JP2007109976A - 光電変換素子と光電変換構造体およびそれらの製造装置、並びに光電変換装置 - Google Patents

光電変換素子と光電変換構造体およびそれらの製造装置、並びに光電変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光電変換素子の有機半導体層の極めて薄い膜厚のP型層やI型層、N型層を均一に形成する手段を提供する。
【解決手段】光電変換素子が、導電細線からなる中心電極と、中心電極の外周面に積層した有機半導体層と、有機半導体層の外周面に積層した透明な導電性接着剤からなる外側バッファ層とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機半導体材料を用いた光電変換素子と光電変換構造体およびそれらの製造装置、並びに光電変換装置に関する。
地球全体に照射される太陽光エネルギは、全世界が消費する電力の10万倍とも言われる。すなわち、我々は特別な工業活動を行わなくても、既に膨大なエネルギ資源に囲まれているのである。そして太陽電池は、この資源(太陽光)を人類が利用しやすい電気エネルギに変換するための装置で50年の歴史がある。
ところで、現在生産されている太陽電池の90%以上はシリコン(Si)系太陽電池であり、シリコン系太陽電池は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンの形態に分類される。これらは光電変換効率、コスト、加工方法が異なり、搭載部品、用途、設置場所および求められる投資効率に応じて選択されている。
シリコン系太陽電池の中では、単結晶シリコンの太陽電池の光電変換効率が最も高く実用レベルで20%に達する製品も製造されている。但し、人工衛星向け等の特殊用途においては、非常に高い光電変換効率や優れた耐放射線劣化特性を有する化合物半導体が用いられる場合もある。
ところで、太陽電池を始めとした自然エネルギ(ソフトエネルギ)は環境負荷がほとんどない理想的なエネルギ資源と言われているが、これまでのところ普及はあまり進んでいない状況にある。その理由は高い発電コストにある。現在、日本国内の電力単価は約20円/kWh程度であるが、一般家庭の消費電力(3〜5kWh)をほぼ賄える太陽光発電システムの設置費用は300〜500万円であり、完全償却までに最低20年は必要になる。この償却期間の長さと高額な初期投資に起因して一般家庭への太陽光発電システムの普及はあまり進んでいない状況である。
このような状況下にて市場をより活性化させ、自然と調和するエネルギ供給システム(社会)を実現していくためには太陽光による発電の低コスト化が必要である。そして、これには技術面での進歩が必須で、具体的には2方向からの技術的アプローチがある。
第1は、太陽電池それ自体の高効率化を実現していくことにある。仮に同じコストでも発電効率が倍になれば製品コストは半分になったことと同等である。第2は、材料、製造方法、あるいは構造自体を改良して製品単価を下げる方法である。
現在、主流のシリコン系太陽電池は、高純度のシリコン材料を必要とする以外にその製造工程にて高温/高真空が必要であることや大面積基板へのシリコン材料の生産/加工においては、生産設備の巨大化等に伴い、製造コストを効果的に下げられない状況にある。ちなみに現製品の製造に必要なエネルギは平均で太陽電池が3年間発電したエネルギと同等であるとも言われている。
このため、シリコン系とは別の材料を用いて材料コストを下げ、更には高温工程や真空工程も極力除外することにより、製造工程でのエネルギ消費も抑え、結果的にトータルコストを大幅に抑えた太陽電池も各種提案されている。
この代表が有機材料を用いた太陽電池である。この有機太陽電池は湿式の色素増感型(グレッツェルセル)太陽電池と、乾式の有機薄膜太陽電池に大別される。
有機薄膜太陽電池は、現在主流の無機半導体材料と同様にN型半導体とP型半導体とが接合したダイオード構造をしている。ところで有機系材料の最大の利点は1個のフォトンが電子とホール対を生成させる効率(量子効率)が100%近いことにある。但し、その反面、PN接合間の光電変換層すなわち空乏層の厚さが数nm程度しかなく、シリコンの数μmに比べて3桁も小さいことに致命的な弱点があった。この結果1970年代には盛んに研究されたにも関わらず、これまで1%を超える光電変換効率の報告は、ほとんどない状況が続いていた。
近年、この有機薄膜半導体の最大の問題点を改善する試みに成果が見られ、注目されている。その中で2005年1月27日に発表された独立行政法人産業技術総合総合研究所光技術部門の報告がある。
これは、光電変換層の厚さを15nmに広げる技術を確立して光電変換効率4%の有機薄膜太陽電池を開発したもので、これまではN型層としてC60(フラーレン)を用い、P型層としてZnPc(亜鉛フタロシアニン)を用いて有機薄膜太陽電池を製作したのに対し、新たにP型層とN型層との中間領域にC60とZnPcを混合したイントリンシック導電型のナノ構造体(ZnPc:C60)を構成したものである。これによって、光電変換層の厚さを効果的に広げることに成功した。
この有機薄膜太陽電池は、透明電極基板上にバッファ層、真空蒸着法による5nmのP型層(ZnPc)、共蒸着法による15nmのI型層(ZnPc:C60)、真空蒸着法による30nmのN型層(C60)、バッファ層、金属電極を順に積層した構造として光電変換効率を4%まで向上させたものである。これによりコスト的にもシリコン系太陽電池が視野に入るようになり、有機系材料を用いた太陽電池の実用化の可能性が高まっている(例えば、非特許文献1参照。)。
上記の有機薄膜太陽電池には、コスト面を中心に以下の特長がある。
(1)材料が高純度シリコンではなく、より安価で豊富な有機材料であるため、材料原価が低い。
(2)シリコンに比較して高温の加工工程を伴わないため、製造時のエネルギ消費が少ない。
(3)高温の熱処理がないため、導電性プラスチック等のフレキシブル材料上にも形成することができ、太陽電池を様々な形状に加工できるので応用範囲が広がる。
このように有機薄膜太陽電池には、低コスト化と可撓性に特長があるため、有効な大量生産の技術が確立されれば、その普及は急速に進む可能性がある。
従来の色素増感型太陽電池は、ガラスからなる円筒状の透明セルの内側に透明電極層、多孔質半導体層、多孔質半導体層に吸着された色素層、電解質層、対向電極層を積層した円筒状の構造として平板状に比べて表面積を広げて単位設置面積当りの発電効率を向上させている。また円筒状のN型シリコンの外周表面にP型半導体を積層し、N型シリコンの内周面およびP型半導体の外周面にそれぞれ接触する電極を形成して円筒状の太陽電池を構成しているものもある(例えば、特許文献1参照。)。
また、金属ワイヤを中心にしてCVD装置を用いたロールツーロール法でPIN接合型の無機半導体であるアモルファスシリコン層を形成し、その外周面に金属層を形成し、これにワイヤコート機を用いて導電性接着剤からなる被覆層を積層した円筒状の集電電極を形成し、この集電電極をアモルファスシリコン太陽電池の上面に接着して太陽電池の信頼性を向上させているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
更に、基材の上面に単結晶シリコンからなる球状の受光部を複数形成し、受光部の表面にpn接合面を形成して単結晶シリコン太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を向上させているものもある(例えば、特許文献3参照。)。
