JP2007111615A - 空気清浄機 - Google Patents

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Abstract

【課題】好気下において一酸化炭素を吸着除去し、かつVOCを同時に除去することを可能とする吸着構造体を備える空気清浄フィルターを用いた空気清浄機を提供する。
【解決手段】基材と、基材上にグラフト重合により形成されたポリマーとを有し、ポリマーに有害化学物質を吸着し得る吸着体が形成されてなる空気清浄フィルターと、空気清浄フィルターに対し空気が流入する側に設けられた除湿部とを備える空気清浄機。
【選択図】図1

Description

本発明は、有害化学物質を吸着除去するための空気清浄フィルターを備えた空気清浄機に関する。
近年、住宅をはじめとする居住スペースにおける室内環境汚染の問題に関心が集まっている。特に、新築住宅に入居後、めまい、吐き気、頭痛、目・鼻・喉の痛みなどの症状を訴えるシックハウス症候群は非常に注目されている疾患の1つである。このシックハウス症候群は、建材、内装材や家具などから放散されるホルムアルデヒドやトルエン、キシレンなどの揮発性化学物質(volatile organic compounds:VOC)が原因となっている。特に近年は気密性が高いために自然に換気される量が減少し、かつ建材、内装材や家具などはVOCを放散しやすいものが多用されているため、シックハウス症候群の発生しやすい状況を作っている。
また最近施行された受動喫煙の防止を謳う健康増進法により、学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。このように健康面に対する問題から有害化学物質による室内環境汚染に関して非常に多くの注目がなされている。
タバコの煙に関して言えば、特許文献1では、フィルターによる除塵について記述されているが、最も人体に有害でありタバコの副流煙の主成分として知られている一酸化炭素の除去について記載されておらず、また一酸化炭素の除去が実現されている例は殆どない。特許文献2では、金属錯体による一酸化炭素の分離について記述がなされているが、これらはその工程が嫌気下においてなされる工業的な分離を目的としたもので、好気下において十分に効力を発揮するものとは言い難い。
特開2002−28414号公報 特開昭61−164644号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、好気下において一酸化炭素を吸着除去し、かつVOCを同時に除去することを可能とする吸着構造体を備える空気清浄フィルターを用いた空気清浄機を提供することである。
本発明の空気清浄機は、基材と、基材上にグラフト重合により形成されたポリマーとを有し、ポリマーに有害化学物質を吸着し得る吸着体が形成されてなる空気清浄フィルターと、当該空気清浄フィルターに対し空気が流入する側に設けられた除湿部とを備えることを特徴とする。
ここにおいて、前記基材は、シリケート類、セラミック材料または生体由来材料で形成されたものであることが好ましい。前記セラミック材料の中でもSiCがより好ましく、また、前記生体由来材料の中でもセルロースまたはキチンがより好ましい。
本発明の空気清浄機において、前記ポリマーは芳香族基を含むことが好ましい。
また本発明の空気清浄機において、前記吸着体は金属錯体を含むことが好ましい。
本発明による空気清浄機は、従来法では除去することが困難であった一酸化炭素の除去を、空気中でも安定に存在することができる銅(I)イオンへ一酸化炭素を配位させることにより除去を行い、なおかつトルエンやキシレンをはじめとするVOCをも吸着除去することができる。すなわち一酸化炭素とVOCとを同時に除去することを可能とする。
図1は、本発明の空気清浄機に好ましく用いられる空気清浄フィルター1の一部を模式的に示す図である。本発明における空気清浄フィルター1は、基材2と、基材2上にグラフト重合により形成されたポリマー3とを備え、ポリマー3に有害化学物質を吸着し得る吸着体4が形成されてなることを特徴とする。なお、本明細書中における「有害化学物質」とは、室内環境を汚染し、人体に対して有害である物質であり、具体的には、トルエン、キシレン、一酸化炭素などを指す。本発明の空気清浄機は、有害化学物質が一酸化炭素(CO)を含む場合に、特に好適に適用することができるものである。
