JP2007103519A - プラズマ処理装置と方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘電体の下面全体に均一にプラズマを生成させることができるプラズマ処理装置と方法を提供する。
【解決手段】マイクロ波を導波管35の下面31に複数形成されたスロット70に通して処理室4の上面に配置された誘電体32中に伝播させ,誘電体表面で形成させた電磁界での電界エネルギーにより処理室4内に供給された処理ガスをプラズマ化させて,基板Gにプラズマ処理を施すプラズマ処理装置1であって,誘電体32の下面に深さの異なる複数の凹部80a〜80gが形成されている。各凹部80a〜80gの深さを異ならせることにより,誘電体32の下面におけるプラズマの生成を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は,プラズマを生成して基板に対して成膜などの処理を施すプラズマ処理装置と方法に関する。
例えばLCD装置などの製造工程においては,マイクロ波を利用して処理室内にプラズマを生成させ,LCD基板に対してCVD処理やエッチング処理等を施す装置が用いられている。かかるプラズマ処理装置として,処理室の上方に複数本の導波管を平行に並べたものが知られている(例えば,特許文献1,2参照)。この導波管の下面には複数のスロットが等間隔に並べて開口され,さらに,導波管の下面に沿って平板状の誘電体が設けられる。そして,スロットを通じて誘電体の表面にマイクロ波を伝播させ,処理室内に供給された処理ガスをマイクロ波のエネルギ(電磁界)によってプラズマ化させる構成となっている。また,誘電体下面で生成されるプラズマを均一化させるために,誘電体の下面に凹凸を形成したものが開示されている(例えば,特許文献3参照)。
特開2004−200646号公報 特開2004−152876号公報 特開2003−142457号公報
ところで,基板などの大型化に伴って処理装置も大きくなってきており,それにより,処理室の上面に配置される誘電体も大型化している。しかしながら,かように大型化した誘電体の下面全体に,均一なプラズマを生成させるのは甚だ困難であり,安定したプラズマ処理が有効にできていないのが現状である。特に誘電体の下面において,スロットに近い位置とスロットから離れた位置では,プラズマの生成強度が異なりやすい。また,誘電体を例えばアルミニウム製の梁などの支持部材によって支持しているが,誘電体の周辺部では,支持部材から反射した反射波の影響で定在波が発生し,大きな波のうねりからプラズマの不均一が生ずるといった問題を生じている。
従って本発明の目的は,誘電体の下面全体に均一にプラズマを生成させることができるプラズマ処理装置と方法を提供することにある。
上記課題を解決するため,本発明によれば,マイクロ波を導波管の下面に複数形成されたスロットに通して処理室の上面に配置された誘電体中に伝播させ,誘電体表面で形成させた電磁界での電界エネルギーにより処理室内に供給された処理ガスをプラズマ化させて,基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって,前記誘電体の下面に1または複数の凹部が形成され,該凹部の深さがスロットからの距離に応じて変化していることを特徴とする,プラズマ処理装置が提供される。
前記誘電体の下面において,前記スロットに近い位置と,前記スロットから離れた位置とに凹部がそれぞれ形成され,前記スロットから離れた位置に形成された凹部の深さが,前記スロットに近い位置に形成された凹部の深さよりも深くなっていても良い。
前記処理室の上面に,複数の誘電体が配置され,各誘電体の下面に深さの異なる複数の凹部がそれぞれ形成されていても良い。その場合,前記誘電体が,長手方向の長さが誘電体中を伝播するマイクロ波の波長よりも長く,幅方向の長さが誘電体中を伝播するマイクロ波の波長よりも短い長方形に形成されていても良い。また,前記誘電体が2つのスロットに跨って設けられ,それら2つのスロットの間に,最も深さの深い凹部が形成されていても良い。その場合,前記2つのスロットの間において,中央に位置する凹部の深さが最も深くなっていても良いし,前記2つのスロットの間において,中央に位置している凹部とスロットに最も近く位置している凹部との間にある凹部の深さが最も深くなっていても良い。また,前記誘電体の下面において,長手方向に沿って並べて形成された複数の凹部のうち,両端に位置する凹部の深さは,前記スロットの間に位置する凹部の深さよりも浅くなっていても良い。
また,前記複数の誘電体の周囲に,処理室内に処理ガスを供給する1または2以上のガス噴射口をそれぞれ設けても良い。その場合,前記複数の誘電体を支持する支持部材に,前記ガス噴射口を設けても良い。
また,前記複数の誘電体の周囲に,処理室内に第1の処理ガスを供給する1または2以上の第1のガス噴射口と,処理室内に第2の処理ガスを供給する1または2以上の第2のガス噴射口をそれぞれ設けても良い。その場合,前記第1の噴射口と第2の噴射口の一方を他方よりも下方に配置しても良い。
また本発明によれば,マイクロ波を導波管の下面に複数形成されたスロットに通して処理室の上面に配置された誘電体中に伝播させ,誘電体表面で形成させた電磁界での電界エネルギーにより処理室内に供給された処理ガスをプラズマ化させて,基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理方法であって,前記誘電体の下面に複数の凹部を形成し,それら凹部の深さを異ならせることにより,誘電体の下面におけるプラズマの生成を制御することを特徴とする,プラズマ処理方法が提供される。
本発明によれば,誘電体の下面に複数の凹部を形成したことにより,誘電体中を伝播したマイクロ波のエネルギーによって,それら凹部の内側面に対してほぼ垂直の電界を形成させ,その近傍でプラズマを効率良く生成させることができる。また,プラズマの生成箇所も安定させることができる。この場合,誘電体の下面に形成した複数の凹部の深さを互いに異ならせることにより,スロットの近くに配置された凹部の位置において生成されるプラズマの強度と,スロットから遠くに離れて配置された凹部の位置において生成されるプラズマの強度を等しくさせることが可能となる。例えば誘電体の下面において,スロットに近い位置と,スロットから離れた位置とに凹部が形成されている場合,スロットから離れるに従ってスロットから誘電体中に伝播されたマイクロ波のエネルギーで形成される電界強度が弱くなっていく。かかる事情を考慮し,スロットから離れた位置に形成された凹部の深さを,スロットに近い位置に形成された凹部の深さよりも深くして,凹部の内側面の面積をスロットに近い位置に形成された凹部の内側面の面積よりも広くすることにより,スロットからの距離に伴う電界強度低下をなくすことが可能となる。
また,処理室の上面に配置した複数の誘電体を,誘電体中を伝播するマイクロ波の波長よりも長く,幅方向の長さが誘電体中を伝播するマイクロ波の波長よりも短い長方形に形成することにより,誘電体中のマイクロ波の伝播を常にシングルモードにさせ,プロセス条件が変化してもモードジャンプを生じさせず,安定したプラズマ状態を生成することができる。一方,誘電体中を伝播するマイクロ波の波長よりも長い誘電体の長手方向の端部においては,誘電体の長手方向に沿って並べて配置された複数の凹部の間隔を調整することにより,表面波を制限し,定在波の発生を最小限に抑制することが可能となる。
