JP2007113928A - 電離真空計 - Google Patents

電離真空計 Download PDF

Info

Publication number
JP2007113928A
JP2007113928A JP2005302735A JP2005302735A JP2007113928A JP 2007113928 A JP2007113928 A JP 2007113928A JP 2005302735 A JP2005302735 A JP 2005302735A JP 2005302735 A JP2005302735 A JP 2005302735A JP 2007113928 A JP2007113928 A JP 2007113928A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
electron
ion
electrons
vacuum gauge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005302735A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Urano
俊夫 浦野
Toru Kanemochi
徹 金持
Houdai Ikeda
朋大 池田
Makoto Tanaka
田中  誠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe University NUC
Original Assignee
Kobe University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe University NUC filed Critical Kobe University NUC
Priority to JP2005302735A priority Critical patent/JP2007113928A/ja
Publication of JP2007113928A publication Critical patent/JP2007113928A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)

Abstract

【課題】発生する雑音電流を極めて小さくすることが可能であり、超高真空領域から極高真空領域に亘る全圧の測定を簡単且つ高精度に行うことができる電離真空計を提供する。
【解決手段】電子銃部は、筒状格子型電極L1の一端側に設けられ、加速させた電子を筒状格子型電極L1内に入射する。電子収集電極L3は、筒状格子型電極L1の他端側に設けられ、筒状格子型電極L1内を通過してその他端側から出射した電子を収集する。イオン収集電極L4は、筒状格子型電極L1の一端側に設けられ、L1内を飛行する電子によって発生したイオンを収集する。これにより、ほとんど全部の電子を電子収集電極L3に収集することが可能となり、従来の電離真空計において主要な雑音電流であったX線光電子電流や電子衝撃脱離イオン電流などの発生を避けることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子銃と電子収集電極とを備え、電子銃から放射した電子を飛行させることで残留している気体をイオン化してそれによる出力電流から残留気体密度を測定する電離真空計に関する。
従来より、放射した電子を飛行させることで残留している気体をイオン化してそれによる出力電流から気体密度を測定する電離真空計が用いられている。このような電離真空計の中で現在実用されている超真空測定用のものとしては、B-Aゲージ(Bayard-Alpert型真空計)とエクストラクターゲージ(エクストラクター型真空計)とが広く知られている。B-Aゲージは、螺旋状の陽極の外側にフィラメントが配置され、陽極の中心軸上に細い針金状のイオンコレクターが配置されるものである。フィラメントから放射された電子が螺旋状の陽極を通過して飛び出すことを繰り返しながらも徐々に陽極に向かう動きをする際にイオンが発生し、そのイオンがイオンコレクターに収集される。イオンコレクターを細い針金状にしたことにより、陽極からイオンコレクターを望む立体角を小さくし、陽極に電子が衝突する際に生じるX線によってイオンコレクターが照らされて生じる雑音電流であるX線光電子電流を減少させることを目的としている。また、エクストラクターゲージは、X線光電子電流の影響を更に減少させる観点から、陽極とイオンコレクターとをシールド板で分離し、シールド板に形成された開口を介してイオンコレクターにイオンだけを収集することを目指している。
上述のようにX線光電子電流を減少させることでB-Aゲージの中には10-8Paの超高真空を測定できるものがあり、構造も取り扱いも簡単であるために広く生産、販売されている。エクストラクターゲージはさらに低い圧力の測定が可能で、10-10Paが測定できるものとされているが、高価で、世界でただ1社が生産している。さらに低い圧力を測定できる電離真空計としては、ヘルマーゲージやアクストランゲージなど多くのものが知られているが、いずれも広く実用に供される段階にはいたっていない。これらの多くの従来の改良においては、X線の発生をやむを得ないものとし、イオンコレクターがそのX線に照らされずにイオンだけを集められるようにする努力が注がれているが、そのために構造が複雑となり、取り扱いも面倒になる傾向が強い。
そこで、イオンを生成させるために電子を加速する陽極と、イオンを生成したあとの電子を収集する電極とを分離し、電子を収集する電極をイオンコレクターから見えない場所に置くことによって、X線光電流などの雑音電流を大幅に減らすことを目的とした電離真空計が知られている(特許文献1参照)。この特許文献1では、電子銃部と、イオン収集電極と、電子収集電極と、イオン収集電極を電子収集電極から遮蔽するシールド部材とを備えた電離真空計が開示されている。そして、この電離真空計では、円筒状格子型電極の一端に電子銃部が設けられ、円筒状格子型電極の他端にイオン収集電極および電子収集電極が設けられている。
