JP2007104631A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多重結合線路および複数の電流ルートを利用して多帯域および広帯域の効果を得てアンテナのサイズを縮小するアンテナ装置を提供する。
【解決手段】アンテナ装置100は、基板102、基板102上に配置されている複数の曲折導電性線路104およびフィード導電性線路106を含む。これらの曲折導電性線路104のサイズは同じでなく、そのサイズにより順番に間隔を空けて平行に配列されている。フィード導電性線路106は、これらの曲折導電性線路104と電性結合されている。
【選択図】図1A
【解決手段】アンテナ装置100は、基板102、基板102上に配置されている複数の曲折導電性線路104およびフィード導電性線路106を含む。これらの曲折導電性線路104のサイズは同じでなく、そのサイズにより順番に間隔を空けて平行に配列されている。フィード導電性線路106は、これらの曲折導電性線路104と電性結合されている。
【選択図】図1A
Description
本発明は、アンテナ装置に関し、特にデジタルテレビに用いる平面型アンテナ装置に関する。
無線通信技術および家電製品技術の発展が著しい21世紀は、自動車の通信設備にとって有利な趨勢にあり、従来からあるカーステレオAM/FMおよびアナログTV(Analog TV)の他に、デジタルオーディオ放送(Digital Audio Broadcasting:DAB)、デジタルビデオ放送(Digital Video Broadcasting:DVB)、移動通信(Mobile Communications)、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network:WALN)、衛星測位システム(Global Positioning System:GPS)、高度道路交通システム(Intelligent Transportation System:ITS)などは将来自動車の標準装備になる可能性がある。
アンテナは電磁波を送受信する窓口であり、特別に設計された発射端によりラジオ周波数エネルギーを電磁波方式で空中に向かって放射したり、空中にある電磁波エネルギーを受信端で受信してラジオ周波数信号へ変換したりする。アンテナ設計の品質は通信設備全体のシステム能力に影響を与えるため、規格に合った実用的なアンテナを提供することは非常に重要であった。そして、アンテナには多くの形状およびサイズがあり、屋外設置型と内蔵型の二種類があった。現在の通信システムは軽薄短小の趨勢に向かっているため、内蔵型アンテナは将来アンテナ設計の主流となる可能性がある。
現在のデジタルテレビアンテナは従来の外側に伸ばすことのできるモノポールアンテナであったが、このアンテナは車体全体の美観に影響を与えただけでなく、走行中に風切音や雑音などが発生するという欠点もあった。以下、これに関する特許文献を例示して従来技術におけるデジタルテレビアンテナの導電性線路設計および製造工程に存在する欠点や性能上の問題点を述べる。
特許文献1では、デジタルテレビ信号を受信するために用いるデジタルテレビアンテナが開示されている。このデジタルテレビアンテナの内部には、順番に下銅管、上銅管およびスプリング式受信要素が組み合わされ、スプリング式受信要素の上端部とデジタルテレビアンテナの内部にある信号線とが半田により固定されている。そして下銅管、上銅管およびスプリング式受信要素の間の断面積サイズを調整してスプリング式受信要素の上側にある受信部と信号線との間の半田位置を調整することにより、デジタルテレビアンテナに必要な周波数の増加及び調整を行うことができる。しかし、このアンテナはモノポールアンテナ(Monopole Antenna)であるため体積が大きく、その応用は限定されたものであった。
特許文献2では、デジタルテレビの平面縮小型アンテナが開示されている。このアンテナには、基板および複数のアンテナが含まれ、基板の上下表面にはそれぞれ銅箔を印刷する方式によりストライプ状の線が形成され、基板の下表面のストライプ状の線の中央箇所にはアダプターが接続され、フィード線が基板の上下表面を貫通して接続されている。ストライプ状の線の両側には、それから垂直に延伸された複数の城壁状のアンテナがあり、それは基板の円方向の第2象限、第4象限に分布され、各象限には三組のアンテナが平行に配列され、外縁のアンテナの長さは内縁よりも長い。第2象限および第4象限のアンテナは対称に配列され、各アンテナはストライプ状の線近くにあり、複数の隙間が形成されて、容量結合によりLC共振を得て広い周波数帯域を得ることができる。しかし、この従来技術の縮小化アンテナにより広い周波数帯域を得るようにするとその体積が大きすぎるようになり、現在の軽薄短小という趨勢に合致しなくなった。
