JP2007105639A - 濾過装置 - Google Patents

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章義 小峯
Minobu Okamoto
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Abstract

【課題】本発明は、フィルタエレメントの内側に溜まった気体を排出することができ、かつフィルタエレメントの内側の液を効率よく排出する濾過装置を提供する。
【解決手段】濾過装置10は、本体51と、プラグ60と、を備えるベント弁装置50を備える。本体51は、ハウジング20の外側に開口する第1の開口部51aと、フィルタエレメント40の内側42aに連通する第2の開口部51bと、第1の開口部51aと第2の開口部51bとに連通する通路部51cと、フィルタエレメント40とハウジング20との間の空間Bと通路部51cとに連通する第3の開口部56と、を有する。プラグ60は、通路部51c内に収容され、ハウジング20内の気体G1,G2を排出しない第1の位置P1とハウジング20内の気体を排出する第2の位置P2との間で移動可能である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば油圧アクチュエータなどを備えた液圧機器の液圧回路を循環する液を濾過するための濾過装置に関する。
液圧シリンダなどのアクチュエータを有する機器は、液圧回路を循環する作動油などの液を濾過するために濾過装置を備えている。濾過装置は、ハウジングと、該ハウジング内に収容されて濾過すべき液を濾過するフィルタエレメントと、を備えている。
この種の濾過装置では、ハウジング内に溜まった空気などの気体をハウジング外へ排出するためのベント弁装置を備えている。
一般に、ベント弁装置は、ハウジングに形成された孔に収容されており、ハウジングとフィルタエレメントとの間に溜まった空気を排出する。
フィルタエレメントが、例えば筒状の濾材を有し、濾材を通して作動油を濾材の内側と外側との間を移動することによって作動油を濾過するような構造である場合では、作動油は、フィルタエレメントの内側にも溜まる。
この種の濾過装置では、フィルタエレメントとハウジングとの間の隙間と、フィルタエレメントの内側とに、それぞれ空気などの気体が溜まることが考えられる。
しかし、上記のようなベント弁装置では、ハウジングと濾材との間に規定される空間に溜まった気体は排出されるが、フィルタエレメントの内側に溜まった気体は、排出されにくくなる。
また、フィルタエレメントを交換する際など、ハウジングを開く際には、ハウジングに形成されたドレン弁などによって、ハウジング内に溜まっている作動油を排出する。この際には、ベント弁を開くことによってハウジング内に空気を流入し、作動油の排出を促す。
しかし、上記のように、フィルタエレメントが筒状である場合では、濾材の抵抗によってフィルタエレメントの内側にまで空気が流入しにくくなる。それゆえ、フィルタエレメント内に溜まっている作動油が排出されにくくなる傾向にある。
したがって、本発明は、フィルタエレメントの内側に溜まった気体を排出することができ、かつフィルタエレメントの内側の液を効率よく排出する濾過装置を提供することを目的とする。
本発明の濾過装置は、フィルタエレメントと、ハウジングと、ベント弁装置と、を備える。前記フィルタエレメントは、環状の周壁部を有する筒状である。前記フィルタエレメントは、濾過すべき液を前記周壁部を通して前記周壁部の内側と外側との間を移動することによって濾過する。前記ハウジングは、前記フィルタエレメントを内側に収容する。前記ベント弁装置は、ハウジング内の液を排出する。前記ベント弁装置は、本体と、プラグと、シール構造と、を備える。前記本体は、前記ハウジングの外側に連通する第1の開口部と、前記フィルタエレメントの内側に連通する第2の開口部と、前記第1の開口部と前記第2の開口部とに連通する第1の通路部と、前記フィルタエレメントと前記ハウジングとの間の空間と前記通路部とに連通する第3の開口部と、を有する。前記プラグは、前記通路部内に収容され、前記ハウジング内の気体を排出しない第1の位置と前記ハウジング内の気体を排出する第2の位置との間で移動可能である。前記プラグは、前記第2の位置にあるとき前記第2の開口部と前記第3の開口部と連通するとともに前記第1の開口部を通して前記ハウジングの外側と連通する第2の通路部を備える。シール構造は、前記第1の位置にあるとき前記フィルタエレメントの内側と前記ハウジングの外側との間と、前記フィルタエレメントと前記ハウジングとの間の空間と前記ハウジングの外側との間と、を気密に塞ぐ。
