JP2007108137A - 風速分布測定システム、及び、風速分布測定方法 - Google Patents

風速分布測定システム、及び、風速分布測定方法 Download PDF

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久 伊賀
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Abstract

【課題】デフロスタ装置から窓部材へ向って吹き出されるエアーの風速の測定方法に関し、従来では、測定の作業性の問題や、風速分布を正確に把握できないといった問題がある。
【解決手段】デフロスタ装置1によって、ダッシュボード20のエアー吹出し口21・21からフロントガラス2(窓部材)の内側表面2aに向けて吹き出されるエアー3・3の風速分布を測定する風速分布測定システムであって、前記フロントガラス2の内側表面2aの複数の各測定点4a・4b・・・における前記エアー3・3の風速を、独立して同時に測定するための複数の熱線風速計測部5a・5b・・・を具備する構成とするものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のフロントガラス等の窓部材の内側表面に沿ってエアーを吹き出し、窓部材の外側表面に付着した霜、又は、氷を取り除くデフロスタ装置における、前記エアーの風速分布を測定するためのシステム、及び、測定方法に関するものである。
従来、車両のフロントガラス等の窓部材の内側表面に沿ってエアーを吹き出し、窓部材の外側表面に付着した霜、又は、氷を取り除くデフロスタ装置は周知となっており、このデフロスタ装置に関する技術について開示する文献も存在する(例えば、特許文献1参照。)。
そして、従来は、特許文献1に開示されるように、デフロスタ装置から窓部材の内側表面に向って吹き出されるエアーの速度(風速)の分布(風速分布)を解析することにより、除霜性能や除氷性能の予測を行うこととしていた。
また、前述の風速分布の測定は、図10の例に示すごとく、デフロスタ装置より供給されるエアー51・51・・・を、ダッシュボード52の吹出し口53・53・・・からフロントガラス50の内側表面に向って吹き出す構成において風速分布を測定する場合では、測定者が、熱線風速計のプローブ54を用いて、フロントガラス50に定められた各測定点50a・50b・・・の風速を順次測定し、記録するといったことが行われている。
特開2005−145249号公報
しかし、図10に示されるような測定方法では、測定者が各測定点50a・50b・・・を、順次一つずつ測定することとするため、時間がかかるといった問題がある。
また、測定者の手作業により測定が行われるため、各測定点50a・50b・・・に対するプローブ54の位置合わせの方法が測定者によってバラツク等して、測定値にバラツキが生じることになり、風速分布を正確に把握できないといった問題がある。
また、各測定点50a・50b・・・の風速の測定が順次行われるものであるが、この測定方法では、各測定点50a・50b・・・を同時期に流れるエアーの風速を測定することができず、測定試験時において測定される風速の測定値と、製品化後における実際の風速が異なることが考えられる。
つまり、各測定点50a・50b・・・のエアーの風速を個別に測定することとすると、或る測定点50aを測定中と同時に他の測定点50bを測定することができず(測定の同時性が保たれない)、この他の測定点50bの測定時Tbにおいては、前記或る測定点50aにおける測定時Taと測定環境が変わって、前記他の測定点50bの測定時Tbでの風速が、測定時Taでの風速と異なってしまうといったことが生じることになり、風速分布を正確に把握できないといった問題がある。
これは、例えば、電圧が変動してデフロスタ装置の出力が変動した場合や、測定環境の気圧が変動した場合等、各測定点50a・50b・・・の風速が同時に測定されないために、外乱が影響してしまい、風速分布が正確に把握できないといったことと考えられる。つまり、各測定点50a・50b・・・の測定のタイミングにズレがあるために、各測定点50a・50b・・・の風速の測定環境にバラツキが生じてしまうのである。
以上のように、従来の風速の測定方法では、測定の作業性の問題や、風速分布を正確に把握できないといった問題がある。