本発明の目的は、複数の結合線路および複数の電流ルートを利用することにより、多帯域および広帯域の効果を得てアンテナのサイズを縮小するアンテナ装置を提供することにある。
本発明のアンテナ装置は、基板、基板上に配置されている複数の曲折導電性線路およびフィード導電性線路を含む。各曲折導電性線路のサイズは異なり、そのサイズに応じて順番に間隔を空けて平行に配列されている。フィード導電性線路は、これらの曲折導電性線路と電性結合(すなわち、電気的に接続)されている。
また、本発明のアンテナ装置は、基板および基板上に配置されている二つの導電性線路組を含む。それぞれの導電性線路組は、複数の曲折導電性線路およびフィード導電性線路を含む。各導電性線路の曲折導電性線路はサイズが異なり、そのサイズに応じて間隔を空けて平行に配列され、フィード導電性線路は、曲折導電性線路と電性結合されている。また、それぞれの曲折導電性線路は開口を有し、各導電性線路組にそれぞれ属する二組の開口は相対的に配置されている。
本発明のデジタルテレビアンテナ装置は、その線路の線幅、間隔、形状およびフィード点を必要な規格およびニーズに応じて設計するときに調整し、電磁結合効果によりアンテナの帯域幅を増大させてアンテナサイズを縮小する。
本発明のデジタルテレビアンテナ装置には、基板、基板上に配置されている複数の逆U字形導電性線路および少なくとも一つのフィード導電性線路が含まれている。これら逆U字形導電性線路はサイズが異なり、そのサイズに応じて順番に間隔を空けて平行に配列されている。また、フィード導電性線路は逆U字形導電性線路と電性結合されている。
上述したことから分かるように、本発明のアンテナ装置は、フィード導電性線路および複数の多重曲折導電性線路によりアンテナを構成し、それぞれの導電性線路の間を結合して多帯域および広帯域の共振を発生させ、アンテナサイズを縮小することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態は、サイズが異なる複数の曲折導電性線路を、間隔を空けて平行に配列し、多重結合効果により広帯域かつ小型のアンテナ装置を得る。また、当業者なら分かるように、設計時の必要に応じてアンテナの周波数、帯域幅およびパターンを考慮して曲折導電性線路の線路形状、開口方向、線幅、間隔および接地面の位置を調整して好適なアンテナ機能を得ることができる。
本発明の第1実施形態は、サイズが異なる複数の曲折導電性線路を、間隔を空けて平行に配列し、多重結合効果により広帯域かつ小型のアンテナ装置を得る。また、当業者なら分かるように、設計時の必要に応じてアンテナの周波数、帯域幅およびパターンを考慮して曲折導電性線路の線路形状、開口方向、線幅、間隔および接地面の位置を調整して好適なアンテナ機能を得ることができる。
図1Aは、本発明の第1実施形態を示す模式図である。アンテナ装置100には、基板102、基板102上に配置されている複数の曲折導電性線路104およびフィード導電性線路106が含まれる。これら曲折導電性線路104はサイズがそれぞれ異なり、そのサイズ順に間隔を空けて平行に配列されている。フィード導電性線路106は、これら曲折導電性線路104に電性結合されている。
更に詳しく述べると、フィード導電性線路106のフィード点117から信号が入力されたとき、線路位置127の箇所に多数の分岐ルートが形成され、これにより異なる長さの電流ルートが形成される。このような電流ルートの設計においては、短い電流ルート上の電流分布は高周波数の箇所に共振を発生させ、長い電流ルート上の電流分布は低周波数の箇所に共振を発生させるため、全体のアンテナ構造は多帯域かつ広帯域の共振効果を得ることができる。
本発明の他の実施形態による曲折導電性線路104の形状は、半円形、半環形、逆U字形、くの字形、L字形、それらを組み合わせた導電性線路またはその他開口を備えた曲折導電性線路でもよい。また、これら曲折導電性線路104の開口は、実質上同じ方向を向いている。実際の応用では、これらの開口は設計の必要に応じて異なる角度を備えていてもよい。また、この曲折導電性線路104の線幅は等しくても異なっていてもよい。また、同一のアンテナ装置100中に配置されている曲折導電性線路104は同様の線幅でもよいし、それぞれの線幅を調整して好適なアンテナの放射パターンや効果を得てもよい。同様に、これら曲折導電性線路104の間隔は、等しくとも異なっていてもよい。