特開平7−99034号公報
しかしながら、特許文献1に記載された電離真空計では、イオン収集電極と電子収集電極がいずれも電子銃部側から見て円筒状格子型電極の他端側に配置されているため、電子収集電極に向かう電子がイオン収集電極が作る電界によって発散されてしまい易いという
問題がある。そのため、全部の電子を確実に電子収集電極に収集することが難しく、発散した一部の電子が円筒状格子型電極に収集されて、そこでX線や電子衝撃脱離イオンを発生する可能性を無くすることが難しいことが判明した。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、電子銃と電子収集電極とを備え、電子銃から放射した電子を飛行させることで残留している気体をイオン化してそれによる出力電流から残留気体密度を測定する電離真空計に関し、発生する雑音電流を極めて小さくすることが可能であり、超高真空領域から極高真空領域に亘る全圧の測定を簡単且つ高精度に行うことができる電離真空計を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び効果
上記目的を達成するための本発明に係る電離真空計は、筒状格子型電極の一端側に設けられ、加速させた電子を当該筒状格子型電極内に入射する電子銃部と、前記筒状格子型電極の他端側に設けられ、当該筒状格子型電極内を通過してその他端側から出射した電子を収集する電子収集電極と、前記筒状格子型電極の一端側に設けられ、当該筒状格子型電極内を飛行する電子によって発生したイオンを収集するイオン収集電極と、を備えていることを特徴とする。
この構成によると、筒状格子型電極の一端側に電子銃部およびイオン収集電極が設けられ、筒状格子型電極の他端側に電子収集電極が設けられている。このため、筒状格子型電極の一端側に配置されている電子銃部から放射された電子は、筒状格子型電極内を飛行してイオンを発生し、筒状格子型電極の他端側に配置された電子収集電極に収集される。そして、発生したイオンは、電子が飛行する方向とは逆方向である筒状格子型電極の一端側に向かって流れてイオン収集電極に収集されることになる。このように、イオンの進行方向と電子の進行方向とが逆方向になり、イオンと電子とが筒状格子型電極の一端側と他端側とで分離して収集されることになる。このため、電子がイオン収集電極の作る電界によって発散されてしまうという従来の問題を解決でき、電位を適宜設定して電子収集電極に達するまでに電子を十分に減速することができる。したがって、電子収集電極からはX線等が発生せず、イオン収集電極と電子収集電極の両者間を遮蔽する必要が無い。この両者間の遮蔽は前述の特許文献1に記載のものを含む従来のすべての超高真空用電離真空計において必要であったが、その必要がないために、筒状格子型電極の一端に電子銃部およびイオン収集電極、他端側に電子収集電極を配置するという簡単な構成で超高真空領域から極高真空領域に亘る全圧の測定を簡単且つ高精度に行うことができる電離真空計を提供することができる。
また、本発明に係る電離真空計は、前記電子銃部内の陰極と前記電子収集電極との電位差が10ボルト未満であることが望ましい。
本願発明者らは、残留気体を有効にイオン化するためには、電子を100エレクトロンボルト程度に加速する必要があるにも関わらず、電子銃部と電子収集電極との電位差を10ボルト未満とすることが可能で、電子収集電極に達するまでに電子を十分に減速することができ、停止状態にかなり近づいた状態で電子を電子収集電極に到達せしめ得ることを知見した。したがって、この構成によると、電子収集電極に衝突する際の電子のエネルギーを非常に小さくし、X線などが発生する可能性を無くすることができる。
また、本発明に係る電離真空計は、前記イオン収集電極は、前記筒状格子型電極の軸方向に沿って配置され、前記電子銃部は、前記筒状格子型電極内で前記イオン収集電極と前記軸方向と直角な方向において離れて配置されて、前記軸方向においては前記イオン収集電極の先端が前記電子銃部の陰極よりも前記電子収集電極側に位置するように配置されていることが望ましい。
この構成によると、筒状格子型電極の各部分を適当な電位に保った場合には、電子銃部から適当な速度で放射された電子は、筒状格子型電極の中を軸方向にほぼ平行に、僅かに拡散しながら電子収集電極に向かって進み、同電極に収集される。他方、電子の通過によって発生したイオンは、少しずつ筒状格子型電極の軸線に近寄りながらイオン収集電極の方向に進み、電子の流れと干渉し合うことなく、電子銃部の陰極よりも電子収集電極側に先端が配置されたイオン収集電極に効率よく収集されることになる。
また、本発明に係る電離真空計は、前記イオン収集電極は、前記筒状格子型電極の軸方向に沿って配置され、前記電子銃部は、前記筒状格子型電極内で前記イオン収集電極と前記軸方向と直角な方向において離れて配置されて、前記軸方向においては当該電子銃部の陰極が前記イオン収集電極よりも前記電子収集電極側に位置するように配置されていることが望ましい。
この構成によると、筒状格子型電極の各部分を適当な電位に保った場合には、電子銃部から適当な速度で放射された電子は、筒状格子型電極の中を軸方向にほぼ平行に、僅かに拡散しながら電子収集電極に向かって進み、同電極に収集される。他方、電子の通過によって発生したイオンは、少しずつ筒状格子型電極の軸線に近寄りながらイオン収集電極の方向に進み、電子の流れと干渉し合うことなく、効率よくイオン収集電極に収集されることになる。
この構成によると、イオン収集電極と電子銃部との距離を十分に確保することができるため、電子銃部によるイオン収集電極の温度上昇や光電効果の発生を抑え、それらによる雑音電流の発生を抑制することができる。
