JP2007112224A - インホイールモータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題を解決するための手段】 インホイールモータによる駆動反力がサスペンションに加わって生じる各車輪の蛇角の変化量Δfl〜Δrrを考慮した数式に基づいて目標駆動力Fxfl*〜Fxrr*を算出するようにした。そのため、駆動反力による各車輪の蛇角の変化Δfl〜Δrrの影響を見込んだ目標駆動力Fxfl*〜Fxrr*を算出し、駆動反力による車両挙動の変化を予め想定した駆動指令を出力することができ、その結果、走行状態への影響を相殺するような車両運動を実現し、サスペンションの形式によらず、目標通りの制御結果を得ることができる。
【選択図】 図2
Description
そのため、このような車両にあっては、一般に、各駆動輪でコンプライアンスステアを生じても、車両の走行状態が不安定なものとならないように、サスペンションの構造を工夫するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、上記従来の技術の未解決の問題を解決することを目的とするものであって、種々のサスペンション形式でも目標通りの制御結果を得ることができるインホイールモータ制御装置を提供することを課題とする。
即ち、この車両は、インホイールモータでトルクを出力し、駆動輪を回転駆動して、駆動輪から路面に駆動力を出力するように構成されている。なお、その際、その駆動力の反力が前記インホイールモータを支持するサスペンションに加わると、各駆動輪で蛇角の変化、つまり、コンプライアンスステアを生じるようになっている。
図1は、本発明のインホイールモータ制御装置の第1実施形態を示す構成図である。この図1に示すように、インホイールモータ制御装置1は、操舵角センサ2、アクセルペダルセンサ3、ブレーキペダルセンサ4、ヨーレートセンサ5、制御ユニット6、モータインバータ7FL〜7RR、及び電源ユニット8を含んで構成される。
アクセルペダルセンサ3は、ドライバによるアクセルペダル10の操作量(アクセル指令値)を検出し、その検出結果を制御ユニット6に出力する。
ブレーキペダルセンサ4は、ドライバによるブレーキペダル11の操作量(ブレーキ指令値)を検出し、その検出結果を制御ユニット6に出力する。
ヨーレートセンサ5は、車両のヨー方向の挙動を計測し(ヨーレートdφ/dtを検出し)、その検出結果を制御ユニット6に出力する。
電源ユニット8は、各インホイールモータ12FL〜12RRを駆動するための駆動電流を各モータインバータ7FL〜7RRに供給する.
次に、制御ユニット6で実行されるモータ駆動処理を図2のフローチャートに従って説明する。このモータ駆動処理は、車両のイグニッションがオン状態となると実行される処理であって、図2に示すように、まず、そのステップS101では、ヨーレートセンサ5からヨーレートdφ/dtを取得し、モータインバータ7FL〜FRから各インホイールモータ12FL〜12RRの回転数を取得して車速Vを算出する。
次にステップS103では、前記ステップS101及びS102で取得された検出結果等に基づき、所定の計算式に従って目標ヨーレートφ*を算出する。例えば、目標ヨーレートφ*を操舵角δfの一次遅れで変化させる場合には、前記所定の計算式として、下記(1)の計算式を用いる。
dφ*/dt=G(V)/(1+τs)δf ・・・(1)
但し、G(V)は車速Vに応じて決まるヨーレートゲインである。
次にステップS106に移行して、前記ステップS105で算出された目標駆動力Fxfl*、Fxfr*、Fxrl*、Fxrr*を各インホイールモータ12FL〜12RRに出力させる駆動指令をモータインバータ7FL〜7RRに出力した後、前記ステップS101に移行する。
<数式の導出方法>
次に、インホイールモータ12FL〜12RRによる駆動反力がサスペンション14FL〜14RRに加わって生じる駆動輪13FL〜13RRの蛇角の変化を考慮した上記(2)式及び(3)式の導出方法を説明する。
まず、車両のヨーモーメントの運動方程式は、下記(4)式で表される。
ここで、インホイールモータ12FL〜12RRによる駆動反力がサスペンション14FL〜14RRに加わって生じる駆動輪13FL〜13RRの蛇角の変化を考慮した各車輪13FL〜13RRの横力は、下記(5)〜(8)式で表される。
Fyfl=Cf(δfl+Δfl―(lf/V)dφ/dt―β) ・・・(5)
Fyfr=Cf(δfr+Δfr―(lf/V)dφ/dt―β) ・・・(6)
Fyrl=Cr(Δrl+(lf/V)dφ/dt―β) ・・・(7)
Fyrl=Cr(Δrr+(lf/V)dφ/dt―β) ・・・(8)
但し、Δfl、Δfr、Δrl、Δrrはコンプライアンスステアによる各車輪13FL〜13RRの蛇角の変化量である。
Δfl=afFxfl ・・・(9)
Δfr=―afFxfr ・・・(10)
Δrl=afFxrl ・・・(11)
Δrr=―arFxrr ・・・(12)
さらに、ヨーモーメントMは、下記(13)式のように表される。