この構成によれば、フィルタエレメントとハウジングとの間に溜まった気体とフィルタエレメントの内側に溜まった気体とを同時に排出することができる。それゆえ、ハウジング内の気体を排出するために必要な時間を短縮することができる。
また、フィルタエレメントの内側と、ハウジングとフィルタエレメントとの間と、がそれぞれハウジングの外側と連通可能であるので、ハウジング内の液を排出する場合などでも、フィルタエレメントの内側に空気などの気体を供給することができる。
本発明の好ましい形態では、前記濾過装置は、前記プラグを前記第1の位置に位置決める位置決め機構を備える。
この構成によれば、濾過装置の使用時にプラグが第2の位置に移動することが抑制される。
本発明の好ましい形態では、前記位置決め機構は、付勢部材と、第1の接触部と、第2の接触部と、を備える。前記付勢部材は、前記プラグを前記第2の位置から前記第1の位置に向かって付勢する。前記第1の接触部は、前記プラグに設けられる。前記第2の接触部は、前記本体に設けられる。前記第2の接触部は、前記プラグが前記第1の位置にあるとき前記付勢部材の付勢方向に前記第1の接触部と接触する。
この構成によれば、プラグを第2の位置に移動する場合には、プラグを付勢方向の反対方向へ押圧するだけでよい。
本発明の好ましい形態では、前記プラグが前記第2の位置にあるとき、前記プラグを前記第2の位置に保持する保持機構を備える。
本発明の好ましい形態では、前記保持機構、前記プラグの外周部に形成される溝と、前記本体に設けられて着脱可能に前記溝に収容される係合部と、を備える。
本発明によれば、ハウジング内に溜まった気体を短時間で排出することができ、かつ液を効率よく排出することができる。
本発明の第1の実施形態に係る濾過装置10を、図1から図7を用いて説明する。図1は、濾過装置10の断面図である。本実施形態の濾過装置10は、例えば油圧アクチュエータを備える重機などの図示しない液圧回路に組み込まれている。液圧回路中には、作動油が流動している。
液圧回路は、流出部と、流入部と、を備えている。流出部を通して濾過装置10内に作動油中濾過すべき作動油L1が供給される。流入部を通して、濾過された作動油が液圧回路に戻される。なお、濾過すべき作動油L1とは、作動油中、濾過装置10に進入する直前のものであり、濾過されるべき状態のものである。
図2は、濾過装置10が分解された状態を示す断面図である。図1と図2とに示すように、濾過装置10は、ハウジング20と、フィルタエレメント40と、ベント弁装置50と、を備える。
ハウジング20は、ハウジング本体21と、ヘッド30と、を備えている。ハウジング本体21は、第1の部材23と、第2の部材24と、備えている。
第1の部材23は、一端が略閉塞された例えば円筒状の部材である。第2の部材24は、その内周が第1の部材23の内周と略同じに形成された例えば円筒状の部材である。第2の部材24の両端は、開口している。
第1の部材23の開口端23aと第2の部材24の一方の開口端24aとは、互いに内周面が略面一になるように、例えば溶接によって接合されている。それゆえ、ハウジング本体21は、一端が略閉塞され、かつ他端が開口する略円筒状である。
ヘッド30は、ヘッド30は、図示しない流入路と、流出路35と、を有している。流入路は、液圧回路の流出部に接続されている。流入路を通して、濾過すべき作動油L1が濾過装置10内に流入する。
ヘッド30の略中央には、突部36が形成されている。突部36は、ヘッド30に組み付く後述するフィルタエレメント40に向かって突出している。
流出路35の一部は、突部36内に形成されている。流出路35の一端は、突部36の先端に開口している。図1に示すように、流出路35の他端35aは、液圧回路の流入部に接続されている。
図2に示すように、突部36とヘッド30の周壁部30bとの間に、空間Aが規定されている。空間Aは、濾過装置10内に濾過すべき作動油L1を流入する流入路に連通している。周壁部30bは、例えば円筒状に形成されており、開口端24aに略嵌合する。周壁部30bの外周部には、雄螺子部31bが形成されている。開口端24aの内周部には、雌ねじ部24bが形成されている。雄ねじ部31bが雌螺子部24bに螺合することによって、ヘッド30とハウジング本体21とは、互いに組み付けられる。
