JP2007105173A - 吸収性物品の裏面シート - Google Patents
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Abstract
【課題】吸収性物品をショーツ等の衣類から引き剥がす際の音を低減することができる、吸収性物品の裏面シート及びそれを用いた吸収性物品等を提供すること。
【解決手段】本発明の吸収性物品の裏面シート3は、アスペクト比が5〜20である層状無機化合物を前記裏面シート中に10〜70質量%含む。本発明の吸収性物品は、前記層状無機化合物を前記特定量含む裏面シート3を備え、該裏面シート3の衣類当接面に粘着剤層6が設けられている吸収性物品であり、粘着剤層6が、軟化剤を20〜45質量%含むホットメルト型の粘着剤を用いて形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の吸収性物品の裏面シート3は、アスペクト比が5〜20である層状無機化合物を前記裏面シート中に10〜70質量%含む。本発明の吸収性物品は、前記層状無機化合物を前記特定量含む裏面シート3を備え、該裏面シート3の衣類当接面に粘着剤層6が設けられている吸収性物品であり、粘着剤層6が、軟化剤を20〜45質量%含むホットメルト型の粘着剤を用いて形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、吸収性物品の裏面シートに関し、詳しくは、吸収性物品の裏面シート及びそれを用いた吸収性物品等に関する。
従来、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等の吸収性物品においては、裏面シートに粘着剤層を設け、該粘着剤層を介して吸収性物品をショーツ等の衣類に固定することが広く行われている。粘着剤層を介したショーツ等への固定により、適切な位置に容易に固定することができ、また、着用中の位置ずれを防止することができる。しかし、その一方において、吸収性物品をショーツ等から剥離する際に音が発生し、他人に吸収性物品の使用や交換等を気付かれたくない使用者等を不安にさせることにもなる。
特許文献1には、表面に剥離処理部が設けられ且つ裏面に下着類に固定するための粘着部が設けられた補助シートを、吸収性物品と下着の間に介在させ、吸収性物品の着脱時に発生する音を低減する方法が提案されている。
しかし、特許文献1記載の方法では補助シートが不可欠な上に、補助シートの分だけ装着部分が厚くなり、装着者が違和感を覚えやすい。また、補助シートを下着から剥がす際に発生する音の対策については何ら記載されていない。
従って、本発明の目的は、吸収性物品をショーツ等の衣類から引き剥がす際の音を低減することができる、吸収性物品の裏面シート及びそれを用いた吸収性物品等を提供することにある。
本発明は、衣類当接面に粘着剤層が設けられる吸収性物品の裏面シートであって、アスペクト比が5〜20である層状無機化合物を前記裏面シート中に10〜70質量%含む、吸収性物品の裏面シートを提供することにより前記目的を達成したものである。
また、本発明は、吸収層及び請求項1〜4の何れかに記載の裏面シートを備え、該裏面シートの衣類当接面に粘着剤層が設けられている吸収性物品であって、前記粘着剤層が、軟化剤を20〜45質量%含むホットメルト型の粘着剤を用いて形成されている吸収性物品を提供するものである。
また、本発明は、吸収層及び請求項1〜4の何れかに記載の裏面シートを備え、該裏面シートの衣類当接面に粘着剤層が設けられている吸収性物品を、クロッチ部が天竺編の布からなるショーツと組み合わせて使用することを推奨する表示を有する包装材に収納してなる、吸収性物品の包装体、及び吸収層及び請求項1〜4の何れかに記載の裏面シートを備え、該裏面シートの衣類当接面に粘着剤層が設けられている吸収性物品と、クロッチ部が天竺編の布からなるショーツとを組み合わせてなる、吸収性物品セットを提供するものである。
本発明の吸収性物品の裏面シートによれば、吸収性物品をショーツ等の衣類から引き剥がす際の音を低減することができる。
本発明の吸収性物品によれば、吸収性物品をショーツ等の衣類から引き剥がす際の音を一層低減することができる。
本発明の吸収性物品の包装体及び吸収性物品セットによれば、吸収性物品をショーツから引き剥がす際の音の低減効果に優れた、吸収性物品及びショーツの組み合わせを提供することができる。
本発明の吸収性物品によれば、吸収性物品をショーツ等の衣類から引き剥がす際の音を一層低減することができる。
本発明の吸収性物品の包装体及び吸収性物品セットによれば、吸収性物品をショーツから引き剥がす際の音の低減効果に優れた、吸収性物品及びショーツの組み合わせを提供することができる。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の吸収性物品の裏面シートは、アスペクト比が5〜20である層状無機化合物を該裏面シート中に10〜70質量%含んでいる。アスペクト比の測定方法は実施例において後述する。
アスペクト比が5未満であると、吸収性物品を衣類から引き剥がす際の音の低減効果が充分に得られず、アスペクト比が20超であると、シートの成形性が悪くなり、表面がなめらかで均一なシートの作製が難しくなる。
アスペクト比が5未満であると、吸収性物品を衣類から引き剥がす際の音の低減効果が充分に得られず、アスペクト比が20超であると、シートの成形性が悪くなり、表面がなめらかで均一なシートの作製が難しくなる。
裏面シートに前記層状無機化合物を含有させると、吸収性物品を衣類から引き剥がす際の音の低減効果が得られる理由は以下の通りであると考えられる。即ち、ショーツ等の衣類から吸収性物品を引き剥がす際における、裏面シートに設けられた粘着剤層とショーツとの界面の状態を観察したところ、裏面シートとショーツとの間の距離が拡大するに連れて、裏面シートとショーツとの間で粘着剤の一部が引き伸ばされ、その引き伸ばされた粘着剤の一部がショーツから離れる際に、裏面シートに振動を与えて音を発生させていることを知見した。裏面シートが、層状無機化合物を含んでいると、層状無機化合物とそれを取り囲むポリマー成分との界面で摩擦を起こり、粘着剤によって生じた振動エネルギーがら熱エネルギーとして裏面シートから散逸し、それによって、剥離する際に発生する音(以下、剥離音ともいう)が低減する。特に層状無機化合物の長辺と厚さの比(アスペクト比)が5以上と大きくなると、無機化合物の単位体積あたりの表面積が大きくなるため、ポリマーと層状無機化合物の界面での内部摩擦がより起こりやすくなり、剥離音を低減する効果が高くなったものと考えられる。