また、本発明に係る電離真空計においては、前記電子収集電極は、前記筒状格子型電極の一端側から他端側に向かう方向に凹むように形成された凹部を備えていることが望ましい。
この構成によると、電子収集電極に凹部を設けることで、その凹み面に沿って電子を誘導するように収集することで、電子収集電極の直前で電子が発散し、その一部が筒状格子型電極に収集されることを抑制することができる。
また、本発明に係る電離真空計は、前記イオン収集電極と前記電子銃部との間に配置され、当該イオン収集電極の周囲を前記電子銃部から遮蔽するシールド部材を更に備えていることが望ましい。
この構成によると、イオン収集電極と電子銃部との間にシールド部材が配置されることで、動作中は高温となる電子銃部の陰極からイオン収集電極への輻射がほとんど遮られ、温度上昇や光電効果などの雑音発生の原因が抑制される。また、シールド部材をコンデンサーなどを用いて交流的に接地電位とすることによって、微弱なイオン電流の測定に変調法を採用しやすくすることができる。
また、本発明に係る電離真空計においては、前記電子銃部内の陰極を数10ボルトあるいは数ボルト程度の正電位に保ち、前記イオン収集電極を零電位に保ち、前記電子銃部内の陰極と前記イオン収集電極との電位差を利用して、前記イオン収集電極に近づいたイオンがより確実に収集されるような電位の傾きを前記イオン収集電極の近くに形成することが望ましい。
この構成によると、イオン収集電極をその周囲の他の電極に比べて最も低い電位とすることができるから、正電荷を持つイオンをひきつけ、イオンの収集効率を高くすることができる。また、イオン収集電極が電子銃部内の陰極に対して数10ボルトあるいは数ボルト低い電位に保たれることから、電子銃部を形成する少数の筒状格子型電極とともに電子銃部内の陰極を出発しようとする電子に対して収斂的な電界を形成し、電子を適当に加速された巾の狭い流れとして筒状格子型電極内を通過させることができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態の電離真空計は、電子銃と電子収集電極とを備え、電子銃から放射した電子を飛行させることで残留している気体をイオン化してそれによる出力電流から残留気体密度を測定する電離真空計に関して、広く適用することができる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電離真空計を示す模式図である。この図1に示す電離真空計1は、円筒状グリッドL1、フィラメントL2、電子コレクターL3、イオンコレクターL4、および反跳電極L5を備えて構成されている。
円筒状グリッドL1は、図1に示すように、一方向に配列された複数のリング電極L6〜L8の複合体である円筒状格子型電極として構成されている。なお、本実施形態においては、筒状格子型電極の一例として、この円筒状グリッドL1を例にとって説明する。この円筒状グリッドL1においては、各リング電極に対してそれぞれ個別の電圧を印加することができるようになっている。これらの各リング電極に後述するように所定の電圧を印加することで、円筒状グリッドL1の一端側(a)から他端側(b)に向かって電子を飛行させるための電界が形成されるようになっている。
フィラメントL2は、電子を加速させて放射する電子銃部の陰極を構成している。そして、このフィラメントL2は、円筒状グリッドL1と同軸の円形で同グリッドの一端側(a)近くに設けられ、加速された電子を円筒状グリッドL1内に入射するように配置されている。ただし以下の説明において、陰極が円形のフィラメントである場合を選ぶのは説明の便宜のためであって、陰極には傍熱型陰極など各種の陰極を選ぶことができる。また、電子コレクターL3は、円筒状グリッドL1の他端側(b)に設けられており、円筒状グリッドL1を通過してその他端側(b)から出射した電子を収集するように配置されている。この電子コレクターL3は、円筒状グリッドL1とは分離して形成された陽極として構成されており、図1に例示するように例えば円筒状グリッドL1と同様の寸法の円周外形を備える円板電極として形成されている。
フィラメントL2から円筒状グリッドL1に電子が入射されると、円筒状グリッドL1内を電子が加速されながら一端側(a)から他端側(b)に向かって飛行し、残留気体がイオン化されることになる。また、フィラメントL2と電子コレクターL3との電位差が10ボルト未満となるように、フィラメントL2および電子コレクターL3のそれぞれに所定の電圧が印加されるようになっている。これにより、円筒状グリッドL1内を飛行してイオンを発生させた電子は、電子コレクターL3に近づくと十分に減速され、最終的には停止状態にかなり近づいた状態で電子コレクターL3に到達することになる。
イオンコレクターL4は、円筒状グリッドL1内を飛行する電子によって発生したイオンを収集するイオン収集電極を構成している。このイオンコレクターL4は、円筒状グリッドL1の一端側(a)に設けられており、電子コレクターL3とは反対側に配置されている。これにより、電子は円筒状グリッドL1内を他端側(b)に向かって飛行して電子コレクターL3に収集され、一方、イオンは円筒状グリッドL1内を一端側(a)に向かって飛行してイオンンコレクターL4に収集されるようになっている。すなわち、電子とイオンとが互いに逆方向に流れるようになっている。また、このイオンコレクターL4は、針状電極として形成されており、円筒状グリッドL1の径方向中心位置である軸線上に配置され、フィラメントL2は、その軸線の周囲に配置されており、軸線の周囲において円周状に配置されている。このように、イオンコレクターL4は、円筒状グリッドL1の軸方向に沿って配置されている。そして、電子銃部は、筒状格子型グリッドL1内でイオンコレクターL4と軸方向と直角な方向において離れて配置されて、軸方向においてはイオンコレクターL4の先端がフィラメントL2よりも電子コレクターL3側に位置するように配置されている。なお、上述の配置は例示であって、例えば筒状格子型電極として矩形筒状電極や楕円筒状電極が採用された場合には、イオン収集電極と傍熱型陰極とが中心軸の両側に配置された方が良い場合も有り得るが、電子とイオンとが互いに逆方向に流れるように配置されているものであればよい。