図1Aに示すように、フィード導電性線路106は、接続線路部分126およびL形線路部分116を備える。接続線路部分126は、曲折導電性線路104に電性結合され、L形線路部分116は、間隔を空けて曲折導電性線路104の最も外側へ平行に配置されている。本実施形態では、L形線路部分116の端点であるフィード点117からアンテナ装置100中へ信号が入力される。しかし、実際の応用においては、任意の位置をフィード点および接地点にして信号を入力し、線路の長さを変えることにより、アンテナ装置100の周波数を偏移させてもよい。つまり、異なる位置のフィード点および接地点を選択して線路長さを調整することによりアンテナ装置100が送受信する帯域幅を微調整してもよい。
基板102は誘電体材料または絶縁材料でもよく、例えばPCB回路板材料などである。導電性線路104、106の材料は、金属、合金またはその他の導電材料でもよく、例えば一般に使用される金属銅などである。この実施形態では、導電性線路の上方を保護層または高い誘電率を有する誘電体層でカバーする。例えば、埋め込み式射出成型(Insert Molding)を使用して導電性線路を誘電体材料中へ埋め込むことにより、導電性線路が外部からの破壊を受けることを防ぎ、誘電体材料によりアンテナ装置100の線路サイズを縮小する。
また、アンテナ装置100は、曲折導電性線路104の一つに電性結合されている接地面108をさらに含み、その機能は接地の機能を提供することができる他、導電性線路と結合してアンテナの体積を縮小する効果を達成することもできる。接地面108は、図1Aに示すように曲折導電性線路104の横に配置したり、曲折導電性線路104に対応するように基板102の反対面に配置したりしてもよい(図示せず)。つまり、この接地面108を曲折導電性線路104の右側、左側または下方など様々な位置に配置し、配列の組み合わせを変えることにより様々な効果を得てもよい。本発明の他の実施形態では、基板102上の二つの異なる位置にある接地面が同時に配置されてもよい。例えば、その一方を曲折導電性線路104の横へ配置し、その他方を基板102の反対面へ配置してもよい。これにより接地が提供される他に、アンテナ装置100の電磁結合効果を変えることもできる。
図1Bは、図1Aのアンテナ装置100のアンテナ・反射損失(Return Loss)の周波数応答を示すグラフであり、その縦軸は単位がデシベル(dB)であるアンテナ・反射損失を示し、その横軸は単位がメガヘルツ(MHz)であるアンテナ周波数を示す。本実施形態の曲折導電性線路104およびフィード導電性線路106の線幅は1.6mmであり、その間隔は0.8mmである。しかし、ここで強調しておくことは、それぞれの曲折導電性線路104およびフィード導電性線路106のサイズは、応用に応じて調整し、必要な周波数共振点を得ることができるという点である。図1Bから分かるように、このアンテナ装置100の−3dBの反射損失周波数幅は430〜760MHzの間であり、帯域幅は330MHzであり、世界中のほとんどの地域のUHF周波数帯域の地面放送デジタルテレビの受信規格を満たす(台湾地区:530〜602MHz、全世界:470〜860MHz)。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態では、同一基板上に開口が相対的に設けられている二つの導電性線路組が配置されており、それぞれの導電性線路組には、複数の曲折導電性線路およびフィード線路が含まれている。また、本実施形態の二つの導電性線路組は、同じ数の曲折導電性線路を有し、フィード導電性線路がそれら曲折導電性線路内の一つと一部重なっている。また、接地面は基板の反対面に配置されている。
本発明の第2実施形態では、同一基板上に開口が相対的に設けられている二つの導電性線路組が配置されており、それぞれの導電性線路組には、複数の曲折導電性線路およびフィード線路が含まれている。また、本実施形態の二つの導電性線路組は、同じ数の曲折導電性線路を有し、フィード導電性線路がそれら曲折導電性線路内の一つと一部重なっている。また、接地面は基板の反対面に配置されている。
図2Aは、本発明の第2実施形態を示す模式図である。アンテナ装置200には、基板202、基板202上に配置されている第1の導電性線路組210aおよび第2の導電性線路組210bが含まれている。第1の導電性線路組210aには、複数の第1の曲折導電性線路204aおよび第1のフィード導電性線路206aが含まれ、この第1のフィード導電性線路206aは、第1の曲折導電性線路204aに電性結合されている。各第1の曲折導電性線路204aのサイズはそれぞれ異なり、そのサイズ順に間隔を空けて平行に配列されている。
第2の導電性線路組210bには、複数の第2の曲折導電性線路204bおよび第2のフィード導電性線路206bが含まれ、この第2のフィード導電性線路206bは、第2の曲折導電性線路204bに電性結合されている。これら第2の曲折導電性線路204bのサイズは異なり、そのサイズ順に間隔を空けて平行に配列されている。また、各曲折導電性線路204a、204bはそれぞれ開口を有し、第1の導電性線路組210aおよび第2の導電性線路組210bの二組の開口は、互いに向き合った状態で相対的に配置されている。