裏面シート中に含有させる層状無機化合物としては、アスペクト比が上記範囲内であるものを特に制限なく用いることができるが、取り扱い性やコストなどの面から、マイカ、タルク、カオリン、ベントナイト、グラファイト、ハイドロタルサイトなどが好ましく、特にマイカ、タルク、カオリン及びベントナイトからなる群から選択される少なくとも一種であることがコストおよび添加後のフィルムの色の点から好ましい。
層状無機化合物は、アスペクト比の異なった複数の無機化合物を混合しても良い。
層状無機化合物は、アスペクト比の異なった複数の無機化合物を混合しても良い。
裏面シート中における、前記特定アスペクト比を有する前記層状無機化合物の含有量は、充分な剥離音低減効果を得る観点やシートの成形性等の観点から10〜70質量%が好ましく、より好ましくは15〜65質量%、さらに好ましくは20〜65質量%である。
尚、裏面シートは、アスペクト比が5〜20である層状無機化合物を含む層のみからなるものであっても、該層に、不織布、織布等からなる繊維層が積層されて一体化されているものであっても良い。繊維層の一体化方法としては、熱融着や接着剤による接着等が挙げられる。裏面シートが、アスペクト比が5〜20である層状無機化合物を含む層に繊維層が積層された構造を有する場合においては、層状無機化合物の含有量の算出及び後述するポリマー成分中のエラストマーの含有量の算出においては、該繊維層はないものとして扱う。即ち、層状無機化合物を含む層中の含有量とする。
尚、裏面シートは、アスペクト比が5〜20である層状無機化合物を含む層のみからなるものであっても、該層に、不織布、織布等からなる繊維層が積層されて一体化されているものであっても良い。繊維層の一体化方法としては、熱融着や接着剤による接着等が挙げられる。裏面シートが、アスペクト比が5〜20である層状無機化合物を含む層に繊維層が積層された構造を有する場合においては、層状無機化合物の含有量の算出及び後述するポリマー成分中のエラストマーの含有量の算出においては、該繊維層はないものとして扱う。即ち、層状無機化合物を含む層中の含有量とする。
裏面シートのポリマー成分は、熱可塑性ポリマーを主成分とするものであることが好ましい。裏面シートのポリマー成分とは、裏面シートを構成する、無機化合物以外の成分をいう。尚、裏面シートが、アスペクト比が5〜20である層状無機化合物を含む層に繊維層が積層された構造を有する場合においては、繊維層の構成成分は、いずれもポリマー成分に含めない。
熱可塑性ポリマーとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)およびその加水分解物、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)などの変性ポリエチレン、脂肪族・芳香族ポリエステル、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12などのポリアミド、ポリウレタン、アクリル系樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱可塑性ポリマーとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)およびその加水分解物、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)などの変性ポリエチレン、脂肪族・芳香族ポリエステル、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12などのポリアミド、ポリウレタン、アクリル系樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
剥離音を一層低減する観点から、ポリマー成分は、熱可塑性エラストマーが主成分(熱可塑性エラストマーが100質量%の場合も含む)であることが好ましく、特に、オレフィン系熱可塑性エラストマー又はスチレン系熱可塑性エラストマーが主成分であることが好ましい。オレフィン系熱可塑性エラストマー又はスチレン系熱可塑性エラストマーのポリマー成分中の含有率は、50〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは60〜100質量%であり、更に好ましくは70〜100質量%である。
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレンと1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィンとの共重合体、ポリプロピレン中にエチレン−プロピレンゴム(EPMまたはEPDM)を微分散させたもの等が挙げられる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン成分(A)とゴム成分(B)とを有するAB型又はABA型のブロック共重合体等が挙げられる。
