JP2007107049A - ゴムローラー - Google Patents

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Abstract

【課題】めっき皮膜のピンホールを有効に利用し、円柱基材とゴム層との密着性を高め、円柱基材とゴム層または接着剤層間の剥離や滑りを抑制することができ、円柱基材の防錆を図り、高品質なゴムローラーを提供することにある。また、円柱基材の端部を露出させる場合、めっき皮膜と接着剤層またはゴム層間で分離させて容易に除去することができ、円柱基材の露出した部分においても防錆を図るゴムローラーを提供する。
【解決手段】円柱基材表面に形成されためっき皮膜上に、またはめっき皮膜上に接着剤層を介してゴム層が形成されたゴムローラーにおいて、めっき皮膜の表面にピンホールを形成し、該ピンホールがめっき皮膜全表面積に対して10〜50%の表面積を有する。好ましくは、めっき皮膜の表面に形成されたピンホールが、直径0.05μm以上5μm以下であり、めっき皮膜全厚さの10%〜80%の深さを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ゴムローラーに関し、特に、電子写真装置に用いられる帯電用ゴムローラー、現像用ゴムローラー、転写用ゴムローラー、定着用ゴムローラー、紙送り用ゴムローラー等に用いられるゴムローラーに関するものである。
レーザープリンター、ファクシミリ等の電子写真装置には帯電ローラー、現像ローラー、転写ローラー等、多数のゴムローラーが用いられている。これらのゴムローラーは、一般的に、中心軸として機能する円柱基材と、円柱基材の外周面上に、必要に応じて接着剤層を介して設けられるゴム層とから構成されている。このようなゴムローラーの円柱基材は、非常に高い寸法精度を保ちつつ、しかも長期使用に対する防錆効果を有することが要求される。かかる要求を満たす円柱基材として、均一の厚さの皮膜が低コストで得られる無電解ニッケルめっき皮膜を芯金外周面に形成したものが報告されている(特許文献1)。無電解ニッケルめっき法はめっき液中に含まれる還元剤によって金属イオンを被めっき物表面に還元析出させる化学反応に基づいた方法であり、皮膜の厚さが均一で高い寸法精度が得られ、ピンホールが発生しにくく、被めっき物の耐蝕性を向上させ得る方法である。
一方、ゴムローラーは、円柱基材に未加硫ゴムを設け、加硫工程を経てゴムローラーとして作製されている。更に、ゴムローラーは電子写真装置本体やカートリッジに軸着するため、両端部のゴム層を除去して円柱基材の露出部が設けられることもある。しかしながら、上記ゴムの加硫工程において、未加硫ゴム中の加硫剤に含まれるイオウとめっき皮膜中のニッケルなどの金属とが結合し、めっき皮膜とゴム層との固着が生じ、ゴム層の除去が困難な状態となる場合がある。このようなめっき皮膜とゴム層との固着を防止するため、上記化学的活性に富む無電解ニッケルめっき皮膜に対し、クロム酸処理や熱処理等の不活性化処理を施し、円柱基材とゴム層との焼付きを防止する方法が報告されている(特許文献2)。更に、無電解ニッケル−リンめっき皮膜の表面側の厚さ0.5μm範囲において、リン含有量を9〜16質量%とし、無電解めっき皮膜とゴム層との固着防止およびピンホールの低減を図った固着防止層を設けたゴムローラーが報告されている。(特許文献3)
しかしながら特許文献1、2に記載されるゴムローラーは、無電解ニッケルめっきに限った場合の対応策に関するものであって、電気ニッケルめっきや亜鉛めっきなど種々のめっき方法や、めっき材質に応じて対応できるものではない。また、これらのゴムローラーにおいては、円柱基材にゴム層を直接形成する場合のみならず、円柱基材に接着剤を介してゴム層を被覆し加硫した場合も、円柱基材上のめっき皮膜表面と接着剤との密着性が充分でない。このため、一部に固着が生じている場合であっても、一方においてめっき皮膜からゴム層や接着剤が剥離する場合がある。
