールグロースに関するスタイルウェイト並びに前記ベンチマークのラージバリューおよびスモールバリューに関するスタイルウェイトを減算した値からなるグロース・バリュー軸に関する座標の値を算出するとともに、当該構成ファンドのラージバリューおよびラージグロースに関するスタイルウェイト並びに前記ベンチマークのスモールバリューおよびスモールグロースに関するスタイルウェイトを加算した値に対して当該構成ファンドのスモールバリューおよびスモールグロースに関するスタイルウェイト並びに前記ベンチマークのラージバリューおよびラージグロースに関するスタイルウェイトを減算した値からなるラージ・スモール軸に関する座標の値を算出することにより、前記ベンチマークのスタイルウェイトを座標原点とするスタイルマップ上での前記複数の構成ファンドの各座標の値を算出する処理を実行する構成ファンド座標値算出処理手段と、
    この構成ファンド座標値算出処理手段により算出された前記複数の構成ファンドの各座標の値を、前記構成ファンドを識別するために付された番号に対応付けて記憶する構成ファンド座標値記憶手段と、
    前記投資単位額記憶手段に記憶された前記複数の投資単位額の中から前記複数の構成ファンドへの各投資額となる投資単位額を選択し、これらの選択した投資単位額を用いて重み付けを行って前記構成ファンド座標値記憶手段に記憶された前記スタイルマップ上での前記複数の構成ファンドの各座標の値を加重平均することにより前記合成ファンドの座標の値を算出し、前記合成ファンドの座標の前記座標原点からの乖離が最小になる前記複数の構成ファンドの前記投資単位額を求めることにより前記複数の構成ファンドの各々への投資額を決定する処理を実行する投資額決定処理手段と
    を備えたことを特徴とする投資額決定システム。
  2. 前記構成ファンドの個数をM個とし、前記投資単位額の個数をB個としたとき、
    前記投資額決定処理手段は、前記投資単位額記憶手段に記憶された前記複数の投資単位額の中からの前記複数の構成ファンドの各々に対する投資単位額の選択状態を示す変数を用いて、下記の式(C−1)により時点t=Tでの前記合成ファンドの座標(XT,YT)の値を算出し、整数計画法により、下記の式(C−2)または下記の式(C−3)により示される前記合成ファンドの座標の前記座標原点からの乖離が、下記の式(C−4)、式(C−5)、および式(C−6)で示される条件下で、最小になる前記複数の構成ファンドの前記投資単位額Uhの選択状態を示す変数の値を求める構成とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の投資額決定システム。
    Figure 2007115281
    ここで、fは、前記構成ファンドを識別するために付された番号を示す自然数で、f=1〜Mであり、hは、前記投資単位額を識別するために付された番号を示す自然数で、h=1〜Bである。また、(XT,YT)は、時点t=Tにおける前記スタイルマップ上での前記合成ファンドの座標であり、XTは、グロース・バリュー軸に関する座標の値で、YTは、ラージ・スモール軸に関する座標の値である。Xf TおよびYf Tは、時点t=Tにおける前記スタイルマップ上での前記構成ファンドfのグロース・バリュー軸およびラージ・スモール軸に関する座標の値である。Qは、総投資額であり、Zf,hは、前記構成ファンドfに対する前記投資単位額Uhの選択状態を示す0−1変数であり、前記構成ファンドfに対して前記投資単位額Uhを選択する場合には1とし、前記投資単位額Uhを選択しない場合には0とする。
    Figure 2007115281
    Figure 2007115281
    Figure 2007115281
    Figure 2007115281
    Figure 2007115281
    ここで、Zf,h∈{0,1}である。
  3. 前記構成ファンドの個数をM個とし、前記投資単位額の個数をB個としたとき、
    前記投資額決定処理手段は、前記投資単位額記憶手段に記憶された前記複数の投資単位額の中からの前記複数の構成ファンドの各々に対する投資単位額の選択状態を示す変数を用いて、下記の式(C−7)により時点t=Tでの前記合成ファンドの座標(XT,YT)の値を算出し、混合整数計画法により、前記合成ファンドの座標の前記座標原点からの乖離を最小化するために用いられる下記の式(C−8)で示される量が、下記の式(C−9)、式(C−10)、式(C−11)、式(C−12)、および式(C−13)で示される条件下で、最小になる前記複数の構成ファンドの前記投資単位額Uhの選択状態を示す変数の値を求める構成とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の投資額決定システム。
    Figure 2007115281
