JP2007107653A - ベルト式無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部構造や制御方法を複雑化させることなく、運転者の減速操作に対してほぼ応答遅れ無しにベルト滑りを防止でき、しかも、運転者の予期せぬ減速感が発生しない運転時における快適性に優れたベルト式無段変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】本発明のベルト式無段変速機は、時刻t1でのブレーキONの検知と同時に、急減速が発生してもベルト滑りを生じない余裕SECD圧ΔPをSECD基準圧Aに対して増圧補正してSECD制御圧B(=A+ΔP)とし、このSECD制御圧Bを供給する。そして時刻t2にて減速度が緩減速判定値以下の緩減速であるとの判定により、SECD制御圧Bを上限SECD圧Cの一定圧に保持する。更に、時刻t3にて、車両が減速によりロックアップ解除領域での走行を開始したときは、SECD制御圧Bを上限SECD圧Cの一定圧に保持することなく、変速機入力トルクとプーリ比とを基に算出されたSECD制御圧Bに復帰させる。
【選択図】図11

Description

駆動プーリと従動プーリとの間にベルトを掛け渡し、駆動源からの入力トルクと変速比とを基に、駆動プーリの油圧と従動プーリの油圧とを算出し、それぞれのプーリの油圧を制御するベルト式無段変速機の制御装置に関するものである。
ベルト式無段変速機は、一般に、駆動プーリと従動プーリとの間に掛け渡したベルトによって動力伝達を行うため、かかる変速機の制御装置は、アクセルペダルを放してエンジントルクに変動が生じない一定速走行、所謂車速一定のコースト(惰性)走行中には、駆動プーリに供給する駆動プーリ圧及び従動プーリに供給する従動プーリ圧は、そのときの変速比を維持し、かつ、ベルトの滑りを生じさせない最低圧力(以下、「ベルト滑り限界圧」という。)以上となるように油圧制御し、変速時には、前記ベルト滑り限界圧に対して、目標の変速速度を達成可能な油圧を上乗せして、これをプーリ圧としている。
これに対し、アクセルペダルの踏み込む等によりエンジントルクを変動させる通常走行所謂エンジントルクによる走行中には、エンジントルクに基づいて無段変速機に伝達されるトルクを算出することができると共に、エンジンがトルクを発生する前にエンジンの吸入空気量等から前記ベルト滑り限界圧を予め算出することができるため、プーリ圧としての余裕代を十分小さくしてもベルト滑りを補償しつつ、車両の燃費を向上させることができる。
また、アクセルペダルを放した後にブレーキペダルを踏み込んで減速するような場合には、ベルトの伝達トルクには、その減速度に比例したイナーシャトルクが加わることになる。即ち、エンジントルクに基づいてプーリの油圧を設定した場合、減速時にイナーシャトルクに起因したベルト滑りが発生する。
これを防止するため、従来のベルト式無段変速機の制御装置には、アイドルスイッチがONしたら、従動プーリ回転数の単位時間当たりの変化量(減速量)に基づいてプーリ圧を制御することでベルト滑りを防止するものがある(例えば、特許文献1参照。)
特開昭62-52264号公報
しかしながら、上記従来技術は、従動プーリ回転数の単位時間当たりの変化量を減速量として算出して、この減速量に応じた補正量でプーリの油圧を補正する構成となっている。従って、実際の回転変化が生じてから所望の油圧を算出したのち、当該油圧を制御することになるが、応答性が求められる急ブレーキ等の場合には、短時間に非常に急激な減速度が生じるため、油圧の応答性を考慮すると、実際の回転変化を検出してからその減速度に応じた油圧に制御するのでは、制御が複雑化すると共に、実際に実施するのは非常に困難である。
これに対し、例えば、実際に減速度が生じる前に、予めそのときに発生し得る最大減速度でもベルトが滑らない程度の油圧まで上昇させることにより、どの程度の減速度が生じるか不明であっても対応できるようにすることが考えられる。この場合、油圧を上昇させることに起因して燃費に影響が出ることが懸念されるが、車速一定のコースト走行時では、トルクコンバータがロックアップ状態にあってエンジンでは一定量の燃料カットするフューエルカット制御が行われているため、減速直後に油圧を上げても燃費に何ら影響を及ぼさない。
ところが、こうした方法では、ブレーキの踏み込みによって最大減速度が入ってきた場合には、ベルト滑りを防止できるものの、例えば、弱いブレーキ踏み込みによる減速度要求、所謂、緩減速度要求である場合には、最大減速度を考慮した油圧に基づいて制御し続けると、実際の緩減速要求に対して過剰な余裕圧をプーリ圧として供給することによって、プーリのベルトクランプ力(挟持力)が過剰となりフリクションを増大させることになる。その結果、ダウンシフトによるエンブレ(エンジンブレーキ)感に、過剰なベルトクランプ力によって増大したフリクションによる減速感が加わることによって、運転者は必要以上に過剰な減速感を受けるため、運転時における快適性の面で改善の余地がある。
なお、こうした過剰な減速感は、ロックアップを解除する領域の閾値を高車速化することにより解消する方法もあるが、かかる方法では、フューエルカット制御を維持できないために燃費が悪化するという新たな問題が生じる。
本発明の解決すべき課題は、こうした事実を鑑みてなされたものであり、内部構造や制御方法を複雑化させることなく、運転者の減速操作に対してほぼ応答遅れ無しにベルト滑りを防止でき、しかも、運転者の予期せぬ減速感が発生しない運転時における快適性に優れたベルト式無段変速機を提供することにある。