空気清浄フィルター1における基材2は、略平坦な一表面を有し、当該表面にモノマーをグラフト重合させ得る高分子化合物の重合開始点を発生させ得るものであれば特に制限されるものではなく、たとえば、セラミック材料、シリケート類、生体由来材料、活性炭、グラファイト、酸化物、窒化物、金属(合金を含む)、有機物質などの適宜の材料で形成されたものを用いることができる。中でも、表面から比較的簡便に重合を行なうことができることから、セラミック材料、シリケート類または生体由来材料で形成された基材2を用いることが好ましい。すなわち、放射線により基材2表面に重合開始点を発生できるもの、基材2の表面に化学的に重合開始することができる官能基を有するもしくは修飾させることができる材料で形成された基材2が好ましく用いられる。
上記セラミック材料としては、具体的には、SiC、SiN、コージエライト、アルミナなどを挙げることができる。中でも比較的ラジカルが発生しやすいことから、SiCが好ましい。
上記シリケート類としては、具体的には、シリカゲル、シリカアルミナ、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩などを挙げることができる。中でも成形性に富み容易に入手することができることから、シリカゲルが好ましい。
上記生体由来材料とは、動植物から得られる材料を指し、具体的には、キチン、キトサン、セルロース、デキストラン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアミノ酸などを挙げることができる。中でも繊維状であり、後述するハニカム状に簡便に形成することができることから、セルロースまたはキチンが好ましい。
本発明における空気清浄フィルター1では、基材2の表面にポリマー3をグラフト重合により形成することにより、基材2の表面を修飾させる。このように基材2の表面にポリマー3をグラフト重合により形成することによって、空気清浄フィルターとして用いた場合に、空気中に含まれる有害化学物質を効率的にポリマー3に衝突させ、後述するポリマー3上に形成された吸着体4によって有害化学物質を吸着させて効率的に除去させることができる。
基材2の表面にポリマー3をグラフト重合により形成する方法としては、従来公知の様々な方法を特に制限されることなく適用することができる。たとえば、(1)紫外線、プラズマ、γ線などの放射線を用いて基材表面に活性点を与えそれを基点に重合させる方法、(2)基材表面に、モノマーと反応する官能基を修飾し重合させる方法、(3)酸化還元反応を用いて重合させる方法などが挙げられる。
基材2の形成材料としてSiCを用いた場合には、上述した方法のうち、プラズマにより基材2の表面に活性点を与える方法を好適に採用することができる。プラズマを用いる場合、好ましくは0.1torr〜1torrのアルゴン気流下で基材のプラズマ処理を行い、その後常圧、嫌気下でモノマーを反応させる。このようにして、基材2上にポリマー3をグラフト重合により形成することができる。
また基材2の形成材料としてシリケート類を用いた場合には、上述した方法のうち、基材2の表面に、ポリマーと反応する官能基を修飾し重合させる方法を好ましく採用することができる。基材2の表面に修飾する官能基としては、たとえば水酸基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基、エポキシ基、アリル基、アクロイル基、メタクロイル基、イソシアネート基、シランカップリング基、アゾ基、ジチオカルバメート基などを挙げることができる。たとえば、基材2が表面に水酸基を有する場合、メルカプト基を導入してグラフト重合を行うことができる。たとえば、メルカプト基導入のために、基材2をメルカプトプロピルメトキシシランの水/イソプロピルアルコール混合溶媒溶液に浸漬する。
基材2の形成材料としてキチンやセルロースを用いた場合には、上述した方法のうち、酸化還元反応を用いて重合させる方法を好ましく採用することができる。具体的には、基材をたとえば硝酸水溶液に浸漬し、0℃以下で酸化剤としてセリウム(IV)イオンを過剰に添加して、重合開始点を形成するとともにラジカルを消滅させる。これにモノマーを添加することによって、基材2上にグラフト重合によりポリマー3を形成する。