ここで、無電解めっきでは、還元剤が酸化されることにより放出される電子が、溶液中の金属イオンを金属として被めっき物上に析出させ皮膜を形成すると同時に、一部の電子が水素イオンと結合し、水素ガスを発生させる。水素ガスがめっき皮膜の表面に附着し、形成した皮膜表面に必ずピンホールが生じる。ニッケルめっき皮膜のピンホールは、ピンホール直下の円柱基材が酸化され腐食が生じ、ゴム層もしくは接着剤の密着性が局部的に低下するため、ゴムローラーのゴム層の剥離の誘因となる。この剥離を抑制するために、通常、ニッケルめっき皮膜を厚く形成して、円柱基材の酸化を抑制している。
これに対し、無電解ニッケル−リンめっき皮膜の表面側のリン含有量を特定の範囲とした固着防止層を設けた特許文献3に記載されるゴムローラーおいては、ピンホールの発生を顕著に低減させることができる。しかしながら、めっき皮膜のリンの含有量を16質量%程度とすると、めっき皮膜とゴム層との接着不良が生じる場合がある。めっき皮膜が形成された円柱基材上に未加硫ゴムを設ける方法として、押出し機を用いて未加硫ゴムを円柱状に押出すと同時に、めっき皮膜が形成された円柱基材を押出し機のクロスヘッドダイに連続的に通過させる方法が取られることがある。この方法を採用するとき、めっき皮膜のリンの含有量が16質量%程度であると、めっき皮膜とゴム層との接着不良の原因となるゴムすべりが生じてしまうことがある。無電解ニッケル−リンめっき皮膜とゴム層の剥離問題は依然として残っており、この問題は、めっき皮膜上に接着剤層を介してゴム層を設けた場合であっても、めっき皮膜と接着層の剥離として存在している。
このような円柱基材のめっき皮膜とゴム層や接着剤層間に剥離が生じたゴムローラーにおいては、製造工程の最終段階の、例えば、ゴム層表面の研削工程で、円柱基材とゴム層とが空転し、ゴムローラーの寸法精度が悪化するという問題がある。更に、ゴム層上に機能層を設け、多層構造のゴムローラーを製造する場合、製造が困難となる場合がある。例えば、帯電ローラーとして、離型層となるフッ素樹脂製チューブにゴムローラーを挿入し、フッ素樹脂からなる離型層をゴム層上に積層する場合、ゴム層が捲れ製造が困難となる場合がある。
特公平7−74057号公報 特公平7−74056号公報 特開2005−061480号公報
本発明の課題は、めっき皮膜のピンホールを有効に利用し、円柱基材とゴム層との密着性を高め、円柱基材とゴム層または接着剤層間の剥離や滑りを抑制することができ、円柱基材の防錆を図り、高品質なゴムローラーを提供することにある。また、円柱基材の端部を露出させて電子写真装置本体に設置する場合、めっき皮膜と接着剤層またはゴム層間で分離させて容易に除去することができ、これにより、円柱基材の露出した端部においても防錆を図ることができるゴムローラーを提供することにある。
本発明者は、従来、円柱基材のめっき皮膜の形成においては、めっき皮膜の均一性を確保するため、例えば、円柱基材のめっき皮膜全表面積に占める面積が、5%以下となるように形成していたピンホールに着目して、ゴム層との接着効果について研究を行った。その結果、めっき皮膜に形成するピンホールを増加させ、めっき皮膜全表面積に対して10〜50%の表面積を有することにより、円柱基材の防錆を図ることができ、且つ、ゴム層とめっき皮膜との接着を図り、ゴム層との固着、剥離を抑制することができることの知見を得た。また、ゴム層を除去して円柱基材の端部を露出させる場合は、めっき皮膜と接着剤層またはめっき皮膜とゴム層間で分離させて容易に除去することができ、このため、円柱基材の防錆を図ることができることの知見を得た。特に、ピンホールの直径が特定の大きさを有する場合、めっき皮膜の厚さに対する深さが、特定の深さを有する場合、上記効果を顕著に得ることができることの知見を得た。かかる知見に基づき本発明を完成するに至った。
本発明は、円柱基材表面に形成されためっき皮膜上に、またはめっき皮膜上に接着剤層を介してゴム層が形成されたゴムローラーにおいて、めっき皮膜の表面にピンホールを形成し、該ピンホールがめっき皮膜全表面積に対して10〜50%の表面積を占めることを特徴とするゴムローラーに関する。
本発明のゴムローラーは、めっき皮膜のピンホールを有効に利用し、円柱基材とゴム層との密着性を高め、円柱基材とゴム層または接着剤層間の剥離や滑りを抑制することができ、円柱基材の防錆を図り、高品質とすることができる。