そこで、本発明では、これらの問題を解決すべく、新規な風速分布測定システム、及び、風速分布測定方法を提案するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1に記載のごとく、
デフロスタ装置によって窓部材の一側表面に向けて吹き出されるエアーの風速分布を測定するため風速分布測定システムであって、
前記窓部材の一側表面の複数の各測定点における前記エアーの風速を、独立して同時に測定するための複数の熱線風速計測部を具備する構成とする、
風速分布測定システムとするものである。
また、請求項2に記載のごとく、
前記複数の熱線風速計測部は、前記窓部材に対し縦方向に移動する取付台に、横方向に配列して設けられる構成とするものである。
また、請求項3に記載のごとく、
前記複数の熱線風速計測部は、前記窓部材に対し横方向に移動する取付台に、縦方向に配列して設けられる構成とするものである。
また、請求項4に記載のごとく、
前記複数の熱線風速計測部は、前記窓部材の一側表面に対面する取付台に設けられる構成とするものである。
また、請求項5に記載のごとく、
前記複数の熱線風速計測部は、
前記取付台に対して進退される構成とし、
前記各熱線風速計測部の受感部と、前記窓部材の内側表面との距離が、一定の値に設定される構成とするものである。
また、請求項6に記載のごとく、
デフロスタ装置によって窓部材の一側表面に向けて吹き出されるエアーの風速分布を測定するため風速分布測定システムであって、
前記窓部材の複数箇所に、前記エアーの風速を測定するための熱線風速計測部が、前記複数箇所の各々に設けられる構成とするものである。
また、請求項7に記載のごとく、
前記各熱線風速計測部で測定される風速を集計し、
集計結果から前記窓部材の一側表面におけるエアーの風速分布を演算する、
測定結果集計装置を具備する構成とするものである。
また、請求項8に記載のごとく、
デフロスタ装置によって窓部材の内側表面に向けて吹き出されるエアーの風速分布を測定するため風速分布測定方法であって、
前記窓部材の内側表面の複数の各測定点における前記エアーの風速を、
複数の熱線風速計測部にて、独立して同時に測定する風速分布測定方法とするものである。
以上の請求項1乃至請求項4に記載の発明では、
複数の各測定点を複数の熱線風速計測部にて独立して同時に測定することによれば、各測定点の測定のタイミングにズレが生じることがなく、各測定点の風速を同一の測定環境下で測定できることとなり、これにより、風速分布を正確に把握することができる。
また、請求項5に記載の発明では、
窓部材の内側表面に可能な限り近い位置であって、かつ、内側表面から規定の距離で定義される位置において、エアーの風速を測定することができる。
また、請求項6に記載の発明では、
複数の各測定点を複数の熱線風速計測部にて独立して同時に測定することによれば、各測定点の測定のタイミングにズレが生じることがなく、各測定点の風速を同一の測定環境下で測定できることとなり、これにより、風速分布を正確に把握することができる。
また、請求項7に記載の発明では、
前記各熱線風速計測部にて測定される個別のデータを集計することにより、風速分布を得ることができる。
また、請求項8に記載の発明では、
複数の各測定点を複数の熱線風速計測部にて独立して同時に測定することによれば、各測定点の測定のタイミングにズレが生じることがなく、各測定点の風速を同一の測定環境下で測定できることとなり、これにより、風速分布を正確に把握することができる。
本発明の実施形態について、以下の実施例により説明する。
図1に示すごとく、本発明に係る風速分布測定システムは、デフロスタ装置1によって、ダッシュボード20のエアー吹出し口21・21からフロントガラス2(窓部材)の内側表面2a(一側表面)に向けて吹き出されるエアー3・3の風速分布を測定するためのものであり、前記フロントガラス2の内側表面2aの複数の各測定点4a・4b・・・における前記エアー3・3の風速を、独立して同時に測定するための複数の熱線風速計測部5a・5b・・・を具備する構成とするものである。
また、この構成において、前記フロントガラス2の内側表面2aの複数の各測定点4a・4b・・・における前記エアー3・3の風速を、複数の熱線風速計測部5a・5b・・・にて、独立して同時に測定する風速分布測定方法とするものである。
