JP2010220754A - 電気治療器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電気治療器100を、皮膚に物理的エネルギー刺激を加える柔軟な刺激付与部20と、前記刺激付与部に電気的に接続される可撓性の光電池30とを備えるものとする。
【選択図】図1(b)
Description
この電気治療器は、前記刺激付与部及び光電池を直接若しくは間接的に積層し、又は前記刺激付与部及び光電池を同一平面上に配置し、扁平な一体構造物となるようにすることが好ましい。また、不定的及び/又は断続的な物理的エネルギー刺激を皮膚に加えることが好ましい。さらに、皮膚に加える物理的エネルギー刺激が電気刺激であることが好ましい。また、光電池が伸縮性や通気性を有することが好ましい。さらに、光電池が色素増感型であることが好ましい。
また、この電気治療器は、前記刺激付与部及び/又は光電池が、使用者の所定の皮膚、筋肉、腱、靭帯、骨、又は関節から選択される1以上の部位に対応するよう区画されることが好ましい。さらに、使用時に、前記刺激付与部及び/又は光電池の長手方向が筋繊維の走行とほぼ平行になるように、前記刺激付与部及び/又は光電池を所定の位置に配置することが好ましい。また、前記刺激付与部及び光電池を、皮膚の所定位置に保持させる柔軟な通気性又は透湿性の固定手段をさらに備えることが好ましい。さらに、スリーブ状被服、帯状被服、上半身用被服、又は下半身用被服から選択される形状を備えることが好ましい。
また、本発明の電気治療器は、人体に装着するという特性と光電池の電気エネルギー発生特性との関係を利用することで、シンプルでフレキシブルな構成でも、刺激の順応や分極による治療効果の低下を抑制することができる。
さらに、本発明によれば、使用者の使用環境に制限されず、他の治療や処置とも併用ができるので、治療の選択肢が広がり、長期に渡って簡便に有効な治療を行うことが可能となる。
本発明の電気治療器100は、皮膚に電気刺激を加える柔軟で導電性の1対の刺激付与部20と、刺激付与部20に導体50を介して電気的に接続される可撓性の光電池30と、刺激付与部20の短絡を防ぐために刺激付与部上に載置される絶縁シート60と、刺激付与部20と光電池30とを皮膚の所定位置に保持させるプラスチックフィルム基材41と粘着剤層42とからなる柔軟で透明な固定手段40とからなる。本発明の電気治療器100は、扁平な刺激付与部20と光電池30とを積層し、固定手段40で保持することで、扁平な一体構造物となるようにしてある。
(1)皮膚に加える刺激
刺激付与部は、皮膚に電気刺激等の物理エネルギー刺激を加えることができる柔軟で導電性の材料等を含むものであれば特に限定されず、従来公知の生体用電極、温熱療法機器等の構成を使用することができる。物理エネルギー刺激の種類としては、電気刺激、熱刺激、冷刺激、磁気刺激、光刺激等があるが、電気刺激、熱刺激が好ましく、順応や分極による治療効果の低下を効果的に抑制する観点から電気刺激が特に好ましい。皮膚に電気刺激を加える場合の刺激付与部の作成方法は、例えば、粘着性を有する導電性ゲル、導電性材料を印刷や塗工で所定パターン(回路)に形成した基板、導電性樹脂フィルム、導電性繊維からなる糸又は布、金属箔、非導電性のフィルム等の扁平材料を単独又は適宜組み合わせて柔軟なシート状の形態にする態様が利用できる。なお、本発明における、「皮膚に物理的エネルギー刺激を加える」なる用語は、皮膚表面のみならず、皮膚表面より下方(内部)にある表皮、真皮、及び皮下脂肪組織に物理的エネルギー刺激を加える場合や、皮膚に形成された創傷部に物理的エネルギー刺激を加える場合をも含む概念である。したがって、皮膚に針状物を刺し、真皮や皮下脂肪組織に電気刺激等を加える場合や、創傷面に刺激付与部を被覆し、電気刺激等を加える場合も、「皮膚に物理的エネルギー刺激を加える」場合に該当する。
皮膚に冷刺激を加える場合は、例えば、ペルティエ素子等の熱電素子をこの刺激付与部に設けることで、光電池からの電気エネルギーを冷刺激に変換する態様を利用することができる。
皮膚に磁気刺激を加える場合は、例えば、この刺激付与部に磁場を発生させるコイル等を設けることで、光電池からの電気エネルギーを磁気刺激に変換する態様を利用することができる。この態様により、磁場による電流誘導効果を用いたいわゆる磁気療法として、皮膚に磁気刺激を加える治療に使用することが可能である。