なお,このように長方形に形成された誘電体の長手方向に沿って複数の凹部を並べて配置した場合は,誘電体の長手方向の両端に位置する凹部に対しては,誘電体を支持している支持部材での表面波の反射によりプラズマの強度が大きくなる。そこで,誘電体の下面において長手方向に沿って並べて形成された複数の凹部のうち,両端に位置する凹部の深さは,スロットの内方に位置する凹部の深さよりも浅くすることが望ましい。
また,誘電体が2つのスロットに跨って設けられているような場合は,それら2つのスロットの間に,最も深さの深い凹部が形成されていても良い。そうすれば,各スロットから出たマイクロ波は,最も深さの深い凹部の位置において効率良くマイクロ波の発生に消費され,各スロットから誘電体に伝播したマイクロ波が,各スロットから再び導波管内に再び戻ることも少なくなり,カットオフ現象が生じて反射波の発生が抑制される。
以下,本発明の実施の形態を,プラズマ処理の一例であるCVD(chemical vapor deposition)処理を行うプラズマ処理装置1に基づいて説明する。なお,本明細書および図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。図1は,本発明の実施の形態にかかるプラズマ処理装置1の概略的な構成を示した縦断面図である。図2は,このプラズマ処理装置1が備える蓋体3の下面図である。図3は,蓋体3の部分拡大縦断面図である。
このプラズマ処理装置1は,上部が開口した有底立方体形状の処理容器2と,この処理容器2の上方を塞ぐ蓋体3を備えている。処理容器2の上方を蓋体3で塞ぐことにより,処理容器2の内部には密閉空間である処理室4が形成されている。これら処理容器2と蓋体3は例えばアルミニウムからなり,いずれも電気的に接地された状態になっている。
処理室4の内部には,基板として例えばガラス基板(以下「基板」という)Gを載置するための載置台としてのサセプタ10が設けられている。このサセプタ10は例えば窒化アルミニウムからなり,その内部には,基板Gを静電吸着すると共に処理室4の内部に所定のバイアス電圧を印加させるための給電部11と,基板Gを所定の温度に加熱するヒータ12が設けられている。給電部11には,処理室4の外部に設けられたバイアス印加用の高周波電源13がコンデンサなどを備えた整合器14を介して接続されると共に,静電吸着用の高圧直流電源15がコイル16を介して接続されている。ヒータ12には,同様に処理室4の外部に設けられた交流電源17が接続されている。
サセプタ10は,処理室4の外部下方に設けられた昇降プレート20の上に,筒体21を介して支持されており,昇降プレート20と一体的に昇降することによって,処理室4内におけるサセプタ10の高さが調整される。但し,処理容器2の底面と昇降プレート20との間には,べローズ22が装着してあるので,処理室4内の気密性は保持されている。
処理容器2の底部には,処理室4の外部に設けられた真空ポンプなどの排気装置(図示せず)によって処理室4内の雰囲気を排気するための排気口23が設けられている。また,処理室4内においてサセプタ10の周囲には,処理室4内におけるガスの流れを好ましい状態に制御するための整流板24が設けられている。
蓋体3は,蓋本体30の下面にスロットアンテナ31を一体的に形成し,更にスロットアンテナ31の下面に,複数枚のタイル状の誘電体32を取り付けた構成である。蓋本体30及びスロットアンテナ31は,例えばアルミニウムなどの導電性材料で一体的に構成され,電気的に接地状態である。図1に示すように処理容器2の上方を蓋体3によって塞いだ状態では,蓋本体30の下面周辺部と処理容器2の上面との間に配置されたOリング33と,後述する各スロット70の周りに配置されたOリング(図示せず)によって,処理室4内の気密性が保持されている。
蓋本体30の内部には,断面形状が矩形状の方形導波管35が複数本水平に配置されている。この実施の形態では,何れも直線上に延びる6本の方形導波管35を有しており,各方形導波管35同士が互いに平行となるように並列に配置されている。各方形導波管35の断面形状(矩形状)の長辺方向がH面で垂直となり,短辺方向がE面で水平となるように配置されている。なお,長辺方向と短辺方向をどのように配置するかは,モードによって変る。また各方形導波管35の内部は,例えばフッ素樹脂(例えばテフロン(登録商標)),Al,石英などの誘電部材36がそれぞれ充填されている。
処理室4の外部には,図2に示されるように,この実施の形態では3つのマイクロ波供給装置40が設けられており,各マイクロ波供給装置40からは,例えば2.45GHzのマイクロ波が,蓋本体30の内部に設けられた2本ずつの方形導波管35に対してそれぞれ導入されるようになっている。各マイクロ波供給装置40と2本ずつの各方形導波管35との間には,2本の方形導波管35に対してマイクロ波を分配して導入させるためのY分岐管41がそれぞれ接続してある。
図1に示されるように,蓋本体30の内部に形成された各方形導波管35の上部は蓋本体30の上面において開口しており,そのように開口した各方形導波管35の上方から,各方形導波管35内に上面45が昇降自在に挿入されている。一方,蓋本体30の内部に形成された各方形導波管35の下面は,蓋本体30の下面に一体的に形成されたスロットアンテナ31を構成している。蓋本体30の上方には,方形導波管35の上面45を,水平な姿勢を保ったまま方形導波管35の下面(スロットアンテナ31の上面)に対して昇降移動させる昇降機構46が,各方形導波管35毎に設けられている。
図3に示すように,方形導波管35の上面45は,蓋本体30の上面を覆うように取付けられたカバー体50内に配置される。カバー体50の内部には,方形導波管35の上面45を昇降させるために充分な高さを持った空間が形成されている。カバー体50の上面には,一対のガイド部51とガイド部51同士の間に配置された昇降部52が配置されており,これらガイド部51と昇降部52によって方形導波管35の上面45を昇降移動させる昇降機構46が構成されている。
方形導波管35の上面45は,各ガイド部51に設けられたガイドロッド55と,昇降部52に設けられた昇降ロッド56を介して,カバー体50の上面から吊下げられている。これらガイドロッド55と昇降ロッド56の下端には,ストッパー用のナット57が取付けてあり,これらナット57を方形導波管35の上面45の内部に形成された孔部58に係合させることにより,カバー体50の内部において,方形導波管35の上面45を落下させずに支持している。
これらガイドロッド55と昇降ロッド56の上端は,カバー体50の上面を貫通し,上方に突出している。ガイド部51に設けられたガイドロッド55は,カバー体50の上面に固定されたガイド60内を貫通し,ガイド60内において垂直方向にスライド移動できるようになっている。一方,昇降部52に設けられた昇降ロッド56は,カバー体50の上面に支持されたプレート61と,このプレート61の上に回転自在に配置された回転ハンドル62を貫通している。昇降ロッド56の外周面にはネジ溝が形成してあり,該ネジ溝を回転ハンドル62の中心に形成したネジ孔に係合させた構成になっている。
かかる昇降機構46にあっては,回転ハンドル62を回転操作することにより,昇降ロッド56に対する回転ハンドル62の係合位置が変わり,それに伴って,方形導波管35の上面45をカバー体50の内部において昇降移動させることができる。なお,かかる昇降移動をする際には,ガイド部51に設けられたガイドロッド55がガイド60内を垂直方向にスライド移動するので,方形導波管35の上面45は常に水平姿勢に保たれ,方形導波管35の上面45と下面(スロットアンテナ31の上面)は常に平行となる。