ハウジング本体21とヘッド30とが互いに組み付けられることによって、ヘッド30の突部36は、ハウジング本体21内に突出する。突部36は、ハウジング本体21と略同心上に配置されている。
フィルタエレメント40は、ハウジング本体21の開口20a(第2の部材24の開口端24a)からハウジング本体21内に収容される。フィルタエレメント40は、濾材41と、内筒42と、第1の支持部材43と、第2の支持部材44と、エレメント押さえ部材32と、を備えている。
濾材41は、樹脂製であって、例えばプリーツ状で筒状に丸められている。濾材41は、本発明で言う、フィルタエレメントの周壁部である。内筒42は、筒状である。内筒42の周壁部には、該周壁部を径方向に貫通する貫通孔45が複数形成されている。
内筒42は、濾材41の内側に収容されている。内筒42の上端は、濾材41の上端よりも上方に突出している。内筒42は、濾材41と略同心上に配置されている。濾材41が内側に向かって付勢された場合なでは、内筒42は濾材41と接触することによって濾材41を支持し、濾材41が内側に向かって変形することを抑制する。
第1の支持部材43は、濾材41の下端と、内筒42の下端と、を支持している。
第2の支持部材44は、濾材41の上端と、内筒42の上端部42bと、を支持している。第2の支持部材44には、上端部42bが嵌る嵌合孔44aが形成されている。上端部42bと嵌合孔44aの縁部との間には、Oリング101が設けられている。
Oリング101は、上端部42bと嵌合孔44aの縁部との間を液密にシールする。上端部42bの外周部には、雄螺子部400が形成さている。嵌合孔44aの内周部には、雌螺子部401が形成されている。雄螺子部400が雌螺子部401に螺合することによって、内筒42は、第2の支持部材44に固定される。
エレメント押さえ部材32は、フィルタエレメント40がハウジング本体21内から出ないようにフィルタエレメント40をハウジング本体21内に固定する部材である。エレメント押さえ部材32は、上端部42bに組み付けられる。
エレメント押さえ部材32は、上端部42bに固定される本体部300と、上端部42bの周方向に広がる広がり部301と、を有している。
本体部300は、上端部42bが内側に嵌合する例えば円筒状である。本体部300の内周部には、雌螺子部303が形成されている。上端部42bの外周部には、雌螺子部303に螺合する雄螺子部304が形成されている。雄螺子部304は、上端部42bにおいて第2の支持部材44の外側に出る部分に形成されている。雄螺子部304が雌螺子部303に螺合することによって、本体部300は、上端部42bに固定される。
また、本体部300の内周部のうち、上端部42bが固定される側反対側には、突部36の先端部が略嵌合する。本体部300の内周部には、突部36との間を液密にシールするOリング305が設けられている。それゆえ、内筒42の内側42aと流出路35とは、互いに連通する。
広がり部301は、本体部300の外周部に一体に成形されている。図1に示すように、広がり部301は、フィルタエレメント40がハウジング本体21内に収容された状態において、ハウジング本体21の第2の部材24の内面に達するまで広がっている。広がり部301には、空間Aと連通する貫通孔301aが複数形成されている。
広がり部301の外周部32aには、雄螺子部32bが形成されている。雄螺子部32bが雌螺子部24bに螺合することによって、エレメント押さえ部材32は、第2の部材24に固定される。
上記のように構成されるフィルタエレメント40をハウジング本体21内に収容する際、雄螺子部32bを雌螺子部24b螺合することによって、フィルタエレメント40は、ハウジング本体21内に固定される。
上記のように互いに固定されたフィルタエレメント40とハウジング本体21とのユニットを、雄螺子部31bを雌螺子部24bに螺合することによって、ヘッド30に組み付けると、突部36が本体部300内に嵌合するので、本体部300を通して内筒42の内側42aと流出路35とは、互いに連通する。
このとき、図1に示すように、外周部32aの一部は、ヘッド30の周壁部30bの内面に対向する。外周部32aにおいてヘッド30の周壁部30bに対向する部分には、Oリング500が設けられている。Oリング500は、外周部32aと周壁部30bとの間を液密にシールする。