以上のようにして、複数の各測定点4a・4b・・・を複数の熱線風速計測部5a・5b・・・にて独立して同時に測定することによれば、各測定点4a・4b・・・の測定のタイミングにズレが生じることがなく、各測定点4a・4b・・・の風速を同一の測定環境下で測定できることとなり、これにより、風速分布を正確に把握することができる。
図1から図4は、実施例1に係る風速分布測定システムの構成について示すものである。
図1は、実施例1の風速分布測定システムにてフロントガラスの内側表面の風速を測定する場合における、フロントガラスの内側から臨む図であり、図2は同じくフロントガラスの外側から臨む図である。また、図3はフロントガラスの側面から臨む断面図であり、図4はフロントガラスの上側から臨む平面図である。
尚、以下の説明において、図1の紙面における上下方向が、フロントガラス2(窓部材)が製品として設置された状態における、フロントガラス2の縦方向(高さ方向)に対応するものであり、このフロントガラス2の縦方向において、下側から上側に向ってエアー3・3が流れるようになっている。また、図1の紙面における左右方向が、フロントガラス2(窓部材)が製品として設置された状態における、フロントガラス2の横方向(幅方向)に対応するものである。
本実施例1においては、フロントガラス2の内側表面2aに横方向に配列される複数の各測定点4a・4b・・・の風速を、独立して同時に測定するための熱線風速計測部5a・5b・・・が、フロントガラス2の横方向に複数配列される構成とするものである。
また、前記複数の熱線風速計測部5a・5b・・・は、フロントガラス2に対し縦方向に移動する取付台6に、前記フロントガラス2に対し横方向に配列して設けられる構成とするものである。
また、フロントガラス2の内側表面2aに横方向に配置される前記測定点4a・4b・・・の個数と、前記熱線風速計測部5a・5b・・・の個数は、同一とされている。
そして、この構成により、横方向に配列される複数の各測定点4a・4b・・・の風速を同時に測定することができることから、各測定点4a・4b・・・の風速を同一の測定環境下で測定できるようになり、これにより、横方向に配列される各測定点4a・4b・・・の風速分布を正確に把握することができる。
また、図1に示すごとく、特に、前記熱線風速計測部5a・5b・・・(測定用プローブ7a・7b・・・)を横方向に配列する構成では、前記エアー3のエアー吹出し口21・21と、熱線風速計測部5a・5b・・・(測定用プローブ7a・7b・・・)との間に、前記エアー3の流れの障害となる障害物が存在せず、この障害物によって乱流が発生するといったこともないため、製品後においてエアー3が流れる状況と同じ状況において、エアー3の風速を測定し、その風速分布を得ることができる。
以下詳細について説明すると、図1に示すごとく、前記熱線風速計測部5a・5b・・・は、フロントガラス2の横幅方向に長い取付台6に一列に配置されている。
また、図3及び図4に示すごとく、この取付台6は、フロントガラス2の内側表面2aに対向して配置されており、この取付台6から前記内側表面2aに向って、各熱線風速計測部5a・5b・・・の測定用プローブ7a・7b・・・が突設されている。この測定用プローブ7a・7b・・・は、棒状に構成され、その先端付近に、受感部11aが設けられる構成としている(図3参照)。
尚、前記取付台6の具体的な構成については、板状部材とする他、棒状部材とすることや、ワイヤ部材にて熱線風速計測部5a・5b・・・を支持固定する等、特に限定されるものではない。
また、図1に示すごとく、前記取付台6の横幅寸法は、フロントガラス2の横幅寸法と略同一に設定されており、フロントガラス2の左端部から右端部に渡る広い範囲に前記熱線風速計測部5a・5b・・・が設置されて、フロントガラス2の横幅方向の広い範囲で風速を測定することができるようになっている。
また、図1に示すごとく、前記取付台6は、その両端部が、アクチュエータ8L・8Rを介して支柱9L・9Rに支持されている。この支柱9L・9Rは、図3に示すごとく、フロントガラス2と略平行に設置される。
また、図3に示すごとく、前記アクチュエータ8L・8Rは、例えば、モータ駆動等によって、前記支柱9L・9Rに設けたガイドバー10L・10Rに沿って移動するように構成されている。
また、このアクチュエータ8L・8Rは、前記各熱線風速計測部5a・5b・・・と前記各測定点4a・4b・・・の高さ方向の位置が一致する位置において停止するように、図示せぬ制御によって駆動制御されるようになっている。
以上の構成により、前記取付台6が、フロントガラス2の内側表面2aに沿って移動されるようになっている。
