JP2007109821A - メモリ素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】単純な加工により、括れ形成部の表面形状に自由度を持たせたメモリ素子を提供する。
【解決手段】基板1上に、互いに種類の異なる層が複数積層されて成る積層部2と、積層部2に設けられた第1の溝部8と、第1の溝部8内、および積層部2上に配置された磁性細線5と、磁性細線5にデータの記録を行なう書き込み素子6と、記録されたデータを再生する読み込み素子7と、を有する単位セルが複数接続されて成っており、データの記録により磁性細線5に形成される磁壁が、磁性細線5を流れる電流によって移動可能となっているメモリ素子において、互いに種類の異なる各層は周期的に配されており、第1の溝部内8に、互いに種類の異なる層のうちのいずれかの層に選択的に結晶粒3が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁壁の移動を用いた大容量のメモリ素子およびその製造方法に関するものである。
近年、新型の不揮発性メモリへの期待が高まっている。これは、コスト競争力でフラッシュ・メモリに対抗しうるメモリが出現してきたからである。そのひとつとして、3次元型メモリが挙げられる。一般的に、3次元型メモリは、セル・アレイを縦方向に積層するメモリであり、層数に応じて1ビットあたりの実効的なセル面積とセルあたりのコストを削減することができる。その中で、特に容量において、大きなポテンシャルを有する不揮発性メモリとして、IBM社が提案した磁性材料を用いた不揮発性メモリ(MRTM:Magnetic Race−Track Memory)がある。MRTMはSi基板と垂直方向に配置した磁性細線に情報を多数記録するため、1ビットあたりの実効的なセル面積が小さい。このような多ビットメモリ構成にすることにより、ビット単価(ビット当たりのコスト)が低下する。
例えば、特許文献1にMRTMの基本構成が開示されている。図9に、特許文献1に記載されているMRTM単位セルの概略構成図を示す。MRTM単位セルは、磁性細線部100がU字型形状でSi基板上溝内に形成されている。図8の右拡大図に示すように、磁性細線部100の下には、磁性細線部100に記録を行なう書き込みデバイス101と、磁性細線部100に記録されたデータを再生する読み込みデバイス102が配置されている。
書き込みデバイス101によって記録が行なわれる際、磁性細線部100内には磁化方向を記録情報とする記録部103と異なる磁化方向を持つ記録部間に形成される磁壁104が形成される。書き込みデバイス101によって記録されたデータを再生する際、磁性細線部100にパルス電流を与えて磁壁104を移動する、つまり、読み込みデバイス102上に所望の記録部103を移動させることにより、所望のデータを取得することが可能となる。例えば、記録部103の周期的長さを約0.1μm、磁性細線部100の深さ105を約10μmとすることにより、単位セルに約100ビットの記録を可能とした大容量メモリが実現できる。そして、図10に示すように、それぞれの単位セルを電気的に複数接続させることにより、メモリチップが構成される。
磁性細線部100の所望の領域にデータを記録し、所望のデータを再生するには、磁壁104の移動を制御する必要がある。一般的に磁壁104の移動の向きは、与えるパルス電流の向きによって変えることができる。また、磁壁104の移動量は、与えるパルス電流のパルス数によって変えることができる。しかし、磁性細線部100の形状に依存して磁壁104の移動量に誤差が生じる可能性が高い。このことから、移動した磁壁104が安定して存在し得るピニングサイトを形成する必要がある。そして、このピニングサイト形成と電流パルスの制御により、磁壁104の移動を制御する必要がある。
図9の左拡大図に、磁壁104をピニングするための磁性細線部100の加工形状を示す。磁壁104の移動制御を行なうには、磁性細線部100内に磁壁104が安定してピニングされるピニングサイトを形成すればよい。この方法として、磁性細線部100にピニングサイトとなる括れ加工部106を形成する方法がある。この括れ加工部106位置で、磁壁104は安定して存在することができる。
磁性細線部100に加工を行なう上記方法以外に、ピニングサイトを形成する方法として、磁性細線部100を配置させる溝に加工を行なう方法が特許文献2に開示されている。磁壁104をピニングするための溝形状を図10に示す。まず、少なくとも2種類の材料を交互に積層(層Aおよび層B)させる。次に、エッチングによって磁性細線部100を埋め込むための2つの溝形成部107を形成する。エッチングを行なう際、層Aと層Bのエッチングレートの違いにより、図に示すような括れ形成部108を溝形成部107側面に形成することができる。この溝形成部107に磁性細線部100を埋め込むことにより、磁性細線部100に括れ形成部108による膜厚分布を与えることができる。この膜厚の薄い部分で、磁壁104は安定して存在することが可能となり、磁壁104の移動を制御することができる。
米国特許第6834005号公報(平成16年12月21日 公開) 米国特許2004/0251232号公報(平成16年12月16日 公開)