本発明である請求項1に記載の発明は、駆動プーリと従動プーリとの間にベルトを掛け渡し、駆動源からの入力トルクと変速比とを基に、駆動プーリの油圧と従動プーリの油圧とをそれぞれ算出するプーリ圧算出手段と、該プーリ圧算出手段で算出された油圧となるようにそれぞれのプーリの油圧を制御する油圧制御手段と、を備えたベルト式無段変速機の制御装置において、運転者のブレーキ操作を検知するブレーキ操作検知手段と、減速度が予め設定した判定値以下の緩減速であるか否かを判定する緩減速判定手段とを設け、さらに、油圧制御手段は、前記ブレーキ操作検知手段によってブレーキ操作を検知した場合、前記緩減速判定手段により緩減速でないと判定されると前記プーリ圧算出手段により算出された油圧に対して、最大減速度に関係して設定した所定の余裕油圧を増圧補正し、この増圧補正した油圧を従動側プーリ圧として制御する補正制御手段と、前記ブレーキ操作検知手段によってブレーキ操作を検知した場合、緩減速であると判定されると前記増圧補正された油圧と、前記緩減速判定手段における前記判定値に関係して設定された上限油圧とのうち低い方の油圧を選択して従動側プーリの油圧として制御する緩減速時制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記余裕油圧は、最大減速度が発生してもベルトすべりが生じない油圧に設定されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の発明において、前記上限油圧は、ロックアップ解除車速において前記緩減速判定手段の前記所定値の減速度が発生しても滑らない下限値の油圧であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記上限油圧は一定値であることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発明において、ロックアップ中か否かを判定するロックアップ判定手段を備え、前記油圧制御手段は、ロックアップ中であると判定した場合には、前記補正制御手段及び前記緩減速時制御手段を作動させる一方、ロックアップ中でないと判定した場合には、前記ブレーキ操作検知手段によってブレーキ操作を検知されると、減速度に関係なく、前記プーリ圧算出手段により算出された油圧に対して所定の余裕油圧を増圧補正し、この増圧補正した油圧を従動側プーリ圧として制御することを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、運転者のブレーキペダル操作を検知すると、最大減速度に関係して設定された余裕油圧を増圧補正した油圧、又は、緩減速判定値に関係して設定した上限油圧と余裕油圧を増圧補正した油圧のうち低い油圧に、減速度に応じて油圧を即座に上昇させることとなる。このため、急減速によって大きなイナーシャトルクが発生しても、ブレーキ操作に応じて油圧を予め上昇させているため、油圧の応答遅れを最小限にすることができて、ベルト滑りを防止することができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、実際の減速度が予め設定した所定値以下の緩減速であるか否かを判定し、緩減速と判定されると前記余裕圧を増圧補正した油圧と、緩減速の判定値に関係した上限油圧とのうちの低い油圧を選択して、この油圧を従動側プーリの油圧として制御するため、急減速を想定して余裕圧を増圧補正したにも関わらず、実際には緩減速であったときでも、ダウンシフトによるエンジンブレーキ感と過剰なフリクションによるとによる過度の減速感の発生を抑制し、燃費に悪化を招くことなく、運転者の予期せぬ減速感の発生を防止することができる。
従って、請求項1に記載の発明によれば、内部構造や制御方法を複雑化させることなく、運転者のブレーキ操作に対してベルト滑りを防止でき、しかも、運転者の予期せぬ減速感が発生しない運転時における快適性に優れたベルト式無段変速機の制御装置を提供することができる。
ところで、増圧補正する油圧は、請求項2に記載の発明のように、最大減速度が発生しても滑らない油圧として設定しているため、緩減速でないと判定したとき、すなわち急減速と判定した際には、最大現速度が発生しても滑らない油圧に従動側プーリの油圧が制御されるため、油圧の応答遅れが最小限になるとともに、油圧が上昇した後は確実にイナーシャトルク増大分のベルトの容量が確保されるため、ベルト滑りを抑制できる。
また、請求項3に記載の発明によれば、緩減速時制御手段における上限油圧は、ロックアップ解除車速において緩減速の判定値の減速度が発生しても滑らない下限値の油圧としたため、油圧によるフリクションを最小限にすることができ、さらに運転者の予期せぬ減速感を排除することができる。
さらに、請求項4に記載の発明のように、上限油圧を一定値とすることで、緩減速判定を行った際には、従動側プーリの油圧が一定となることため、フリクショントルクによる減速感が一定となり、運転者のブレーキ操作に一致することとなり、更に快適な運転性能が得られる。
更に、請求項5に記載の発明は、ロックアップ中であると判定したときには、前記補正制御手段及び前記緩減速時制御手段を作動して、ロックアップ中でないと判定したときには、つまり、減速によって車速が低下した場合には、減速度に関係なく、変速比と入力トルクとに基づいた油圧に対して、最大減速度に関係した余裕油圧を増圧補正し、この増圧補正した油圧を従動側プーリ圧として制御するようにした。このため、従動側プーリの油圧が上限油圧と増圧補正した油圧のうち低い油圧としたままでは、その後緩減速によるダウンシフトが継続した結果、ベルト容量が不足してベルト滑りが発生する可能性があるが、ロックアップが解除したときには増圧補正した油圧に戻すことで、このような事態が発生するのを確実に防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明に係るVベルト式無段変速機の制御装置の概略を示すシステム図である。
ベルト式無段変速機10は、プライマリプーリ11と、セカンダリプーリ12と、∨ベルト13と、変速機コントローラ20と、油圧コントロールユニット30とを備える。
プライマリプーリ11は、エンジン1の回転がトルクコンバータ2及び前後進切り替え機構3を介して入力される入力軸側のプーリ(駆動プーリ)であり、入力軸11dと一体となって回転する固定円錐板11bと、この固定円錐板11bに対向配置されて∨字状のプーリ溝を形成するとともに、プライマリプーリシリンダ室11cへ作用する油圧(プライマリ圧)によって軸方向へ変位可能な可動円錐板11aとを備える。トルクコンバータ2は、図13に例示するように、マップ車速VSPに応じてロックアップON/OFFされるロックアップ式トルクコンバータであり、プライマリプーリ11の回転速度は、プライマリプーリ回転速度センサ26によって検出される。
∨ベルト13は、プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12に巻き掛けられ、プライマリプーリ11の回転をセカンダリプーリ12に伝達する。