また、このようにアクチュエータ8L・8R、即ち、駆動手段によって前記取付台6を移動させ、フロントガラス2の高さ方向において異なる位置に、横方向に複数配列される各測定点4a・4b・・・が、順次測定される構成とすることによれば、フロントガラス2の全範囲に存在する全ての測定点4a・4b・・・における風速を測定することができ、測定開始から完了までの一連の動作が自動で行われる構成とすることができる(自動制御の形態)。
そして、これにより、従来の作業者の手作業による煩雑な測定作業と比較して、測定作業の大幅な省力化が図れるとともに、作業時間の大幅な短縮化を図ることができる。
また、自動制御とすることによって、高精度な測定作業が実施されることになり、その測定結果も信頼性の高いものとなる。
尚、以上のように、取付台6とアクチュエータ8L・8Rが一体的に移動する構成とする他、取付台6をワイヤで吊り上げるタイプの駆動手段を設けることや、取付台6を移動させる駆動手段を支柱9L・9R側に配置する構成としてもよく、前記取付台6を移動させる駆動手段の具体的な構成については、特に限定されるものではない。また、このように、駆動手段によって取付台6を移動させる構成とする他、作業者の手によって取付台6を移動させる形態も考えられ、フロントガラス2に対する取付台6の高さ位置を変更できるものであればよい。
また、図4に示すごとく、前記取付台6の左右端部には、それぞれ、ガイドローラ支持体12L・12Rが固定されている。このガイドローラ支持体12L・12Rは、それぞれ、前記支柱9L・9R及びガイドバー10L・10Rの外側に配置される。
また、図3及び図4に示すごとく、前記ガイドローラ支持体12L・12Rには、それぞれ、前記フロントガラス2の内側表面2aと外側表面2bにそれぞれ接触するガイドローラ13a・13bが遊転自在に設けられている。
以上のように、前記ガイドローラ13a・13bによってフロントガラス2を挟みつつ、前記取付台6を移動させる構成とすることで、図3に示すごとく、フロントガラス2の内側表面2aと、前記取付台6の距離L1が一定の値に保たれ、取付台6を前記ガイドバー10L・10Rに沿って移動させることができる。
尚、このように、前記距離L1を一定に保つことができるように、前記取付台6は、前記ガイドバー10L・10Rの長さ方向と直交する方向において、若干移動することができるように構成される。例えば、前記ガイドバー10L・10Rとアクチュエータ8L・8Rとの間で、この移動を許容させる構成や、アクチュエータ8L・8Rと取付台6との間でこの移動を許容させる構成が考えられる。
また、図3及び図4に示すごとく、前記各熱線風速計測部5a・5b・・・の各測定用プローブ7a・7b・・・の先端部には、フロントガラス2の内側表面2aに接触する触手15a・15b・・・が設けられており、この触手15a・15b・・・の先端がフロントガラス2の内側表面2aに接触するか否かを検知するとともに、前記触手15a・15b・・・がフロントガラス2の内側表面2aに常時接触するように、前記測定用プローブ7a・7b・・・を、取付台6に対して進退させる構成とするものである。このような構成により、各測定用プローブ7a・7b・・・において、その先端からフロントガラス2の内側表面2aまでの距離L2(図3参照)が一定の値に設定されるようにしている。
そして、以上の構成により、図3に示すごとく、測定用プローブ7aの受感部11aと、フロントガラス2の内側表面2aとの距離L3が、一定の値に設定されることとすることができ、前記各測定点4a・4b・・・においては、フロントガラス2の内側表面2aから規定の距離L3だけ離れた位置の風速を測定できるようになっている。
また、図4に示すごとく、例えば、フロントガラス2が平面視において円弧状に湾曲している場合については、その中央部においては、測定用プローブ7a・7b・・・の突出量を大きくして、前記距離L3を得るといったことができる。
また、以上の構成により、風速分布測定を行う各回において、各測定点4a・4b・・・における風速の測定条件(フロントガラス2を基準とした測定位置(距離L3))を同一に設定することができ、複数の測定結果からデータを積み上げて解析するようなケースにおいては、信頼性の高い解析結果を得ることができるようになる。
また、以上の構成により、フロントガラス2の内側表面2aに可能な限り近い位置であって、かつ、内側表面2aから規定の距離L3で定義される位置において、エアー3・3の風速を測定することができるようになる。