より具体的には、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体およびその水添物、スチレン−イソプレンジブロック共重合体およびその水添物、スチレン−イソブチレンジブロック共重合体、スチレン−ビニルイソプレンジブロック共重合体およびその水添物などのAB型ブロック共重合体、及びスチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体(SBS)およびその水添物(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体(SIS)およびその水添物(SEPS)、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(SIBS)、スチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(SVIS)およびその水添物などのABA型ブロック共重合体が挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン成分(A)とゴム成分(B)とを有するAB型又はABA型のブロック共重合体等が挙げられる。
より具体的には、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体およびその水添物、スチレン−イソプレンジブロック共重合体およびその水添物、スチレン−イソブチレンジブロック共重合体、スチレン−ビニルイソプレンジブロック共重合体およびその水添物などのAB型ブロック共重合体、及びスチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体(SBS)およびその水添物(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体(SIS)およびその水添物(SEPS)、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(SIBS)、スチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(SVIS)およびその水添物などのABA型ブロック共重合体が挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記AB型又はABA型のブロック共重合体は、シートの強度及び柔軟性の観点から、A成分であるスチレンの含有量(共重合比)が5〜80質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましい。
裏面シートのポリマー成分は、熱可塑性ポリマー以外に、可塑剤が混合されたものであっても良い。可塑剤としては、パラフィンオイル、パラフィンワックス、液状ポリブテン、液状ポリイソプレン、液状ポリイソブチレンなどの液状ゴムおよびそのカルボキシル基変性物や水酸基変性物、エチレン−α−オレフィンオリゴマーなどが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂及び可塑剤は、それぞれ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
裏面シートの成形方法としては、熱可塑性ポリマーを溶融してシートに成形可能な一般的な方法を用いることができる。例えば、前記層状無機化合物と熱可塑性ポリマーをヘンシェルミキサーで混合した後、2軸押出機によってマスターペレットを作製し、Tダイ成形機やインフレーション成形機でシートに成形することができる。また、裏面シートの厚さは、強度や装着性の点から15〜100μmが好ましく、より好ましくは30〜50μmである。
本発明の吸収性物品の裏面シートは、例えば図1に示す生理用ナプキンのように、ショーツ等の衣類に当接される面(衣類当接面)31に粘着剤層6が設けられて、吸収性物品の裏面シート3として好ましく用いられる。
図1に示す生理用ナプキン1は、液透過性の表面シート2及び液保持性の吸収体4からなる吸収層5と、液不透過性又は撥水性の裏面シート3とが積層状態で一体化された構造を有しており、その裏面シート3の衣類当接面に粘着剤が塗工されて、ナプキン1をショーツ等の衣類(装着具)に固定するための粘着剤層6が形成されている。図1に示す生理用ナプキン1は、着用時における着用者の前後方向と同じ方向に長い形状を有しており、その粘着剤層6は、ナプキン1の長手方向を長辺とする長方形状に形成されており且つナプキン長手方向の全長に対して50〜95%程度の長さに亘って連続的に形成されている。
粘着剤層を形成する粘着剤としては、従来公知の各種の粘着剤を用いることができるが、塗工作業性の観点からホットメルト型の粘着剤を用いることが好ましい。
ホットメルト型の粘着剤としては、例えば、スチレン系ブロックポリマー、粘着付与剤及び軟化剤を主成分とするものが好ましく用いられる。
前記スチレン系ブロックポリマーとしては、スチレン-ブタジエンジブロック共重合体及びその水添物、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体及びその水添物、スチレン−イソプレンジブロック共重合体及びその水添物、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体及びその水添物などが挙げられる。これらのスチレン系ブロックポリマーは、接着力の観点から、好ましくは、スチレン部分の分子量が5000〜20000であり、ゴム部分の分子量が25000〜70000である。前記粘着付与剤としては、軟化点が10℃以下で数平均分子量が400〜2000であるC5系石油樹脂、C9系石油樹脂、α−ピネン、β−ピネン又はジペンテンの共重合体であるポリテルペン樹脂、ロジン系樹脂、若しくはこれらの水添物などが挙げられる。前記軟化剤としては、軟化点が10℃以下で数平均分子量が150〜700のプロセスオイル、各種可塑剤、ポリブテン、液状樹脂などが挙げられる。
これらのスチレン系ブロックポリマー、粘着付与剤及び軟化剤は、それぞれ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記軟化剤の含有量は、剥離音の低減と粘着性の兼ね合いから、粘着剤全量に対して20〜45質量%であることが好ましく、より好ましくは24〜38質量%、さらに好ましくは28〜32質量%である。
粘着剤層の坪量は、例えば10〜100g/m2とすることができ、好ましくは30〜60g/m2である。