特許文献1に記載されている磁壁104をピニングするための磁性細線部100の形状加工について、3次元的に配置する深さ10μm以上の磁性細線部100の側面に直接加工を行なうことは、Si基板上溝内への形成前および形成後であっても、共に困難である。そして、0.1μmほどの記録部103の周期的長さごとに、微細な加工を3次元的に配置された磁性細線部100全面にわたって行なうことは、加工プロセスが困難となることは明確である。
特許文献2に記載された磁性細線部100を配置させる溝形成部107に加工を行なう方法では、層Aと層Bのエッチングレートの違いにより、図に示すような括れ形成部108を溝形成部107側面に形成しているので、括れ形成部108の表面は略平面状の形状となり、表面形状に自由度がない。また、括れ形成部108のそれぞれの括れ幅よりも磁壁104の幅が小さい場合、括れ幅における磁壁104のピニング位置にずれが生じる。つまり、磁壁104の移動の制御を向上させるには、括れ形成部108の表面形状に自由度をもたせることが望まれる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、単純な加工により、括れ形成部の表面形状に自由度を持たせたメモリ素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明のメモリ素子は、上記課題を解決するために、基板上に、互いに種類の異なる層が複数積層されて成る積層部と、上記積層部に設けられた第1の溝部と、上記第1の溝部内、および上記積層部上に配置された磁性細線と、上記磁性細線にデータの記録を行なう書き込み素子と、記録されたデータを再生する読み込み素子と、を有する単位セルが複数接続されて成っており、データの記録により上記磁性細線に形成される磁壁が、上記磁性細線を流れる電流によって移動可能となっているメモリ素子において、上記互いに種類の異なる層の各層は、周期的に配されており、上記第1の溝部内における、上記互いに種類の異なる層のうちのいずれかの層に選択的に結晶粒が形成されていることを特徴としている。
また、本発明のメモリ素子の製造方法は、上記課題を解決するために、基板上に、互いに種類の異なる層を複数積層して成る積層部を形成し、該積層部に第1の溝部を形成し、該第1の溝部内および上記積層部上に磁性細線を形成するメモリ素子の製造方法において、上記互いに種類の異なる層の各層を周期的に配し、上記第1の溝部内における、上記互いに種類の異なる層のうちのいずれかの層に選択的に結晶粒を形成することを特徴としている。
本発明のメモリ素子では、互いに種類の異なる複数の層を積層させて積層部とし、この積層部に第1の溝部を設けている。この互いに種類の異なる複数の層の各層を周期的に配している。そして、この第1の溝部内に互いに種類の異なる層のうちのいずれかの層に選択的に結晶粒を設けている。それゆえ、この溝部に磁性細線を形成すれば、周期的なピニングサイトを持った磁性細線を簡単に作製することができる。
さらに、積層部の溝部内に選択的にピニングサイトを設けているのは、結晶粒であるので、単に積層部をエッチングする従来技術に比して、表面形状にもある程度の自由度を持たせることができる。また、結晶粒により、この上に形成した磁性細線内を移動する磁壁の移動位置を制御することができる。
また、本発明のメモリ素子では、上記積層部は、基板材料層と絶縁層とが交互に積層されて成っていることが好ましい。
また、本発明のメモリ素子の製造方法では、上記積層部を、基板材料層と絶縁層とを交互に積層して形成することが好ましい。
上記構成によれば、基板材料を結晶粒の成長に用いることによって、基板材料層に結晶粒を成長させることができるため、容易に結晶粒を形成させることができる。
また、本発明のメモリ素子では、上記第1の溝部は、開口部の形状が矩形状となっており、上記第1の溝部における2組の互いに対峙する側面のうち、一方の互いに対峙する第1の側面には上記積層部が露出し、この積層部が露出した面に上記磁性細線が配されるようになっており、他方の互いに対峙する第2の側面には絶縁膜が成膜されていることが好ましい。
また、本発明のメモリ素子の製造方法では、上記第1の溝部を、上記積層部に、互いに離間した2つの第2の溝部を形成し、これらの第2の溝部に絶縁膜を埋め込み、これらの絶縁層にて挟まれた箇所を開口部の形状が矩形状になるようにエッチングすることにより形成し、上記第1の溝部における2組の互いに対峙する側面のうち、一方の互いに対峙する第1の側面には上記積層部を露出させて、他方の互いに対峙する第2の側面を、上記絶縁膜にて成膜することが好ましい。
上記構成によれば、開口部の形状が矩形状の溝部を、結晶粒を形成する面と、結晶粒を形成しない面とに分けることができる。
また、本発明のメモリ素子では、上記結晶粒は、上記第1の溝部内を高温にして、基板材料、もしくは、基板材料と同じ結晶構造の材料を用いることにより形成されていることが好ましい。
また、本発明のメモリ素子の製造方法では、上記結晶粒は、上記第1の溝部内を高温にして、基板材料、もしくは、基板材料と同じ結晶構造の材料を用いて形成することが好ましい。