フィルタエレメント40は、上記のように構成されるので、その形状は、略円筒状である。濾過すべき作動油L1は、流入路と空間Aとを通ったのち、濾材41の外側に達する。
フィルタエレメント40とハウジング20との間には、作動油L1が流動できるだけの空間Bが設けられている。この空間Bは、第1の支持部材43とハウジング本体21の閉塞端部26との間にも設けられている。空間Bは、貫通孔301aを通して空間Aと連通している。
ベント弁装置50は、ヘッド30の上端部30aに設けられている。図3は、図1に示されたF3の範囲を拡大して示す断面図である。図3に示すように、ベント弁装置50は、本体51と、プラグ60と、を備えている。
図4は、ベント弁装置50が分解された状態を示す断面図である。図4に示すように、本体51は、筒状の部材である。本体51は、ヘッド30の外側から流出路35の内側に渡って設けられる。ヘッド30の上壁部30cには、本体51が収容される収容孔53が形成されている。収容孔53は、ヘッド30の上壁部30cを、外側から流出路35の内側にかけて貫通している。
それゆえ、収容孔53は、隔壁部403によって、空間Aと隔てられている。隔壁部403には、貫通孔404が形成されている。貫通孔404は、隔壁部403を貫通しており、収容孔53と空間Aとに連通している。
本体51の先端には、係止部50bが形成されている。係止部50bは、収容孔53から外に出ている。係止部50bは、本体51において収容孔53内に収容される部分の周方向に延びている。それゆえ、図中に示すように、本体51の断面形状は、略T字状である。
本体51の外周部には、雄螺子部700が形成されている。収容孔53の内周部において開口端側には、雌螺子部701が形成されている。本体51は、係止部50bがヘッド30の外周面に当接するまで収容孔53内に収容されるとともに、雄螺子部700が雌螺子部701に螺合することによって、ヘッド30に固定される。
収容孔53の内周部において開口端の近傍には、雌螺子部401を避けた位置にOリング702が設けられている。図3に示すように、Oリング702は、収容孔53の内周面と本体51の外周面との間を気密にシールしている。本体51の他端は、貫通孔404を覆う位置まで延びている。
本体51の一方の第1の開口部51aは、ヘッド30の外側に開口している。本体51の他方の第2の開口部51bは、収容孔53内に開口している。第1の開口部51aと第2の開口部51bとは、互いに連通している。本体51の内側は、通路部51cとして機能する。通路部51cは、本発明で言う第1の通路部である。
それゆえ、流出路35つまり内筒42の内側42aは、第2の開口部51bと通路部51cと第1の開口部51aとを通して、ハウジング20の外側と連通する。
本体51において、貫通孔404と対向する位置には、第3の開口部56が形成されている。本体51の外周部において他端(係止部50bの反対側端)と第3の開口部との間には、Oリング405が設けられている。Oリング405は、収容孔53の内面と本体51の外周面との間を気密にシールしている。
第3の開口部56は、通路部51cと連通している。それゆえ、空間Aは、貫通孔404と第3の開口部56とを通して通路部51cと連通する。
プラグ60は、一方向に延びる形状であって、本体51の通路部51c内に摺動可能に嵌合されている。
プラグ60の一端部61は、通路部51cを抜けて収容孔53内に出ている。一端部61には、第2の開口部51bの縁部に当接可能な係止部406が形成されている。係止部406は、プラグ60の周方向に広がっている。プラグ60は、係止部406が本体51において第2の開口部51b側に位置する第2の開口部側端面800に当接するので、通路部51c内からハウジング20の外側へ抜け出ることがない。
係止部406が第2の開口部51bの縁部に当接した状態において、本体51の外周部において第3の開口部56よりも第1の開口部51a側には、Oリング407が設けられている。Oリング407は、本体51の内周面とプラグ60の外周面との間を気密にシールしている。
本体51の外周部においてOリング407よりも他端部62側には、第1の溝63が形成されている。第1の溝63は、例えばプラグ60の摺動方向に沿って延びている。図6は、図3に示されるF6−F6線に沿う断面図である。図6は、第1の溝63を示している。
本体51において、Oリング407よりも他端部62側には、第2の溝64が形成されている。第2の溝64は、本体51の周方向に環状に形成されている。第1の溝63と第2の溝64とは、交差している。