本発明のゴムローラーは、円柱基材表面に形成されためっき皮膜上に、またはめっき皮膜上に接着剤層を介してゴム層が形成されたゴムローラーにおいて、めっき皮膜の表面にピンホールを形成し、該ピンホールがめっき皮膜全表面積に対して10〜50%の表面積を有することを特徴とする。
本発明のゴムローラーに用いられる円柱基材は、ゴム層を支持して中心軸として機能するものであり、用途に応じた強度を有するものであれば、特に制限されるものではない。その材質としては、寸法精度を保ちつつ、しかも長期使用に対する防錆効果を有するものが好ましく、導電性、耐熱性など用途に応じた機能を有するものを適宜選択することができる。円柱基材の材質として、具体的には、例えば、鉄、鋼、アルミニウム等の金属や合金などの金属製を挙げることができる。円柱基材の形状としては、中空状あるいは中実状であってもよく、大きさも適用される電子写真装置の大きさなどにより適宜選択することができ、例えば、外径2〜10mm、長さ100〜400mmなどを挙げることができる。
上記円柱基材表面に形成するめっき皮膜としては、上記電気めっきや無電解めっきなどめっき液の反応によりピンホールが形成される方法により形成されたものを挙げることができる。その材質として、電気めっきによるものとして金、銀、プラチナ、ロジウム、スズ、ニッケル、クロム、銅、亜鉛など、無電解めっきによるものとしてニッケルなどを挙げることができる。
このようなめっき皮膜の厚さとしては、円柱基材の防錆効果が得られる範囲で適宜選択することができ、例えば、2〜20μmを挙げることができる。
上記めっき皮膜の表面に形成されるピンホールは、めっき皮膜全表面積に対して10〜50%の表面積を占める。ピンホールがめっき皮膜全表面積に対して10〜50%の表面積比率で形成されると、めっき皮膜上に形成されるゴム層、または接着剤層の成形工程において、ゴム材または接着剤がピンホール内部に流入する。ピンホールに流入したゴム材または接着剤がゴム層または接着剤層のアンカーとして作用し、本発明のゴムローラ−においてめっき皮膜とゴム層、または接着剤層との密着性を高めるアンカー効果を得ることができる。めっき皮膜上に形成されるピンホールが、めっき皮膜全表面積に対して10%以上の表面積を占めると、めっき皮膜とゴム層または接着剤層とを充分に密着させることができる。また、めっき皮膜上に形成されるピンホールが、めっき皮膜全表面積に対して50%以下の表面積を占めると、円柱基材に対する充分な防錆効果を得ることができる。
ここでめっき皮膜表面のピンホールの表面積率は画像解析ソフトを用いた画像解析装置(Image−Pro Plus)を用い求めることができる。
このようなめっき皮膜表面に形成されたピンホールの直径が0.05μm以上、5μm以下であることが好ましい。より好ましくは0.5μm以上、3μm以下である。ピンホールの直径が0.05μm以上であれば、ゴム材や接着剤がピンホールに流入し、上記アンカー効果を発揮することができる。ピンホールの直径が5μm以下であれば、めっき皮膜の柔軟性を維持し、機械的強度を低下させず、充分なアンカー効果を得ることができる。
また、上記ピンホールの深さが、めっき皮膜全厚さの10%〜80%であることが好ましい。ピンホールの深さがめっき皮膜全厚さの10%以上であれば、上記アンカー効果を得ることができ、80%以下であれば、めっき皮膜が円柱基材に対する防錆効果を有する。
ピンホールのサイズおよび深さは、三次元表面構造解析装置(Zygo社製New View 5000型)を用い、得られたプロファイルから求めることができる。