上記構成によれば、第1の溝部内に高温にて基板材料、もしくは、基板材料と同じ結晶構造の材料を成膜することによって、基板材料層上に優先的に結晶粒を形成することができ、結晶粒を1組の対峙する側面に形成した磁性細線内を移動する磁壁の移動位置を制御することができる。
また、本発明のメモリ素子では、上記基板材料層はシリコン層であり、上記結晶粒の組成はSiGe1−x(0≦x≦1)であることが好ましい。上記構成によれば、基板材料層はシリコン層であり、結晶粒は、SiGe1−x(0≦x≦1)であるので、結晶粒の表面形状および幅に自由度を与えることができ、表面形状が球面状であるドットとして結晶粒を形成した際には、磁壁のピニングサイトの頂上を中心とした位置に制御することができる。
また、本発明のメモリ素子では、隣接する単位セルにおける第1の溝部間の積層部上に、上記結晶粒の配置周期とほぼ同周期であり、該結晶粒と連続して配された突起状の括れ形成部を有し、上記磁性細線は、上記第1の側面、上記第1の溝部の底面、および、上記括れ形成部が設けられた積層部上に、連続的に、周期的な膜厚分布を有するように形成されていることが好ましい。
また、本発明のメモリ素子の製造方法では、隣接する単位セルにおける第1の溝部間の積層部上に、上記結晶粒の配置周期とほぼ同周期であり、該結晶粒と連続して配された突起状の括れ形成部を形成し、上記第1の溝部に磁性材料を埋め込み、異方性エッチングによって、上記第1の側面、上記第1の溝部の底面、および上記括れ形成部が設けられた積層部上に、連続的に、周期的な膜厚分布を有する上記磁性細線を形成することが好ましい。
上記構成によれば、結晶粒を有する、互いに対峙する第1の側面、第1の溝部の側面、および、括れ形成部が設けられた積層部上に磁性細線が連続的に接触するように、周期的な膜厚分布を有する磁性細線を形成している。それゆえ、溝部内にU字型に、および、溝部と溝部との間、単位セルと単位セルとの間に連続的に、磁壁の移動を制御することができる。
また、本発明のメモリ素子では、隣接する単位セルにおける第1の溝部間の積層部上に、上記結晶粒の配置周期とほぼ同周期であり、該結晶粒と連続して配された突起状の括れ形成部を有し、上記磁性細線は、上記第1の側面、上記第1の溝部の底面、および、上記括れ形成部が設けられた積層部上に、連続的に、膜厚が略一定であり、かつ、周期的に曲部を有するように形成されていることが好ましい。
また、本発明のメモリ素子の製造方法では、隣接する単位セルにおける第1の溝部間の積層部上に、上記結晶粒の配置周期とほぼ同周期であり、該結晶粒と連続して配された突起状の括れ形成部を形成し、レーザアブレーション法を用いて、上記第1の側面、上記第1の溝部の底面、および、上記括れ形成部が設けられた積層部上に、連続的に、膜厚が略一定であり、かつ、周期的に曲部を有する上記磁性細線を形成することが好ましい。
上記構成によれば、結晶粒を有する、互いに対峙する第1の側面、第1の溝部の側面、および、括れ形成部が設けられた積層部上に磁性細線が連続的に接触するように、周期的な曲部を有する磁性細線を形成している。それゆえ、溝部内にU字型に、および、溝部と溝部との間、単位セルと単位セルとの間に連続的に、磁壁の移動を制御することができる。
また、本発明のメモリ素子では、上記複数の単位セルが、2次元平面的、連続的、かつ、電気的に結合し、アレイ化して構成されていることが好ましい。
また、本発明のメモリ素子の製造方法では、上記複数の単位セルを2次元平面的、連続的、かつ、電気的に結合し、アレイ化することが好ましい。
上記構成によれば、結晶粒が形成されている側面の方向を同じ方向にして、第1の溝部を2次元的、連続的、かつ電気的に結合して、アレイ化しているので、磁性細線の形成プロセスまたは加工プロセスを簡略化することができる。
本発明のメモリ素子は、以上のように、基板上に、互いに種類の異なる層が複数積層されて成る積層部と、上記積層部に設けられた第1の溝部と、上記第1の溝部内、および上記積層部上に配置された磁性細線と、上記磁性細線にデータの記録を行なう書き込み素子と、記録されたデータを再生する読み込み素子と、を有する単位セルが複数接続されて成っており、データの記録により上記磁性細線に形成される磁壁が、上記磁性細線を流れる電流によって移動可能となっているメモリ素子において、上記互いに種類の異なる層の各層は、周期的に配されており、上記第1の溝部内における、上記互いに種類の異なる層のうちのいずれかの層に選択的に結晶粒が形成されている。
また、本発明のメモリ素子の製造方法は、以上のように、基板上に、互いに種類の異なる層を複数積層して成る積層部を形成し、該積層部に第1の溝部を形成し、該第1の溝部内および上記積層部上に磁性細線を形成するメモリ素子の製造方法において、上記互いに種類の異なる層の各層を周期的に配し、上記第1の溝部内における、上記互いに種類の異なる層のうちのいずれかの層に選択的に結晶粒を形成している。
従って、単純な加工により、括れ形成部の表面形状に自由度を持たせたメモリ素子およびその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。