本発明の他の実施形態による曲折導電性線路204a、204bの線路形状は、半円形、半環形、逆U字形、くの字形、L字形、それらを組み合わせた導電性線路またはその他開口を有する曲折導電性線路でもよい。また、同一の導電性線路組に設けられている第1の曲折導電性線路204aまたは第2の曲折導電性線路204bの開口は実質上同じ方向を向いている。本実施形態の第1の導電性線路組210aおよび第2の導電性線路組210bは、同じ数の第1の曲折導電性線路204aおよび第2の曲折導電性線路204bを有する。また、この二つの導電性線路組210a、210bは、互いに反対向きの状態で基板202上に配置されている。
第1のフィード導電性線路206aは、第1の接続線路部分226aおよび第1のL形線路部分216aを有する。第1の接続線路部分226aは、第1の曲折導電性線路204aと電性結合され、第1のL形線路部分216aは、一部が最も外側にある第1の曲折導電性線路204aと重なっている。第2のフィード導電性線路206bは、第2の接続線路部分226bおよび第2のL形線路部分216bを有する。第2の接続線路部分226bは、第2の曲折導電性線路204bと電性結合され、第2のL形線路部分216bは、一部が最も外側にある第2の曲折導電性線路204bと重なっている。
本実施形態では、第1のL形線路部分216aの端点にあるフィード点217からアンテナ装置200中へ信号が入力され、接地点215が第2のL形線路部分216bの端点に配置されている。しかし、実際の応用においては、任意の位置をフィード点および接地点にして信号を入力し、線路の長さを変えることにより、このアンテナ装置200の周波数を偏移させてもよい。或いはフィード点217と接地点215との位置を交換してもよい。つまり、異なる位置のフィード点および接地点を選択して線路長さを調整することにより、アンテナ装置200が送受信する帯域幅を微調整してもよい。
また、これら曲折導電性線路204a、204bの線幅は、同じにしても異なるようにしてもよい。これら曲折導電性線路204a、204bの間隔も同様に同じにしても異なるようにしてもよい。例えば、それぞれ異なる導電性線路組に属する曲折導電性線路204a、204bは、同じか異なる線幅および間隔を有し、同じ導電性線路組に属する曲折導電性線路204a、204bも同じか異なる線幅および間隔を有するようにしてもよい。
基板202の材料は、誘電体材料または絶縁材料でもよく、例えばPCB回路板材料などである。導電性線路204a、204b、206a、206bの材料は、金属、合金またはその他の導電材料でもよく、例えば一般に使用される金属銅などである。また、アンテナ装置200は、上述の接地点215に電性結合されている接地面(図示せず)をさらに含む。接地点215は、必要に応じて導電性線路上の任意の位置を選択することができ、接地面は曲折導電性線路204a、204bのうちの一つと電性結合することもできる。
この接地面は、図1Aに示すように第1の曲折導電性線路204aまたは第2の曲折導電性線路204bの横に配置してもよいし、本実施形態のように曲折導電性線路204a、204bを有する基板202の反対面に配置してもよい。或いは、基板202上に二つの接地面を同時に配置してもよい。例えば、一方の接地面を曲折導電性線路204a、204bの横へ配置し、他方の接地面を基板202の反対面へ配置してもよい。これにより接地を提供することができる他、アンテナ装置200の電磁結合効果を変えることもできる。
図2Bは、図2Aのアンテナ装置200のアンテナ・反射損失の周波数応答を示すグラフであり、その縦軸は単位がデシベル(dB)であるアンテナ・反射損失を示し、その横軸は単位がメガヘルツ(MHz)であるアンテナ周波数を示す。本実施形態の曲折導電性線路204a、204bおよびフィード導電性線路206a、206bの線幅は1.6mmであり、その間隔は0.8mmである。しかし、ここで強調しておかなければならないことは、それぞれの曲折導電性線路204a、204bおよびフィード導電性線路206a、206bのサイズは、必要な共振点を得るため、その応用に合わせて調整することができるという点である。図2Bから分かるように、このアンテナ装置200の−3dBの反射損失周波数幅は400〜620MHzの間であり、帯域幅は少なくとも220MHzであるため、世界中のほとんどの地域のUHF周波数帯域の地面放送デジタルテレビの受信規格を満たす。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態は、異なる数を有して対称でない曲折導電性線路により、二つの開口が相対している導電性線路組を説明する。これら二つの導電性線路組中のフィード導電性線路は、それぞれ異なる線路形状および線路長さを有し、その内の一つは間隔を空けて曲折導電性線路の最も外側へ平行に配置され、もう一つは一部が最も外側にある曲折導電性線路と重なっていてもよい。