上述のように,方形導波管35の内部には誘電部材36が充填されているので,方形導波管35の上面45は,誘電部材36の上面に接する位置まで下降することができる。そして,このように誘電部材36の上面に接する位置を下限として,方形導波管35の上面45をカバー体50の内部で昇降移動させることにより,回転ハンドル62の回転操作で,方形導波管35の下面(スロットアンテナ31の上面)に対する方形導波管35の上面45の高さhを任意に変えることが可能である。なお,カバー体50の高さは,後述するように処理室4内で行われるプラズマ処理の条件に応じて方形導波管35の上面45を昇降移動させる際に,上面45を充分な高さにまで移動させることができるように設定される。
方形導波管35の上面45は,例えばアルミニウムなどの導電性材料からなり,上面45の周面部には,蓋本体30に対して電気的に導通させるためのシールドスパイラル65が取り付けてある。このシールドスパイラル65の表面には,電気抵抗下げるために例えば金メッキが施されている。したがって,方形導波管35の内壁面全体は互いに電気的に導通した導電性部材で構成されており,方形導波管35の内壁面全体に沿って放電せずに電流が円滑に流れるように構成されている。
スロットアンテナ31を構成する各方形導波管35の下面には,透孔としての複数のスロット70が,各方形導波管35の長手方向に沿って等間隔に配置されている。この実施の形態では,各方形導波管35毎に13個ずつ(G5相当)のスロット70が,それぞれ直列に並べて設けられており,スロットアンテナ31全体で,13個×6列=78箇所のスロット70が,蓋本体30の下面(スロットアンテナ31)全体に均一に分布して配置されている。各スロット70同士の間隔は,各方形導波管35の長手方向において互いに隣接するスロット70間が中心軸同士で例えばλg’/2(λg’は,2.45GHzとした場合の初期設定時のマイクロ波の導波管内波長)となるように設定される。
このようにスロットアンテナ31の全体に均一に分布して配置された各スロット70の内部には,例えばフッ素樹脂,Al,石英などの誘電部材71がそれぞれ充填されている。また,これら各スロット70の下方には,上述のようにスロットアンテナ31の下面に取付けられた複数枚の誘電体32がそれぞれ配置されている。各誘電体32は長方形の平板状をなしており,例えば石英ガラス,AlN,Al,サファイア,SiN,セラミックス等の誘電材料で構成される。
図2に示されるように,各誘電体32は,一つのマイクロ波供給装置40に対してY分岐管41を介して接続された2本の方形導波管35を跨ぐようにそれぞれ配置される。前述のように,蓋本体30の内部には全部で6本の方形導波管35が平行に配置されており,各誘電体32は,それぞれ2本ずつの方形導波管35に対応するように,3列に配置されている。
また前述のように,各方形導波管35の下面(スロットアンテナ31)には,それぞれ12個ずつのスロット70が直列に並べて配置されており,各誘電体32は,互いに隣接する2本の方形導波管35(Y分岐管41を介して同じマイクロ波供給装置40に接続された2本の方形導波管35)の各スロット70同士間を跨ぐように取り付けられている。これにより,スロットアンテナ31の下面には,全部で13個×3列=39枚の誘電体32が取り付けられている。スロットアンテナ31の下面には,これら39枚の誘電体32を13個×3列に配列された状態で支持するための,格子状に形成された梁75が設けられている。
ここで,図4は,蓋体3の下方から見た誘電体32の拡大図である。図5は,図4中のX−X線における誘電体32の縦断面である。梁75は,各誘電体32の周囲を囲むように配置されており,各誘電体32をスロットアンテナ31の下面に密着させた状態で支持している。梁75は,例えばアルミニウムなどの導電性材料からなり,スロットアンテナ31および蓋本体30と共に電気的に接地された状態になっている。この梁75によって各誘電体32の周囲を支持することにより,各誘電体32の下面の大部分を処理室4内に露出させた状態にさせている。
各誘電体32と各スロット70の間は,Oリング(図示せず)などのシール部材を用いて,封止された状態となっている。蓋本体30の内部に形成された各方形導波管35に対しては,例えば大気圧の状態でマイクロ波が導入されるが,このように各誘電体32と各スロット70の間がそれぞれ封止されているので,処理室4内の気密性が保持されている。
各誘電体32は,長手方向の長さLが誘電体中を伝播するマイクロ波の波長λgよりも長く,幅方向の長さMが誘電体中を伝播するマイクロ波の波長λgよりも短い長方形に形成されている。マイクロ波供給装置40で例えば2.45GHzのマイクロ波を発生させた場合,誘電体中を伝播するマイクロ波の波長λgは約60mmとなる。このため,各誘電体32の長手方向の長さLは,60mmよりも長く,例えば188mmに設定される。また,各誘電体32の幅方向の長さMは,60mmよりも短く,例えば40mmに設定される。
また,各誘電体32の下面には,凹凸が形成されている。即ち,この実施の形態では,長方形に形成された各誘電体32の下面において,その長手方向に沿って7個の凹部80a,80b,80c,80d,80e,80f,80gが直列に並べて配置されている。これら各凹部80a〜80gは,平面視ではいずれもほぼ等しい略長方形状をなしている。また,各凹部80a〜80gの内側面は,ほぼ垂直な壁面81になっている。
前述のように,各誘電体32は,互いに隣接する2本の方形導波管35(Y分岐管41を介して同じマイクロ波供給装置40に接続された2本の方形導波管35)の各スロット70同士間を跨ぐように取り付けられるが,各凹部80a〜80gの中で,中央にある凹部80dは,一方の方形導波管35のスロット70と,他方の方形導波管35のスロット70のほぼ中間に位置し,この中央にある凹部80dを挟んで,一方の方形導波管35のスロット70の側に凹部80a〜80cが位置し,他方の方形導波管35のスロット70の側に凹部80e〜80gが位置している。そして,一方の方形導波管35のスロット70の側においては,凹部80a〜80cの中で,中央の凹部80bが一方の方形導波管35のスロット70の真下に位置し,その両側に凹部80aと凹部80cが配置されている。同様に,他方の方形導波管35のスロット70の側においては,凹部80e〜80g中で,中央の凹部80fが他方の方形導波管35のスロット70の真下に位置し,その両側に凹部80eと凹部80gが配置されている。
各凹部80a〜80gの深さdについては,全てが同じ深さではなく,凹部80a〜80gの深さの一部もしくは,全部の深さdが異なるように構成されている。即ち,各凹部80a〜80gの深さdは,基本的には,スロット70から離れるに従って深くなるように設定されている。図5に示した実施の形態に基いて具体的に説明すると,スロット70に最も近い凹部80b,80fの深さdが最も浅くなっており,スロット70から最も遠い凹部80dの深さdが最も深くなっている。そして,スロット70真下の凹部80b,80fの両側に位置する凹部80a,80c及び凹部80e,80gは,スロット70真下の凹部80b,80fの深さdとスロット70から最も遠い凹部80dの深さdの中間の深さdとなっている。