セカンダリプーリ12は、Vベルト13によって伝達された回転をディファレンシャルギア4に出力する出力軸側のプーリ(従動プーリ)である。セカンダリプーリ12は、出力軸12dと一体となって回転する固定円錐板12bと、この固定円錐板12bに対向配置されて∨字状のプーリ溝を形成するとともに、セカンダリプーリシリンダ室12cへ作用する油圧(セカンダリ圧)に応じて軸方向へ変位可能な可動円錐板12aとを備える。なお、セカンダリプーリシリンダ室12cの受圧面積は、プライマリプーリシリンダ室11cの受圧面積と略等しく設定されている。
セカンダリプーリ12は、アイドラギア14及びアイドラシャフトを介してディファレンシャルギア4を連結しており、このディファレンシャルギア4に回転を出力する。セカンダリプーリ12の回転速度は、セカンダリプーリ回転速度センサ27によって検出される。なお、このセカンダリプーリ12の回転速度から車速を算出することができる。
変速機コントローラ20は、インヒビタスイッチ23、アクセルペダルストローク量センサ24、油温センサ25、プライマリプーリ回転速度センサ26、セカンダリプーリ回転速度センサ27、ブレーキペダル28の踏み込みを検出するブレーキスイッチ29等からの信号や、エンジンコントローラ21からの入力トルク情報に基づいて、プーリ比(セカンダリプーリ12の有効半径をプライマリプーリ11の有効半径で除した値であり、変速比と同義である。)や接触摩擦力を決定し、油圧コントロールユニット30に指令を送信して、ベルト式無段変速機10を制御する。
油圧コントロールユニット30は、変速機コントローラ20からの指令に基づいて応動する。油圧コントロールユニット30は、プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12に対して油圧を供給し、可動円錐板11a及び可動円錐板12aを回転軸方向に往復移動させる。
可動円錐板11a及び可動円錐板12aが移動するとプーリ溝暗が変化する。すると、∨ベルト13が、プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12上で移動する。これによって、∨ベルト13のプライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12に対する接触半径が変わり、プーリ比及び∨ベルト13の接触摩擦力がコントロールされる。
エンジン1の回転が、トルクコンバータ2、前後進切り替え機構3を介してベルト式無段変速横10へ入力され、プライマリプーリ11から∨ベルト13、セカンダリプーリ12を介してディファレンシャルギア4へ伝達される。
アクセルペダルが踏み込まれたり、マニュアルモードでシフトチェンジされると、プライマリプーリ11の可動円錐板11a及びセカンダリプーリ12の可動円錐板12aを軸方向へ変位させて、∨ベルト13との接触半径を変更することにより、プーリ比を連続的に変化させる。
図2は本発明に係る制御装置たる、油圧コントロールユニット30及び変速機コントローラ20の概念図である。
油圧コントロールユニット30は、レギュレータバルブ31と、変速制御弁32と、減圧弁33とを備え、油圧ポンプ34から供給される油圧を制御してプライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12に供給する。
レギュレータバルブ31は、ソレノイドを有し、油圧ポンプ34から圧送された油の圧力を、変速機コントローラ20からの指令(例えば、デューティ信号など)に応じて運転状態に応じて所定のライン圧PLに調圧する調圧弁である。
変速制御弁32は、プライマリプーリシリンダ室11cの油圧(以下「プライマリ圧」という)を後述するプライマリプーリ目標圧となるよう制御する制御弁である。変速制御弁32は、メカニカルフィードバック機構を構成するサーボリンク50に連結され、サーボリンク50の一端に連結されたステップモータ40によって駆動されるとともに、サーボリンク50の他端に連結したプライマリプーリ11の可動円錐板11aから溝幅、つまり実プーリ比のフィードバックを受ける。変速制御弁32は、スプール32aの変位によってプライマリプーリシリンダ室11cへの油圧の吸排を行って、ステップモータ40の駆動位置で指令された目標プーリ比となるようにプライマリ圧を調整し、実際に変速が終了するとサーボリンク50からの変位を受けてスプール32aを閉弁位置に保持する。
減圧弁33は、ソレノイドを備え、セカンダリプーリシリンダ室12cへの供給圧(以下「セカンダリ庄」という)を後述するセカンダリプーリ目標圧に制御する制御弁である。
油圧ポンプ34から供給され、レギュレータバルブ31によって調圧されたライン圧PLは、変速制御弁32と、減圧弁33にそれぞれ供給される。
プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12のプーリ比は、変速機コントローラ20からの変速指令信号に応じて駆動されるステップモータ40によって制御され、ステップモータ40に応動するサーボリンク50の変位に応じて変速制御弁32のスプール32aが駆動され、変速制御弁32に供給されたライン圧PLが調整されてプライマリ圧をプライマリプーリ11へ供給し、溝幅が可変制御されて所定のプーリ比に設定される。
変速機コントローラ20は、インヒビタスイッチ23からのセレクト位置、アクセルペダルストローク量センサ24からのアクセルペダルストローク量、油温センサ25からベルト式無段変速横10の油温や、プライマリプーリ速度センサ26、セカンダリプーリ速度センサ27、油圧センサ25からの信号等を読み込んでプーリ比や∨ベルト13の接触摩擦力を可変制御する。なお、油圧センサ25は、セカンダリプーリのシリンダ室12cにかかるセカンダリ圧を検出するセンサである。
変速機コントローラ20は、車速やスロットル開度等に応じて目標のプーリ比を決定し、ステップモータ40を駆動して現在のプーリ比を目標のプーリ比へ向けて制御する変速制御部201と、入力トルクやプーリ比、油温、目標変速速度などに応じて、プライマリプーリ11とセカンダリプーリ12の推力を制御するプーリ圧(油圧)制御部202から構成される。