ホットメルト型の粘着剤としては、例えば、スチレン系ブロックポリマー、粘着付与剤及び軟化剤を主成分とするものが好ましく用いられる。
前記スチレン系ブロックポリマーとしては、スチレン-ブタジエンジブロック共重合体及びその水添物、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体及びその水添物、スチレン−イソプレンジブロック共重合体及びその水添物、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体及びその水添物などが挙げられる。これらのスチレン系ブロックポリマーは、接着力の観点から、好ましくは、スチレン部分の分子量が5000〜20000であり、ゴム部分の分子量が25000〜70000である。前記粘着付与剤としては、軟化点が10℃以下で数平均分子量が400〜2000であるC5系石油樹脂、C9系石油樹脂、α−ピネン、β−ピネン又はジペンテンの共重合体であるポリテルペン樹脂、ロジン系樹脂、若しくはこれらの水添物などが挙げられる。前記軟化剤としては、軟化点が10℃以下で数平均分子量が150〜700のプロセスオイル、各種可塑剤、ポリブテン、液状樹脂などが挙げられる。
これらのスチレン系ブロックポリマー、粘着付与剤及び軟化剤は、それぞれ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記軟化剤の含有量は、剥離音の低減と粘着性の兼ね合いから、粘着剤全量に対して20〜45質量%であることが好ましく、より好ましくは24〜38質量%、さらに好ましくは28〜32質量%である。
粘着剤層の坪量は、例えば10〜100g/m2とすることができ、好ましくは30〜60g/m2である。
本発明の吸収性物品の裏面シートのポリマー成分(裏面シートの成分から無機化合物を除いた残りの成分、裏面シートが、アスペクト比が5〜20である層状無機化合物を含む層に繊維層が積層された構造を有する場合においては、繊維層の構成成分は、いずれもポリマー成分に含めない。)は、温度25℃、周波数2000Hzにおける損失正接(tanδ,以下、単に「tanδ」ともいう)が0.2〜3.0であることが好ましい。ポリマー成分のtanδが、0.2以上であると、剥離音の低減効果を一層向上させることができる。tanδが3.0超であると、裏面シートとして使用するに充分な強度を確保することが困難になる。
ショーツ等の衣類から吸収性物品を引き剥がす際に生じる剥離音の周波数成分を、騒音計(リオン株式会社製「普通騒音計NL−20」および「小型FFT分析器SA−78」)を用いて分析したところ、2000Hz付近の音の成分が特に多く含まれていた。この2000Hzにおけるtanδが大きい材料を用いることにより、人が感じ易い剥離音をより一層効果的に低減可能である。尚、tanδが大きくなると一層剥離音が小さくなるのは、振動エネルギーが熱エネルギーとして散逸しやすくなるためであると考えられる。
ショーツ等の衣類から吸収性物品を引き剥がす際に生じる剥離音の周波数成分を、騒音計(リオン株式会社製「普通騒音計NL−20」および「小型FFT分析器SA−78」)を用いて分析したところ、2000Hz付近の音の成分が特に多く含まれていた。この2000Hzにおけるtanδが大きい材料を用いることにより、人が感じ易い剥離音をより一層効果的に低減可能である。尚、tanδが大きくなると一層剥離音が小さくなるのは、振動エネルギーが熱エネルギーとして散逸しやすくなるためであると考えられる。
裏面シートのポリマー成分は、吸収性物品を衣類から引き剥がす際の音の一層の低減及び強度の確保の観点から、温度25℃、周波数2000Hzにおけるtanδが、0.2〜3.0であることが好ましく、0.5〜2.0であることがより好ましい。
裏面シートのポリマー成分は、温度25℃、周波数2000Hzにおける貯蔵弾性率E’が、5.0×106〜1.0×1010Paであることが好ましく、1.0×107〜1.0×109Paであることがより好ましい。 裏面シートのポリマー成分が熱可塑性エラストマーを主成分とするものである場合には、tanδが高いほど粘着性が高くなる傾向にあり、粘着性が高くなり過ぎるとシートどうしのブロッキングが起こり、裏面シート及び吸収性物品の製造上好ましくない。しかし、裏面シートのポリマー成分の貯蔵弾性率E’が5.0×106Pa以上とすることにより、そのようなブロッキングを起こりにくくすることができ、裏面シート及び吸収性物品の安定した製造が可能となる。また、裏面シートのポリマー成分の貯蔵弾性率E’を1.0×1010Pa以下とすることにより、シートを柔軟に形成することができる。
裏面シートのポリマー成分のtanδ及び貯蔵弾性率E’は、以下のようにしてポリマー成分から、測定用シートを成形し、その測定用シートについて粘弾性を測定して求めた。
[測定用シートの成形方法]
170℃に加熱されたプレス成形用金型にポリマーを投入し、2.5×107Paの圧力をかけ、2分間加熱した。その後、水冷プレスに金型を移し、5.0×105Paの圧力をかけ、10分間冷却し、厚さ200μmのシートを得た。
[粘弾性の測定]
上述のようにして得られた測定用シートを、幅5mm、長さ20mmに裁断し、得られた試料を用いて、裏面シートの材料の動的粘弾性を、動的粘弾性測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製 DMS6100)で測定した。測定条件は以下の通りである。測定結果を表1に示した。
変形モード : フィルムずりモード
測定周波数 : 0.5、1、2、5、10Hz
測定温度範囲 : −130℃〜+120℃
昇温速度 : 2℃/分
雰囲気 : 窒素ガス200mL/分
得られた測定結果を用い、温度時間換算則によって作成されたマスターカーブ(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製 マスターカーブ解析プログラムにより作成)から、2000HzにおけるE’およびtanδを導いた。
[測定用シートの成形方法]