皮膚に光刺激を加える場合は、例えば、この刺激付与部に発光素子を設けることで、エレクトロルミネセンス効果により、光電池からの電気エネルギーを特定色(波長)の光に変換する態様を利用することができる。この態様により、皮膚に光刺激を加える治療に使用することも可能である。
刺激付与部の形状としては、従来公知のものを用いることができ、多角形、円形、楕円形等、特に限定されないが、使用者の所定の皮膚、筋肉、腱、靭帯、骨、又は関節から選択される1以上の部位に対応するよう区画されていることが好ましい。具体的には、刺激付与部の形状が、治療や処置の対象となる所定の皮膚(創傷含む)、筋肉、腱、靭帯、骨、又は関節の形状に対応する形状に区画され、その区画された刺激付与部が本発明の電気治療器の所定部位に配置される。このように刺激付与部の形状を、刺激を加える患部の形状と対応させることで、電気治療器自体の構造をシンプルかつ小型にできると共に装着位置の目安として電気治療器を正しい位置に簡便に取り付けることができ、また、皮膚に加える物理エネルギー刺激のロスを減らす等して効率的に皮膚に電気刺激等を加えることが可能となる。
光電池としては、可撓性のあるものであれば特に限定されず、色素増感型、シリコン系、化合物半導体、有機半導体等が挙げられるが、色素増感型が特に好ましい。色素増感型光電池は、シリコン系等の他の光電池と比較して、広い入射光角度の範囲で高い変換効率が得られ、太陽光の散乱光や屋内の人工照明光又は拡散光に対しても利用効率が高い特徴がある。そのため、本発明のように使用者が皮膚の様々な部位に装着し、動いたり屋内で使用したりして、入射光角度が頻繁に変化したり、強い太陽光が得られない場合であっても、色素増感型光電池を用いることで効率的に光発電を行うことができる。
光電池の基本構成は、光電池の種類に応じて、従来公知の構成を使用できる。光電池をフレキシブルにするために、フィルム状形態、繊維状形態、布状形態等にすることが好ましい。フィルム状形態としては、電極層や半導体層等を構成する薄層を積層、封止した構造等を利用できる。繊維状形態としては、内面に導電ポリマーを塗布したポリマーチューブ中に、半導体でコーティングした導電性材料からなる内部電極を挿入した構造等を利用できる。布状形態としては、前記の繊維状形態の光電池を、製織、編成、又は絡み合わせて、織布、編布、又は不織布にした構造等を利用できる。
また、本発明の光電池は、伸縮性を有することが好ましい。皮膚、筋肉、関節等の屈曲、伸展等の体の動きに対する順応性を高め、使用感を向上させるためである。光電池を伸縮性にするには、光電池の基板や対極等を伸縮性の材料で構成したり、光電池を上述の布状形態(特に編布)で構成したりすればよい。
また、本発明の光電池は、通気性を有することが好ましい。長期間使用した場合に、発汗等による不快感や皮膚障害をなくすためである。光電池を通気性にするには、フィルム状の光電池に貫通する多数の孔を形成したり、光電池を構成する複数のセルを互いに間隙をあけて接合したり、光電池を繊維状形態又は布状形態にしたりする方法等を利用できる。
光電池のモジュール構造としては、従来公知のセル形状、セル接続の方式(対向セルモジュール、Z型モジュール、W型モジュール、モノリス型モジュール等)を用いることができる。光電池の全体形状又は光電池を構成する個々のセル形状としては、多角形、円形、楕円形等、特に限定されないが、使用者の所定の皮膚、筋肉、腱、靭帯、骨、又は関節から選択される1以上の部位に対応するよう区画されていることが好ましい。具体的には、光電池の全体形状又はそれを構成する個々のセルの形状が、治療や処置の対象となる所定の皮膚(創傷含む)、筋肉、腱、靭帯、骨、又は関節の形状に対応する形状に区画され、その区画された光電池が本発明の電気治療器の所定部位に配置される。このように光電池の形状を、刺激を加える患部の形状と対応させることで、電気治療器自体の構造をシンプルかつ小型にできると共に装着位置の目安として電気治療器を正しい位置に簡便に取り付けることができ、また、皮膚に加える物理エネルギー刺激のロスを減らす等して効率的に皮膚に電気刺激等を加えることができる。