空気清浄フィルター1において、基材2の表面にグラフト重合により形成されるポリマー3は特に制限されるものではないが、芳香族化合物を含むモノマーで形成され、当該芳香族化合物由来の芳香族基を含むものであることが好ましい。トルエン、キシレンをはじめとする芳香族性のVOCを、ポリマー3中に含まれる芳香族基との相互作用によって吸着させる機能をもたせるためであるとともに、吸着体4の形成に特に好適であるからである。上記芳香族基は、ポリマー3の主鎖、側鎖のいずれを構成するように含有されていてもよい。ポリマー3に好ましく含まれる芳香族基を形成するための芳香族化合物モノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、t−ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、シアノスチレン、アミノスチレン、スチレンスルホン酸、ジビニルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられ、中でも芳香族環上に形成される金属錯体の安定性が高くなると考えられることから、スチレン、ジビニルベンゼンが好ましい。
ポリマー3中に芳香族基が含まれる場合、当該部分はポリマー全体を構成するモノマーの全量を1とする場合に0.1〜0.9の範囲で含有されることが好ましく、0.3〜0.7の範囲で含有されることがより好ましい。ポリマー3中に含まれる芳香族基の前記含有量が0.1未満であると、一酸化炭素を吸着する錯体が形成されにくくなり、トルエンやスチレンをはじめとする芳香族化合物を吸着できないという傾向にあるためであり、またポリマー3中に含まれる芳香族基の前記含有量が0.9を超えると、錯体の形成が密になりすぎる傾向にあるためである。なお、上記ポリマー3中に含まれる芳香族基の含有量は、たとえば赤外吸収スペクトル(IRスペクトル)を用いて、その吸光度から測定することができる。
空気清浄フィルター1において、ポリマー3は、基材2の表面上に1nm2あたり0.1〜1本の密集度で形成されるのが好ましく、1nm2あたり0.3〜0.8本の密集度で形成されるのがより好ましい。ここで、前記「密集度」とは、基材2の表面の単位面積あたりに形成されたポリマー3の本数を示す。ポリマー3の密集度が1nm2あたり0.1本未満であると、ポリマー3が基材2に対して垂直方向に立ちにくく、有害化学物質の除去効率が落ちる傾向にあるためであり、またポリマー3の密集度が1nm2あたり1本を超えると、ポリマー3が密集しすぎて、逆に有害化学物質の除去効率が下がる傾向にあるためである。なお、上記ポリマー3の密集度は、たとえばグラフト重合後の溶液中に存在するフリーポリマー(グラフトしていないポリマー)をGCPで分析し、その分子量(数平均分子量:Mn)を測定する。このとき、フリーポリマーの分子量はグラフトポリマーのものとほぼ同様の値をとる。次に、グラフトポリマーを修飾した基材のIRスペクトルの測定から得られた吸光度よりグラフト量を求める。そして横軸に分子量、縦軸にグラフト量をプロットし、その傾きから密集度を見積もることができる。
本発明における空気清浄フィルター1は、上記基材2の表面にグラフト重合により形成されたポリマー3上に、有害化学物質を吸着し得る吸着体4が形成されてなる。本発明における空気清浄フィルター1では、基材2の表面にポリマー3がグラフト重合により形成されることで、基材2上に共有結合によりポリマー3が存在する。そして、このポリマー3上に吸着体4が形成される。このため、従来の浸漬により基材の表面を吸着剤で修飾するような構成と比較すると、より安定して基材上に吸着体が存在することになる。
本発明においては、金属錯体を用いて吸着体4を形成してなることが好ましい。金属錯体は、通常、遷移金属イオンと塩基の間に配位結合を介して形成される。塩基としては、ハロゲンなどの陰イオン、窒素原子や酸素原子上に存在する孤立電子対、π電子などが挙げられる。配位結合は、一般に強い相互作用であり共有結合の一種である。ポリマー3上への金属錯体の形成は、たとえば、ポリマー3中に含まれる芳香族基と、金属イオンとの間の配位結合によってなされる。