プーリ圧制御部202は、ブレーキスイッチ29のオンオフ状態、入力トルク情報、プライマリプーリ11とセカンダリプーリ12とのプーリ比、油温からライン圧の目標値を決定し、レギュレ一タバルブ31のソレノイドを駆動することでライン圧の制御を行い、また、セカンダリ圧の目標値を決定して、油圧センサ25の検出値と目標値とに応じて減圧弁33のソレノイドを駆動して、フィードバック制御(閉ループ制御)によりセカンダリ圧を制御する。
図3は、変速機コントローラ20における制御を説明するフローチャートである。
まず、ステップSlでは、プライマリプーリ11が必要とする定常用の推力(PRI定常推力:現在のプーリ比を達成するとともに、ベルト13のトルク容量を達成する(滑らせずに現在のトルクを伝達可能)のに必要な推力)及びセカンダリプーリ12が必要とする定常用の推力(SECD定常推力)を求める。具体例としては、後述の図4に従う算出方法がある。
ステップS2では、過渡用(プーリ比を変更するとき)、すなわち変速に必要な推力差であるプライマリプーリ11の推力補正量(P RI過渡推力補正量)及びセカンダリプーリ12の推力補正量(SEC過渡推力補正量)を計算する。具体例としては、後述の図6に従う算出方法がある。
次に、ステップS3においてアップシフトかダウンシフトかを判断する。なお、この判断は、ステップS2(より具体的には後述するステップS21)で求めた目標変速速度によって判断する。
ここで、アップシフトであればステップS4に進み、PRI定常推力にPRI過渡推力補正量を加算した値を、プライマリプーリ目標推力(PRl目標推力)とする。さらに、ステップS5において、SECD定常推力を、セカンダリプーリ目標推力(SECD目標推力)とする。
一方、ダウンシフトのときはステップS6に進み、SECD定常推力にSECD過渡推力補正量を加算した値を、セカンダリプーリ目標推力(SECD目標推力)とする。さらに、ステップS7において、PRl定常推力を、プライマリプーリ目標推力(PRl目標推力)とする。
そして、ステップS8では、PRl目標推力をプライマリプーリの受圧面積(PRl面積)で除算した値を、プライマリプーリ目標圧(PRl目標圧)とする。更に、ステップS9では、ブレーキ操作の有無及び減速の大きさを基に、セカンダリプーリ目標圧(SECD目標圧)を決定する。具体例としては、ステップS5又はS6で演算したSECD目標推力をセカンダリプーリの受圧面積(SECD面積)で除算してSECD指示圧Aを算出し、このSECD指示圧Aを基に、後述の図10のフローチャートに従うサブルーチンから求まるセカンダリプーリ目標圧(SECD目標圧)を算出する。
これにより、ステップSlOでは、PRI目標圧及びSECD目標圧のいずれか大きい方をライン目標圧(PL目標圧)とし、ライン圧がこのPL目標圧を満足するように、レギュレータバルブ31のソレノイドを制御する。
次に、図3のステップS1,S2,S9それぞれを詳述する。
先ず図4は、ステップS1のサブルーチンであって、プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12の定常用(一定プーリ比保持時)の推力を算出するための方法を例示するフローチャートである。また、図5はプーリ比とプーリの推力との関係を示す推力マップであり、図5(A)はプライマリプーリ用の推力マップ、図5(B)はセカンダリプーリ用の推力マップである。
ステップSl1において、プライマリプーリ11への入力トルクを計算する。例えば、エンジンコントローラ21からの入力トルク情報であるエンジンの実トルクに、トルクコンバータ2のトルク比を乗算したものをプライマリプーリ11への入力トルクとして算出する。
ステップS12において、プライマリプーリ速度センサ26とセカンダリプーリ速度センサ27とで検出された値から現在のプーリ比(実プーリ比)を計算する。
ステップS13において、プライマリプーリ用の推力マップ(図5(A))からプライマリプーリの定常用の推力(PRI定常推力)を求め、セカンダリプーリ用の推力マップ(図5(B))からセカンダリプーリの定常用の推力(SECD定常推力)を求める。
なお、図5(A)(B)の推力マップは、横軸がプーリ比、縦軸が推力を示す。プーリ比は、図中の右側ほど大きくロー側である。このプーリ比と推力との関係は入力トルク毎に設定されており、プーリ比が同じでも入力トルクが大きいほど大きな推力に設定されている。
また、プライマリプーリ11の定常用の推力とセカンダリプーリ12の定常用の推力とを比較すると、図5(A)(B)からわかるように、プーリ比が小さいときはプライマリプーリの推力の方が大きく、プーリ比が大きいときはセカンダリプーリ12の推力の方が大きな値に設定されている。したがって、図5(A)のプライマリプーリ12の線図の方が図5(B)のセカンダリプーリ12の線図よりも傾斜が緩い。
次に、図6は、ステップS2のサブルーチンであって、過渡用(プーリ比変更時)のプライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12の推力補正量を算出するための方法を例示するフローチャートである。図7は変速線図、図8はプーリ比に対するプーリストローク速度倍率マップ、図9はプーリのストローク速度に対するプーリの推力補正量を示すマップであり、図9(A)はプライマリプーリ用マップ、図9(B)はセカンダリプーリ用マップである。
ステップS21において、時々刻々の目標変速速度を算出し決定する。例えば、車速とスロットル開度とに基づき図7の変速線図を参照して、最終的な目標プーリ比である到達プーリ比を算出する。さらに、アップシフト、ダウンシフト、踏み込みダウンシフトといった変速種毎に設定された目標時定数を参照し、到達プーリ比を1次遅れで目標時定数分遅らせて目標プーリ比を算出する。そして、到達プーリ比から目標プーリ比を減算して目標時定数で除算したものを目標変速速度として決定する。
ステップ、S22において、実プーリ比に対するプーリストローク速度倍率マップ(図8)から実プーリ比に対するプーリのストローク速度の倍率を求め、ステップS23において、その倍率にステップS21で算出した目標変速速度を乗算してプーリのストローク速度を算出する。