また、前記距離L3(図3参照)は、フロントガラス2の内側表面2aから実際に測定されるエアー3までの距離に対応するものであり、この距離L3は、除霜性能や除氷性能との関連で重要な要素の一つとある。つまり、前記各性能の目標値を達成するためのエアー3の通り道を設計する際には、前記距離L3がエアー3の通り道の座標データとして用いられるものであり、前述のように、常に距離L3の位置におけるエアー3の風速が測定できれば、測定位置について高精度な測定を実施することができる。また、この測定結果を利用して、ダッシュボード20のエアー吹出し口21・21(図1参照)の形状等の設計や、風速の設計を、より高精度に実施することができる。
尚、測定用プローブ7a・7b・・・を進退させる構成については、特に限定されるものではなく、例えば、前記触手15a・15b・・・に接触センサを用い、当該接触センサの検出値を基に、測定用プローブ7a・7b・・・をモータ駆動によって自動的に進退させることが考えられる。また、前記触手15a・15b・・・についても、測定用プローブ7a・7b・・・の先端に一体的に設ける他、測定用プローブ7a・7b・・・とは別体に設ける構成としてもよく、特に限定されるものではない。
また、図3に示すごとく、前記測定用プローブ7aの受感部11aにおいて、当該受感部11aに吹き当てられるエアー3の風速が測定される構成となっている。
また、この受感部11aでの測定結果は、図示せぬ測定結果集計装置へと出力されるようになっている。そして、この測定結果集計装置にて、各測定点4a・4b・・・で前記各熱線風速計測部5a・5b・・・(測定用プローブ7a・7b・・・)にて独立して測定された風速から、図5に示すごとく、フロントガラス2の内側表面2aの風速分布(分布線31a〜31d)が演算されるようになっている。
このように、前記各熱線風速計測部5a・5b・・・で測定される風速を集計し、その集計結果から、前記フロントガラス2の内側表面2aにおけるエアー3・3の風速分布を演算する測定結果集計装置を具備する構成とするものである。
尚、図5の例では、前記取付台6を移動させ、フロントガラス2において高さ位置が異なる4列にて測定された風速分布が示されている。
また、熱線風速計測部5a・5b・・・(測定用プローブ7a・7b・・・)において風速を測定するための構成は、周知の技術にて実現可能であり、特に具体的な構成に限定されるものではない。
また、以上の構成例では、図1に示すごとく、フロントガラス2の内側表面2aに横方向に配置される前記測定点4a・4b・・・の個数と、前記熱線風速計測部5a・5b・・・の個数を同一とし、フロントガラス2の横方向の全測定点4a・4b・・・について一度に風速を測定することとしたが、例えば、フロントガラス2の横半分の範囲について熱線風速計測部5a・5b・・・が配置される構成とし、フロントガラス2の横半分の範囲にある測定点4a・4b・・・についてのみ、同時に測定する構成としてもよい。この点は、以下の実施例においても同様である。
また、以上では車両のフロントガラス2を用いて風速を測定する例について述べたが、車両のフロントガラス2に限らず、車両のドアガラス等、各種窓部材におけるデフロスタ装置のエアーの風速分布測定においても、本発明は適用可能である。また、この風速分布測定においては、風速の分布を測定し、評価することを目的とするため、窓部材の材質はガラス以外であってもよい。これらの点は、以下の実施例においても同様である。
本実施例2では、図6に示すごとく、フロントガラス2の内側表面2aに縦方向に配列される複数の各測定点44a・44b・・・の風速を、独立して同時に測定するための熱線風速計測部5a・5b・・・が、フロントガラス2の縦方向に複数配列される構成とするものである。
また、前記複数の熱線風速計測部5a・5b・・・は、フロントガラス2に対し横方向に移動する取付台6に、前記フロントガラス2に対し縦方向に配列して設けられる構成とするものである。
また、フロントガラス2の内側表面2aに縦方向に配置される前記測定点44a・44b・・・の個数と、前記熱線風速計測部5a・5b・・・の個数は、同一とされている。
そして、この構成により、縦方向に配列される複数の各測定点44a・44b・・・の風速を同時に測定することができることから、各測定点44a・44b・・・の風速を同一の測定環境下で測定できるようになり、これにより、縦方向に配列される各測定点44a・44b・・・の風速分布を正確に把握することができる。