金属錯体の形成に用いられる金属イオンとしては、たとえば、銅イオン、アルミニウムイオン、鉄イオン、ニッケルイオン、亜鉛イオン、銀イオン、コバルトイオン、マンガンイオン、モリブデンイオンなどが挙げられ、中でも空気酸化に対して比較的安定な、銅(I)イオンとアルミニウム(III)イオンとの複合体が好ましい。金属錯体としては、たとえば、配位子としてベンゼン、トルエン、ピリジンを用いた銅(I)−アルミニウム(III)錯体などを挙げることができる。このような金属錯体を形成するための原料としては、たとえばハロゲン化銅、ハロゲン化アルミニウムなどの金属のハロゲン化物を好適に用いることができる。
たとえば銅(I)イオンを用いた金属錯体にて吸着体4を形成した場合、有害化学物質である一酸化炭素は、ポリマー3上に配位した銅イオン上へ配位結合を介して結合されることによって、吸着体4に吸着される。また一酸化炭素が銅(I)イオンと相互作用する場合、一酸化炭素の電子を供与して金属への結合を生成するとともに、一酸化炭素がπ電子を有するので金属d電子を一酸化炭素のπ*軌道へ供与する(逆供与)するために強い結合が形成される。また、一酸化炭素以外にも、金属錯体に対し吸着能を有する有害化学物質であれば、吸着体4により吸着させることによって除去することができる。たとえば、臭いの原因となるアミン類や硫黄含有化合物も空気清浄フィルター1により除去し得る対象となる。
空気清浄フィルター1において、吸着体4は、ポリマー3上に0.2〜0.8の割合で存在するように形成されるのが好ましく、0.4〜0.6の割合で存在するように形成されるのがより好ましい。上記範囲内の割合で吸着体4がポリマー3上に存在する、換言すれば、吸着体4がポリマー3全体に略均一に存在していることにより、吸着体4により効率よく有害化学物質を吸着し除去することができる。
上記吸着体4が存在する割合が0.2未満である場合、一酸化炭素を吸着する能力が低下するという傾向にあるためであり、また上記吸着体4が存在する割合が0.8を超える場合、トルエンやスチレンをはじめとする芳香族化合物の吸着能が低下するという傾向にあるためである。なお、上記吸着体4がポリマー3上に存在する割合は、たとえば、赤外吸収スペクトル(IRスペクトル)を用いて、その吸光度から測定することができる。
本発明における空気清浄フィルター1は、基材2が組み合わされて、ハニカム構造を形成するように実現されてなるのが好ましい。すなわち、空気清浄フィルターに空気が流入する方向に対する垂直断面がハニカム構造であるように形成されるのが好ましい。そして、このハニカム構造において、互いに向かい合う基材2表面にそれぞれポリマー3がグラフト重合により形成され、さらにポリマー3上に吸着体4が形成されてなるのが、好ましい。このようなハニカム構造を備える空気清浄フィルター1は、圧力損失をより低減させることができる。ハニカム構造において、吸着体4は、空気の流路全体に分布させてもよいが、圧力損失低減の観点から、ポリマー3の基端部側に密に分布させるように実現されてもよい。
図2は、本発明の好ましい一例の空気清浄機11を模式的に示す図である。本発明の空気清浄機11は、上述した空気清浄フィルター1と、当該空気清浄フィルター1に対し空気が流入する側に設けられた除湿部12とを備える。図2に示す例において、空気の流入方向は黒塗りの矢符Aで示され、空気清浄フィルター1に対するこの流入方向Aの上流側に、除湿部12が設けられてなる構成を備える。
上述した空気清浄フィルター1は、たとえば吸着体4として、銅(I)−アルミニウム(III)錯体を用いた場合には、空気中の水分によって錯体が分解され、塩酸が発生する虞がある。本発明の空気清浄機11は居住スペースに用いられるものであるため、空気中の水分は避けられない。そこで、本発明の空気清浄機11では、空気清浄フィルター1に対し空気が流入する側に除湿部12を設けてなることによって、空気清浄フィルター1に流入する空気中に含まれる水分を除去するようにしている。
本発明の空気清浄機11に用いられる除湿部12は、空気中の水分を除去し得る機能を有するものであればよいが、中空糸膜を用いるのが好ましい。中空糸は、空気中の窒素や有害化学物質と比較して酸素や水を透過しやすい性質を有しており、中空糸を除湿部12として用いることで、有害化学物質を含む圧縮空気のうち、酸素や水を選択的に膜外に放出し、残る窒素や有害化学物質を空気清浄フィルター1に送り込むことができるようになる。このようにして、空気中に含まれる水分が空気清浄フィルター1に流入することによる空気清浄フィルター1の劣化を確実に防止することができ、空気中に水分が存在することが避けられない居住スペースに設置しながら、有害化学物質の中でも特に一酸化炭素に対して非常に吸着力のある銅(I)イオンを吸着体4として用いた空気清浄フィルター1を劣化することなく適用することができる。