このようなピンホールをめっき皮膜表面に形成する方法として、円柱基材に、高濃度のめっき液中でバブリングを行ないつつめっき処理を行なう方法を挙げることができる。バブリングはめっき処理開始時は高速で行い、円柱基材のめっき表面への気体の付着を抑制し、ピンホールの発生を顕著に低減させ、緻密なめっき皮膜を形成する。その後、低濃度のめっき液中に円柱基材を配置し、バブリングを低速で行い、めっき皮膜表面に付着する気体量を増加させる。これにより、めっき皮膜表面にピンホールを発生させることができる。めっき皮膜表面に対するピンホールの表面積比率は、バブリングの速度などをめっき皮膜の形成速度と相対的に調整することにより、所望の値にすることができる。また、ピンホールの深さ、大きさはバブリンブを行う時期、時間、めっき液の濃度、温度、pH値などをめっき皮膜の形成速度と相対的に調整することにより、所望の値にすることができる。
例えば、めっき皮膜として無電解ニッケル−リン皮膜を適用する場合、めっき皮膜表面のピンホール作成方法として、以下の方法を挙げることができる。
まず、円柱基材表面に残留している作製工程で使用した切削油や削れカスを除去し、アルカリ脱脂、水洗、酸洗い、水洗などにより円柱基材を洗浄する。その後、円柱基材を無電解ニッケル−リンめっき液に浸漬し、めっき皮膜を形成する。無電解ニッケル−リンめっき液としては、還元剤として次亜リン酸塩を用いたものを挙げることができ、必要に応じて、硫酸ニッケル、次亜リン酸ナトリウムの主成分以外にクエン酸塩、リンゴ酸、グリシンなどを含有するものを使用することができる。このような無電解ニッケル−リンめっき液を用いた無電解めっき工程の前半においては、高濃度、例えば、次亜リン酸ナトリウムの15〜40g/Lの濃度、80〜95℃の無電解ニッケル−リンめっき液を使用し、例えば、10〜40vol%でバブリングを行い、めっき表面に発生する気体を十分に除去してめっきを行う。この工程により、ピンホールが極めて少ない緻密なめっき皮膜を形成することができる。
その後、無電解めっき工程の後半においては、低濃度、例えば、次亜リン酸ナトリウムの5〜15g/Lの濃度、80〜90℃の無電解ニッケル−リンめっき液に浸漬させ、バブリングのパワーを弱め、例えば、5〜10vol%でバブリングを行い、めっき皮膜表面に発生する気体の除去を調整してめっきを行う。この工程により、ピンホールを有するめっき皮膜を形成することができる。バブリングの強度、速度などをめっき液の濃度、温度などと相対的に適宜制御することによって、形成するピンホールの量や形状を制御することができる。
本発明のゴムローラーにおけるゴム層としては、ゴム成分に加硫剤を添加した組成物から形成されるものが好ましい。これらの成分はゴムローラーの用途に応じて適宜選択することができる。ゴム成分としては、例えば、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エピクロルヒドリン系ゴム(CO、ECO、GECO)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム等を挙げることができる。加硫剤としては、イオウまたは分子構造にイオウ原子を含むイオウ供与体やトリアジンチオールおよび2,3ジメチルキノキサリンなどを挙げることができる。イオウ供与体としては、具体的には、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド(TRA)、2−(4´−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール(MDB)、4−4´−ジチオジモルホリン等を挙げることができる。加硫剤の添加量としては、ゴムローラーに要求されるゴム特性を満たすように適宜選択することができる。
ゴム組成物には、ゴムローラーの用途に応じて、導電性物質、離型性物質などゴム層の機能を阻害しない範囲で添加物を適宜選択して添加することができる。
上記ゴム層の厚さとしては、ゴムローラーに用途に応じて要求される弾性を付与できる厚さを適宜選択することができ、例えば、1〜10mmを挙げることができる。
本発明のゴムローラーに用いる接着剤層としては、めっき皮膜とゴム層とを接着する機能を有するものであれば、公知の接着剤を含有するものを挙げることができ、市販の接着剤を選択することができる。具体的には、(株)スリーボンド社製ThreeBond3315Eなどを挙げることができる。
上記接着剤層の厚さとしては、上記めっき皮膜と上記ゴム層との接着効果を有するように、例えば、1〜20μmとすることができる。