プラグ60は、第1の位置P1と第2の位置P2との間で、収容孔53内で摺動可能である。
第1の位置P1とは、ハウジング20内の空気などの気体をハウジング20の外側へ排出しない位置である。具体的に説明すると、第1の位置P1とは、図3に示すように、係止部406が第2の開口部51bの縁部に当接した状態である。
プラグ60が第1の位置P1にある状態では、通路部51cは、通路部51cの内面とOリング407とによって、気密にシールされるので、空間A,Bおよび流出路35内に溜まった空気などの気体は、ハウジング20の外へ排出されない。
また、プラグ60が第1の位置P1にある状態では、第2の開口部51bは、係止部406が第2の開口部512bに当接することによって、気密にシールされるとともに、第3の開口部56は、プラグ60の外周面によって略気密にシールされる。それゆえ、第2の開口部51bと第3の開口部56との間は、気密に塞がれる。
したがって、Oリング407と通路部51cの内面と、およびプラグ60と係止部406は、本発明で言う、シール構造100を構成する。
図5は、プラグ60が第2の位置P2にある状態を示すベント弁装置50の断面図である。図5に示すように、第2の位置P2とは、ハウジング20内の空気などの気体を排出する位置である。
第2の位置P2は、第2の溝64が第3の開口部56と対向する位置である。ここで、第1の溝63の長さについて詳細に説明する。
第1の溝63は、プラグ60が第2の位置P2にあるときに、その一端が通路部51cを出て収容孔53内と連通するように延びている。さらに、第1の溝63は、プラグ60が第2の位置P2にあるとき、その他端がヘッド30の外側と連通するように、つまりヘッド30の外側に出るように延びている。
図7は、図5に示されたF7−F7線に沿う断面図である。図7は、プラグ60が第2の位置P2にある状態における第3の開口部56と第2の溝64と第1の溝63とを断面した状態を示している。
図5と図7とに示すように、プラグ60が第2の位置P2にある状態では、流出路35は、収容孔53と第1の溝63とを通って、ハウジング20の外側と連通する。さらに、空間Aは、貫通孔404と第3の開口部56と第2の溝64と第1の溝63とを通って、ハウジング20の外側と連通する。第1,2の溝63,64は、本発明で言う第2の通路部を構成する。
これにより、プラグ60が第2の位置P2にある状態では、流出路35内に溜まった空気などの気体G1および空間A,Bに溜まった空気などの気体G2は、ハウジング20の外へ排出される。
図1に示すように、このように構成される濾過装置10では、液圧回路の流出部から濾過すべき作動油L1がヘッド30の流入路内に流入する。作動油L1は、流入路と空間Aとを通って空間Bに流入する。
濾材41の外側に達した作動油L1は、矢印に示すように、濾材41内を通る過程で濾過される。濾材41通り濾過された作動油L2は、内筒42の貫通孔45を通過して内筒42の内側に出る。ついで、濾過された作動油L2は、流出路35を通って液圧回路の流入部に流入し、液圧回路に戻る。濾過装置10が濾過すべき作動油L1を濾過している最中では、プラグ60は、押し込まれることによって、第1の位置P1にある。
ハウジング20内の空気などの気体をハウジング20外へ排出する際には、プラグ60を引っ張ることによってプラグ60を第2の位置P2に移動する。プラグ60が第2の位置P2に移動されると、流出路35内の空気などの気体G1と、空間A,B内に溜まった空気などの気体G2とは、ハウジング20の外へ排出される。
または、フィルタエレメント40と交換するときなど、図示しないドレン弁によってハウジング20内の作動油をハウジング20外へ排出する際にもプラグ60を第2の位置P2に移動する。
作動油のL1,L2の排出時にプラグ60を第2の位置P2に移動することによって、内筒42の内側42aとハウジング20の外側とが互いに連通するので、内筒42の内側42a内に空気が流入する。それゆえ、内側42a内の作動油L2が排出されやすくなる。同様に、空間Bにも空気が流入するので、作動油L1が排出されやすくなる。
このように構成される濾過装置10は、フィルタエレメント40の内側42aと空間Bとに溜まった気体G1,G2を同時に排出することができる。それゆえ、ハウジング20内の空気などの気体を排出するために必要な時間を短縮することができる。