本発明の第3実施形態は、異なる数を有して対称でない曲折導電性線路により、二つの開口が相対している導電性線路組を説明する。これら二つの導電性線路組中のフィード導電性線路は、それぞれ異なる線路形状および線路長さを有し、その内の一つは間隔を空けて曲折導電性線路の最も外側へ平行に配置され、もう一つは一部が最も外側にある曲折導電性線路と重なっていてもよい。
図3Aは、本発明の第3実施形態を示す模式図である。アンテナ装置300には、基板302、基板302上に配置されている第1の導電性線路組310aおよび第2の導電性線路組310bが含まれている。第1の導電性線路組310aには、複数の第1の曲折導電性線路304aおよび第1のフィード導電性線路306aが含まれ、この第1のフィード導電性線路306aは、第1の曲折導電性線路304aに電性結合されている。これら第1の曲折導電性線路304aのサイズは異なり、サイズ順に間隔を空けて平行に配列されている。
第2の導電性線路組310bには、複数の第2の曲折導電性線路304bおよび第2のフィード導電性線路306bが含まれ、この第2のフィード導電性線路306bは、第2の曲折導電性線路304bに電性結合されている。これら第2の曲折導電性線路304bはサイズが異なり、そのサイズ順に間隔を空けて平行に配列されている。また、各曲折導電性線路304a、304bはそれぞれ開口を有し、第1の導電性線路組310aおよび第2の導電性線路組310bの二組の開口は向き合った状態で相対的に配置されている。
本発明の他の実施形態では、曲折導電性線路304a、304bの形状は、半円形、半環形、逆U字形、くの字形、L字形またはそれらを組み合わせた形状の導電性線路、その他開口を備えた曲折導電性線路でもよい。また、同一の導電性線路組に設けられている第1の曲折導電性線路304aまたは第2の曲折導電性線路304bの開口は実質上同じ方向を向いている。本実施形態において、第1の導電性線路組310aおよび第2の導電性線路組310bは、異なる数の第1の曲折導電性線路304aおよび第2の曲折導電性線路304bを有する。
第1のフィード導電性線路306aは、第1の接続線路部分326aおよび第1のL形線路部分316aを備える。第1の接続線路部分326aは、これら第1の曲折導電性線路304aと電性結合し、第1のL形線路部分316aは、その一部が最も外側にある第1の曲折導電性線路304aと重なる。第2のフィード導電性線路306bは、第2の接続線路部分326bおよび第2のF形線路部分316bを備える。この第2の接続線路部分326bは、第2の曲折導電性線路304bと電性結合し、第2のF形線路部分316bは、間隔を空けて第2の曲折導電性線路304bの最も外側へ平行に配置されている。
本実施形態では、第1のL形線路部分316aの端点にあるフィード点317からアンテナ装置300中へ信号が入力され、接地点315が第2のF形線路部分316bの端点に配置されている。しかし実際の応用では、任意の位置をフィード点および接地点にして信号を入力し、線路の長さを変えることにより、このアンテナ装置300の周波数を偏移させてもよい。或いは、フィード点317と接地点315との位置を交換してもよい。つまり、異なる位置のフィード点および接地点を選択して線路長さを調整することにより、アンテナ装置300が送受信する帯域幅を微調整することができる。同様に、第1のL形線路部分316aおよび第2のF形線路部分316bの線路長さを短くしたり延長したりすることにより、アンテナ装置300が送受信する帯域幅を微調整する効果を得てもよい。
一方、当業者であるなら分かるように、本実施形態のフィード導電性線路は、接続線路部分および多重ライン方式の線路部分を実質上有している。接続線路部分は、これら曲折導電性線路に電性結合され、多重ライン方式の線路部分は間隔を空けて、曲折導電性線路の最も外側へ平行に配置されてもよいし、その一部が曲折導電性線路のうちの一つと重なってもよい。
また、これら曲折導電性線路304a、304bは、線幅が同じでも異なっていてもよい。これら曲折導電性線路304a、304bの間隔も同様に同じでも異なっていてもよい。例えば、それぞれ異なる導電性線路組に属する曲折導電性線路304a、304bの線幅および間隔は同じでも異なっていてもよく、同じ導電性線路組に属する第1の曲折導電性線路304aまたは第2の曲折導電性線路304bの線幅および間隔も同じでも異なっていてもよい。