但し,誘電体32の長手方向両端に位置する凹部80a,80gと2つのスロット70の内方に位置している凹部80c,80eに関しては,これら凹部80a,80gと凹部80c,80eは,スロット70からの距離は同じであったとしても,誘電体32の長手方向両端に位置する凹部80a,80gにおいては,後述するように,誘電体32の長手方向の両端で発生した定在波の影響で,発生するプラズマの強度が大きくなる。そこで,これら両端の凹部80a,80gの深さdは,スロット70の内方に位置する凹部80c,80eの深さdよりも浅くなっている。従って,この実施の形態では,各凹部80a〜80gの深さdの関係は,スロット70に最も近い凹部80b,80fの深さd<誘電体32の長手方向両端に位置する凹部80a,80gの深さd<スロット70の内方に位置する凹部80c,80eの深さd<スロット70から最も遠い凹部80dの深さdとなっている。
凹部80aと凹部80gの位置での誘電体32の厚さtと,凹部80bと凹部80fの位置での誘電体32の厚さtと,凹部80cと凹部80eの位置での誘電体32の厚さtは,いずれも後述するように誘電体32の内部をマイクロ波が伝播する際に,凹部80a〜80cの位置におけるマイクロ波の伝播と,凹部80e〜80gの位置におけるマイクロ波の伝播を,それぞれ実質的に妨げない厚さに設定される。これに対して,凹部80dの位置での誘電体32の厚さtは,後述するように誘電体32の内部をマイクロ波が伝播する際に,凹部80dの位置においてはいわゆるカットオフを生じさせ,凹部80dの位置では実質的にマイクロ波を伝播させない厚さに設定される。これにより,一方の方形導波管35のスロット70の側に配置された凹部80a〜80cの位置におけるマイクロ波の伝播と,他方の方形導波管35のスロット70の側に配置された凹部80e〜80gの位置におけるマイクロ波の伝播が,凹部80dの位置でカットオフされて,お互いに干渉し合わず,一方の方形導波管35のスロット70から出たマイクロ波と,他方の方形導波管35のスロット70から出たマイクロ波の干渉が防止されている。
各誘電体32を支持している梁75の下面には,各誘電体22の周囲において処理室4内に処理ガスを供給するためのガス噴射口85がそれぞれ設けられている。ガス噴射口85は,各誘電体22毎にその周囲を囲むように複数箇所に形成されることにより,処理室4の上面全体にガス噴射口85が均一に分布して配置されている。
図1に示すように,蓋本体30内部には処理ガス供給用のガス配管90と,冷却水供給用の冷却水配管91が設けられている。ガス配管90は,梁75の下面に設けられた各ガス噴射口85に連通している。
ガス配管90には,処理室4の外部に配置された処理ガス供給源95が接続されている。この実施の形態では,処理ガス供給源95として,アルゴンガス供給源100,成膜ガスとしてのシランガス供給源101および水素ガス供給源102が用意され,各々バルブ100a,101a,102a,マスフローコントローラ100b,101b,102b,バルブ100c,101c,102cを介して,ガス配管90に接続されている。これにより,処理ガス供給源95からガス配管90に供給された処理ガスが,ガス噴射口85から処理室4内に噴射されるようになっている。
冷却水配管91には,処理室4の外部に配置された冷却水供給源105が接続されている。冷却水供給源105から冷却水配管91に冷却水が循環供給されることにより,蓋本体30は所定の温度に保たれている。
さて,以上のように構成された本発明の実施の形態にかかるプラズマ処理装置1において,例えばアモルファスシリコン成膜する場合について説明する。処理する際には,処理室4内のサセプタ10上に基板Gを載置し,処理ガス供給源95からガス配管90,ガス噴射口85を経て所定の処理ガス,例えばアルゴンガス/シランガス/水素の混合ガスを処理室4内に供給しつつ,排気口23から排気して処理室4内を所定の圧力に設定する。この場合,蓋本体30の下面全体に分布して配置されているガス噴射口85から処理ガスを噴き出すことにより,サセプタ10上に載置された基板Gの表面全体に処理ガスを満遍なく供給することができる。
そして,このように処理ガスを処理室4内に供給する一方で,ヒータ12によって基板Gを所定の温度に加熱する。また,図2に示したマイクロ波供給装置40で発生させた例えば2.45GHzのマイクロ波が,Y分岐管41を経て各方形導波管35に導入され,それぞれの各スロット70を通じて,各誘電体32中を伝播していく。なお,このように方形導波管35に導入されたマイクロ波を各スロット70から各誘電体32に伝播させる場合,スロット70の大きさが充分でないと,マイクロ波が方形導波管35からスロット70内に入り込まなくなってしまう。しかしながら,この実施の形態では,各スロット70内に例えばフッ素樹脂,Al,石英などといった空気よりも誘電率の高い誘電部材71が充填されている。このため,スロット70が十分な大きさを有していなくても,誘電部材71の存在によって,見かけ上はマイクロ波を入り込ませるのに十分な大きさを有しているスロット70と同様な機能を果すことになる。これにより,方形導波管35に導入されたマイクロ波を各スロット70から各誘電体32に確実に伝播させることができる。
この場合,方形導波管35の長手方向におけるスロット70の長さをa,方形導波管35内を伝播するマイクロ波の波長(管内波長)をλ,スロット70内に配置する誘電部材71の誘電率をεとすれば,λg/√ε≦2aとなるような誘電体を選択すれば良い。例えばフッ素樹脂,Al,石英について言えば,誘電率の最も大きいAlからなる誘電部材71をスロット70内に配置した場合が,スロット70から誘電体32にマイクロ波を最も多く伝播させることができることとなる。また,方形導波管35の長手方向における長さaが同じスロット70についても,スロット70内に配置する誘電部材71として誘電率の異なるものを使用することにより,スロット70から誘電体32に伝播するマイクロ波の量を制御できるようになる。
こうして,各誘電体32中に伝播させたマイクロ波のエネルギーによって,各誘電体32の表面において処理室4内に電磁界が形成され,電界エネルギーによって処理容器2内の前記処理ガスをプラズマ化することにより,基板G上の表面に対して,アモルファスシリコン成膜が行われる。この場合,各誘電体32の下面に凹部80a〜80gが形成されているので,誘電体32中を伝播したマイクロ波のエネルギーによって,これら凹部80a〜80gの内側面(壁面81)に伝播されたマイクロ波のエネルギーによって壁面81に対してほぼ垂直の電界を形成させ,その近傍でプラズマを効率良く発生させることができる。また,プラズマの生成箇所も安定させることができる。
また,各誘電体32の下面に形成された複数の凹部80a〜80gの深さdを互いに異ならせていることにより,各誘電体32の下面全体においてほぼ均一にプラズマを生成させることができる。即ち,スロット70から誘電体32中を伝播したマイクロ波が処理室4内に入る際に誘電体32の表面でマイクロ波のエネルギーで形成される電界の強度は,スロット70から離れるに従って弱くなっていくが,図5に示した形態にあっては,各凹部80a〜80gの深さdが,基本的には,スロット70から離れるに従って深くなるように設定されている。そのため,スロット70から離れた位置にある凹部ほど内側面(壁面81)の面積がそれだけ大きくなるので,スロット70からの距離に伴って電界強度が低下した状態でも,低下した分電界放出面積を大きくし,面積を大きい内側面(壁面81)のほぼ全体で電界を形成させ,プラズマを効率良く生成させることができる。このように,スロット70から離れた位置に形成された凹部80a,80c,80d,80e,80gの深さが,スロット70に近い位置に形成された凹部80b,80fの深さよりもそれぞれ深くなっていることにより,電界強度の低下を補って,誘電体32の下面全体においてほぼ均一にプラズマを生成させることができる。