次に、上述した構成を備える電離真空計1の作動について説明する。なお、この電離真空計1の作動については、電界、電子軌道およびイオン軌道について解析したコンピュータによるシミュレーション計算の結果に基づいて説明する。
上述のシミュレーションについては、イオン光学シミュレーションソフト「SIMION」を用いて行った。そして、電極は完全な軸対称構造であるものとして円筒状グリッドL1の中心の軸線を含む一つの面内についてのみ2次元的に計算を行い、シミュレーション空間の周囲は電位ゼロの電極で囲まれているものとした。図2は、シミュレーションに用いた電離真空計1の断面図を示す解析モデルを示したものである。また、電子の初期条件設定については、フィラメントL2から中心の軸線に対して−90度から+30度間隔で+90度までの7方向に初期運動エネルギー0.2eVで発射したものの軌跡を求めた。また、イオンの初期条件設定については、N2 +を想定して質量28amuで1価の陽イオンとし、その初期運動エネルギーはゼロとした。
図3は電子軌道についてのシミュレーション結果を示したものであり、図4はイオン軌道についてのシミュレーション結果を示したものである。このシミュレーションでは、図3および図4に示すように、フィラメントL2の電位を20V、電子コレクターL3の電位を25Vとしたから、両者の電位差、すなわち電子が電子コレクターL3に入射するときのエネルギーは僅かに5エレクトロンボルトである。また、イオンコレクターL4の電位を0Vに設定した。円筒状グリッドL1の各リング電極の電位については、円筒状グリッドL1の一端側は低電位に設定し、他端側にかけて高電位となるように、15V、20V、50V、150V、160V、170V、250V、などとし、最も他端側には100V、60Vの低電位を設定している。一端側の15V、20V、50V、などのリング電極(L6)は電子銃部を形成しており、電子を加速しつつ軸方向に平行な狭い流れとして射出する。それに続く150V、160V、170V、の各4個のリング電極の中はイオン生成部で、電子はイオンを作るのに適した速度、すなわち電子と残留気体分子の衝突断面積の大きな速度で、僅かに拡散しながら僅かに加速されつつ軸にほぼ平行に通過する。他端側の低電位の電極は電子を電子コレクターL3に向かって滑らかに減速するために設置されたもので、250Vの電極は発生したイオンが電子コレクターL3に向かうことと電子コレクターL3の表面で発生する電子衝撃脱離イオンがイオンコレクターL4に向かうことを抑制する。なお、図中においては、10V間隔で等電位線も示している。
円筒状グリッドL1の各リング電極、フィラメントL2、および電子コレクターL3のそれぞれの電位を上述のように設定することで、図3に示すように、電子軌道を円筒状グリッドL1の軸線にほぼ平行に近い状態にそろえることができており、円筒状グリッドL1の中央部分にて電子が発散してしまうことも十分に抑制できている。したがって、円筒状グリッドL1の軸方向長さを長く設定して電子の飛行距離を多く確保することで、電離真空計の感度係数を向上させることができる。また、図4に示すように、円筒状グリッドL1内で発生したイオンも電子とは逆方向に一端側に進行してイオンコレクターL4に効率よく収集されている。また、イオン反跳電極L5は、イオンコレクターL4の横を通り過ぎようとするイオンをイオンコレクターL4の方に押しやって、収集効率を高めている。なお、上述の電離真空計の感度係数はイオン電流と雑音電流の和として測定される電流におけるイオン電流の発生効率であり、この感度係数を上げることで(または、雑音電流の発生係数を下げることで)、電離真空計の測定下限圧力を下げて高精度の測定が可能になる。この感度係数は、電子の飛行距離、イオン収集効率、衝突断面積を高く設定することで、向上させることができる。
次に、電離真空計1の変形例に関して解析したシミュレーション結果について説明する。図5は第1の変形例に係る電離真空計における電子軌道についてのシミュレーション結果であり、図6はそのイオン軌道についてのシミュレーション結果を示したものである。このシミュレーションでは、円筒状グリッドL1の他端側に配置されている3個のリング電極L8の電位が高電位(200V、200V、250V)に設定されている点と、電子コレクターL3aが円筒状グリッドL1の一端側から他端側に向かう方向に凹むように形成された凹部を備えている点とが、図3および図4に示す電離真空計1の場合とは異なっている。なお、図5および図6に示す電子コレクターL3aの凹部は、電子コレクターL3aにおける円筒状グリッドL1の軸線の延長方向と交わる位置である中央部が最も凹む円錐曲面状に、すなわち、すり鉢状に形成されている。
この変形例に係る電離真空計については、電子コレクターL3aの直前で電子が発散してしまうことを抑制するために、電子コレクターL3aの形状をすり鉢状に形成している。このように電子コレクターL3aの直前での電子の発散を抑制できることで、円筒状グリッドL1の他端側まで高電位に設定して最高電位のリング電極と電子コレクターL3aとの間に中間電位の電極を配置していなくても、図5に示すように、電子を効率よく収集することができることになる。この場合も電離真空計1の場合と同様に、円筒状グリッドL1の軸方向長さを長く設定して電子の飛行距離を多く確保することで、電離真空計の感度係数を向上させることができる。また、図6に示すように、円筒状グリッドL1内で発生したイオンも電子とは逆方向に一端側に進行してイオンコレクターL4に効率よく収集されている。