そして、ステップS24において、プライマリプーリ用のマップ(図9(A))及びセカンダリプーリの用マップ(図9(B))からプーリストローク速度に応じたプーリの推力補正量を求める。即ち、本形態において、変速機コントローラ20及び油圧コントロールユニット30が油圧制御手段に相当する。
図10は、ステップS9のサブルーチンであって、セカンダリプーリ目標圧(SECD目標圧)を算出するための方法を例示するフローチャートである。
先ずステップS91では、ブレーキスイッチ29のON/OFFによりブレーキペダル28の踏み込み、即ち、運転者の減速操作の有無を判断する。ブレーキスイッチ29がOFFであれば、運転者は減速要求していないため、ステップ5で算出したSECD目標推力をセカンダリプーリの受圧面積(SECD面積)で除算した値、即ち、無段変速機10への入力トルク(入力負荷)とプーリ比(変速比)とを基に算出したSECD基準圧AをSECD目標圧として設定し、スタート(START)にリターンする。従って、ブレーキ操作のない通常走行時のSECD目標圧は、入力トルクとプーリ比とを基に算出したSECD基準圧Aとなる。
従って、ブレーキ操作のない走行中は、SECD圧としてセカンダリプーリ12にベルト滑りを生じさせない挟持力が得られる基準圧(SECD定常推力に基づく圧力)以上のSECD基準圧Aを供給することができる。即ち、本形態において、図3及び図10を格納した変速機コントローラ20がプーリ圧算出手段に相当し、ブレーキスイッチ29及びステップS91を格納する変速機コントローラ20がブレーキ操作検知手段に相当する。
これに対し、図10のステップS91において、ブレーキスイッチ29のONが検知されれば、運転者は減速要求しているため、ステップS93にて、走行状態がロックアップ領域での走行中であるか否かを判定する。ステップS93にて、ロックアップ領域での走行中でないと判定されれば、ロックアップオフ領域での走行中でありエンジン1から無段変速機10までの間の動力伝達系は解放状態にあるため、過剰な減速感の発生は生じないと判断して、ステップS94に移行し、SECD基準圧Aに対して余裕SECD圧ΔPを増圧補正したSECD制御圧B(=A+ΔP)をSECD目標圧として設定し、スタート(START)にリターンする。
ここで、余裕SECD圧ΔPは、急減速が発生してもベルト滑りを抑制できるベルトクランプ力(挟持力)を発生させる圧力である。かかる余裕SECD圧ΔPは、運転者の減速操作に対する応答性と、ベルト滑り防止との両立を重視した場合、本実施の形態では、最大減速度が発生したときのイナーシャトルク分でベルト滑りを生じない圧力に設定しており、余裕SECD圧ΔPの具体例としては、減速度が1Gのときに発生するイナーシャトルク分でベルト滑りを生じない圧力に設定されている。なお、車種、使用目的、運転者の減速感の好みに応じたチューニングにより適宜設定することが可能な任意の圧力である。従って、ロックアップオフ領域での走行中に減速に生じた場合、SECD目標圧は、急減速によるベルト滑りを抑制できるSECD制御圧Bとなる。
従って、ロックアップオフ領域での走行中に減速が生じた場合、SECD圧としてSECD制御圧Bを供給し、運転者の減速操作に対して応答遅れがなく、急減速が行われてもベルト滑りを防止することができる。
これに対し、ステップS93にて、ロックアップ領域での走行中であると判定した場合、ステップ95にて、現在の走行状態がエンジンブレーキ状態か判断を行うために、エンジン1に対して一定量の燃料をカットするフューエルカット制御が行われているか否かが判断される。そもそも、エンジンブレーキの作動状態でない限り運転者の予期しない過剰な過減速感は発生しないため、本ステップにより過減速感が問題となるエンジンブレーキが作動した走行状態か否かを判断している。
ステップ95にて、エンジンフューエルカット制御を実行中でない、すなわちエンジンブレーキ非作動状態と判定した場合、減速直後にプーリ圧を上げても運転者の予期しない過剰な減速感が発生しないとして、ステップS94に移行し、SECD目標圧としてSECD制御圧Bを設定し、スタート(START)にリターンする。従って、ロックアップ領域でエンジンフューエルカット制御が実行中でない場合も、SECD目標圧は、SECD制御圧Bとなる。
従って、ロックアップ領域でエンジンのフューエルカット制御が実行されない状態で減速が生じた場合も、SECD圧としてSECD制御圧Bを供給し、運転者の減速操作に対して応答遅れがなく、急減速が行われてもベルト滑りを防止することができる。
これに対し、ステップS95にて、エンジンのフューエルカット制御を実行中である、すなわちエンジンブレーキ状態と判定した場合、運転者の意に反して過剰な減速感が発生する可能性があるため、ステップS96に進む。ステップS96では、実際の減速度が予め設定した所定の閾値(以下、「緩減速判定値」という。)以下の緩減速であるか否かを判定する。減速度は、車両に設けた加速度センサからの信号やセカンダリ回転速度(車速)を微分演算する等、既存の方法から求める。緩減速判定値は、本実施の形態では、0.4Gに設定しているが、車種、使用目的、運転者の減速感の好みに応じたチューニングにより適宜設定することが可能な任意の減速度である。即ち、本形態において、ステップS96を格納する変速機コントローラ20が緩減速判定手段に相当する。
ブレーキペダル28を踏み込んだ直後やブレーキペダル28の踏み込み量が小さいときなどは、減速度が発生していなかったり減速度が小さいので、ステップS96では、実際の減速度が緩減速判定値以下となるため、ステップS97に移行する。ステップ97では、急減速によるベルト滑りを抑制できるSECD制御圧B(=A+ΔP)が後述の上限SECD圧C以上であるか否かを判定する。