独立行政法人産業技術総合研究所、プレスリリース「有機薄膜太陽電池で世界最高レベルのエネルギー変換効率を達成」、[online]、2005年1月27日、独立行政法人産業技術総合研究所、[平成17年8月31日検索]、インターネット<URL:http://www.aist.go.com/aist_jp/press_release/pr2005/pr20050127/pr20050127.html> 特開2003−77550号公報(第3頁段落0010−段落0017、第1図、第2図) 特開平9−18035号公報(主に第8頁段落0088−第9頁段落0099、第1図、第3図、第5図) 特開平8−125210号公報(主に第4頁段落0022−第*頁段落0025、第1図)
しかしながら、上述した従来の非特許文献1の技術は、シリコン系太陽電池の製造工程に比較すると、有機薄膜太陽電池の製造工程には3つの問題点がある。
第1は、イントリンシック層形成に高い膜厚制御が要求される点である。すなわちイントリンシック層の膜厚の最適厚さは15nmであり、これより薄いと光電変換層の厚さが狭くなり、厚くなりすぎると結晶構造に起因する再結合が増加していずれの場合も光電変換効率は低下してしまう。このため大量生産時にはこの15nmの極めて薄い膜を大面積に均一に形成することが要求されるが、この実現には課題が多いといえる。
第2は、共蒸着法を含む真空蒸着法を使用してP型層やI型層、N型層で構成される有機半導体層を大面積に生成するためには、生産設備自体が巨大化、複雑化することが予想される。その結果、現在の半導体産業と同様に設備投資が膨大になるので、固定費比率が急速に増大することが予想される。
第3は、平面構造の製造の場合、一般に金属電極の形成が必要になり、前記と同様に広い面積でのパターニングには、比較的加工単価が高い工程も必要になることである。
上記のように、有機薄膜太陽電池は、素材としてのポテンシャルは高いものの、大量生産を考慮した場合に困難な課題が多いといえる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、有機半導体層の極めて薄い膜厚のP型層やI型層、N型層を均一に形成する手段を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、光電変換素子が、導電細線からなる中心電極と、該中心電極の外周面に積層した有機半導体層と、該有機半導体層の外周面に積層した透明な導電性接着剤からなる外側バッファ層とを備えたことを特徴とする。
また、光電変換装置が、上記の光電変換素子を、前記中心電極の軸方向を平行にして隙間を開けて配置し、隣合う前記光電変換素子の隙間の間に、前記光電変換素子の外側バッファ層に接触する導電性の外部電極線からなる外部電極を設けたことを特徴とする。
このように、本発明は、光電変換素子を導電細線からなる中心電極の周囲に有機半導体層と、透明な導電性接着剤からなる外側バッファ層と積層して形成するようにしたことによって、大面積の場合に均一な形成が困難な極めて薄い膜厚のP型層やI型層、N型層を比較的狭い面積に形成することが可能になり、各層の膜厚の均一化を図ることができるという効果が得られる。
また、上記の光電変換素子を用い、光電変換素子をその中心電極の軸方向を平行にして隙間を開けて配置し、隣合う光電変換素子の隙間の間に光電変換素子の外側バッファ層に接触する導電性の外部電極線を設けたことによって、光電変換素子と外部電極線とを順に配置するだけで平面パネル状の太陽電池を容易に形成することができると共に、大面積の場合に均一な形成が困難な有機半導体層の各層の膜厚を均一なものにした光電変換素子を用いて大面積の有機薄膜太陽電池を形成することができるという効果が得られる。
以下に、図面を参照して本発明による光電変換素子と光電変換構造体およびそれらの製造装置、並びに光電変換装置の実施例について説明する。
図1は実施例1の光電変換素子の断面を示す説明図、図2は実施例1の光電変換素子製造装置を示す説明図である。
図1において、1は光電変換素子であり、導電性を有する細い線状の導線(導電細線2aという。)で形成された中心電極2と、中心電極2の外周面に積層された内側バッファ層3と、内側バッファ層3の外周面に積層された、ZnPc等の誘電体であるP型層4とZnPcおよびC60のナノ構造体等であるI型層5とC60等の誘導体であるN型層6とを順に積層して形成されたPIN接合型の有機半導体層7と、有機半導体層7の外周面に積層した外側バッファ層8とを備えており、外側バッファ層8の側から太陽光等の光を照射すれば中心電極2と外側バッファ層8との間に電位差が生じて線状の有機薄膜太陽電池として機能する。この場合に中心電極2がマイナス極となる。
上記の中心電極2には、金(Au)、銀(Cu)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ステンレス鋼等の金属材料や導電性を有する樹脂材料等の導電材料で細い線状に形成した導電細線2aが用いられる。
また、内側バッファ層3には導電性接着剤が用いられ、中心電極2と有機半導体層7との間の導電性を確保するとの共にこれらの間の密着性を向上させる機能を有している。
更に、外側バッファ層8には、透明な導電性接着剤が用いられ、有機半導体層7と外部との間の導電性を確保するとの共に、外部からの外力から有機半導体層7を保護する機能および外周面から照射される光を透過させる機能を有している。
本実施例の光電変換素子1は直径5mm以下の線状体であり、中心電極2は、光電変換素子1の直径の80〜90%の直径を有するステンレス鋼で形成された金属細線を用いられ、有機半導体層7を構成するP型層4の膜厚は5nm、I型層5の膜厚は15nm、N型層6の膜厚は30nmに形成されている。
このような光電変換素子1の製造は、例えば、図2に示す光電変換素子製造装置10を用いて製造する。
光電変換素子製造装置10は、中心電極2を形成するための導電細線2a(本実施例ではステンレス鋼で形成された金属細線)を巻きつけた送出リール11と、送出リール11から送り出された導電細線2aを巻取る巻取リール12とを両側に配置し、この送出リール11と巻取リール12との間に、送出リール11側から導電細線2aの送り方向の下流(単に下流および上流という。)に向かって前処理チャンバ13、内側バッファ層成膜チャンバ14、P型層成膜チャンバ15、I型層成膜チャンバ16、N型層成膜チャンバ17、外側バッファ層成膜チャンバ18、後処理チャンバ19とを順に連結して配置し、これらの各チャンバを通過する導電細線2aは、送出リール11側に設けられた図示しない制動装置等の張力付与装置により所定の張力が付与され、巻取リール12を駆動する図示しない駆動装置により回転する巻取リール12により導電細線2aが一定の送り速度で送られて巻き取られ、投入された導電細線2aから製品としての光電変換素子1が連続的に製造される。
前処理チャンバ13は、不活性ガス、例えば窒素(N)を通過する導電細線2aに吹付けて洗浄する機能および/もしくは不活性ガスを充満させて外部からの酸素や水分、塵等の異物の次工程への侵入を防止する機能等を備えている。
内側バッファ層成膜チャンバ14は、真空蒸着法により導電性接着剤を導電細線2aの外周面に堆積して内側バッファ層3を連続的に形成するチャンバである。
P型層成膜チャンバ15は、真空蒸着法によりZnPcを内側バッファ層3の外周面に堆積してP型層4を連続的に形成するチャンバである。
I型層成膜チャンバ16は、共蒸着法によりZnPcおよびC60をP型層4の外周面に堆積してナノ構造のI型層5を連続的に形成するチャンバである。
N型層成膜チャンバ17は、真空蒸着法によりC60をI型層5の外周面に堆積してN型層6を連続的に形成するチャンバである。
外側バッファ層成膜チャンバ18は、真空蒸着法により透明な導電性接着剤をN型層6の外周面に堆積して外側バッファ層8を連続的に形成するチャンバである。