170℃に加熱されたプレス成形用金型にポリマーを投入し、2.5×107Paの圧力をかけ、2分間加熱した。その後、水冷プレスに金型を移し、5.0×105Paの圧力をかけ、10分間冷却し、厚さ200μmのシートを得た。
[粘弾性の測定]
上述のようにして得られた測定用シートを、幅5mm、長さ20mmに裁断し、得られた試料を用いて、裏面シートの材料の動的粘弾性を、動的粘弾性測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製 DMS6100)で測定した。測定条件は以下の通りである。測定結果を表1に示した。
変形モード : フィルムずりモード
測定周波数 : 0.5、1、2、5、10Hz
測定温度範囲 : −130℃〜+120℃
昇温速度 : 2℃/分
雰囲気 : 窒素ガス200mL/分
得られた測定結果を用い、温度時間換算則によって作成されたマスターカーブ(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製 マスターカーブ解析プログラムにより作成)から、2000HzにおけるE’およびtanδを導いた。
本発明の裏面シートを用いた吸収性物品又は本発明に係る吸収性物品は、通常、裏面シートの衣類当接面に設けられる粘着剤層又は設けられた粘着剤層を介してショーツ等の衣類に固定され、その状態で着用者に装着される。本発明の裏面シート及び吸収性物品は、衣類の素材を選ばずに剥離音の低減効果があるが、クロッチ部が天竺編の布、特に綿の天竺編の布からなるショーツと組み合わせて用いた場合に一層剥離音が低減される。
生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等の吸収性物品は、一般に、ショーツとは別個に流通(市販等)されているため、消費者が、クロッチ部が天竺編の布からなるショーツとの組み合わせで使用できるようにする観点から、本発明の裏面シートを用いた吸収性物品又は本発明に係る吸収性物品は、クロッチ部が天竺編の布からなるショーツと組み合わせて使用することを推奨する表示を付した包装材(樹脂フィルム材からなる包装袋や、紙等からなる箱等)に収納し、吸収性物品の包装体として流通(市販等)させることが好ましい。クロッチ部が天竺編の布からなるショーツと組み合わせて使用することを推奨する表示は、そのようなショーツを商品名や品番等で特定し、該商品名や品番等のショーツの使用を勧める表示であっても良い。
また、これに代えて、本発明の裏面シートを用いた吸収性物品又は本発明に係る吸収性物品と、クロッチ部が天竺編の布からなるショーツとを組み合わせて、吸収性物品セットとして流通(市販等)させることもできる。
また、これに代えて、本発明の裏面シートを用いた吸収性物品又は本発明に係る吸収性物品と、クロッチ部が天竺編の布からなるショーツとを組み合わせて、吸収性物品セットとして流通(市販等)させることもできる。
本発明における吸収性物品は、生理用ナプキンの他、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等であっても良い。吸収性物品の裏面シート以外の構成は、特に制限されず、公知のものと同様とすることができる。例えば、表面シートとしては、各種製法による不織布や開孔フィルム等を用いることができ、吸収体としては、親水性繊維の繊維集合体又はこれと高分子吸水ポリマーとを併用したもの等を用いることができる。また、吸収性物品は、いわゆるウイングを有するものであっても有しないものであっても良く、また、表面シートの両側部が吸収体4と裏面シート3との間に巻き下げられておらずに、吸収体4の周縁部外方で裏面シート3に接合されていても良い。
粘着剤層の平面視形状も、適宜の形態とすることができ、従来公知の各種形態のものと同様の形態とすることもできる。例えば、上述した矩形状の粘着剤層に代えて、楕円形、円形、菱形、正方形、五角形、六角形等の形状の粘着剤層を設けることもできる。また、ナプキンの幅方向及び/又は長手方向に離間させて複数の粘着剤層を形成しても良く、例えば、ナプキンの幅方向に延びる帯状の粘着剤層及び/又は長手方向に延びる帯状の粘着剤層を多数設けても良いし、粘着剤層をドット状(散点模様状)あるいは市松模様状に分散配置することもできる。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら制限されるものではない。
〔実施例1〕
直鎖低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製 ウルトゼックス2520F)85質量%、およびマイカ((株)山口雲母工業所 雲母粉A−21、アスペクト比20)15質量%をシート原料として二軸押出機に投入し、200℃で混練し、エラストマーとマイカが混合されたマスターペレットを得た。このペレットをTダイ成形機に投入し200℃で成形し、厚さ35μmのフィルムを得た。得られたシートを裏面シートとして用い、幅10cm長さ22cmの生理用ナプキンを製造した。
生理用ナプキンは、台紙に包まれた吸収体を、表面シートと裏面シートではさみ、これら両シートの周囲をヒートシールによって接合して製造した。台紙に包まれた吸収体と裏面シートとの間はホットメルト系接着剤で固定した。裏面シート以外は、花王株式会社製の市販の生理用ナプキン「ロリエさらさらクッション(商品名)」と同一の材料を用いた。
裏面シートの衣類当接面には、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)15質量%、石油系樹脂(タッキファイヤー)55質量%、オイル(軟化剤)30質量%からなるホットメルト型粘着剤を、幅3cm、長さ10cm、坪量30g/m2になるように塗布して粘着剤層を形成した。
〔実施例1〕
直鎖低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製 ウルトゼックス2520F)85質量%、およびマイカ((株)山口雲母工業所 雲母粉A−21、アスペクト比20)15質量%をシート原料として二軸押出機に投入し、200℃で混練し、エラストマーとマイカが混合されたマスターペレットを得た。このペレットをTダイ成形機に投入し200℃で成形し、厚さ35μmのフィルムを得た。得られたシートを裏面シートとして用い、幅10cm長さ22cmの生理用ナプキンを製造した。