上限SECD圧Cは、減速度が緩減速判定値以下時に供給されるSECD圧の上限値であり、本形態に係るトルクコンバータ2は減速に伴い車速が低下して、図13に示すように、ロックアップ解除車速VSP=Voffでロックアップが解除されるが、このロックアップ解除車速Voffにおいて緩減速判定値(0.4G)の減速度が発生したときにベルト滑りが生じない下限の油圧に設定されている。言い換えると、ロックアップ解除車速Voffにおける定常用プーリ推力に相当する油圧と、0.4Gの減速度を発生する変速に必要な変速速度から算出した過渡用プーリ推力補正量に相当する油圧と、0.4Gの減速度を発生した際に必要なイナーシャトルクに相当する油圧とが積算された油圧が上限SECD圧Cである。なお、減速状態であることからアクセル開度が予め求まるとともに、車速VSP=Voffも予め求まることから変速比を求めることができる。この変速比とエンジンからの入力トルク(ほぼゼロ)とに基づいて、ベルト13が滑らず、かつ変速比を維持できる推力(図3のステップS1での定常用プーリ推力に相当する)を予め求めることができる。また、そのときの減速度が予め0.4Gと決まっていることから、イナーシャトルクを予め求めることができるとともに、この減速度を発生する変速速度も予め求めることができるため、必要な差推力(図3のステップS2での過渡推力補正量に相当する)も予め算出できる。
ステップS97において、SECD制御圧B(=A+ΔP)と上限SECD圧Cとの大小関係を比較し、SECD制御圧B(=A+ΔP)が小さい場合には、ステップS94へ進みSECD制御圧B(=A+ΔP)をSECD圧目標値に設定し、一方、上限SECD圧Cが小さい場合には、ステップS98へ進み上限SECD圧CをSECD圧目標値に設定する。即ち、本形態において、ステップS91,S96,S97を格納する変速機コントローラ20が緩減速時制御手段に相当する。
従って、ブレーキペダル28を踏み込んだ直後は、実際に減速度が発生していないので緩減速か急減速か不明であるが、そのときの上限SECD圧CとSECD制御圧B(=A+ΔP)との大小関係やそのときの車速に応じて、上限SECD圧CまたはSECD制御圧B(=A+ΔP)を目標SECD圧として設定することになるため、変速比、変速速度及び入力トルクとから算出されるSECD基準圧Aよりも高い油圧を予め出力することになり、その後、実際に減速度が発生しても、予めセカンダリ油圧を高めていることから、ベルト滑りが発生することはない。なお、ブレーキペダル28踏み込み直後に上限SECD圧Cを指示して、その後実際の減速度が発生して急減速判断を行ったとしても、上述のように、SECD基準圧Aに対して油圧を高めているため、上限SECD圧CからSECD制御圧Bへの油圧の変化量は小さくなって、実際の油圧の応答遅れが小さくなり、ベルト滑りを確実に抑制できる。
また、ブレーキペダル28を踏み込み直後にSECD圧としてSECD制御圧BをSECD目標圧として設定し、その後、ステップS96で緩減速と判定した場合には、ステップ97では、急減速によるベルト滑りを抑制できるSECD制御圧Bが上限SECD圧C以上であるか否かを判定し、SECD制御圧Bが上限SECD圧C以上になるまでは、ステップS94にてSECD目標圧としてSECD制御圧B(=A+ΔP)を設定し、スタート(START)にリターンするが、SECD制御圧Bが上限SECD圧Cと等しくなると、ステップS98にて、SECD目標圧として一定圧である上限SECD圧Cを設定し、スタート(START)にリターンする。従って、ブレーキペダル28を踏み込みによる減速が緩減速と判定され、SECD目標圧は、上限SECD圧Cになる。
従って、緩減速の場合には、SECD目標圧として上限SECD圧Cを設定するので、急減速を想定して余裕SECD圧ΔP分だけを増圧補正したにも関わらず、実際にはブレーキペダル28が大きく踏み込まれずに緩減速であったときでも、過剰に供給したSECD制御圧Bによるフリクションの増大と変速比がダウンシフトすることによる過度の減速感の発生を抑制し、運転者の予期せぬ減速感の発生を防止することができる。また、緩減速判定後、SECD制御圧Bが上限SECD圧Cをこえるときには、SECD目標圧を一定値である上限SECD圧Cとすることで、過減速感を無くすだけでなく、ロックアップ解放前の緩減速時では、減速感が一定に近いものとなり、さらに運転者の要求にマッチしたものとなる。
これに対し、ステップS96で緩減速でないと判定した場合にはステップS94に移行し、このステップS94にて、ブレーキ操作のない状態で図3により算出したSECD目標圧に対して、余裕SECD圧ΔPを増圧補正したSECD制御圧BをSECD圧として制御する。即ち、本形態において、ステップS91,S96,S94を格納する変速機コントローラ20が補正制御手段に相当する。
ここで、図11は、減速時における本形態の一動作を説明するタイムチャートである。なお、かかるタイムチャートは、アクセルペダルを放してエンジントルクに変動が生じない定速走行、所謂コースト(惰性)時の定速走行中に、ブレーキペダル28を踏み込んだ時の緩減速を例示する。
先ず、運転者がブレーキペダル28を踏み込まない状態では、変速機コントローラ20から油圧コントロールユニット30にSECD圧として指令されるSECD指令圧は、入力トルクとプーリ比とを基に算出したSECD基準圧Aとなる。
これに対して、運転者が時刻t1にてブレーキペダル28を踏み込んでブレーキスイッチ29がONになると、SECD指令圧は、車両が減速を開始するよりも早く、入力トルクとプーリ比とを基に算出したSECD基準圧Aに対して余裕SECD圧ΔPを増圧補正したSECD制御圧B(=A+ΔP)となり、セカンダリプーリシリンダ室12には、このSECD制御圧B(=A+ΔP)がSECD圧として供給される。これにより、ブレーキ操作の大小に関わらずベルト滑りを生じさせないSECD圧をブレーキペダル28の踏み込みに対してほぼ応答遅れ無しに供給することができる。従って、急減速によってフリクションが発生し、このフリクションがベルトの伝達トルクに加わってベルト滑りを生じさせる場合であっても、運転者のブレーキペダル28の踏み込みに対してほぼ応答遅れ無しにベルト滑りを防止することができる。なお、図11において、時刻t1以降に一点鎖線で示したAは、ブレーキ操作のない状態におけるSECD基準圧Aである。
ここで、SECD圧としてSECD制御圧B(=A+ΔP)を増圧し続けると、運転者が弱いブレーキ踏み力で減速要求した場合には、変速比のダウンシフトに加えてフリクションが増大することで運転者の要求する減速感よりも過剰な減速感が発生してしまうが、本携帯では、時刻t2にて、SECD指令圧を上限SECD圧Cとし、SECD圧を上限SECD圧Cの一定圧に保持するため、急減速を想定して余裕SECD圧ΔPを増圧補正したにも関わらず、実際には緩減速であったときには、過剰に供給したSECD制御圧Bによる過度の減速感の発生を抑制し、運転者の予期せぬ減速感の発生を防止することができる。