一方,スロット70から誘電体32に伝播したマイクロ波は,誘電体32の長手方向端部まで伝播した後,誘電体32の周囲を囲むように配置された梁75で反射され,定在波となって,再び両端の凹部80a,80gの位置に伝播する。このように,両端の凹部80a,80gの位置では,この定在波によって生成されるプラズマの強度が大きくなるが,これら両端の凹部80a,80gの深さdは,そのような定在波の影響を考慮した分浅くなっているので,誘電体32の両端部においても,ほぼ均一なプラズマ強度が得られる。また,これら両端の凹部80a,80gの位置において,誘電体32を支持する梁75から反射した反射波の影響を受けてプラズマの生成強度が部分的に上昇するといった事態も回避できるようになる。
なお,上述したように,各誘電体32中に2つのスロット70からマイクロ波がそれぞれ伝播していくが,各誘電体32の中央に設けられた凹部80dにより,2つのスロット70から伝播されたマイクロ波同士の干渉が防がれる。即ち,先に図4,5で説明したように,一方の方形導波管35のスロット70から出たマイクロ波は,凹部80a〜80cの位置において誘電体32内部を伝播して,凹部80a〜80cの内側面(壁面81)にて電界を形成させ,その近傍でプラズマを生成させる。この場合,一方の方形導波管35のスロット70から出たマイクロ波は,凹部80a〜80cの位置において誘電体32内部を伝播するが,凹部80dの位置でカットオフされるので,凹部80e〜80gの位置までは伝播されない。また同様に,他方の方形導波管35のスロット70から出たマイクロ波は,凹部80e〜80gの位置において誘電体32内部を伝播して,凹部80e〜80gの内側面(壁面81)にて電界を形成させ,その近傍でプラズマを発生させる。この場合,他方の方形導波管35のスロット70から出たマイクロ波は,凹部80e〜80gの位置において誘電体32内部を伝播するが,凹部80dの位置でカットオフされることにより,凹部80a〜80cの位置までは伝播されない。こうして,各スロット70から出たマイクロ波は,誘電体32の表面(凹部80a〜80cおよび凹部80e〜80gの各内側面)において効率良くプラズマの生成に消費されることとなる。また,各スロット70から誘電体32に伝播したマイクロ波が,スロット70から再び方形導波管35内に再び戻ることも少なくなり,反射波の発生が抑制される。
なお,処理室4の内部では,例えば0.7eV〜2.0eVの低電子温度,1011〜1013cm−3の高密度プラズマによって,基板Gへのダメージの少ない均一な成膜が行われる。アモルファスシリコン成膜の条件は,例えば処理室4内の圧力については,5〜100Pa,好ましくは10〜60Pa,基板Gの温度については,200〜450℃,好ましくは250℃〜380℃が適当である。また,処理室4の大きさは,G3以上が適当であり,例えば,G4.5(基板Gの寸法:730mm×920mm,処理室4の内部寸法:1000mm×1190mm),G5(基板Gの寸法:1100mm×1300mm,処理室4の内部寸法:1470mm×1590mm)であり,マイクロ波供給装置のパワーの出力については,1〜4W/cm,好ましくは3W/cmが適当である。マイクロ波供給装置のパワーの出力が1W/cm以上であれば,プラズマが着火し,比較的安定してプラズマを発生させることができる。マイクロ波供給装置のパワーの出力が1W/cm未満では,プラズマの着火がしなかったり,プラズマの発生が非常に不安定になり,プロセスが不安定,不均一となって実用的でなくなってしまう。
ここで,処理室4内で行われるこのようなプラズマ処理の条件(例えばガス種,圧力,マイクロ波供給装置のパワー出力等)は,処理の種類などによって適宜設定されるが,一方で,プラズマ処理の条件を変えることによってプラズマ発生に対する処理室4内のインピーダンスを変更すると,それに伴って各方形導波管35内を伝播するマイクロ波の波長(管内波長λg)も変化する性質がある。一方で,上述したように各方形導波管35毎にスロット70が所定の間隔(λg’/2)で設けられているため,プラズマ処理の条件によってインピーダンスが変わり,それによって管内波長λgが変化すると,スロット70同士の間隔(λg’/2)と,実際の管内波長λgの半分の距離とが一致しなくなってしまう。その結果,各方形導波管35の長手方向に沿って並べられた複数の各スロット70から処理室4上面の各誘電体32に効率良くマイクロ波を伝播できなくなってしまう。
そこで本発明の実施の形態にあっては,例えばガス種,圧力,マイクロ波供給装置のパワー出力等といった処理室4内で行われるプラズマ処理の条件によってインピーダンスが変わり,それによって変化した管内波長λgを,各方形導波管35の上面45を下面(スロットアンテナ31の上面)に対して昇降移動させることにより,修正する。即ち,処理室4内のプラズマ処理条件によって実際の管内波長λgが短くなった場合は,昇降機構46の回転ハンドル62を回転操作することにより,方形導波管35の上面45をカバー体50の内部において下降させる。このように,各方形導波管35の下面に対する上面45の高さhを下げると,管内波長λgが長くなるように変化し,スロット同士の間隔(λg’/2)と,実際の管内波長λgの山部分と谷部分の位置間隔との間のずれを解消して,管内波長λgの山部分と谷部分を各スロット70の位置に一致させることができるようになる。また逆に,処理室4内のプラズマ処理条件によって実際の管内波長λgが長くなった場合は,昇降機構46の回転ハンドル62を回転操作することにより,方形導波管35の上面45をカバー体50の内部において上昇させる。このように,各方形導波管35の下面に対する上面45の高さhを上げると,管内波長λgが短くなるように変化し,スロット同士の間隔(λg’/2)と,実際の管内波長λgの山部分と谷部分の位置間隔との間のずれを解消して,管内波長λgの山部分と谷部分を各スロット70の位置に一致させることができるようになる。
このように,方形導波管35の上面45を下面(スロットアンテナ31の上面)に対して昇降移動させて,各方形導波管35の下面に対する上面45の高さhを任意に変え,マイクロ波の管内波長λgを変化させることにより,実際の管内波長λgの山部分と谷部分の位置間隔を各スロット70の位置に自在に一致させることができる。その結果,方形導波管35の下面に形成した複数の各スロット70から処理室4上面の各誘電体32に効率良くマイクロ波を伝播させることができるようになり,基板Gの上方全体に均一な電磁界を形成でき,基板Gの表面全体に均一なプラズマ処理を行うことが可能になる。マイクロ波の管内波長λgを変化させることにより,プラズマ処理の条件毎にスロット70同士の間隔を変化させる必要がなくなるので,設備コストを低減でき,更に,同じ処理室4内で種類の異なるプラズマ処理を連続して行うことも可能となる。
加えて,この実施の形態のプラズマ処理装置1によれば,処理室4の上面にタイル状の誘電体32を複数枚取り付けていることにより,各誘電体32を小型化かつ軽量化することができる。このため,プラズマ処理装置1の製造も容易かつ低コストとなり,基板Gの大面化に対しての対応力を向上させることができる。また,各誘電体32毎にスロット70がそれぞれ設けてあり,しかも各誘電体32一つ一つの面積は著しく小さく,かつ,その下面には凹部80a〜80gが形成されているので,各誘電体32の内部にマイクロ波を均一に伝播させて,各誘電体32の下面全体でプラズマを効率良く生成させることができる。そのため,処理室4内の全体で均一なプラズマ処理を行うことができる。