図7は第2の変形例に係る電離真空計における電子軌道についてのシミュレーション結果であり、図8はそのイオン軌道についてのシミュレーション結果を示したものである。このシミュレーションで解析した電離真空計は、図5および図6に示す電離真空計と同様に構成されているが、シールド部材L9が設けられている点が異なっている。このシールド部材L9は円筒状で針状のイオンコレクターL4を取り囲むように配置されており、イオンコレクターL4を近くの他の電極から遮蔽するようになっている。
熱電子を利用する電離真空計では、電子を放射するために陰極を加熱しなければならないが、そのために、a)近くの他の電極の温度を上げる、b)微量の陰極物質が蒸発して他の電極に付着する、c)付着した物質の種類によっては光電効果が起きる可能性がある、などの問題を生ずる。本真空計が極端な高真空を測定しようとする場合には、このような原因による僅かな雑音電流の発生にも注意が必要であるため、図7および図8に示す変形例では、イオンコレクターL4を囲むように円筒状のシールド部材L9が設けられているが、図に示されているように、この変形例においても電子およびイオンは効率よくそれぞれのコレクターに収集されている。なお、この変形例においては、シールド部材L9は上記の役割だけでなく、+20Vに保つことによって、イオンコレクターL4に平行に入射したイオンをイオンコレクターの方に押しやり、収集効率を高める役割を果たしている。また、非常に微弱なイオン電流を測定するときには、測定法の一つである変調法を採用する場合が有り得るが、その場合にも、フィラメントL2の近くの電極に変調電圧を供給した場合に、イオンコレクター回路に大きな誘導電流が発生することを抑制する機能を持つ。
以上説明したように、第1実施形態の電離真空計1によると、円筒状グリッドL1の一端側(a)にフィラメントL2およびイオンコレクターL3が設けられ、円筒状グリッドL1の他端側(b)に電子コレクターL3が設けられて、イオンの進行方向と電子の進行方向とが逆方向になり、イオンと電子とが円筒状グリッドL1の一端側(a)と他端側(b)とで分離して収集されることになる。このため、電子がイオンコレクターL4の作る電界によって発散されてしまうという従来の問題を解決でき、電位を適宜設定することにより電子コレクターL3に達するまでに電子を十分に減速して電子コレクターL3に衝突する際の電子のエネルギーを非常に小さくすることができる。したがって、X線光電子流や電子衝撃脱離イオン電流などの雑音電流が発生する可能性をほとんど無くすことができる。このことを、円筒状グリッドの一端側(a)に電子を発生する陰極とイオン収集電極とを、他端側(b)に電子収集電極を配置するという構成を選ぶことによって、簡単な構造の電離真空計で実現することができ、超高真空領域から極高真空領域に亘る全圧の測定を簡単且つ高精度に行うことができる電離真空計を提供することができる。
また、本願発明者らは、フィラメントL2と電子コレクターL3との電位差をわずか5ボルトに設定し、停止状態にかなり近づいた状態でも電子を電子コレクターL3に収集できることを知見した。したがって、電離真空計1によると、電子コレクターL3に衝突する際の電子のエネルギーを非常に小さくすることができる。
また、電離真空計1によると、フィラメントL2を出発する電子は、円筒状グリッドL1の中の電子銃部L6とイオンコレクターL4によって形成される強い収斂性の電界によって巾の狭い流れとなって、軸から少し離れた位置から軸にほぼ平行に進むが、電子銃部からリング電極L7で形成されるイオン生成部へと進入する際に、大きな電位差によって強く加速され、それ以降はイオン生成部の中の弱い加速電界の中をほぼ慣性的に進む。この強い電界も弱い電界も電子に対しては発散させるように作用するが、電子は電子銃部の中ですでに加速されているのでその影響は小さく、電子はイオン生成部の中を僅かに発散しながら通過してその途中でイオンを発生する。発生したイオンはイオン生成部の中の弱い電界の作用でイオンコレクターL4のある方向に向かうが、この電界はイオンに対しては収斂性であるから、軸の方に集められながら少しずつ速度を増す。そして、イオン生成部を通過し終わるところで大きな電位差のために強く加速されるとともに強く軸の方に引き寄せられる。この場所でイオンの流れは電子の流れとすれ違うことになるが、この場所は強い電界が作用している場所であり、しかも、電子が軸から少し離れた場所を進むのに対して、イオンは強く収斂された状態で通過するから、両者が干渉しあうことは考え難い。すなわち、例えば電子の流れがイオンの流れに引きつけられて乱されるなどのことは考え難い。
また、電離真空計1によると、イオン流は強く収斂されてフィラメントL2よりも軸に近い側を進むが、イオンコレクターL4は零の電位におかれているのに対して、フィラメントL2と電極L5には正の電位が与えられており、正電荷を持つイオンは反発するから、イオンはこれら二つの電極の働きにより、より一層イオンコレクターL4の方に収斂され、効率よく収集される。
また、第1の変形例に係る電離真空計によると、電子コレクターL3aに凹部を設けることで、その凹み面に沿って電子を誘導するように収集することで、電子コレクターL3aの直前で電子が発散してしまうことを抑制することができる。そして、電子コレクターL3aの凹部はその中央部が最も凹むように形成されているため、円筒状グリッドL1から最も離れる位置に向かって電子を誘導するように収集し、電子コレクターL3aの直前で電子が発散してしまうことをより効率よく抑制することができる。
