JP2007111028A - 植物の養液栽培方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】植物養液栽培廃養液を有効に利用しかつ浄化処理する植物の養液栽培方法を提供する。
【解決手段】植物養液栽培場2から排出される廃養液を廃養液貯槽3に集めた後、この廃養液を糸状藻類培養槽4に定量流入させ、糸状藻類を培養し廃養液を浄化する。該培養で得た糸状藻類は収穫された後、これに水を加え熱水抽出装置5により藻体成分を抽出する。この藻体成分を含む抽出液を、抽出液貯槽6から取り出し、抽出希釈槽7において水で希釈した後、ポンプ10を介して植物養液栽培場2で栽培している植物の葉面に散布することを特徴とする植物の養液栽培方法である。
【選択図】図1
【解決手段】植物養液栽培場2から排出される廃養液を廃養液貯槽3に集めた後、この廃養液を糸状藻類培養槽4に定量流入させ、糸状藻類を培養し廃養液を浄化する。該培養で得た糸状藻類は収穫された後、これに水を加え熱水抽出装置5により藻体成分を抽出する。この藻体成分を含む抽出液を、抽出液貯槽6から取り出し、抽出希釈槽7において水で希釈した後、ポンプ10を介して植物養液栽培場2で栽培している植物の葉面に散布することを特徴とする植物の養液栽培方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、植物の養液栽培方法に関するものである。
植物の養液栽培において、養液栽培廃養液は植物に利用されないで残った窒素、リン等栄養塩類を含むため、これをそのまま廃棄すると、河川、湖沼、海の富栄養化を促進したり、地下水を汚染したりする。この廃養液を脱窒、脱リン等の処理するには費用がかかり、農家の経営を圧迫している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、植物養液栽培廃養液を有効に利用しかつ浄化処理する植物の養液栽培方法を提供しようとするものである。
すなわち、本発明は、植物を養液栽培する方法において、廃養液により藻類を培養し廃養液を浄化するとともに、該培養で得た藻類の抽出物を含む液を養液栽培されている植物に施用することを特徴とする植物の養液栽培方法である。
次に、図面により本発明を詳しく説明する。図1は、本発明の方法の一実施態様を示す平面図である。温室1内に設けられた植物養液栽培場2から排出される廃養液を廃養液貯槽3に集める。この廃養液を糸状藻類培養槽4に定量流入させ、糸状藻類を増殖させる。糸状藻類は光の照射を受け、廃養液に含まれる窒素、リン酸等栄養塩類を吸収し、増殖する。これによって、液中の窒素、リン酸等栄養塩類濃度は低下する。この処理液8は温室1外へ搬出する。糸状藻類培養槽4から適宜に糸状藻類を収穫し、これに水を加え熱水抽出装置5により100℃で30分間藻体成分を抽出する。この藻体成分を含む抽出液を、抽出液貯槽6から取り出し、抽出液希釈槽7において水で希釈した後、ポンプ10を介して植物養液栽培場2で栽培している植物の葉面に散布する。植物は、葉面に散布された液中から養分を吸収し、生長する。
本発明に用いる糸状藻類としては、藻体が糸状の藻糸を形成する緑藻類に属する藻類を用いる。藻糸は太さ200μm(長径)程度で、数メートルの長さまで伸長する。このため網等で簡単に収穫でき、脱水も容易である。この糸状藻類は,湖沼、河川、水田等で採取できる。
アミノ酸、核酸の溶解した溶液は、植物の葉面散布剤として利用されている。日照不足、低温等環境条件が悪化した時、このアミノ酸、核酸の溶解した溶液を葉面に散布すると、アミノ酸、核酸は速やかに吸収され、植物の活力が増進され、結果として、高品質の植物が増収できる。
本実施例において、糸状藻類の藻糸に水を加え、これを加熱し、熱水抽出する。抽出液中には、藻糸中の水溶性物質(アミノ酸、ペプチド、水溶性蛋白質、水溶性ビタミン、糖類、核酸等)が溶解している。これを植物の葉面に散布すると、前述のように、これらは葉面から直接吸収され、植物を活性化し、生長を促進する。尚、本実施例では、熱水抽出を行なったが、通常行なわれる酸抽出、アルカリ抽出も利用できることは言うまでもない。