従って、本形態によれば、内部構造や制御方法を複雑化させることなく、運転者の減速操作に対してベルト滑りを防止でき、しかも、運転者の予期せぬ減速感が発生しない運転時における快適性に優れたベルト式無段変速機を提供することができる。また、本形態によれば、燃費向上のためにトルクコンバータのロックアップ領域を通常変速制御時のままとすることで、ロックアップ領域を最大限確保することができて、減速時にエンジン回転がフューエルリカバリ領域まで低下するのを抑制できるから、燃費の悪化という問題も生じない。
特に、本形態では、時刻t2以降、SECD圧の上昇を抑えるに際し、SECD圧を上限SECD圧Cの一定圧に保持するが、油圧式のベルト式無段変速機において、時刻t2以降、フリクショントルクによる減速度増加分を排除することができるため、減速度は一定に近くなる。従って、時刻t2以降にて、SECD圧を上限SECD圧Cの一定圧に保持すれば、フリクショントルクによる運転者の予期せぬ減速感も排除して更に快適な運転性能が得られる。
更に、本形態では、時刻t3にて、車両が減速によりロックアップ解除車速Voffまで低下すると、SECD指令圧を、入力トルクとプーリ比とを基に算出されたSECD指令圧Aに対して最大減速度分の余裕油圧ΔPを加えたSECD制御圧Bとし、SECD圧をSECD制御圧Bに復帰させる。この場合、ロックアップが解除されることでエンジンブレーキが弱くなるため、過度の減速感が無くなる。このため、SECD圧を上限SECD圧Cに設定する必要がなく、その後緩減速によるダウンシフトが継続した結果、SECD圧が上限SECD圧Cのままだと油圧が足りなくなりベルト滑りが発生する可能性があるが、本形態では、SECD圧をSECD制御圧Bに戻すことでそのような事態が発生するのを確実に防止することができる。
これに対し、図12は、本形態の他の動作を説明するタイムチャートである。かかるタイムチャートは、アクセルペダルを放してエンジントルクに変動が生じない定速走行、所謂コースト時の定速走行中に、ブレーキペダル28を大きく踏み込んだ時の急減速を例示し、図11と同一部分は同一符号をもって説明を省略する。
先ず、運転者が時刻t1にてブレーキペダル28を踏み込んでブレーキスイッチ29がONになると、入力トルクとプーリ比とを基に算出した指示圧Aに対して余裕SECD圧ΔPを増圧補正したSECD制御圧B(=A+ΔP)をSECD圧として供給する。これにより、ブレーキ操作の大小に関わらずベルト滑りを生じさせないSECD圧をブレーキペダル28の踏み込みに対して応答遅れ無しに供給することができる。従って、ベルト滑りを防止することができる。
ところで、減速度が大きい場合は、SECD制御圧Bを上限SECD圧Cで一定圧に保持すると、逆にベルト13を挟持する力が不足してベルト滑りを生じさせることがある。そこで、本形態では、時刻t2にて、実際の減速度が予め設定した緩減速判定値を越えたときに緩減速ではなく急減速であると判定し、時刻t2以降も、SECD制御圧Bが上限SECD圧よりも大きくなっても、SECD圧を上限SECD圧CとしないでSECD制御圧Bのままとすることで、ベルト13の挟持力不足によるベルト滑りを防止することができる。しかも、減速が大きい場合にはそもそも減速感も大きいため、SECD制御圧Bが過剰であっても、そのフリクションにより発生する過度の減速感は運転者の減速操作によって生じた大きな減速による減速感として吸収することができる。
上述した如く、本形態によれば、運転者のブレーキペダル28のON操作を検知すると、最大減速度に関係して設定された余裕圧(余裕SECD圧ΔP)を増圧補正した油圧(SECD制御圧B)、又は、緩減速判定値に関係して設定した上限油圧(上限SECD圧C)と余裕SECD圧ΔPを増圧補正したSECD制御圧Bのうち低い油圧に、減速度に応じて油圧を即座に上昇させることとなる。このため、急減速によって大きなイナーシャトルクが発生しても、ブレーキ操作に応じて油圧を予め上昇させているため、油圧の応答遅れを最小限にすることができて、ベルト滑りを防止することができる。
また、本形態によれば、実際の減速度が予め設定した緩減速判定値以下の緩減速であるか否かを判定し、緩減速と判定されると余裕SECD圧ΔPを増圧補正した制御圧Bと、緩減速の判定値に関係した上限SECD圧Cとのうちの低い油圧を選択して、この油圧をSECD圧として制御するため、急減速を想定して余裕SECD圧ΔPを増圧補正したにも関わらず、実際には緩減速であったときでも、ダウンシフトによるエンジンブレーキ感と過剰なフリクションによるとによる過度の減速感の発生を抑制し、燃費に悪化を招くことなく、運転者の予期せぬ減速感の発生を防止することができる。
従って、本形態によれば、内部構造や制御方法を複雑化させることなく、運転者のブレーキ操作に対してベルト滑りを防止でき、しかも、運転者の予期せぬ減速感が発生しない運転時における快適性に優れたベルト式無段変速機10の制御装置を提供することができる。(請求項1の効果)
ところで、増圧補正するSECD制御圧Bは、最大減速度が発生しても滑らない油圧として設定しているため、緩減速でないと判定したとき、すなわち急減速と判定した際には、最大現速度が発生しても滑らない油圧にSECD油圧が制御されるため、油圧の応答遅れが最小限になるとともに、油圧が上昇した後は確実にイナーシャトルク増大分のベルト13の容量が確保されるため、ベルト滑りを抑制できる。(請求項2の効果)
また、本形態によれば、ステップS91,S96,S97を経てステップS98から求まる上限SECD圧Cは、ロックアップ解除車速Voffにおいて緩減速の判定値の減速度が発生しても滑らない下限値の油圧としたため、油圧によるフリクションを最小限にすることができ、さらに運転者の予期せぬ減速感を排除することができる。(請求項3の効果)
さらに、本形態のように、上限SECD圧Cを一定値とすることで、緩減速判定を行った際には、SECD圧が一定となることため、フリクショントルクによる減速感が一定となり、運転者のブレーキ操作に一致することとなり、更に快適な運転性能が得られる。(請求項4の効果)