また、第2の変形例に係る電離真空計によると、イオンコレクターL4とフィラメントL2との間にシールド部材L9が配置されることで、イオンコレクターL4の温度上昇や光電効果を抑え、雑音電流の発生を抑制することができる。また、イオン電流の測定に変調法を適用することを容易にすることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る電離真空計について説明する。図9は、第2実施形態に係る電離真空計2を示す模式図である。この図9に示すように、電離真空計2は、円筒状グリッドL1、フィラメントL2、電子コレクターL3、およびイオンコレクターL4を備えて構成されている。
電離真空計2の円筒状グリッドL1は、第1実施形態の円筒状グリッドL1と同様に、一方向に配列された複数のリング電極L5、L6、L7、およびL8の集合体である円筒状格子型電極として構成されている。
また、フィラメント(電子銃部)L2、電子コレクター(電子収集電極)L3、およびイオンコレクター(イオン収集電極)L4は、それぞれ第1実施形態の場合と同様に構成されている。ただし、フィラメントL2とリング電極L6によって構成される電子銃部は、リング電極L5で形成されるイオン収集部とリング電極L7で形成されるイオン生成部との間に配置されており、イオンコレクターL4がイオン収集部の一端側(a)の端部に設けられ、電子コレクターL3がイオン生成部の他端側(b)に設けられている。すなわち、電子コレクターL3が円筒状グリッドL1の他端側(b)の端部に設けられ、イオンコレクターL4が一端側(a)に設けられている。そして、フィラメントL2は、イオンコレクターL4に対して他端側(b)に配置されている。
上述のように構成されていることで、フィラメントL2から放射された電子は、円筒状グリッドL1のイオン生成部の中を他端側(b)に向かって飛行してイオンを発生させ、最終的に電子コレクターL3に収集されることになる。このとき、第1実施形態の場合と同様に、フィラメントL2と電子コレクターL3との電位差が10ボルト未満となるようにフィラメントL2および電子コレクターL3のそれぞれに所定の電圧が印加されている。このため、イオン生成部を飛行してイオンを発生させた電子は、電子コレクターL3に近づくと十分に減速され、最終的には停止状態にかなり近づいた状態で電子コレクターL3に到達することになる。一方、イオン生成部で発生したイオンは、電子とは逆方向である一端側(a)に向かって流れ、電子銃部とイオン収集部を通過してイオンコレクターL4に収集されることになる。
次に、上述した構成を備える電離真空計2の作動について説明する。この電離真空計2の作動については、第1実施形態の説明と同様に、電界、電子軌道およびイオン軌道について解析したシミュレーション結果に基づいて説明する。なお、シミュレーションについては、第1実施形態の場合と同様の条件の下で行った。
図10は、電離真空計2に関する電子軌道についてのシミュレーション結果を示したものであり、図11は、イオン軌道についてのシミュレーション結果を示したものである。図10および図11に示すように、このシミュレーションでは、フィラメントL2の電位を20V、電子コレクターL3の電位を25V、イオンコレクターL4の電位を0Vとそれぞれ設定した。したがって、フィラメントL2と電子コレクターL3との電位差は僅かに5Vである。また、イオン収集部の各リング電極L5の電位については、一端側の3箇所の電位をいずれも100Vと設定した。そして、イオン生成部の各リング電極L7の電位については、他端側にかけて高電位となるように設定し、150Vの電位を3箇所、次いで160Vの電位を3箇所、さらに最高電位として250Vの電位を設定し、最も他端側で電子コレクターL3との間の電極には60Vの電位を設定した。最も他端側の60Vの電位は、電子コレクターL3に向かって滑らかな減速を可能にするために設定した。なお、第1実施形態の場合と同様に、図中においては10V間隔で等電位線も示している。
円筒状グリッドL1を構成する各リング電極、フィラメントL2、および電子コレクターL3のそれぞれの電位を上述のように設定することで、図10に示すように、電子軌道を円筒状グリッドL1の軸にほぼ沿った状態にそろえることができており、円筒状グリッドL1におけるイオン生成部の中央部分にて電子が発散してしまうことも十分に抑制できている。また、図11に示すように、円筒状グリッドL1におけるイオン生成部で発生したイオンも電子とは逆方向に一端側に進行してさらにイオン収集部の作用によりイオンコレクターL4に効率よく収集されている。
以上に説明した第2実施形態の電離真空計2によると、イオンコレクターL4とフィラメントL2との距離を十分に確保することができるため、フィラメントL2からの熱輻射や陰極物質の飛来によってイオンコレクターL4の回路に雑音電流が発生することを抑制することができる。なお、電離真空計2によっても、第1実施形態の電離真空計1と同様に、電子が電子収集電極に収集されるときのエネルギーは非常に小さく、X線光電子電流や電子衝撃脱離イオン等の雑音電流を極めて小さくすることが可能であり、超高真空領域から極高真空領域に亘る全圧の測定を簡単且つ高精度に行うことができる。
次に、電離真空計2の一つの変形例に関して解析したシミュレーション結果について説明する。
図12は、この変形例に係る電離真空計における電子軌道についてのシミュレーション結果であり、図13は、そのイオン軌道についてのシミュレーション結果を示したものである。このシミュレーションでは、電子コレクターL3aが第1実施形態の変形例の説明で示した図5の場合と同様に円筒状格子型電極L1の一端側から他端側に向かう方向に凹むように形成された凹部を備えている点と、円筒状格子型電極L1の一部であってイオン収集部を形成しているリング電極L5の個数が3個から1個と少なくなっている点と、また、フィラメントL2から見てイオンコレクターL4の側に隣接するリング電極が、中央に円孔を持つ円板状の遮蔽板(シールド部材)L9に置き換えられている点とが、図10および図11に示す計算例とは異なっている。