また,この実施の形態で示したように,誘電体32を長方形に構成し,誘電体32の横幅を例えば40mmとして誘電体中を伝播するマイクロ波の波長λg=約60mmよりも狭くし,誘電体32の長手方向の長さを例えば188mmとして誘電体中を伝播するマイクロ波の波長λg=約60mmよりも長くすることにより,表面波を誘電体32の長手方向にのみ伝播させる構成とすることができる。その場合,誘電体32の長手方向の両端部では表面波の反射による反射波と進行波との干渉により定在波が発生する。誘電体32の幅方向の両縁部では,誘電体32の横幅を例えば40mmとしているため,定在波の発生を押さえることができるようになる。また,誘電体32の長手方向の両端部で発生する定在波による影響をなるべく抑制するためには,誘電体32の下面両端部に配置される凹部80a,80gの深さは,スロット70の真下に位置する凹部80b,80fの深さと同程度が好ましい。また,誘電体32の長手方向の端部における表面波の影響は,誘電体32の下面に並べて配置された複数の凹部80a〜80gの間隔を調整することによっても小さくなり,その結果,誘電体32の長手方向端部でも定在波の発生を最小限に抑制することが可能となる。その結果,プロセスウィンドウを広くすることができ,安定したプラズマ処理が可能となる。また,誘電体32を支持する梁75(支持部材)も細くできるので,各誘電体32の下面の大部分が処理室4内に露出することとなり,処理室4内に電磁界を形成させる際に梁75がほとんど邪魔とならず,基板Gの上方全体に均一な電磁界を形成でき,処理室4内に均一なプラズマを生成できるようになる。
また,この実施の形態のプラズマ処理装置1のように誘電体32を支持する梁75に処理ガスを供給するガス噴射口85を設けても良い。また,この実施の形態で説明したように,梁75を例えばアルミニウムなどの金属で構成すれば,ガス噴射口85等の加工が容易である。
以上,本発明の好ましい実施の形態の一例を説明したが,本発明はここに示した形態に限定されない。例えば,方形導波管35の上面45を昇降させる昇降機構46は,図示のようなガイド部51と昇降部52で構成されるものでなくても良く,シリンダーやその他の駆動機構を用いて方形導波管35の上面45を昇降させるものであっても良い。また,図示の形態では,方形導波管35の上面45を昇降させる形態を説明したが,方形導波管35の下面(スロットアンテナ31)を下降させることによっても,方形導波管35の下面(スロットアンテナ31)に対する上面45の高さhを変更することも考えられる。
また,各方形導波管35の内部に,フッ素樹脂,Al,石英等の誘電部材36を配置した例を説明したが,各方形導波管35の内部は空洞でも良い。なお,方形導波管35の内部に誘電部材36を配置した場合は,方形導波管35の内部を空洞とした場合に比べ,管内波長λを短くすることができる。これにより,方形導波管35の長手方向に沿って並べて配置される各スロット70同士の間隔も短くできるので,それだけスロット70の数も増やすことができる。それによって,誘電体32を更に細かくして,設置枚数を更に増やすことができ,誘電体32の小型化かつ軽量化,処理室4内全体での均一なプラズマ処理といった効果を更に向上させることができる。
なお,方形導波管35内に誘電部材36を配置した場合,方形導波管35内の上部は,上面45が昇降移動するために部分的に空洞となる。その場合,方形導波管35内の誘電率は,誘電部材36の誘電率と,方形導波管35内の上部に存在する空気の誘電率との間の値となる。例えば誘電部材36として誘電率が空気と比較的近いフッ素樹脂(空気の誘電率は約1,フッ素樹脂の誘電率は約2)を用いれば,方形導波管35内の上部に形成される空洞の大きさの影響を少なくすることができ,逆に例えば誘電部材36として誘電率が空気と大きく異なるAl(Alの誘電率は約9)を用いれば,方形導波管35内の上部に形成される空洞の大きさの影響を大きくすることができる。
また,図6に示すように,各誘電体22の周囲において,第1の処理ガスとして例えばアルゴンガス供給源100から供給されたArガスを処理室4内に供給する1または2以上の第1のガス噴射口120と,第2の処理ガスとして例えばシランガス供給源101および水素ガス供給源102からから供給された成膜ガスを処理室4内に供給する1または2以上の第2のガス噴射口121をそれぞれ別に設けても良い。図示の例では,誘電体22を支持している梁75の下面から適当な距離をあけて,梁75の下面と平行にパイプ122を支持部材123によって取り付けている。そして,第1のガス噴射口120を誘電体22の下面近傍において支持部材123の側面に開口させ,アルゴンガス供給源100から供給されたArガスを,梁75および支持部材123の内部を通して第1のガス噴射口120から処理室4内に供給する。また,第2のガス噴射口121をパイプ122の下面に開口させ,シランガス供給源101および水素ガス供給源102からから供給された成膜ガスを,梁75,支持部材123およびパイプ122の内部を通して第2のガス噴射口121から処理室4内に供給する。
かかる構成によれば,成膜ガスを供給する第2のガス噴射口121を,Arガスを供給する第1のガス噴射口120よりも下方に配置したことにより,誘電体22の下面近傍でArガスを供給し,誘電体22の下面から下方に離れた位置で成膜ガスを供給することができる。これにより,誘電体22の下面近傍においては,不活性なArガスに対して比較的強い電界でプラズマを生成させることができるとともに,活性な成膜ガスに対しては,それよりも弱い電界とArプラズマでプラズマを発生させることができるので,成膜ガスとしてのシランガスがプリカーサー(前駆体)としてSiHラジカルまで解離され,SiHラジカルまでは過剰解離されないといった作用効果を享受できるようになる。
また,誘電体32の下面に形成される複数の凹部の深さdは,全てが同じ深さではなければ良く,例えば,複数の凹部の深さdが全部異なっていても良いし,あるいは,複数の凹部のうち,一部の凹部の深さdが異なっていても良い。例えば,図7に示すように,誘電体32の下面に設けられた7つの凹部80a〜80gのうち,中央にある凹部80dをもっとも深くして,残りの凹部80a〜80cと凹部80e〜80gをいずれも同程度の深さdに構成とすることも考えられる。
この図7に示す実施の形態では,凹部80a〜80cと凹部80e〜80gの位置での誘電体32の厚さtは,マイクロ波の伝播を実質的に妨げない厚さに設定される。これに対して,凹部80dの位置での誘電体32の厚さtは,マイクロ波を実質的に伝播させない厚さに設定される。これにより,先と同様に,一方の方形導波管35のスロット70の側に配置された凹部80a〜80cの位置におけるマイクロ波の伝播と,他方の方形導波管35のスロット70の側に配置された凹部80e〜80gの位置におけるマイクロ波の伝播が,凹部80dの位置でカットオフされて,お互いに干渉し合わなくなる。
なお,図5に示した実施の形態では,各凹部80a〜80gの深さdの関係を,スロット70に最も近い凹部80b,80fの深さd<誘電体32の長手方向両端に位置する凹部80a,80gの深さd<スロット70の内方に位置する凹部80c,80eの深さd<スロット70から最も遠い凹部80dの深さdとした例を説明したが,誘電体32の長手方向の両端で発生する定在波の影響を考慮し,誘電体32の長手方向両端の凹部80a,80gの深さdを,スロット70真下の凹部80b,80fの深さdとほぼ同程度にすることも考えられる。これら凹部80a,80gの深さdと凹部80b,80fの大小関係は,誘電体32中を伝播するマイクロ波の減衰度および誘電体32の長手方向両端で発生する定在波の影響等を検討して適宜決定すれば良い。