本発明の電気治療器に用いる光電池として特に好ましい色素増感型光電池についてさらに詳しく説明する。なお、上述した「光電池の基本構成、伸縮・通気特性、形状等」については、色素増感型光電池にも採用できるものである。色素増感型光電池の態様としては、特に限定されず、例えば、(i)基板、(ii)導電膜、(iii)半導体膜(光電極)、(iv)色素、(v)電荷輸送材(電解質、溶媒)、(vi)対極、(vii)封止材等から構成される従来公知の形態を利用することができる。
色素増感型光電池の基板としては、ガラスやプラスチック等の導電膜を担持できる各種のものを利用できるが、人体への装着感が良好なフレキシブル材料を用いることが好ましく、とくに無着色で透明なプラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムの材料としては、耐熱性、耐薬品性、ガス遮断性等に優れるポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、柔軟性に優れるポリウレタン(PU)、ポリアミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・ビニル・アセテート(EVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)などが挙げられる。これらのプラスチック材料はそれぞれ単独で用いても良いし、複数を混合して用いてもよい。また、これの樹脂から形成される複数のプラスシックフィルムを、粘着、接着、熱融着などによって積層して用いても良い。
色素増感型光電池の導電膜としては、例えば、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)などの透明導電膜が挙げられる。また、人体において特に動的挙動を有する部位での装着、使用を想定する場合には引っかき強度が優れるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)や耐曲性が優れる銀微粒子を用いても良い。
色素増感型光電池の半導体膜としては、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb2O5)などの酸化物半導体を1種または2種以上を複合させたものが挙げられる。これらの半導体膜の膜厚は0.5〜50μm程度が好ましい。酸化物半導体は色素との接触界面における表面積を増やすために主成分に平均粒径1〜1000nmの微粒子を用いても良いし、多孔質の薄膜にしても良い。TiO2よりなるチタニア粒子としては、アナターゼ結晶型のものおよびルチル結晶型のものが挙げられるが、アナターゼ結晶型が好ましい。
半導体膜に担持される色素としては、特に制限されるものではなく、例えば、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを含む配位子を有するルテニウム錯体や鉄錯体、ポルフィリン系やフタロシアニン系の金属錯体、エオシン、ローダミン、メロシアニン、クマリン、カルバゾールなどの有機色素などが挙げられる。用途や酸化物半導体多孔質膜の材料に応じて前記化合物のうち1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
色素増感型光電池において、色素を担持した半導体膜および対極との間に介在される電荷輸送材は、電気治療器装着中における曲折時の応力緩和が可能な液体状のものを使用しても良いし、溶媒の揮発や液漏れの心配を無くすために固体状、凝固体状、常温溶融塩状態のものを使用しても良い。また、この電荷輸送材の厚み、すなわち色素を担持した半導体膜と対極との離間距離は、例えば1〜100μmが好ましい。
白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウムなどの金属、ITO、FTOなどの導電性金属酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)のような導電性高分子、炭素等が挙げられる。