この変形例に係る電離真空計においては、電子コレクターL3aの形状をすり鉢状に形成しているため電子コレクターL3aの直前での電子の発散を抑制することが容易で、そのため円筒状格子型電極L1の他端側(b)の最高電位の電極と電子コレクターL3aの間に中間の電位の電極を設置する必要が無く、図12に示されているように電子は順調にイオン発生空間を飛行して電子コレクターL3aに収集されている。この電子の通過によって発生したイオンは、少しずつ加速されながら中心軸に近寄るように作られた電界の中を進み、電子銃部に達すると強く加速されて、円周状のフィラメントL2の中心部分を細く絞られた早い流れとなって通過する。このようにイオンがフィラメントL2の近くを速い速度で通過することは、イオンが電子によって中和されることを抑制する。細く絞られた流れとなったイオンは、次に円孔を持つ円板状の遮蔽板L9の円孔を高い確率で通過し、イオンコレクターL4に収集される。その際比較的高い正の電位に保たれているリング電極L5で形成されているイオン収集部の1個のリング電極がイオンを強くイオンコレクターL4の方に押しやり、イオンの収集効率を高めている。
また、この変形例に係る電離真空計においては、中央に円孔を持つ円板状の遮蔽板L9をフィラメントL2とイオンコレクターL4との間に設置したことによって、イオンコレクターL4がフィラメントL2からの輻射に曝されることは無く、また微弱なイオン電流を正確に測定する必要からフィラメントL2の近傍の電極に変調電圧を供給する必要が生じた場合にも、それによってイオン電流測定回路に大きな誘導電流が発生することを抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。また、本発明は、例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)第1および第2実施形態において示したものは例示であり必ずしもこの通りでなくてもよく、種々変更して実施することができる。例えば筒状格子型電極に関しては、上述の実施形態では円筒状グリッドとしたが、これに限られるものではなく、例えば矩形筒状グリッドや楕円筒状グリッドであってもよく、また、それを構成する各電極の大きさや個数、相互の間隔なども変更して差し支えない。電子銃部内の陰極は、上述の実施形態では円形の直熱型フィラメントを示したが、円形でなくてもよく、また傍熱型陰極であってもよく、複数個の陰極を配置してもよい。イオン収集電極についても、必ずしも中心軸上にある必要はなく、例えば傍熱型陰極とイオン収集電極とが中心軸を挟んで、その両側にあっても差し支えない。電子収集電極に関しても同様に円板や円すい形に限らず、おわん形や朝顔形など種々変更して実施することができる。
(2)筒状格子型電極における各電極、電子銃部、電子収集電極、およびイオン収集電極のそれぞれにおける電位設定については、第1および第2実施形態において示したものは例示であり、必ずしもこの通りでなくてもよく、種々変更して実施することができる。
本発明の第1実施形態に係る電離真空計を示す模式図である。 図1に示す電離真空計における電界、電子軌道およびイオン軌道について解析するシミュレーションに用いた解析モデルを示す図である。 図1に示す電離真空計における電子軌道についてのシミュレーション結果を示したものである。 図1に示す電離真空計におけるイオン軌道についてのシミュレーション結果を示したものである。 第1実施形態の第1の変形例に係る電離真空計における電子軌道についてのシミュレーション結果を示したものである。 第1実施形態の第1の変形例に係る電離真空計におけるイオン軌道についてのシミュレーション結果を示したものである。 第1実施形態の第2の変形例に係る電離真空計における電子軌道についてのシミュレーション結果を示したものである。 第1実施形態の第2の変形例に係る電離真空計におけるイオン軌道についてのシミュレーション結果を示したものである。 本発明の第2実施形態に係る電離真空計を示す模式図である。 図9に示す電離真空計における電子軌道についてのシミュレーション結果を示したものである。 図9に示す電離真空計におけるイオン軌道についてのシミュレーション結果を示したものである。 第2実施形態の一つの変形例に係る電離真空計における電子軌道についてのシミュレーション結果を示したものである。 第2実施形態の一つの変形例に係る電離真空計におけるイオン軌道についてのシミュレーション結果を示したものである。
符号の説明
1、2 電離真空計
L1 円筒状グリッド(筒状格子型電極)
L2 フィラメント(電子銃部内の陰極)
L3 電子コレクター(電子収集電極)
L4 イオンコレクター(イオン収集電極)
L5 イオンリぺラー(イオン反跳電極)
L6 電子銃部グリッド
L7 イオン生成部グリッド
L8 調整グリッド

Claims (6)

  1. 筒状格子型電極の一端側に設けられ、加速させた電子を当該筒状格子型電極内に入射する電子銃部と、
    前記筒状格子型電極の他端側に設けられ、当該筒状格子型電極内を通過してその他端側から出射した電子を収集する電子収集電極と、
    前記筒状格子型電極の一端側に設けられ、当該筒状格子型電極内を飛行する電子によって発生したイオンを収集するイオン収集電極と、
    を備えていることを特徴とする電離真空計。
  2. 前記電子銃部内の陰極と前記電子収集電極との電位差が10ボルト未満であることを特徴とする請求項1に記載の電離真空計。
  3. 前記イオン収集電極は、前記筒状格子型電極の軸方向に沿って配置され、
    前記電子銃部は、前記筒状格子型電極内で前記イオン収集電極と前記軸方向と直角な方向において離れて配置されて、前記軸方向においては前記イオン収集電極の先端が前記電子銃部の陰極よりも前記電子収集電極側に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電離真空計。
  4. 前記イオン収集電極は、前記筒状格子型電極の軸方向に沿って配置され、