後処理チャンバ19は、不活性ガス、例えば窒素を通過する導電細線2aに吹付け、または充満させて上流工程で形成された線状の光電変換素子1を冷却し、排出後の光電変換素子1の酸化を防止する機能等を備えており、後処理チャンバ19から排出される導電細線2aを中心にして形成された製品としての光電変素子1が巻取リール12に連続的に巻き取られる。
20は磁性流体シールであり、上記の各チャンバ間の隔壁21および最上流のチャンバの送出リール11側の隔壁21と最下流のチャンバの巻取リール12側の隔壁の導電細線2aの通過部に設けられた非接触式のシールである。
磁性流体シール20は、図3に示すように永久磁石23と、そのN極、S極に接触するドーナツ盤状の磁極片24と、その内周穴25に保持された磁性流体26と、この内周穴25の磁性流体26を通過する導電細線2aとで形成される磁気回路により導電細線2aの周囲の空間をシールする機能を有している。
この磁性流体シール20を多段とする場合は、隣合う磁性流体シール20の間に非磁性材料からなるスペーサ28を間装して必要な段数に形成する。このような多段の磁性流体シール20は、各チャンバのチャンバ内とチャンバ外とで圧力が0.2気圧以上相違する場合にその隔壁21に設けるとよい。
上記の光電変換素子製造装置10を用いて本実施例の光電変換素子1を形成する場合には、その中心電極2となる導電細線2aを高い透磁率を有する導電材料、例えばSUS430等のフェライト系ステンレス鋼やSUS403等のマルテンサイト系ステンレス鋼、S20C等の低炭素鋼等からなる鋼線を用いるとよい。このような導電材料を用いれば導電細線2a内を通過する磁気回路をより強固なものとして形成することができ、磁性流体シール20のシール性を向上させることができるからである。
また、上記の光電変換素子製造装置10により成膜する各層の厚さを設定する場合は、各チャンバの成膜領域の長さを形成する各層の膜厚に応じた長さに設定する。
例えば、有機半導体層7のP型層4の膜厚を5nm、I型層5の膜厚を15nm、N型層6の膜厚を30nmとする場合において、各層の成膜速度が同一のときは、P型層成膜チャンバ15の成膜領域の長さを1とすると、I型層成膜チャンバ16の成膜領域の長さを3、N型層成膜チャンバ17の成膜領域の長さを6として各層の膜厚に比例した成膜領域の長さにする。このようにすれば導電細線2aの送り速度を一定としても所望の厚さの膜厚を精度よく形成することが可能になる。
この場合に、成膜条件等により各層の成膜速度が異なるときは、形成する膜厚を成膜速度で除した値に比例するように成膜領域の長さを設定すればよい。
このように、本実施例の光電変換素子1は、大面積の場合に均一な形成が困難な極めて薄い膜厚のP型層4、I型層5、N型層6を線状の導電細線2aの周囲に順に積層して有機半導体層7を形成するので、極めて薄い各層を比較的狭い面積に形成することが可能になり、各層の膜厚を均一なものにすることができる。
また、中心電極2の周囲に有機半導体層7等を積層して光電変換素子1の断面を円形としたので、光の照射側の実効的な表面積(実効面積という。)を約1.5倍とすることができると共に、照射側の反対側からの受光や反射光の利用が可能になり、光電変換素子1の単位設置面積当りの発電効率を高めることができる。
更に、中心電極2の外周面に内側バッファ層3を設けて中心電極2と有機半導体層7との間の密着性を向上させたので、中心電極2と有機半導体層7等との熱膨張差等に起因する中心電極2の抜け落ち等を防止することができると共に、通常、面方向のシート抵抗が金属材料に比して1桁程度大きい導電性接着剤で形成した内側バッファ層3の電流の通過方向を厚さ方向とすることができ、内側バッファ層3を設けた場合の内部抵抗の増加を抑制することができる。
なお、内側バッファ層3は中心電極2の抜け落ち等を危惧する必要がない場合には、これを省略して中心電極2の外周面に直接有機半導体層7を形成するようにしてもよい。このようにすれば光電変換素子1の内部抵抗をより減少させることができる。
更に、光電変換素子製造装置10のP型層成膜チャンバ15、I型層成膜チャンバ16、N型層成膜チャンバ17等の成膜領域を膜厚に応じた長さとし、これらのチャンバ17の中を一定の送り速度で導電細線2aを通過させてP型層4、I型層5、N型層6等を形成するので、各層の膜厚を精度よく形成することができると共に、光電変換素子1を連続的に製造することができ、光電変換素子1の生産効率を高めることができる。
更に、線状の導電細線2aを用いて光電変換素子1を製造するようにしたので、平面状の有機薄膜太陽電池を製造する製造装置に比較して光電変換素子製造装置10の小型化を図ることができると共に、設備投資に要する費用を削減することができる。
更に、光電変換素子製造装置10の各チャンバ間の隔壁21および最上下流のチャンバ外側の隔壁21の導電細線2aの通過部に磁性流体シール20を設けたので、各チャンバ間の完全シールが可能になり、各チャンバ間の成膜成分の混入が防止できると共に、外部からの異物の侵入を防止することができる。
なお、本実施例においては、磁性流体シール20は導電細線2aの通過部を有する全ての隔壁21に設けるとして説明したが、チャンバ内とチャンバ外の圧力が相違する側の隔壁21に設ければ足りる。このようにしても圧力差を持たない隔壁21の導電細線2aの通過部からの成膜成分等の侵入を実質的に防止することができ、光電変換素子製造装置10の簡素化を図ることができる。
本実施例の場合では、前処理チャンバ13および後処理チャンバ19の上下流の隔壁21に磁性流体シール20を設けるとよい。
また、本実施例のように全ての成膜工程を真空蒸着法(共蒸着法を含む。)で行う場合は、磁性流体シール20を設けずに送出リール11や巻取リール12等を含めて光電変換素子製造装置10の全体を真空室に設置するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施例では、光電変換素子を導電細線からなる中心電極の周囲にPIN接合型の有機半導体層と、透明な導電性接着剤からなる外側バッファ層と積層して形成するようにしたことによって、大面積の場合に均一な形成が困難な極めて薄い膜厚のP型層やI型層、N型層を比較的狭い面積に形成することが可能になり、各層の膜厚の均一化を図ることができる。
また、中心電極を高透磁率を有する導電材料で形成するようにしたことによって、光電変換素子製造装置のチャンバ間等に設けた磁性流体シールの磁気回路を強固なものとすることができ、各チャンバ間等の完全シールが可能になり、各チャンバ間の成膜成分の混入や外部からの異物の侵入を防止することができ、光電変換素子の品質を向上させることができる。
更に中心電極の外周面と有機半導体層の内周面との間に、導電性接着剤からなる内側バッファ層を形成したことによって、中心電極と有機半導体層との間の密着性を向上させることができ、中心電極と有機半導体層等との熱膨張差等に起因する中心電極の脱落等を防止することができる。
更に、光電変換素子製造装置の各チャンバのチャンバ内とチャンバ外とで圧力が相違する隔壁に磁性流体シールを設けたことによって、圧力差を有する隔壁の導電細線の通過部からの異物や成膜成分等の侵入を確実に防止し、圧力差を持たない隔壁の導電細線の通過部からの成膜成分等の侵入を実質的に防止することができ、光電変換素子の品質を向上させることができると共に、光電変換素子製造装置の簡素化を図ることができる。
なお、本実施例では、内側バッファ層や外側バッファ層、有機半導体層のP型層、I型層、N型層の形成は共蒸着法を含む真空蒸着法により行うとして説明したが、各層の成膜方法は前記に限らず、CDV法や塗布法等であってもよく、真空蒸着法を含めてこれらを組合せて用いるようにしてもよい。