    ここで、fは、前記構成ファンドを識別するために付された番号を示す自然数で、f=1〜Mであり、hは、前記投資単位額を識別するために付された番号を示す自然数で、h=1〜Bである。また、(XT,YT)は、時点t=Tにおける前記スタイルマップ上での前記合成ファンドの座標であり、XTは、グロース・バリュー軸に関する座標の値で、YTは、ラージ・スモール軸に関する座標の値である。Xf TおよびYf Tは、時点t=Tにおける前記スタイルマップ上での前記構成ファンドfのグロース・バリュー軸およびラージ・スモール軸に関する座標の値である。Qは、総投資額であり、Zf,hは、前記構成ファンドfに対する前記投資単位額Uhの選択状態を示す0−1変数であり、前記構成ファンドfに対して前記投資単位額Uhを選択する場合には1とし、前記投資単位額Uhを選択しない場合には0とする。
    α1+β1+α2+β2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(C−8)
    Figure 2007115281
    Figure 2007115281
    Figure 2007115281
    Figure 2007115281
    Figure 2007115281
    ここで、Zf,h∈{0,1}である。また、α1,β1,α2,β2は、連続変数で、α1≧0,β1≧0,α2≧0,β2≧0である。
  4. 画面表示を行う表示手段と、スタイル分析結果表示処理手段とを備え、
    前記ベンチマーク記憶手段には、時点t=1から時点t=Tまでの期間の各時点での前記ベンチマークの4つの前記スタイルウェイトが記憶され、
    前記属性値記憶手段には、時点t=1から時点t=Tまでの期間の各時点での前記構成ファンドの4つの前記スタイルウェイトが記憶され、
    前記構成ファンド座標値算出処理手段は、時点t=1から時点t=Tまでの期間の各時点での前記構成ファンドの4つの前記スタイルウェイト、および時点t=1から時点t=Tまでの期間の各時点での前記ベンチマークの4つの前記スタイルウェイトを用いて、時点t=1から時点t=Tまでの期間の各時点での前記ベンチマークのスタイルウェイトを座標原点とする時点t=1から時点t=Tまでの期間の各時点での前記スタイルマップ上での前記複数の構成ファンドの各座標の値を算出する構成とされ、
    前記投資額決定処理手段は、時点t=1から時点t=Tまでの期間の各時点での前記合成ファンドの座標の値を算出する構成とされ、
    前記スタイル分析結果表示処理手段は、前記表示手段の画面上において時点t=1から時点t=Tまでの期間の各時点での前記スタイルマップ上での前記合成ファンドおよび前記複数の構成ファンドの各座標位置にこれらのファンドを示す前記マークを表示するとともに、前記画面上における前記合成ファンドの異なる時点の前記マークおよび同一の前記構成ファンドの異なる時点の前記マークについて、時点t=Tの前記マークを最も大きく、かつ、時点t=Tに近い時点の前記マークである程大きく表示し、前記マーク同士に重なりが生じる場合には、時点t=Tの前記マークを最も上側に、かつ、時点t=Tに近い時点の前記マークである程上側に表示する構成とされている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の投資額決定システム。
  5. 前記投資額決定処理手段により決定された前記複数の構成ファンドへの各投資額および前記複数の構成ファンドの各パフォーマンス・データに基づき算出される前記合成ファンドのパフォーマンスを示す第1のパフォーマンス・データを生成する処理を実行する生成処理手段と、
    この生成処理手段により生成された前記第1のパフォーマンス・データを記憶する第1のパフォーマンス・データ記憶手段と、
    前記ベンチマークのパフォーマンスを示す第2のパフォーマンス・データを記憶する第2のパフォーマンス・データ記憶手段と、
    前記第1および第2のパフォーマンス・データ記憶手段に記憶された前記第1および第2のパフォーマンス・データを対比させてこの対比結果について表示手段への画面表示処理および/または出力手段への出力処理を実行するパフォーマンス対比結果呈示処理手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の投資額決定システム。
  6. 前記複数の構成ファンドの騰落率を記憶する騰落率記憶手段と、
    この騰落率記憶手段に記憶された前記複数の構成ファンドの騰落率に基づいて前記複数の構成ファンドの各々についてラージバリュー、ラージグロース、スモールバリュー、およびスモールグロースの4つの投資スタイルのスタイル分析を行うことにより前記複数の構成ファンドの各々についての前記4つの投資スタイルの傾向の度合いを示すスタイルウェイトを算出し、算出した前記複数の構成ファンドの各々についての前記4つの投資スタイルのスタイルウェイトを当該構成ファンドの属性の値として当該構成ファンドを識別するために付された番号に対応付けて前記属性値記憶手段に記憶させる処理を実行する属性値算出処理手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の投資額決定システム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の投資額決定システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラム。
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