本発明のゴムローラーには、ゴム層の他、ゴムローラーの用途に応じて、導電性層、離型層など特定の機能を有する層を適宜設け、多層構造を有するものとすることができる。
本発明のゴムローラーの製造方法としては特に制限されるものではないが、その一例を図面を参照して、以下に説明する。
図1、2に示すように、上記のようにめっき液の濃度、温度方法により円柱基材1上にピンホール3を有するめっき皮膜2を形成する。めっき皮膜の形成は上記のように、めっき皮膜形成工程の前半においては、めっき皮膜形成速度に対し相対的に高速でバブリングを行い、めっき表面に発生する気体を十分に除去して、ピンホールが極めて少ない緻密なめっき皮膜を形成する。その後、後半においては、めっき皮膜形成速度に対し相対的に低速でバブリングを行い、めっき表面に発生する気体の除去が緩やかになるように調整し、その表面に所定のピンホールを形成するようにめっき皮膜を形成する。バブリングの強度、速度などをめっき液の濃度、温度などと相対的に適宜制御することによって、形成するピンホールの量や大きさなど形状を制御することができる。
めっき皮膜形成後、上記ゴム層を形成するゴム組成物を含む塗布液を作製し、これを塗布する。塗布液とするには、ゴム組成物に溶媒を使用することができる。得らたれた塗布液を、めっき皮膜上に塗布する方法としては、バーコート、ディップコート、スプレーコート、ロールコート、グラビアコート、フレキソコート、フローコート等の方法を挙げることができる。ゴム組成物を含有する塗布液を、ピンホール中に進入させた状態で塗布する。
また、押出し機を用いて未加硫ゴムを円柱状に押出すと同時に円柱基材を、連続的にクロスヘッドダイを通過させることにより、円柱基材外周を未加硫ゴムで被覆することができる。
その後、ピンホール中のゴム5およびめっき皮膜または接着剤層を被覆したゴムを硬化してゴム層4を形成する。硬化方法としては、加熱や、遠赤外線、紫外線などの活性エネルギー線照射などの方法を挙げることができる。
上記接着剤層を形成する方法としては、上記方法により作製したピンホールを有するめっき皮膜2上に、接着剤組成物を含む塗布液を塗布し、図3に示すように、ピンホール中に接着剤塗布液を進入させた状態で塗布する。塗布後、必要に応じて、加熱硬化して、ピンホール中の接着剤6とめっき皮膜を被覆した接着剤7とを硬化する方法を挙げることができる。接着剤組成物を含む塗布液を塗布する方法としては、ゴム層を形成するのに使用する塗布方法と同様の方法を挙げることができ、好ましい方法も、ゴム層の形成と同様の方法を挙げることができる。
以下、本発明のゴムローラーを更に詳細に説明するが、本発明のゴムローラーの技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
[ゴムローラーの作製]
外径6mm、長さ240mmの鋼製円柱基材の円柱基材を、アルカリ脱脂、水洗、酸洗浄、水洗を順次行い洗浄した後、以下の高濃度組成無電解ニッケルめっき液を用いて、90℃で、不活性ガスを30vol%となるように供給して3分間めっきを行った。その後、以下の低濃度組成無電解ニッケルめっき液を用いて、90℃で、不活性ガスを15vol%となるように供給して12分間めっきを行った。
めっき液組成
主液 シューマS751−1(カニゼン株式会社)
添加液 シューマS751−2(カニゼン株式会社)
pH調整液 シューマS751−3(カニゼン株式会社)
高濃度液:主液と純水の容量比率を1:2とし、添加液は原液のまま添加した。pH調整液と純水の容量比率1:2で希釈した液でpH調整を行った。
低濃度液:主液と純水の容量比率を1:4とし、添加液は原液のまま添加した。pH調整液と純水の容量比率1:2で希釈した液でpH調整を行った。
その後、水洗、乾燥(80℃×15分)を行なった。円柱基材上のめっき皮膜の膜厚は、蛍光X線膜厚測定装置を用いて測定したところ、5μmであった。
めっき皮膜を形成した円柱基材の両端面から10mmを除く外周面に、熱硬化性接着剤(株式会社スリーボンド製、ThreeBond 3315E)を塗布し、80℃で30分間乾燥した後、120℃で1時間乾燥し、接着剤層を作製した。