色素増感光電池においては、電荷輸送材中の溶媒の揮発や、外部からの水等の浸入などを防ぐために、封止材を用いて、少なくとも半導体膜側の基板と対極側の基板の外縁部を封止することが好ましい。ただし、電荷輸送材の媒体として固体状の材料を用いるなどの対応により、溶媒の揮発や流出の心配がない場合には封止材は必ずしも必要ではない。また、対極側の基板をプラスチックフィルム基板とし、これを用いて複数の光電変換単位素子全体を覆い、周囲を融着することで電荷輸送材中の溶媒の揮発や、外部からの水等の浸入を防ぐことも可能であり、この場合にも独立した封止材は必要ではない。
刺激付与部、光電池、及び必要に応じてその他の部品を皮膚の所定位置に保持させるために、本発明の電気治療器には固定手段を設けてもよい。固定手段の形態は、電気治療器を皮膚上に固定できるものであれば特に限定されず、例えば、図1の実施形態に示したような粘着シート状のものでもよいし、患部に巻き付けたり被せたりすることができる繊維材料等から形成される被服であってもよいし、ベルトや面ファスナー等の着脱自在の固定手段でもよい。光電池の上から本固定手段を覆って固定する場合は、固定手段を光透過性の材料にするか、開口を設ける等して光電池に光が透過するようにする。
刺激付与部に光電池からの電気を供給するために、刺激付与部と光電池とを電気的に接続する導体を用いてもよい。導体とし ては、従来公知のものを使用することができ、導電性材料の細条、又はこれを柔軟性の絶縁体で被覆したもの等を用いることができる。
光電池、刺激付与部、導体等が隣接又は積層して配置された場合、回路の短絡を防ぐために、電気治療器の適当な部位に絶縁シートを配置してもよい。特に、刺激付与部での短絡は、過電流による火傷の恐れもあるため、刺激付与部上に絶縁シートを載置等することが好ましい。また、図1の実施形態のような形態にした場合、光電池の下面は、皮膚に対向する側であるため光の入射が少ない。そこで、光電池の下面に配置する絶縁シートに光反射機能を持たせることで、光電池を通過した光を反射させ、反射した光エネルギーも効率的に起電に使うことができる。絶縁シートとしては、プラスチックフィルム、繊維材料からなる布帛、発泡シート等を利用することができる。
その他、必要に応じて、本発明の電気治療器には、光電池で発電した電力を蓄える蓄電器、電流にパルスを供給するためのパルス変圧器、直流電流を交流電流に変換するインバーター、周波数変換器、印加する電気刺激や熱刺激の量や時間を制御するマイクロコンピューター等を設けてもよい。
本発明の電気治療器の用途としては、皮膚、筋肉、腱、骨、関節、神経等に関わる疾患の予防や治療、又はこれら部分の生理的な機能の維持や改善等があり、電気刺激を用いて、例えば、以下(i)〜(vii)の作用・目的を単独又は複数奏するように機器を構成することが好ましい。そして、その作用・目的によって、電流、電圧、周波数、パルス幅、刺激時間、製品の形状や構造等を変えることができる。
(i)経皮的神経電気刺激(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation;TENS)。疼痛やこりの軽減、血液やリンパ液の循環促進、自律神経の調整等を目的とする。
(ii)治療的電気刺激(Therapeutic Electrical Stimulation;TES)。筋萎縮の予防改善、随意運動能力の回復、排尿機能の改善、末梢循環治療、創傷治癒、骨癒合等を目的とする。
(iii)機能的電気刺激(Functional Electrical Stimulation;FES)。運動機能、排尿機能、心肺機能、感覚系機能等の生体機能の補助、代行等を目的とする。
(iv)電気的筋肉刺激(Electrical Muscle Stimulation;EMS)。筋力増強、リハビリ、ウォーミングアップ、マッサージ、老廃物除去等を目的とする。
(v)微小電流神経刺激(Micro‐current Electrical Nerve Stimulation;MENS)。細胞の賦活化による皮膚改善(美容)、損傷組織や部位の治癒、血流改善、除痛等を目的とする。具体的には、ATP生成、蛋白質合成、アミノ酸の能動輸送等の 生体内化学反応の改善や促進、乳酸などの分解促進、コラーゲン繊維の合成助長等の作用がある。
(vi)イオン導入(Iontophoresis)。電気的移動、電気浸透、又はエレクトロポレーション等の作用により薬剤を経皮的に導入する。刺激付与部の皮膚接触面に、イオン性薬物を含有した導電性ゲル層等を設ける構成が利用できる。