M=d/2(―Fxfl+Fxfr―Fxrl+Fxrr) ・・・(13)
したがって、車両のヨーモーメントの運動方程式(上記(2)式)は、上記(4)〜(13)式に基づいて、下記(14)式のように導出される。
以上より、インホイールモータ12FL〜12RRによる駆動反力がサスペンション14FL〜14RRに加わって生じる駆動輪13FL〜13RRの蛇角の変化Δfl、Δfr、Δrl、Δrrを考慮した付加ヨーモーメントMlの算出式(上記(3)式)は、下記(15)式のように導出される。
また、複雑な計算処理を行わず、計算量を少なくすることができるため、高性能な計算手段を用いなくても、実走行に十分な処理速度で目標駆動力を算出することができる。
図5は、第2実施例のモータ駆動処理を示すフローチャートである。この図5に示すように、第2実施形態は、上記(2)(3)式の係数af、arを推定するようにした点が前記第1実施形態とは異なる。即ち、第2実施形態は、図2のステップS106の後にステップS207〜S209を設けるようにした点が前記第1実施形態と異なる。
次にステップS208に移行して、前記ステップS103で算出された目標ヨーレートdφ*/dtと前記ステップS101で取得された実際のヨーレートdφ/dtとの差が所定値dφth/dtより小さいか否かを判定する。そして、前記所定閾値dφth/dtより小さい場合には(Yes)前記ステップS101に移行し、前記所定閾値dφth/dt以上である場合には(No)ステップS209に移行する。
なお、本実施形態では、目標ヨーレートdφ*/dtと実際のヨーレートdφ/dtとの差が所定値dφth/dt以上である場合に係数af、arを更新する例を示したが、これに限られるものではない。例えば、目標ヨーレートdφ*/dtと実際のヨーレートdφ/dtとの差が所定値dφth/dt未満である場合に係数af、arを更新するようにしてもよい。即ち、駆動輪が瞬間的に低μ路面に入ったり、小石に乗り上げたりして外乱が入ったことで、目標ヨーレートdφ*/dtと実際のヨーレートdφ/dtとの差が大きくなった場合には係数af、arを更新を禁止することもできる。
なお、本発明のインホイールモータ制御装置は、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、各輪13FL〜13RRを独立した駆動輪とする例を示したが、これに限られるものではない。例えば、駆動力配分による車両挙動制御が実現できる構成となっていれば、駆動輪の数はいくつでもよい。
Claims (8)
- 目標付加ヨーモーメントに基づいて各駆動輪の目標駆動力を算出する駆動力算出手段と、その目標駆動力に基づいて各駆動輪に設置されたインホイールモータにトルクを出力させる駆動力制御手段とを備えたインホイールモータ制御装置であって、
前記駆動力算出手段は、前記インホイールモータによる駆動反力がサスペンションに加わって生じる前記駆動輪の蛇角の変化を考慮した数式に基づいて前記目標駆動力を算出することを特徴とするインホイールモータ制御装置。 - 操舵輪の操舵角を検出する操舵角検出手段と、その操舵角に基づいて目標ヨーレートを算出する目標ヨーレート算出手段と、その目標ヨーレートに基づいて目標付加ヨーモーメントを算出する目標付加ヨーモーメント算出手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のインホイールモータ制御装置。
- 前記駆動力算出手段は、予め定められた係数を有する前記数式に基づいて前記目標駆動力を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のインホイールモータ制御装置。
- 目標ヨーレートと実際のヨーレートとの差に基づいて前記目標付加ヨーモーメントを算出するヨーモーメント算出手段を備え、
前記駆動力算出手段は、前記目標ヨーレートと実際のヨーレートとの差に基づいて前記数式の係数を推定し、その推定された係数を有する前記数式に従って前記インホイールの目標駆動力を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のインホイールモータ制御装置。 - 前記係数は、前記駆動輪に作用する車両前後方向の外力と当該外力による前記駆動輪の蛇角の変化量との関係を線形的に表す数式の係数であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインホイールモータ制御装置。
- 前記係数は、前記駆動輪に作用する車両前後方向の外力と当該外力によって生じるコンプライアンスステアによる駆動輪の舵角の変化量との関係を線形的に表す数式の係数を用いることを特徴とする請求項5に記載のインホイールモータ制御装置。
- 前記係数は、前記駆動輪に作用する車両前後方向の外力Fと当該外力によって生じるコンプライアンスステアによる駆動輪の舵角の変化量Δとの関係をΔ=aFと表す数式の係数aであることを特徴とする請求項6に記載のインホイールモータ制御装置。
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