図4は実施例2の光電変換素子の断面を示す説明図、図5は実施例2の光電変換素子製造装置を示す説明図である。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図4において、31は光電変換素子であり、上記実施例1の光電変換素子1と同様の光電変換素子であるが、有機半導体層7の積層の順が実施例1と逆の順、つまり内側バッファ層3の外周面にC60等の誘導体であるN型層6、ZnPcおよびC60のナノ構造体等であるI型層5、ZnPc等の誘電体であるP型層4の順で積層されたNIP接合型の有機半導体層7となっている点が異なる。この場合に中心電極2はプラス極となる。
なお、P型層4、I型層5、N型層6の膜厚は実施例1と同様である。
このような光電変換素子31の製造は、例えば、図5に示す光電変換素子製造装置10を用いて製造する。
光電変換素子製造装置10の構成は、上記実施例1の光電変換素子製造装置10と同様の構成であるが、有機半導体層7を形成するチャンバの配置の順が実施例1と逆の順、つまりNIP接合型の有機半導体層7を形成するために、内側バッファ層成膜チャンバ14の下流に、N型層成膜チャンバ17、I型層成膜チャンバ16、P型層成膜チャンバ15を順に配置されている点が異なる。
以上説明したように、本実施例では、有機半導体層をNIP接合型としたことによって、上記実施例1と同様の効果を有する極性の異なる光電変換素子を得ることができる。
また、光電変換素子製造装置の有機半導体層を形成するチャンバの配置の順を実施例1と逆の順にしたことによって、同様の光電変換素子製造装置を用いて極性の異なる2種類の光電変換素子を容易に製造することができると共に、設備投資に要する費用を削減することができる。
図6は実施例3の光電変換構造体の断面を示す説明図、図7は実施例3の光電変換構造体製造装置を示す説明図である。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
また、本実施例では光電変換素子1を用いて説明するが、実施例2の光電変換素子31の場合も同様である。
図6において、41は光電変換構造体であり、実施例1の光電変換素子1と、その外側バッファ層8に接し、中心電極2の軸方向と平行に配置された外部電極としての外部電極線42と、光電変換素子1と外部電極線42とで形成される外形面を被覆する反射防止膜43等で構成される。
この光電変換構造体41は、外周側からから光を照射すれば中心電極2と外部電極線42との間に電位差が生じ、外部電極線42が外部電極として機能する線状の有機薄膜太陽電池が形成される。
外部電極線42は、実施例1の導電細線2aと同様の導電材料を用いて細い線状に形成された導線であり、本実施例では中心電極2の直径と同等またはそれ以下の直径を有するステンレス鋼で形成された金属細線が用いられる。
反射防止膜43は、酸化インジウム95%、酸化錫5%を化合させたITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)等で形成された導電性を有する透明な膜であって、膜の表面における光の反射率を少なくして透過光を増加させる表面反射の防止機能を有している。
このような光電変換構造体41の製造は、例えば、図7に示す光電変換構造体製造装置44を用いて製造する。
光電変換構造体製造装置44は、実施例1の光電変換素子製造装置10の外側バッファ層成膜チャンバ18の下流に合流チャンバ45、反射防止膜成膜チャンバ46、後処理チャンバ19を連結して形成される。
合流チャンバ45は、光電変換素子製造装置10の前処理チャンバ13と同様の不活性ガスを用いた機能を備える他、送出リール11と同様の外部電極線投入リール47から導電細線2aの送り方向と略直交方向に送り出された外部電極線42(本実施例ではステンレス鋼で形成された金属細線)を通過させる投入口48と、合流チャンバ45内を通過する光電変換素子1の直交方向から投入された外部電極線42を光電変換素子1の外側バッファ層8に押圧して接触させ、光電変換素子1の軸方向に沿わせて合流させるガイドローラ49a等を有する合流機構49とを備えて、投入口48から投入された外部電極線42を合流チャンバ45内を通過する光電変換素子1の軸方向に沿わせて合流させる機能を有している。
また、合流チャンバ45の投入口48には、実施例1と同様の磁性流体シール20が設けられている。
反射防止膜成膜チャンバ46は、真空蒸着法によりITOを光電変換素子1の外側バッファ層8の外周面と外部電極線42とで形成される外形面に堆積して反射防止膜43を連続的に形成するチャンバである。
本実施例の後処理チャンバ19は、反射防止膜成膜チャンバ46の下流に設けられ、後処理チャンバ19から排出された導電細線2aを中心にして形成された製品としての光電変換構造体41が巻取リール12に巻き取られる。
上記の光電変換構造体製造装置44を用いて本実施例の光電変換構造体41を形成する場合には、その外部電極線42は実施例1の中心電極2と同様の高い透磁率を有する導電材料で形成するとよい。このような導電材料を用いれば外部電極線42内を通過する磁気回路をより強固なものとして形成することができ、磁性流体シール20のシール性を向上させることができるからである。
このように、本実施例の光電変換構造体41は、外部電極となる外部電極線42を光電変換素子1に接触させ、これらを反射防止膜43で被覆して形成され、製品となったときに中心電極2と外部電極としての外部電極線42を備えているので、製品の形成後に直ちに太陽電池として用いることが可能になる。
また、有機半導体層を用いて太陽電池を構成するので、太陽電池に比較的柔軟な可撓性を付与することができ、ビルや塔等の建築物や塀、垣根、鞄、屏風等の任意の構造物に巻きつけて用いることができ、太陽電池の適用範囲を拡大することができる。
この場合に本実施例の光電変換構造体41は、比較的導電性が良好な金属細線を中心電極2や外部電極線42として備えているので、引回しの長さが長くなったとしても内部損失の増加を最小限に止めることができる。
また、可撓性を重視する場合には、導電性の樹脂材料からなる中心電極2や外部電極線42を用いるようにするとよい。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例1または実施例2の光電変換素子が有する効果に加えて、外部電極となる外部電極線を光電変換素子の軸方向に外部バッファ層に接触させた状態で沿わせて反射防止膜で被覆したことによって、形成された光電変換構造体を中心電極と外部電極とを備えた太陽電池として直ちに用いることが可能になると共に、有機半導体層の可撓性を利用して太陽電池に比較的柔軟な可撓性を付与することができ、太陽電池の適用範囲を拡大することができる。
また、外部電極となる外部電極線を高透磁率を有する導電材料で形成するようにしたことによって、光電変換構造体製造装置の合流チャンバの投入口等に設けた磁性流体シールの磁気回路を強固なものとすることができ、合流チャンバの外部からの異物の侵入や、下流のチャンバへの異物や成膜成分の流入を防止することができ、光電変換構造体の品質を向上させることができる。
更に、光電変換構造体製造装置を、光電変換素子製造装置の外側バッファ層成膜チャンバの下流に、合流チャンバと反射防止膜成膜チャンバとを順に連結して形成するようにしたことによって、光電変換素子製造装置に合流チャンバと反射防止膜成膜チャンバと追加するだけで光電変換構造体製造装置を形成することができ、太陽電池として直ちに用いることが可能な光電変換構造体を容易に製造することができると共に、設備投資に要する費用を削減することができる。
なお、本実施例では、反射防止膜の形成は真空蒸着法により行うとして説明したが、反射防止膜の成膜方法は前記に限らず、CDV法や塗布法等であってもよい。
図8は実施例4の光電変換構造体の断面を示す説明図、図9は実施例4の光電変換構造体製造装置を示す説明図である。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