また、ハウジング20内の作動油の排出時に、内筒42の内側42aと空間Bに空気を流入することができるので、ハウジング20内の作動油の排出時間を短縮することができる。
また、プラグ60が一方向に延びる形状であるので、プラグ60の位置を第1の位置P1と第2の位置P2との間で移動する場合では、プラグ60を引っ張ったり、押し込んだりするだけでよい。それゆえ、プラグ60の操作が単純になるので、プラグ60の操作効率が向上する。
つぎに、本発明の第2の実施形態に係る濾過装置10を図8と図9とを用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様な機能を有する構成は、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、ベント弁装置50の構造が第1の実施形態と異なる。具体的には、ベント弁装置50が位置決め機構80と、保持機構90と、を備える点が、第1の実施形態と異なる。この点について、詳細に説明する。
図8は、本実施形態の濾過装置10のベント弁装置50の近傍を拡大して示す断面図である。図8は、プラグ60が第1の位置P1にある状態を示している。図9は、プラグ60が第2の位置P2にある状態を示す断面図である。
図8と図9とに示すように、ベント弁装置50は、位置決め機構80を備えている。位置決め機構80は、コイルばね81と、段差部82と、ばね支持穴603と、係止部406と、第2の開口部側端面800と、を備えている。コイルばね81は、本発明で言う、付勢部材の一例である。
段差部82について説明する。収容孔53は、第1の部分600と、第2の部分601と、第3の部分602と、を有している。第1の部分600は、収容孔53において、本体51が収容される部分である。第2の部分601は、収容孔53において第1の部分600に隣接する部分である。第2の部分601は、第1の部分600よりも径方向に狭い。第2の部分601は、プラグ60の摺動方向に沿って延びている。
第3の部分602は、収容孔53において第2の部分601を挟んで第1の部分600の反対側の部分である。第3の部分602は、流出路35に連通している。第3の部分602は、第2の部分601よりも径方向に狭い。それゆえ、収容孔53の内周部には、第2の部分601と第3の部分602との間に、段差部82が形成される。
プラグ60の係止部406には、ばね支持穴603が形成されている。ばね支持穴603は、プラグ60の摺動方向に凹んでいる。
コイルばね81の一端は、ばね支持穴603内に収容されことによって、プラグ60に支持される。コイルばね81の他端は、第2の部分601内に収容されることによって、ヘッド30に支持される。
上記のようにコイルばね81が配置されることによって、コイルばね81は、段差部82と係止部406との間に挟まれる。それゆえ、プラグ60は、コイルばね81の弾性力によって、第2の位置P2から第1の位置P1に付勢されるとともに、係止部406が第2の開口部側端面800に当接することによって、第1の位置P1に位置決められる。係止部406は、本発明で言う第1の接触部である。第2の開口部側端面800は、本発明で言う第2の接触部である。
保持機構90は、保持部材91と、溝92と、を備えている。保持部材91は、本体部91aと、係合部91bと、を有しいている。本体部91aは、係止部50bの外周部に固定されている。係合部91bは、本体部91aに対して略L状に折れ曲がっており、本体51の先端を回りこんでプラグ60に向かって延びている。
溝92は、プラグ60の外周部に形成されている。係合部91bは、溝92に嵌合する。図9に示すように、溝92は、プラグ60が第2の位置P2にあるときに、係合部91bが嵌合するように、配置されている。係合部91bが溝92に嵌合することによって、プラグ60は、第2の位置P2に保持される。
図8に2点鎖線で示すように、本体部91aは、係合部91bが溝92から出ることができるように、例えば可撓性を有している。それゆえ、プラグ60を第1の位置P1に戻す場合には、図中2点鎖線で示すように本体部91aたわませることによって、係合部91bを溝92から外す。
係合部91bが溝92内から出ると、プラグ60は、コイルばね81の付勢力によって、第1の位置P1に向かって付勢される。
本実施形態では、濾過装置10が位置決め機構80を備えることによって、濾過装置10の使用時にプラグ60が第1の位置P1に位置決められる。さらに、位置決め機構80がコイルばね81を利用する構造であるため、プラグ60を第2の位置P2に移動する場合は、プラグ60を押圧するだけでよい。それゆえ、作動油L1,L2を排出する作業の効率が向上する。