本実施の形態のMRTM(Magnetic Race-Track Memory)のメモリチップ(メモリ素子)は、図2に示すように、単位セルがマトリクス状に配されて構成されている。そして、概略的には行方向に延びた磁性細線と、列方向に延びた書き込み素子および読み込み素子との交点に、単位セルが配されている。
磁性細線は、行方向に隣接する単位セルを互いに接続している。書き込み素子および読み込み素子は、列方向に延びて設けられている。なお、実際には、書き込み素子および読み込み素子は、それぞれ互いに独立した部材であるが、図2では、簡単のため、同一の部材にて示されている。
図1は、単位セルの概略構成を拡大して示す断面図である。
この単位セルは、同図に示すように、基板(Si基板)1と、積層部2と、突起状の結晶粒3と、同じく突起状の括れ形成部4と、磁性細線5と、書き込み素子6と、読み込み素子7とを有している。
基板1は、シリコン(Si)から成っており、この単位セルの基台としての役割を有している。
積層部2は、基板1上に絶縁層10および基板材料層(a−Si層;アモルファスシリコン層)11(互いに種類の異なる層)が交互に複数積層されて成っている。積層部2は、開口部の形状が矩形状の溝(第1の溝部)8を有している。溝8は、3次元的な磁性細線5を形成する役割を有している。ここで、「矩形上の」溝8とは、溝の内部構造が、直方体、または、立方体をしているような溝をいう。
なお、積層部2の両端(上端および下端)には、絶縁層10が配されている。つまり、積層部2は、基板1上に、絶縁層10→基板材料層11→絶縁層10→…→基板材料層11→絶縁層10の順に配されている。また、溝8の開口部の形状は、矩形となっており、その一辺の長さは、例えば100nmであり、溝8の深さは、例えば10μmである。
結晶粒3は、溝8において互いに対峙する、2組の側面のうち、一方の側面(第1面;第1の側面)12の基板材料層11に形成されている。それゆえ、結晶粒3は、基板材料層11が配された周期と同周期で(周期的に)設けられている。結晶粒3は、磁性細線5に膜厚の薄い部分を形成する役割を有している。なお、溝8において、互いに対峙する他方の一組の側面(第2面;第2の側面)20(図4(a)参照)には、結晶粒3が設けられていない。
括れ形成部4は、積層部2の上面(つまり、絶縁層10の上面)、かつ、磁性細線5に沿って一定周期で複数形成されている。括れ形成部4は、結晶粒3と同様に、磁壁を安定して存在させるピニングサイトとしての役割を有している。また、括れ形成部4も結晶粒3とほぼ同周期で形成することが好ましい。なお、この括れ形成部4は、異方性エッチングなどの方法を用いれば、容易に形成することができる。
磁性細線5は、記録媒体としての役割と、隣接する単位セルを互いに電気的に接続する役割と、を有している。この磁性細線5は、積層部2の上面かつ基板1面に対して平行な部分(第1部分)と、溝8の第1面12に沿って配された部分(第2部分)と、溝8の底面に配された部分(第3部分)と、が互いに連続的に接続されて成っている。
また、磁性細線5は、上記の結晶粒3および括れ形成部4により、膜厚分布を与えることができる。また、上記の結晶粒3および括れ形成部4にて形成された磁性細線5の膜厚が薄い部分は、後述する磁壁31を安定して存在することが可能なピニングサイトとしての役割を有する。このような形状の磁性細線5と、磁壁を移動させるパルス電流の制御により磁壁の移動・位置を制御することができる。
書き込み素子6は、磁性細線5にデータの記録を行なう一方、読み込み素子7は、磁性細線5に記録されたデータを再生する役割を有している。書き込み素子6および読み込み素子7は、図1に示すように、それぞれ隣接する括れ形成部4間に位置する絶縁層10に埋め込まれている。なお、書き込み素子6および読み込み素子7は、括れ形成部4のサイズに合わせて配置されている。
次に、図1に示す単位セルを形成する方法について、順を追って説明する。
まず、単位セルにおける結晶粒3を形成する方法について、第1プロセスおよび第2プロセスに分けて、説明する。
第1プロセス(溝8を形成する方法)について、図3(a)〜(e)を用いて説明する。
図3(a)〜(e)は、それぞれ、第1プロセスにおける平面図と、この平面図におけるI−I’断面図と、を示している。
まず、図3(a)の断面図に示すように、基板1上に、積層部2を形成する、つまり、基板1上に、絶縁層10と基板材料層11とを、両端(上端および下端)が絶縁層10になるように、交互に積層する。絶縁層10および基板材料層11の積層後、積層部2の上端の絶縁層10上に、第1レジスト膜9を形成する。第1レジスト膜9に、互いに離間した2つの第1貫通穴13・13’を設ける。これらの第1貫通穴13・13’は、図3(a)に示すように、平面形状も、断面形状も矩形状となるようにする。
また、絶縁層10は、SiO、または、Siなどの窒化膜などから成っており、基板材料層11は、a−Siなどから成っている。絶縁層10および基板材料層11のそれぞれの膜厚は、約50nmとなっている。
次に、図3(b)に示すように、プラズマなどを用いた異方性エッチングにより、第1レジスト膜9に形成された第1貫通穴13・13’と連続した第2貫通穴(溝加工部;第2の溝部)14・14’を絶縁層10および基板材料層11に設ける。第2貫通穴14・14’は、基板1の直上に配された絶縁層(積層部2の下端の絶縁層)10の上面まで達するように設ける。また、第2貫通穴14・14’の平面形状は、第1貫通穴13・13’の平面形状と同一の形状とする。さらに、第2貫通穴14・14’の断面形状も矩形状となるようにする。