基板302の材料は誘電体材料または絶縁材料でもよく、例えばPCB回路板材料などである。導電性線路304a、304b、306a、306bの材料は、金属、合金またはその他の導電材料でもよく、例えば一般に使用される金属銅などである。また、アンテナ装置300は、接地点315に電性結合されている接地面(図示せず)をさらに含む。接地点315は、必要に応じて導電性線路上の任意の位置を選択し、接地面は曲折導電性線路304a、304bのうちの一つと電性結合することができる。
この接地面は、図1Aに示すように第1の曲折導電性線路304aまたは第2の曲折導電性線路304bの横に配置してもよいし、本実施形態のように曲折導電性線路304a、304bを基板302の反対面に配置してもよい。或いは、基板302上に二つの接地面を同時に配置し、例えばその一方を曲折導電性線路304a、304bの横へ配置し、その他方を基板302の反対面へ配置する。これにより接地を提供することができる上、アンテナ装置300の電磁結合効果を変えることもできる。
図3Bは、図3Aのアンテナ装置300のアンテナ・反射損失の周波数応答を示すグラフであり、その縦軸は単位がデシベル(dB)であるアンテナ・反射損失を示し、その横軸は単位がメガヘルツ(MHz)であるアンテナ周波数を示す。本実施形態の曲折導電性線路304a、304bおよびフィード導電性線路306a、306bの線幅は1.6mmであり、その間隔は0.8mmである。しかし、ここで強調しておかなければならないことは、各曲折導電性線路304a、304bおよびフィード導電性線路306a、306bのサイズを必要に応じて調整して必要な共振点を得ることができるという点である。図3Bから分かるように、このアンテナ装置300の−3dBの反射損失周波数の範囲は、270〜310MHz、450〜560MHzおよび740〜880MHzの間の三つの帯域幅を有するため、世界中のほとんどの地域のVHFおよびUHFの周波数帯域の地面放送デジタルテレビの受信規格を満たす。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を二つの開口が相対している導電性線路組により説明する。フィード導電性線路のF型線路部分は、それぞれ長さが異なるために470〜860MHzの間の帯域範囲を得ることができる。そのためこのアンテナ装置は、特にUHFの周波数帯域の地面放送デジタルテレビのラジオ周波数信号を受信するのに適している。
次に、本発明の第4実施形態を二つの開口が相対している導電性線路組により説明する。フィード導電性線路のF型線路部分は、それぞれ長さが異なるために470〜860MHzの間の帯域範囲を得ることができる。そのためこのアンテナ装置は、特にUHFの周波数帯域の地面放送デジタルテレビのラジオ周波数信号を受信するのに適している。
図4Aは、本発明の第4実施形態を示す模式図である。アンテナ装置400には、基板402、基板402上に配置されている第1の導電性線路組410aおよび第2の導電性線路組410bが含まれている。第1の導電性線路組410aには、複数の第1の曲折導電性線路404aおよび第1のフィード導電性線路406aが含まれ、この第1のフィード導電性線路406aは、第1の曲折導電性線路404aに電性結合されている。各第1の曲折導電性線路404aはサイズが異なり、そのサイズ順に間隔を空けて平行に配列されている。
第2の導電性線路組410bには、複数の第2の曲折導電性線路404bおよび第2のフィード導電性線路406bが含まれ、この第2のフィード導電性線路406bは、第2の曲折導電性線路404bに電性結合されている。これら第2の曲折導電性線路404bはサイズが異なり、そのサイズ順に間隔を空けて平行に配列されている。また、各曲折導電性線路404a、404bはそれぞれ開口を有し、第1の導電性線路組410aおよび第2の導電性線路組410bの二組の開口は向き合った状態で相対的に配置されている。
本発明の他の実施形態による曲折導電性線路404a、404bは、半円形、半環形、逆U字形、くの字形、L字形またはそれらを組み合わせた形状の導電性線路或いはその他開口を備えた曲折導電性線路でもよい。また、同一の導電性線路組に設けられている第1の曲折導電性線路404aまたは第2の曲折導電性線路404bの開口は、実質上同じ方向を向いている。本実施形態において、第1の導電性線路組410aが有する第1の曲折導電性線路404aと、第2の導電性線路組410bが有する第2の曲折導電性線路404bとの数は同じである。