生理用ナプキンは、台紙に包まれた吸収体を、表面シートと裏面シートではさみ、これら両シートの周囲をヒートシールによって接合して製造した。台紙に包まれた吸収体と裏面シートとの間はホットメルト系接着剤で固定した。裏面シート以外は、花王株式会社製の市販の生理用ナプキン「ロリエさらさらクッション(商品名)」と同一の材料を用いた。
裏面シートの衣類当接面には、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)15質量%、石油系樹脂(タッキファイヤー)55質量%、オイル(軟化剤)30質量%からなるホットメルト型粘着剤を、幅3cm、長さ10cm、坪量30g/m2になるように塗布して粘着剤層を形成した。
〔実施例2〕
直鎖低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製 ウルトゼックス2520F)80質量%、およびマイカ((株)山口雲母工業所 雲母粉A−21、アスペクト比20)20質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔実施例3〕
マイカ20質量%に代えて、タルク[日本タルク(株) MS−T(アスペクト比 10)]20質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔実施例4〕
マイカ20質量%に代えて、カオリン[Engelhard社製 SATINTONE W (アスペクト比 10)]20質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔実施例5〕
マイカ20質量%に代えて、ベントナイト[和光純薬工業(株)製 ベントナイト(試薬)(アスペクト比 5)]20質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔実施例6〕
直鎖低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製 ウルトゼックス2520F)40質量%、およびマイカ((株)山口雲母工業所製 雲母粉A−21)60質量%をシート原料として用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
直鎖低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製 ウルトゼックス2520F)80質量%、およびマイカ((株)山口雲母工業所 雲母粉A−21、アスペクト比20)20質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔実施例3〕
マイカ20質量%に代えて、タルク[日本タルク(株) MS−T(アスペクト比 10)]20質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔実施例4〕
マイカ20質量%に代えて、カオリン[Engelhard社製 SATINTONE W (アスペクト比 10)]20質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔実施例5〕
マイカ20質量%に代えて、ベントナイト[和光純薬工業(株)製 ベントナイト(試薬)(アスペクト比 5)]20質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔実施例6〕
直鎖低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製 ウルトゼックス2520F)40質量%、およびマイカ((株)山口雲母工業所製 雲母粉A−21)60質量%をシート原料として用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔実施例7〕
直鎖低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製 ウルトゼックス2520F)40質量%、オレフィン系熱可塑性エラストマー((三井デュポンポリケミカル(株)製 タフマー4070S)40質量%、およびマイカ((株)山口雲母工業所製 雲母粉A−21)20質量%をシート原料として用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔実施例8〕
直鎖低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製 ウルトゼックス2520F)40質量%、AB型スチレン系エラストマー((株)クラレ製 ハイブラー7350(スチレン含量50質量%))40質量%、およびマイカ((株)山口雲母工業所製 雲母粉A−21)20質量%をシート原料として用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔実施例9〕
直鎖低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製 ウルトゼックス2520F)40質量%、ABA型スチレン系熱可塑性エラストマー[(株)クラレ製 ハイブラー7311S(スチレン含量12質量%)]40質量%、およびマイカ((株)山口雲母工業所製 雲母粉A−21)20質量%をシート原料として用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
直鎖低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製 ウルトゼックス2520F)40質量%、オレフィン系熱可塑性エラストマー((三井デュポンポリケミカル(株)製 タフマー4070S)40質量%、およびマイカ((株)山口雲母工業所製 雲母粉A−21)20質量%をシート原料として用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔実施例8〕