    前記電子銃部は、前記筒状格子型電極内で前記イオン収集電極と前記軸方向と直角な方向において離れて配置されて、前記軸方向においては当該電子銃部の陰極が前記イオン収集電極よりも前記電子収集電極側に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電離真空計。
  5. 前記電子収集電極は、前記筒状格子型電極の一端側から他端側に向かう方向に凹むように形成された凹部を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電離真空計。
  6. 前記イオン収集電極と前記電子銃部との間に配置され、当該イオン収集電極を前記電子銃部から遮蔽するシールド部材を更に備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電離真空計。
JP2005302735A 2005-10-18 2005-10-18 電離真空計 Pending JP2007113928A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005302735A JP2007113928A (ja) 2005-10-18 2005-10-18 電離真空計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005302735A JP2007113928A (ja) 2005-10-18 2005-10-18 電離真空計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007113928A true JP2007113928A (ja) 2007-05-10

Family

ID=38096270

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005302735A Pending JP2007113928A (ja) 2005-10-18 2005-10-18 電離真空計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007113928A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106463336B (zh) 具有延长使用寿命的直角飞行时间检测器
JP4691712B2 (ja) 飛行時間質量分析計
JP6854799B2 (ja) 分析物分子をイオン化する方法
KR100744006B1 (ko) 단일 입자 질량 분석기
US9633813B2 (en) Ion source using heated cathode and electromagnetic confinement
JP2000030654A (ja) 粒子ビ―ム装置
CN105702556A (zh) 用于软电子电离的离子源和有关系统和方法
EP1519402B1 (en) Ionisation vacuum gauge
JP6449541B2 (ja) プラズマ質量分析装置用イオン光学システム
US9362078B2 (en) Ion source using field emitter array cathode and electromagnetic confinement
US3576992A (en) Time-of-flight mass spectrometer having both linear and curved drift regions whose energy dispersions with time are mutually compensatory
US20140326874A1 (en) Printed circuit board multipole units used for ion transportation
US9230789B2 (en) Printed circuit board multipole for ion focusing
US10121629B2 (en) Angled flat emitter for high power cathode with electrostatic emission control
JP2004158426A (ja) 反射型イオン付着質量分析装置
US4307323A (en) Vacuum gauge
US20140183349A1 (en) Ion source using spindt cathode and electromagnetic confinement
US8314381B2 (en) Reflector for a time-of-flight mass spectrometer
US10615001B2 (en) Wide field-of-view atom probe
JP2007113928A (ja) 電離真空計
US20160020064A1 (en) Apparatus for focusing and for storage of ions and for separation of pressure areas
JP7342687B2 (ja) イオン電流測定装置
US9053893B2 (en) Radiation generator having bi-polar electrodes
US10468222B2 (en) Angled flat emitter for high power cathode with electrostatic emission control
JP2011228069A (ja) ガスクラスターイオンビームを用いた飛行時間型二次イオン質量分析装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070827