また、濾過装置10が保持機構90を備えることによって、プラグ60を第2の位置P2に保持できるので、ハウジング20内の気体G1,G2の排出作業および作動油L1,L2を排出する作業の効率を向上することができる。
また、保持機構90が保持部材91と溝92とを利用する簡素な構造であるので、濾過装置10のコストを抑えることができる。
本発明の第1の実施形態に係る濾過装置の断面図。 図1に示された濾過装置が分解された状態を示す断面図。 図1に示されたF3の範囲を拡大して示す断面図。 図3に示されたベント装置が分解された状態を示す断面図。 図3に示されたプラグが第2の位置P2にある状態を示すベント弁装置の断面図。 図3に示されたF6−F6線に沿う断面図。 図5に示されたF7−F7線に沿う断面図。 本発明の第2の実施形態に係る濾過装置のベント弁装置の近傍を拡大して示す断面図。 図8に示されたプラグが第2の位置P2にある状態を示す断面図。
符号の説明
10…濾過装置、20…ハウジング、40…フィルタエレメント、41…濾材(周壁部)、50…ベント弁装置、51a…第1の開口部、51b…第2の開口部、51c…通路部(第1の通路部)、56…第3の開口部、60…プラグ、63…第1の溝(第2の通路部)、64…第2の溝(第2の通路部)、80…位置決め機構、81…コイルばね(付勢部材)、90…保持機構、91b…係合部、92…溝、100…シール構造、406…係止部(第1の接触部)、800…第2の開口部側側端面(第2の接触部)、L1…濾過すべき作動油(濾過すべき液)、空間B(フィルタエレメントとハウジングとの間の空間)、P1…第1の位置、P2…第2の位置、G1…気体(ハウジング内の気体)、G2…気体(ハウジング内の気体)。

Claims (5)

  1. 環状の周壁部を有する筒状のフィルタエレメントであって、濾過すべき液が前記周壁部を通して前記周壁部の内側と外側との間を移動することによって濾過されるフィルタエレメントと、
    前記フィルタエレメントを内側に収容するハウジングと、
    前記ハウジング内の気体を排出するベント弁装置と、
    を具備し、
    前記ベント弁装置は、
    前記ハウジングの外側に連通する第1の開口部と、前記フィルタエレメントの内側に連通する第2の開口部と、前記第1の開口部と前記第2の開口部とに連通する第1の通路部と、前記フィルタエレメントと前記ハウジングとの間の空間と前記第1の通路部とに連通する第3の開口部と、を有する本体と、
    前記第1の通路部内に収容され、前記ハウジング内の気体を排出しない第1の位置と前記ハウジング内の気体を排出する第2の位置との間で移動可能なプラグであって、前記第2の位置にあるとき前記第2の開口部と前記第3の開口部と連通するとともに前記第1の開口部を通して前記ハウジングの外側と連通する第2の通路部と、
    前記第1の位置にあるとき前記フィルタエレメントの内側と前記ハウジングの外側との間と、前記フィルタエレメントと前記ハウジングとの間の空間と前記ハウジングの外側との間と、を気密に塞ぐシール構造と、
    を具備することを特徴とする濾過装置。
  2. 請求項1の記載において、
    前記プラグを前記第1の位置に位置決める位置決め機構を具備することを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
  3. 前記位置決め機構は、
    前記プラグを前記第2の位置から前記第1の位置に向かって付勢する付勢部材と、
    前記プラグに設けられる第1の接触部と、
    前記本体に設けられる第2の接触部であって、前記プラグが前記第1の位置にあるとき前記付勢部材の付勢方向に前記第1の接触部と接触する第2の接触部と、
    を具備することを特徴とする請求項2に記載の濾過装置。
  4. 請求項3の記載において、
    前記プラグが前記第2の位置にあるとき、前記プラグを前記第2の位置に保持する保持機構を具備することを特徴とする濾過装置。
  5. 前記保持機構は、
    前記プラグに形成される溝と、
    前記本体に設けられて着脱可能に前記溝に収容される係合部と、
    を具備することを特徴とする請求項4に記載の濾過装置。
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