図2は、本発明の方法の別の一実施態様を示す平面図である。廃養液で微細藻類を培養する点が、図1の実施例と異なる。温室1内に設けられた植物養液栽培場2から排出される廃養液を廃養液貯槽3に集める。この廃養液を微細藻類培養槽14に定量流入させ、微細藻類を増殖させる。微細藻類は、光の照射を受け、廃養液に含まれる窒素、リン酸等栄養塩類を吸収し増殖する。これによって、液中の窒素、リン酸等栄養塩類濃度は低下する。培養後、高藻体濃度となった藻体懸濁液を固液分離装置11に送り、藻体濃縮液を造る。濃縮後の分離液15は温室1外へ搬出する。藻体濃縮液を熱水抽出装置12に送り、100℃で30分間藻体成分を抽出する。この藻体成分を含む抽出液を固液分離装置13に送り、分離残渣16を除く。分離残渣16が除かれた抽出液を抽出液貯槽6から取り出し、抽出液希釈槽7において水で希釈した後、ポンプ10を介して植物養液栽培場2で栽培している植物の葉面に散布し、植物を栽培する。
固液分離装置としては、遠心濃縮機、沈降分離槽、又は濾過装置等を用いることができる。
本発明に用いる微細藻類は、浮遊性緑藻類、浮遊性ラン藻類,又はこれらの混合株藻体である。これら微細藻類は、1μmから数十μmの大きさで水中にほぼ均一に懸濁するので光の利用効率が高く、効率的に窒素・リン等栄養塩類を吸収除去できる。これら微細藻類は,湖沼、河川、水田等で容易に採取できる。
糸状藻類及び微細藻類は、太陽光照射培養すると水温6〜9℃で2〜4g/日・m2、水温25〜35℃で15〜20g/日・m2、程度の増殖を示し、他の植物に比べて増殖が速く、窒素・リン等栄養塩類を効率的に除去できる。また、藻の各細胞は、ほぼ同じ成分組成を持ち、乾物当り蛋白質30〜50%を含有する。このため、抽出液の施用も計画的に行なえる。
糸状藻類培養槽4、微細藻類培養槽14としては、水深20〜30cm以下程度の浅い平面池或いは透明材質で形成された水槽を用いる。この培養槽は、温室1内に設置する。これによって培養液温度をより高く保て、藻類の増殖を高めることができる。
また、抽出液を養液に添加し、植物の根から吸収させることもできる。この場合、抽出液施用の効果は低下するが、葉面散布装置が省け、経済的である。
本発明に用いる糸状藻類としては、藻体が糸状の藻糸を形成する緑藻類に属する藻類を用いる。藻糸は太さ200μm(長径)程度で、数メートルの長さまで伸長する。このため網等で簡単に収穫でき、脱水も容易である。この糸状藻類は,湖沼、河川、水田等で採取できる。
アミノ酸、核酸の溶解した溶液は、植物の葉面散布剤として利用されている。日照不足、低温等環境条件が悪化した時、このアミノ酸、核酸の溶解した溶液を葉面に散布すると、アミノ酸、核酸は速やかに吸収され、植物の活力が増進され、結果として、高品質の植物が増収できる。
本実施例において、糸状藻類の藻糸に水を加え、これを加熱し、熱水抽出する。抽出液中には、藻糸中の水溶性物質(アミノ酸、ペプチド、水溶性蛋白質、水溶性ビタミン、糖類、核酸等)が溶解している。これを植物の葉面に散布すると、前述のように、これらは葉面から直接吸収され、植物を活性化し、生長を促進する。尚、本実施例では、熱水抽出を行なったが、通常行なわれる酸抽出、アルカリ抽出も利用できることは言うまでもない。
図2は、本発明の方法の別の一実施態様を示す平面図である。廃養液で微細藻類を培養する点が、図1の実施例と異なる。温室1内に設けられた植物養液栽培場2から排出される廃養液を廃養液貯槽3に集める。この廃養液を微細藻類培養槽14に定量流入させ、微細藻類を増殖させる。微細藻類は、光の照射を受け、廃養液に含まれる窒素、リン酸等栄養塩類を吸収し増殖する。これによって、液中の窒素、リン酸等栄養塩類濃度は低下する。培養後、高藻体濃度となった藻体懸濁液を固液分離装置11に送り、藻体濃縮液を造る。濃縮後の分離液15は温室1外へ搬出する。藻体濃縮液を熱水抽出装置12に送り、100℃で30分間藻体成分を抽出する。この藻体成分を含む抽出液を固液分離装置13に送り、分離残渣16を除く。分離残渣16が除かれた抽出液を抽出液貯槽6から取り出し、抽出液希釈槽7において水で希釈した後、ポンプ10を介して植物養液栽培場2で栽培している植物の葉面に散布し、植物を栽培する。
固液分離装置としては、遠心濃縮機、沈降分離槽、又は濾過装置等を用いることができる。
本発明に用いる微細藻類は、浮遊性緑藻類、浮遊性ラン藻類,又はこれらの混合株藻体である。これら微細藻類は、1μmから数十μmの大きさで水中にほぼ均一に懸濁するので光の利用効率が高く、効率的に窒素・リン等栄養塩類を吸収除去できる。これら微細藻類は,湖沼、河川、水田等で容易に採取できる。