第2貫通穴14・14’を設けた後、図3(c)に示すように、第2貫通穴14・14’に絶縁膜15を充填する(埋める)。この絶縁膜15としては、例えば、SiO、または、Siなどを用いることができる。
絶縁膜15の充填後、図3(d)に示すように、第1レジスト膜9のうち、第1貫通穴13・13’の間に挟まれた部位16を除去する。除去後、絶縁膜15上に第2レジスト膜17を、残りの第1レジスト膜9と連続し、かつ、該第1レジスト膜9と同じ膜厚になるように形成する。
絶縁膜15上に第2レジスト膜17を形成した後、図3(e)に示すように、絶縁層10および基板材料層11のうち、絶縁膜15にて挟まれた部位18(図3(d)参照)をエッチングする。このエッチングは、プラズマなどを用いた異方性エッチングである。これにより溝8を形成することができる。
次に、第2プロセスについて、図4(a)〜(e)を用いて説明する。
図4(a)は、結晶粒3を形成する前段階を示す平面図であり、図4(b)は、結晶粒3を形成した後段階を示す平面図である。また、図4(c)は、図4(a)におけるE−E’断面を示す概略断面図であり、図4(d)は、図4(b)におけるF−F’断面を示す概略断面図であり、図4(e)は、図4(b)におけるG−G’断面を示す概略断面図である。なお、説明の便宜上、図4(a)〜(e)では、第1レジスト膜9、および、第2レジスト膜17が省略されている。
図4(a)(c)に示すように、溝8の第1面12には、積層部2が露出しており、第2面20は、積層部2が第1プロセスにて充填した絶縁膜15にて覆われている。結晶粒3の形成(成膜)は、Si(基板材料)を用いた、gs−MBE(gas-source Molecular-Beam-Epitaxy)法にて行なう。
具体的には、まず、溝8の内部を700°にして、a−Siから成る基板材料層11を、結晶化する。なお、この基板材料層11の結晶化は、基板1の熱処理を図ることによって行ってもよい。
次に、溝8の内部に、Siを噴射する。このSiの噴射により、図4(b)〜(e)に示すように、基板材料層11に優先的に(選択的に)結晶粒(Si結晶粒)3が成膜される。700°という高温化で行っているため、溝8の内部の側面でSiは、マイグレーションを起こりやすい状態となっている。従って、絶縁層10上に噴射されたSiも基板材料層11に容易に移動する。
なお、絶縁層10上には、核が発生するのみであり、Si結晶粒の成膜は起こらない。同様の理由により、絶縁層10で形成されている、溝8の底面に噴射されたSiも基板材料層11に移動するため、該溝8の底面にも結晶粒3は形成されない。
ここで、結晶粒3の幅J(図4(b))は、第2面20間の幅K(図4(b))内に収まるように、100nmとなっている。結晶粒3の配置周期L(図4(d))は、積層部2の基板材料層11の周期と同一の周期である、約100nmとなっている。また、結晶粒3の高さM(図4(d))は、約30〜50nmとなっている。この結晶粒3の高さMは、上記したSiの噴射量および噴射時間に依存して変わる。
また、結晶粒3の形成の途中において、基板材料層11上で、結晶化サイトが複数形成されたとしても、それぞれの結晶サイトが大きくなり、一つの結晶粒3が形成される。磁性細線5内の磁壁の移動を制御するには、磁壁をピニングするためのピニングサイトが周期的に形成されていればよいので、ピニングサイトとなる基板材料層11の結晶粒3は、単結晶であっても、多結晶であってもよい。
また、結晶粒3の形成方法は、上記したSiを用いたgs−MBE法に限定されず、SiおよびGeH(基板材料と同じ結晶構造の材料)を用いたgs−MBE法、または、GeHを用いたgs−MBE法であってもよい。これらのgs−MBE法を用いた場合の結晶粒3の組成は、SiGe1−x(0≦x≦1)となる。そして、結晶粒3にGeが含まれている場合、膜内歪が生じ、表面形状が変化する。
この結晶粒の組成は、Geの組成比によって変化する。Geの組成比が大きい場合、膜内歪が大きくなり、結晶粒の表面形状が半球面状(ドット形状)となる。Geの組成を変えることにより、膜内歪を変えることができ、結晶粒3の表面形状に自由度を与えることができる。結晶粒3の表面形状が、ドット形状となると、磁壁のピニングサイトはドット(半球)の頂上を中心に形成され、この頂上の位置を制御することにより、結晶粒3上における磁壁のピニングサイトのずれを制御することができる。また、結晶粒3が、ドット状に成長していくので、SiおよびGeHの噴射時間および噴射量をコントロールすることにより、結晶粒3の幅も制御することができる。
次に、括れ形成部4を形成する方法について説明する。
まず、図3(e)に記載されている(図4(a)〜(e)において省略されていた)第1レジスト膜9、および、第2レジスト膜17を一旦取り除く。なお、上記第1レジスト膜9および第2レジスト膜17を取り除いた後に、結晶粒3の成膜を行ってもよい。