第1のフィード導電性線路406aは、第1の接続線路部分426aおよび第1のF形線路部分416aを備える。第1の接続線路部分426aは、これらの第1の曲折導電性線路404aと電性結合し、第1のF形線路部分416aは、間隔を空けて第1の曲折導電性線路404aの最も外側へ平行に配置されている。第2のフィード導電性線路406bは、第2の接続線路部分426bおよび第2のF形線路部分416bを備える。この第2の接続線路部分426bは、第2の曲折導電性線路404bと電性結合され、第2のF形線路部分416bは、間隔を空けて第2の曲折導電性線路404bの最も外側へ平行に配置されている。
本実施形態では、第1のF形線路部分416aの端点にあるフィード点417からアンテナ装置400中へ信号が入力され、接地点415が第2のL形線路部分416bの端点に配置されている。しかし、実際の応用においては、任意の位置をフィード点および接地点にして信号を入力し、線路の長さを変えることにより、このアンテナ装置400の周波数を偏移させてもよい。或いは、フィード点417と接地点415との位置は直接交換してもよい。つまり、異なる位置のフィード点および接地点を選択して線路長さを調整することによりアンテナ装置400が送受信する帯域幅を微調整してもよい。同様に、第1のF形線路部分416aおよび第2のF形線路部分416bの線路の長さを切断したり延長したりすることにより、アンテナ装置400が送受信する帯域幅を微調整する効果を得てもよい。
また、これら曲折導電性線路404a、404bの線幅は同じでも異なっていてもよい。これら曲折導電性線路404a、404bの間隔も同じでも異なっていてもよい。例えば、各導電性線路組に属する曲折導電性線路404a、404bの線幅および間隔は同じでも異なっていてもよく、同じ導電性線路組に属する第1の曲折導電性線路404aまたは第2の曲折導電性線路404bの線幅および間隔も同じでも異なっていてもよい。
基板402の材料は誘電体材料または絶縁材料でもよく、例えばPCB回路板材料などである。導電性線路404a、404b、406a、406bの材料は、金属、合金またはその他の導電材料でもよく、例えば一般に使用される金属銅などである。また、このアンテナ装置400には、上述の接地点415と電性結合されている接地面(図示せず)がさらに含まれている。接地点415は、導電性線路上の任意の位置を選択することにより、接地面が曲折導電性線路404a、404bの一つと電性結合されていてもよい。
この接地面は、図1Aに示すように第1の曲折導電性線路404aまたは第2の曲折導電性線路404bの横に配置されていてもよく、本実施形態のように曲折導電性線路404a、404bに対応するように基板402の反対面に配置されていてもよい。或いは、基板402上に二つの接地面を同時に配置してもよい。例えば、その一方を曲折導電性線路404a、404bの横へ配置し、その他方を基板402の反対面へ配置する。これにより接地を提供することができる上、アンテナ装置400の電磁結合効果を変えることもできる。
図4Bは、図4Aのアンテナ装置400のアンテナ・反射損失の周波数応答を示すグラフであり、その縦軸は単位がデシベル(dB)であるアンテナ・反射損失を示し、その横軸は単位がメガヘルツ(MHz)であるアンテナ周波数を示す。本実施形態の曲折導電性線路404a、404bおよびフィード導電性線路406a、406bの線幅は1.6mmであり、その間隔は0.8mmである。しかし、ここで強調しておかなければならないことは、それぞれの曲折導電性線路404a、404bおよびフィード導電性線路406a、406bのサイズは、必要に応じて調整して必要な共振点を得ることができるという点である。図4Aから分かるように、このアンテナ装置400のフィード導電性線路は、図3Aに示すアンテナ装置300のフィード導電性線路よりもショート線路が一本多い。そして図4Bに示すように、このアンテナ装置400の−3dBの反射損失周波数幅は、470〜880MHzの間であるため、特に世界中のほとんどの地域のUHF周波数帯域の地面放送デジタルテレビの受信規格を満たす。
本発明では好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではなく、当該技術を熟知するものなら誰でも、本発明の主旨と領域を脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って本発明の保護の範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
100、200、300、400…アンテナ装置、
102、202、302、402…基板、 104…曲折導電性線路、
106…フィード導電性線路、 108…接地面、 116…L形線路部分、
117、217、317、417…フィード点、 126…接続線路部分、
127…線路位置、 204a、304a、404a…第1の曲折導電性線路、
204b、304b、404b…第2の曲折導電性線路、