(vii)その他、汚れや菌等の吸着、放出、除去、殺菌、抗菌等。
(1)電流
本発明の電気治療器で用いる電気刺激の電流値としては、0.1μA〜50mAの範囲が挙げられ、特に上記(i )〜(vii)の用途を目的とする場合、10μA〜30mA程度の範囲が望ましい。これは、細胞の刺激閾値、生体安全の面から考えられる刺激強度である。より具体的には、微小電流神経刺激(MENS)やイオン導入の場合は、細胞の損傷電流である10〜30μAが適当であり、経皮的神経電気刺激(TENS)を目的とする場合は、認知的刺激より1〜10mAである。また、筋肉を刺激する場合は、神経刺激や筋繊維刺激の観点から10〜30mAの刺激電流が必要である。
本発明の電気治療器で用いる電気刺激の電圧値については、電気刺激を皮膚表層から印加する場合、目的部位の深さによって電圧値を選択しえる。特に皮膚は、電気抵抗性が高いことから、この影響を考慮して電気刺激を加える。微小電流神経刺激(MENS)やイオン導入の場合は電圧値は0.1〜10V、機能的電気刺激(FES)や電気的筋肉刺激(EMS)では1V〜50Vが望ましい。本発明の電気治療器で用いるこれらの電圧値は、本発明の電気治療器の使用中に不定的及び/又は断続的に変化することが望ましい。
また本発明の電気治療器で用いる電気刺激の周波数としては、細胞膜等の分極の影響を考えると10Hz〜50,000Hzが利用できる。周波数の上限を超えると発熱や感知低減の可能性があることから、10Hz〜20,000Hz程度が望ましい。また、人に使用する場合の痛みを考慮した場合、連続パルスが発生する期間と発生しない期間を設けることが望ましい。これらの周波数をもたせる電流は直流でも交流でもよい。本発明の電気治療器で用いるこれらの周波数は、本発明の電気治療器の使用中に不定的及び/又は断続的に変化することが望ましい。
次に本発明の電気治療器に係る他の実施形態について説明する。本発明の電気治療器は、図1の実施形態のような皮膚に貼付可能なシート形態の他、皮膚上に巻きつけたり、被せたり、装着したりできる被服形態にすることができる。本発明の電気治療器を被服形態とすることで、装着位置の調節や変更、長期間の使用、繰り返しの使用などが簡便、快適に行える。
被服形態の電気治療器の態様としては、例えば、四肢、体幹(胸部又は腹部など)、頚部、頭部等を被覆するスリーブ状や帯状の被服、シャツ状(袖ありシャツ、袖なしシャツ等)等の上半身用被服、ソックス状、ハイソックス状、ストッキング状、タイツ状、パンツ状等の下半身用被服等の形状を備えたものが好ましい。
次に、図2を参照しながら、本発明の上半身用被服形態に係る電気治療器を説明する。図2(A)は、本発明の第三実施形態に係る電気治療器100Aを示す模式図である。(A1)は身体の正面側からみた図、(A2)は身体の背面側からみた図である。電気治療器100Aは、上半身用被服として全体形状を成形されている。電気治療器100Aは、被服の内側(皮膚と接する側)に設置される刺激付与部20(図示せず)と、被服の外側に設置される光電池30と、刺激付与部20と光電池30とを保持する編布等の繊維材料からなる被服形状の固定手段40とからなっている。刺激付与部20は、電気刺激等を付与する目的筋肉に対応する形状に形成され、その筋肉に対応する部分に配置される。また、光電池30は、刺激付与部20の形状、位置に対応するように、刺激付与部20の皮膚面と反対側に直接、または固定手段40を介して間接的に積層され、電気治療器が扁平な一体構造となるように構成される。本実施形態では、刺激付与部20(図示せず)及び光電池30は、身体の矢状面に対して左右対称に配置される。
図2(B)は、本発明の第四実施形態に係る電気治療器100Bを示す模式図である。(B1)は身体の正面側からみた図、(B2)は身体の背面側からみた図である。
図2(C)は、本発明の第五実施形態に係る電気治療器100Cを示す模式図である。(C1)は身体の正面側からみた図、(C2)は身体の背面側からみた図である。
本発明の第四及び第五実施形態も、刺激付与部20(図示せず)及び光電池30は、身体の矢状面に対して左右対称に配置される。
次に、図3を参照しながら、本発明の下半身用被服形態に係る電気治療器を説明する。
図3(D)は、本発明の第六実施形態に係るタイツ状の電気治療器100Dを示す模式図である。(D1)は身体の正面側からみた図、(D2)は身体の背面側からみた図である。