次に、積層部2の最上部(上端)に位置している、絶縁層10の表面に、結晶粒3と連続するように、結晶粒3の周期とほぼ同周期で括れ形成部4を異方性エッチングなどにより形成する。具体的には、例えば、図5(a)に示すように、括れ形成部4の配置周期Nは、100nmであり、括れ形成部4の高さPは、30nm〜50nmとなっており、それぞれ、結晶粒3の配置周期Lおよび結晶粒3の高さMと同一となっている。
括れ形成部4を形成した後、一旦取り除いた第1レジスト膜9および第2レジスト膜17を再度成膜する。次に、書き込み素子6の載置部分に対応する括れ形成部4間と、読み込み素子7の載置部分に対応する括れ形成部4間とに配された第1レジスト膜9をパターン化する。その後、これらの括れ形成部4間をパターンに基づいて異方性エッチングして、書き込み素子6の載置用の穴(不図示)、および、読み込み素子7の載置用の穴(不図示)を形成する。これらの穴に、書き込み素子6、および、読み込み素子7を埋め込む。書き込み素子6、および、読み込み素子7(合わせてヘッド素子ともいう)を絶縁性の材料(不図示)にて覆う。なお、このヘッド素子の作製方法は、MRAMのヘッド作製方法と同等の技術である。
括れ形成部4、書き込み素子6、および読み込み素子7の形成後、図5(a)に示すように、磁性材料21を溝8に埋め込むと共に、磁性材料21によって括れ形成部4および積層部2の上端の絶縁層10を覆う。このような磁性材料21の埋め込みなどは、メッキ法などにより行なうことができる。磁性材料21の具体例としては、FeNi、FePt、FeCr、およびFeVなどが挙げられる。
次に、図5(a)に示すように、この磁性材料21上の結晶粒3が互いに対峙する方向に離間した、第3レジスト膜22を形成する。第3レジスト膜22を離間させる距離は、互いに対峙する結晶粒3の頂上部同士の距離よりも小さくなっている。
この磁性材料21を異方性エッチングする。この異方性エッチングは、(i)第2面20に磁性材料21が残存しないように、(ii)溝8の底部における磁性材料21が、第1面12に残された磁性材料21とほぼ同じ膜厚となるように、行なう。これにより、図5(b)に示すように磁性細線5を形成することができる。なお、磁性細線5の括れ幅Wは、磁性細線5の膜厚が厚い部分の幅Vの50〜70%の膜厚となっている。磁性細線5の形成は、上記の方法以外にも、レーザアブレーション法を用いて行なってもよい。
ここでは、結晶粒3をSi2H6およびGeH4を用いたgs−MBE法を用いて形成した場合について説明する。レーザアブレーション法によれば、磁性材料を薄膜堆積させることができる。従って、図6に示すように、磁性細線5を結晶粒3の形状に依存した形状で形成することができる。このレーザアブレーション法は、結晶粒3の形成方法として、SiおよびGeHを用いたgs−MBE法を用いることが好ましい。
この結晶粒3の形状に依存して形成された磁性細線5にて形成される曲部25では、静磁エネルギーの増加が起こる。そして、この曲部25で静磁エネルギーが最も小さくなるのは、曲部25に磁壁が存在する時である。これにより、曲部25は、ピニングサイトとなる。
次に、図7(a)〜(c)を用いて、データの記録・再生の手順を示す。図7(a)は、上記の製造方法にて作製された単位セルであり、溝8内に形成された膜厚分布を有する磁性細線5に、書き込み素子6でデータの記録を、読み込み素子7で記録されたデータを再生する構成となっている。
書き込み素子6によって磁性細線5に対してデータの記録を行なうと、磁性細線5内に磁区(矢印は、磁化方向)30と、この磁区の両端に配された磁壁31と、が形成される。具体的には、書き込み素子6に電流を流し、この電流の周りに発生する磁界の向きによって、磁区30の磁化方向を決定付けることができる。
図7(b)に示すように、磁性細線5に多数のデータを記録するには、磁壁31を磁区30の周期的長さ分(隣接する磁壁31間の距離)、矢印Aの方向に電流パルスによって駆動(移動)させて、再度、書き込み素子6にて記録を行なう。この駆動と記録とを繰り返すことにより、図7(c)のように、単位セルあたりにデータを多ビット化することが可能となる。
磁性細線に記録されたデータは、電流パルスにて矢印Bの方向に磁壁および磁区を駆動させて、記録されたデータを読み込み素子にて読み込む(再生する)ことにより、データの再生を行なうことができる。このような、駆動と再生とを繰り返すことにより、多ビット化したデータを読み込むことができる。
図8は単位セルの連結状態と、データ記録後の記録保管状態を示す。同図は、矢印Cの方向へ磁壁31を移動させる電流パルスを与えて、書き込み素子6による記録を繰り返した後の状態である。同図に示すように、隣接する単位セル同士は、磁性細線5で接続することにより連結されている。磁性細線5は、記録データが保管される(つまり、磁区30および磁壁31が設けられている)記録領域33と記録データが存在しないリザーブ領域34と、を有している。
リザーブ領域34を構成することにより、隣接する単位セル間でのデータの混合を防ぐことができる。図に示したようなデータ保管状態から、データを読み込み素子7で再生するには、パルス電流を与えて矢印Dの方向に磁壁31および磁区30を移動させ、読み込み素子7で記録データの再生を行なえばよい。