また,図5,7に示した実施の形態では,2つのスロット70の間を跨ぐように取り付けられた誘電体32の下面において,スロット70間の中央に位置する凹部80dをもっとも深くした例を示したが,2つのスロット70の間において,中央に位置していない凹部80c,80eの深さを最も深く形成しても良い。即ち,図8に示す実施の形態では,2つのスロット70の間に形成された3つの凹部80c,80d,80eのうち,スロット70真下の凹部80b,80fの内方に隣接して配置された凹部80c,80eの深さdが,スロット70間の中央に位置する凹部80dの深さdよりも深く構成されている。この実施の形態では,各凹部80a〜80gの深さdの関係は,スロット70に最も近い凹部80b,80fの深さd<誘電体32の長手方向両端に位置する凹部80a,80gの深さd<スロット70から最も遠い凹部80dの深さd<スロット70の内方に位置する凹部80c,80eの深さdとなっている。
かかる構成によれば,スロット70から誘電体32中を伝播したマイクロ波が処理室4内に入る際に誘電体32の表面でマイクロ波のエネルギーで形成される電界の強度は,スロット70から離れるに従って弱くなっていくが,スロット70間の中央に位置する凹部80dにおいては,2つのスロット70の両方から伝播してきたマイクロ波のエネルギーが重畳して電界が形成される。このため,スロット70からの距離に伴って電界強度が低下した状態でも,2つのスロット70から伝播してきたマイクロ波のエネルギーが加算され,電界強度の低下が補われることになる。このように,2つのスロット70の間において,中央に位置する凹部80dの深さdをスロット70の内方に位置する凹部80c,80eの深さdよりも浅くすることにより,誘電体32の下面全体においてほぼ均一にプラズマを生成させることができるようになる。
また,誘電体32の下面に設ける凹部の数や凹部の形状,配置は任意である。誘電体32の下面に1つの凹部を形成しても良いし,図示の例で説明したように,誘電体32の下面に複数の凹部を形成しても良い。誘電体32の下面に1つの凹部を形成する場合は,当該凹部の深さをスロット70からの距離に応じて変化させ,凹部の深さがスロット70から離れるほど深くなるように構成すればよい。また,誘電体32の下面に複数の凹部を形成する場合,各凹部の形状が異なっていても良い。また,誘電体32の下面に凸部を設けることで,誘電体32の下面に凹部が形成されるようにしても良い。いずれにしても,誘電体32の下面に凹部を設けて,誘電体32の下面にほぼ垂直な壁面を形成すれば,当該垂直な壁面に伝播されたマイクロ波のエネルギーによってほぼ垂直の電界を形成させ,その近傍でプラズマを効率良く生成させることができ,プラズマの生成箇所も安定させることができる。
また,図示の形態では,誘電体32が2つのスロット70の間を跨ぐように取り付けられた例を示したが,誘電体とスロットの数を同じにし,各スロット70ごとに一枚ずつ誘電体32を配置させても良い。かかる場合も,誘電体の下面に1または複数の凹部を形成し,該凹部の深さがスロットからの距離に応じて変化するように構成すればよい。この場合も,誘電体の下面に1つの凹部を形成する場合は,当該凹部の深さをスロット70からの距離に応じて変化させ,凹部の深さがスロット70から離れるほど深くなるように構成すればよい。また,誘電体の下面に複数の凹部を形成する場合は,スロット70から離れた位置に形成された凹部の深さが,スロット70に近い位置に形成された凹部の深さよりも深くなる関係にすれば良い。例えば図9,10に示すように,各凹部80a〜80gの中で,中央にある凹部80dが方形導波管35のスロット70の真下に位置し,その両側に凹部80a〜80cと凹部80e〜80gが配置されている。この場合,スロット70に最も近い凹部80dの深さdが最も浅くなっており,凹部80a〜80cの深さdと凹部80e〜80gの深さdは,スロット70から離れるに従って深くなるように設定されている。なお,誘電体32の長手方向両端に位置する凹部80a,80gの深さdは,誘電体32の長手方向の両端で発生する定在波の影響を考慮して,内方に位置する凹部(例えば凹部80b,80f)の深さdよりも浅く形成しても良い。
また,各方形導波管35の断面形状(矩形状)の長辺方向がE面で水平となり,短辺方向がH面で垂直となるように配置しても良い。なお,図示した実施の形態のうように方形導波管35の断面形状(矩形状)の長辺方向をH面で垂直とし,短辺方向をE面で水平とするように配置すれば,各方形導波管35同士の隙間を広くできるので,例えばガス配管90や冷却水配管91の配置がしやすく,また,方形導波管35の本数を更に増やしやすい。
スロットアンテナ31に形成されるスロット70の形状は,種々の形状とすることができ,例えばスリット形状などでも良い。また,複数のスロット70を直線上に配置する他,渦巻状や同心円状に配置したいわゆるラジアルラインスロットアンテナを構成することもできる。また,誘電体32の形状は長方形でなくても良く,例えば正方形,三角形,任意の多角形,円板,楕円等としても良い。また,各誘電体32同士は互いに同じ形状でも,異なる形状でも良い。
以上の実施の形態では,プラズマ処理の一例であるアモルファスシリコン成膜を行うものについて説明したが,本発明は,アモルファスシリコン成膜の他,酸化膜成膜,ポリシリコン成膜,シランアンモニア処理,シラン水素処理,酸化膜処理,シラン酸素処理,その他のCVD処理の他,エッチング処理にも適用できる。
図8で説明した実施の形態のように,2つのスロット70の間に形成された3つの凹部80c,80d,80eのうち,スロット70真下の凹部80b,80fの内方に隣接して配置された凹部80c,80eの深さdを,スロット70間の中央に位置する凹部80dの深さdよりも深く構成した誘電体32について,各凹部80a〜80gの深さdに対する電界強度分布の依存性をシミュレーションした。この実施例では,誘電体32の長手方向両端に位置する凹部80a,80gの深さd=4mm,スロット70に最も近い凹部80b,80fの深さd=2.5mm,スロット70間の中央に位置する凹部80dの深さd=5mmとし,スロット70の内方に位置する凹部80c,80eの深さdを4mm,6mm,8mmに変化させた。電界強度を比較するために,各凹部80a〜80g内での周期中の最大電界強度(Complex MagE)の平均値と,各凹部80a〜80gの中心での周期中の最大電界強度(Complex MagE)をそれぞれ求めたところ図11(最大電界強度の平均値),図10(最大電界強度)を得た。その結果,図11,12に示すように,各凹部80a〜80g内の最大電界強度は,スロット70の内方に位置する凹部80c,80eの深さdを6mmとしたときに最もばらつきが小さくなり,誘電体32の下面全体においてほぼ均一にプラズマを生成させることができていた。
また,スロット70の内方に位置する凹部80c,80eの深さdを4〜8mmの範囲で変化させ,凹部80c,80eの深さdに対する,各凹部80a〜80gの電界強度平均値(Average)と均一性(Unif(%))を調べた結果,図13,図14を得た。なお,図13では,各凹部80a〜80gの電界強度平均値(Average)と均一性(Unif(%))は,各凹部80a〜80gの周期中の最大電界強度(Complex MagE)から求めた。また,図14では,各凹部80a〜80gの電界強度平均値(Average)と均一性(Unif(%))は,各凹部80a〜80gの中心での周期中の最大電界強度(Complex MagE)から求めた。また,均一性(Unif(%))=(各凹部80a〜80gの電界強度の最大値−最小値)/(2×電界強度平均値)とした。その結果,図13,14に示すように,各凹部80a〜80g内の最大電界強度は,スロット70の内方に位置する凹部80c,80eの深さdを6mmとしたときに最も均一性が小さくなり,誘電体32の下面全体においてほぼ均一にプラズマを生成させることができていた。