直鎖低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製 ウルトゼックス2520F)40質量%、AB型スチレン系エラストマー((株)クラレ製 ハイブラー7350(スチレン含量50質量%))40質量%、およびマイカ((株)山口雲母工業所製 雲母粉A−21)20質量%をシート原料として用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔実施例9〕
直鎖低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製 ウルトゼックス2520F)40質量%、ABA型スチレン系熱可塑性エラストマー[(株)クラレ製 ハイブラー7311S(スチレン含量12質量%)]40質量%、およびマイカ((株)山口雲母工業所製 雲母粉A−21)20質量%をシート原料として用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔実施例10〕
実施例9と同様にして生理用ナプキンを製造した。但し、裏面シートの衣類当接面には、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)25質量%、水添石油系樹脂(タッキファイヤー)55質量%、軟化剤20質量%からなる粘着剤を、幅3cm、長さ10cm、坪量30g/m2になるように塗布した。
実施例9と同様にして生理用ナプキンを製造した。但し、裏面シートの衣類当接面には、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)25質量%、水添石油系樹脂(タッキファイヤー)55質量%、軟化剤20質量%からなる粘着剤を、幅3cm、長さ10cm、坪量30g/m2になるように塗布した。
〔比較例1〕
直鎖低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製 ウルトゼックス2520F)95質量%、およびマイカ((株)山口雲母工業所製 雲母粉A−21)5質量%をシート原料として用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔比較例2〕
直鎖低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製 ウルトゼックス2520F)40質量%、および炭酸カルシウム(三共精粉(株)製 エスカロン#2000 アスペクト比1)の60質量%をシート原料として用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
直鎖低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製 ウルトゼックス2520F)95質量%、およびマイカ((株)山口雲母工業所製 雲母粉A−21)5質量%をシート原料として用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔比較例2〕
直鎖低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製 ウルトゼックス2520F)40質量%、および炭酸カルシウム(三共精粉(株)製 エスカロン#2000 アスペクト比1)の60質量%をシート原料として用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
実施例及び比較例に用いた無機化合物のアスペクト比は、下記の方法により測定した。
[アスペクト比の測定]
層状無機化合物をガラス板に少量取り、マイクロスコープ((株)キーエンス製 VH−8000)にて300倍に拡大し、層状無機化合物の任意の100粒子における長辺の長さおよび厚さを、マイクロスコープの縮尺表示より導いた。次に、長辺の長さおよび厚さの平均を計算し、(長辺の長さの平均)/(厚さの平均)を計算した。
[アスペクト比の測定]
層状無機化合物をガラス板に少量取り、マイクロスコープ((株)キーエンス製 VH−8000)にて300倍に拡大し、層状無機化合物の任意の100粒子における長辺の長さおよび厚さを、マイクロスコープの縮尺表示より導いた。次に、長辺の長さおよび厚さの平均を計算し、(長辺の長さの平均)/(厚さの平均)を計算した。
[剥離音低減効果の評価]
実施例および比較例で得られた生理用ナプキンの粘着剤面を、クロッチ布が綿の天竺編からなるショーツに貼り付け、次いでナプキンを引きはがしたときの剥離音を次の方法で評価した。まず、質量2kgのローラー(直径60mm、幅65mm)を用い、該ローラーを1往復転がし、ナプキンをショーツに圧着した。また、比較基準品として、花王株式会社製の市販の生理用ナプキン「ロリエさらさらクッション(商品名)」を同様の方法で同一構成のショーツに圧着した。そして、10人のパネラーに、評価対象である実施例又は比較例のナプキンと比較基準品とを、それぞれショーツから引き剥させ、その引き剥がしの際に発生する音の大小を評価させた。
パネラー10人のうちの8人以上が、評価対象のナプキンについて、引き剥がしの際に発生する剥離音が比較基準品のナプキンに比べて低減したと答えた場合を「○」、5〜7人が剥離音が低減したと答えた場合を「△」、4人以下が剥離音が低減したと答えた場合を「×」と評価した。なお「△」「○」の場合、低減効果があると判断した。評価結果を表1に示した。
更に、実施例9の生理用ナプキンについては、クロッチ部がパイル地からなるショーツ(花王(株)製「ロリエアクティブガードお出かけモード」)を用いる以外は、上記の方法と同様にして、クロッチ部がパイル地の場合の剥離音の低減効果を評価した。その結果を、表1中に実施例9−2として示した。