また、本実施例2によれば、フロントガラス2の高さ方向(縦方向)において異なる位置に存在する各測定点44a・44b・・・の風速を測定することができ、エアー3の流れに伴う風速の減衰等、高さ方向の位置が異なることによって生じる現象を把握して、エアー3の流れを評価・解析することができる。
また、本実施例2と前述の実施例1の測定結果の両方を評価・解析することにより、より多面的に、除霜性能や除氷性能の評価・設計や、ダッシュボード20のエアー吹出し口21・21(図1参照)の形状等の設計や、風速の設計を実施することができる。
尚、装置の詳細な構成については、前述の実施例1と同様であるため、説明を省略する。また、図6において、図1乃至図4と同一符号(アクチュエータ8、支柱9、ガイドバー10等)のものは、その機能・構成が実施例1と同等のものとされる。
本実施例3では、図7に示すごとく、フロントガラス2の内側表面2aに横方向、及び、縦方向に配列される複数の各測定点66a・66b・・・の風速を、独立して同時に測定するための熱線風速計測部5a・5b・・・が、フロントガラス2の横方向、及び、縦方向に複数配列される構成とするものである。
また、前記複数の熱線風速計測部5a・5b・・・は、前記フロントガラス2の内側表面2aに対面し、前記フロントガラス2の内側表面2aと略同一の面積を有する取付台67に設けられることとしている。
そして、この構成により、横方向、及び、縦方向に配列される複数の各測定点66a・66b・・・の風速を同時に測定することができることから、各測定点66a・66b・・・の風速を同一の測定環境下で測定できるようになり、これにより、横方向、及び、縦方向に配列される各測定点66a・66b・・・の風速分布を正確に把握することができる。
また、本実施例3によれば、フロントガラス2に対して規定される全ての測定点66a・66b・・・における風速を同時に測定することができ、より短時間で測定作業を完了することができる。
また、実施例1・2では、取付台6(図1参照)を移動させるための駆動手段としてアクチュエータが必要となるが、本実施例3では、この駆動手段が必要ないため、装置構成を簡易なものとすることができる。
尚、図7に示す取付台67の具体的な構成については、板状部材とする他、複数の棒状部材を組合せて格子状の枠部材で構成することや、ワイヤ部材を格子状に設けて熱線風速計測部5a・5b・・・を支持固定する等、特に限定されるものではない。
本実施例4では、図8、及び、図9に示すごとく、デフロスタ装置1によって、ダッシュボード20のエアー吹出し口21・21からフロントガラス2(窓部材)の内側表面2aに向けて吹き出されるエアー3・3の風速分布を測定するためのものであり、前記フロントガラス2の複数箇所に、前記エアー3・3の風速を測定するための熱線風速計測部5a・5b・・・が、前記複数箇所の各々に設けられる構成とするものである。
また、この構成で、前記各熱線風速計測部5a・5b・・・によって、前記エアー3・3の風速を独立して測定する風速分布測定方法とするものである。
また、図9に示すごとく、前記フロントガラス2に設けた設置孔22dに熱線風速計測部5dの測定用プローブ7dを設置し、フロントガラス2の内側表面2aから前記測定用プローブ7dの受感部11aが突出される構成としており、これにより、前記受感部11aに吹き当てられるエアー3の風速が測定される構成となっている。
そして、本実施例4の構成においては、フロントガラス2の内側表面2aから、測定用プローブ7a・7b・・・の先端部のみが突設される構成であり、前述の実施例1〜3のように、棒状の測定用プローブ7a・7b・・・の全部分や取付台6が配置される構成と比較して、前記エアー3の流れの障害となるものを少なくすることができる、即ち、前記エアー3に接触する障害物の表面積を少なくすることができる。
これによって、障害物による乱流の発生が抑えられ、製品後においてエアー3が流れる状況と同じ状況において、エアー3の風速を測定し、その風速分布を得ることができる。
また、図8に示すごとく、本実施例4においては、フロントガラス2の横方向に配列される設置孔22a・22b・・・について測定用プローブ7a・7b・・・を設置することで、実施例1と同様に横方向に配列される測定点について一度に風速を測定することとする他、実施例2と同様に縦方向に配列される測定点について一度に風速を測定する構成や、実施例3と同様に縦横の全測定点について一度に風速を測定する構成としてもよい。