その後、以下の資材を用い、各材料をバンバリーミキサーで混練りした。加硫系薬品については、オープンロールを用いて混練りした。
資材
エピクロルヒドリンゴム(CG−102 ダイソー株式会社製) 100質量部
ステアリン酸(ステアリン酸S 花王株式会社製) 1質量部
酸化亜鉛2種(ハクスイテック株式会社製) 5質量部
FEFカーボンブラック(旭#51 旭カーボン株式会社製) 40質量部
パラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製) 10質量部
加硫促進剤1(ノクセラーDM 大内新興化学株式会社製) 1質量部
加硫促進剤2(ノクセラーTS 大内新興化学株式会社製) 2質量部
加硫剤(サルファックス200S 鶴見化学株式会社製) 1質量部

クロスヘッド押出し機を用いて、混練りしたゴム組成物と、上記めっき処理を行った円柱基材を共押出ししながらめっき被膜表面をゴム組成物で被覆し、160℃、60分熱風炉内でゴムの架橋を行いゴム層を作製した。架橋後冷却し、ローラー端部から15mmをゴム層除去部分として切込みを入れた後、ゴム層の除去を行い、砥石GC80、回転速度2000rpm、送り速度50cm/分の条件で、外径12mmに研磨した。ローラー端部のゴムのない部分にフッ素系潤滑剤ドライサーフ(A−1340C 株式会社ハーベス製)を塗布した。
[ピンホールの測定]
めっき皮膜に形成されたピンホールについて、表面積率、サイズ、深さを三次元表面構造解析装置を用い、得られたプロファイルにより求めた。結果を表2に示す。
[ゴム層剥離の評価方法]
得られたゴムローラーのゴム層の剥離について、ゴム層を指でむしるように円柱基材から剥離させる力を加え、接着剤から剥離するか否かで評価した。剥離しないものについては○、接着剤から剥離したものについては、その程度に関わらず×とした。
[実施例2〜5]
表1に示す条件とした他は、実施例1と同様にして、めっき皮膜を作製した。めっき皮膜に形成されたピンホールについて、実施例1と同様に、表面積率、サイズ、深さを測定した。結果を表2に示す。
その後、接着剤層、ゴム層を実施例1と同様にして作製し、ゴムローラーを作製し、実施例1と同様にゴム層剥離を評価した。結果を表1に示す。どのサンプルも円柱基材からのゴム層の剥離は見られなかった。
[比較例1〜4]
表1に示す条件とした他は、実施例1と同様にして、めっき皮膜を作製した。めっき皮膜に形成されたピンホールについて、実施例1と同様に、表面積率、サイズ、深さを測定した。結果を表2に示す。
その後、接着剤層、ゴム層を実施例1と同様にして作製し、ゴムローラーを作製し、実施例1と同様にゴム層剥離を評価した。結果を表2に示す。どのサンプルも円柱基材とゴム層に剥離が生じた。
産業上の利用の可能性
以上のように、本発明のゴムローラーは、円柱基材と、接着剤またはゴム層の剥離せず高品質である。
本発明のゴムローラーの製造工程を示す長手方向の断面図を示す図である。 本発明のゴムローラーの製造工程を示す長手方向の断面図を示す図である。 本発明のゴムローラーの製造工程を示す長手方向の断面図を示す図である。
符号の説明
1 円柱基材
2 めっき皮膜
3 ピンホール
4 ゴム層
5 ピンホール中のゴム
6 ピンホール中の接着剤
7 接着層

Claims (3)

  1. 円柱基材表面に形成されためっき皮膜上に、またはめっき皮膜上に接着剤層を介してゴム層が形成されたゴムローラーにおいて、めっき皮膜の表面にピンホールを形成し、該ピンホールがめっき皮膜全表面積に対して10〜50%の表面積を占めることを特徴とするゴムローラー。
  2. めっき皮膜の表面に形成されたピンホールが、0.05μm以上、5μm以下の直径を有することを特徴とする請求項1に記載のゴムローラー。
  3. めっき皮膜の表面に形成されたピンホールが、めっき皮膜全厚さの10%〜80%の深さを有することを特徴とする請求1または2に記載のゴムローラー。
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