実施例および比較例で得られた生理用ナプキンの粘着剤面を、クロッチ布が綿の天竺編からなるショーツに貼り付け、次いでナプキンを引きはがしたときの剥離音を次の方法で評価した。まず、質量2kgのローラー(直径60mm、幅65mm)を用い、該ローラーを1往復転がし、ナプキンをショーツに圧着した。また、比較基準品として、花王株式会社製の市販の生理用ナプキン「ロリエさらさらクッション(商品名)」を同様の方法で同一構成のショーツに圧着した。そして、10人のパネラーに、評価対象である実施例又は比較例のナプキンと比較基準品とを、それぞれショーツから引き剥させ、その引き剥がしの際に発生する音の大小を評価させた。
パネラー10人のうちの8人以上が、評価対象のナプキンについて、引き剥がしの際に発生する剥離音が比較基準品のナプキンに比べて低減したと答えた場合を「○」、5〜7人が剥離音が低減したと答えた場合を「△」、4人以下が剥離音が低減したと答えた場合を「×」と評価した。なお「△」「○」の場合、低減効果があると判断した。評価結果を表1に示した。
更に、実施例9の生理用ナプキンについては、クロッチ部がパイル地からなるショーツ(花王(株)製「ロリエアクティブガードお出かけモード」)を用いる以外は、上記の方法と同様にして、クロッチ部がパイル地の場合の剥離音の低減効果を評価した。その結果を、表1中に実施例9−2として示した。
表1に示す結果から、実施例の生理用ナプキン(裏面シート)においては、剥離音が低減していることが判る。これに対して、層状無機化合物の含有率が10質量%未満の比較例1やアスペクト比が5未満の無機化合物を用いた比較例2では、何れも剥離音の低減効果が認められなかった。
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 吸収層
6 粘着剤層
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 吸収層
6 粘着剤層
Claims (7)
- 衣類当接面に粘着剤層が設けられる吸収性物品の裏面シートであって、
アスペクト比が5〜20である層状無機化合物を前記裏面シート中に10〜70質量%含む、吸収性物品の裏面シート。 - 前記層状無機化合物がマイカ、タルク、カオリン及びベントナイトからなる群から選択される少なくとも一種である請求項1記載の吸収性物品の裏面シート。
- 前記裏面シートのポリマー成分中に、オレフィン系熱可塑性エラストマーを50質量%以上含有する請求項1又は2記載の吸収性物品の裏面シート。
- 前記裏面シートのポリマー成分中に、スチレン系熱可塑性エラストマーを50質量%以上含有しており、該スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン成分(A)とゴム成分(B)とを有するAB型又はABA型のブロック共重合体であり、該スチレン系熱可塑性エラストマー中の前記スチレン成分(A)の含有量が5〜80質量%である請求項1又は2記載の吸収性物品の裏面シート。
- 吸収層及び請求項1〜4の何れかに記載の裏面シートを備え、該裏面シートの衣類当接面に粘着剤層が設けられている吸収性物品であって、
前記粘着剤層が、軟化剤を20〜45質量%含むホットメルト型の粘着剤を用いて形成されている吸収性物品。 - 吸収層及び請求項1〜4の何れかに記載の裏面シートを備え、該裏面シートの衣類当接面に粘着剤層が設けられている吸収性物品を、クロッチ部が天竺編の布からなるショーツと組み合わせて使用することを推奨する表示を有する包装材に収納してなる、吸収性物品の包装体。
- 吸収層及び請求項1〜4の何れかに記載の裏面シートを備え、該裏面シートの衣類当接面に粘着剤層が設けられている吸収性物品と、クロッチ部が天竺編の布からなるショーツとを組み合わせてなる、吸収性物品セット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005297987A JP2007105173A (ja) | 2005-10-12 | 2005-10-12 | 吸収性物品の裏面シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005297987A JP2007105173A (ja) | 2005-10-12 | 2005-10-12 | 吸収性物品の裏面シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007105173A true JP2007105173A (ja) | 2007-04-26 |
Family
ID=38031508
Family Applications (1)
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JP2005297987A Pending JP2007105173A (ja) | 2005-10-12 | 2005-10-12 | 吸収性物品の裏面シート |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007105173A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010000282A (ja) * | 2008-06-23 | 2010-01-07 | Oji Nepia Co Ltd | 使い捨ておむつ |
JP2022506817A (ja) * | 2018-11-08 | 2022-01-17 | ベリー グローバル インコーポレイテッド | 低い引き裂き伝播を有するエラストマーフィルム |
-
2005
- 2005-10-12 JP JP2005297987A patent/JP2007105173A/ja active Pending
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A02 | Decision of refusal |
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