尚、前記設置孔22a・22b・・・について、測定用プローブ7a・7b・・・が設置されないときには、前記設置孔22a・22b・・・の開口を塞ぐようにすることで、エアー3の流れを乱さないようにするのが望ましい。
実施例1の風速分布測定システムにてフロントガラスの内側表面の風速を測定する場合における、フロントガラスの内側から臨む図。 同じくフロントガラスの外側から臨む図。 同じくフロントガラスの側面から臨む断面図。 同じくフロントガラスの上側から臨む平面図。 風速分布の測定結果について示す図。 実施例2の風速分布測定システムにてフロントガラスの内側表面の風速を測定する場合における、フロントガラスの内側から臨む図。 実施例3の風速分布測定システムにてフロントガラスの内側表面の風速を測定する場合における、フロントガラスの内側から臨む図。 実施例4の風速分布測定システムにてフロントガラスの内側表面の風速を測定する場合における、フロントガラスの内側から臨む図。 同じくフロントガラスの側面から臨む断面図。 従来の風速分布測定方法の実施形態について説明する図。
符号の説明
1 デフロスタ装置
2 フロントガラス
2a 内側
3 エアー
4a・4b 測定点
5a・5b 熱線風速計測部
6 取付台
7a・7b 測定用プローブ
8L・8R アクチュエータ
9L・9R 支柱
10L・10R ガイドバー
11a 受感部
20 ダッシュボード
21 エアー吹出し口

Claims (8)

  1. デフロスタ装置によって窓部材の一側表面に向けて吹き出されるエアーの風速分布を測定するため風速分布測定システムであって、
    前記窓部材の一側表面の複数の各測定点における前記エアーの風速を、独立して同時に測定するための複数の熱線風速計測部を具備する構成とする、風速分布測定システム。
  2. 前記複数の熱線風速計測部は、前記窓部材に対し縦方向に移動する取付台に、横方向に配列して設けられる構成とする、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の風速分布測定システム。
  3. 前記複数の熱線風速計測部は、前記窓部材に対し横方向に移動する取付台に、縦方向に配列して設けられる構成とする、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の風速分布測定システム。
  4. 前記複数の熱線風速計測部は、前記窓部材の一側表面に対面する取付台に設けられる構成とする、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の風速分布測定システム。
  5. 前記複数の熱線風速計測部は、
    前記取付台に対して進退される構成とし、
    前記各熱線風速計測部の受感部と、前記窓部材の内側表面との距離が、一定の値に設定される構成とする、
    ことを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の風速分布測定システム。
  6. デフロスタ装置によって窓部材の一側表面に向けて吹き出されるエアーの風速分布を測定するため風速分布測定システムであって、
    前記窓部材の複数箇所に、前記エアーの風速を測定するための熱線風速計測部が、前記複数箇所の各々に設けられる構成とする風速分布測定システム。
  7. 前記各熱線風速計測部で測定される風速を集計し、
    集計結果から前記窓部材の一側表面におけるエアーの風速分布を演算する、
    測定結果集計装置を具備する構成とする、
    ことを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の風速分布測定システム。
  8. デフロスタ装置によって窓部材の内側表面に向けて吹き出されるエアーの風速分布を測定するため風速分布測定方法であって、
    前記窓部材の内側表面の複数の各測定点における前記エアーの風速を、
    複数の熱線風速計測部にて、独立して同時に測定する風速分布測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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