206a、306a、406a…第1のフィード導電性線路、
206b、306b、406b…第2のフィード導電性線路、
210a、310a、410a…第1の導電性線路組、
210b、310b、410b…第2の導電性線路組、
215、315、415…接地点、 216a、316a…第1のL形線路部分、
216b…第2のL形線路部分、
226a、326a、426a…第1の接続線路部分、
226b、326b、426b…第2の接続線路部分
316b、416b…第2のF形線路部分、 416a…第1のF形線路部分
102、202、302、402…基板、 104…曲折導電性線路、
106…フィード導電性線路、 108…接地面、 116…L形線路部分、
117、217、317、417…フィード点、 126…接続線路部分、
127…線路位置、 204a、304a、404a…第1の曲折導電性線路、
204b、304b、404b…第2の曲折導電性線路、
206a、306a、406a…第1のフィード導電性線路、
206b、306b、406b…第2のフィード導電性線路、
210a、310a、410a…第1の導電性線路組、
210b、310b、410b…第2の導電性線路組、
215、315、415…接地点、 216a、316a…第1のL形線路部分、
216b…第2のL形線路部分、
226a、326a、426a…第1の接続線路部分、
226b、326b、426b…第2の接続線路部分
316b、416b…第2のF形線路部分、 416a…第1のF形線路部分
Claims (8)
- 基板、複数の曲折導電性線路およびフィード導電性線路を備えるアンテナ装置であって、
前記複数の曲折導電性線路は、前記基板上に配置され、前記曲折導電性線路はサイズが異なり、そのサイズ順に間隔を空けて平行に配列され、
前記フィード導電性線路は、前記基板上に配置されて前記曲折導電性線路と電性結合されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 基板および該基板上に配置されている二つの導電性線路組を備えるアンテナ装置であって、
前記導電性線路組は、
異なるサイズを有し、そのサイズ順に間隔を空けて平行に配列されている複数の曲折導電性線路と、
前記曲折導電性線路に電性結合されているフィード導電性線路とを含むことを特徴とするアンテナ装置。 - 前記曲折導電性線路は、半円形、半環形、逆U字形、くの字形、L字形またはそれらを組み合わせた形状の導電性線路であり、
前記曲折導電性線路の開口は同一方向または異なる方向を向いており、
前記曲折導電性線路の線幅は等しいか異なっており、前記曲折導電性線路の間隔も等しいか異なっていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。 - 接地面は、前記曲折導電性線路の横に配置されているか、前記曲折導電性線路が配置されている前記基板の反対側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。
- 前記フィード導電性線路は、接続線路部分およびL形線路部分を有し、
前記接続線路部分は、前記曲折導電性線路に電性結合され、
前記L形線路部分は、間隔を空けて平行に前記曲折導電性線路の最も外側へ配置されるか、前記曲折導電性線路の一つと一部重ねられていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。 - 前記フィード導電性線路は、接続線路部分およびF形線路部分を有し、
前記接続線路部分は、前記曲折導電性線路に電性結合され、
前記F形線路部分は、間隔を空けて平行に前記曲折導電性線路の最も外側へ配置されるか、前記曲折導電性線路の一つと一部重ねられていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。 - 前記フィード導電性線路は、接続線路部分および多重ライン方式の線路部分を有し、
前記接続線路部分は、前記曲折導電性線路に電性結合され、
前記多重ライン方式の線路部分は、間隔を空けて平行に前記曲折導電性線路の最も外側へ配置されるか、前記曲折導電性線路の一つと一部重ねられていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。 - 前記アンテナ装置は、VHFおよびUHFの周波数帯域デジタルテレビの信号受信、移動通信装置の信号受信またはその他の無線通信装置の信号受信に用いることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。
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