糸状藻類及び微細藻類は、太陽光照射培養すると水温6〜9℃で2〜4g/日・m2、水温25〜35℃で15〜20g/日・m2、程度の増殖を示し、他の植物に比べて増殖が速く、窒素・リン等栄養塩類を効率的に除去できる。また、藻の各細胞は、ほぼ同じ成分組成を持ち、乾物当り蛋白質30〜50%を含有する。このため、抽出液の施用も計画的に行なえる。
糸状藻類培養槽4、微細藻類培養槽14としては、水深20〜30cm以下程度の浅い平面池或いは透明材質で形成された水槽を用いる。この培養槽は、温室1内に設置する。これによって培養液温度をより高く保て、藻類の増殖を高めることができる。
また、抽出液を養液に添加し、植物の根から吸収させることもできる。この場合、抽出液施用の効果は低下するが、葉面散布装置が省け、経済的である。
以上のように、本発明は、植物養液栽培の廃養液を再利用して、藻類を培養し、藻類抽出液を製造し、このアミノ酸、核酸等有効成分を含む抽出液を養液栽培されている植物に施用するものである。本発明によれば、系内で資源の有効利用ができ、高品質な植物の増収が可能となり、経済的に系外への廃棄物排出を減少させることができる。この結果、河川、湖沼、海の富栄養化、地下水の汚染等環境汚染を軽減することができる。
1は温室、2は植物養液栽培場、3は廃養液貯槽、4は糸状藻類培養槽、5は熱水抽出装置、6は抽出液貯槽、7は抽出液希釈槽、8は処理液、9は抽出残渣、10はポンプ、11は固液分離装置、12は熱水抽出装置、13は固液分離装置、14は微細藻類培養槽、15は分離液、16は分離残渣である。
矢印は、物質の流れ方向を示す。
矢印は、物質の流れ方向を示す。
Claims (5)
- 植物を養液栽培する方法において、廃養液により藻類を培養し廃養液を浄化するとともに、該培養で得た藻類の抽出物を含む液を養液栽培されている植物に施用することを特徴とする植物の養液栽培方法。
- 前記抽出物を含む液を葉面に散布することを特徴とする請求項1記載の植物の養液栽培方法。
- 前記抽出物を含む液を根に供給することを特徴とする請求項1記載の植物の養液栽培方法。
- 前記藻類が糸状藻類であることを特徴とする請求項1又は請求2又は請求項3記載の植物の養液栽培方法。
- 前記藻類が微細藻類であることを特徴とする請求項1又は請求2又は請求項3記載の植物の養液栽培方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005334910A JP2007111028A (ja) | 2005-10-21 | 2005-10-21 | 植物の養液栽培方法 |
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JP2005334910A JP2007111028A (ja) | 2005-10-21 | 2005-10-21 | 植物の養液栽培方法 |
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JP2005334910A Pending JP2007111028A (ja) | 2005-10-21 | 2005-10-21 | 植物の養液栽培方法 |
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JP (1) | JP2007111028A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014516247A (ja) * | 2011-04-02 | 2014-07-10 | ▲陽▼光▲凱▼迪新能源集▲団▼有限公司 | 発電所燃焼排ガスを使用する野菜及び/または藻類への熱および二酸化炭素の供給方法および装置 |
-
2005
- 2005-10-21 JP JP2005334910A patent/JP2007111028A/ja active Pending
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JP2014516247A (ja) * | 2011-04-02 | 2014-07-10 | ▲陽▼光▲凱▼迪新能源集▲団▼有限公司 | 発電所燃焼排ガスを使用する野菜及び/または藻類への熱および二酸化炭素の供給方法および装置 |
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