また、本実施例では光電変換素子1を用いて説明するが、実施例2の光電変換素子31の場合も同様である。
図8において、51は光電変換構造体であり、実施例1の光電変換素子1と、その外側バッファ層8に接し、中心電極2の軸方向と平行に配置された外部電極としての導電凸条52と、光電変換素子1と導電凸条52とで形成される外形面を被覆する反射防止膜43等で構成され、その断面形状は円形に近い形状に形成される。
この光電変換構造体51は、外周側からから光を照射すれば中心電極2と導電凸条52との間に電位差が生じ、導電凸条52が外部電極として機能する線状の有機薄膜太陽電池が形成される。
導電凸条52は、実施例1の導電細線2aと同様の導電材料を用いて光電変換素子1の中心電極2の軸方向に沿って外側バッファ層8の外周の半分以下の領域に円弧状の凸形状に形成された導電体であり、本実施例では中心電極2の断面積と同等またはそれ以下の断面積を有するステンレス鋼で形成された導電体である。
このような光電変換構造体51の製造は、例えば、図9に示す光電変換構造体製造装置54を用いて製造する。
光電変換構造体製造装置54は、実施例1の光電変換素子製造装置10の外側バッファ層成膜チャンバ18の下流に導電凸条形成チャンバ55、反射防止膜成膜チャンバ46、後処理チャンバ19を連結して形成される。
導電凸条形成チャンバ55は、スパッタ法により導電凸条形成チャンバ55内を通過する光電変換素子1の外側バッファ層8上に、一方向から導電凸条52を形成する導電材料(本実施例ではステンレス鋼)を堆積させて、光電変換素子1の軸方向に導電凸条52を連続的に形成するチャンバである。
本実施例の後処理チャンバ19は、反射防止膜成膜チャンバ46の下流に設けられ、後処理チャンバ19から排出された導電細線2aを中心に形成された製品としての光電変換構造体51が巻取リール12に巻き取られる。
このように、本実施例の光電変換構造体51は、上記実施例3の光電変換構造体41と同様に外部電極となる導電凸条52を光電変換素子1の軸方向に沿わせて形成し、これらを反射防止膜43で被覆して形成され、製品となったときに中心電極2と外部電極としての導電凸条52を備えているので、製品の形成後に直ちに太陽電池として用いることが可能になる。
また、有機半導体層を用いて太陽電池を構成するので、光電変換構造体41と同様に太陽電池の適用範囲を拡大することができる。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例1または実施例2の光電変換素子が有する効果に加えて、外部電極となる導電凸条を光電変換素子の軸方向に沿わせて反射防止膜で被覆したことによって、上記実施例3と同様の効果を得ることができる。
また、光電変換構造体製造装置を、光電変換素子製造装置の外側バッファ層成膜チャンバの下流に、導電凸条形成チャンバと反射防止膜成膜チャンバとを順に連結して形成するようにしたことによって、光電変換素子製造装置に導電凸条形成チャンバと反射防止膜成膜チャンバと追加するだけで光電変換構造体製造装置を形成することができ、太陽電池として直ちに用いることが可能な光電変換構造体を容易に製造することができると共に、設備投資に要する費用を削減することができる。
図10は実施例5の光電変換装置の上面を示す説明図、図11は実施例5の光電変換装置の断面を示す説明図である。
なお、上記実施例1および実施例3と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
また、本実施例では光電変換素子1を用いて説明するが、実施例2の光電変換素子31の場合も同様である。
図10、図11において、61は光電変換装置であり、実施例1の光電変換素子1を所定の長さに切断した光電変換素子1を中心電極2の軸方向を平行にして複数配置し、各光電変換素子1の間に隙間を開けてこれら中心電極2の一方の端部を半田付けやロウ付け等の接合手段でリード線62に接合して櫛歯状に形成し、隣合う光電変換素子1の隙間の間に中心電極2の軸方向と平行に両側の光電変換素子1の外側バッファ層8に接し、光電変換素子1と同等の長さに切断した実施例3と同様の外部電極としての外部電極線42を配置し、これら外部電極線42の一方の端部を接合手段でリード線63に櫛歯状に接合して形成される。
この場合に、外部電極線42は、一の側、つまり図11に示す光の照射側(図11において上方側)と反対側に配置され、光の照射側と反対側の外周面は櫛歯状の光電変換素子1の外周面と面一となるように嵌合している。
リード線62、63は、金、銀、銅、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料を線状にした金属線で形成され、中心電極2や外部電極線42の直径と同等またはそれ以上の直径を有している。
この光電変換装置61は、光の照射側から光を照射すればリード線62とリード線63との間に光電変換素子1の数に比例した電位差が生じ、線状の有機薄膜太陽電池を用いた平面パネル状の太陽電池が形成される。
この場合に、複数の光電変換素子1と外部電極線42とを配置した後に実施例3で説明した反射防止膜43を全面に塗布または蒸着により形成するとよい。このようにすれば照射される光の表面反射を防止して有機半導体層7への光の透過光を増加させることができると共に、光電変換素子1と外部電極線42との相対位置を固定することができる。
このような光電変換装置61は、光電変換素子1と外部電極線42とを順に配置するだけであるので、平面パネル状の太陽電池を容易に形成することができると共に、大面積の場合に均一な形成が困難な有機半導体層7の各層の膜厚を均一なものにした光電変換素子1を用いて大面積の有機薄膜太陽電池を形成することができる。
また、櫛歯状の外部電極線42を光の照射側の反対側で櫛歯状の光電変換素子1に嵌合させるので、光電変換装置61の光の照射側における外部電極線42による光の遮光を防止することができると共に、外部電極線42により反射される光を利用することも可能になり、平面パネル状の太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を高めるができる。
更に、有機半導体層7に接近させて低抵抗な中心電極2や外部電極線42を配置するので、光の照射側に面方向のシート抵抗が金属材料に比して1桁程度大きい導電性被膜で形成された透明電極を有する平面状の太陽電池に比較して、その内部抵抗に起因する内部損失を大幅に低減することができ、平面パネル状の太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を高めることができると共に、透明電極の形成工程を省略して太陽電池の低コスト化を図ることができる。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例1または実施例2の効果を有する光電変換素子を用い、光電変換素子をその中心電極の軸方向を平行にして隙間を開けて配置し、隣合う光電変換素子の隙間の間に、それぞれの光電変換素子の外側バッファ層に接触する導電性の外部電極線を設けたことによって、光電変換素子と外部電極線とを順に配置するだけで平面パネル状の太陽電池を容易に形成することができると共に、大面積の場合に均一な形成が困難な有機半導体層の各層の膜厚を均一なものにした光電変換素子を用いて大面積の有機薄膜太陽電池を形成することができる。
なお、本実施例においては、外部電極線を両側の光電変換素子の外側バッファ層に接触するように配置するとして説明したが、外部電極線は片側の光電変換素子の外側バッファ層に接触していれば足りる。つまり一本の光電変換素子の外側バッファ層に1本の外部電極線を接触させた一組の光電変換素子と外部電極線を基本要素としてその軸方向を平行にして複数組配置しても上記と同様の効果を得ることができると共に、様々な太陽電池の形状を容易に形成することができる。