本発明の空気清浄機11は、上述した空気清浄フィルター1および除湿部12を基本的に備える構成であればよく、それ以外の部分は空気清浄機が通常備えるような構成で実現される。図2に示す例の空気清浄機11は、たとえば、空気の流入部13および排出部14を備え、空気清浄機11への空気の流入方向Aに関し、流入部13から排出部14へ向かって、除湿部12、空気清浄フィルター1の順に配置されるように構成される。図2に示す例の空気清浄機11は、さらに除湿部12よりも流入部13側にコンプレッサ(図示せず)および除塵フィルタ15を備える例を示している。これらの構成要素は、特に制限されるものではなく、当分野で従来より広く用いられているものを適宜組み合わせて用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実験例1>
プラズマ処理装置(AX5000、ASTeX社製)を用いて、プラズマを利用した表面活性化グラフト法により、基材2上にポリマー3をグラフト重合により形成し、さらにポリマー3上に吸着体4を形成することによって空気清浄フィルター1を作製した。
まず、1Lの反応容器中に、SiCで形成された基材を用いたハニカム構造構造体(50mm径、厚み5mm)を設置し、反応系中を減圧した。その後プラズマ照射のためにアルゴンガスを流し、反応溶液内が0.5torrの圧力に安定した後、60Wで10分間プラズマ処理を行った。プラズマ照射後、容器内の減圧度を利用して予め脱気したモノマー溶液(20%)(モノマー組成:C65CH=CH2)を導入した。その後窒素ガスを導入し常圧、嫌気下、50℃で3〜6時間反応を行って、基材2の表面にポリマー3をグラフト重合により形成した(形成されたポリマーの化学構造:(C65CHCH2n)。
次に、0.75g(7.5mmol)のハロゲン化銅(塩化銅(I))および0.99g(7.5mmol)のハロゲン化アルミニウム(塩化アルミニウム)を溶解させた乾燥トルエン溶液に、窒素雰囲気下で、上記作製した表面にポリマー3がグラフト重合された基板2を浸漬し、10時間、50℃でポリマー3と金属イオンとを反応させた。その後、減圧下で溶媒を除去することによって、ポリマー3上に吸着体4を形成し、空気清浄フィルター1を作製した。得られた空気清浄フィルター1において、ポリマー3の密集度は1nm2あたり0.6本、吸着体4が存在する割合は0.4であった。
<実験例2>
基材2の表面に存在する官能基から重合を開始させることによって基材2上にポリマー3をグラフト重合し、さらにポリマー3上に吸着体4を形成することで、空気清浄フィルター1を作製した。
シリカゲルにて形成された基材(表面に水酸基を有する)を用いたハニカム構造体(50mm径、厚み5mm)に、メルカプト基を導入してグラフト重合を行なった。まず、メルカプト基導入のために、メルカプトプロピルメトキシシランの水/イソプロパノール(10:90(体積比))混合溶媒溶液に、上記ハニカム構造体を40℃で1時間浸漬した。その後、モノマー溶液(20%)(モノマー組成:C65CH=CH2)に、ハニカム構造体を浸漬し、過硫酸ナトリウムを開始剤として15mg添加し、70℃で1時間反応を行い、基材2上にポリマー3をグラフト重合により形成させた(形成されたポリマーの化学構造:(C65CHCH2n))。
その後、実験例1と同様にして、ポリマー3と金属イオンとを反応させ、ポリマー3上に吸着体4を形成し、空気清浄フィルター1を作製した。得られた空気清浄フィルター1において、ポリマー3の密集度は1nm2あたり0.5本、吸着体4が存在する割合は0.6であった。
<実験例3>
酸化還元反応を利用して基材2上にポリマー3をグラフト重合し、さらにポリマー3上に吸着体4を形成することで、空気清浄フィルター1を作製した。
まず、生体由来材料であるキチンで形成された基材を用いたハニカム構造体(50mm径、厚み5mm)を、0.5N硝酸水溶液に浸漬し、0℃以下で酸化剤としてセリウム(IV)イオンを2mM添加し、酸化反応を行なった。この際、過剰量の酸化剤の添加は、ラジカルの消滅につながる。次に、モノマー溶液(20%)(モノマー組成:C65CH=CH2)を20mL添加し、40℃で反応を行い、基材2上にポリマー3をグラフト重合により形成させた(形成されたポリマーの化学構造:(C65CHCH2n))。