本発明は,例えばCVD処理,エッチング処理に適用できる。
本発明の実施の形態にかかるプラズマ処理装置の概略的な構成を示した縦断面図である。 蓋体の下面図である。 蓋体の部分拡大縦断面図である。 蓋体の下方から見た誘電体の拡大図である。 図4中のX−X線における誘電体の縦断面である。 第2のガス噴射口を第2の噴射口よりも下方に配置した実施の形態の説明図である。 別の実施の形態に係る図4中のX−X線における誘電体の縦断面である。 2つのスロットの間において,中央に位置していない凹部の深さを最も深くした実施の形態に係る図4中のX−X線における誘電体の縦断面である。 一つのスロットに一枚の誘電体を配置させた実施の形態にかかる誘電体の拡大図である。 図9中のX−X線における誘電体の縦断面である。 実施例のシミュレーション結果を示すグラフであり,スロット真下の内方に隣接する凹部の深さを4mm,6mm,8mmに変化させた場合についての,各凹部内での周期中の最大電界強度の平均値の変化を各凹部について示したグラフである。 実施例のシミュレーション結果を示すグラフであり,スロット真下の内方に隣接する凹部の深さを4mm,6mm,8mmに変化させた場合についての,各凹部の中心での周期中の最大電界強度の変化を各凹部について示したグラフである。 実施例のシミュレーション結果を示すグラフであり,スロット真下の内方に隣接する凹部の深さに対する,各凹部の電界強度の平均値と,各凹部の電界強度の均一性を示すグラフである。 実施例のシミュレーション結果を示すグラフであり,スロット真下の内方に隣接する凹部の深さに対する,各凹部の中心での電界強度の平均値と,各凹部の中心での電界強度の均一性を示すグラフである。
符号の説明
G 基板
1 プラズマ処理装置
2 処理容器
3 蓋体
4 処理室
10 サセプタ
11 給電部
12 ヒータ
13 高周波電源
14 整合器
15 高圧直流電源
16 コイル
17 交流電源
20 昇降プレート
21 筒体
22 べローズ
23 排気口
24 整流板
30 蓋本体
31 スロットアンテナ
32 誘電体
33 Oリング
35 方形導波管
36 誘電部材
40 マイクロ波供給装置
41 Y分岐管
45 上面
46 昇降機構
50 カバー体
51 ガイド部
52 昇降部
55 ガイドロッド
56 昇降ロッド
57 ナット
58 孔部
60 ガイド
61 プレート
62 回転ハンドル
70 スロット
71 誘電部材
75 梁
80a,80b,80c,80d,80e,80f,80g 凹部
81 壁面
85 ガス噴射口
90 ガス配管
91 冷却水配管
95 処理ガス供給源
100 アルゴンガス供給源
101 シランガス供給源
102 水素ガス供給源
105 冷却水供給源

Claims (14)

  1. マイクロ波を導波管の下面に複数形成されたスロットに通して処理室の上面に配置された誘電体中に伝播させ,誘電体表面で形成させた電磁界での電界エネルギーにより処理室内に供給された処理ガスをプラズマ化させて,基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって,
    前記誘電体の下面に1または複数の凹部が形成され,該凹部の深さがスロットからの距離に応じて変化していることを特徴とする,プラズマ処理装置。
  2. 前記処理室の上面に,複数の誘電体が配置され,各誘電体の下面に1または複数の凹部がそれぞれ形成されていることを特徴とする,請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記誘電体の下面において,前記スロットに近い位置と,前記スロットから離れた位置とに凹部がそれぞれ形成され,前記スロットから離れた位置に形成された凹部の深さが,前記スロットに近い位置に形成された凹部の深さよりも深くなっていることを特徴とする,請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記誘電体が,長手方向の長さが誘電体中を伝播するマイクロ波の波長よりも長く,幅方向の長さが誘電体中を伝播するマイクロ波の波長よりも短い長方形に形成されていることを特徴とする,請求項3に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記誘電体の下面において,長手方向に沿って複数の凹部が並べて形成されていることを特徴とする,請求項4に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記誘電体が2つのスロットに跨って設けられ,それら2つのスロットの間に,最も深さの深い凹部が形成されていることを特徴とする,請求項5に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記2つのスロットの間において,中央に位置する凹部の深さが最も深いことを特徴とする,請求項6に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記2つのスロットの間において,中央に位置している凹部とスロットに最も近く位置している凹部との間にある凹部の深さが最も深いことを特徴とする,請求項6に記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記誘電体の下面において,長手方向に沿って並べて形成された複数の凹部のうち,両端に位置する凹部の深さは,前記スロットの内方に位置する凹部の深さよりも浅いことを特徴とする,請求項6〜8のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  10. 前記複数の誘電体の周囲に,処理室内に処理ガスを供給する1または2以上のガス噴射口をそれぞれ設けたことを特徴とする,請求項3〜9のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記複数の誘電体を支持する支持部材に,前記ガス噴射口を設けたことを特徴とする,請求項10に記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記複数の誘電体の周囲に,処理室内に第1の処理ガスを供給する1または2以上の第1のガス噴射口と,処理室内に第2の処理ガスを供給する1または2以上の第2のガス噴射口をそれぞれ設けたことを特徴とする,請求項3〜9のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  13. 前記第1の噴射口と第2の噴射口の一方を他方よりも下方に配置したことを特徴とする,請求項12に記載のプラズマ処理装置。
  14. マイクロ波を導波管の下面に複数形成されたスロットに通して処理室の上面に配置された誘電体中に伝播させ,誘電体表面で形成させた電磁界での電界エネルギーにより処理室内に供給された処理ガスをプラズマ化させて,基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理方法であって,
    前記誘電体の下面に複数の凹部を形成し,それら凹部の深さを異ならせることにより,誘電体の下面におけるプラズマの生成を制御することを特徴とする,プラズマ処理方法。
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