この場合に、上記実施例3のまたは実施例4の光電変換構造体を用いれば、容易に平面パネル状の光電変換装置を組立てることができる。また実施例4の光電変換構造体はその断面が円形に近い形状であるので、前記の光電変換装置の集積度を向上させることができ、平面パネル状の太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を更に高めることができる。
図12は実施例6の光電変換装置の上面を示す説明図、図13は実施例6の光電変換装置の断面を示す説明図である。
なお、上記実施例1、実施例2および実施例5と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図12、図13において、65は光電変換装置であり、実施例1の光電変換素子1と実施例2の光電変換素子31とをそれぞれ同等の長さに切断し、光電変換素子1と光電変換素子31とをそれぞれの中心電極2の軸方向を平行にし、互いの外部バッファ層8を接触させて複数交互に配置し、各光電変換素子1の中心電極2を実施例5と同様に接合手段でリード線62に接合して櫛歯状に形成し、各光電変換素子31の中心電極2の一方の端部を接合手段でリード線66に櫛歯状に接合して形成される。
リード線66は、実施例5のリード線62等と同様の金属線で形成され、光電変換素子31の中心電極2の直径と同等またはそれ以上の直径を有している。
この光電変換装置65は、一方の側、つまり光の照射側から光を照射すればリード線62とリード線66との間に電位差が生じ、線状の有機薄膜太陽電池を用いた平面パネル状の太陽電池が形成される。
この場合に、PIN接合型の光電変換素子1とNPI接合型の光電変換素子31とは互いの外部バッファ層8を接触させて電気的に直列に配置されているので、その電位差を実施例5に比べて2倍にして平面パネル状の太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を更に高めることができる他、外部電極線42が省略されているので、平面パネル状の太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を一層高めることができる。
また、光電変換素子1と光電変換素子31と交互に配置した後に実施例5と同様の反射防止膜43を形成すれば、実施例5と同様の効果を得ることができる。
このような光電変換装置65は、光電変換素子1と光電変換素子31とを交互に配置するだけであるので、実施例5と同様に大面積の平面パネル状の有機薄膜太陽電池を容易に形成することができると共に、その起電力を2倍として単位設置面積当りの発電効率を一層高めた平面パネル状の太陽電池を得ることができる。
また、PIN接合型とNPI接合型の有機半導体層7に接近させて低抵抗な中心電極2を配置するので、実施例5と同様に透明電極の形成に伴う内部損失を大幅に低減して単位設置面積当りの発電効率を高めることができると共に、透明電極の形成工程を省略して太陽電池の低コスト化を図ることができる。
更に、外部電極線42を用いる必要がなくなるので、平面パネル状の太陽電池の実効面積を拡大して平面パネル状の太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を高めることができる。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例5と同様の効果に加えて、PIN接合型とNPI接合型の光電変換素子を互いの外部バッファ層を接触させて交互に配置したことによって、太陽電池としての起電力を2倍とすることができると共に、平面パネル状の太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を一層高めるができる。
なお、本実施例においては、PIN接合型とNIP接合型の光電変換素子とを交互に配置してこれら全ての外側バッファ層と接触させるとして説明したが、一組のPIN接合型とNIP接合型の光電変換素子のそれぞれの外側バッファ層が接触していれば足りる。このようにしても上記と同様の効果を得ることができると共に、一組のPIN接合型とNIP接合型の光電変換素子を基本要素として様々な太陽電池の形状を容易に形成することができる。
図14は実施例7の光電変換装置の断面を示す説明図である。
なお、上記実施例1および実施例5と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図14において、68は光電変換装置であり、実施例5の光電変換装置61の平面パネル状の配置を、正3角形の2辺を連続的に配置した波型として立体的に配置して形成される。
このように配置すれば、平面配置に比べて光の照射側の面積を2倍にすることができ、太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を略2倍に高めることができる。
なお、この立体的な配置は、円弧や2等辺3角形の2辺、等脚台形の上辺と両側辺等を連続的に配置した波型として形成するようにしてもよい。このようにしても平面配置に比べて太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を高めることができる。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例5と同様の効果に加えて、光電変換素子と外部電極線の配置を波型にしたことによって、平面パネル状の太陽電池に比べて光の照射側の面積を拡大することができ、太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を高めるができる。
なお、本実施例においては、実施例5の光電変換装置を例に説明したが、実施例6の光電変換装置を波型としても実施例6と同様の効果に加えて前記と同様の効果を得ることができる。
また、実施例の光電変換素子と外部電極線の組合せに替えて、上記実施例3のまたは実施例4の光電変換構造体を用いれば、容易に立体形状の光電変換装置を組立てることができる。また実施例4の光電変換構造体はその断面が円形に近い形状であるので、前記の光電変換装置の集積度を向上させることができ、立体構造の太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を更に高めることができる。
図15は実施例8の光電変換装置の断面を示す説明図である。
なお、上記実施例1および実施例5と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図15において、71は光電変換装置であり、実施例5の平面パネル状の光電変換装置61の光の照射側の反対側に、所定の間隔を開けて鏡や鏡面仕上等による反射面を有する金属板等の反射板72を配置して形成される。
このように光の照射側の反対側に反射板72を配置すれば、光電変換素子1の透明な外側バッファ層8等を透過した光や、光電変換装置61と反射板72との間隔へ斜め上方から入射した光を反射した反射光を利用して、光の照射側の反対側の光電変換素子1による光電変換が可能になり、光電変換装置61の光電変換素子1の実効面積を拡大して太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を高めることができる。
なお、反射板72の配置は、光電変換装置61の光の照射側の反対側に接触するように配置してもよい。このようにしても少なくとも外側バッファ層8等を透過した光の反射光を利用して太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を高めることができる。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例5と同様の効果に加えて、光電変換素子の光の照射側の反対側に反射板を設けたことによって、光電変換素子を透過した光の反射光を利用して平面パネル状の太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を高めることができる。