図3(E)は、本発明の第七実施形態に係るタイツ状の電気治療器100Eを示す模式図である。(E1)は身体の正面側からみた図、(E2)は身体の背面側からみた図である。
図3(F)は、本発明の第八実施形態に係るハイソックス状の電気治療器100Fを示す模式図である。(F1)は身体の正面側からみた図、(F2)は身体の背面側からみた図である。
本発明の第六〜八実施形態も、刺激付与部20(図示せず)及び光電池30は、身体の矢状面に対して左右対称に配置される。
これらの本発明の第六〜八実施形態は、刺激付与部20、光電池30、及び固定手段40の形状、位置をそれぞれ変えたものである。本実施形態の作用・効果は、前述した上半身用被服形態の電気治療器と同様なため、説明を省略する。
次に、図4を参照しながら、本発明のスリーブ状又は帯状の被服形態に係る電気治療器を説明する。
図4(G)は、本発明の第九実施形態に係るスリーブ状の電気治療器100Gを示す模式図で、主に大腿部に使用されるものである。(G1)は身体の正面側からみた図、(G2)は身体の背面側からみた図である。
図4(H)は、本発明の第十実施形態に係るスリーブ状の電気治療器100Hを示す模式図で、主に下腿部又は上肢部に使用されるものである。(H1)は身体の正面側からみた図、(H2)は身体の背面側からみた図である。
図4(I)は、本発明の第十一実施形態に係る帯状の電気治療器100Iを示す模式図で、皮膚に接触させる側の面を示した図である。
スリーブ状の電気治療器100G又は100Hと、帯状の電気治療器100Iは、例えば、四肢、肩、体幹(胸部又は腹部など)等の所望の部位に被せたり、巻き付けたりして装着できるようにされている。電気治療器100Iは、固定手段40の末端部分に面ファスナー等の着脱自在の部材を設けることで、位置や締め付けの調節を簡便に行う事が可能である。
これらの本発明の第九〜十一実施形態についても、本実施形態の作用・効果は、前述した上半身用被服形態の電気治療器と同様である。
20 刺激付与部
30 光電池
40 固定手段
41 基材
42 粘着剤層
50 導体
60 絶縁シート
70 孔
Claims (11)
- 皮膚に物理的エネルギー刺激を加える柔軟な刺激付与部と、
前記刺激付与部に電気的に接続される可撓性の光電池と、を備える電気治療器。 - 前記刺激付与部及び光電池を直接若しくは間接的に積層し、又は前記刺激付与部及び光電池を同一平面上に配置し、扁平な一体構造物となるようにした請求項1記載の電気治療器。
- 不定的及び/又は断続的な物理的エネルギー刺激を皮膚に加える請求項1又は2に記載の電気治療器。
- 皮膚に加える物理的エネルギー刺激が電気刺激である請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気治療器。
- 光電池が伸縮性を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気治療器。
- 光電池が通気性を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気治療器
- 光電池が色素増感型である請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気治療器。
- 前記刺激付与部及び/又は光電池が、使用者の所定の皮膚、筋肉、腱、靭帯、骨、又は関節から選択される1以上の部位に対応するよう区画された請求項1〜7のいずれか一項に記載の電気治療器。
- 使用時に、前記刺激付与部及び/又は光電池の長手方向が筋繊維の走行とほぼ平行になるように、前記刺激付与部及び/又は光電池を所定の位置に配置した請求項1〜8のいずれか一項に記載の電気治療器。
- 前記刺激付与部及び光電池を、皮膚の所定位置に保持させる柔軟な通気性又は透湿性の固定手段をさらに備える請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気治療器。
- スリーブ状被服、帯状被服、上半身用被服、又は下半身用被服から選択される形状を備える請求項1〜10のいずれか一項に記載の電気治療器。
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