その後、実験例1と同様にして、ポリマー3と金属イオンとを反応させ、ポリマー3上に吸着体4を形成し、空気清浄フィルター1を作製した。得られた空気清浄フィルター1において、ポリマー3の密集度は1nm2あたり0.4本、吸着体4が存在する割合は0.7であった。
<比較実験例1>
従来技術である比較実験例として、上記実験例1で用いた基材をそのまま用いて、空気清浄フィルターを作成した。
<実施例1、比較例1、2>
実験例1、比較実験例1で作製した空気清浄フィルターを用いて、空気清浄機を作製した。なお、実験例1の空気清浄フィルターを用いた空気清浄機では、空気清浄フィルターに対し空気が流入する側に除湿部を設けた場合(実施例1)と、設けなかった場合(比較例1)とをそれぞれ作製した。比較実験例1で用いた空気清浄フィルターについてはそのまま用いて空気清浄機を作製した(比較例2)。除湿部としては、中空糸で形成された除湿膜(UBEメンブレンドライヤー、宇部興産株式会社製)を用いた。
除湿膜を設けた空気清浄機について、除湿膜通過直後の気体を湿度センサで測定したところ、殆ど水分は観測されなかった。よって、空気清浄フィルターに対し空気が流入する側に除湿部を設けた場合には、空気清浄フィルター1において吸着体4を形成する金属錯体が水により分解してしまうようなことはなく、長時間にわたり吸着能力を保持できるものであることが分かる。
また、各空気清浄機について、一酸化炭素(CO)の除去能力を評価した。評価試験は、各空気清浄機を1m3の空間内に設置し、中毒症状が出現すると言われている一酸化炭素100ppm雰囲気にして空気清浄機運転中の空間内一酸化炭素除去率(ガスクロマトグラフにて測定)の経時変化を求めることによって行なった。結果を図3に示す。
今回開示された実施の形態および実施例は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明の空気清浄機に好ましく用いられる空気清浄フィルター1の一部を模式的に示す図である。 本発明の好ましい一例の空気清浄機11を模式的に示す図である。 本発明の空気清浄機11による一酸化炭素除去率の経日変化を示すグラフであり、縦軸は一酸化炭素(CO)除去率(%)、横軸は時間(日)を示している。
符号の説明
1 空気清浄フィルター、2 基材、3 ポリマー、4 吸着体、11 空気清浄機、12 除湿部、13 流入部、14 排出部、15 除塵フィルタ。

Claims (6)

  1. 基材と、基材上にグラフト重合により形成されたポリマーとを有し、ポリマーに有害化学物質を吸着し得る吸着体が形成されてなる空気清浄フィルターと、当該空気清浄フィルターに対し空気が流入する側に設けられた除湿部とを備える、空気清浄機。
  2. 基材が、シリケート類、セラミック材料または生体由来材料で形成されたものである、請求項1に記載の空気清浄機。
  3. 前記セラミック材料がSiCである、請求項2に記載の空気清浄機。
  4. 前記生体由来材料がセルロースまたはキチンである、請求項2に記載の空気清浄機。
  5. 前記ポリマーが芳香族基を含むことを特徴とする、請求項1に記載の空気清浄機。
  6. 前記吸着体が金属錯体を含むことを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018500158A (ja) * 2014-12-17 2018-01-11 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. フィルタエレメントおよびフィルタエレメントを含むガス浄化装置

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JP2018500158A (ja) * 2014-12-17 2018-01-11 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. フィルタエレメントおよびフィルタエレメントを含むガス浄化装置

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