なお、本実施例においては、実施例5の光電変換装置を例に説明したが、実施例6および実施例7の光電変換装置の光の照射側の反対側に反射板を設けるようにしてもそれぞれの実施例と同様の効果に加えて前記と同様の効果を得ることができる。
図16は実施例9の光電変換装置の断面を示す説明図、図17は実施例9の光電変換装置の上面を示す説明図である。
なお、上記実施例1および実施例5と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
また、本実施例では光電変換素子1を用いて説明するが、実施例2の光電変換素子31の場合も同様である。
図16、図17において、75は光電変換装置であり、実施例1の光電変換素子1を所定の長さに切断した光電変換素子1を中心電極2の軸方向を平行にして各光電変換素子1の間に隙間を開け、これら中心電極2の一方の端部を接合手段でリード線62に接合して櫛歯状に形成し、各光電変換素子1の外側バッファ層8を外部電極としての導電性を有する外部電極板76に接触させて形成される。
外部電極板76は、金、銀、銅、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料を板状にした金属板で形成され、光電変換素子1の光の照射側と反対側に配置される。
この光電変換装置75は、光の照射側から光を照射すればリード線62と外部電極板76との間に光電変換素子1の数に比例した電位差が生じ、線状の有機薄膜太陽電池を用いた平面パネル状の太陽電池が形成される。
この場合に、複数の光電変換素子1と外部電極板76上に配置した後に実施例3で説明した反射防止膜43を全面に塗布または蒸着により形成するとよい。このようにすれば実施例5と同様に有機半導体層7への光の透過光を増加させることができると共に、光電変換素子1と外部電極板76との相対位置を固定することができる。
このような光電変換装置75は、外部電極板76上に光電変換素子1を平行に配置するだけであるので、平面パネル状の太陽電池を容易に形成することができると共に、大面積の場合に均一な形成が困難な有機半導体層7の各層の膜厚を均一なものにした光電変換素子1を用いて大面積の有機薄膜太陽電池を形成することができる。
また、櫛歯状の光電変換素子1の照射側の反対側に外部電極板76を配置するので、外部電極板76により反射された光を利用することができ、光電変換素子1の実効面積を拡大して平面パネル状の太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を高めることができる。
更に、金属板からなる外部電極板76を用いて外部電極を形成するので、外部電極の内部抵抗をより減少させることができ、内部抵抗に起因する内部損失を低減させて平面パネル状の太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を高めることができる。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例5と同様の効果に加えて、光電変換素子を外部電極板上に中心電極の軸方向を平行にして隙間を開けて配置したことによって、外部電極板により反射された光を利用して光電変換素子の実効面積を拡大することができと共に外部電極の内部抵抗をより減少させることができ、平面パネル状の太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を更に高めることができる。
なお、本実施例においては、外部電極板を金属板で形成するとして説明したが、外部電極板を導電性を有する透明な樹脂板で形成して本実施例の光電変換装置を形成すれば、この光電変換装置を積み重ねた太陽電池を形成することが可能になり、平面パネル状の太陽電池の単位設置面積当りの発電効率を更に高めることができる。
図18は実施例10の光電変換装置の上面を示す説明図である。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
また、本実施例では光電変換素子1を用いて説明するが、実施例2の光電変換素子31の場合も同様である。
図18において、81は光電変換装置であり、実施例1の光電変換素子1の外径を100μm以下、0.1μm以上に形成し、この光電変換素子1を中心電極2の軸方向を平行にして各光電変換素子1の間に隙間を開けて配置し、これらの光電変換素子1を外部電極としての導電性を有する外部電極糸82で布状に編み合わせて形成される。
外部電極糸82は、実施例5の外部電極線42と同様の導電材料を用いて100μm以下、0.1μm以上の外径を有する糸状に形成され、各光電変換素子1の外側バッファ層8に接触しながら各光電変換素子1を編み合わせる可撓性を有している。
この布状の光電変換装置81は、所定の大きさに切断され、切断後の各光電変換素子1の中心電極2の一方の端部を接合手段によりリード線83に接合すると共に各外部電極糸82の一方の端部を接合手段によりリード線84に接合すれば、光を照射することによりリード線83とリード線84との間に光電変換素子1の数に比例した電位差が生じ、線状の有機薄膜太陽電池を用いた布状の太陽電池が形成される。
上記のリード線83、84は、実施例5のリード線62等と同様の糸状の金属線または導電性を有する樹脂材料で形成され、中心電極2や外部電極糸82の直径と同等またはそれ以上の直径を有している。
このような布状の光電変換装置81は、有機半導体層7を有する光電変換素子1を用いて形成しているので柔軟性に優れた布を得ることがでると共に、外部電極糸82で光電変換素子1を編み合わせて形成するので布状の光電変換装置81に通気性を与えることができ、光を受けて発電する衣類等を製造することが可能になり、可搬性を有する発電能力の高い太陽電池を実現することができる。
この場合に、中心電極2や外部電極糸82を導電性を有する樹脂材料で形成すれば、布状の光電変換装置81の柔軟性を更に高めることができる。
このような可搬性を有する太陽電池は、携帯電話等の携帯情報機器の電源として用いることもでき、太陽電池の適用範囲を更に拡大することができる。
また、大面積の場合に均一な形成が困難な有機半導体層7の各層の膜厚を均一なものにした光電変換素子1を用いて大面積の布状の有機薄膜太陽電池を形成することができる。
更に、光電変換素子1と外部電極糸82とを編み合わせて相互に固定するので、上記の実施例で示した反射防止膜43による固定のための工程を省略することができる。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例1または実施例2の光電変換素子が有する効果に加えて、外部電極となる外部電極糸で光電変換素子を編み合わせて布状としたことによって、形成された布状の光電変換装置を用いて光を受けて発電する衣類等の可搬性を有する発電能力の高い太陽電池を得ることができ、太陽電池の適用範囲を更に拡大することができる。
なお、本実施例においては、実施例1または実施例2の光電変換素子を外部電極糸を用いて編み合わせて布状の光電変換装置を形成するとして説明したが、実施例2の光電変換素子を上記と同様の外径に形成し、これを用いて実施例1の光電変換素子を編み合わせるようにしてもよい。このようにすれば布状の光電変換装置の起電力を2倍にすることが可能になる。