また、記録後、書き込み素子6および読み込み素子7の図8中左側に記録領域33を移動させておき、記録データの再生および修正の際には、パルス電流を与えることにより、矢印Cの方向に磁壁31を移動して、再生および修正を行なってもよい。
以上の実施例において、このメモリ素子は、単位セルの方向を同じ方向にして、単位セルを2次元平面的に、連続的に、かつ、電気的に結合し、アレイ化するものとする。
書き込み素子6および読み込み素子7は、溝側面、および、単位セルと単位セルの間いずれに形成しても構わない。
また、溝8の内外に関わらず、磁性細線5周辺は絶縁性の材料のみに覆われる、または部分的に接触する構成として構わない。
以上により、磁性細線を配置させる溝形成時に、溝側面に単純な加工プロセスおよび簡略な成膜プロセスによって形状に自由度を有する結晶粒を形成し、溝内に配置させる磁性細線に直接括れ加工を行なうことなく周期的な膜厚分布、または、曲部を形成し、磁壁の移動を制御することを特徴とするメモリ素子を作製することができた。
本発明は、溝部と、溝部内外に形成される記録部となる磁性細線と、磁性細線に記録を行なう書き込み素子と、磁性細線に記録されたデータを再生する読み込み素子とで構成され、磁性細線内に複数のデータが記録されることによって形成される複数の磁壁を電流によって制御して移動させるメモリ素子およびその作製方法において、溝側面に結晶粒を形成することに関する。本発明は、磁壁移動制御構造を用いた大容量メモリ素子とその作製方法を提供する。本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、単純な加工プロセスおよび簡略な成膜プロセスによって大容量を実現する多ビットのメモリ素子およびその製造方法を提供することにある。
磁性細線を配置させる溝形成時に、溝側面に成膜プロセスによって括れ部となる結晶粒を形成する。成膜プロセスを用いると、結晶粒の表面形状、幅および高さを変化させることにより、括れ部の形状に自由度を与えることができる。このような結晶粒を形成することにより、溝内に配置させる磁性細線に周期的な膜厚分布、または、曲部を形成し、磁壁の移動を制御することを特徴とするメモリ素子を提供する。
MRTM素子において、所望の領域にデータを記録し、所望のデータを再生するには、磁壁の移動を制御する必要がある。一般的に磁壁移動の向きは、与えるパルス電流の向きによって変えることができる。また、磁壁移動量は、与えるパルス電流のパルス数によって変えることができるが、磁性細線の形状に依存して磁壁移動量に誤差が生じる。
単純な加工プロセスおよび簡略な成膜プロセスにおいて、磁性細線を配置させる溝形成時に、形状に自由度を有する結晶粒を溝側面に形成することにより、溝内に配置させる磁性細線に直接括れ加工を行なうことなく周期的な膜厚分布、または、曲部を形成し、磁壁が安定して存在し得るピニングサイトを形成させることから、ピニングサイトに対応した電流パルスの制御によって、磁壁の移動を制御できるメモリ素子を作製する。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明のメモリ素子は、大容量の情報を記憶させるメモリチップとして特に好適に利用することができる。
本発明の実施形態を示すものであり、単位セルを示す概略断面図である。 本発明の実施形態を示すものであり、メモリ素子を示す模式図である。 本発明の実施形態を示すものであり、(a)〜(e)は、溝を形成する方法を示す平面図と、この平面図におけるD−D’断面図である。 本発明の実施形態を示すものであり、(a)は結晶粒を形成する前段階を示す平面図であり、(b)は結晶粒を形成した後段階を示す平面図である。 本発明の実施形態を示すものであり、(a)(b)は、めっき法と異方性エッチングを用いた磁性細線の形成方法を示す断面図である。 本発明の実施形態を示すものであり、レーザアブレーション法を用いて形成した磁性細線を備えた単位セル示す断面図である。 本発明の実施形態を示すものであり、(a)〜(c)は磁壁の移動例を基に、記録手順を示す模式図である。 本発明の実施形態を示すものであり、単位セルの連結状態と書き込み後の記録保管状態を示す模式図である。 従来技術の従来例としてのMRTM単位セルの概略構成図である。 従来技術の従来例としてのメモリチップの概略構成図である。 従来技術の従来例としての磁壁をピニングするための溝形状を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 積層部
3 結晶粒
4 括れ形成部
5 磁性細線
6 書き込み素子
7 読み込み素子
8 溝(第1の溝部)
10 絶縁層
11 基板材料層
12 第1面(第1の側面)
14,14’ 第2貫通穴(第2の溝部)
15 絶縁膜
20 第2面(第2の側面)
25 曲部
31 磁壁

Claims (15)

  1. 基板上に、互いに種類の異なる層が複数積層されて成る積層部と、
    上記積層部に設けられた第1の溝部と、
    上記第1の溝部内、および上記積層部上に配置された磁性細線と、
    上記磁性細線にデータの記録を行なう書き込み素子と、