更に、本形態は、トルクコンバータ2がロックアップ中であると判定したときには、変速機コントローラ20を作動して、少なくともステップS91,S96,S94及びステップS91,S96,S97から、ロックアップ中でないと判定したときには、つまり、減速によって車速VSPが低下した場合には、減速度に関係なく、変速比と入力トルクとに基づいた油圧(SECD基準圧)に対して、最大減速度に関係した余裕SECD圧ΔPを増圧補正し、この増圧補正したSECD制御圧BをSECD圧として制御するようにした。このため、SECD圧が上限SECD圧CとSECD制御圧Bのうち低い油圧としたままでは、その後緩減速によるダウンシフトが継続した結果、ベルト容量が不足してベルト滑りが発生する可能性があるが、ロックアップが解除したときには増圧補正したSECD制御圧Bに戻すことで、このような事態が発生するのを確実に防止することができる。(請求項5の効果)
上述したところは、本発明の好適な形態を示したものであるが、特許請求の範囲に従えば、これに限定されるものではない。例えば、本形態のベルト式無段変速機は、セカンダリプーリ圧を制御することにより変速制御を実行するものであるため、プライマリプーリ圧に対して変速に必要な差推力を確保できるセカンダリプーリ圧以上で制限しておけば、変速自体は従来通りに進行させることができる。また、本発明は、プライマリプーリ圧を制御することにより変速制御を実行するベルト式無段変速機であれば、プライマリプーリ圧を制御することにより、或いは、プライマリプーリ圧及びセカンダリプーリ圧の両方を制御することにより変速制御を実行するベルト式無段変速機であれば、プライマリプーリ圧及びセカンダリプーリ圧の両方を制御することにより適用させることができる。また、ブレーキ操作検出手段として、ブレーキペダルに設けられたブレーキスイッチを例に説明したが、これに限られるものではなく、例えばブレーキ回路に設けられた油圧スイッチや油圧センサであってもよい。
本発明によるベルト式無段変速機の一形態を示す概略構成図である。 発明によるベルト式無段変速機の油圧コントロールユニット及び変速機コントローラの概念図である。 本形態におけるベルト式無段変速機の制御を説明するフローチャートである。 プライマリプーリ及びセカンダリプーリの定常用(一定プーリ比保持時)の推力を計算するサブルーチンのフローチャートである。 プーリ比とプーリの推力との関係を示す推力マップである。 過渡用(プーリ比変更時)のプライマリプーリ及びセカンダリプーリの推力補正量を算出するサブルーチンのフローチャートである。 変速線図である。 プーリ比に対するプーリストローク速度倍率マップである。 プーリストローク速度に対するプーリ推力補正量を示すマップである。 図3のメインフローチャートのサブルーチンとして、セカンダリプーリ目標圧を算出するためのフローチャートである。 減速時における本形態の一動作を説明するタイムチャートである。 本形態の他の動作を説明するタイムチャートである。 本形態において参照するロックアップ/オフ線図である。
符号の説明
10 ベルト式無段変速機
11 プライマリプーリ
12 セカンダリプーリ
13 Vベルト
20 変速機コントローラ
30 油圧コントロールユニット
31 レギュレータバルブ
32 変速制御弁
32a スプール
33 減圧弁
34 油圧ポンプ
40 ステップモータ
50 サーボリンク

Claims (5)

  1. 駆動プーリと従動プーリとの間にベルトを掛け渡し、駆動源からの入力トルクと変速比とを基に、駆動プーリの油圧と従動プーリの油圧とをそれぞれ算出するプーリ圧算出手段と、
    該プーリ圧算出手段で算出された油圧となるようにそれぞれのプーリの油圧を制御する油圧制御手段と、
    を備えたベルト式無段変速機の制御装置において、
    運転者のブレーキ操作を検知するブレーキ操作検知手段と、
    減速度が予め設定した判定値以下の緩減速であるか否かを判定する緩減速判定手段とを設け、さらに、
    油圧制御手段は、前記ブレーキ操作検知手段によってブレーキ操作を検知した場合、前記緩減速判定手段により緩減速でないと判定されると前記プーリ圧算出手段により算出された油圧に対して、最大減速度に関係して設定した所定の余裕油圧を増圧補正し、この増圧補正した油圧を従動側プーリ圧として制御する補正制御手段と、
    前記ブレーキ操作検知手段によってブレーキ操作を検知した場合、緩減速であると判定されると前記増圧補正された油圧と、前記緩減速判定手段における前記判定値に関係して設定された上限油圧とのうち低い方の油圧を選択して従動側プーリの油圧として制御する緩減速時制御手段と、
    を備えることを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載のベルト式無段変速機の制御装置において、
    前記余裕油圧は、最大減速度が発生してもベルトすべりが生じない油圧に設定されていることを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載のベルト式無段変速機の制御装置において、
    前記上限油圧は、ロックアップ解除車速において前記緩減速判定手段の前記所定値の減速度が発生しても滑らない下限値の油圧であることを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のベルト式無段変速機の制御装置において、
    前記上限油圧は一定値であることを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のベルト式無段変速機の制御装置において、
    ロックアップ中か否かを判定するロックアップ判定手段を備え、
    前記油圧制御手段は、ロックアップ中であると判定した場合には、前記補正制御手段及び前記緩減速時制御手段を作動させる一方、ロックアップ中でないと判定した場合には、前記ブレーキ操作検知手段によってブレーキ操作を検知されると、減速度に関係なく、前記プーリ圧算出手段により算出された油圧に対して所定の余裕油圧を増圧補正し、この増圧補正した油圧を従動側プーリ圧として制御することを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。

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