実施例1の光電変換素子の断面を示す説明図 実施例1の光電変換素子の製造装置を示す説明図 実施例1の磁性流体シールの作動を示す説明図 実施例2の光電変換素子の断面を示す説明図 実施例2の光電変換素子製造装置を示す説明図 実施例3の光電変換構造体の断面を示す説明図 実施例3の光電変換構造体製造装置を示す説明図 実施例4の光電変換構造体の断面を示す説明図 実施例4の光電変換構造体製造装置を示す説明図 実施例5の光電変換装置の上面を示す説明図 実施例5の光電変換装置の断面を示す説明図 実施例6の光電変換装置の上面を示す説明図 実施例6の光電変換装置の断面を示す説明図 実施例7の光電変換装置の断面を示す説明図 実施例8の光電変換装置の断面を示す説明図 実施例9の光電変換装置の断面を示す説明図 実施例9の光電変換装置の上面を示す説明図 実施例10の光電変換装置の上面を示す説明図
符号の説明
1、31 光電変換素子
2 中心電極
2a 導電細線
3 内側バッファ層
4 P型層
5 I型層
6 N型層
7 有機半導体層
8 外側バッファ層
10 光電変換素子製造装置
11 送出リール
12 巻取リール
13 前処理チャンバ
14 内側バッファ層成膜チャンバ
15 P型層成膜チャンバ
16 I型層成膜チャンバ
17 N型層成膜チャンバ
18 外側バッファ層成膜チャンバ
19 後処理チャンバ
20 磁性流体シール
21 隔壁
23 永久磁石
24 磁極片
25 内周穴
26 磁性流体
28 スペーサ
41、51 光電変換構造体
42 外部電極線
43 反射防止膜
44、54 光電変換構造体製造装置
45 合流チャンバ
46 反射防止膜成膜チャンバ
47 外部電極線投入リール
48 投入口
49 合流機構
49a ガイドローラ
52 導電凸条
55 導電凸条形成チャンバ
61、65、68、71、75、81 光電変換装置
62、63、66、83、84 リード線
72 反射板
76 外部電極板
82 外部電極糸

Claims (21)

  1. 導電細線からなる中心電極と、該中心電極の外周面に積層した有機半導体層と、該有機半導体層の外周面に積層した透明な導電性接着剤からなる外側バッファ層とを備えたことを特徴とする光電変換素子。
  2. 請求項1において、
    前記中心電極が、高透磁率を有する導電材料で形成されていることを特徴とする光電変換素子。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記中心電極の外周面と、前記有機半導体層の内周面との間に、導電性接着剤からなる内側バッファ層を形成したことを特徴とする光電変換素子。
  4. 請求項1、請求項2または請求項3において、
    有機半導体層が、前記内側からP型層とI型層とN型層を順に積層したPIN接合型の有機半導体層であることを特徴とする光電変換素子。
  5. 請求項1、請求項2または請求項3において、
    有機半導体層が、前記内側からN型層とI型層とP型層を順に積層したNIP接合型の有機半導体層であることを特徴とする光電変換素子。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光電変換素子の前記外側バッファ層上に、前記中心電極の軸方向と平行に配置された導電凸条で形成された外部電極を設け、
    前記光電変換素子と外部電極とで形成される外形面を、導電性の反射防止膜で被覆したことを特徴とする光電変換構造体。
  7. 請求項6において、
    前記導電凸条が、導電性を有する外部電極線であることを特徴とする光電変換構造体。
  8. 請求項7において、
    前記外部電極線が、高透磁率を有する導電材料で形成されていることを特徴とする光電変換構造体。
  9. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光電変換素子を、前記中心電極の軸方向を平行にして隙間を開けて配置し、
    隣合う前記光電変換素子の隙間の間に、前記光電変換素子の外側バッファ層に接触する導電性の外部電極線からなる外部電極を設けたことを特徴とする光電変換装置。
  10. 請求項4に記載の光電変換素子と、請求項5に記載の光電変換素子とを互いの前記外部バッファ層を接触させて交互に配置したことを特徴とする光電変換装置。
  11. 請求項6、請求項7または請求項8に記載の光電変換構造体を、前記中心電極の軸方向を平行にして配置したことを特徴とする光電変換装置。
  12. 請求項9、請求項10または請求項11において、
    前記配置を、波型にしたことを特徴とする光電変換装置。
  13. 請求項9から請求項11または請求項12において、
    前記光電変換素子の光の照射側の反対側に、反射板を設けたことを特徴とする光電変換装置。
  14. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光電変換素子を、前記中心電極の軸方向を平行にして隙間を開けて配置し、
    前記光電変換素子の外側バッファ層の全てに接触する導電性を有する外部電極板を設けたことを特徴とする光電変換装置。
  15. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光電変換素子を、前記中心電極の軸方向を平行にして配置し、
    導電性を有する外部電極糸を設け、該外部電極糸で、前記光電変換素子を布状に編み合わせたことを特徴とする光電変換装置。
  16. 請求項4に記載の光電変換素子と、請求項5に記載の光電変換素子とを互い編み合わせて布状に形成したことを特徴とする光電変換装置。
  17. 中心電極を形成する導電細線を送り出す送出リールと、前記送り出された導電細線を巻取る巻取リールと、前記送出リールと巻取リールとの間に配置した前記導電細線が通過する複数のチャンバとを備えた光電変換素子の製造装置であって、
    前記複数のチャンバを、少なくともP型層を形成するP型層成膜チャンバと、I型層を形成するI型層成膜チャンバと、N型層を形成するN型層成膜チャンバと、外側バッファ層を形成する外側バッファ層成膜チャンバとで構成すると共に、前記各チャンバを前記送出リール側から配置し、
    前記各チャンバのチャンバ内とチャンバ外とで圧力が相違する隔壁に、該隔壁を通過する導電細線の周囲の空間をシールする磁性流体シールを設けたことを特徴とする光電変換素子の製造装置。
  18. 請求項17において、
    前記P型層成膜チャンバの上流に、内側バッファ層を形成する内側バッファ層成膜チャンバを設けたことを特徴とする光電変換素子の製造装置。
  19. 請求項17または請求項18において、
    前記P型層成膜チャンバ、I型層成膜チャンバ、N型層成膜チャンバの配置の順を、N型層成膜チャンバ、I型層成膜チャンバ、P型層成膜チャンバの順としたことを特徴とする光電変換素子の製造装置。
  20. 請求項17、請求項18または請求項19に記載の光電変換素子の製造装置の外側バッファ層成膜チャンバの下流に、導電凸条を前記外側バッファ層の外周面上に形成する導電凸条形成チャンバと、反射防止膜を前記外側バッファ層の外周面と前記導電凸条とで形成される外形面に形成する反射防止膜成膜チャンバとを順に連結したことを特徴とする光電変換構造体の製造装置。
  21. 請求項17、請求項18または請求項19に記載の光電変換素子の製造装置の外側バッファ層成膜チャンバの下流に、
    外部電極となる外部電極線の投入口と、該投入口から投入された外部電極線を前記光電変換素子の外側バッファ層に沿わせて接触させる合流機構とを設けた合流チャンバと、
    反射防止膜を前記外側バッファ層の外周面と前記外部電極線とで形成される外形面に形成する反射防止膜成膜チャンバと、
    を順に連結し、
    前記合流チャンバの投入口に、前記磁性流体シールを設けたことを特徴とする光電変換構造体の製造装置。
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