    記録されたデータを再生する読み込み素子と、を有する単位セルが複数接続されて成っており、
    データの記録により上記磁性細線に形成される磁壁が、上記磁性細線を流れる電流によって移動可能となっているメモリ素子において、
    上記互いに種類の異なる層の各層は、周期的に配されており、
    上記第1の溝部内における、上記互いに種類の異なる層のうちのいずれかの層に選択的に結晶粒が形成されていることを特徴とするメモリ素子。
  2. 上記積層部は、基板材料層と絶縁層とが交互に積層されて成っていることを特徴とする請求項1に記載のメモリ素子。
  3. 上記第1の溝部は、開口部の形状が矩形状となっており、
    上記第1の溝部における2組の互いに対峙する側面のうち、
    一方の互いに対峙する第1の側面には上記積層部が露出し、この積層部が露出した面に上記磁性細線が配されるようになっており、
    他方の互いに対峙する第2の側面には絶縁膜が成膜されていることを特徴とする請求項2に記載のメモリ素子。
  4. 上記結晶粒は、上記第1の溝部内を高温にして、基板材料、もしくは、基板材料と同じ結晶構造の材料を用いることにより形成されていることを特徴とする請求項3に記載のメモリ素子。
  5. 上記基板材料層はシリコン層であり、上記結晶粒の組成はSiGe1−x(0≦x≦1)であることを特徴とする請求項3または4に記載のメモリ素子。
  6. 隣接する単位セルにおける第1の溝部間の積層部上に、上記結晶粒の配置周期とほぼ同周期であり、該結晶粒と連続して配された突起状の括れ形成部を有し、
    上記磁性細線は、上記第1の側面、上記第1の溝部の底面、および、上記括れ形成部が設けられた積層部上に、連続的に、周期的な膜厚分布を有するように形成されていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載のメモリ素子。
  7. 隣接する単位セルにおける第1の溝部間の積層部上に、上記結晶粒の配置周期とほぼ同周期であり、該結晶粒と連続して配された突起状の括れ形成部を有し、
    上記磁性細線は、上記第1の側面、上記第1の溝部の底面、および、上記括れ形成部が設けられた積層部上に、連続的に、膜厚が略一定であり、かつ、周期的に曲部を有するように形成されていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載のメモリ素子。
  8. 上記複数の単位セルが、2次元平面的、連続的、かつ、電気的に結合し、アレイ化して構成されていることを特徴とする請求項6または7に記載のメモリ素子。
  9. 基板上に、互いに種類の異なる層を複数積層して成る積層部を形成し、該積層部に第1の溝部を形成し、該第1の溝部内および上記積層部上に磁性細線を形成するメモリ素子の製造方法において、
    上記互いに種類の異なる層の各層を周期的に配し、
    上記第1の溝部内における、上記互いに種類の異なる層のうちのいずれかの層に選択的に結晶粒を形成することを特徴とするメモリ素子の製造方法。
  10. 上記積層部を、基板材料層と絶縁層とを交互に積層して形成することを特徴とする請求項9に記載のメモリ素子の製造方法。
  11. 上記第1の溝部を、上記積層部に、互いに離間した2つの第2の溝部を形成し、これらの第2の溝部に絶縁膜を埋め込み、これらの絶縁層にて挟まれた箇所を開口部の形状が矩形状になるようにエッチングすることにより形成し、
    上記第1の溝部における2組の互いに対峙する側面のうち、
    一方の互いに対峙する第1の側面には上記積層部を露出させて、
    他方の互いに対峙する第2の側面を、上記絶縁膜にて成膜することを特徴とする請求項10に記載のメモリ素子の製造方法。
  12. 上記結晶粒は、上記第1の溝部内を高温にして、基板材料、もしくは、基板材料と同じ結晶構造の材料を用いて形成することを特徴とする請求項10または11に記載のメモリ素子の製造方法。
  13. 隣接する単位セルにおける第1の溝部間の積層部上に、上記結晶粒の配置周期とほぼ同周期であり、該結晶粒と連続して配された突起状の括れ形成部を形成し、
    上記第1の溝部に磁性材料を埋め込み、異方性エッチングによって、上記第1の側面、上記第1の溝部の底面、および上記括れ形成部が設けられた積層部上に、連続的に、周期的な膜厚分布を有する上記磁性細線を形成することを特徴とする請求項11または12に記載のメモリ素子の製造方法。
  14. 隣接する単位セルにおける第1の溝部間の積層部上に、上記結晶粒の配置周期とほぼ同周期であり、該結晶粒と連続して配された突起状の括れ形成部を形成し、
    レーザアブレーション法を用いて、上記第1の側面、上記第1の溝部の底面、および、上記括れ形成部が設けられた積層部上に、連続的に、膜厚が略一定であり、かつ、周期的に曲部を有する上記磁性細線を形成することを特徴とする請求項11または12に記載のメモリ素子の製造方法。
  15. 上記複数の単位セルを2次元平面的、連続的、かつ、電気的に結合し、アレイ化することを特徴とする請求項13または14に記載のメモリ素子の製造方法。
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